宇宙のしくみ⑥ 国際宇宙ステーション

宇宙のしくみについては、興味あることが、まだまだ山ほどありますが、とりあえず、今日が最終回です。よくテレビで、「国際宇宙ステーション(ISS)から、宇宙飛行士の○○さんと中継がつながっています・・・」というシーンを見ることがありますね。

 

この国際宇宙ステーション(ISS)は、アメリカ・ロシア・ヨーロッパ・カナダ・日本が共同で建設した実験施設です。1998年から建設が開始され、2000年11月から宇宙飛行士が滞在しています。ISSは約400㎞上空を、1周に約90分かけて地球のまわりを回っています。質量は約420トン、サイズはサッカーコートと同じくらいです。どうですか、少しはピーンときましたか?

 

ISSには4つの実験室と、宇宙飛行士が食事をしたりシャワーを浴びたりするための居住スペースがあり、最大6人まで生活することができます。ISSでは各国が、地球や天体観測に加えて、宇宙空間という特殊な環境を利用した実験・研究などを行っています。

 

日本は、「きぼう」と呼ぶ実験棟をもち、薬品の開発研究や宇宙環境が人や生物に与える影響を調べる研究などを行っています。

 

さて、ISSに長期滞在したらヒトの体はどうなるか?想像できますか。ISSは、体重がゼロになる無重力の環境です。地上に暮らしているとき体重60キロの人は、歩いたり走ったりするときに、常に60キロの重さを全身の筋肉や骨を使って運ばなければなりません。血液などの体液も重力で下半身の方に引っ張られるため、心臓や血管は重力に負けずに全身に血液を送り出します。

 

私たちは、日常生活の中で、無意識のうちに血液をくまなく循環させ、運動をして、筋肉や骨の量が減らないようにしているのです。ところが、ISSでは体重がゼロになるので、筋肉や骨をわずかな力で動かすことができます。よって、筋肉はすぐに衰えて、骨ももろくなります。

 

そんな環境ですので、宇宙飛行士は、ISSの中で、運動器具を使って毎日トレーニングをしています。それでも、半年ほどISSに滞在した後に地上に戻ると、誰かに体を支えてもらわないと立ったり歩いたりできずに、1か月以上にわたってリハビリを行います。

 

どうですか・・・宇宙飛行士は、かなり過酷な環境で活動をしているのがわかりますね。

 

さて、地球のまわりには、どれくらいの人工衛星が回っているかわかりますか。約5800機が地球の軌道上を回っています。テレビの衛星放送は、約3万6000キロ上空にある「通信衛星」を中継基地にして、家庭に電波を送り届けています。

 

「気象衛星」も約3万6000キロ上空にあり、地球を一望できるところから広い地域の雲の動きや地上の温度などを観測するので、正確な天気予報が可能になったのです。

 

カーナビやスマホの道案内は、GPSなどの「測位衛星」が使われ、森林の様子や地上、海上の気温などを観測する「地球観測衛星」、宇宙から天体を観測する「科学衛星」、他国の様子を探る「スパイ衛星」など、様々な目的のものがあります。

 

宇宙のしくみを考えると、私たちが知らない事ばかりで、夢がどんどん広がっていきますね。サマーキャンプの夜に天体観測をした子どもたちにとっては、このワクワクドキドキ体験をきっかけにして、果てしない宇宙に興味を持ってくれるとうれしいですね。

 

お盆期間は、日本各地で大雨による被害が続きました。広大な宇宙の太陽系の中にあるのが地球です。地球環境についても、子どもたちと一緒に考えていかないといけませんね。