沖縄自然探検

8月末というタイミングで、ようやく保育園では、カブトムシやクワガタの観察が始まりました。昨年は、ケヅメリクガメもウーパールーパーや魚やカメの水槽も、カタツムリも飼っていなかったので、園長がカブトムシを早々に夜の雑木林で採集して、子どもたちが観察していました。

 

「そういえば・・・今年は、まだ夜の雑木林に行ってないぞ」と思い、ようやく、保育園の仕事が終わって採集に出かけています。カブトムシはメスだけでオスが採れませんが、子どもたちは喜んで触っています。

 

5歳男の子が、昆虫図鑑を見ながら観察をします。カブトムシ(メス)とノコギリクワガタ(オス)は、すぐにわかりますが、クワガタのメスが難しいですね。小さい子は「クワガタの赤ちゃん」と言っていますが、メスのクワガタは、なかなか区別がつきません。図鑑には、外国のクワガタも含めて、何十種類と載っているので、「これだ!」が、なかなか見つかりません。

 

保育園の子どもたちは、飼育ケースのクワガタは何ていう名前だろう?という目的意識があって図鑑を見ているので、集中して見ていますが、子どもにとって、ただ図鑑を見ているだけでは、すぐに飽きてしまいます。

 

私が中学時代に国語の先生によく読まされた、岩波ジュニア新書に、盛口満さんの「沖縄自然探検」という本があります。これが、子どもたちの興味をグッと引き付ける内容になっています。

 

主人公のゲッチョ先生こと著者は、少年少女をフィールドに連れ出します。地面に1メートル四方の枠を描いて、そこに落ちている貝を拾ってみることにします。なんと、小さな巻貝が7種類、500個近くも見つかりました。みんな、陸生の貝、つまりカタツムリの仲間です。

 

これだけの貝がいれば、その貝を食糧にして繁栄できる生物がいるはず。なんだろう。答えはホタルです。えっホタルって、清流にいるんじゃないの?そう、陸上に生活するホタルもいるのです。しばらく探すと、ホタルの幼虫が見つかりました。わりとグロテスクです。

 

さらに探すと幼虫の死体に菌が取り付いて棒状に広がった冬虫夏草を発見。そのそばには地下にトンネルを掘って巣を張る原始的なキモグラがいる・・・という具合に、ゲッチョ先生は実に巧みなネイチャーガイドとして、隠れている自然の扉を開いて見せてくれるのです。

 

沖縄本島以外に、世界最大の蛾「ヨナグニサン」の産地、与那国島や西表(イリオモテ)島などの八重山諸島にも触れています。西表島は、「イリオモテヤマネコ」や飛べない鳥の「ヤンバルクイナ」で有名ですね。学生の頃に、西表島を8時間かけて縦断した私は、ヤマビルに血を吸われ、姫ハブを踏みそうになりました。もし、また行くことがあれば、西表島のジャングルの中で「ヤエヤマセマルハコガメ」という、ジャングルに生息するリクガメを見つけたいですね。イリオモテヤマネコやヤンバルクイナよりは、見つける確率は高いそうです。

 

また、ゲッチョ先生こと著者の盛口さんのイラストがめっぽう上手で、写真以上に引き込まれてしまうのです。

 

こんな本を子どもたちに、さりげなく与えたいですね。探検家へのきっかけになるかもしれませんよ。(笑)