メカジキ デニム

運動会の練習も3日目となりました。今年初めてのプログラム「綱引き」では、年少園児が、綱を引っ張るというよりも触っているだけです。年長・年中の頑張り次第です。(笑)

 

さて、「メカジキ デニム」をご存知ですか。そう、あのとがった剣のようなあごを持つ、魚のメカジキです。できあがった姿は、何の変哲もないように見える一本のジーンズですが、デニム愛好家の間で注目を集めています。このデニムには、ストーリーがあります。よく言われる「モノ」ではなくて「コト」です。

 

宮城県気仙沼にある「オイカワデニム」は、気仙沼湾が一望できる高台に工場を構えます。1981年創業で、数々の有名ブランドのOEMを請け負ってきました。転機は、2011年3月。東日本大震災による津波で甚大な被害を受け、高台にある会社は避難所として百人以上の地域住民を受け入れたそうです。

 

「その中に地元の漁師さんが大勢いて、彼らといろんな話をしました。メカジキの吻(ふん)が大量に廃棄されていることを知ったのもその時です」と社長の及川さんは言います。「吻」とは、ウンチではなく、メカジキのとがったあごです。廃棄する総量は、気仙沼港だけで年間40トンだそうです。

 

これをデニムにしようと、翌月、工場再開と同時に前代未聞のプロジェクトが始動しました。吻を粉砕し、主成分のリン酸カルシウムを線維化して綿に織り込みます。製品化に向けて試行錯誤を繰り返し、2014年11月に、ついに販売開始となったそうです。

 

生地の強度があるだけでなく、保湿効果があることもわかったそうです。全体の40%が、メカジキ由来の繊維の「メカジキ デニム」の完成です。震災から10年が経過し、ファンの輪はヨーロッパを中心に世界中に広がっているそうです。

 

お値段は・・・1本税込み25300円です。ストーリー(コト)があるから、この値段でも売れるのですね。