アフリカ人の大学学長

今日から10月ですね。今年もあと3ヵ月・・・という声もあるでしょうが、10月の運動会と12月のクリスマス発表会は、ホワイトきゃんばすにとっては、子どもたちの成長につながり、保護者にも喜んでいただける大きな行事です。

 

まずは、運動会の練習が着々と進んでいます。今日は教室内で、1・2歳児を含めてダンスの練習を行い、その後は、寺子屋園児の組体操です。一斉保育ですが、子どもたちは、先生にやらされているのではなく、「運動会がんばるぞ!」の気持ちで動いています。

 

さて、東京2020オリンピック・パラリンピックを機に、「1つの国に文化が複数共存し、混ざり合うことで何が生まれてくるか、お互いをどう認め合うかが、これからの真のグローバル社会で生きる上では、非常に重要である」と強く言われるようになりました。

 

しかし、私たちの普段の生活の中では、そうそう、異文化が交流するシーンが増えているわけではありませんので、これをどうやって共有するか、難しいですね。

 

2018年4月、日本で初めてアフリカ人の大学の学長が誕生しました。そこは、学生の約27%が留学生という、京都精華大学です。「マンガ学部」が日本で唯一あることでも知られた大学です。そして、学長の名は「ウスビ・サコ」さん55歳です。母国語のバンバラ語の他、フランス語、中国語、英語、日本語を自在に操ります。

 

サコさんは、西アフリカのマリ共和国の首都バマコに生まれます。小学生時代は「フランス式」の生活や考え方を学び、中学校時代は、自宅を離れ水道も電気もない生活で、朝起きると井戸から水を汲み、5キロの田舎道を歩いて学校へ通ったそうです。

 

高校では、勉強を頑張り、「バカロレア」に合格します。そして、中国に留学し6年間過ごしたことが、サコさんの目を世界に開かせるのです。北京の大学には、あらゆる国の学生が800人もいたそうです。多様性を認めないとやっていけませんね。

 

中国で学士を得たサコさんは、友人とともに日本を旅行します。それまでは「工業製品のような合理的で人工的なイメージ」を抱いていた日本に、人懐こくて明るい人がいることを知ります。戦争によって、一度は焦土になった日本が、どうやって成長を遂げたのかにも興味がわきます。そして、日本への留学を決めるのです。京都大学に在籍し、その後京都精華大学の専任講師となるのです。

 

サコさんの研究室は、面白い試みをする集団として注目を集めていきます。研究室で夜通し話すこともよくあり、学生の論文作成をサポートします。

 

学長になって、「私とは何者か?」と題したスライドを学生を前に映し出します。

「日本がいま排他的になっているのは、一人ひとりが自信を失っているからではないか。自信を持つには、自分が何者かを知ることが大事です。答えの見えない世の中を生きるあなたたちは、自分の変化を恐れず、他者との交流を通じて、自分の『ヴォイス』を持つことを目指してください」と語ります。

 

様々な世界の文化の違いを共有することは、正直どれだけできるか・・・自信がありませんが、自分の『ヴォイス』を持つことならできるような気がします。