「こども食堂」の役割

今日は、寺子屋園児全員が出席して運動会の練習です。30メートル走・つな引き・サーキットレース・組体操・紅白対抗リレーと5つの競技を練習しました。運動会当日と同じ組み合わせでしたので、「勝った」「負けた」で熱い戦いとなりました。負けていても、最後まであきらめないで取り組む園児が、一番かっこいいですね。

 

さて、今日は「こども食堂」の話です。こども食堂は、2012年に一市民の活動からスタートしました。ホワイトきゃんばすが開園した年と同じですので、まだ最近の話ですね。それが、今では、全国で5000ヶ所あるそうです。

 

子ども食堂は、貧困問題に対応すべく、満足に食事が食べられない子を対象にした施設と思われがちですが、現在では、約8割が「誰でもOK」だそうです。不登校を経験した高校生が、同じ悩みを持つ後輩を見守っていたり、お母さんはママ友と話をして元気になる・・・というイメージですね。

 

「食べられない子、おいで!」と言っても、当事者はなかなか行きづらいので、多世代に門戸を開き、地域の居場所となり、そこで困りごとを抱える子どもに目を配る。それが、今のこども食堂のスタンダードのようです。

 

こども食堂は、今では地域のセーフティーネットの役割を果たしています。つまり、「今後の社会に必要な解決策も詰まっている」のです。

 

例えば、多様性や共働を学ぼうと、私たち大人は「みんなちがってみんないい」と簡単に口にして、「やっていこう!」と子どもたちに言ったりします。しかし、本来、人間という生き物は、趣味が同じ人間の集まりに、くつろぎの時間を感じるのであって、自分と違う人間を認めるのは「面倒くさい」ものです。「移民を積極的に受け入れて共存共栄の社会をつくっていこう」という総論には賛成しても、実際に移民が増えてくると「反対!」と立場が変わったり、分断が生まれたりします。

 

しかし、子どもの頃から自分と違う人のいる空間に身を置くことが、多様性を学ぶことには大事なことだと言えます。こども食堂は、まさに「地域交流の場」であり、様々な困難に立ち向かおうとしている人たちの、勇気の場所でもあります。

 

貧困で食べられない子への食事提供がスタートだった「こども食堂」は、今では、もっと大きな役割を果たしているのです。