孤独担当大臣

今日の屋上遊びでは、自転車の練習に励む園児が目立ってきました。ストライダーでスピードが出せて、補助付き自転車もしっかりとこげる3歳女の子が自転車にチャレンジです。たいがいの子がつまづくのは、自転車になったとたんに、足が止まってしまいます。恐怖心がどっとわいてきてしまうからです。あせらずに、やっていくことにします。

 

さて、「孤独担当大臣」を置いている国はどこかわかりますか。日本ではありません。それは、イギリスです。

 

世界的な問題となっている「孤独」は、個人の気持ちの問題だけでなく、健康や寿命にかかわっていることが、今年の研究で明らかになっています。イギリスは、2018年に孤独担当大臣を創設しました。

 

イギリスでは、政府が手をつける前から、慈善団体や企業が孤独問題に取り組んでいました。例えば、スーパーマーケットに掲示された高齢者の夢の中から、自分が手伝えそうなものを実行するプロジェクトがあります。

 

「逮捕されてみたい」という104歳の女性のもとに警官がパトカーで駆け付け、「104年も良き市民であった罪」で手錠をかけます。これが、日本だったら大騒動ですね。イギリスでは、何をやってるんだ!と文句を言う人がいない大人の国のようです。お金をかけず、アイデアを出す。高齢者の夢を叶えることの重要性を人々が認識しているのです。

 

カフェで見知らぬ人同士がおしゃべりするための専用テーブル、高齢者と話し相手のボランティアを結ぶ電話サービスなどが、当たり前にあるそうです。

 

こうした活動の背景には、イギリスに根付いた文化があります。ベビーカーを電車から降ろそうとすればサッと手伝い。信号を渡り切れない高齢者に寄り添って歩く人がいます。

 

日本人だって、電車とホームのすき間に人が挟まってしまったら、「みんなで電車を押して」人助けをするような、思いやりの文化があります。しかし、日本には、人に頼ってはいけない、迷惑をかけてはいけないという美学があります。

 

これからのことを考えると、「孤独だから助けて」と声に出せる世の中のほうが優しいですね。よく「俺は孤独がいいんだ。孤独を楽しんでいるんだ」という人がいますね。でも、ずっと一人ぼっちは辛いですね。