幼児教育の ばらつき

今日は、お昼寝タイムに年長園児を連れて、小学校探検をしました。本日登園した年長園児が、4月から登校する2か所の小学校です。1つ目は、さいたま市立栄(さかえ)小学校です。ここは、ホタルの飼育をしています。裏山が雑木林になっているので自然に恵まれています。もう一校は指扇(さしおうぎ)小学校です。校庭にはビオトープがあり、ガマの穂が実っていました。鉄棒やうんていで遊んでいると、小学校への期待が膨らんできます。

 

さて、保育園ホワイトきゃんばすからは、来春6人の卒園児が、小学生になります。しかし、全国的な問題ですが、受け入れる小学校では、小1への移行がスムーズにはいきません。

 

小1の担任経験のある教員の声です。

「授業を聞く態度や集中力に差があるように感じる」

「読み書きや計算ができる子、できない子がおり、一斉の指導が難しい」

「集団生活の経験が乏しいと、不登校につながりやすい」

「粘り強く取り組むかどうかの差が大きい。すぐに投げ出す子どもがいると、全体の指導 

 が難しくなる」

「学力は個人差が大きいと思うが、学習態度は就学前教育による差があるように思う」

 

私が、PTA会長の時には、1年生の担任に、同じような話をたくさん聞きました。ほとんど情報がない、ばらついた子どもたちが、1クラスざっと30人以上ですので、1年生の担任は、経験があって、小さい子への指導力のある先生が任されることが多いです。

 

文科省は、幼稚園や保育園、認定こども園に通う年長園児が小学1年生へと円滑に移行できるよう、新たな教育プログラムの策定を進めているそうです。幼児教育は、国際的には重要視されています。

 

もちろん、文科省が何も手を打たなかったわけではなく、2017年には、保育園・幼稚園・認定こども園の教育指針の内容の共有化を図り「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を掲げました。

 

「健康な心と体」自立心」「協同性」などの10項目を「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」の両方に策定したのです。幼稚園は文部科学省で、保育園は厚生労働省と、管轄が違いますが、統一を図ったのです。

 

また、小学校・幼稚園・保育園が合同で、「幼・保・小連絡協議会」を密に行って、情報の共有化を図ってきました。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、この「10の姿」を小学校への引継ぎに活用していますが、そもそも、保育園と幼稚園では、保育時間も異なり、保育士と幼稚園教諭の資格も異なります。幼児教育の統一プログラムを策定するのは、現実的には厳しいですね。

 

幼児教育では、小学校で行う、認知教育(算数・国語などのいわゆる、お勉強)を先取りして行うのではなく、集団生活の中で育まれる非認知能力(みんなでやりとげる・がまんする・あきらめない心など数値化できない能力)を高める統一プログラムが重要だと思っています。

 

遊びの中での集中力と、友だちとのケンカやトラブルの中からコミュニケーション能力を小学校入学前には、つけさせたいですね。