ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

今日は、屋上で「ガマの穂」をモミモミしました。ガマの穂をイメージできますか。フランクフルトのような形をした湿地帯に生える植物です。この時季に、1つから数万個の種を綿毛で飛ばすのです。毎年、園長が秘密の群生地から採集し、子どもたちに体験させているのですが、まさにモクモクと煙のように綿毛が出てくるので、子どもたちもビックリです。

 

さて、今日はずいぶん前にこのブログで紹介したことがある、南米ウルグアイの大統領であった、ホセ・ムヒカの話をします。ムヒカは、2010年から5年間大統領を務め、収入の大半を寄付し、公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に、小さな農場で質素な暮らしを続けました。そんな姿から、敬意をこめて「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれています。

 

昨年秋に、ムヒカから日本人へのメッセージというドキュメンタリー映画が上映されました。「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」というタイトルです。先日、おやじ仲間からプレゼントされたブルーレイに見入っていました。

 

ムヒカの名を世に知らしめたのは、2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連持続可能な開発会議での名スピーチです。保育園ホワイトきゃんばすが開園した年です。彼は、このスピーチで、先進国の大量消費社会を強く、しかし優しい口調で批判しました。「優しい口調で批判した」ことが、この会議に出席していた世界のトップだけでなく、世界中の人に影響を与えたのです。

 

日本では「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本になり、ベストセラーを記録します。私も買ってしまいました。そんな、ムヒカに影響を受けた、日本人若手監督とムヒカの不思議な交流がこの映画です。

 

ムヒカの生涯は劇的です。軍の独裁政権に反抗する非合法政治組織に参加し、ゲリラ活動も経験します。4度の投獄を経て解放され、1994年に下院議員に初当選。そして、2010年に第40代ウルグアイ大統領をになったのです。ムヒカ曰く、一介の花作りの労働者が大統領になったのです。しかも、4度も牢獄にぶち込まれた男です。

 

そして、ムヒカはついに初めて日本の地を訪れるのです。テレビニュースだけでなく、ワイドショーでも放映されたので、記憶している方も多いと思います。

 

私たちは気がつきませんが、ムヒカは、町並みの広告で、外国人モデルが多く使われていることに、日本の欧米化が当たり前に日常にある反面、日本の伝統文化の奥深さに触れるのです。

 

そして、日本の若者を前に、愛にあふれたメッセージが贈られます。学生の質問に「君が何かを買う時、お金で買うのではない。お金を得るために費やした時間で買っているんだよ」といいます。あなたが何を選択するかは、あなたが歩んできた人生経験で、自分で考えて決めなさい。とムヒカは言っているのです。

 

日本に来て、広島を訪れなかったら、日本の歴史に対する冒とくだと言って、広島も訪れます。彼の目に映った、日本がこの映画の中では描かれているのです。

 

ムヒカは、80歳を過ぎた今でも現役の議員であり、彼の妻は現在副大統領です。どうですか・・・ムヒカをもっと知りたくなりましたか。まずは、彼の名スピーチから検索してみてください。