「一丸となる」は、同調圧力?!

現在、クリスマス発表会に向けての練習を子どもたちは頑張っています。ついつい使ってしまう言葉は「子どもたちがチーム一丸となって取り組んでいる」です。

 

「チーム一丸」という言葉は、昔から日本人が大好きな言葉ですね。特に、団体競技のスポーツでは、様々な局面で、この言葉が使われます。「チーム一丸となってがんばろう!」というセリフを言ったことがない人など、いないかもしれませんね。

 

トップに立つ人たちは、なぜか「チーム」という言葉を使いたがります。みんなが一丸となれば、道は開けると思っているのかもしれませんが、これは、完全に昭和の精神論ですね。組織のトップが、「チーム一丸」を口にすると、同調圧力に聞こえるのは、私だけではないと思います。「道を開くためには、チームが一丸になろう」という抽象的な言葉ではなく、現実的には、もっと具体的にマネジメントしないといけませんね。

 

ラグビーワールドカップで日本代表が使い、新語・流行語大賞にもなった「ワンチーム」という言葉の意味を多くの人たちが「チーム一丸」と同じ意味と勘違いしているような気がします。

 

「ワンチーム」の意味は、出身地や文化などの違いを乗り越え、個々が持てる能力を最大限に発揮して一つに結束した・・・という意味です。「みんないっしょでみんないい」ではなく、まさに多様性の時代を象徴した組織の在り方と、私は思っています。

 

「ワンチームでいこう!」というスローガンからスタートしたのではなく、それまでの組織運営や練習の過程を経て、「ワンチームになった」と言えるのです。

 

個人よりも集団を優先し、奉仕する心が美徳とされた古い日本がイメージする「チーム」ではなく、「違いを認めながら、1つのチームを作り上げていく」という考えの「ワンチーム」に、これからの日本は変わっていかないといけませんね。

 

どうですか・・・これから、皆さんが使う「チーム」という言葉の意味。あなたの組織ではどうあるべきか、一度考えてみてもいいですね。