子どもたちへ④ 挫折や困難が君を強くやさしい人にする

新年あけましておめでとうございます。今年はとら年ですね。虎は強いイメージがありますが、あきらめないで獲物を追い続ける動物です。今年も、子どもたちが、あきらめないで最後まで頑張れるように、時々背中を押していこうと思っています。どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。

 

義理の母が住む福島県に来ています。今年も「初日の出」を拝むことができました。雪景色です…寒いです…(笑)でも、お日様がゆっくりとのぼっていく姿を見ると、「今年も頑張ろう!」という気持ちになってきますね。

 

さて、大人になると、人生には挫折や困難がつきものだと普通に語ることができますが、どうしても、我が子には「挫折も困難もさせたくない」というのが親心です。しかし、自分の思い通りにいかない経験をたくさん経験することが、子どもの成長につながることは、大人なら誰しも思っているはずです。

 

「園長先生は、みんなよりも長く生きているから、人生の中で、つらい経験やくやしい思いをたくさんしました。その原因が自分自身にある時は、しっかりと振り返って、反省して同じことをしないようにしましたが、やれるだけの努力をしたのにどうにもできなかったことや、なぜそうなってしまったのか、自分では理由が分からないこともありました。どうすべきだったのか、いくら考えても答えが出ない時は、考えるのをやめて、『時薬(ときぐすり)』に任せることにしたものです。

 

どうしようもないときは、無理に元気に振る舞う必要などありません。辛いときに効く薬は『時間』と『人のやさしさ』です。園長先生は、この時薬をよく使いました。保育園の『かめきち』が死んでしまった時も、悲しくてどうしようもなかったので、今でも時薬を使っています。また、辛いときに、信頼できる仲間に声をかけてもらって、元気になったこともたくさんありました。その仲間たちも、辛いことをたくさん経験しているので、人にやさしい言葉をかけられるのです。

 

生きていると、自分の力ではどうしようもできないこと、努力が報われないことがあります。『部活でレギュラーになれなかった』『受験で志望校に入れなかった』『大好きな人にフラれてしまった』『学校でいじめられてしまった』とか、たくさんの困難を乗り越えたとき、あなたはちょっとしたことではへこたれない精神的な強さ、苦しんでいる人に寄り添ってあげられる心のやさしさを手に入れられるでしょう」

 

「レジリエンス」という言葉をご存知ですか。逆境にあっても前向きに行動できる力、挫折を経験しても再起できる回復力のことをいいます。これは、心身を健康に保ち、仕事で成果を出すために必要な要素ですね。意識や行動で強化できるといわれています。変化が激しくて、ストレスの多い現代社会において、失敗や挫折は当然起こり得るものと私たち大人は認識して、子どもたちの心が折れないように、見守ることが大切です。

 

まずは、我が子に「人生に挫折や困難は当たり前」と、自分の失敗談を堂々と話すことから始めてみませんか。