さいたま市「子ども会議」

今日は、阪神淡路大震災が発生してから、27年目の1・17です。朝の番組で追悼式典の映像が流れていました。「忘れないで」という言葉を目にしました。私も、決して忘れません。神戸の本社と連絡が取れなくなり、状況把握ができないまま、大宮そごうのバレンタイン特設会場で、後輩とチョコレートの陳列をしていました。当時は、携帯電話もなかった時代です。

 

保育園の子どもたちは、1・17阪神淡路大震災どころか、3・11東日本大震災後に生まれた子どもたちですので、映像や言葉で伝えてながら、この子どもたちが生きている間に、大きな地震が間違いなく発生すると思っていないといけません。

 

さて、さいたま市では、先日「子ども会議」を行い、「いじめをどう防ぐか」をテーマに議論を交わしたそうです。

 

さいたま市内のすべての公立中学校から代表生徒60人が集まり、いじめの原因や解決策、自分たちの学校の課題などについて話し合いました。まずは、冒頭に3分ほどの映像が流れます。一人の生徒が不登校になってしまう事例です。学級委員長から仕事を押し付けられたり、描いた絵がみんなの前でけなされたりして、不登校になっていく内容です。

 

参加した生徒からは、「周囲の黙認が問題」「逆らえないと感じる生徒同士の関係、声を上げにくい雰囲気が良くない」などの意見があがります。

 

また、それぞれの学校からの課題として、「いじめと悪口、いじりとの区別ができず、自覚なく人を傷つけている例がある」「みんなが気楽に話せる雰囲気がある反面、暴言のような言い方も横行している」といった声も聞かれました。

 

子ども会議は2014年に策定され、これまでSNSでのいじめをなくすための指針づくりなどを行ってきたそうです。今回、参加した生徒の一人は「日頃は関わりのない他校の生徒と意見を交換することで新たな発見があった。自分の学校で、生徒みんなが過ごしやすい雰囲気づくりに生かしたい」と言います。

 

少し、厳しい意見を言います。ここに参加した60人は、おそらく、生徒会長など、いじめについての問題意識が高い生徒たちだと思われます。この60人が「今日の会議は良かった」で終わっては、この会議の意味がありません。自分の学校に持ち帰って、校長はじめ、先生たちがどれだけこの問題に向き合うか・・・それが大事です。

 

私が、PTAに関わっていた時に、何度かPTA主催の講演会に参加しました。しかし、名のある講師の先生の話を聞きに来る保護者は、たいがい、日頃から問題意識が高い親ばかりで、本当に講演を聞かせたい親は参加してくれません。

 

各学校の代表生徒が持ち帰った内容を、どれだけ、自分の学校につなげていくかが大切です。代表生徒の力量まかせではなく、チーム学校の力量が問われるのです。チーム学校は、当然、親も地域の協力者も含まれます。

 

さいたま市の「子ども会議」のような取り組みを行っている自治体は、全国にはたくさんあると思います。行政のパフォーマンス会議ではない、意義ある会議になっていけるように、私たちも、しっかりと協力していきたいですね。