高3で「起業」の決意

4月からの「18歳で成人」は、146年ぶりの年齢変更となります。若者がより早く社会で活躍できる機会が増える一方で、責任は重くなります。よく言われる「権利と責任の両方を考る」ことを18歳の若者に課せられるのです。

 

テレビなどのマスコミ報道は、どちらかというと、期待よりも「クレジットカードが親の同意なしで作れるから、借金を抱える若者が増える」などの不安報道が多いですね。今日は、期待する若者の話です。

 

ある高校3年生男子の話です。島根県の高校で寮生活をしながらレスリング漬けの日々を送り、全国大会でもベスト8に入る強豪選手です。大学に進学するつもりでいたが、昨年夏に帰省した際に、故郷のさびれた街並みを目にして心が揺れたそうです。

 

スーパーや商店がいくつも廃業していた。人口減や営業不振に加え、アマゾンなどネット通販が浸透する中で、地元の商店はネット対応できていないことが理由だと思ったのです。そこで、ふと考えたそうです。街の情報を一つに集めたアプリがあったら。それで、病院の予約やタクシーの手配、食料品を簡単に注文出来たら・・・高齢者の生活は便利になり、商店も活気が戻るかも。どんどんアイデアが湧き「社会問題の解決に直接関わりたい」と、進学をやめて起業を決意するのです。

 

親は賛成してくれたが、力は借りない。「自分を追い込むことが成功の鍵になる。成人なら100%自分の責任で挑戦できる」と、起業支援に力を入れる都内のIT企業のインターンとなり、1年以内の起業を目指すそうです。

 

日本は、もともと起業率が低い国です。中小企業白書によると、2018年度に開業した割合(開業率)は、日本が4.4%、米国は9.1%、英国は13.5%でした。学生の起業意識も低く、卒業直後に起業したいと考える学生は、58か国全体で17.8%で、日本は3%だそうです。もちろん最下位です。

 

やはり、日本では起業を「リスク」と捉える傾向が強いですね。18歳成人を機に、若者の起業意識が高まることを期待したいです。

 

こう言う私も、就職してサラリーマン生活の中では、起業することなど、全く考えていませんでした。保育園をつくって、子どもたちに関わる仕事をしようと決意し、準備を始めたのが40歳半ばでしたので、18歳の決意は、正直「凄いなぁ~」と思っています。日本にこんな若者が増えて欲しいと、昭和のおやじは思うのです。