教科書の話

朝9時まで降り続いた雨で、屋上はプールのようになっているところもありました。こうなると、ますます屋上遊びに燃える子どもたちです。せっかく長靴で登園しているのに、中まで水が入り込んでぴちゃぴちゃ言ってます。でも、子どもたちは満面の笑みなのです。(笑)

 

さて、日本の小中学校は、義務教育なので、私たちは教科書無償化が当たり前だと思っていますが、教科書が完全無償化となったのは、意外にも1969年、昭和44年度からだそうです。私が小学生になって、初めての教科書は、まだ無償化が始まったばかりだったのです。

 

教科書は戦前まで原則、各家庭で購入していました。貧しくて教科書が買えない子は書き写したり、「お古」を使ったりする例も多かったようです。小1の一部の教科書が無償化されたのが戦後間もない1951年で、その後財源不足で停滞したようですが、冒頭の昭和44年に完全実施されたのです。

 

ちなみに、今年度の1年生の教科書は、いくらかかっているかご存じですか。1冊平均で、国語が409円、算数は395円で、合計金額は約2500円だそうです。安いと思いますが、これはすべて国が教科書会社から買い取っています。「教科書の無償化は、次代を担う子どもたちに、我が国の繁栄と福祉に貢献してほしいという願いを込めて実施されています」というのが、文部科学省、いや国の思いなのです。

 

実は、教科書の完全無償化の国は、世界では少数派で、アメリカ・イギリス・フランスなどの欧米の大国は、無償ですが貸与なので返却義務があります。スペイン・シンガポール・ベトナム・台湾は、有償となっているようです。

 

2015年には、教科書会社10社が、約3500人の教員らに検定中の教科書を見せ、意見を聞いた謝礼名目で現金などを渡していた事件もありましたが、今日は、そこを追求するのではなく、もし、あなたに小中学生の子どもがいるのでしたら、教科書・・・覗いてみませんか。