深まる若者たちの孤独

今日は、保育園を日中抜けて、元勤務先の「OB会」に参加しました。飯田橋の事務所に向かう電車の中は、ほぼ9割の乗客がスマホを操作していす。本を読んでいる人はゼロで、寝ている人が数人です。「う~ん」と考えさせられる光景です。

 

日本は、英国に次いで、世界で2例目という「孤独・孤立対策担当大臣」を21年2月に設置しました。まだ、成果という形には至っていませんが、4月に公表された実態調査では、冒頭の電車の乗客に見られる危機が指摘されました。

 

SNSが発達し、誰でもいつでも、どこからでもつながることができる時代なのに、なぜ、人はこれほどまでに孤独なのだろうか・・・SNSの使用時間が長い人のほうが孤独を感じやすい。物理的にはスマホの前に1人でいるのに、SNSの空間上では群衆の中にいる。ふと我に返った時に自己内省的な感覚に陥ることが多いと言われています。つまり、浅く広い人間関係の中での空間でしか満たされない親密性では、ますます孤独感が増すというのです。

 

かと言って、親密な人間関係をたくさん作るのも気を遣うばかりで疲れますね。「ひとりは寂しいけど、ずっと誰かと関わるのは疲れる」この矛盾が、人間なのかもしれません。

 

昨今では、若者の孤独・孤立が増えていると言われています。そもそも、孤独とは「自分が必要とされていないという感覚と、逆に自分が必要だと思うものがないという二つの感覚」に起因します。

 

「永続孤独社会」の著者、三浦さんはこう言います。「自分が愛し、愛されている関係は居心地が良い。行きつけの店の大将の料理が好き、この作家のコーヒーカップがお気に入り、という相互に人格を認め合う感覚がたくさん持てると孤独にならない。一方で便利・速い・安いばかりを追求しているところには愛は生まれない。ましてや、なんでもAI化してしまうと人格性が消え、孤独感が高まっていくでしょう」

 

どうですか・・・私は、一人でいることはまったく苦になりませんし、若い頃は一人旅を続けていました。でも、本当にひとりぼっちになって孤立してしまうことには、恐怖を感じます。

 

人間関係の距離間の持ち方は、人それぞれですが、若者たちの孤独について、私たち大人は意識しないといけませんね。