ICT利用と学力

今日の寺子屋では、9月10日の「秋まつり」で行うゲームの1つ「魚釣りゲーム」のタコさんや魚たちを作りました。子どもたちが手作りした、海の生き物を釣るのです。朝の会では、秋まつりで踊る「ポケモン音頭」を練習していますが、子どもたちは、すぐに覚えてしまいます。

 

さて、いきなり小学校6年生の理科の問題です。「果汁入りのジュースの量を半分にしたら、果汁の濃度はどうなるでしょうか?」

 

答えは、変わらないですが、多くの児童が「果汁の濃度も半分になる」と誤答したそうです。どうして、こんな間違いをしてしまうのか・・・専門家は、実体験することがないデジタル思考の表れにほかならないといいます。

 

日本全国の小中学校では、今や1人1台のタブレットなどの端末を活用しています。そんな環境ですが、興味深いデータがあります。

 

小学校6年と中学3年の子どもたちを対象に、スマホやパソコンなどのICT機器の利用頻度が、学力(全国学力調査)にどう影響するかをデータにしています。

 

ICTを長い時間活用している児童・生徒が学力も高い傾向にあると思いきや、逆に長く使えば使うほど、学力が低下するという結果となったのです。

 

小6では、30分~1時間利用が、正解率が70%近くと最高値となっていますが、そこから、どんどん下がっていき、1日3時間以上使用している児童の正解率は50%まで落ち込んでいるのです。中学3年では、30分利用の学力が一番高く、小6と同じように、長時間使えば使うほど、学力が低下しています。

 

理由は、様々な要因が考えられますが、スマホやパソコンの検索で答えを得ることに慣れると、自分の頭で考えることが少なくなるのが、大きな理由といわれています。漢字の書き取りや理科の実験などは、実際にノートに書いたり、実験をすることが大切で、検索で

は、漢字を覚えるのが難しいですし、実験動画を見るとやった気になりますが、全く身につかないことが多いですね。

 

ある有名な絵本作家は、作品を作るときは、スマホやパソコンの検索機能は絶対に使用しないといいます。自分の言葉が出てこないからだそうです。

 

ICT利用は、あくまでも「手段」として有効活用することにとどめ、肝心なところは、「自分の頭で考える」習慣をつけたいものですね。