公立初の「イエナプラン教育校」

保育園ホワイトきゃんばすは、「異年齢保育」を行っています。大きい園児が小さい園児に遊びや学びを教えながら、互いに影響を受けながら成長するイメージがあると思いますが、実は、大人の組織と同じように、あまり年齢差を意識しないで、自然と共に生活しているのが実態です。

 

2019年に、初めて異年齢教育を行う「イエナプラン教育校」として、長野県に「大日向(おおひなた)小学校」が開校しました。そして、今年の春には、日本で初めて、公立のイエナプラン教育校として、広島県福山市に「福島市立常石(つねいし)ともに学園」が開校したのです。

 

保育園ホワイトきゃんばすが開園して、すぐに私は「イエナプラン教育」の勉強会に参加しました。「いつか、日本の小学校にイエナプラン校のような異年齢クラスで構成する小学校ができたらいいなぁ~」と漠然と思っていたのが、現実となったのです。もちろん、教育方法はいろいろあっていいのですが、公立のイエナプラン校ができるとなると、日本の学校教育も変化の波が起きそうですね。

 

甲斐和子、初代校長の話を聞いてみます。「準備期間に2年間を要した。その間、私もオランダへ研修に出かけ、現地のイエナプラン校を3校視察した。その3校がそれぞれ違ったやり方をしていて、なるほどイエナプランは、メソッド(方法論)ではなくて、コンセプト(概念)だと理解できた。だから、本学園のスタイルを作っていく」

 

「教職員も、対話を重ねながら、計画し、実践し、振り返り、改善しと、一体となって取り組んでいる様子がうれしい。本学園のスプリット(魂)は、学園名にある『ともに学ぶ』だと捉えている。私たち大人も子どもたちと共に学び、共に成長していきたいと考えている」

 

ある5年生は、1学期に「校長先生、考えるのってしんどいよね」と言ってきたそうです。でも、その児童は先日、自分の考えを提案して児童会長に立候補したそうです。「今は、考えるのが本当に楽しい!」と話しているそうです。

 

日本全国の自治体で、イエナプラン教育校が広がっていくことでしょう。ただし、イエナプラン校を作るには、地域の住民を巻き込んで「子どもたちの教育を通じて、わが町をこうしていきたい」まで考えないといけません。じっくりと、時間をかけて、少しずつ広がっていけばうれしいですね。

 

常石ともに学園が開校してから、この学園に我が子を入学させたいという移住者が増えました。学校教育という観点からも、日本が抱える大きな問題である、過疎化について、解決策の一つにつながっているようです。

 

まだ、スタートしたばかりの公立初の「イエナプラン教育校」…見守っていくことにします。