悔し涙の経験

いよいよ今週の土曜日に運動会です。明日からは、全体練習で小さい園児も入場行進や、開会式、ダンスの練習を行います。運動会の競技は全部で10種目あります。寺子屋園児は、そのうちの8種目に出場します。ほぼ出ずっぱりとなります。保護者にとっては、ずっと我が子を応援できる楽しみがいっぱいです。

 

さて、西文ひろばグランドでの練習で、毎日必ず行う種目が「紅白対抗リレー」です。運動会では、最後の種目となり、一番盛り上がる競技です。

 

園長としては、練習中に、たくさんの悔し涙を流してもらいたいと思っています。この悔し涙が、次への「がんばる力」につながるからです。

 

しかし、練習を見ていると、2種類の悔し涙があります。1つ目は、バトンを受け取った時点で負けていて、そのまま追いつけないと分かったときに泣いてしまう涙です。この涙は最悪です。失速して、ますます差が開き、チームを負けに導くからです。練習では「走っている時に絶対に泣かない!泣いたらチームが負けてしまうんだよ!」と、先生はゲキを飛ばして、1つ目の涙を食い止めています。

 

一方、2つ目の涙は、ゴールし勝敗が決まり、負けたチームの園児が流す涙です。毎回、必ず数名の園児が泣きます。ゴール後に、園長は必ずレースについて説明します。「紅組が負けてしまったのは、○〇君がバトンを投げるように渡して落としてしまったことと、○〇君が白い線からずっと外を走っていたので、その分追いつけなかったことが理由です」

 

そして、名前が挙がった園児は、さらに号泣します。もちろん、ミスをしてしまった園児は責めません。事実を淡々と話します。そして、ほとんどの園児は、同じミスをしません。悔し涙の後には、冷静に「今度はちゃんと走るんだ!」という気持ちになってくれるからです。

 

練習では、紅白対抗リレーに勝ち負けがつくことが、子どもたちの成長に大きくつながっています。もちろん、どんなにがんばっても、足が遅い園児もいます。でも、一生懸命走る姿があれば「○〇ちゃんは、負けていたけど最後まで全力で走っていた。だから、その後、白組が逆転して勝てたんだよ」と褒めまくります。

 

園長の本音としては、園児たちは、練習でしっかりと悔し涙を流し、成長しているので、本番では、紅組も白組も全力を尽くして、同時ゴールを願います。実は、2年連続で紅白対抗リレーは、全力を出しきっての同時ゴールとなりました。今年も、そうなって欲しいと願う園長ですが、運動会の神様は気まぐれかもしれませんね。(笑)