だしの正体

屋上の大根の葉を食い荒らしていた「アオムシ」を保育園で飼っていたのですが、今日は、一気に5匹のモンシロチョウが羽化しました。子どもたちが第一発見者で、お昼寝が終わった時間「先生!大変だ!ちょうちょが生まれたよ!」と大騒ぎです。どうやら、子どもたちがお昼寝をしている時間に、羽化したようです。

 

飼育ケースの中は狭いので、子どもたちと屋上の大空へ逃がします。まだ生まれたばかりなので、草の上でじっとしています。本格的な冬が来る前まで、頑張って生きていくのです。屋上の大根や小松菜の葉に卵を産むので、いたちごっこですが。(笑)

 

さて、今日は「だし」の話です。世界にも、フランスの「ブイヨン」や中国の「湯(タン)」など、だしと呼べるものはありますが、だしは、日本文化の象徴ですね。和食には欠かせません。

 

私が小学生の頃に、「今日は僕が味噌汁を作ってあげるね」なんて、母親の前でカッコつけて味噌汁を作ったのですが、その味噌汁を一口食べた母親は「この味噌汁・・・だしがきいてないよ」と言われてしまい、大失敗の記憶があります。(笑)

 

日本のだしの代表は、圧倒的なうま味を持つ「コンブ」と、世界にも類を見ないカビ付けした「カツオ節」ですね。日本のだしはシンプルで、うま味だけに特化しています。それは、単体でも満足感を得られる動物性食材、油脂や砂糖が乏しかったため、うま味を追求するしかなかったからです。だからこそ、季節の野菜などにだしのうま味を付けて、素材そのものを楽しむ洗練された食べ方が生まれたのです。

 

日本は、無駄をそぎ落とし、少し物足りないくらいを良しとする美学など、独特の文化の影響もあると言われています。カツオ節などは、カビ付けし発酵させるという、発酵文化を応用した工夫が重ねられ、他国にはない独自のだし文化が育まれてきたのです。

 

この素晴らしいだし文化を実感するためにも、時々、カツオやコンブからだしを引いてみたいですね。日本人なら、そのおいしさを知っていれば、普段は顆粒やパックのだしで十分と食の専門家は言っています。