「虫嫌い」の原因

私が子どもの頃には、秋から冬にかけて木の枝に「ミノムシ」がたくさんぶら下がっていました。ところが、今ではたまに見かけるミノムシに感動を覚えるくらいの気持ちになります。2019年の環境省生物多様性センターの報告によると、虫が急速に減っているらしいのです。

 

オオムラサキ、アカタテハなど30種類のチョウが10年間で30%以上減少しているそうです。世界でも同じようなことが起きていて、ドイツでは、飛ぶ昆虫の総量が27年間で75%以上減ったという報告もあります。生態学の専門家は「地球上の生物種の半分以上を昆虫が占めており、圧倒的な数と多様さで生態系を支える虫が失われることの影響は図り知れません」といいます。虫嫌いの人は、まったくもってピンとこないですね。

 

昆虫は他の生物の食料となり、落ち葉や動物の死骸などの有機物を分解し、花粉を運んで植物の受粉を助けているのです。どうですか・・・昆虫の役割は大切というのが、わかりましたか。

 

しかし、現代人の多くは「虫嫌い」です。これには、虫嫌いの心理メカニズムが働いているようです。都市化によって屋外よりも室内で虫を見る機会が増え、室内にいるのはゴキブリやハエなど感染症のリスクが高い虫ばかりなので、嫌悪感が強まります。虫の種類を判別する能力が低い人ほど、ゴキブリもテントウムシもまとめて嫌ってしまうのです。

 

虫嫌いを解決するのは、屋外で虫を見る機会を増やし、虫の知識を得ることです。長い目で見れば、生態系を守ることにつながるというわけです。

 

まさに、保育園の子どもたちが、屋上で多くの虫たちと接することで、虫が大好きになることにつながっていることを考えると、子どもたちには、たくさん外遊びをしてもらって、虫と接する機会を増やすことが大切ですね。虫嫌いのママだって、子どもと一緒に、大根の葉を食べる「アオムシ」を見れば、「気持ち悪い!」ではなく、「これがモンシロチョウになるんだ」と思えるようになります。

 

昆虫も生態系にかかわる大事な生き物であることを今日はインプットしてください。