雑踏事故 1000年前の教訓

冬の屋上遊びでは、相変わらず自転車・おままごとや、最近では「秘密基地ごっこ」に夢中の子どもたちですが、少しずつスポーツを子どもたちとやっていこうと思っています。今日は、年長年中園児を中心に「サッカーPK」を楽しみました。「ゴール!」に子どもたちの興奮はマックスになります。野球・バスケットボール・バトミントン・テニス・なわとび・ローラースケートとネタはたくさんあるで楽しみです。

 

さて、今も韓国ソウル市で起きたハロウィーン前夜の痛ましい事故の報道が続いています。歴史をたどっていくと、過去には必ずといっていいほど類似する出来事が起きています。今日は、今から900年以上前の平安時代の圧死事故を振り返ります。

 

その大事故は、1906年に今の大阪市荘厳浄土寺(しょうごんじょうどじ)で起きました。大阪地域で繁栄していた住吉社(現・住吉大社)は、大変な財力を持ち、荘厳浄土寺に大伽藍(がらん)を建立しました。この時に、縁を結ぼうと「数千が市をなし。男女が肩を並べ、庭は隙がなくなった。法要が終わっても群集し、出入りするところ無き」状態が続いたそうです。

 

そこへ、ちょうど皇室の人たちがやってきたそうです。皇室のお出かけには橋を架け通路を作ったりし、時には杖を持って、民を追う払うこともあったそうです。この時も、通路を開けようと、宮道は部下に命じ群集を打ち払わせたのです。

 

これが、大事故につながりました。極度に密集した群衆に急に動きが加わり、群集雪崩が起きたのです。数多くの人々が境内の池に押し出されて転落したのです。たとえ、池が浅くても、水中に押し倒され、上から踏まれて身動きが取れなくなれば、人は溺死します。「三十八人が死去」という記録が残っています。当時の人口を考えると、多くの人が亡くなったのです。

 

歴史が教える危険連鎖は・・・①人を熱狂させる催事がある②群衆に極度の密集が生じる③何かのきっかけで群衆に動きが加わる④転倒・転落等で圧死・溺死が生じる の4つです。

 

人類は、千年近くずっとこのパターンが繰り返されているのです。このような悲劇をこれからも続けていかねばならないのでしょうか。いや、現代には携帯などモバイル機器があります。人手を予測し、過密のきざしを感知し、危険になる前に警報し誘導する仕組みは、作れるはずです。

 

私たちができることは、まずは、この事故を忘れないことですね。