崖っぷちでの一言

クリスマス発表会の練習後に、雨だったので、久しぶりに階段レースをやりました。階段をかけ上るレースです。ホワイトきゃんばすの恒例レースですが、子どもたちは大いに盛り上がります。今日は、一段抜かしでかけ上がる練習もしました。半分くらいの寺子屋園児が、ゆっくりですが、一段抜かしができました。足を伸ばして頑張りました。(笑)

 

さて、サッカーワールドカップでは、新しい景色のベスト8には進めませんでしたが、PK戦までもつれた素晴らしい試合でした。代表選手たちの健闘を称えたいですね。そして、森保監督ですが、采配以外に素晴らしい能力があります。なんだと思いますか?

 

そう、「言葉の力」です。監督のコメントは、1つの目標に向かう選手たちを鼓舞し、絶対に勝てると信じる…チームを1つにまとめる素晴らしい内容でした。森保監督を見ていると、言葉の力がいかに大切かを感じた人も多かったと思います。

 

今日は、千葉県の銚子電鉄社長の「竹本勝紀」さんの崖っぷちでの一言の話です。

 

銚子駅の銚子電鉄乗り場に、「絶対にあきらめない ちょうし駅」という表示があります。竹本さんは、銚子電鉄を「電車屋なのに自転車操業」「限界集落ならぬ限界鉄道」と自虐を交えた発信が話題を集めていますが、その通り、鉄道事業は万年赤字です。

 

もともと竹本さんは、銚子電鉄の顧問税理士でした。ところが、2006年11月、会社は前社長の業務上横領などで2億円を超す借金を抱え、補助金が打ち切られ、新規融資も受けられない状況に陥りました。そこへ、約5千万かかる線路や踏切の改修を国に命じられます。3か月以内にできないと、運行停止という事態に追い込まれたのです。

 

もともと銚子電鉄の収支を支えていたのが、売上の8割を占める食品事業でした。そう、「ぬれ煎餅」です。社員はぬれ煎餅の行商に出かけていました。疲れ果てて会社に戻ってきた社員が会社のホームページにメッセージを投稿したのです。

 

「緊急報告 電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」この悲鳴のような訴えが、ネット上で反響を呼び、ぬれ煎餅の注文が殺到するのです。10日間で1万人以上がぬれ煎餅を購入し、危機を乗り越えたのです。まさに、崖っぷちでの一言が奇跡を呼んだのです。

 

コロナ禍においても、20年4月には、1日の運賃収入が4480円しかない日があったそうです。そこで、ぬれ煎餅に次ぐもう一つの主力商品「まずい棒」(味がまずいのではなく、経営がまずいという意味)の売上を伸ばそうと、SNSに「賞味期限までまとわずか。早いもの勝ち」と発信します。これもネット上で注目されて、19年度の年間売上1千万円に対し、20年度は1億円に膨らみ、コロナ禍を乗り切るのです。

 

竹本社長は、言葉の力を信じ、こう言います。「ふざけたことばかりやっているように見えるかもしれませんが、私たちは常に真剣です。存続自体が目的ではなく、存続することで地域に恩返しをするのが私たちの使命だと考えています」

 

彼は、人生の岐路にさしかかるたびに支えになった言葉があるそうです。「どんな問題も解決できる。解決できるからこそ自分の身に起きたのだ」

 

どうですか・・・言葉の力を私たちは感じて、ポジティブに前を向いて歩きたいですね。