食品業界の「3分の1」ルール

今日はクリスマスですね。クリスマスイブが土曜日でクリスマスが日曜日ということもあって、保育園の子どもたちは、おうちでママパパと過ごすクリスマスを楽しみにしています。昨日のイブには、「チキンを食べて…お寿司も食べるんだよ。そして、最後はクリスマスケーキ」とワクワクしながら話をする6歳女の子・・・そして、今朝起きたら、たぶんサンタクロースからのプレゼントが置いてあるのでしょう。プレゼントの話は、明日の保育園で聞くことにします。

 

さて、昨日のクリスマスイブは、1年間で一番ケーキが売れる日です。以前、大きな声で、声出しをしながらクリスマスケーキを売っていた園長は、ショッピングセンターなどで販売されているクリスマスケーキの動向も気になります。今年は、ロスを出さないで完売させるという考えが、ずいぶんと浸透したような気がします。

 

10年以上前は、「モノ(商品)がないと、売上なんか取れないじゃないか!売上予定分の金額は、ちゃんと発注しているかい」と、店舗に喝を入れて、売上至上主義の商売でした。「販売チャンスロスがあったら、売上なんて作れない」と言いながら、商品ロスよりも販売チャンスロスが『悪』の考え方でした。

 

時代も変わり、売上が前年割れでもロスはゼロで売り切る商売に変わってきています。SDGsの影響も大きいですね。

 

そんな食品業界では、「3分の1ルール」があるのをご存じですか。このルールは、加工食品など日持ちがする商品を対象に、賞味期限の迫った商品が店頭に並ぶのを避けるため、スーパーなどの小売業者が、メーカーなどの取引業者とで設定する日本だけの商習慣です。賞味期限が6か月の商品だと、卸業者は、製造日から2か月以内にスーパーやコンビニに納品しなければなりません。

 

お客様により日付けの新しい商品を販売したいという、小売店の考えですが、1/3を過ぎた商品が納品されると、メーカーは返品を引き取らされ、在庫を抱えロスにつながってしまうのです。

 

この返品で発生する物流コストや廃棄ロスが物価高に影響するということで、農林水産大臣が「期限内の食品はすべて消費者へ」と異例のメッセージを食品業界関係者との意見交換会で通達しました。すでに、大手小売業では、1/2ルールに変更しているところもあり、現在は1/2と1/3ルールが混在しているようです。

 

最近では、私たち消費者の意識が変わり、棚の奥から牛乳を取る人が減ってきました。また、「食品ロス削減につながります」をアピールして売り出す店舗も増えていますね。

 

いよいよ、口先だけでない「もったいない」が、どんどん実現できる世の中になっていけばうれしいですね。