短歌のガチャポン①

今日から保育園は冬休みに入ります。休みの間は、短歌を楽しんでもらおうと思っています。題して「短歌のガチャポン」です。ガチャポンとはガチャガチャのことです。お金を入れてハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った素敵なモノが出てきます。

では、今日の短歌は・・・

 

『おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる』作:松田わこ

 

作者は、当時7歳の少女です。小学校1年生ですね。おふとんでしりとりをしていたら眠くなったという体験を「夜が入ってきて」と表現するなんて、素晴らしいですね。子ども心で、ずっとママとするしりとりはいつまでも続けられるはずなのに、そこに仲間入りしてきた「夜」の声を聞くと眠くなってしまうことを素直に歌っています。

 

作者が9歳の時の作品が、「ということはママになってもばあちゃんになってもひらがな私の名前」です。「わこ」という名前についての歌ですが、「ということは」という出だしは、大人では思いつきませんね。他にも「ねえちゃんが鏡の中のねえちゃんに少し笑って出かけていった」という歌があります。姉が鏡に向かって笑顔を作ったことを「鏡の中のねえちゃん」と表現するなんて、凄い観察力です。

 

「「わしはウマ」「わしはヒツジ」おじいちゃんたちが明るく揺れてる市電」にもビックリです。「ウマ」「ヒツジ」は干支のことです。だけど、あえてそう書かないことで、動物たちが会話をしているような感覚が生まれます。とても、小学生の作品とは思えませんね。

 

短歌は、「五七五七七」の文字数の中で歌うのですが、字余りもOKです。でも、こうして解説をしてしまうのは、本来ならナンセンスで、歌を詠んだ人が、それぞれ感想を持ってもらえばいいのですが、このブログでは、あえて解説付きで楽しんでもらいます。

 

子どもの発想は、本当にすばらしいですね。