「神様」のいる家で育ちました

今日の屋上遊びは、寒さと北風を楽しむ子どもたちです。たらいに水を入れていたのですが、見事に厚さ3センチのまん丸の氷が出来上がりました。子どもたちは、氷を持ち上げて「ドヤ顔」です。水道は凍って水が出ません。屋上の水道が出なくなったのは、数年ぶりです。まさに、今朝は刺すような寒さでした。

 

さて、旧統一教会の問題を受けた被害者救済法などが、昨年12月に成立し施行されました。ここで、私たちは、特定の宗教を信仰する親の影響を受けて育った「宗教2世」と呼ばれる人たちの存在を知るようになりました。

 

今日は、~「神様」のいる家で育ちました~というマンガを紹介します。本作に登場する7人の宗教2世たちは、それぞれ異なる宗教を信仰する親の元に生まれながらも、皆同じような苦しみを抱えていることが描かれています。

 

病気なのに、薬の使用が禁止されていたり、修学旅行に参加できなかったり、休日も行事に強制的に参加させられたり・・・です。2世たちは、疑問を感じながらも、周囲になかなかその悩みを打ち明けることができません。そして、子どもの頃から教団の「教義」を絶対視する家庭で育ったために、自分の感情すら否定してしまいます。親も子どもの心よりも教義やノルマを優先する姿勢なので、子どもたちの疎外感を生み出し、その後の社会生活にも影響が残ってしまうのです。

 

作中では、個々の宗教団体の名前は伏せられています。特定の団体を批判するのではなく、子どもの主体性や人権という観点から、親が信仰を強要することの是非が問われています。

 

宗教活動は、決して否定されるものではありません。団体に参加することで得られるネットワークやコミュニティーが、子どもにとって居場所になることもあるでしょう。すべて悪いことではないのです。しかし、宗教2世である子どもの問題だけでなく、両親の家庭内での不和や母親の孤立などもこの作品では描かれていて、宗教団体としての問題をこえて、日本社会におけるコミュニティーの喪失や子育ての孤立の問題を考えさせられます。

 

宗教的な問題は、学校や職場では、話題にはしづらいですね。今回、統一教会の問題を受けて、宗教2世たちが抱える問題が表に出るきっかけになったことは間違いありません。