投げる大作戦

昨日、土曜日の保育園では、小学3年の男の子がマイグローブを持って登園します。目的は、園長とキャッチボールをすることです。小学2年の卒園児も、時々グローブ持参で登園し、お昼休みに園長とバッテイングセンターに行くのを楽しみにしています。こうして、園長は何十年も使っているグローブが今でも現役です。

 

ところが、子どものボールを投げる能力が低下しているのです。スポーツ庁の調査では、小学5年生のソフトボール投げで、2022年度の平均は、14年前の2008年度から男子で約5メートル、女子では約1.7メートル低下したそうです。

 

そこで、茨城県牛久市が動いたのが「投げる大作戦」です。小学校3年から5年の児童約20人が全10回のプログラムで、ボールをひたすら投げるという反復練習ではなく、メンコやテニス、バレーボール、クリケットなど様々な遊び体験を重ねる中で、投げるコツを自分でつかんでいく内容です。この「自分でつかむ」ことが大切です。

 

このプログラムは、日本ハムファイターズや筑波大学など、スポーツ環境デザインという考え方で構成させています。指導者は、多様な刺激環境を設定するだけで、親は否定せずに我が子の行動観察をするだけです。

 

ボールを投げる能力だけでなく、子どもの体力低下の大きな原因は、肥満傾向の増加です。肥満になってしまう原因の1つは、子どもが「外遊びをしなくなった」からです。コロナの影響で、ここ数年、ますますこの傾向が進んでいます。ある調査では、私の昭和おやじ世代では、男子が遊びを室内で行っていた割合は、たった4.2%でした。ゲームもなかったので、放課後でも、暗くなるまでずっと校庭で遊んでいました。2007年では、31.4%にもなっています。今は、おそらく50%は軽く超えていることでしょう。

 

「投げる大作戦」では、「自分でつかむ」ことが大切といいましたが、こんなデータもあるそうです。今は、保育園・幼稚園で、保育中にスイミングなどを行っている園もあります。ホワイトきゃんばすも金曜日が体操教室です。ところが、スポーツ教室を取り入れている園よりも、「遊びとして自由に運動させている」園の子どもたちの方が、運動能力が高いというのです。

 

スポーツだって、アートや音楽と一緒で「正解」はない。と考えると、自分が、自由に心と体、頭を使って楽しんでいる中にこそ、個性や創造力が行動や動作として表現されるのです。

 

あっ!ホワイトきゃんばすでの屋上遊び・・・まさに、子どもたちが好きなように体を動かしているではありませんか。ミソは、「自分で考えて遊んでいること」です。

 

実は、牛久市の「投げる大作戦」をホームページで調べてみました。パワーポイントの資料を読むと、なかなか理にかなっています。大いに参考になりました。でも、私も考えます。ホワイトきゃんばす流の「投げる大作戦」を屋上でやっていくことにします。お楽しみに。