小学校で漫才大会

今日もあったかい屋上遊びです。料理ごっこをする女子たちは、なかなか本格的な料理を作っています。ファームの大根を包丁に見立てたシャベルで切り、砂をまぶしたフライパンに投入します。そこに、大根の葉もちぎってまぶすことで、色どりもなかなかの料理が完成しました。料理名は決めないで作ったとのことで、まさに「創作料理」です。

 

さて、「漫才」が、子どもの自己表現力を高め、異年齢のコンビでコミュニケーション能力もアップする。そんな取り組みをしているのが、埼玉県越谷市立新方(にいがた)小学校です。子どもたちによる「教育漫才大会」が、昨年12月に行われたそうです。

 

新方小学校では、学校教育目標の3本柱の一つに「表現」を位置付け、表現力や「伝え合う」力の育成に力を入れています。その一つが「教育漫才」であり、他にもプレゼンテーションの授業も行っているそうです。

 

漫才のコンビはくじで決定するそうで、以前からの人間関係にとらわれず、新しい出会いの場にしたいと校長先生は考えます。児童は、昼休みなどを使って各自練習し、時には児童が校長室を訪れ、ネタを披露し、校長先生がアドバイスすることもあるそうです。

 

扱うテーマは自由ですが「死ね」などの暴力的な言葉を使ったり、突っ込みを入れるときなどにたたいたりしないことの2つがルールです。漫才大会に向けては、児童を複数のブロックに振り分けて予選を行い、投票で代表者を決める流れです。

 

漫才大会の成果は、児童の人間関係が良くなったことで、学力向上や学校になじめない子を減らすことにもつながったそうです。本年度の不登校はゼロで、子ども同士のトラブルが起こっても深刻化はしていないといいます。

 

人前での発表が得意な子がいる一方で、苦手な子どももいます。特定の状況になると声を出せなくなる「場面緘黙(かんもく)」の児童は、セリフの代わりにフリップで伝えるようにしたこともあったようです。通常のコンビはくじで決めますが、仲がいい子と組めるように配慮もしたそうです。また、過去には特別支援学級に在籍する児童によるトリオが表彰されたこともあったとのことです。

 

校長先生は「笑いがいじめを撲滅させる。漫才は安心して過ごせる学校をつくるために行っている」と語ります。

 

ネタを考え、ネタを合わせる・・・しかもくじで決まった異年齢の相手です。コミュニケーション能力が深まりますね。そして、大勢の前で漫才を披露する。小学校時代にこんな経験ができるなんて・・・本当に素晴らしいことです。