ムラブリ族

ゴールデンウイーク明けの保育園がスタートしました。朝の会では、寺子屋園児1人ずつ、「ゴールデンウイークはどこに行きましたか?」のインタビューをすると、今年は、故郷への帰省から、キャンプ、旅行に、日帰りでも、色々な場所に子どもたちを連れて行った、ママパパ・・・お疲れさまでした。子どもたちは、ニコニコしながら、話をしてくれました。

 

そして、屋上の桑の木には、マルベリーがどっさりです。甘酸っぱいベリー系の実ですが、5、6人の園児が、延々と食べていました。20個以上は食べています。そんな子どもたちを見ていると、とても現代人とは思えません。木の実をむさぼり食べる子どもたち・・・令和なのに?という感じです。

 

今日は、ラオスの森で、バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森の中を遊動する生活を送る少数民族「ムラブリ族」の話です。保育園の子どもたちがマルベリーを食べるように、彼らもまた、木の実を食べます。

 

ムラブリとは、彼らの言葉ムラブリ語で「森に生きる人」という意味だそうです。木の実だけでなく、イモ、動物、魚などをとって暮らしています。総勢約500人のうち村に定住している人もいれば、森の中をグループで移動しながら生活する人もいます。

 

世界で一人と言われている「ムラブリ語」研究者の伊藤雄馬さんは、現地でムラブリの言葉と文化に迫ります。暦がなくて「明日、調査に行ってもいいか?」とたずねると「明日のことはわからない」と言われてしまうそうです。

 

伊藤さんは、ムラブリについて、「森で暮らす人たちはテレビや携帯電話のある生活を見て知っています。それでも、森に帰っていくのです。楽なんでしょうね。森の中で生きる術を持っていて、竹や木で住むところを作ることもできる。若い頃は、町に出たいと言って、専門学校に行って、泊まり込みで勉強する人もいるんですけど、戻ってくる人がほとんどです」と言います。どうやら、まったく文明社会から縁のない生活を送っているわけでもないようです。

 

ムラブリ族の生活は、日本人の価値観とは、大きく乖離しているのかもしれませんが、「モノを多く持たない」生活は、私たち日本人にも理にかなっているのかもしれません。

 

ムラブリ族・・・覚えておいてください。