猿まわし師の仕事

今日の連絡ノートには、土曜日の親子遠足の感想がびっしりです。初めて北本自然観察公園を経験する保護者は、ガイドの解説が新鮮だったようで、生き物や草花への興味が増したようです。

 

そして、今日は屋上のビワの実の初収穫です。子どもたちは、「甘くておいし~い!」と言いながら、口をモグモグさせていました。今週いっぱいは楽しめそうです。もう一つ、クサガメの産卵がありました。土の中の卵をビデオカメラで撮影できました。感動のシーンです。6月から7月にかけて、今年も産卵ラッシュとなりそうです。

 

さて、「猿まわし」という仕事をご存じですか。日本では、「日光猿軍団」が有名ですね。テレビにも出演しますが、基本は、おさるタウンというテーマパークで活躍しています。

 

ところが、中国では、猿まわしを生業とする人々は、なかり過酷な生活を送っているようです。中国での猿まわし師の大半は、河南省南陽市の人たちです。本職は農業ですが、毎年6月の麦の刈り入れと秋の収穫の時期を覗き、ほとんどの時間を猿を連れて渡り歩くそうです。冬には、温暖な南方へ行き、夏には涼しい北方へ。子の学費や嫁を迎えるお金を稼ぐためだそうです。

 

移動は、すべて列車の不法乗車です。停車中の貨物列車に猿と犬を連れてしのびこみ、積み荷にまぎれて眠る。貨物列車によっては、雨風に直接さらされ、コンテナに閉じ込められて餓死寸前までいったこともあるそうです。駅員に追われて、列車にひかれて命を失った同志もあるとのこと。

 

 

列車から降りても彼らに安住の場はなく、寝起きするのは橋の下や工事現場です。移動し続ける彼らを守ってくれる存在は何もなく、暴力や罵倒にやり返す術はなく、そっと立ち去るだけです。主食は、ゆでた麺。麺がゆだったら、自分たちより先に猿に食べさせます。猿が疲れたら背負ってやり、砂糖をとかした水を飲ませます。猿は、家族同然の存在なのです。

 

どうですか・・・なんだか、涙が出てきます。日本は何て平和な国なんだろうと思いますね。急激な成長を遂げている中国社会ですが、その裏には矛盾や腐敗の実態があるのでしょう。「猿まわし師」という仕事の実態は、私たちの想像を超えたものなのです。