「宿題」も「中間期末テスト」も「クラス担任」もない中学校

ホワイトきゃんばすの年長園児は、女子の方が自己主張が強いので、男子はおとなしい印象を受けますが、今日は、ローラースケートの練習に、男子3人とも「やりたい!」と自分から言ってきました。そして、一人は、すぐに立ち上がり、歩きながら少しだけ滑るところまで、たった30分でクリアです。「ローラースケートやりたい!」でこんなに熱くなるとは、うれしい誤算です。

 

さて、今日は衝撃の中学校の話です。「宿題」も「中間・期末」といった定期テストも、さらには、クラス担任もなくしてしまった中学校があります。話題性で注目を集めたい新興の私立中学ではありません。東京都千代田区立「麹町中学校」です。

 

公立の中学校ですが、昔から政治家や官僚の子息が通う名門中学で、この大胆な改革を行ったのが、工藤校長です。

 

「これまでもやってきたから」と子どもに強制するものがあまりにも多いように映った。このままでは、うまくいかなかったときに、何もかも「人のせい」にする子どもが育ってしまう」と大胆な改革に乗り出すことに迷いはなかったと工藤校長は言います。

 

しかし、この大胆な改革には理由があります。

 

「宿題の廃止」については、学校から強制される膨大な宿題を前にすると、生徒は「こなす」ことのみ意識が向かい、解ける問題だけを解いて、解けない問題はそのままにして提出してしまう。しかし、「勉強は、できないものをできるようにするためにある」と考えて、無意味な宿題を廃止し、「やらされる学習」ではなく、生徒が自ら学ぶ仕組みを作る。という考えから、中間テストや期末テストをもなくします。

 

しかし、テストをすべてやめたのではなく、単元ごとのテストや小テストを行っているので、テストの回数はむしろ増えているそうです。短い期間で確認テストをするので、授業についていけなくなる子が減り、とりこぼしがあっても、もう一回単元テストを受けることもできるので、わかるまで自分で学習できる仕組みを作ったのです。

 

そして、誰もが驚く「固定担任制」を廃止し、「全員担任制」を導入します。工藤校長は、固定担任制では、子どもたちや保護者にとっての学級の良し悪しは、多くの場合、担任に集中します。問題が起きれば、子どもたちや保護者は安易に担任のせいにしたり、また担任も自分で問題を抱え込んでしまったりする状況が生まれることが、弊害と言います。

 

どうですか・・・私たちは、このような大胆な改革を聞くと「宿題がない」「定期テストがない」「クラス担任がいない」という具体策に過剰に反応してしまいますが、ある教育関係者はこう語ります。

 

「ヨーロッパなどでは、子どもの頃から、自分の意見を表明し、自己決定をする機会を増やすことで、社会の担い手としての自覚を持った大人に育てようとする共通認識があります。日本では、まだまだ一斉教育のスタイルが刷新されないままになっているのも事実です。厳しい言葉ですが、教育後進国・日本のなかで、子どもの自立を促すことで、世界レベルの教育に一気に追いつこうとしたのが、公立の麹町中学なのです」

 

このような学校が、日本に増えていくことだけは間違いありません。