イチローの存在感

昨日、西武ライオンズのファン感謝イベントで、松坂大輔投手の引退セレモニーが行われました。

 

ファンの前で「普通に投げられなくなるまで野球を続けられて、本当に幸せだった」とあいさつし、場内を1周してベンチへ下がろうとすると、大画面には、イチローさんからのビデオメッセージが映し出されました。

 

「大輔、どんな言葉をかけていいのか、なかなか言葉が見つからない。だから僕にはこんなやり方しか出来ません。許せ。大輔」と話したところで、映像が途切れます。松坂投手が本塁付近であっけにとられていると、後方からスーツ姿のイチローさんが花束を持って現れるのです。松坂投手は号泣です。

 

イチローらしくない演出だなぁ~と思ってしまったのは、私だけではなかったかもしれません。大谷翔平選手の国民栄誉賞辞退の報道がありましたが、イチローさんは、3度の打診にも、時期早々と辞退しています。彼がこの演出を引き受けたのは、平成の名勝負を演じた松坂投手だったからなのでしょう。WBCの世界一にも、王監督のもとで、この二人は同じグランドにいました。

 

そんなイチローさんは、今年も、高校球児を相手に臨時コーチを引き受けています。この活動自体が素晴らしいのは言うまでもないのですが、イチローさんの「言葉」は、とても分かりやすくて、説得力がありますね。これに、憧れのスーパースターという最高の付加価値が加わって、高校球児にとっては、一生の思い出となるのです。もちろん、野球のレベルもきっとアップすることでしょう。

 

野球を盛り上げる方法は色々あります。新庄ビッグボス効果で、マスコミにアピールし、観客を増やすことも1つです。

 

かつて、イチローさんは、「監督はできない。なぜなら自分には人徳がない」と謙遜しました。今のイチローさんが考えるやり方は、アマチュア野球からのボトムアップかもしれないですね。じわじわと、イチローさんの存在感と影響力を感じます。

 

現役時代は、彼のプレーに魅力を感じていましたが、これからは、イチローさんの影響力を感じていきたいですね。