「男の芸」に風をおこす女性

私は、年に一度3月に大型版の時刻表を購入します。それは、JRの全面ダイヤ改正があるからです。今年は、3月12日に改正されます。昔から、JTB時刻表を購入するのですが、今年も全国を走る特急列車のポスターがおまけです。保育園の壁に貼ると、鉄道好きの園児が、真剣に見入っています。今日は、2歳児の男の子同士が特急をネタにおしゃべりです。

 

さて、現代は、多くの職業に男女を問わず就いていますが、まだまだ男性中心の仕事が多いのも事実です。もちろん、女性中心の職場も同様に多いですね。今日は、落語の世界で頑張る女性の話です。

 

2011年11月、若手落語家の日本一を決める「NHK新人落語大賞」で、優勝したのが、桂二葉(によう)さんという女性の落語家です。50回の歴史で女性の優勝は初めてです。

 

もともと、古典落語は男性が演じるために作られています。二葉さんが所属する上方落語協会は、249人の落語家のうち女性は17人だけです。他の落語団体も、女性は1割に満たないそうです。私は、ユニセフの会合で女性落語家の講談を聴いたことがありますが、その時は「女性落語家か。珍しいなぁ~」と思ったものです。

 

女性落語家の中には、登場人物を女性に変えたり、新作を作ったりする人もいるそうですが、二葉さんは「そういうやり方は私には似合わない」ときっぱり。得意とする「アホ」を自然に演じられる「天狗さし」を、大賞作品として演じたのです。天狗を捕まえ、すき焼き屋を開いてひともうけしようとするアホな男を見事に演じたのです。

 

優勝の記者会見で、二葉さんは「じじいども、見たか」と言い放ったそうです。彼女は、超男性社会の落語協会で、語れないような苦しい経験があったそうです。でも「この世界で生きる女性が増えれば、落語の魅力も広がると思う。大きな賞をとって、言葉に説得力が出てきたかも」と笑顔で語ります。

 

そう言えば、落語を聴きに来る客のほとんどが男性です。客の女性比率が高まるだけで、さらに、落語の魅力が広がることは間違いありませんね。

 

桂二葉さん・・・落語界に風をおこす女性ですね。注目しましょう。