アンネ・フランクと旅する日記

今日は、小学生が4人登園したので、朝の会では、地球儀を手に、「今、世界のどこかで戦争が起こっていることを知っているかい?」と話すと、「ロシアとウクライナが戦争になっている」と1年生の男の子が即答です。戦争の原因も、彼なりに説明ができていました。年長園児もつられて、話し合いに参加します。そして、日本も昔は、戦争をしていたことを伝えると、さすがに「えっ~」と驚く子どもたちです。

 

「戦争は絶対にしてはいけないことを多くの人が思っているのに、どうして戦争が起きてしまうのだろうね?」と、最後は、子どもたちに自分で考えてもらいます。

 

さて、多くの人が中学生の頃や大人になっても「アンネの日記」を読んだことがあるかと思います。世界で最も読まれた10冊の一つが、「アンネの日記」です。世界記憶遺産にも2009年に登録されました。そして、アンネ・フランクが虐殺された、ドイツナチスのアウシュビッツ収容所は、77年前に旧ソ連軍によって解放されたのです。ウクライナに侵攻するロシアの前身がソ連ですので、何とも皮肉な話です。

 

3月11日に「アンネ・フランクと旅する日記」というアニメーション映画が、全国で公開されます。「アンネの日記」は、アンネが空想の友だちキティー宛に綴った日記ですが、映画では、空想の友だちキティーが、時空を超えて現代に蘇り、キティーの視点でアンネの生涯をたどるストーリーだそうです。アニメですので、子どもたちも分かりやすい内容ですね。

 

この映画では、日記に書かれていない「アンネが最期を迎えるまでの7ヵ月間」のワンシーンが描かれているそうです。アンネと母親のエーディトが強制収容所へと向かう列車に揺られており、ふたりは胸に、ナチスの迫害の象徴だった黄色の星が縫い付けられたジャケットを着ています。アンネは「列車に乗って嬉しかった、隠れ家での2年に及ぶ潜伏生活のあと、初めて太陽の光を浴びたから」と語るのですが、やがてこの旅路が、自由へと続いているものではないと悟るのです。

 

なんだか、このシーンを想像するだけで、胸が痛みますね。そして、アンネ・フランクは、遠い空の上から「21世紀には、とっくに戦争なんかない世界になっていると思っていたのに・・・なんで!」と思っていることでしょう。