人間って勝手すぎる!「外来生物の言い分」③

今日は、同じ生き物でも植物です。「シロツメクサ」と「西洋タンポポ」の言い分を聞きます。

 

「シロツメクサ」は、クローバーのことです。屋上のどろんこ広場の半分は、クローバーで埋め尽くされていて、子どもたちは、飾りを作ったり、「四つ葉のクローバー」を真剣に探します。「かめきち」も散歩しながら、クローバーをむしゃむしゃ食べていました。

 

シロツメクサは、江戸時代の後期、オランダから輸入するガラス器が割れないように、枯れて乾燥したものがクッションとして詰められて、日本に初めてやってきたそうです。その後、牧草や畑の肥料としてさかんに輸入され、全国に広まったのです。しかし、種でも地面を這う茎からも芽を出し、繁殖力が強いので、在来種の植物や農作物の生育に悪影響があるといわれています。

 

「シロツメクサ」の言い分です。「私の白い花はミツバチの蜜源だし、葉はモンキチョウの幼虫の食べ物ですが・・・なくなってもいいの?そもそも、子どもたちの草花遊びをとりあげてもいいの!?」

 

「西洋タンポポ」は、子どもたちが、綿毛を見つけると「フ~フ~」と楽しそうに遊びます。屋上でもそうですが、日本の市街地でみられるタンポポのほとんどが、ヨーロッパ原産の「西洋タンポポ」です。

 

1904年に、札幌農学校のアメリカ人の先生が、葉を生野菜サラダにして食べるために、アメリカから持ち込んだそうです。その後も家畜の飼料用として持ち込まれ、全国に広がりました。種だけでなく、根の切れはしからも増えるので、どんどん繁殖するのです。在来種の日本タンポポと雑種を作るので、問題だといわれます。

 

「西洋タンポポ」の言い分です。「おいおい・・・もう日本にすっかりなじんでるぜ。俺たちがいなくなって、子どもたちの綿毛飛ばしができなくなってもいいの?そもそも俺たちがいなくなると、景色がさみしくなるでしょ・・・」

 

はい。屋上では、「シロツメクサ」も「西洋タンポポ」も、子どもたちがしっかりと愛でているので大丈夫です。