山中教授の話

今日から運動会のダンスの練習が始まりました。今回は、「ジャイアントドリーム」です。ドラえもんのエンデイングで、ジャイアンが歌っている曲です。多くの子どもたちは、すでにこの曲を知っているので、振り付けをすぐに覚えてくれそうです。

 

さて、iPS細胞でノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授が、国内外の小中学生を対象に講演するイベントがオンラインで先日開かれました。

 

山中教授が医師を目指したのは、中学生の時だったそうです。きっかけは、工場を経営していた父親が仕事でけがを負い、輸血によりC型肝炎を患ったことだそうです。当時は、治療法がなく、山中教授が臨床医となった翌年に亡くなったそうです。「今の医学では治せない病気を治すには研究だ」と思い、医者ではなく研究者への転身を決めたのです。

 

そして、研究を続けるために留学した米国で、人生のモットーとなる言葉に出合います。恩師が『研究者が成功する秘訣』を教えてくれたのです。「Vision(何のために)」と「Work Hard(懸命に努力する)」の二つです。

 

日本に帰国後、30代で自分の研究室を持ち大学院生を呼び込むために掲げた「ビジョン」が、iPS細胞の研究だったのです。三人の大学院生と共に努力を重ねたのですが、「一生かかってもできないかもしれない」と覚悟したそうです。

 

そんな時に、全く分野が違う植物の研究者から「植物は万能細胞だらけ」と教えてもらったことで、研究が進んでいったそうです。

 

この経験から、山中教授は、小中学生の子どもたちに「異分野の人と交流しよう」と呼びかけたのです。

 

どうですか、みなさんも高校時代や大学時代の仲間たちのそれぞれ異分野の仕事から自分の仕事のヒントにつながった経験を持っていませんか。また、ふとテレビで見た異分野の仕事の情報が、自分の仕事に役に立ったことはありませんか。

 

悩んだままで一生が終わっていたかもしれない山中教授が、ノーベル賞を受賞することにつながったのは、まさに異分野からヒントが得られたからです。

 

例え、同じ会社の中だとしても、「この仕事は、私には関係ないわ!」と考えるのは、やめにしませんか。