「おいしい」はデータ管理

本日から、新しい先生の勤務がスタートしました。私と同じ世代ですので、決して若くはありませんが(失礼)、フットワーク軽く、さっそく子どもたちに取り囲まれていました。まずは、子どもたちの顔と名前を覚えるところからスタートです。保護者の皆様も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

さて、昔から伝わる「おふくろの味」は、厳密なレシピに基づいて作られるわけではありません。おふくろの長年のカンと経験で、おいしい味が守られているのでしょう。

 

一方で、「料理は科学」とも言われます。私が好きな濃厚なフランス菓子を提供する、親世田谷区尾山台本店と日本橋髙島屋だけでしか買えない「オーボンヴュータン」というブランドがあります。ここのオーナーパティシエの河田シェフは、「お菓子は科学」と言い切ります。素材の分量を正確に守ることで、「うちの味が守られる」と断言します。

 

この店がどれだけ凄いか。本店が水曜定休日なので、天下の日本橋髙島屋のデパ地下のショップも水曜日には、洋生菓子は並びません。髙島屋から「それでもうちに出店してくれ」とお願いした経緯があるからです。

 

そして、パティシエを目指す若者たちが「河田シェフのもとで修業がしたい。もちろん、給料なんていらない」と言って、昔で言う丁稚奉公のような仕組みがあったのです。今は、さすがに、きちんと給料を払っていると思いますが、夢を持った実力のある未来のパティシエが何人も集まってくるのです。

 

私は、「職人のカン」というのが好きですが、お菓子については、オーボンヴュータンの味を考えると、「科学なのかなぁ~」と思うのです。

 

洋菓子の世界同様に、巷ではおしゃれなカフェや増えていますね。スタバは圧倒的なシェアを築きました。コーヒーについても、職人が「豆の声を聴く」で、おいしいコーヒーを味わいたいものですが、どうやらコーヒーも科学のようです。焙煎の温度から火力から時間からすべてをデータで管理し、ほんの数秒の違いで、味が変わるといいます。

 

こうして考えると、「職人のカン」も、経験というデータから導き出されていると思うと合点がいきますね。

 

商売として、お客様に提供する場合は、データやマニュアル、レシピがしっかりあって、誰でも一定の味が出せる「科学」が必要になるのでしょうが、やっぱり、家庭の味は、科学でなく、おふくろやかみさんのカンがいいですね。その日によって、微妙に味が変わった方が「今日のおかずは、〇〇だなぁ~」と会話が増えるでしょう。

 

みなさんは、どう思いますか。