ユニバーサルタイム

昨日のお土産に持って帰った「マルベリージャム」は、子どもたちが、自分で作ったということもあり、ヨーグルトに入れた・・・トーストに塗った・・・などと、おいしい報告がいっぱいありました。ジャムにするのに砂糖を入れたのですが、マルベリーは酸味があるので、「あまずっぱ~い」「ほのかな甘さ」というママのコメントです。

 

さて、東京都八王子にある八王子市立上柚木中学校では、昨年度から毎週水曜日に、生徒が好きな教員と相談ができる「ユニバーサルタイム」という時間を設けています。

 

八王子市教育委員会は、週29時間のうち1時間を、いじめ認知や情報共有やその対応の時間に設定するよう通知を出しました。教員1人で抱えることなく、学校全体で対応することを促したのです。これを受けて、上柚木中学校では、水曜日を4時間授業とし、午後に「ユニバーサルタイム」を実施しています。この日は、部活動もすべて休みで、ユニバーサルタイムを活用しない生徒は、帰宅して自分がやりたいことに取り組むことができます。

 

昨年度の相談内容を集計すると、1年生は「友だちのこと」、2年生が「部活動のこと」、3年生は「進路のこと」が一番多く、各学年の特徴が見えたそうです。もちろん、一人が複数のテーマを話したり、悩みでなく、ただ話がしたいというのもありです。

 

「ユニバーサルタイム」は、良い方向に機能しているようです。生徒が、教員に相談しようとすると、周囲の目が気になる子もいますね。ユニバーサルタイムがあれば、心理的負担の軽減にもつながります。また、教員の側も、生徒との距離が縮まったと実感しているようです。

 

子どもたちにとっては、「何か困ったことがあったら、ユニバーサルタイムで相談できる」という環境は安心感につながっているようです。内容によっては教員間で共有することもあり、他の教員もその生徒を気に掛けることができる流れになっています。

 

この中学校では、ユニバーサルタイムでは、否定も指導もしないのが原則です。担任以外の先生と相談するので、気になる内容であれば、生徒に確認を取ってから、担任やスクールカウンセラー、保護者につなぐようです。生徒にしてみれば、好きな先生に相談したものの、その内容が、知らないうちに担任や親にまで伝わるようでは、このシステムは機能しませんね。

 

この取り組みは、自分が困った時には、一人で問題を抱え込むのではなく、信頼できる大人に相談して、解決の方向にもっていくという、社会に出たら当たり前の行動の予行練習にもなります。注目すべき内容ですね。