命がけで山に挑む

今日は、ファームで収穫したスイカで「スイカ割り」を楽しみました。小玉スイカ3つを用意し、見事3人の園児が割ってくれました。氷で、キンキンに冷やした完熟スイカは、甘くて最高においしかったです。カラスに5個ぐらい食べられてしまいましたが、ネットを張って、この夏は、10個のスイカが収穫できました。プール遊びをしながら、残りのスイカをおいしくいただきます。

 

さて、今日は、遠崎史朗作の「K」という、山の男の話です。日本人ですが素性はわからないある男が、ヒマラヤの山麓のとある村に住み着きます。彼は、Kと呼ばれ、誰も登頂したことがない山々で遭難事故が起きた際には、最後の頼みの綱として呼び出されます。Kは厳しい気候の中、ある時は誰も登ったことがない絶壁にピッケルをたたき込みながら、またある時は、逆層と呼ばれる手足の引っ掛かりが、全て下を向いている困難なコースを一人で登っていきます。まさに、命がけで山に挑み、そして必ず遭難者を無地に救助します。

 

しかし、Kは単に登山能力の高い超人として描かれてはいません。経験に下支えされたクライミングテクニックはもちろんのこと、現場の状況をしっかりと観察し、100パーセント無理だと判断したら決して動かない判断力を発揮します。一方、少しでも可能性があると判断した場合には、その可能性に懸け、山に登りはじめます

 

さらに、印象深いのが、Kの山に対する信仰にも似た畏敬の念です。彼は、山に登る前に必ずひげをそり、身を清めます。その姿は「死化粧」のようですが、彼にとっては、山とは神と向き合う場所であり、自然の崇高さを実感する神聖な場なのです。

 

私たちのまわりには、過酷な現場に挑む仕事をしている人がたくさんいます。たまたま、今朝、保育園に向かう途中で火事の現場に遭遇しました。そこでも、消防隊の面々が活躍していました。

 

ここには、常に冷静な判断力が求められます。生きて帰るための準備を怠らず、救出者を救助するとともに、自分も無地に帰ることが求められます。「勇気」にあふれた行動力ですが、その勇気の中には、「無理をせずあきらめる」もあります。私たちの人生にも、かぶるところがありますね。