「二ホンイシガメ」が生まれました

今年も、屋上のカメ池にいるカメの卵から、赤ちゃんが生まれました。てっきり、クサガメの赤ちゃんと思っていたら、今朝生まれてきたのは、「ニホンイシガメ」です。園長としては、小躍りするくらい嬉しくてたまりません。

 

保護者や子どもたちにとっては、クサガメだろうがニホンイシガメだろうが、かわいい赤ちゃんなんですが、ニホンイシガメの希少価値は、ハンパないのです。

 

昨年から、カメ池に産卵場所を作り、産卵した卵を保護してカメのふ化に成功しているのですが、34匹生まれた昨年の赤ちゃんガメは、すべてクサガメでした。屋上のカメ池には、ざっと20匹ぐらいのクサガメがいて、ニホンイシガメは、わずか4匹です。しかも、イシガメのメスはたった1匹ですので、今年は、このメスが念願の卵を産んでくれて、一番最初に生まれたのです。

 

今日一日で、朝から夕方まで続々と卵の殻を破り、6匹のニホンイシガメが誕生しました。下世話なことですが、ニホンイシガメの幼体は、3000円~4000円、大人になれば7000円~8000円で、ペットショップなどの専門店で販売されています。もちろん、今日の6匹は売りません。(笑)・・・保育園で大切に飼います。

 

神社や寺の池などで見られるカメの多くは、外来種のミドリガメことミシシッピアカミミガメです。昔、屋台で「カメすくい」などで売られて、大きくなって狂暴化して、家で飼えなくなって捨てたカメが、どんどん増えていったのです。8割がミドリガメで、残りの2割がクサガメといった比率です。クサガメは、10年ほど前に中国から来たことがわかり「外来種」となってしまいました。数少ない日本固有種のニホンイシガメは、残念ながら神社の池にはいません。

 

ニホンイシガメは、今では、川の上流など水のきれいなところに生息しています。ミドリガメの繁殖で、追いやられてしまい、その数も激減し、今や「準絶滅危惧種」となってしまったのです。ニホンイシガメの天敵は、ミドリガメだけではありません。これまた外来種の「アライグマ」です。アライグマも増えていて、二ホンイシガメを食べてしまうのです。

 

もちろん、ミドリガメやアライグマには罪はありません。人間が持ち込んだ生き物にすぎません。生態系を崩した責任は、人間です。

 

誰が悪いを語っていてもきりがありませんので、まずは、今日生まれたニホンイシガメを大事に飼って大きく育てることにします。明日以降、クサガメ含めて、赤ちゃんガメ誕生が続くと思いますが、追加でのニホンイシガメの誕生を期待したいですね。

 

今日は、日本の固有種「ニホンイシガメ」について、理解していただけると、うれしいです。