「男らしさ」を手放す

1週間後になった「秋まつり」ですが、今日登園した園児で、お店屋さんの「声だし」の練習をしてみました。「いらっしゃいませ…カレー屋さんです」「一杯100円です」「おいしいカレーはいかがですか」など、最初はヒントになるセールストークを子どもたちに教えて、真似でもいいので「声だし」をさせてみます。小学生もいたので、教室内がうるさくなりました。本番では、自分で考えたセールストークが言えたら、素晴らしいですね。

 

さて、あなたのまわりには、いまだに「男なんだから」を口癖にしてる人はいませんか。今日は、精神保健福祉士の斉藤彰佳(あきよし)さんが書いた「男尊女卑 依存症 社会」という本を紹介します。

 

斉藤さんが生まれ育った家庭は、非常に家父長的で男尊女卑の強いエリアだったそうです。長男として誕生したときに、祖父母は天皇陛下がいる方角に向かって万歳をしたのだと聞かされて育ったそうです。学生時代は、プロのサッカー選手を目指しブラジルに留学

したそうですが、両ひざの半月板損傷でプロの道をあきらめます。無気力の大学生活を送っていたそうです。

 

転機は、卒業旅行での沖縄一人旅です。飲み屋で酔いつぶれ、お金や荷物をすべて盗られたそうです。親にバレたくないと、警察にも行かずに3日間、公園のベンチに座っていたところを、ホームレスから声をかけられたそうです。サッカーでの挫折など弱い自分を話すことができたのです。日雇いバイトでお金をためて、東京に戻ると、「自分のふさわしい場所なんかない。自分の居場所は自分で作るしかない」と学んだそうです。

 

その後、現在勤務するクリニックに就職します。

 

アルコールや薬物、ギャンブル、DV、痴漢などの依存症になる人たちは、ワーカホリック(仕事中毒)傾向であることが多いといいます。男性は「男だから勝たねばならない」と追いつめられ、現実逃避として依存症になると言います。

 

この本では、「男らしさ」は、社会にはびこる男尊女卑の価値観、つまり男性優位社会にとらわれているからだと、様々なケースを通して明らかにしています。

 

私も含め、多くの男性は「男なんだから」とう思いにとらわれることが、正直あります。この言葉をモチベーションアップに使えるのであれば、いいのでしょうが、やはり「有害な男らしさ」が当てはまることが多いような気がします。

 

「男らしさ」「女らしさ」という言葉は、手放さないといけないかもしれません。