名前のない鍋

今日は、健康診断を行いました。パンツ一枚になると、子どもたちは「キャーキャーワーワー」大騒ぎです。チビちゃんは、ビクビクしながら先生の聴診器を見つめます。(笑)

この冬は、テレビで報道されているように、コロナ禍で子どもたちの免疫力が落ちているので、様々な感染症が流行しています。提携医の話では、朝病院を開けた段階で、一日分の予約数が埋まってしまうそうです。

 

さて、今日は「鍋」の話をします。冬の食卓に欠かせないのが身体も心も温まる鍋ですね。昨夜、私は飲み会だったので、お腹いっぱいで帰宅したのですが、ちょうど夕食が「おでん」だったのです。たまらず、しみしみの大根を食べてしまいました。おでんもおいしい季節ですね。

 

しかし、最近では、スーパーの棚に「○○鍋のつゆ」が、何十種類も並んでいます。私が子どもの頃には、間違いなく、鍋のつゆなど売っていませんでした。それぞれの家庭で、だしや調味料を駆使して、各家庭の「鍋」の味がありました。どちらかというと、かつては、冷蔵庫にある残りもの食材を消費するために「今夜は鍋」になっていたのですが、今は、「鍋つゆの素がなかったら鍋はしない」「パッケージに書いてある通りに作る」という家庭が増えているようです。おおざっぱで何でもありの代表的な料理の鍋ですが、レシピがなければ鍋料理はしない人たちが増えているのです。

 

「名前のない鍋、今日の鍋」の作者で、フードライターの白央(はくおう)さんは、普通の人たちはどんな鍋を作り、食べているのだろう?と、18人の自宅キッチンにおじゃまし、そこから生まれたそれぞれの鍋を紹介しています。

 

妻に先立たれ、料理を覚えて自立していく高齢男性。いろいろな世代の家族一人一人が手分けして支度し、おいしい鍋を楽しんでいる大家族。ふるさとの母仕込みの鍋を作る韓国人男性。以前は嫌っていた農家を継ぎ、もぎたて野菜の鍋を味わう若い農園主。

 

さらに色々な人がいて、卓上コンロは持たずに温めた鍋をテーブルに運んで食べる人や、土鍋を持たない人がたくさんいるそうです。また、お酒を飲まない人は、長々と鍋をつついたりせずに、一気に食べる・・・。

 

鍋料理こそ、「料理とはこうあらねばならない」という思い込みから、人々を解放してくれるのかもしれませんね。この冬、皆さんの家では、「○○鍋のつゆ」を使わずに、オリジナル鍋を1つ完成させるのもいかがですか。