災害で消えるローカル線③

只見線の「下」部分、線路や駅舎の維持管理費の負担が、福島県や沿線自治体の負担になるのであれば、「上中下分離方式」がいいのではないかという専門家の意見があります。「上」はJRなどの鉄道事業者が行うのは変わりありませんが、「下」を二つに分け、「中」として車両の保有を地元の自治体が担い、「下」の線路や駅舎などの施設を国が引き受けるという考えです。

 

国に費用を押し付ければいいのか。と思われるかもしれませんが、鉄道は道路と同じで交通インフラと考えると、国に関与してもらおうという考えです。例えば、バス会社であれば、バス会社が買うのはバスだけで、道路をつくるお金を払うわけでも、信号機の維持費を払うわけでもありません。鉄道会社は、現状すべてを負担する構造なので、赤字、廃線に追い込まれることが多いのです。

 

2011年の東日本大震災で、燃料不足になった東北にガソリンや灯油などを運んだのは鉄道です。鉄道の優位性は、少ない人数で大量の輸送ができることです。貨物列車は最大26両編成で10トントラック65台分の貨物を運べます。トラックなら65人の運転手が必要のところ、鉄道なら運転手1人です。

 

2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた「三陸鉄道」は、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」のモデルになったことで全国的に有名なローカル線です。しかし、あまちゃん効果がなくなってくると、再び危機に陥ります。「こたつ列車」「お座敷列車」そして、「震災学習列車」などを走らせ、何とか打開策を考えます。2021年からそのガイドを務めるのが2019年入社の若い社員千代田さんです。

 

彼女は、今月1月に、初めて企画から当日の運行までを手がけた「女子が楽しむ日本酒列車」を成功させます。三陸鉄道には、「三陸鉄道で仕事がしたい」という「若い力」が、毎年入社しているそうです。現在、三陸鉄道の「自慢」は、沿線で農作業中の人や歩いている人たちが、走る列車に向かって自然と手を振ってくれる日常の光景だそうです。なんだか、いいですね。

 

日本のローカル線は、これから、ますます高齢化や過疎化で苦境に追い込まれます。鉄道の在り方をどう考えるか?を見直さないと、経営困難という理由で、時刻表から鉄道路線がなくなっていきます。

 

国鉄が、民営化してまもなく40年を迎えようとしています。私が高校時代に使っていた「JTB国鉄時刻表」には、まるでクモの巣のように鉄道路線が日本中にありました。特に私がハマった北海道には、魅力ある路線がたくさんありました。でも、それは旅人にとっての魅力で、地域の人たちにとっては、どうだったのか・・・この問題は、私の頭の中でぐるぐるまわって、すっきりしません。三陸鉄道のように、若い力に頼るしかありません。

 

結局は、納得できるような結論は出ませんが、3日間ローカル線の話にお付き合いいただきありがとうございました。