農業で未来をひらくプレーヤー育成

今日は、風もなく、ようやく「あったか屋上遊び」ができました。キタアカリという人気品種のジャガイモの植え付けをし、ビートルハウス横の木に、カマキリのたまごを発見しました。チビちゃんたちは、「えっこれがカマキリなの?」という顔をしますが、寺子屋園児になると、このたまごの中から、赤ちゃんカマキリが続々と生まれてくることを知っています。今まで、何度も保育園で観察してきました。

 

さて、今日は広島県立庄原(しょうばら)実業高校の話です。この高校のキャッチフレーズは、「農業で、未来を拓(ひら)くプレーヤーを創出しよう」です。文科省のマイスター・ハイスクールの指定校でもあります。

 

入学すると、最初に「10年後どんな農業を創りたいか」を問い、3年間を通して、フィールドリサーチやプロジェクト課題などに取り組んでいきます。特色的な活動の一つは、先進的な取り組みをしてる人物による授業です。通常の教員以外に「産業実務家客員」として任命し、より専門的な授業を行っているそうです。

 

例えば、「ドローンでの農薬散布」「GPSを活用して田植えを自動化する」「農業でもテレワーク導入」など、かつての「農業=3Kのイメージを払拭させる」ことも、これからの農業の大きなテーマと捉えています。生徒たちに、農業の世界は大きく進歩しており、多様な能力を持った人が集まって成立していることを伝えます。

 

生徒たちは、こうして最先端の技術を学びながらも、伝統的な農業もきちんと体験するそうです。それぞれの長所と短所を知り、視野を広げ、総合的に物事を考えられるようにしています。

 

3年生の生物生産学科の今年度のテーマでは、「牛舎の暑熱対策」「和牛の調教」「ホタルを増やし、人を集め、庄原のことを知ってもらおう」「激辛トウガラシで庄原をアツくする」などがあがりました。ホタルのグループでは、人が増えるとホタルが住みにくくなるという矛盾も経験します。失敗もまた、生徒たちにとっては大きな財産となるのです。

 

庄原実業高校の生徒たちの多くは、このような環境で学ぶことによって「自分の力で未来を創ることができる」と本気で考える生徒が多いそうです。最近は、就農する若者を取り上げるテレビ番組も多くなり、「自分の生き方」として、他の仕事を経験したうえで、就農を選択する人が多くなりました。過疎化という日本が抱える大きな問題も、「農業」を通じて、打開策が見つかるかもしれませんね。