変わる高校入試

今日は、屋上遊びが始まって20分・・・天気予報通りに雨が降ってきました。教室に戻って、「イス取りゲーム」で、仕切り直しです。年少園児も初めて参加しましたが、ルールがよくわからずで、早々に敗退です。イス取りゲームでは、子どもの性格が出ます。イスを見つめながら、笛が吹かれたら、すぐに目の前のイスに座ろうというタイプと、音楽に合わせて踊るように歩き回り、楽しむタイプです。もちろん、後者の方がすぐに負けてしまう確率が高いのですが、子どもたちは、それぞれのやり方で、イス取りゲームを楽しんでいます。でも、勝負がつくゲームなので、大いに盛り上がりました。

 

さて、埼玉県では、来年度は、公立の高校受験が変わります。今まで内申書と呼ばれたものが「調査書」となり、5段階の「学力評価」のみとなります。部活・特別活動・英検・漢検などの評価はなくなります。その代わり、「自己評価資料」を提出します。これは、中学時代の自分の体験をもとにした自己PRです。そして、全員、面接試験が行われます。面接では、「自己評価資料」についての確認が主な内容になるようです。筆記試験や内申書の比重が低くなり、自己評価資料でのプレゼンテーション能力が、面接で試されるといった感じですね。

 

東京都では、都立高校の推薦入学に「集団討論」を導入したのが2013年です。例えば「組織・グループの中で活躍できる人になるにはどうすればよいか」のテーマが与えられ、7~8人の班に分かれて、約20分行われます。「自分の意見を持ち、他人の意見も尊重する」「チームメートの能力を引き出す」などの意見がでますが、集団討論に正解はありません。集団討論を指導する学習塾の講師は、「意見は1分で話そう。全員が同じ方向を向いた議論ができれば大成功だ」と言います。

 

2021~23年はコロナ禍で中止されましたが、今年の入試では、復活したようです。難関校として知られる「日比谷高校」では、「将来のリーダーを育てる当校の授業は、生徒同士の対話を通して考えさせる内容が多い。入学後のミスマッチを防ぐためにも討論を見ることが大事だ」と語ります。

 

こうして、全国の自治体では、筆記試験では測れない力を評価する入試が広がってるようです。中学受験や大学受験にも広がっています。

 

筆記試験では測れない力は、まさに「非認知能力」と言われる、協調性や創造力など点数にできない力です。日本の教育界が、今、盛んに「非認知能力を伸ばそう」と言っています。保育園ホワイトきゃんばすでも、異年齢保育の環境が「非認知能力」を伸ばすことにつながっています。それならば、受験の形も変わらなければ・・・という流れです。

 

今までは、テストの成績さえよければ、志望校に合格できた時代でしたが、社会が成熟し、「指示通りに動くことができ、知識のある人が優秀で偉い」という価値観が通用しなくなったということです。社会で通用する力を育てようと、入試のあり方も変わっていくのです。

 

そして、一番大事なのは、「○○高校に合格する」が目的ではなく、「○○高校に合格して、○○を行う」ことですね。夢を持つこと、目標を掲げること、そのための具体的行動を考えることができること。もう、勉強だけの評価とは、さよならですね。