大人の「学び直し」

今日は、今年度初の階段レースをしました。まずは、階段を使った避難訓練からです。1階から、さらに降りた場所に非常ドアがあることを確認してから、ガチの階段レースです。年少の寺子屋3番園児は、階段を下りるのが少し怖いようで、手すりにつかまって、ゆっくりと降ります。保育園の帰りも、時々階段を利用しながら、慣れるのが一番です。

 

さて、昨日、BSNHKの「舟を編む」というドラマが最終回でした。三浦しをん原作で、2013年には、松田龍平・宮﨑あおい主演で、映画化もされたので、知っている人も多いと思います。主人公が、新しく刊行する辞書『大渡海(だいとかい)』の編集部に迎えられ、個性豊かなメンバーと辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品です。「辞書は、言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味で、この書名が付いています。

 

私は、中学時代の現代国語教師の影響で、辞書で引いた言葉には、必ず傍線を引いていました。中学高校、そして社会人になっても使い続けています。今でも、辞書を引くと、たまたま傍線が引かれてあって、「いつ調べたんだろう?」と想いを巡らせます。スマホですぐに、言葉の意味が調べられる時代ですが、やっぱり、辞書を使うと、「学んだ」という気持ちになるものですね。私にとっては、辞書は「大人の学び直し」でもあります。

 

みなさんは、「ガクサン」というコミックをご存知ですか。「学習参考書」というニッチなテーマを扱った、教育者の間でも話題になった佐原実波作の作品です。舞台は、学習参考書を取り扱う出版社です。そこへ中途入社した茅野うるしが配属されます。同じ部署には、ありとあらゆる参考書を熟知している参考書オタク福山が、上司として、うるしとかかわります。

 

この作品の神髄は、単に参考書の紹介にとどまらず、福山は、勉強の仕方が分からない中学生に、参考書を使って勉強することの意義を説きます。「体系的に何かを理解していくその方法をものにしろ。そうすりゃ年を食っても勉強以外でも好きなことを何だって身につけられる人間になれる」つまり、勉強することは、学びの方法を身に付けることでもあると言うのです。

 

どの参考書を使うかだけでなく、「どのように」使うかに焦点を当てる本作は、実在する参考書が取り上げられています。

 

中学高校生は、勉強しなければ・・・とあせる中で、勉強のやりかたがわからないことが多いですね。この本では、その方法を具体的に教えてくれます。そして、私たち大人になってからの勉強は、やらされる勉強ではなく、「やりたい勉強」をすることが多いです。そんな時に、この「ガクサン」がパートナーとして役に立つのかもしれません。