キツネとタヌキ

屋上ファームの「エンドウ豆」が終了しました。1か月以上、子どもたちが収穫をがんばり、お土産で、おうちでもたくさん食べました。エンドウ豆を茹でて、マヨネーズをかけて食べるだけでも、あっという間に食卓から無くなる のです。次の植え付けの準備で、エンドウ豆を引っこ抜くと、ダンゴムシが、ざっと500匹以上出てきました。虫嫌いが見たら倒れてしまうかもしれません。しかし、子どもたちにとっては、最高の観察タイムです。飼育ケースにダンゴムシを集めることに夢中です。「先生見て見て!」という瞳は、輝いています。ここは、私が子ども頃の昭和と、まったく変わらないですね。(笑) 

 

さて、今日はキツネとタヌキの話です。ある森に、キツネとタヌキが住んでいました。キツネは走るのが得意なのですが、泳ぐのが苦手です。一方、タヌキは泳ぐのが得意なのですが、走るのが苦手です。そこでキツネとタヌキは、峠のお地蔵様に願い事をかなえてもらうことにしました。

 

「お地蔵様、キツネの私は泳ぐのが苦手です。得意になるようにしてください」「お地蔵様、タヌキの私は走るのが苦手です。得意になるようにしてください」すると、お地蔵様がしゃべったではありませんか。「キツネさん、泳ぎが苦手でもいいじゃないですか。あなたは走るのが得意なのだから、その力をもっと伸ばしてごらん」「タヌキさん、走るのが苦手でもいいじゃないですか。あなたは泳ぐのが得意なのだから、その力をもっと伸ばしてごらん」キツネとタヌキは、お地蔵様からの言葉を黙って聞いていました。

 

その日の夜、夕ご飯を食べながら、キツネとタヌキは話し合いました。タヌキが言います。「お地蔵様の言う通りだよ。私たちは一人一人違うのだから、自分の良さをもっと伸ばせばいいんだよ」ところが、キツネは言います。「お地蔵様の言うことはおかしい。私は走るのが得意だけど、泳ぎも得意になりたいんだ」

 

さぁ~これを読んだあなたは、キツネとタヌキのどちらの考えに近いですか。もちろん、どちらかが正解で、どちらかが不正解ということはありません。親として、我が子にはキツネかタヌキか、どちらの考えを伝えますか。

 

保育園としては、子どもたちに、キツネのように「あれもこれもできるように、がんばってみよう!」と言いたいところですが、これも、相手次第です。この言葉が、プレッシャーに感じる園児もいます。

 

大人からのアドバイスは、自分がキツネの思考でも、相手のことを考えてタヌキの選択もあるでしょうし、その逆もありますね。「アメとムチのバランス」と同じように、子どもに対してのアドバイスは、なかなか難しいものです。そうだ。一番いいのは「自分で考えてごらん」かもしれません。