サーモンは「取る魚」から「育てる魚」へ

今日の連絡ノートには、昨日の「おかしの学校」のコメントがいっぱいです。電車に初めて乗った園児が二人いました。新幹線と並行して走ったこともあり、「また乗りたい!」となったようです。今回は、日本を代表する大手菓子工場の見学ですので、機械化され、ラインを流れるように商品ができていく工程を見学しましたが、お菓子の世界は、パティシエやショコラティエによる手作りスイーツもあります。両方を学びながら、子どもたちの好奇心を伸ばしたいですね。

 

さて、子どもたちが大好きな「回転ずし」ですが、ネタの人気1位は13年連続で「サーモン」だそうです。マグロではありません。サーモンはただのネタだけでなく、あぶりやカルパッチョなどのアレンジが多様です。私の奥さまは、アボカドサーモンを必ず注文します。なんか、ヘルシーなイメージですね。(笑)

 

そんなサーモンですが、海水温の上昇による秋サケの不漁が何年も続いています。国内のサケの来遊数(日本の川に戻ってくるサケ)は、1996年の8879万匹をピークに減少し続け、2023年度は約4分の1の2785万匹にまで減少しています。これで、回転すしのネタが確保できるの?と思われるでしょうが、全国で養殖のサケ・マスが拡大しているのです。

 

国内のサーモン養殖は、約150年前にすでに始まっていました。つかみ取りでなじみのある「淡水のニジマス」が、全国で盛んになりました。そして、昨今のサーモン人気を追いかけるように、「ご当地サーモン」が日本各地で発生します。いよかんのオイルを餌に加えて臭みを抑えた「宇和島サーモン」や地元産レモン果汁を与えた「広島レモンサーモン」、富士山の湧き水で養殖した「ホワイト富士山サーモン」など、全国で120以上あるそうです。

 

よく、サケとマスはどう違うの?と言われますが、同じ「サケ科」の仲間です。厳密な定義はなく、海にいる大きなものをサケ、川や湖にいる小さなものをマスと呼んで区別していることが多いようです。

 

私も、さいたま水族館で初めて知ったのですが、川の上流の水のきれいなところで暮らす「ヤマメ」という魚がいますね。でも、そのヤマメの中から「冒険したい!」と海に向かって泳ぎ出し、大きく成長した魚が「サクラマス」です。もともとは同じ魚です。

 

ともあれ、地球環境を考えながら、私たちの胃袋を満たしてもらうには、サーモンと呼ぶサケ・マスは、「取る魚」から、ますます「育てる魚」になっていくのでしょう。サーモンに限らず、養殖の魚は、これからも増え続けています。ブリなどは、氷見の寒ブリ以外は、天然モノよりも養殖の方がおいしいですね。これも、時代の流れです。