失敗を楽しむ脳

今日は父の日ですね。保育園の子どもたちは、冷蔵庫に貼るマグネットをパパにプレゼントしました。もちろんパパの似顔絵があります。母の日と色違いの同じプレゼントです。私にも、娘から日本酒が届きました。もう25歳の立派な社会人の娘からのプレゼントですが、ニンマリと嬉しさをかみしめる父親です。ただし、母の日と比較すると父の日は現実的には、とても寂しいです。母の日の市場規模は1200億円あるのに、父の日は、その半分の600億円しかありません。数字だけなら、父への愛情は、母の半分です。(笑)

 

この現実は、父親の子どもへのかかわり方と比例しているのかもしれませんね。令和の時代は、父親も育児休暇をとり、家事をこなすのも当たり前になってきているので、何とか、母の日の80%くらいにまで、市場規模が大きくなることを祈りたいです。(笑)

 

さて、そんな父親ですが、子どもに対して、よく言うこと一つに「失敗を恐れないで、新しいことにどんどん挑戦しなさい」があります。みなさんも言ったことがありますね。私も、保育園の子どもたちに何度も言っています。

 

最近の子どもたちは、ネット社会が普及し、調べればすぐに答えが分かる時代に生きています。そうなると、失敗する経験は以前よりも少なっているのでしょう。生成AIが、さらに発展すれば、あらゆることについて、AIにアドバイスを求めてしまう社会になるのかもしれません。

 

脳科学の研究者である、量子科学技術研究開発機構の山田真希子グループリーダーは、脳科学の観点から「失敗や逆境がある時こそ、成功した時により強い幸福感が生まれる」と話します。逆に、失敗を過度に恐れる人の脳では、不安や抑うつに関わる前頭葉の脳機能ネットワークの働きが弱いことなどを明らかにしてきました。

 

そもそも、日本でベンチャーが少ないのも、失敗への恐れが強いからだといわれています。米国の起業家は、3つ4つの起業の失敗経験を勲章のように誇り、次の挑戦に目を輝かせるといいます。「失敗するのは当たり前。逆に失敗しないと成功はない」という考えです。

 

あの物理学者「アルバート・アインシュタイン」は、「チャンスは苦境の中にある」との明言を残しました。AIが人間の領域へ侵入しつつある中、人が生きる実感を感じるには、失敗を楽しむ脳が大切になりそうですね。そんな、脳になる訓練方法が現在開発中とのことです。

 

私たちは、子どもたちへ「失敗を恐れるな!」の言葉に、もう少し具体的なメッセージを考えて、「失敗を楽しむ脳」になってもらいたいですね。