道端のカタバミ

あまりにも暑さに、土曜日ですがプールを楽しみました。水着がない小学生も、洋服のまま泳いでいます。ファームのキュウリに塩を振って、子どもたちはモグモグと食べています。このシンプルな食べ方で、熱中症対策にもなっています。(笑)

 

さて、今日は、文科省科学技術・学術政策研究所から「ナイスステップな研究者」に選ばれた千葉大学准教授の深野さんの話です。

 

みなさん、カタバミという野草をご存じですか。クローバーに似た葉で、黄色のかわいらしい花を咲かせます。しかし、繁殖力がとても強い厄介な雑草でもあります。花が終わり種になると、パッと周りに種が飛び散り、様々な場所で繁殖が始まります。もっとやっかいなことは、根がどんどん広がって、多年草なので、一年を通じて広がっていきます。花は、黄色のかわいい形状ですが、保育園のファームでも、このカタバミがすぐに広がっていきます。

 

深野さんは、コロナ禍に近所を散歩中に、葉の色が赤くなったカタバミを見つけます。野外調査を始めると、都市部の宅地付近のカタバミは赤く、そこから数十メートル離れ、暑さが和らぐ公園のカタバミは緑色です。わずかな距離の違いでも葉色が変わっていたことで、「都市の高温が影響しているのかも?」とひらめいたそうです。研究の結果、赤い色素は、都市の高温からカタバミが受ける熱ストレスを和らげているいる可能性があることをつきとめます。

 

深野さんは、日本のモンシロチョウは、羽の特徴に雌雄で差があるが、欧州などではそれがないことは、まさに千年単位で生じたもの言います。また、直物や昆虫だけでなく、人間心理も進化の視点から研究をしています。現代人が虫嫌いになった理由について、進化心理学の視点で迫ったものです。

 

「虫嫌いを増やしたのは、都市化によって虫を見る場所が室内に移ったことや、虫の種類を区別できなくなったため」と、13,000人を対象にした調査の結果から仮説を提唱します。

 

これは、保育園の子どもたちを見ていると納得できますね。屋上で見る虫には、大きな嫌悪感は抱きませんが、教室内で虫を発見した時の「ギャー!」という叫び声は止まりません。外で虫を見る習慣が少なくなれば、子どもたちが虫嫌いになっていくのは、間違いありません。

 

深野さんの研究は、私たちが気がつかないような視点で行われています。これからも、彼の取り組みに注目したいですね。