2023年

12月

09日

都道府県別魅力度ランキング

今日は、小学生が5年生から1年生まで、6人も登園しました。5年生が、埼京線とアジサイを描いた絵を持ってきてくれました。素敵な絵だったので、朝の会では、その絵を見ながら、みんなに感想を聞きます。そして、屋上では、久々に園長がノックをして守備練習をしました。小学生男子が参加しましたが、年中男子が「僕もやりたい!」と挑戦します。白球を追いかけて、汗をかくほど、今日は暖かい日です。

 

さて、今年も「都道府県別魅力度ランキング」が発表されました。①北海道②京都③沖縄④東京⑤大阪と、トップ5は、ここ数年不動の順位だそうですが、むしろ、話題になるのは「最下位はどの県?」ですね。昨年は佐賀県でしたが、今年は茨城県です。過去15年の調査のうち、茨城県は最下位12回で、すっかり定位置になっていますが、私から見れば、国営ひたち海浜公園でのネモフィラの青と、ほうき草(コキア)の紅葉は、一生に一度は見たい最高の景色です。年間200万人以上が訪れる場所です。

 

そして、我が埼玉県は、昨年に続き47都道府県中45位です。翔んで埼玉でアピールするには、このなんとも評価がしがたい45位という順位がいいのです。もともと、このランキングがナンボのものなの?と思っている人が多いのでは???

 

ということで、このランキングの調査方法を確認してみました。今年は20~70歳代の男女計3万4117人の集計です。様々な項目がありますが、最終的に「どの程度魅力的に思うか」の1問だけの結果です。5段階評価で「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」に50点を与え、それぞれの回答者の割合から各都道府県の得点を集計して順位を出すそうです。

 

ケチをつけるつもりはありませんが、大自然&食べ物がおいしいイメージの北海道は、確かに魅力的で、私も北海道やドラマ「北の国から」にハマりました。ただし、魅力度が高いからといって、「北海道で暮らす」となると、難しいですね。冬の生活の厳しさは、魅力度ランキングには反映されていないのです。

 

最下位になってしまった茨城県知事は「コメントする必要ない」とバッサリ。群馬県知事は「単一でなく総合的な指標で評価するよう要求」し、栃木県知事は「統計的な視点から適切とは言えない。法的措置も検討する」と批判します。

 

さて、世の中にはランキングがあふれています。専門家の分析によると、人間には本能的に社会の中で相対的な位置関係、評価を知りたいという欲求があり、集団生活をするようになった人類の祖先が、周囲と強調を図るために、自らの立ち位置を他者と比較して把握しようとする習性が身に付いたといいます。

 

日本人は、欧米人よりも「相互依存」の度合いが強いので、自らの個性よりも周囲との関係が円満であることを優先すると言われていますが、これからの若者は、個性を主張し、こんなランキングなんて意味ないよ!と思っていくのでしょう。

 

最後に、最下位になってしまった茨城県ですが、労働や健康など国の統計に基づく「幸福度指数」での最新結果は全国13位で、県民所得などの「豊かさ」指標は5位でした。これらは、イメージではなくて、統計上の数値ですので、こちらの方が正確なランキングかもしれませんね。

 

最後は、つまらない結論ですが、どの都道府県にも魅力的な場所やコトは、山ほどあるので、「都道府県別魅力度ランキング」なんて・・・気にせずに、下位の県はギャグにしながら笑いとばしましょう。(笑)

2023年

12月

08日

昭和レトロブーム

今日は、クリスマス発表会の新たな楽器の役割分担を決めました。タンバリン2名・トライアングル1名が指名されます。これで、年長は、ピアニカ&木琴・年中は、スズ&タンバリン&トライアングル・年少はカスタネットと6種類の楽器で、「ガンバリマンのうた」を奏でます。すべての楽器が、ピタッと揃うのが目標ですが、発表会当日まで、その目標に向かって練習をする過程が大事なのです。

 

さて、今「昭和レトロ」がブームになっていますね。西武園ゆうえんちも昭和レトロのコンセプトで改装すると、お客様が増えています。しかし、この昭和レトロブームは、私のような昭和にどっぷりとつかった世代が懐かしむだけでなく、Z世代と呼ばれる若年層に、昭和に憧れを抱くケースが多いようです。

 

カセットテープにレコード、写ルンです、銭湯、昭和アニメ、純喫茶、クリームソーダなどなど、Z世代が「親世代のカルチャー」にノスタルジーを感じているのです。Y2kファッションという言葉を知っていますか。これは、1900年後半から2000年代で流行したファッションのことだそうです。当時、浜崎あゆみさんや安室奈美恵さんといったカリスマアーティストや個性的なファッションのタレント、篠原ともえさんなどが大流行しました。ギャル系の派手なファッションも、Z世代の若者の支持を受けているようです。

 

実は、昭和時代も、明治時代に対する憧れがあったようです。急速な近代化を達成した明治時代は、特有の熱気をを帯び、気骨のある前向きな日本人を多く育てました。では、なぜ今昭和が若者に支持されるのか・・・理由はいろいろあるのでしょうが、1つは、明治時代同様に、戦後の復興から高度経済成長という「大きな変化」を経験した世代であることが、明治との共通点です。それらの変化は、我々の生活をより豊かな方向に導くものと誰もが信じていました。

 

ところが、ある調査では、「社会が今後どのように変化するか楽しみである」と答えた日本の若者の割合は半分しかなく、米国などの調査参加6か国中最下位だったそうです。「明日があるさ」を能天気に歌えた昭和は、未来がどうなるか分からない不安の中で生きる若者たちにとって、魅力的に映るのかもしれませんね。

 

仕事のスピードは、パソコン普及で昭和の時より倍以上早くなったような気がします。若者はスマホとにらめっこですが、ネット社会のストレスも昭和にはなかったですね。こう考えると、単純に「昭和レトロブーム」を懐かしむだけでなく、これからの人生を幸せに生きるヒントが、昭和の生活の中にあるのかもしれません。

 

そんな観点で、昭和を思い出してみるのもいいかもしれませんね。

2023年

12月

07日

名前のない鍋

今日は、健康診断を行いました。パンツ一枚になると、子どもたちは「キャーキャーワーワー」大騒ぎです。チビちゃんは、ビクビクしながら先生の聴診器を見つめます。(笑)

この冬は、テレビで報道されているように、コロナ禍で子どもたちの免疫力が落ちているので、様々な感染症が流行しています。提携医の話では、朝病院を開けた段階で、一日分の予約数が埋まってしまうそうです。

 

さて、今日は「鍋」の話をします。冬の食卓に欠かせないのが身体も心も温まる鍋ですね。昨夜、私は飲み会だったので、お腹いっぱいで帰宅したのですが、ちょうど夕食が「おでん」だったのです。たまらず、しみしみの大根を食べてしまいました。おでんもおいしい季節ですね。

 

しかし、最近では、スーパーの棚に「○○鍋のつゆ」が、何十種類も並んでいます。私が子どもの頃には、間違いなく、鍋のつゆなど売っていませんでした。それぞれの家庭で、だしや調味料を駆使して、各家庭の「鍋」の味がありました。どちらかというと、かつては、冷蔵庫にある残りもの食材を消費するために「今夜は鍋」になっていたのですが、今は、「鍋つゆの素がなかったら鍋はしない」「パッケージに書いてある通りに作る」という家庭が増えているようです。おおざっぱで何でもありの代表的な料理の鍋ですが、レシピがなければ鍋料理はしない人たちが増えているのです。

 

「名前のない鍋、今日の鍋」の作者で、フードライターの白央(はくおう)さんは、普通の人たちはどんな鍋を作り、食べているのだろう?と、18人の自宅キッチンにおじゃまし、そこから生まれたそれぞれの鍋を紹介しています。

 

妻に先立たれ、料理を覚えて自立していく高齢男性。いろいろな世代の家族一人一人が手分けして支度し、おいしい鍋を楽しんでいる大家族。ふるさとの母仕込みの鍋を作る韓国人男性。以前は嫌っていた農家を継ぎ、もぎたて野菜の鍋を味わう若い農園主。

 

さらに色々な人がいて、卓上コンロは持たずに温めた鍋をテーブルに運んで食べる人や、土鍋を持たない人がたくさんいるそうです。また、お酒を飲まない人は、長々と鍋をつついたりせずに、一気に食べる・・・。

 

鍋料理こそ、「料理とはこうあらねばならない」という思い込みから、人々を解放してくれるのかもしれませんね。この冬、皆さんの家では、「○○鍋のつゆ」を使わずに、オリジナル鍋を1つ完成させるのもいかがですか。

2023年

12月

06日

5歳児健診で発達障害の早期発見

今日の練習は、「勇気100%」の歌とダンスを忍者の衣装を身に着けて、やってみました。かっこいい忍者が20人以上になり、なかなかの迫力です。子どもたちも、自分の姿に酔い、素晴らしいパフォーマンスへとつなげます。いい感じです。

 

さて、「5歳児健診」をご存じですか。国が定めた健康診断には5歳児健診はありませんが、自治体が任意で実施しています。政府は、2023年度補正予算に、費用の半分を自治体に助成する事業を盛り込み、本格的に5歳児健診の支援に乗り出しました。

 

大分県津久見市では、2008年度に5歳児健診を始めました。医師が診察したり、保健師が保護者に子どもの普段の状況を聞き取ったりします。同世代と遊ぶ様子を観察し、集団行動や子どもの反応などを通して、発達障害の可能性を見極めます。

 

母子健康法に基づき、「3~6か月」「9~11か月」「1歳半」「3歳児」を対象に、市町村が義務として健診を行っていますが、3歳児健診の後は、小学校入学前に受ける就学前健診まで、約3年間の空白期間が発生してしまうのです。

 

発達障害があるかどうかについては、1歳半健診では、ほぼ「様子を見ましょう」でスルーされます。そして、3歳児健診でも「まだ3歳ですので、引き続き成長を見ながら判断していきましょう」と言われることが多く、親が積極的に「我が子は発達障害かもしれないから、しっかりと診てもらおう」と踏み込まない限り、様子見になることが多いのです。そして、いよいよ小学生になるという段階で、普通学級にするか特別支援学級にするかどうか、明確な判断ができず、迷い、バタバタしてしまうのです。

 

保育園では、過去に、何度もそんな事例を経験してきました。津久見市が、5歳児健診を始めたのは、大分大学から「発達障害の子どもを早く見つければ、入学前に準備ができる」と提案を受けたのがきっかけです。

 

例えば、軽い発達障害の傾向が見られた男の子が通う保育園では、市から情報が伝えられると、机に時計を置き、着席や読書を終える時間を守れたらシールをあげるなどして、男の子がきちんと時間を守れるように、対策を講じることにつながったそうです。

 

今では、発達障害は一つの個性として捉えられており、津久見市の取り組みは、早期に「発達障害のレッテルを貼る」ことではありません。「発達障害を早期発見し、地域ぐるみで学びやすい環境づくりを進めることが重要」と考えています。

 

発達障害は、傾向が同じであることはほとんどなく、一人一人への対応が必要になっていきます。そして、成長とともに完治することはないと言われています。発達障害の子どもたちが、やがて大人になり就職して仕事をすることまで考えると、親も、早く情報を持ち、我が子をどうやってケアしていくかが大切になってきます。

 

発達障害の子は、小学校で必ず特別支援学級に行くわけではありません。勉強以外の体育や音楽は、普通学級という選択肢もあるし、学校や担任の協力をもらって、普通学級で過ごすという選択肢もあります。親が選択をするのですが、早期に我が子が発達障害とわかっていれば、より子どもの成長や可能性を考えた選択ができるのです。

 

こう考えると、5歳児健診が全国に広がっていくことが望ましいですね。

2023年

12月

05日

ママに贈るクリスマスケーキ

今日の劇の練習は、一人一人衣装を着て行いました。「こびとのくつや」では、こびとが作った靴が高い値段で売れていきます。ということで、お客様もドレスアップしたイメージにします。お客様の一人は、黄色のベルのドレスを着ました。このドレスは、2年前に年長女子の「最後のハロウィーンパレードで、ベルになりたい」というリクエストにこたえたママが、手作りのドレスを作ってくれました。そして、保育園にプレゼントされ、こうして、クリスマス発表会で活躍するのです。

 

街の人から王様まで、華やかな衣装で、子どもたちのやる気もアップです。まるで本物の俳優になった気分で、頑張ってくれました。

 

さて、今日の寺子屋のテーマは、「ママに贈るクリスマスケーキ」です。子どもたちは、ママやパパに買ってもらった、アンパンマンやプリキュアなどのキャラクターケーキを食べることが多いようです。しかし、今日は、ママに贈るクリスマスケーキをチームで決めよう。ということで、キャラクターのケーキがいっさいない、百貨店のクリスマスカタログを手に、5チームに分かれます。チーダーがメンバーの意見をまとめながら、チームで1つのママに贈るクリスマスケーキを選び、その理由も発表します。

 

チームのメンバー一人ひとりが考えて、議論し、リーダーがうまくまとめて結論を出すというやり方です。「保育園の園児でそんなことができるの?」と思われるかもしれませんが、私の予想以上に、素晴らしい話し合いが行われ、リーダーの発表もしっかりしていました。

 

各リーダーの発表内容です。

「ケーキの上にサンタクロースが乗っていたので、ママが喜ぶと思ったんだ。そして、ママが大好きなイチゴがたっぷりあるので、このケーキにしました」

「このメンバーのママたちは、甘酸っぱいケーキが大好きで、ブルーベリーとかいろいろなフルーツが使ってあるから」

「星形のホワイトチョコレートが乗っているのがいいと思った。だって、ママはチョコレートが大好きだから・・・」

「マカロンがケーキの横に貼ってあって、マカロンは、ママも僕も大好きだから。それと、ピンク色のケーキがかわいいと思った」

「このケーキの上にいるサンタクロースは、たぶん『パラダイスやまもと』さんだとおもったから」

 

 

パラダイス山元さんを知っているのは、先日の「サンタクロースに何を頼む?」の寺子屋で、日本にただ一人のサンタクロースの話をしたから覚えていたようです。

 

リーダーとメンバーとの話し合いは、ざっと5分くらい続いていました。一人一人の意見を丁寧に聞くタイプのリーダーあり、「私はこれがいい」と、最初に自分の意見を言うタイプもあり、それぞれのやり方で、議論が行われていたのです。園長としては、「ここまで話し合いができるなんて・・・」正直驚きました。

 

「自分で考えて自分で答えを出す」ことが、今日の寺子屋では、かなりのところまでできたような気がします。

 

今日の子どもたちに「あっぱれ!」です。(笑)

2023年

12月

04日

秩父に一つだけの映画館

今日から、クリスマス発表会の劇の練習は、完成している鼓動を使いながら、より子どもたちの演技力を引き出す練習です。時間をかけて、本番に向けてスパートをかけていきます。練習が終わると、屋上ファームのじゃがいも掘りを行いました。残暑が影響して、今回は不作です。大根は大きく育っているのですが、じゃがいもは小ぶりです。すべての野菜が豊作になるのは、なかなか難しいですね。

 

さて、昨日は、埼玉が誇る「秩父の夜祭り」がありましたね。ちょうどクライマックス&花火が日曜日で、多くの人が訪れたようです。私も行ったことがありますが、「寒いけど熱い!花火が美しい!」思い出があります。そんな、埼玉県秩父市には、たった一つの映画館があります。ユナイテッドシネマ秩父が2022年7月にオープンしました。まだ開業して1年半です。実は、秩父市に映画館ができるのは29年ぶりだったそうです。秩父の若者たちが、「秩父に何とか映画館を!」という願いが届き、行政も動き実現したのです。

 

映画館ですから、赤字のたれ流しと言うわけにはいきません。この映画館の支配人に、40歳の若さで任命されたのが、柴田茜(しばたあかね)さんです。ユナイテッドシネマ長崎でアルバイトからスタートし、着々とキャリアを積み上げていきます。福岡市に初めて誕生したプレミアムダイニングシネマのオープニングも担当します。そして、土地勘のまったくない、秩父での映画館立ち上げと支配人という大役が舞い込んできたのです。「お前ならできる」と上司に励まされ、福岡から秩父に移り住んだそうです。

 

人口6万人の秩父市やその近隣含めても10万人程度の街で、会社が示した年間来館者は、13万人でした。ざっと、1日356人です。ユナイテッドシネマ秩父のスクリーンは、全部で7つ、客数が632席ですので、毎日半分が埋まらないと、この数字は達成できません。ところが、柴田さんは、この目標を1年目で達成させたのです。

 

柴田さんは、何よりポップコーン作りが好きで、一日中でも機械をいじっていられるそうです。朝の4時半に起き、誰よりも早く映画館に行く。まずは、館内の清掃を行い、ポップコーン作りが始まるそうです。映画館で食べるポップコーンはどうしておいしいのでしょうか。出来立てという要素の他に、きっと何かがあるのでしょう。

 

「秩父の皆様に・・・映画館を生活の一部にしてもらいたい!」という柴田さん。思ったほどお客様が来ない日もあるけど、悩むより来てもらうにはどうしたらいいかを常に考え、突き進んできました。

 

なんだか、秩父のたった一つの映画館のキーマンに会いたくなりましたか。秩父に行ったら、ポップコーンを作っている女性を探してみましょう。(笑)

2023年

12月

03日

教育虐待

今年3月、元九州大生の長男が、実家で両親をナイフで殺害した事件の背景には、「教育虐待」があったそうです。長男は、小学校の時から学校の成績が悪いと父親から殴られ、「失敗作」と罵られたそうです。長男を鑑定した臨床心理学の専門家は、「事件は教育虐待がなければ起きなかった」と指摘します。

 

教育虐待は「親による子どもの心身が耐えられる限界を超えて教育を強制すること」と定義されますが、分かりやすく言えば、「大人が善かれと思って提案することに対し、子どもが嫌だと思えば『NO』と言え、それを大人が聞いて、『本人がそういうならと折れることができる』この関係性があるかないかで決まる」とも言えます。

 

教育虐待の根っこには、「大人たちの価値観」があります。「お金があり地位が高い、いわゆる『勝ち組』になる人生が幸せであるという価値観」・・・そうした価値観に縛られ、子どもを『負け組』にしないために、勝ち組を獲得できるところへ、親が子どもを持っていくべきだと信じてしまうのです。

 

もう一つは、親が学歴などにコンプレックスを持っている場合です。特に母親は、女性であるがゆえに結婚や出産・子育てでキャリアや自分の夢を諦めざるを得ず、そのために、子どもを自分の「代理」にして、戦わせているのです。自分の夢や理想を子どもに託し、「教育」という名の下、子どもを通して自己実現させようとしてしまいます。しかし、子どもにとっては、それが過度の期待と強制になり、じわじわと追いつめられるのです。

 

教育虐待をする親の共通点として、「経済的に安定した家庭で起きている」といわれます。そこでは、いい高校、いい大学、いい会社に就職させることを目標に定め、それを達成させるのが「いいお父さん」「いいお母さん」という自身への評価につながると錯覚し、親だけエキサイトしてしまうのです。子どもも、親が望むのであればと、自分の気持ちは置き去りにして猛烈に勉強します。しかし、そうした状況が続くと、誰にも相談できないまま、プツンと心の糸が切れてしまうのです。

 

親が変わるには・・・「子どもは別人格で親の所有物ではない」「成績や成果など、結果だけで子どもを評価しない」「子どもの評価=親の評価だと思わない」「自分の理想を子どもに押し付けない」「子どもが望むサポートと親ができるサポートは親子の対等な対話の中で決めていく」「自分たちの信じている価値観を疑い、考える」

 

上にあげた内容は、実は、親も理屈ではわかっているけど・・・ついつい我が子のために、あらんことをしてしまうのではないでしょうか。

 

保育園ホワイトきゃんばすと同じフロアにある「学習塾」には、こんな張り紙があります。「受験まであと3か月・・・この3か月間だけは、親は我が子に『勉強しなさい!」と言うのを我慢してください」

 

また、18世紀の哲学者、ルソーは著書「エミール あるいは教育について」で、こう述べています。「あれしなさい、これしなさい、あれするな、これするな。そんなことばかり言い続けていたら、その子はそのうち『息をしなさい』と言わないと、呼吸できなくなるぞ」

 

どうですか、まずは、「○○しなさい・するな」を言わない。そして「勉強しなさい」を言わないことから始めてみませんか。

2023年

12月

02日

「森のようちえん」卒園児が大人になったら

今日は、年少女の子の話です。先月、自転車免許証を獲得して、ここ数日で、こぎ出しから一人で自転車を走らせることができるようになりました。すると、同じ、自転車免許証を獲得したばかりの年少男子に、「こうやってやるんだよ」とこぎ出しスタートのやり方を教えていたのです。自分ができるようになったら、今度は友だちに教えているシーンは、何だかうれしかったですね。

 

さて、全国に「森のようちえん」と呼ばれる、自然体験を基軸にし、どちらかというと一斉保育よりも見守り保育のバランスが高い環境の幼稚園があります。そんな「森のようちえん」を卒園した園児が、大学生になってどんな成長傾向にあるか、東北大学や日本女子大学教授ら5人の研究グループによる調査結果が出たようです。その結果、卒園児同士のつながりが深い、自己肯定感が高い、社会参画への意識が高いという傾向が見られたそうです。

 

どうですか・・・興味をそそる研究結果ですね。

 

研究に協力したのは、約40年前に開設された長野県のK幼稚園です。調査は、連絡先が把握できた81人に無記名での回答を求めるオンラインアンケートの形式で行われたそうです。通常、幼稚園、保育園、小学校も卒園卒業してからは、月日の経過とともに友だちとのつながりが希薄になる傾向にありますが、K園卒園児は、大学生世代になっても幼稚園時代の友人とのつながりを感じており、在園期間に様々な体験を共有して構築した関係性の深さがうかがえます。

 

具体的なデータでは、「自己肯定感の高さ」については、「今の自分が好きだ」74.4%(内閣府調査46.5%)、「自分には自分らしさというものがあると思う」94.4%(同70.6%)、「自分の親から愛されていると思う」も97.4%(同73.7%)あり、自己肯定感が高い結果は家庭環境の恩恵も踏まえて考える必要があるようです。

 

さらに深掘りすると、「リーダーシップを含む社会参画への意識の高さ」については、「うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む」が71.8%(内閣府調査51.9%)、「自分の考えをはっきり相手に伝える」も79.5%(同49%)と高い数字です。回答した39人中36人が卒園後に部活動や委員会活動で責任ある立場を担った経験があると答えています。最後に、こんな質問もあります。「自分で国や社会を変えられると思う」は、38.5%で国の平均値18.3%をはるかに上回っています。

 

「森のようちえん」だけでなく、五感を使いながら、仲間や教職員と伸び伸びと遊びながら育つことを大切にする幼稚園、保育園を卒園した園児には、こうした傾向があることを今回の調査は示したと言えます。

 

どうですか・・・幼稚園から、みな同じように一斉に勉強を教えるという取り組みは、子どもたちの将来の自立には、必ずしもつながらないことだけは、間違いありませんね。

2023年

12月

01日

ふるさと納税の返礼品を考案

今日の体操教室は、鉄棒で楽しもうプログラムです。「楽しむ」ために、鉄棒ぶら下がり選手権を行いました。足がつかないようにして、ただただ鉄棒にぶら下げっている時間を競う内容です。年少・年中・年長別に行い、最後に各上位の園児で最強の園児を決めます。今日は、年中の男の子が、年長男子を破って優勝しました。

 

運動能力や筋力も影響しますが、勝ち残るための一番大きい要素は「精神力」です。絶対に最後まで残るぞ!という強い気持ちが大きく影響します。これは、非認知能力も大きく伸ばすことにつながりますね。熱く、盛り上がった体操教室でした。

 

さて、今日は、ふるさと納税の話です。全国の返礼品人気ランキングベスト10は、「海鮮品」と「肉」で占められています。わかりやすくて、食欲がそそる品物ですね。ベスト10に食い込む自治体は、ふるさと納税で多くの税金が集まり、子育てや地域のために活用されています。

 

ところが、我がさいたま市は、ふるさと納税で市外から集められる額が約1.4億円に対し、市外への流出額は、全国でも6番目に高い90億円に上がっています。何と、88億6千万が、ふるさと納税という形で、消えているのです。

 

ちなみに、さいたま市の返礼品は、大宮盆栽美術館・岩槻人形博物館のチケットや、さいたま市観光協会が推奨する土産品です。お酒やスイートなど、たぶん、日本全国どこの地域の土産品と比較しても、そのカテゴリーは同じですので、大きな付加価値にはつながらないと判断されるのです。

 

これは、何とかしなければいけない!ということで、さいたま市では、中学生がふるさと納税で地元を活性化させる方法を考える授業が市内で行われたそうです。授業では、魅力ある返礼品を考えるだけでなく、埼玉りそな銀行の協力もあり、税金や地元について理解を深めることを目的に行われました。

 

生徒たちからは、様々なアイデアが生まれたようです。あるグループは「浦和区の名物であるウナギのつかみ捕り」を提案。また別のグループからは「市内に本社を置くアパレル企業とコラボしてオリジナルのTシャツやトートバッグを作る」「造幣さいたま博物館を見学し、オリジナルコインを作る」などです。どうですか・・・納税額がアップする企画ですか?

 

本来、私たちはふるさと納税で、寄付する自治体を決めるときは返礼品だけではなく、寄付の使い道まで見る必要があります。そう考えると、さいたま市は、返礼品で付加価値をつけるのが難しいのであれば、「使い道」が注目されるような政策が必要なのかもしれません。

 

さいたま市のような政令指定都市規模の自治体は、みな同じようにふるさと納税金額では、大きな赤字となっているのです。

2023年

11月

30日

へき地校で実習

今日の給食は「いも煮会」です。屋上の青空給食で、煮込みうどんをおなかいっぱい食べました。ホワイトきゃんばすファームで収穫した、大根・じゃがいも・小松菜がおいしさの秘密です。もう一つは、みんなでおしゃべりを楽しみながらの給食ですね。風もなくて、お日様がポカポカ・・・あったか青空給食になりました。

 

さて、みなさんは「へき地」という言葉をご存じですか。マイナスイメージに使われることが多いですね。交通機関や生活施設などから離れた場所を指し、そこにある学校を「へき地校」と言います。2022年度のデータでは、全国の公立小中学校の9%がへき地校だそうです。意外と多いですね。北海道では、全体の36%がへき地校です。

 

北海道教育大学では、札幌などの都会出身の学生を対象に、志願制のへき地校実習を行っているそうです。北海道教育大学3年の佐々木さんは、タンチョウ鶴が舞う鶴居村にある下幌呂(しもほろろ)小学校で、2週間の教育実習を受けたそうです。児童数24人のへき地校です。

 

2学年の児童数が合計16人以下の場合に、複式学級を作ることができます。先生1人が、2学年分の授業を受け持つのです。佐々木さんは、3・4年合計6人の授業を3日目から任されました。教室の前方を向いた4年生は国語ドリル、後方向きの3年生は教科書の物語文を読みます。3年生に問いかけると、4年生が「終わりました」と言い、佐々木さんは「ちょっと待って」と焦ります。そして、教室の前後をうろうろするのです。

 

佐々木さんが通った小学校は札幌市内で、1クラス35人だったそうで、他学年の子や先生と話す機会は少なかったと言います。今回は「少人数だからこその深い関わりがあるのでは」と思い、実習を希望したそうです。

 

小学校では、先生は男女問わず、子どもたちを「○○さん」で呼ぶところが多くなってきましたが、下幌呂小では、子どものことを下の名前で呼びます。児童も先生も学年に関係なく声をかけあう光景が日常です。

 

そして、佐々木さんの実習最後の日には、24名全員が次々と声をかけてくれまし。一人一人の子どもたちのかかわりは、より深いものになり、「この実習は短かったけど、濃密だった。子どもたちへの向き合い方が見えてきたような気がする。この経験を糧に、絶対に先生になる」と言います。

 

1クラス35人を相手にしていたら、表面上のかかわりしかできなかったかもしれませんね。へき地校での少人数での実習体験は、自分が子どもと関わる原点となるのです。明日の日本を担う、子どもたちにかかわる仕事が教員です。そんな教員を目指す若者たちには、大いに活躍してもらいたいですね。

2023年

11月

29日

ノートをカンニングし合う

「ガンバリマンのうた」の合奏の練習は、年長園児が、ピアニカと木琴・年中園児がスズとタンバリン、ウッドブロック・年少園児がカスタネットを使用します。木琴、タンバリン、ウッドブロックを演奏する園児は、これから選出します。今日の練習では、スズとカスタネットがバラバラですが、練習を重ねる中で、上手になっていくので、あせることはありません。発表会のねらいの1つは、チームで練習することです。子どもたちの「非認知能力」が、思いっきり伸びるのです。

 

さて、今日は埼玉県杉戸町の小学校教諭Yさんの話です。

 

みなさんが学校生活を送っているとき、自分のノートやプリントを手で隠し、周りから見えないようにしませんでしたか。理由は2つ・・・1つは、自信がなくて隠す場合。もう1つは、自分が解いた答えを見せたくないとう場合です。

 

そこで、Y先生は、子どもたちに、「分からないときは、分かりそうな友だちのノートを覗きましょう。カンニングはどんどんしましょう。ただし、テストでは絶対にカンニングはしてはいけません」と伝えて、授業をするそうです。

 

Y先生が言うカンニングとは、こっそり人のノートを覗いて書き写して終わりということではありません。覗くことで、疑問に思ったことを質問したり、説明を聞いたりする活動につなげることです。カンニングされる側も説明をすることで、さらに深い学びになります。カンニングし合える環境や関係を作ることで、互いに良い学びができるようになったそうです。

 

「何だよ~それじゃ、教える側が損して、教えてもらう側が得するばかりじゃないか」なんて、ヤボなことは言わないでくださいね。「学びのピラミッド」では、一方通行の講義を聴くだけでは、たった5%の内容しか頭に残りません。それが、ピラミッド頂点の「人に教える」になると、90%の内容が、インプットされます。人に教えることで、さらに自分でも学びが深まるのです。

 

カンニングの他にも、「授業中に席を立って自由に覗きに行ってもよい」というルールもあるそうです。この自由な雰囲気で、子どもたちは楽しく勉強ができるのです。カンニングは、クラスの中の議論を活発にするだけでなく、自分自身の考えを深め、自分で考えることにつながるようです。

 

どうですか・・・Y先生のクラスなら、「分からないまま」時間が過ぎていくようなことがありませんね。小学校の先生は、1人で30人以上の児童を教えます。学力が高い・真ん中・低いのどこに合わせるか・・・なんて悩むことなく、「カンニング」で、かなりの部分が解決できそうですね。

2023年

11月

28日

少年補導員

11月15日に行った「ごみスクール」の流れで、今日の寺子屋では「ゴミ出し何曜日?」を行いました。園長がサンタクロースのように大きな袋を背負っていると、「それ、サンタクロースからのプレゼントじゃないの?」と子どもたちがわくわくしてきます。そこで、袋の中身を取り出すと、空き缶・ペットボトル・ビン・古新聞・スプレー缶・ぼろきれなどが出てきます。「なんだこれ!?ごみじゃないか!」と5歳男の子が言います。ビニールに入った、保育園の燃えるゴミも並べて、これらのゴミは、いったい何曜日に捨てるの?を学び合いました。

 

「燃えるごみは、火曜日と金曜日と2回もあるんだね」「ママと一緒にごみ捨てを頑張るよ~!」など、いろいろな声が上がりました。子どもたちが、ごみスクールで学んだことやごみ収集日を意識することで、ゴミの問題を考えるきっかけになればうれしいですね。

 

さて、今日の話は「少年補導員」です。補導員という名前がついているように、街を回り、飲酒や喫煙をしている子どもたちに注意や助言をする人です。ショッピングセンターのゲームセンターでも時々見かけることがありますね。

 

先日のブログで、「PTAはいる?いらない?」の話をしましたが、この補導員になる人が年々少なくなっているそうです。もともと、少年補導員は警察署長から担当する学校の指定を受け、学校と地域のために、少年非行及び被害防止のために活動しています。地域によってまちまちですが、PTAから選出されるところもあり、時給1500円など報酬が発生する場合もあるそうです。

 

非行少年・少女の補導活動だけでなく、酒・たばこ販売店への年齢確認の徹底指導、学校行事の参加や清掃活動、子どもたちの登下校時の見守りなど、その活動は多岐にわたります。

 

補導員の活動は、1950~60年代に青少年の非行を防ぐ目的で始まった活動ですが、今の10代の少年少女は「補導する」という言葉もピンと来ないかもしれませんね。直近20年では、刑法犯少年の検挙数は減り続け、かつて見られた盛り場で飲酒、喫煙する若者、コンビニの前でたむろする若者も見られなくなってきました。むしろ、ネットやゲーム依存、ヤングケアラーなどの若者への支援の方が大切です。

 

そんな背景から「もう街頭パトロールは必要ないんじゃないの」という声が上がっているそうです。せっかく報酬を出しているにもかかわらず、みんなやりたがらないし、もっとニーズの高い課題に対応した方がよいと考えられるようになってきました。

 

実際に、「ネットポリス鹿児島」では、ネットパトロールに取り組んでいます。理事長の戸高さんは、約20年前に補導員として街頭パトロールを経験しています。しかし、当時すでに若者たちはガラケーでネットに入り浸りだったので、ネットパトロールに意義を感じたのです。

 

PTA活動は、保護者と学校と地域が協力して子どもたちのために活動をするのが目的です。少年指導員も、子どもたちを見守りながら安全と育成につなげる活動です。総論としては、なくしてはいけない活動です。しかし、各論(具体的な活動方法)は、その時代や地域、学校によって違うし、変わるものだと考えればいいのです。

 

子どもにかかわる活動で、まだまだ見直さなければならない活動はたくさんあるのかもしれません。

2023年

11月

27日

ど根性植物

今日から、クリスマス発表会で0~2歳児のダンス「おばけのバケちゃま」の練習がスタートしました。おばけの衣装が完成したので、さっそく、その衣装を着てダンスの練習です。オバケなので、泣きだす園児もありましたが、衣装を身に着けると、がぜんやる気アップになるものです。振り付けは簡単なので、すぐに寺子屋園児が覚えてしまいました。明日からは、寺子屋園児も一緒に踊ることで、ちびちゃんたちも覚えてほしいですね。

 

さて、今日は昨夜のNHK「ダーウィンが来た!」で放映された、「どっこい生きてる街の中!ど根性植物」についてです。植物観察家の鈴木さんが、街の中をはいつくばって、強く生きている植物を紹介していきます。昨日の植物は、ほとんど屋上で見られる野草でした。

 

「カラスノエンドウ」は、春になるといたるところに現れます。さやが黒くなってくるので「カラス」と呼ばれますが、この種の飛ばし方が凄かった。さやが乾燥して開く力を利用して、種が3メートル先まで飛ぶのです。「カタバミ」も厄介な野草で、根を広げてどんどん増えていきます。花の形は小さくて美しいのですが、ファームのありとあらゆる場所に広がっていきます。これも、さやから種を飛ばします。

 

寺子屋の時間で、ドクダミ茶を作ったことがありますが(おいしくなかった)、クサガメのおうちの周りは「ドクダミ」だらけです。ドクダミは根で増えていくのですが、その再生能力の凄さにはびっくりです。根を切ってそのままにしていると、それが再生するのです。凄い生命力です。

 

虫の力を使う植物もあります。「すみれ」の種は、甘い成分がにじみ出ていて、これを餌にしようと、アリが一生懸命巣に運びます。こうして、アリによって、様々な場所に種が移動して、そこで新たなすみれの生命が生まれるのです。

 

アスファルトを突き抜けて成長する「イタドリ」の怪力にもびっくりします。これは、数本の根が協力し合って、アスファルトをゆっくりと持ち上げます。その中で、うまく、アスファルトの目を通った1本が飛び抜けることができたのです。

 

一日花で知られる、「ナガミヒナゲシ」は、初夏に道の端に群生しています。オレンジ色の美しい花を咲かせますが、一日で花は終わります。そこから種になるのですが、1本の花での種の数が半端ありません。番組では、その種の数を数えます。何と3086個でした。これだけの種が、風に乗ってあらゆる場所に運ばれるのです。

 

どうですか・・・ど根性植物とて、他の植物と決して同じ生き方ではなくて、自分の生き方を貫いているのです。人間と変わりませんね。

2023年

11月

26日

若者の「回復力(レジリエンス)」

伝説の映画俳優「ブルース・リー」が構想していた、映画「死亡遊戯」の冒頭シーンは、強風が吹く広大な雪原の中に、厚い雪で覆われた巨木が立っています。突然、バキッという音がし、大きな枝が地面に落ちます。視線を変えると、別の場所には、柳の木が風にしなりながら立っています。

 

ブルース・リーは、「環境に適応しているがゆえに、柳は生き残る」と語ります。武道や人生における適応力や柔軟性が大切と、このシーンで訴えたかったようです。

 

レジリエンスという言葉が、よく使われるようになりましたが、つらい経験をして、一度は人生に絶望したにもかかわらず、やがて一歩一歩、前へ歩みを進めること。人間が生来持つ、逆境における回復力という意味です。

 

ブルース・リーは、大きく、太く、強くなくてもいい。小さく、細く、弱いままでも、しなやかであれば、襲いかかる逆境にも何とか耐えられる。というメッセージを「死亡遊戯」の冒頭シーンに込めたのかもしれません。

 

先日、神奈川県鎌倉市立腰越中学校で、自殺予防活動をしている高橋聡美さんが、3年生を前にして「SOSの出し方」の授業を行いました。

 

「アンパンマンって、実は弱いんですよ。顔が汚れると力が出ないし、一人では戦えないでしょ。でも、アンパンマンには強みがあります。自分の限界を自覚し、周りに助けを求めることができる」と言います。そして、「誰にでもレジリエンスはあり、たくさんある方が困難を乗り越えやすい。そして、あなたも誰かのレジリエンスになれるんです」と力強く訴えます。

 

私たち大人は、大きな挫折というレベルでなく、仕事の失敗でも、自分一人で抱え込んで解決しようとすると、たいがい状況がさらに悪くなることを経験しています。しかし、若者は、人に頼ることがカッコ悪いと考えます。昨年の小中学生の自殺者は過去最多になってしまいました。

 

過激なナチス収容所体験を記録した著書「夜と霧」で知られるオーストリアの精神科医、ビクトール・フランクル博士がいつも話していた言葉があります。「あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない。あなたを待っている誰かや何かがある限り、あなたは生き延びることができるし、自己実現できる」

 

大人の私たちは、若者のレジリエンスを期待し、力にならなければなりません。

2023年

11月

25日

小学生から学びました

本日登園した小学校4年の男の子が、先日小学校で行われた持久走大会で、学年代表の挨拶をしたそうです。優勝インタビューではありません。「僕は、走ることが得意ではありません。でも、最後まで頑張って走ることだけずっと考えて走り続けました」そう、彼の順位は、後ろから数えた方が早いくらい持久走が苦手です。でも、そんな彼が、みんなの前で話をすることで、「俺だって、一番にはなれないけど、頑張ることならできる!」と多くの児童が思ったに違いありません。

 

このスピーチは、ママのスマホで見せてもらったのですが、それは、堂々としたものでした。本人は、「言おうとしていたことが、全部言えなかったよ(笑)」と話していましたが、大人の私たちだって、スピーチをしたら、予定していた内容の7割話せれば十分ですね。小4の男の子は、学年全員の前で話す経験をしたことで、ますます自信がついたことでしょう。このエピソードを園児たちの前でも話してもらいました。

 

そして、小学校3年の女の子も、今日は大活躍です。最近、保育園の寺子屋園児を中心に、なわとびがブームになっています。そんな園児の前で、二重とびの10回連続の技を見せてもらいます。園児たちの口は「あんぐり」状態で、「凄い!」の言葉も出てきません。このレベルを見せられたので、「もっと練習して頑張る!」と言う気持ちになったのです。

 

小3の女の子は、新体操をやっているので、体も柔らかいのですが、「リンボーダンス教室」も始まりました。まずは、彼女がお手本を見せます。初めてリンボーダンスにチャレンジする園児たちは、楽しく、体を後ろに曲げていました。

 

小3女の子の仕上げは「折り紙教室」です。園児には難しいのですが、「鶴」の折り方を丁寧に教えてくれました。身近な先輩に教えてもらうことは、園児たちにとっては、乾いたスポンジが水を吸収するかの如く、のめり込んで、集中して、いつもの力の何倍の力を発揮するようです。一生懸命作った、折り紙の作品を園児たちは、大切におうちにもって帰りました。今度は、ママに話をするのでしょう。

 

土曜日の保育園は、小学生までタテの関係が広がるので、今日のような、素敵な学びあいになることが多いのです。そして、卒園児の小学校での活躍を聞くだけで、園長はうれしくてたまらないのです。(涙)

2023年

11月

24日

翔んで埼玉 続編

クリスマス発表会の劇の練習です。何人かの子どもたちは、自分のセリフを覚えてきました。こうなると、次のステップは、「演技」がどれだけ上手にできるかがポイントです。そして、声の大きさもまだまだですので、来週からの練習で、さらに完成度を上げていきます。

 

さて、「翔んで埼玉」の続編をみにいってきました。公開日当日に映画館に足を運ぶなんて、まったくもってミーハーですが、純粋に、この作品で笑い転げたい・・・という思いです。一人であーだこーだ言うのも変なので、隣には上さんが聞き役で座ります。

 

琵琶湖より愛をこめて・・・という副題は何だ?と思っていたのですが、埼玉や関東エリアを飛び越えて、関西エリアを巻き込んだ、一大エンターテインメントに仕上がっていたのです。

 

私は、関東の人間ですが、神戸に本社がある会社に勤務していたので、関西出身の仲間が多くいます。マクドナルドのことを東京では「マック」と呼びますが、関西では「マクド」と言います。私も、マクドの方が呼びやすいですね。ちなみに、ミスタードーナツは「ミスド」です。(笑)

 

関東では、電車の扉に「ドアに挟まれないようにご注意」とあるのに、関西では「指をつめないように」とか「指づめ注意!」とあります。こうやって例をあげると、きりがないくらい、関西の笑いは山ほどあるのです。「翔んで埼玉」の続編は、埼玉よりも大阪・京都・神戸そして、滋賀県・和歌山県・奈良県がメインのストーリーになっています。

 

阪神甲子園球場が、牢獄として描かれています。現在の甲子園球場のバックスクリーンは、電光掲示板になっていますが、かつては、パネルボードを人がはめ込んでいました。映画では、掛布・岡田・真弓といった、38年前の阪神タイガース日本一のメンバーのパネルがチラリと登場します。「粉文化」大阪を揶揄する演出も笑えます。

 

滋賀県の道路に出没する、飛び出し坊や「とび太くん」を使うところなど絶妙ですね。そんな感じで、私にとっては、数えきれないほどの「笑い」のツボが刺激されたのです。登場する役者たちも、埼玉県にゆかりのある俳優だけでなく、大物俳優ばかりです。私は、しっかり笑ってすっきりした次第です。娯楽映画としては、本当によくできています。「くだらない!」と言う人は、どうぞ勝手にけなしなさいという感じですね。(笑)

 

私が見た、家から近い映画館は、満席でした。秩父に唯一ある映画館では、開館前から行列ができたそうです。埼玉県内は、前作同様大盛り上がりでスタートしましたが、関西での大ヒットも間違いないですね。

 

そして、第3作目もあると、私は踏んでいます。今度の舞台は、世界に目を向けた作品になると勝手に思っています。「世界埼玉化計画」の集大成です。どこかの国や都市で、埼玉県と似たような扱いをされている場所にスポットが当たるはずです。

 

ともあれ、「翔んで埼玉」続編で、大いに笑ってください。(笑)

2023年

11月

23日

宝塚歌劇団

現在東京日比谷にある東京宝塚劇場は、2000年に新しくなったのですが、その前の劇場に、新入社員だった私は、仕事としてカスタードプリンを届けたことがありました。月組の楽屋まで潜入したのです。裏口から入館が認められ、廊下を歩くと、次々と華やかな衣装に彩られた役者さんたちとすれ違います。私は、まるで別世界に来たようで、一瞬で舞い上がってしまいました。男役は、男性の私から見ても「超カッコよかった」ですね。

 

ご存じのように、宝塚歌劇団は、日本最大の女性だけの劇団です。この劇団に入るには、毎年定員40~50名の狭き門「宝塚音楽学校」に合格しないといけません。そして、歌劇団に入団できても、そこで活躍できる人材は限られています。しかし、そこを目指した劇団員たちは、様々な思いを抱えながら前に進んでいます。

 

「先輩や先生には『イエス』しか言ってはいけないような厳しい世界。ある程度のパワハラはこれまでも絶対にあったけど、必ず後からフォローしてもらえた」と、元劇団人は語ります。宝塚音楽学校に入学した時点で、ある意味覚悟ができている人達ですから、パワハラの実態を決して口にすることなどありません。

 

今回の調査報告で「ハラスメントは確認できなかった」とする内容に、遺族だけでなく、多くの宝塚ファンも怒りを覚えたのです。

 

私が小学校のPTA会長をしていた時に、当時小学校5年の私の息子のクラスで「いじめ」がありました。教科書に落書きをされたり、上履きに細工をされたのです。私は息子に「いったい誰がいじめをしているんだ」と聞いたのですが、同じクラスの息子も、いじめた児童が誰なのかわかりませんでした。すぐに、当時の校長が保護者が集まる席で、「うちの小学校には、残念ながら『いじめ』があります」といじめがあることを伝えました。学校として、いじめをなくしていくよう取り組むので、保護者の皆様にもご協力を願いたいと語ると、翌日から、息子のクラスのいじめがなくなったのです。

 

宝塚幹部も「パワハラがあった」と認めて、今後の対応を話すべきでした。宝塚歌劇団に限らず、日本には、同じように特殊な従属関係で成り立っている組織やチームが山ほどあります。昔の部活動なんて、その最たるものです。私が中1の頃の野球部は、廊下で先輩とすれ違うと、「チワッス!」と頭を下げて挨拶することが、慣習となっていたので、うるさいったらありゃしません。

 

じゃーどーするんだ?と言われるかもしれませんが、純粋に「努力」や「希望」で「夢」を手に入れられるような、そんな組織やチームになっているか・・・今回の宝塚の問題は、宝塚だけの問題ではないと思うことが大切だと思っています。

 

最後に「宝塚歌劇団 ブスの25か条」を紹介します。

  1.   笑顔がない .お礼を言わない .おいしいと言わない .精気がない 

  5.自信がない .グチをこぼす .希望や信念がない .いつも周囲が悪いと思っている .自分がブスであることを知らない 10.声が小さくいじけている
11.
何でもないことにキズつく 12.他人にシットする 13.目が輝いていない
14.
いつも口がへの字の形をしている 15.責任転嫁がうまい 16.他人をうらむ
17.
悲観的に物事を考える 18.問題意識を持っていない 19.他人につくさない
20.
他人を信じない 21.人生においても仕事においても意欲がない
22.
謙虚さがなくゴウマンである 23.人のアドバイスや忠告を受け入れない
24.
自分が最も正しいと信じている 25.存在自体が周囲を暗くする

ブスという言い方は、宝塚風の比喩ですので、そこを突っ込まないでくださいね。でも、これは、私たちの行動にも当てはめることができます。私は、25のうち半分以上できていません。(笑)

2023年

11月

22日

学校図書館に新聞を配備

今日は屋上で、年長年中園児が中心となって「ドッジボール」を楽しみました。楽しむといっても、園長の熱血指導がセットです。楽しむからには、ルールを覚えて、コツをつかまないといけません。ただ、やみくもにボールを投げるのではなく、内野と外野の連携でパス回しを覚えたり、逃げ回るのではなく、ボールを取りに行く勇気を指導します。上手になってきました。

 

さて、公立校の図書館に新聞が置かれているのはご存じですか。政府は、小学校2紙・中学校3紙・高校5紙の配備を目標にしていますが、新聞を置いていない学校も多くあるようです。ネックとなるのが、各学校ごとに新聞販売店と契約をし、支払いをしなければなりません。

 

この状況を一気に解決すべく、東京都葛飾区の教育委員会は、今年度50小学校と24中学校の希望を取りまとめ、各新聞社と一括契約をしました。これにより、学校側の負担を増やさず、小学校は2紙以上、中学校で3紙以上の購読を実現したそうです。

 

今年4月に実施された全国学力テストでは、新聞を「ほぼ毎日読む」と答えた小学生の算数の平均正答率は74%・国語は76%で、「ほとんど、または全く読まない」とした児童よりも10ポイント以上高かったそうです。中学校でも同様の傾向です。この「葛飾方式」は、栃木県佐野市など全国に広がっているようです。

 

葛飾区長の青木氏は、「教員や学校司書に新聞を学習に活用する意識が芽生え、実際に授業で取り組みが始まったことは大きい。新聞はめくるだけで関心がなかった記事にも目が留まりやすい。スマホで好きなものを見ているだけでは、不確実な情報に流され、視野が狭くなる懸念もある。日々あふれる情報を取捨選択し、自分なりに分析する力は欠かせない。その土台を作るためにも、新聞は有効だ」と言います。

 

まさに、その通りですね。実際に葛飾区の小学校では、3年生以上で月1回は新聞を使って読解力を高める活動を図書館で行っているそうです。「新聞記事はどこかで聞いた話題が多く、子どもの抵抗感も少ない。楽しく読解力を育むことができる」と、ある担任は語ります。

 

読売も朝日も毎日も「子ども新聞」を発行していますが、本当にわかりやすくて、大人が読んでも十分な内容です。子どもが関心を持つ内容がどっさりです。

 

私もサラリーマン時代は、通勤電車の中で「日本経済新聞」を縦に折って、隣人の迷惑にならないように読んでいました。今は、朝コーヒーを飲みながら、ゆっくりと新聞に目を通しています。

 

そうです。新聞には、決してフェイクニュースはありません。(笑)

2023年

11月

21日

幻の甲子園

年中の男の子が、午後のおやつが終わって「サンタクロースってどこから来るのかな?」とつぶやきました。今日の寺子屋で、まずみんなに聞いてみます。すると、「地球以外の他の星から来たんじゃないの?」と6歳女の子が言います。「それじゃ、サンタクロースは宇宙人なの?」「それはないなぁ~宇宙からトナカイが飛んでくるの?」「やっぱり、日本じゃない他の国から来たんじゃない」・・・と子どもたちの会話が盛り上がります。

 

「たぶん、雪がたくさん降る寒いところじゃないの?」・・・と場所が絞り込まれました。そして、地球儀を見ながら「フィンランド」の場所を確認します。サンタさんにお願いするプレゼントをそれぞれ聞きます。おもちゃいろいろですが、クリスマスが近づいてきましたね。「12月23日のクリスマス発表会で頑張ったら、きっとプレゼントが届くよ」と大人の決めゼリフで、今日の寺子屋をまとめます。(笑)

 

さて、3年前の夏、コロナの影響で夏の甲子園大会が中止になったことを覚えていますか。この大会に出場するはずだった高校球児の無念は、言葉にはできません。「甲子園のために生きてきた」という球児も多かったはずです。中には「もう夢や目標に向かって努力しようという気が起きない。なぜなら、どんなに努力をしたって、一瞬で夢が消えると知ってしまったから」という「絶望」を生んだのです。

 

しかし、その絶望を乗り越え、人生を前に進めるための挑戦が今年立ち上がったのです。その名も「あの夏を取り戻せプロジェクト」です。発起人は、現在大学3年生で、3年前に涙をのんだ元高校球児「大武優斗」さんです。

 

大武さんは、中止の現実を受け入れるために、毎日触っていたバットとグラブをしまい込み、目に触れないようにしたそうです。しかし、高校を卒業し大学生活が始まっても、当時の仲間と会えば必ず「俺たちだけなぜ!?」とうなだれるのです。この時、「まだ人生は長く続くというのに、このままじゃ前に進めないと思った。不完全燃焼に終わった『あの夏』に終止符を打つために、甲子園の地での試合の開催を実現しようと、高校同期に呼びかけることから始めました」と、夜行バスや鉄道の格安切符を駆使して、全国の49チーム、約千人に声をかけます。

 

「自分たちが立ち上がる姿を見せることで、すべての同世代に勇気を届けよう。あの夏を取り戻すだけじゃない。超えてみせよう」と訴え続けた大武さんの情熱が伝播し、参加を表明する元球児が日に日に増えていきます。思いを同じにする仲間たちと実行委員会を発足。肝心の舞台となる阪神甲子園球場に交渉した結果、オフシーズンの1日だけ使用許可が下りたのです。

 

そして「『あの夏を取り戻せ』全国元高校球児野球大会」の開催が決まったのです。しかし、これには6450万円の費用が必要でした。大武さんは、今年5月に記者会見を開き、寄付を募るクラウドファンディングの実施を発表します。大武さんの情熱は、甲子園出場の経験のあるプロ野球のレジェンドたちの心を次々と動かします。元ヤクルトの古田・荒木、元阪神の矢野が公式アンバサダーとなり、企業からも多くの協賛金が集まりました。

 

そして、大会は11月29日から12月1日までの3日間、阪神甲子園球場とその他の兵庫県内球場で行われます。入場料はできるだけ多くの人に見てもらいたいと無料です。

 

大武さんはこう言います。「僕が得たものは仲間です。3年前に同じ悔しさに耐えた全国の仲間と出会えたこと。この仲間と一緒に、これからも前に進んでいこうと思えました」

 

どうですか・・・何というエネルギーでしょうか。こんな若者がいるなんて、感動しかありませんね。大きな挫折で心が折れそうになった時に、もう一度夢に向かう気力は、とても真似できる事ではありませんが、この話を聞いた私たち大人も「がんばろう!」という気持ちにさせる、すばらしい行動力ですね。

2023年

11月

20日

日本はいい国!? 夢と現実

本日は、北風の強風の中で、向かい風に立ち向かいながら、30メートル自転車をこぎ続けた年少男子が、ついに自転車に乗れるようになりました。これで、寺子屋園児26名の中で、自転車に乗れない園児は、たった一人だけとなりました。じっくりと、焦らないで、寺子屋園児が全員自転車に乗れるように、見守っていきます。

 

さて、2011年東日本大震災があった直後に、私は、保育園を立ち上げるべく、準備をスタートさせました。4月は、家族サービスでベトナムに旅行に出かけます。子どもたち3人がまだ小さかった頃は、よくキャンプなどに出かけていましたが、すでに高校2年・中学3年・小学6年になっていたので、なかなか家族全員で旅行に出る機会がありませんでした。そんな中、娘たちのリクエストで「ベトナム」行きとなったのです。

 

最大都市「ホーチミン市」を拠点にした旅でしたが、街中を走るバイクの大群に、「どうやって道路を横断するの?」とびっくりします。横断するには、勝手に歩いていけば、バイクが人を避けるので、勇気が問われます。(笑)

 

バイクを見ると、そのほとんどが、ホンダやヤマハの日本製のバイクです。タクシードライバーが、「いつか日本で働きたい」と言い、「日本人はみな優しい」と微笑みます。ベトナム人は、「親日」派であることが、多くの日本人が持っている印象だと思います。この時は、2011年です。その通りだったかもしれません。しかし、10年以上経った今でもそうでしょうか。最近は「日本に来る前はいい国だと思っていたのに」という失望の声が多く聞かれるそうです。

 

「クリーニング会社で働いたが、日本人社員からいじめに遭い、顔を拳で殴られる暴力を受けた。受け入れ先企業を監視する管理団体に相談したものの、「はいはい。分かりました」と軽くあしらわれたと、あるベトナム人女性が話します。

 

「技能実習生」の話は、よく聞きますね。母国の送り出しに、機関に支払う金を捻出するために、実家を担保にしたり借金をします。しかし、日本で実際に働くと、月収は10万ほどで、ベトナムの家族への仕送りや借金を差し引くと、手元に残る金額は2万ほどになってしまいます。ろくな食事などできないで、かつ1日12時間も働かせていると言います。

 

日本にいる外国人技能実習生は35万人と言われています。このうち52%がベトナム人だそうで、劣悪な労働環境に耐えかねて行方をくらます人も多く、1年間の失踪者は、実習生全体で約9000人だそうです。憧れの国「日本」から、数々の悪質な「仕打ち」を受けたことになります。

 

技能実習生の過酷な労働実態は、海外でも知られるようになり、国際経営開発研究所(スイス)による世界競争力ランキングでは、かつて1位だった日本は、今年は35位に後退したそうです。

 

保育園に近いコンビニエンスストアでは、ベトナム人・インド人のアルバイトが働いています。接客も問題なく日本語も普通に話していますので、客としても、何ら問題はありません。

 

少子高齢化、人口減が進む日本で、「働き手」の外国人の割合は、どんどん高くなっていくことは間違いないです。日本が、「いい国」であり続けるために、外国人労働者に対して、変わらなけばならないことが多いですね。

2023年

11月

19日

分類学

長期欠席を強いられるなど、病気療養中の児童・生徒の人数が、過去5年間で1.15倍に増えたそうです。特に、中学生に限ると1.56倍の伸びです。今回、文科省が令和4年度の状況を公表したのですが、前回は平成29年にこの調査を行っているので、平成29年度と令和4年度の比較です。

 

心身症や精神疾患を患う中学生が増えたのが大きな要因のようです。疾患を患うのは、様々な原因が考えられますが、コロナ禍がその大きな理由であることは間違いありませんね。子どもたちにとっても、私たち大人にとっても、コロナ禍での環境の変化が、日常生活に大きな影響を及ぼしました。人類の強みは、生存競争に負けない最強の肉体を持つことではなく、様々な知恵で、環境の変化に対応できることです。今後もコロナのような予測不能の事態が発生しても、人類はそれを乗り越えていくのでしょう。

 

人ごとのような言い方になってしまいましたが、今日は、そんな人類の「分類学」の話です。

 

「分類学」とは、簡単に言えば、「分ける」ことを通して、生物界を整理し、科学を発展させてきたのです。「分ける」ことで「分かる」ようにしたのです。分類学の父と言われた人が、「カール・フォン・リンネ」です。ちなみに、人間は分類学上では、「動物界 脊索動物門 哺乳網 サル目 ヒト科 ヒト属 ヒト種」となるようです。なんだか、長いですね。生き物を分類する作業は、なかなか複雑で大変そうです。そして、分類学の目的は、「分ける」ことで、生物の多様性を理解することです。

 

はい。ここ数年、ずっと言われている「多様性」とう言葉が出てきましたね。

 

一方、私たち人間社会では、「分ける」ことを通して、「単純化」や「画一化」を図り、心理的安定を保ってきました。しかし、そこには人間の弱さがあります。自分と他者を明確に分けることで、自らの優位性を示そうとしてしまいます。人種や国籍、宗教、性別などで単純に分け、時には差別をすることで精神的な安定を維持する。自分と同じ仲間で徒党を組み、他を排斥する動きを強めていく。こうして、少数派は社会的弱者となっていく。こんな歴史を繰り返してきました。「多様性」に目が向くことなどなかったのです。

 

「多様性」という言葉をよく私たちが使うようになりましたが、どこまで「多様性」を理解しているのか・・・私も、自信がありません。「自分とそれ以外」からスタートするのでしょうが、まだまだ、自分と異なる者を異質と捉え、排除しようとする考え方が強いですね。それが同調圧力となり、生きにくさを生んでいるのが、1.6倍に増えた中学生の精神疾患等にもつながっているのかもしれません。

 

私は「分類学」の専門家ではありませんが、あらためて「分けて分かる」という考えを持ちたいですね。「みな考え方も違うし、好きなことも嫌いなことも違う。でも、それを理解したうえで、自分との共通点を見いだして分かち合う、共感する」ですね。

2023年

11月

18日

38年前と今年

今日は風もなくあったかな屋上です。日向ぼっこをしていた2歳男の子が、ウトウトし始めました。そして、寺子屋女子たちは、ファームに食べられないで転がっているスイカやパプリカを拾って、せっせと料理を始めます。年長女子は「私はねぇ~おうちでよく料理してるから・・・」なんて言って、どや顔でフライパンを振っています。全員上着を脱いで遊んでいました。

 

さて、表題のタイトル「38年前と今年」で、ピーンと来た人は、間違いなくタイガースファンですね。そう、1985年阪神タイガースが初めて日本一に輝いた瞬間、私は、西武球場で悔しい気持ちでその歓喜を見守っていました。学生だった私は、西武球場で「ホットコーヒーにハンバーガーいかがですか?」と、球場の「売り子」をやっていました。あの清原和博選手が西武ライオンズに入団したのは、この翌年です。

 

埼玉県人の私は、西武ライオンズの優勝を信じていましたが、当時のタイガースは、不動の4番掛布が40本・最強助っ人バースは54本・現在の監督の岡田が35本・1番バッターの真弓も34本の本塁打で、まさに、ド派手に打ちまくっていました。ジャイアンツの槇原投手から、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発は、今でもたまに映像に出てきますね。

 

そして、阪神ファンも異常でした。(ファンの方・・・すみません)あの、「道頓堀ダイブ」は、日本一が決まった夜に、道頓堀川に飛び込むファンが次々と現れ、「トラファン大暴れ」の見出しが、翌日の朝刊の見出しとなりました。ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダース像が道頓堀川に投げ込まれ、タクシーが群衆にひっくり返され、多くの警官が殴られたようです。当時はこんなことが、許されたおおらかな時代でした。

 

そして、今年の阪神日本一では、チーム最多本塁打は佐藤選手の24本で、3割打者は一人もいません。1985年と比較すると、よくこれで優勝できたなぁ~という数字です。でも、岡田監督が目指した守りの野球で日本一となったのです。岡田監督は、選手としても監督としても日本一になったのです。

 

今年の道頓堀川は、大阪府警が1300人で警戒したこともあって、ダイブしたのはたった37人で(普通なら多い数ですが)、逮捕者も負傷者もなかったそうです。

 

これも時代の流れかもしれませんね。今月23日には、大阪市と神戸市で阪神タイガースの優勝パレードが行われるそうです。日本一となった岡田監督と選手たちを前に、パレード観戦という紳士的で常識的な阪神ファンが見られるのかもしれませんね。

 

38年という月日は、日本のプロ野球をも大きく変えました。まさか、大谷選手のような存在が現れるとは・・・2度目の満票MVP、もう賞賛の言葉が見つかりませんね。

2023年

11月

17日

PTAいる?いらない?

毎日、クリスマス発表会のダンスの練習を「朝の会のダンス時間」に行っています。寺子屋園児の「勇気100%」は、今ステージに上がっても大丈夫なくらい完成度が上がっています。園児全員の「やってみよう」も、チビちゃんの気まぐれを除けば、いつでもスタンバイOKと言った感じです。ダンスが大好きな子どもたちが、楽しんで踊っています。

 

さて、今日はPTAの話です。私もかつては、我が子が通っていた小学校のPTA会長をしていましたので、このブログでもPTAの話をよくします。私がかかわっていたのは、15年前ですので、時代の流れとともに、PTAへの逆風も大きくなってきたようです。

 

そもそも日本にPTAが発足したのは戦後、民主的な教育を普及させようとしたのがきっかけで、子どものために家庭と学校が協力しようと各学校ごとに作られた団体です。先生も原則PTA会員です。

 

「仕事や育児で忙しいので、PTAどころじゃない」「任意と言いながら、無理に委員をさせられるのが嫌だ」「できる人が、できる時間に、できる事をするのがPTAなのに、ポイント制などそうではない実態がある」といった反対意見があがります。

 

また、東京都PTA協議会は、日本PTA協議会からこの3月脱退しました。例えば、私が住むさいたま市西区なら、各学校のPTA→西区PTA連合会→さいたま市PTA協議会→日本PTA協議会と、組織がだんだん大きくなり、各家庭から徴収したPTA会費が、それぞれ分配されて上納される仕組みです。日本PTA協議会は、全国の小中学校から集まった予算を使って、様々な活動を行っているのです。東京都は、「本当にやるべきは、学校単位のPTAを支援することだ」として、脱退したのです。

 

次は、PTAは必要という視点から話します。PTAには、保護者の声を学校や行政に伝え、困りごとを地域で解決するという役割があります。埼玉県で10月、子どもだけの留守番を「虐待」とする条例案が出た時には、PTAとして約2万9000人の署名を集め、自民党県議団長に手渡し、法案を取り下げることにつながったのです。保護者を代表するPTAという組織だからできたことです。

 

また、近年では、学校現場が、人手不足と多忙が深刻化しています。先生たちだけでは、子どもたちの学校行事を100%対応できないため、PTAが学校をサポートすることが、子どもたちのためにもなるという考えです。

 

そして、PTA会長をしていた私が一番大きく感じたことは、PTAは保護者同士が結びつき、学び合う場として必要な組織であり、PTAで培われたつながりが、地域の結びつきの基礎になるという考えです。サラリーマンとして働いていた私は、地域とのつながりはほとんどありませんでした。しかし、校長先生、教頭先生はじめ多くの教員とつながりができ、保護者の中には、驚くような「スーパー保護者」がいて、「子どもたちのために」という活動に向けて、大きな影響を受けました。また、保護者の中には、その道の専門家が多くいます。子どもへもキャリア教育や金融教育など、PTA主催の講演会など有意義な活動が多く行われています。

 

「子どもたちのために、先生たちと協力して学校をよくするために、ひと肌脱ごうじゃないか!」という考えには、異論はないはずです。よって、私の結論は簡単です。「PTAは必要です。ただし、その在り方は、時代の流れや個々の学校の状況に合わせて様々な形があっていい」です。

 

奈良市のPTA連合会は「PTA活動はできる人が、できる時間に、できる事をする。すべての会員が平等に仕事をする団体ではない」という手引きを作り、入会も活動も任意だと呼びかけているそうです。

 

あなたのお子様が、小学生・中学生であるなら、その学校でのPTA活動はどうですか。一度、確認してください。

2023年

11月

16日

主体性を失わせない教育

今日は、久しぶりに屋上でドッジボールを楽しむ子どもたちです。年長・年中園児が中心ですが、果敢にボールを取りに行く園児もあれば、「逃げるが勝ち」の園児もいます。それぞれのやり方で楽しんでいます。そして、11月も半ばだというのに、スイカを食べました。季節外れのど根性スイカが、まだ3つ残っていたのですが、ずっと寒い日が続いていたので、食べる機会を失っていました。今日は、あったか陽気となったので、今シーズン最後のスイカを「甘くておいし~い」と言う子どもたち。あっという間になくなりました。

 

さて、今日は工藤勇一さんの話です。工藤さんは、2014年から校長を務めた千代田区立麹町中学校で、宿題や定期テストを廃止するなど教育改革を進めてきました。現在は、横浜創英中学・高校の校長を務めています。工藤さんが、ずっと大切にしてきたのは「子どもの自立」です。テストを廃止するだけではなく、子どもの「主体性」と「当事者意識」を育むことを実践してきたのです。

 

「親や周囲の大人たちが、子どもによかれと思って『ああしなさい。こうしなさい』と言えば言うほど当事者意識は失われていきます。例えば、子どもの公園デビュー。砂場にいる子にお母さんが声をかけるんです。『一緒に遊ばせてくれる?』と。すると、その遊んでいる子のお母さんが、『どうぞ』と言って、我が子に『スコップを貸してあげたら?』と言います。貸してもらったら、お母さんが『ありがとう』と言って、子どもに『ありがとう、は?』と促します。取り合いになったりすると『代わりばんこね』と介入します。保育園や幼稚園でも同じようなことが行われています」と工藤さんは言います。

 

続けて「大人が介入を続けていくと、思春期にはその介入がうっとうしくなる感情が出てきますが、主体性を失ってしまった子どもは、自分のために何かやってほしいと期待することからやっぱり逃げられない。そして、うまくいかないことが起こるたびに、人や環境のせいにするんですよ」と。

 

確かに、日本人は、対立をすごく嫌う国民です。何かあれば、必ず親や先生が来てくれるから、当事者意識が育ちません。主体性もないので、グループになりがちですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、「自分で考えて自分で答えを出す」ことを大切にしているので、例えば、屋上に行くとき「くつ下をはいた方がいいですか?」と聞かれると、「どうするかは自分で決めていいよ」と言います。できるだけ、自分で判断させるようにしていますが、「ケンカは成長のきっかけ」と言っておきながら、子ども同士の争いをすぐにやめさせることが多いですね。

 

工藤さんは、友だち同士もきょうだい喧嘩も同じで、親は一言いうだけでいいんです。「明日から楽しく暮らすか、憎み合って暮らすか、どちらにするか自分たちで考えなさい」と。

 

保育園の子どもたちを見ていると、「主体性」と「当事者意識」は、「凄いなぁ~」と思う時もあるし「まだまだだなぁ~」と思う時もありますが、子どもたちが、「自分で考えて自分で答えが出せる」アプローチの手段は、子ども一人一人に作戦を考えていかないといけません。

 

これからの日本は、人口が減り、基本的にはモノが売れない経済構造となります。AIがどこまで進むのかは想像すらできません。その中で生きていくには、今まで以上に自分で起業できるような人材が求められてきます。そう考えると、保育園のうちから、自分で選択し、決定するという習慣をつけていかないといけないですね。

 

親も先生も、「ギリギリまで我慢して見守る」ことができるか・・・ですね。

2023年

11月

15日

ごみスクール

今日は、「ごみスクール」を行いました。毎年、新たなイベントにチャレンジする保育園ホワイトきゃんばすですが、これも、初めての取り組みです。

 

さいたま市の西部清掃事務所の協力をいただき、屋上に「ゴミ収集車」がやってきました。それを見た子どもたちは、すでに目がギラギラと輝いています。一般的なゴミ収集車の重量は5000キロ(5トン)です。子どもたちには、5トンのイメージがわきません。そこで、「ゾウさん」と「シャチ」の絵を子どもたちに見せ、ゾウとシャチとほぼ同じ重さであることを教えてもらいます。「えっ~ゾウさんと同じか・・・重いんだね」という子どもたちの反応です。そして、1台で収集できるゴミの量は2000キロ(2トン)だそうです。まずは、実際にゴミ収集車を稼働させます。ドラム缶を入れるとぺしゃんこになりました。凄い力であることが、子どもたちに伝わったようです。

 

ごみスクールの狙いは、「リサイクル」です。紙芝居では、ゴミとして燃やしてしまうものと、リサイクルできるものの違いを学びます。身長190センチの熊役の職員の演技が絶妙にうまくて、子どもたちは、話に聞き入っていました。

 

手作りのリサイクルマシーンも登場します。そこに、ペットボトル11本を投入します。すると、ハンガーと作業着が出てきました。もちろん、アナログのマシーンですので、マシーンのうしろで、人が操作をしています。ペットボトル11本で、大人の作業着一着ができるそうです。次に、新聞紙を投入します。新聞紙からは、トイレットペーパーとぬり絵と紙製ファイルが出てきました。紙製ファイルとぬり絵が、子どもたちへのプレゼントです。

 

保育園からも、プレゼントを用意しました。寺子屋の時間で作ったのですが、大きなボードの上に、ペットボトルのキャップを並べて「ありがとう」と書きます。まわりを廃材トレーに色を塗って、デコレーションした「ありがとうボード」です。西部清掃事務所の職員は、「こんな素敵なプレゼントは初めてです」と大喜びです。

 

今回のごみスクールは、大成功です。子どもたちはとても興味を持ったようで、リサイクルという言葉も覚えました。身近にあるいろいろなものが、リサイクルされれば、あたらなものに生まれ変わるということが、理解できたようです。あとは、ママパパに伝えることで、家族全体でリサイクルの話が盛り上がってくれると嬉しいですね。

 

子どもたちに、いきなり「地球環境は今、取り返しのつかないところまできている」なんて、言ってもなかなかピンときませんが、今回のような「ごみスクール」を通じて、学びが深まるのです。良い「きっかけ」になった、今日のごみスクールでした。

2023年

11月

14日

観光資源を地域と発掘

「勇気100%」は、教室中に響き渡るくらいの大きな声で子どもたちは歌っています。おなじみのアニメのテーマソングでもあり、おうちでも、ママがスマホで演奏して練習をしているからです。子どもたちは、クリスマス発表会に向けて、おうちでの自主練習が始まっているようです。そして、今日の寺子屋は、久々に畑仕事です。「エンドウ豆」の種をまきました。エンドウ豆の種は、まさに、ジャックと豆の木をイメージする大きな種です。子どもたちは、空高く大きくなるように願います。冬を越して、4月から5月に収穫となります。

 

さて、今日は、国立大学で唯一和歌山大学にある「観光学部」の話です。観光学部は経営や都市工学などの側面から観光をとらえ、3年生からは観光経営、地域再生、観光文化の3コースで専門的に学ぶのが特徴です。

 

ある活動例です。和歌山県湯浅町では、ふるさと納税の返礼品の人気がミカンに偏っており、新たな目玉商品を作る企画に、大学教授が指導する学生が参加します。現地訪問を重ね、町のマーケティング経験者から助言を受け、全国の人気返礼品の傾向などを調べるなどして、ハンバーグに決めます。ここから、地場産品を使うための試行錯誤が始まります。「甘さとしょっぱさのバランスが良い」と、酒の肴として人気の金山寺みそを採用したのです。ハンバーグにみそです。

 

よくある、地域おこしでは、名産品でジャムを作りました・・・みたいな、商品コンセプトもまったくない、思い付き商品が多いですね。和歌山大学の観光学部では、まさに企業が行うようなマーケティングを当たり前に行っているのです。

 

学生メンバーの一人は、「ひらめきだけでなく、家族連れにターゲットを絞るなど戦略が必要だと学んだ。通ううちに地元の人のように扱ってもらえるようになり、うれしい」と話します。

 

一般的に、大学では、授業で理論を学ぶことができます。これに、和歌山大学のように、社会に出ても通用するような実践につなげていけば、学生が理論と実践を往復し、主体的に学べる場になっていくのだと思います。学生時代なら、実践の中でたくさんの失敗もできますね。そして、失敗から多くを学ぶのです。

2023年

11月

13日

キノコの会話

朝の会で、クリスマス発表会でうたう歌の練習が始まりました。オープニングは「赤鼻のトナカイ」「ウィ・ウィッシュ・ユア・メリークリスマス」そして、合奏では「ガンバリマンのうた」そして、ダンスの「勇気100%」は、歌うたもうたいます。練習する歌が多いですが、子どもたちは、楽しく歌っているので、いつの間にか覚えてしまうのでしょう。

 

さて、森の中にひっそりと生えるキノコ同士は、実は「おしゃべり」をしているのかもしれない。今年3月に、東北大学准教授の深澤さんが、驚きの研究成果を発表して話題を集めています。

 

深澤さんは、東北大学が所有する森林で、キノコの一種「オオキツネタケ」に電極を取り付け、電気の流れを調べました。晴れの日は特段の変化は見られなかったものの、雨が降り出すと間もなく、キノコの内部から電気信号が出始めたのです。続いて、数センチ離れたキノコからも同じパターンの電気信号が確認できたそうです。分析の結果、この電気信号はそれぞれ独立に生じたのではなく、キノコから隣のキノコに伝わったらしいことが判明しました。

 

キノコは土の中に菌糸のネットワークを張り巡らせているので、電気信号は菌糸を通じて地下から送られたと考えられます。信号にどんな意味が含まれているかは不明ですが、静かな森では、電気による会話が活発に行われているのです。

 

深澤さんは、森林組合で仕事をしていた頃に、森の中でテント拍をします。夜になって、テントの外に出ると、暗闇の中でぼんやりとした光が点々と浮かび上がったそうです。その正体は、発行すキノコ「ツキヨタケ」で、自然の神秘に近づけるような仕事がしたいと、研究者の道に進むことを決意したそうです。私も、小笠原諸島のナイトツアーで光るキノコを見たことがありますが、まさに「神秘の世界」でした。

 

深澤さんは、生態系を調べる中で、焦点を当てているのが「枯れ木」です。命を終えた木が地面に倒れてから朽ちるまでに、まるでホテルの客室のように様々な生物がそこに住み着くそうです。菌の力によって、枯れ木に住み着く昆虫や枯れ木から生えるキノコや植物などの種類が大きく異なることが明らかになりました。「枯れ木を舞台に、生き物たちが営みを繰り広げ、森を豊かにしている」と熱く語ります。

 

深澤さんのフィールドノートが、またすばらしいのです。キノコや植物、昆虫などが精密に描かれています。それは、あの植物学者の「牧野富太郎」さんのような、クオリティの高いスケッチなのです。「写真を撮るだけでは、頭に残りにくい。スケッチのためにじっくりと観察することで、生き物の細部まで覚えることができるんです」と言います。

 

どうですか・・・キノコの会話に興味を持っていただけましたか。どんな会話をしているのか、少し想像してみませんか。

2023年

11月

12日

シニアが若者の希望に

寒い朝ですね。暑すぎる夏の次は、寒すぎる冬になるのはメリハリがついた気候なのかもしれませんが、勘弁願いたいですね。

 

さて、今日は生物学者の小林武彦さんの話です。生物の寿命について語ります。「哺乳類の心臓は、総心拍数が20億回ぐらいに達すると終わりになるという仮説があります。60年以上生きるゾウも、2年しか生きないネズミも、トータルで約20億回は同じ。だから、ゾウの心臓はゆっくり2秒に1回ぐらい拍動するのに対し、ネズミの心臓は『トトトトトッ」と1秒間に10回ぐらいものすごい速さで打つ。そして、人間の総心拍数が20億回に達するのは、大体50歳前後です。がんで亡くなる人が55歳あたりから増えることや、女性の閉経年齢が50歳前後であることを踏まえ、私は生物学的なヒトの寿命は55歳ぐらいではないかとみています」

 

えっ!日本人の平均寿命は80歳を超えているし、私はとっくに生物学的には死んでいるという数字です。実際の人間は、100歳を超えて生きる人も多いです。これは、進化の過程で老いたヒトがいる集団の方が生存に有利に働き、選択されて長生きできるようになったためと考えられています。

 

赤ちゃんは誰かが世話してくれる人がいなければ生きていけないですね。大昔、親が狩猟や稲作で忙しい時に、面倒を見て、生きる上で必要なことを教えてくれる人、そう、おばあちゃんやおじいちゃんがいる集団の方が有利だったのです。

 

そうです。人間には、シニアの存在が必要なのです。若い時は、もっと出世したいなど利己的でいい。そのエネルギーがイノベーション(革新)や生産性につながります。でも、そうした人ばかりだと衝突や格差が起きて社会がまとまりませんね。そこで、利害調整ができるシニアの存在が必要なのです。でも、今の日本のシニアは、その役割を十分に果たしていないような気がします。

 

少子高齢化の時代では、老兵は早く引退して若者に席を譲ると言っても、若者が少ないので、椅子があっても座る人がいないのです。誰かが座らないと、地域や社会が崩れます。だから、定年制などによる年齢による縛りはやめて、働きたい人にはもっと活躍してもらった方がいい時代になってきたのです。

 

こうして、シニアがハッピーに生きていれば下の世代はそれを見て安心し、思う存分やりたいこともやれて、将来に向けて頑張れる。若者の幸福感が増せば、回り回って少子化対策になることも期待できますね。少子化対策は、実は上から攻めないといけないのかもしれませんね。

 

どうですか・・・私もシニアへ向けての階段を登っている途中ですが、ハッピーに生きることが自分のためだけでなく、世の中のためになると考えると、まだまだ、夢と希望を持って頑張るぞ!となるものです。(笑)

2023年

11月

11日

年賀状は重荷ですか

いよいよ冬の気温になってきました。つい先週は、夏日にもなっていたので、夏から秋を飛び越えて冬に突入ですね。今日は、北風が強かったので、屋上に着いた子どもたちの中には、寒さに負けて、エレーベーターホールで輪投げやボール遊びをする園児が半分です。急に寒くなると大人でもしんどいです。(笑)

 

さて、年賀状が、すでに発売されていることをご存じですか。毎年、11月1日が年賀状の販売開始日ですが、年々、報道されることが少なくなっているような気がしますね。

 

年賀状の習慣は平安時代に遡るといわれています。明治時代に庶民にも定着し、現在の「お年玉付き年賀はがき」は、1949年(昭和24年)に登場します。2003年度の発行枚数が44億5936万枚と過去最高だったそうです。それから、わずか20年の間に、今年度は14億4000万枚と、ピーク時の32%に落ち込んだのです。

 

高齢者の「終活」が注目され始めたのが2010年頃で、その一環として年賀状じまいにも関心が集まり、私のところにも毎年「本年をもって年賀状を控えさせていただきます」というお知らせ年賀状が増えてきました。しかし、年賀状じまいを宣言したものの、寂しくなったり、相手から返事が届いたりして、再開を伝える「復活年賀状」もあるようです。

 

コロナ禍を境にして、写真を配した年賀状の落ち込みが特に激しいといいます。旅行など家族のイベントの写真が撮れなかったために自然消滅的に年賀状をやめてしまったケースもあるようです。そして、最近は、「幸せそうな家族写真=自慢」とする「年賀状マウント」が話題になり、気になる人は出すのをためらうケースもあるとか。

 

こうした時代背景から、日本郵便は2021年度から、LINEでデジタル年賀状を送れる「スマートねんが」の販売を始めたようです。写真やイラストを貼り付けて年賀状のような画像を作成し、登録した「友だち」に送ります。相手の住所や本名を知らなくても出せるというわけです。

 

年始にあいさつする伝統は、SNSなどの形を変えても続いています。一方、手書きや手紙のやり取りが楽しいという人は、一定数残っているので、従来通りの年賀状は、右肩下がりですが、しばらくは残っていくのでしょう。

 

私も、年に一度だけ、年賀状で「元気でよかった!こちらも元気にしています」という確認をする人がたくさんいます。それも、お正月の大切な習慣になっているので、しばらくは、年賀状じまいはしません。(笑)

2023年

11月

10日

時代を映す独身像

昨日から年長園児は、ピアニカの練習を始めました。「ドレミファソラシド」を覚えた後は、簡単な「かえるのうた」の演奏にもチャレンジします。5歳女の子は、紙に自分で「ど・れ・み・ふぁ・み・れ・ど・・・」と書いて、声に出しておうちで練習をしたそうです。今朝、さっそく自分のピアニカで練習を始めました。完璧に「かえるのうた」が演奏できています。そして、他の年長園児にも教えていました。本当に、凄いと思いました。彼女は、ダンスの振り付けも1回で覚えてしまいます。

 

さて、今日は、時代の中で「独身者」が、どのようの位置づけであったか。に触れてみたいと思います。

 

明治13年(1880年)は、ざっと今から150年前です。ここでは、独身48歳の男性の記事が朝刊で紹介されています。父の死後一人の母親を世話しているうちに、女房も迎えずに親への孝行を尽くし表彰された。とあります。親孝行で独身を貫くことが美徳とされた時代です。

 

次は、ざっと100年前の大正15年(1926年)に「独身夫人の間借り」という記事があります。「職業婦人(今で言うOL)の中には、たった一人で部屋をかりて、誰の援助もうけず一人きりの生活を営んでいる人が何人もあり、そういう人の生活も、新時代の特産物として興味があると思います」とあります。大正時代は、ハイカラなイメージがありますが、独身かつ一人暮らしの女性に対しては、とても肯定的ですね。

 

ところが、昭和に入り、戦争が始まると、社会は独身者に強く結婚を求めるようになります。昭和15年(1940年)、富山の産業組合青年連盟では、独身者を除名するとし、「男性25歳以上・女性20歳以上の組合員は、今年中に結婚すべし、さもなくば、除名することもあるべし」としています。まさに、戦争に向かって、日本は「産めよ殖やせよ」のご時世だったことがわかります。

 

そして、日本が敗戦し、昭和20年から30年頭にかけては、日本女性は大変な結婚難にあったようです。戦争で若い男性が数多く命を落としたため、1950年(昭和25年)の年齢別人口を見ると、25~29歳・30~34歳では、それぞれ女性が約50万人も男性よりも多かったのです。この世代の多くの女性は、独身のまま年を重ねました。

 

結婚が当たり前という通念が薄れ始めたのが、1980年以降と言われています。30歳未婚の息子を案じる母親に「ひとりもまた楽し。息子さんが必要をお感じになれば、ご自分で何か方法をお立てになるでしょう」と人生相談のコラム記事です。

 

その後「シングル」という言葉が生まれ、「結婚という形式にこだわらない傾向は、いまや男にも女にも例があり、我が国だけでなく都市化の先進社会に共通した状況である」となっていきます。シングルが「○○億円市場」などと経済効果として見られる動きも出てきました。「シングル」の消費傾向で特徴的なのは「情報感度がどの世代よりも高いこと」という認識です。

 

昭和の終わり頃には、シングルがライフスタイルの一つとして認識され、平成・令和とつながっていくのです。今では、シングルを楽しみ、あえて結婚しないという人もいるのでしょうが、「結婚したくてもできない」人が増えているのが現実です。

 

これからの時代の「独身像」は、どうなっていくのか・・・間違いなく「高齢者のシングル」が増えることは間違いありません。

2023年

11月

09日

子どもの読書量を増やすには

昨日、自転車に乗れた年少の女子は、今日一日で、漕ぎだしのスタートからハンドル操作まで、あっという間にマスターしてしまいました。最後の勇気が足らなくて自転車に乗るのに、練習を開始してから半年もかかったのに、昨日乗れたことで、一気に自信がついたようです。子どもにとって、「○○できた!」の成功体験をできだけ多く導くことが、子どもたちの成長に大きくかかわることをあらためて実感しました。 

 

さて、子どもの読書時間と成績の関係はどうなっているかわかりますか。だいたい察しがつきますね。小学校・中学校ともに、成績上位層ほど読書時間が長かったというデータがあります。成績の良し悪しはともかく、読書習慣がつくことは、想像力や「自分で考えること」を磨くのに役に立ちますね。

 

東大とベネッセの共同調査によると、小学校入学前に、保護者から読み聞かせをしてもらっていた子どもは、その後も読書時間が長いことが分かったそうです。この調査は、2015年から毎年約2万組の親子を対象に、生活や教育に関する意識や実態の追跡調査です。

 

小学校入学前に「週4日以上読み聞かせをした」と答えた保護者の子どもの読書時間は、小1で1日平均18.6分です。学年が上がるに連れて増え、小6で25.6分となったそうです。一方で、保護者の読み聞かせが「週1日未満」だった子どもの読書時間は、小1で1日平均8.8分、小6でも15.9分にとどまっています。

 

読書時間は、スマホの利用時間が急増する中学生になると減少しますが、それでも「週4日以上」の読み聞かせを受けた子どもは、「週1日未満」の子どもに比べ、1.5~2倍の読書量を保っています。

 

保育園では、読み聞かせを毎日、子どもが寝る前のルーティンにしている保護者が多いです。仕事や家事で疲れているのに、本当によく頑張っていると思っています。そんな園児は、保育園でもよく絵本を広げています。

 

それから、図書館で本を借りる習慣がある家庭の子どもは、たいがい本好きです。もちろん、本屋さんに行くのもいいですが、子どもは飽きっぽいので、せっかく買ってもすぐに読まなくなるので、図書館の活用が有効的です。「本を選ぶ」という行為も、子どもが本好きになるきっかけになります。

 

スマホの時代だからこそ、活字の本を読んで、想像力をふくらませる習慣がつくと嬉しいですね。あなたの子どもは、本をよく読んでいますか。そうだ…親がよく本を読むというのも、本好きの子どもが育つ秘訣です。(笑)

2023年

11月

08日

究極歩き

今日もクリスマス発表会の練習を終えて、屋上遊びです。まだ、スイカの実があるので、「スイカ食べたい!」と子どもたち。「まだ小さいので、もう少し待ってね!」と言うものの、今後気温が下がると、これ以上スイカが大きくなるのか?・・・もう少し、見守ってみます。

 

そして、今日も年少園児の女子が、自転車に乗れるようになりました。年少・年中・年長園児合計26名のうち、24名が自転車に乗れるのです。あらためて、凄い子どもたちです。(ビックリ!)

 

さて、健康のためにウオーキングを行っている人が多いです。運動は、継続することが大切ですので、ハードなトレーニングではなく、いつでもどこでもできるのがいいですね。すきま時間に、1日10分でもいいので歩く。さらに、食前ではなく食後に歩くことで、血糖値が上がりにくくなるそうです。好きなスイーツを毎日食べても太らない体になるかもしれません。

 

今日は、一歩進んで、医師らが推奨する「究極歩き」をご紹介します。まずは、「インターバル速歩」です。「早歩き」を3分間したら、「ゆっくり歩き」を3分。これを交互に繰り返します。目標は、1週間でインターバル速歩計120分(早歩き60分)が目安だそうです。1日18分(3分ずつで3セット)なので、継続できそうですね。過去15年間のデータ分析では、インターバル速歩を5か月間行うことで、筋力などが平均15%増加。糖尿病などの生活習慣病が20%改善、うつ指標も40%改善され医療費が20%削減されることがわかったそうです。

 

もう一つは、「大股で歩く」ことです。理想の歩幅は65センチです。私が65センチを試してみると、大人の男性でもかなりの大股です。まずは、今の歩幅より5センチ長くが目標です。大股で、体の細胞内にある「ミトコンドリア」が活性化されるそうです。ミトコンドリアは、すべての細胞内に存在し、ブドウ糖や脂肪酸を燃やして生きるエネルギーを得ます。加齢などで、筋力が落ちると、筋肉内のミトコンドリアが劣化します。筋力低下で人の活動も減り、筋肉以外の臓器の代謝も低下し、全身のミトコンドリアが劣化します。これによって、様々な病気の発生原因となり、脳細胞に起これば、うつ病や認知症を招くと言います。

 

誰かと楽しく会話をしながら歩くことは、認知症対策のウオーキングになるそうです。パートナーと歩くもよし、近所の仲間同士でもいいですね。また、血圧が高い人には、「階段の下り歩き」がいいようです。階段を上がると血圧上昇があるので、下りだけ歩くのがいいあんばいだそうです。

 

どうですか・・・もう一度整理しますね。

 

「すきま時間に、早歩きとゆっくり歩きを交互に3分ずつ&普段の歩幅+5センチの大股&親しい人と話をしながら&階段は、なるべく歩いて下る。「運動の秋」・・・これなら、できそうですね。

2023年

11月

07日

夫婦の危機は小6の11月

クリスマス発表会では、寺子屋園児を分けて2つの劇を行います。「こびと と くつや」「王様の耳はロバの耳」の2本です。朝の会で、何度も読み聞かせをしている絵本なので、ストーリーは、子どもたちの頭の中に、しっかりと入っています。

 

今日は、読み合わせのような感じで、先生がそれぞれの役のセリフを言って、子どもたちはマネをします。大きな声ではきはきと言える園児はまれで、たいがい小さな声でよく聞こえません。ここから、12月23日の発表会本番までの練習で、役者になっていくのです。子どもは、すぐにセリフを覚えてしまうのです。

 

さて、今日は中学受験の話です。2024年度の中学入試本番まで100日を切りました。首都圏の中学校受験者数は2023年に過去最多の約5万2600人を記録したそうです。裾野が広がっているだけでなく、最難関を目指すトップ層の競争は毎年レベルアップして過酷さを増しているようです。中学受験の講師は「たった数年で3割、下手したら5割も6年生の課題が増えた気がする」と言います。

 

中学受験の主役は、子どもだけではありません。中学受験は、親の未熟な部分をあぶり出しています。学歴なんて、偏差値なんて関係ないと口では言っていた親が、実際には模試の結果に一喜一憂し、子どもに暴言を吐くようになる。わが子よりできる子を持つ親を妬んだり、他人の不合格を心の底で笑ったりする。自分にこんな一面があったのかと自分自身が驚くのです。

 

「中学受験は、お互いを認め合う夫婦であるかを試される機会だった」「中学受験では、それまでのだましだましが通用しなくなり、考え方の違いがもろに出てくる」とある夫婦は語ります。

 

「夫婦はもともと赤の他人である。出身家庭の文化が違えば価値観が違う。ならば、子どもを思う気持ちは同じでも、アプローチの仕方が違って当然だ。そこで、どちらのアプローチが正しいかを争う綱引きを始めてしまうか、子どもに対して複数のアプローチをもっているチームであると思えるかが、夫婦のあり方を大きく左右する」という図式が見えてくると、専門家は言います。

 

何だか、話が大きくなってきましたが、結婚とは何か、夫婦とは何か、家族とは何か…中学受験はときにそんな大きな問いまで私たちに突きつけるのです。高校受験・大学受験なら、子ども自身の意思がはっきりしていることが多いのですが、中学受験は、親子で受験というイメージがあります。まだ、小6の子どもが、「自分で何から何まで決める」ことが難しいからです。

 

夫婦の考え方の相違については、中学受験に限らず、パートナーである限り一生付きまとう内容です。「違いを認める」ということは、大きな組織の中だけでなく、家族という一番小さなチームの中でも、大切なことですね。

2023年

11月

06日

旅の食堂 ととら亭

この3連休で、子どもたちは、東京ディズニーランド・動物園・おじいちゃんおばあちゃんのおうち・映画鑑賞など、大いに楽しんだようです。中には、熱が下がらずに寝込んでいる子もいましたが、天気にも恵まれ、充実した週末を過ごしたようです。

 

私は、3日の文化の日と5日の日曜日に、次女の引っ越しの作業員&買い出しスポンサーとなっていました。大学4年から1人暮らしを初めて、今回の引っ越し先は、柴又です。そうです。「男はつらいよ」の寅さんの柴又です。学生時代のアルバイトと社会人になったから貯めたお金で、小ぎれいなワンルームの部屋を借りたのです。ただし、柴又というのが、渋いところです。

 

日曜日、冷蔵庫を運んだ後のランチタイムで、近くにある不思議な店に食事に行きました。「旅の食堂 ととら亭」という夫婦二人で営むお店です。この夫婦が、世界各国を旅しながら出会った料理をアレンジせずに再現し提供します。3か月ごとにランチメニューが変わるのですが、ディナータイムは、夫婦が追求した「世界の餃子」をメインに、多くの世界の味が楽しめます。

 

フレンチでも、イタリアンでも、中華でも和食でもない、世界の料理が味わえる店なのです。えっ?誰がどうやって料理を作っているの?と大いに疑問ですね。そこで、店主に多くの疑問を聞いてみました。

 

①こんなコンセプトの店。聞いたことがありませんね。いったいどうしてこの店を?

「こんなメチャクチャな店は、他にやろうという人は、いないでしょうね。非効率だし。でも、この店の考え方は、ただ料理を出すのではなく、情報を伝えるだけでもありません。僕たちが、旅の中で出会った料理の経験をシェアする店なんです」

 

②世界の料理を現地の味で再現するなんて、できるの?

「僕は、作るほうはダメで、ホールとおしゃべりが担当です。作るのは、妻ですが、彼女は、フランス料理とドイツ料理のシェフをやっていました。たいがい食べてみると、素材や香辛料などの予測がつきます。あとは、店の人への聞き取り調査や、レストランの近くの市場をぶらつくと、ヒントが見つかります」

 

③新たな料理を見つけに、定期的に世界へ旅に出るのですか?

「はい。今月末からしばらくの間、オーストラリアに行ってきます。その間、店は閉めます。オーストラリアの料理は、大味でおいしくないと言われてますが、絶品を探す旅をします。パースからレンターカーで、おいしい料理を探す旅です」

 

まだまだ、話は尽きなかったのですが、現場の味を再現するために、シェフの奥様は、調味料をグラム単位で変えながら、試作を繰り返すそうです。ただおいしい料理なら、誰でも作ることができますが、これを商業ベースに乗せないといけません。食材や香辛料などが、日本で手に入るか・・・など、レシピ作りには余念がないそうです。

 

そして、店主の著書「世界まるごとギョーザの旅」を購入しました。その際に、レジに立つ店主にサインをいただきました。いわゆる、紀伊国屋書店でやっているような、サイン本となったのです。店主は「僕のサインは、どうも落書きと間違えられることが多くて・・・」とユーモアたっぷりです。

 

なんだか、この夫婦の生き方を見ていると、素直に「素敵だなぁ~」と思います。二人が一番大好きな、旅とおいしい料理を一緒にして、生きていくための仕事にしているなんて、うらやましいですね。

 

次女の住む柴又に遊びに行くときは、この「ととら亭」に足を運んでから、柴又名物の「草だんご」を食べることにします。(笑)

2023年

11月

05日

プラレールの魅力

私の先輩に、6畳一部屋を鉄道模型部屋にして、家族からあきれられている方がいます。皆さんが知っている「プラレール」は、Nゲージなどの本格的な鉄道模型とは対極にある位置付けですが、子どもが楽しむうちに、鉄道に詳しくない大人も魅了される存在です。

 

保育園でも、鉄道や車に関するおもちゃは山ほどありますが、もちろん、プラレールは子どもたちの人気アイテムです。そもそも、プラレールは1959年(昭和34年)に発売された「プラスチック汽車・レールセット」が原型で、1961年に初の3両編成の電動式「電動プラ汽車セット」が発売されて、現在の形が定着したそうです。日本国内で、今年3月までの累計で、1億8640万個以上を販売する日本を代表するおもちゃとなっています。

 

世の中に、ヒット商品は毎年誕生しますが、プラレールのように60年以上続く商品は、そう多くはありません。私は、ロングセラー商品に魅力を感じ、どうして長く売れ続けてるかを考えてしまいます。

 

プラレールは、発売以来基本の規格は変わっていません。直線レールの長さは216ミリで接続部の形状も同じです。この216ミリという長さは、販売当時、どの家にもあったちゃぶ台の上で円形にレールをつないで遊べるようにと考え、その円の直径を432ミリにし、直線レールを円の半径216ミリにしたそうです。曲線レール4本で直線レール2本分の長さの半円を作ることができます。レールは、裏表両方使えるリバーシブルで、接続分のジョイントはシンプルにできています。

 

規格がかわっていないので、パパが子どもの頃につかっていたプラレールが、今も使えるのです。親子で楽しむには、もってこいですね。かっこいい言い方をすれば、「レールが世代をつなげる」のがプラレールの魅力です。

 

プラレール愛好家で全国でプラレールの巨大ジオラマ展示などのイベントを行う「ペタぞう」さんは、プラレールが長く愛される秘密をこう語ります。

 

「子どもが遊ぶには大人が納得しないと安心して子どもに与えられないことを理解し、大人目線も入れて作っていることが感じられます。60年を超える知見を蓄積した功績とも言えます。世界に誇るおもちゃだといえます」

 

プラレールは、まだまだ進化し続けるのです。今、我が子と一緒にプラレールで遊んでいるパパママへ・・・あらためて、プラレールの魅力を感じてもらいたいですね。

2023年

11月

04日

苦手に挑戦で脳が再成長

5月に年長園児11名を連れて、埼玉県警交通機動隊の白バイのデモンストレーションに参加させていただきました。ジグザグ走行など迫力のある白バイ走行に、子どもたちは大興奮したのです。その埼玉県警白バイチームが、「第53回全国白バイ安全運転競技大会」で団体優勝を果たしたそうです。「バランス走行」や、タイヤなどの障害物を乗り越える「トライアル走行」、雨でぬかるむ「オフロード走行」を競う内容を見事トップクリアです。「優勝におごらず、誰よりも安全運転を心がける」「悲惨な事故を防げるよう今後も努力を続ける」と優勝メンバーは語ります。何だか、誇らしい気持ちですね。

 

さて、今日は「脳」の話です。「一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方」の著者、加藤俊徳医師は、「中高年世代の物忘れや記憶力の低下は、ほとんどの場合、加齢による老化というよりも、脳の偏った使い方が原因」と言います。えっ!加齢じゃないの?と思ったあなた。どうやら、他の要因もあるようです。

 

その理由を加藤医師はこう解説します。「長年、同じ仕事を続けてきたことで蓄積された思考パターンや行動パターンが「マンネリ化」と脳が意識してしまい、体のひずみになって現れます。それが、50代です。50歳前後は、自分の体を振り返る年齢なのです。肉体労働をしてきた人が腰痛に悩み始めるのも50歳前後。パソコンの仕事をしてきた人が、目や肩、首の疲れが抜けなくなるのもこの年齢です」

 

どうですか。確かに、この考え・・・当てはまることが多いですね。私も、「保育園が開園した頃には、こんなことは簡単にできたのに!」と思うことが毎年増えています。これは、加齢によることだから、仕方ないと思っていましたが、「脳のマンネリ」が引き起こしているというのです。

 

では、「脳のマンネリ」を防ぐには、どうすればいいのか。それは、今まで苦手だと思っていたことに、あえて挑戦することだそうです。水泳が苦手だったら、まずは、室内プールに通って、ウオーキングから始める。とか、「マッチョな体系」など興味がなかったけど、健康のためにジムに通ってみる。また、苦手な英語に挑戦する。料理なんか作ったことがないパパが日曜日の晩ごはん一食だけを担当するなど・・・人には苦手なことが山ほどあるものです。

 

こうすることで、「おい!いつもと違うぞ。いったい何が起こっているんだ!」と、脳が思って、新しい部分が活発に動くようになるのです。

 

「やればできる!」と自分に言い聞かせながら、1つだけでも「苦手」に挑戦してみませんか。

2023年

11月

03日

時刻表 駅ホームから消える

前にこのブログで、駅から「時計」が消えているという話をしましたが、JR東日本では、すでに2012年から約500駅を対象に撤去済みです。ところが、山梨県の大月市と上野原市の自治会が反発し、両市議会は時計の再設置を求める決議を可決し、昨年12月、大月、上野原など7駅で自治体が購入した電波時計が新たに設置されたそうです。時計の維持管理は、JRではなく自治体が行っています。

 

ゴミ箱も駅で見つけるのが難しくなっています。中身が見える透明パネルのゴミ箱を設置していた東京メトロは、「セキュリティー強化」を理由に、全駅で撤去しました。

 

そして、いよいよ駅ホームにあった「時刻表」の撤去が始まっています。大阪の南海電鉄のある駅では、ホーム上の駅時刻表があった部分が空白になっていて、代わりにQRコードが掲示されています。スマホの普及を踏まえ、デジタル化を進めているようです。

 

若い人は「いつもスマホで時刻表を検索するので、変化に気付かなかった」と言い、お年寄りは「スマホは持っているが、操作に慣れていないし、画面を追うのは目が疲れる。駅の掲示を見るほうが楽だ」と話します。

 

そういえば、私も電車に乗って出かけるときは、あらかじめ検索してどの列車に乗るか決めていることが当たり前になっていました。駅ホームの時刻表を見ることもなくなっていましたね。

 

よく考えれば、ダイヤ改正のたびに、新しい時刻表の作成や設置にかなりの費用がかかります。また、環境配慮の点でもプラスチックの時刻表を作り直すことはいかがなものか、という考えもあるようです。最近では、路線の相互乗り入れが複雑化していることもあって、1枚の時刻表で丁寧に示すのが難しいこともあるようです。

 

国土交通省は、「ホームに時刻表がなくても改札口などに掲示したり、電光表示で案内したりしていれば問題ない」という見解です。

 

「駅」という場所は、かつては、列車に乗る場所だけだったのが、「エキナカ」という言葉が定着した今では、駅の中はショッピングや様々なサービスが受けられる空間へと変わっていきました。そんな時代の流れの中で、これまで駅に当たり前にあったものがなくなっています。どうも、気がつかないうちに・・・です。時々、「時計・ゴミ箱・時刻表」が自分が利用する駅にあるかどうか、チェックしてみませんか。

2023年

11月

02日

農産物が不作!?

屋上遊びは、「子どもたちのやりたいこと」でどんどん変化していきます。昨日から「なわとび」ブームが起きています。連続で飛び続けることは、年長園児でもなかなか難しいことです。そんな高い壁だからこそ、子どもたちの挑戦意欲がわいてくるようです。でも、途中から縄がゴールテープに変わっていて、かけっこ大会になっていました。(笑) 

 

さて、実りの秋を迎えているのですが、今年の農作物の出来は今ひとつのようです。買い物をしていると、ニンジン・長ネギ・大根・トマトなど多くの野菜の値段が、びっくりするくらい高値になっています。

 

日本人の主食「米」に関する報道では、今年は1等米が少ないというニュースをよく聞きますね。収穫した米の粒の形や色が良好なものは1等米とされ、高値で取引されます。この夏は高温で、でんぷんが十分に蓄えられず、米粒が白く濁る現象が多く確認されています。濁った米は一等級と評価されません。

 

農林水産省による具体的な数字では、1等米の割合は北陸で36%(前年43%減)、東北で70%(前年25%減)となり、米どころ新潟ではさらに深刻です。新潟産「コシヒカリ」の1等級比率は、前年が80%に対して、今年はわずか4%だったそうです。慌てた新潟県では、米の食味についての検査を実施したそうです。2等や3等とされた米でも、香りや食感は1等米に劣らないという結果を公表し、ホームページなどでアピールしています。

 

今夏は観測史上、最も暑い夏になり、気象庁は「異常気象だった」としています。6~8月には全国の観測点915地点のうち、128地点で最高気温を更新しました。気象庁の研究チームは、今夏の猛暑について、日本付近の高気圧が猛烈に発達したことが主な原因ですが、7月下旬から8月上旬の猛暑は「60年に一度」程度のまれな現象だったとみています。ただし、来年以降もずっと猛暑が続くとは限らないとのことです。

 

気になる果物ですが、甘くなるには適度な暑さが必要ですが、今年は強すぎる日差しで、青森県や長野県のリンゴの多くが白く変色してしまったそうです。ブドウの「ピオーネ」も濃い紫色がまだらになりました。このような気候が続けば、リンゴの主産地は北海道になり、ミカンは愛知県や和歌山県から関東地方にシフトするかもしれませんね。

 

こうなると、品種改良で、暑さに強い野菜や果物の開発が必要になってきますね。昨日食べた、屋上ファームで収穫した小玉スイカも、9月の気候が夏並みになったことが原因です。

 

「旬の野菜・果物」を楽しむ機会がどんどん減っていく前に、今は、秋の旬を楽しむことにしませんか。

2023年

11月

01日

ど根性スイカ

今日も、年少園児が自転車に挑戦です。年少園児の中では、一番足が速く運動能力に長けている女の子です。実は、もう半年前から、補助なし自転車に10メートルは乗れていましたが、最後の勇気がなかなか出せずにいました。自転車が倒れて転んでしまう恐怖心を克服できません。夏のプールが始まり、運動会も終わり、月日だけが流れていきました。その間、3人の年少園児が先に乗れるようになり、たまりかねたママが「○○ちゃんが、先に乗れるようになったね」と話しかけると、「でも、○○ちゃんと○○くんは、まだ乗れていないから」なんて言っているそうです。その具体的な会話からも、早く自転車に乗れるようになりたいことが分かります。

 

今日は、2回10メートルで止まってしまいます。彼女の口から「今日は、ちょっとやめたい気持ちになってきた」という小声が聞こえてきましたが、「園長先生は、今日、○○ちゃんが自転車に乗れるような気がするんだ。あの先の白い線まで、まっすぐ前を見て頑張ってみよう」と、彼女の小声を上書きする大きな声で、もう一度トライさせます。そして、見事30メートルの距離を走り抜きました。

 

子どものタイプは、当たり前ですが、いろいろです。「もう一度やってみる!」というチャレンジャータイプは、実は少数派です。彼女のように、いかに園児の背中を押してあげるかが大事になってきます。結果、「乗れた」という自信が、大きな成長につながるからです。年少園児のあと3人・・・今年度中に乗れるように、背中を押しまくりたいと思っています。

 

さて、11月に入りました。秋から冬に季節は移行するのですが、屋上では、子どもたちと「スイカ」を食べました。そうです。屋上ファームで収穫した小玉スイカです。11月にスイカを食べるたのは、私にとっても初めての経験です。(笑)

 

夏のプールでスイカ割りをした時に、種を飛ばしながら食べていました。どうやら、そこから芽が出てきました。9月上旬、ジャガイモの種を植えるときに発見しました。どうなるか?そのままにしておくと、9月の残暑の影響で、どんどん育っていきます。そして、大きなスイカになったのです。季節外れに大きくなったので、「ど根性スイカ」と呼んでいました。

 

スイカに包丁を入れる園長の周りに、集合をかけていないのに、どんどん園児が集まってきました。夏のスイカのように真っ赤ではありませんが、赤ピンク色です。そして、少しずつですが、子どもたちも先生たちも一緒に食べてみます。

 

第一声は「おいしい!あま~イ!」です。真夏の日差しを浴びていないので、甘くないかなぁ~と思ったら、とんでもありません。美味しいスイカに、子どもたちは大満足です。実は、まだいくつか、ど根性スイカが残っています。天気がいい日に、また子どもたちと食べることにします。

2023年

10月

31日

ハロウィーンパレード

朝からテレビで報道されていましたね。本日をもって、東海道新幹線の車内販売が終了します。「かっちんコッチン」の固いスジャータのアイスクリームは、私も神戸の出張帰りに、いい気分で飲んで、最後に食べたくなるのがこのアイスでした。車内販売のパンサーから買うという行為がいいのです。東海道新幹線は、JR東海の管轄ですので、JR東日本、西日本管轄の新幹線は、まだ車内販売はありますので、ご安心を。

 

今日は、10月31日「ハロウィーン」です。保育園ホワイトきゃんばすでは、開園初年度から、パレードを毎年行ってきましたので、今回が12回目です。ここ数日、ハロウィーンの報道は、「渋谷」の大人のコスプレ騒ぎに関する内容がほとんどです。この路線は、完全に「悪しき習慣」という位置づけになってしまいました。

 

しかし、保育園のハロウィーンパレードは違いますよ。子どもたちが、かわいい仮装をして、「トリックオアトリート」と言ってお菓子をもらうという、一連の行動は、渋谷の騒ぎとは一線を画す内容です。昔から、「代官山ハロウィーンパレード」など、子どもが中心となったイベントは、多くの場所で行われてきましたね。

 

朝から、ドラえもんにアナと雪の女王のエルサが、登園してきました。そして、驚いたことに、テレビでは見たことがない、川越のご当地戦隊になった5歳男の子がやってきました。すべて、ママが牛乳パックなどで作った、完全手作り衣装です。構想と作業で2か月かかったそうです。

 

スパイファミリーのアーニャが、髪の毛をピンク色にして登園です。アメリカンポリスが2名、ミニーマウス2名、エルサ人気が高く3名も集合です。パウパトロールにアンパンマンだけでなく、バイキンマンもやってきました。牛さんもパンプキンちゃんが2名・・かわいかったですね。スーパーマンの胸の筋肉がヤバイです。赤影忍者になった男の子は、本物みたいな刀を背中にさしていました。お姫様がいっぱいとメイドさんにミニオンズもいました。そして、一番目立ったのが、ゲゲゲの鬼太郎の「ネコ娘」と「目玉おやじ」の仮装をした姉妹です。目玉おやじは、手作りですよ。どんな感じか、想像してください。(笑)

 

朝から、大盛り上がりの保育園です。ショッピングセンターのパレードが始まると、買い物客が自然と笑顔になります。「ハッピーハロウィン♬」と叫びながら、子どもたちは歩きますが、今年は「うるさくて買い物ができない!」というクレームはゼロでした。子どもたちの癒しパワーで、お客様も元気になったようです。

 

「トリックオアトリート」でお菓子をもらうポイントは、全部で6か所あります。今までは、カボチャのバケツ容器を用意していたのですが、お菓子が入りきらないので、昨年から、紙袋に、子どもたちがハロウィーンの絵を描きます。今年も、紙袋いっぱいのお菓子となりました。

 

今月は、運動会があり、毎日の練習を頑張った子どもたちですが、今日のようなイベントも大事ですね。仮装して、「もう一人の自分」になった子どもたちです。

 

ママパパへ・・・しばらく、お菓子を買うことはありませんよ。(笑)

2023年

10月

30日

マインドフルネス

今日は、4歳の年少女子が、自転車に乗ることができました。今日初めて、補助付き自転車に乗ると、しっかりとペダルを回せるので、補助なしに挑戦してみました。何度も10メートルくらいで止まってしまうのですが、5回目で30メートルを乗りこなしました。泣きそうな顔だったので、「どうする。今日はやめるかい?それとも頑張ってみるかい?」と問うと、「頑張る!」と言って、ついに乗れたのです。すでに自転車に乗れる年少女子が、お手本を見せてくれたのが、良かったようです。

 

寺子屋園児26名中、これで22名が自転車クリアです。残りの年少園児4人も練習を頑張っているので、早く乗れるようになって、自信をつけてもらいたいですね。自転車に乗れるか乗れないかは、個人差があるので、無理をさせないようにしていますが、「乗れた!」時の達成感や自信が、子どもを大きく成長させます。「自転車の乗れるようになる」という目標が明確なのがいいのです。あと4人・・・ガンバレ!

 

さて、何年も前の話ですが、私が営業で担当していたショップの店長が、キックボクシングのジムに通っていました。女性です。1回の時間は1時間にも満たないそうですが、汗をたくさんかくので、さっとシャワーを浴びて帰るそうです。「まだ火照っている体のまま外を歩くと、冷たい風を感じて、すごく気持ちがいいんです。『あーしあわせ!』と声に出してしまうくらい、幸せな時間です」と言っていました。

 

みなさんも経験があると思いますが、運動をした後は感覚が鋭くなります。外を歩いていると「今日は湿度が少し高いなぁ~」とか「風が冷たいなぁ~」に気がつき、季節ごとに咲く花の香りや、風の強さについて感じることが多いですね。

 

このような感覚になることを「マインドフルネス」と呼ばれているそうです。これを日本語に訳すと「気づくこと」「意識すること」という意味です。もともと仏教の瞑想状態のような感覚で、日々の心配事や不安な気持ち、仕事や他人からの評価など、ついつい頭に浮かんでしまうことを鎮め、「今」だけに集中できるような精神状態のことです。

 

冒頭の店長が、マインドフルネスの時間を幸せな時間と言っていたことを思い出しました。人は、若いうちは、この「幸せ」というやつは、向こうから自分にやって来ると思っている人が多いような気がします。白馬の王子がやって来る(笑)とか・・・他人に癒してもらいたいとか、他力本願的な「幸せ」を期待していたのかもしれません。でも、こうしてマインドフルネスを自分で作り出すなど、自力で幸せになるのが一番確実とわかるのは、以外にも人生経験を積んでからなのかもしれません。

 

やっぱり、ちょっとの運動・・・大事ですね。

2023年

10月

29日

「学びたい」と願う世界の子どもたちへ

早朝にラグビーワールドカップの決勝戦が行われ、南アフリカがわずか1点差で、オールブラックスを破り連覇を果たしましたが、どうも、日本代表が決勝トーナメントに進めないとわかってから、ラグビーを見なくなった人が多くなっていますね。やはり、ここは、世界最高レベルをしっかりと見ておきたいものです。

 

日本は、小中学校は義務教育で、多くが高校へ進学します。不登校の問題がありますが、「学校に通えない」ということは、まずありません。ところが、世界を見回すと、日本のモノサシは通用しません。

 

紛争や気候変動、感染症などの様々な問題が、世界の子どもたちの教育を受ける権利を脅かしています。SDGsの4番目の目標には「質の高い教育をみんなに」と掲げられていますが、いまだに6歳~17歳の子どもたちのうち、2億4400万人の子どもたちが学校に通うことができていません。

 

具体的には、世界全体で小学校に通えない子どもは約9%(11人に1人)。中学校では約14%(7人に1人)が、高等学校では約30%(3人に1人)が学校に通うことができていないのです。

 

「ぼくの他にお金をかせげる家族がいないから、ぼくが学校をやめました。そしたら4人の弟たちは勉強を続けらえているから」(アナス12歳)

8年以上内戦が続くイエメン。新型コロナウイルスやウクライナ紛争の影響が重なって、子どもたちを取り巻く状況が悪化し続けています。

 

「学校に来るまでは、何も知らなかった。学校に通えることが、本当にうれしいの」(グラハ9歳)

アフガニスタンでは、女子の教育を取り巻く状況が悪化しています。2021年9月から、女子が中等教育を受けることが禁止され、教育を受ける権利が奪われています。9歳のグラハさんは、これまで学校に通ったことがありませんでしたが、地震の緊急支援で建てられた仮説の学校で学べるようになったのです。しかし、彼女も中等教育の年齢に上がれば、教育を受けられない可能性があります。

 

「学校は屋上まで水につかってしまいました。2か月以上も水がひかず、ぼくは学校に通えませんでした」(シャヒド8歳)

2022年8月、大雨と洪水がパキスタンを襲い、国土の約3分の1が浸水しました。被災した人の数は約3300万人。そして学校も約3万校が被害を受け、今も多くの子どもたちの教育が中断され続けています。

 

私たちは、日本という国で生活していると、世界の子どもたちの多くが、「学校に通えない」という実態があることを知りません。時々、世界の子どもたちのことを考える時間を持ちたいものです。

2023年

10月

28日

不登校 過去最高

今朝、外から「ゴロゴロゴロ!」と大きな音が連続して聞こえてきました。早朝から雷が鳴るなんて、あまり経験がありません。そして豪雨です。雨はすぐに上がりましたが、屋上には、子どもたちの大好物「水たまり」がいっぱいできました。はい。5歳と4歳男の子は、見事に全身真っ黒です。(笑)

 

さて、不登校の小・中学校の人数が、過去最多を更新したそうです。令和4年度は、前年度の1.2倍以上に増加しました。いじめの認知件数も増えたようです。具体的には、児童・生徒1000人当たりの不登校数で比べると、平成29年度が14.7人だったのに対し、令和4年度は31.7人へと倍増しています。

 

コロナ禍といじめ・不登校増加の背景に関して、専門家は「たわいもない無駄話、遊びが自由にできない生活」があったことを指摘します。学校休業やリモート授業が行われるようになって、子どもたちだけでなく、保護者も含めて学校を休むことへの抵抗感が薄れ、友人や職員との葛藤・トラブルがあった際、互いに歩み寄るといった調整能力が下がったとも言います。

 

調整能力が下がったため、相手を否定して攻撃したり、逆に自己を否定したりする傾向が強まっている。その結果、トラブルなどがあると、学校から撤退して休んでしまうのです。

 

どうですか、なかなか的を得た指摘ですね。私が学生時代に、西武球場で売り子のアルバイトをしていたのですが、その時の先輩の調整能力は凄いものがあって、どんなバイト間のトラブルも解決してしまいました。その先輩は、子どもの頃から、友だちとのかかわりの中で、コミュニケーション能力や調整能力を磨いてきたのです。子ども同士のたわいもない会話が大切といいますが、先輩はいつもしょうもない話をしていました。(笑)

 

不登校のもう一つの原因は、児童・生徒と学級担任の相性が合わないこともあるようです。こればっかりは、人間同士ですので、十分考えられることです。児童・生徒を相手に何らかのアンケートを行う際、「相談したい教職員を子どもが指名する欄」を設けている学校が増えているといいます。

 

子どもたちが成長し、やがて大人になっていく過程には、影響を与えてくれる多くの人との関わりが必要です。その中心となる場所が、当たり前ですが学校です。不登校が増えることは、子どもたちの将来にとっては不幸なことです。解決策を考えないと。

2023年

10月

27日

百貨店 生き残りへの道

今日は、年長園児5人が入学する、さいたま市立指扇小学校の「就学前健診」がありました。5人の卒園児が、同じ小学校に入学するのは、保育園ホワイトきゃんばすの歴史でも初めてのことです。5歳女の子は、「小学校に行くのは、なんだかドキドキしちゃう。大丈夫かなぁ~?」と言っていました。大人でも新しい環境に飛び込むのは、勇気と覚悟が必要ですが、子どもたちは、心臓バクバクだったに違いありません。

 

さて、先日大手百貨店としては、61年ぶりのストライキに発展した「そごう・西武」の西武池袋店の様子は、多くのマスコミにも取り上げられたので、記憶に新しいところですね。「お客様相手の商売なのに、ストライキとは何事だ!」なんて、決して言わないでくださいね。これは、百貨店で働く人たちの生活やプライドをかけた戦いだったのです。この日は、高島屋・三越伊勢丹・大丸松坂屋他、多くの百貨店の労働組合のトップが集いました。百貨店業界にとっては、「そごう・西武」だけの問題ではなかったのです。

 

私がおやじ園長になる前は、まさに百貨店に大きくかかわった仕事をしていました。百貨店に勤めていたのではなく、取引先メーカーの営業担当という立場での仕事です。ちょうど、西武百貨店の本部担当の時に、「そごうを吸収する」となり、「そごう・西武」が誕生しました。個人的には、西武百貨店にそんな余裕はないはずだけど?と思ったものです。この時すでに、セブン&アイ・ホールディングスの傘下になる密約があったようです。

 

その後、私がセブン&アイホールディングスの本部担当をしていた時に、「そごう・西武」が傘下となりました。セブン&アイは、コンビニ事業でしこたま儲けていたので、まったく問題なかったのです。量販店のイトーヨーカ堂とは別の「百貨店事業」を進めることで、グループのイメージも売上も上げようという考えでした。しかし、コンビニ・スーパー・百貨店との融合は失敗に終わり、トカゲのしっぽ切りのごとく、「そごう・西武」が、米投資ファンドに売却されたのです。

 

現在の百貨店の売上は、過去最高というところもあります。コロナ前を大きく上回っているところが多いようです。特に、高級ブランド品・宝飾品・時計が強いそうです。しかし、これらは、テナント売上なので収益は少なく、フランチャイズ中心のコンビニ事業などとは比較にならないくらい、百貨店の利益率が低いというからくりです。

 

私は、デパ地下で買い物をするのが大好きで、この上ない幸福感を覚えます。日本橋三越の天女像(てんにょぞう)や、日本橋高島屋の手動式エレベーターに興奮し、やっぱり、時々は百貨店で買い物をしたくなります。さらに経営が厳しい地方百貨店に対しては、心から応援しています。埼玉県なら、丸広百貨店(川越他)・八木橋百貨店(熊谷)・矢尾百貨店(秩父)のことは、ずっとファンです。もっと言えば、群馬県のスズラン百貨店・栃木県の福田屋百貨店も愛着がいっぱいです。

 

東京オリンピック誘致の際に、「おもてなし」という言葉が使われましたが、まさに、百貨店の接客は「おもてなし」の頂点です。私が、新入社員の時に、日本橋三越本店(三越の人は、必ず「本店」まで言います)に配属になりました。そこで学んだ、サービスの原点は、今でも忘れませんね。

 

時代とともに、世の中の「商売」のあり方は、どんどん変わってきました。お店に足を運ばなくても、ネットで何でも買える時代です。しかし、日本の百貨店は、絶対に生き残ります。お客様が求める、わくわく感という付加価値を探し続けて、これからも頑張ってほしいですね。

2023年

10月

26日

農業×デザイン

運動会が終わり、子どもたちが、のびのびと屋上遊びを楽しんでいるのですが、自転車免許証を目指す園児もいます。年長・年中園児19名は全員自転車に乗れます。年少園児7名のうちすでに2名が自転車免許証を取得しています。残り5人を何とか3月末の今年度中に、自転車に乗れるようにしたいと思っています。

 

5人中2人は、すでに10メートルぐらい乗ることができます。本人もやる気満々ですが、恐怖心の壁をまだ乗り越えられません。でも、時間の問題ですので、今月中には何とかできるでしょう。

 

男子1名は、まったく自転車に興味がなかったのですが、周りに刺激を受けて、ストライダーから始めます。運動能力が高いので、初日でスイスイ進めるようになりました。残り2名の女子は、3月までに乗れるように、じっくりやっていきます。ここ4年、年度末までに寺子屋全員が自転車に乗れるようになっているので、今年度も、頑張ってもらいます。

 

さて、私は「工藤阿須加の農業はじめました」のような、農業に関する番組は、欠かさず見ています。屋上のホワイトきゃんばすファームの勉強のためにもなります。工藤さんは、プロ野球で活躍し、監督としても日本一となった工藤投手の息子さんです。農業大学を卒業し、大学時代はテニスの日本チャンピオンです。

 

この番組に出演する就農者は、付加価値を見い出し、成功した人が多いのですが、日本の農家は、野菜を作ることに長けていても、それに、付加価値をつけて販売することが苦手です。農林水産省が、農業の6次産業化を提唱して久しいですが、1次(作る)2次(売る)3次(付加価値をつけたサービス)を合計して、6次産業にしないと、日本の農業の未来は明るくならないという考えです。

 

農協に言い値で納品するのではなく、高級レストランの食材として直接取引する。道の駅などに自分で価格を決めて販売する。ネット販売でマーケットを世界に向ける。マルシェなどのイベントに参加しお客様の顔を見て販売する。などなど、若い就農者を中心に、日本の農業が「儲かる農業」に変わりつつあります。

 

そんな農業を応援するのが、農業をはじめとする1次産業に特化したデザイン・プランディング会社「ファームステッド」の阿部岳(あべがく)さんです。阿部さんは、「東京で学んだデザインの実践を、地方の農業のために使える人間はそういない。自分がやるべき仕事はこれだと思いました」と語ります。

 

仕事の核は、農場のシンボルマーク作りです。企業にロゴがあるように農場にも「顔」が必要です。今では、全国80か所の市町村で180以上の農場などのデザインを手がけたそうです。シンボルマークは「百年先も使う家紋になるもの」という考えで、生産者ととことん対話をして、その農場の強みを見つけだして作っていくそうです。

 

出来上がったシンボルマークを見て「何かやれそうな気がした」「背中を押してもらえた」と生産者の方々から教えてもらって、デザインの力を実感するようです。

 

民間企業なら当たり前の発想を農業に取り入れることで、6次産業化が進んでいくのです。阿部さんの仕事は、「農業×デザイン」で、農家さんが、やる気が起きる魔法をかけているのかもしれませんね。

2023年

10月

25日

埼玉県の条例案

今日は、ピクニックランチです。寺子屋の園児が対象ですが、ママやパパが作ったお弁当を、屋上の青空の下で、ピクニック気分で食べるイベントです。ただ屋上で食べるだけじゃないか・・・なんて言わないでくださいね。わくわく感たっぷりの「非日常ランチタイム」なのです。事前に、何が食べたいかをリクエストする園児もいますし、ママのお弁当作りの手伝いをする園児もいます。今回は、3人のパパがお弁当を作ってくれました。とにかく、朝から子どもたちはワクワクドキドキとなるのです。

 

おにぎりなどが、キャラクターになっていて、見た目もばっちりのお弁当に、子どもたちの会話も進みます。食後のデザートも、子どもたちはおいしそうに食べていました。

 

さて、私は埼玉県さいたま市に住んでいますし、保育園ホワイトきゃんばすもさいたま市にありますので、やはり、世間を騒がせた、埼玉県の条例について、触れないわけにはいきませんね。

 

今回、自民党埼玉県議団が、小学校3年以下の子どもだけでの外出や留守番を禁じ、見つけたら通報するように定める条例案を提出しました。報道にあるように、世の中からは、大きくバッシングを受けて、この条例を取り下げたという内容です。

 

保育園にかかわる意見としては、現状、小学校の学童がいっぱいで、多くの小学校では、2年か3年になると、新入生を優先するために、追い出されてしまう状況です。働く親としては、ほぼ全員アウト!となってしまうので、まずは、実態モニターが、どれだけ行われていたかは、はなはだ疑問です。もちろん、県の条例ですので、法的に逮捕されるわけではありませんが、働くママが、真っ先にブーイングでした。

 

もっと言えば、女性が社会に進出し、働くママが当たり前の世の中になってきた昨今で、どうも、この法案の根底には、「男はソト・女はウチ」という昭和の価値観を感じるような気がします。

 

あまりにも、バッシングばかりなので、この法案のメリットを無理やり考えてみると、諸外国との比較ですね。アメリカでは、子どもだけが公園で遊んでいることなど、ほとんどないし、家で子どもを一人にすることは、虐待と言われかねません。そりゃ、銃社会のアメリカなら、子どもの安全という観点が第一に考えられるでしょうが、日本には当てはまりません。

 

映画「三丁目の夕日」の時代は、地域で子育てをするのが当たり前でした。自分の子どもも、近所の子どもも、分け隔てなく愛し、叱りました。その時代は、もう日本には戻ってきません。でも、この事例をきっかけに、子どもたち同士が、放課後、安全に公園で遊べる世の中を作っていかないといけませんね。

 

みなさんは、バッシングだけでなく、どうあるべきか・・・考えてみませんか。

2023年

10月

24日

ひみつ屋

運動会が終わって、昨日から、いつものように屋上遊びで子どもたちは楽しんでいます。自分がやりたい遊びができる屋上遊びは、子どもたちの想像力も引き立てます。スタートとゴールラインを引いておくと、年長園児が音頭を取って、様々な競争が行われています。走る・自転車・ストライダー・キックスケーターなどなどのレースです。25メートルくらいだと、走るのが一番速いです。自転車が、ようやく加速した時には、ランナーはゴールです。

 

料理ごっこも、なかなかレベルの高い料理を作っています。土と水に、野菜、花、野草などを使って、フライパンで本格料理です。子どもたちの表情は、集中力200%ぐらいに見えます。この集中力が、小学校に入ってからの勉強に役立つのです。幼児期は、とことん集中して遊ぶことが大切ですね。

 

さて、「あなたの秘密を預かって販売します」という、何とも不思議な商売があるようです。「ひみつ屋」です。ひみつ屋を名乗る「木村りぺか」さんが、10月上旬、江東区の夢の島公園で、不気味な黒い屋台を引いています。屋台には「あなたの秘密、固めます」とあります。

 

手のひら大の紙に秘密を書いて、自らその紙をセメントで固めて値段を付けて木村さんに預けます。これまでにセメント化した秘密は約200個で、1000円以下が売れ筋で、約50個売れたそうです。勝った人には、秘密を公表しないように伝えます。

 

誰かが、自分のつらさを分かってくれるのではないかと期待し、秘密を託しているのではないか。紙に書いて預けるアナログな方法は、SNSに投稿するよりも個人の特定が難しく、秘匿性が高いため安心感もあるのだろうと、心理学者は言います。一方で、人の秘密を知りたがる行動の背景には「知らないものを知りたいという好奇心がある。人が知らないことを知れば優越感も得られる」とも言います。

 

あるアンケートでは、主婦の70%が誰にも言えない秘密があると答えたそうです。借金など「お金」の秘密が40%・不倫などの異性が13%・昔ヤンキーだったなどの「過去」が12%といった数字だそうです。

 

人は、墓場まで持っていくかどうかは別として、何かしらの秘密は抱えているものですね。夫婦でも、恋人同士でも、お互いのすべてを知ろうとすると、人間関係がギクシャクしたりします。秘密があるからこそ、人は魅力的に見え、人間関係が豊かになるとも言えます。そして、秘密を打ち明ける行為は、相手に信頼を贈ることでもあると考えると、絆も深まるというものです。

 

橋本さんは、アーティストとして、「ひみつ屋」を活動の一環として立ち上げたそうですが、気になる取り組みですね。

 

人は、「自分の秘密を誰かに打ち明けたい」という欲求を抱えて生きているとしたら、「ひみつ屋」に、どんどん秘密が集まってきそうな気がします。(笑)

2023年

10月

23日

運動会の余韻・・・

今日の連絡ノートには、ママパパのコメントがびっしりです。そうです・・・土曜日の運動会の感想です。

 

「今年も最高の運動会でした!」で始まる内容には、こちらこそ感謝でいっぱいになりました。「まだまだ書ききれませんが・・・」とまるまる2ページもコメントを書いてくださったママもいます。ママの感想とパパの感想と両方書いてくださった保護者も。本当にありがたいですね。

 

4歳と2歳の姉妹のママは、勤務する小学校の運動会とかぶってしまいました。でも、10種目中9種目に我が子たちが出場する運動会を見ないわけにはいきません。自分のクラスの種目が終わると、自転車ダッシュで西文ひろばに合流しました。さいたま新都心からわずか20分で来たそうです。競輪選手なみのスピードです。(笑)

 

6歳男の子は、インフルエンザに感染してしまい、治ってからも咳や腹痛に悩まされ、運動会当日にギリギリ間に合いました。しかし、メンタルはボロボロで、すでに半べそです。それを見た友達の5歳男の子は、彼に声をかけ、「一緒に頑張ろう!」と勇気付けてくれたのです。その言葉で、6歳男の子は最後まで頑張り切ったのです。声をかけた5歳男の子もインフルエンザに感染していたので、直近では満足に練習できなかったので、30メートル走もサーキットレースも僅差で敗れてしまいました。しかし、心は大きく成長して、友達を救ったのです。素晴らしいですね。

 

チビちゃんたちは、初めての金メダルが大いに気にいったようです。おうちに帰っても、寝るときも、金メダルを首から下げてずっと大切にしていたようです。そんなチビちゃんが3人もいました。

 

今年も、我が子はもちろんですが、他の園児の活躍がすごく印象に残りました。というママのコメントもうれしいですね。我が子が頑張れる力の源は、保育園の仲間たちとのかかわりです。時にはライバルとなって、お互いに切磋琢磨するのですが、保護者の目が、園児全体に向いていることは、嬉しい限りです。

 

3人きょうだいの末っ子5歳男子の、姉と兄の小学校の運動会が同じ日になってしまいました。母が保育園、父が小学校で応援です。なんと、姉兄ともに、本日小学校が代休だったので、保育園に来てくれました。かけっこでは、姉も兄も堂々の優勝です。5歳男の子も勝ったので、○○家にとっては、全員「一等賞!」です。家族の絆が強まります。

 

まだまだ、紹介しきれないコメントがいっぱいですが、本日配布した「運動会DVD」をあらためて親子で見ていただき、「あーだこーだ」と家族の会話が増えてくれると嬉しいですね。勝っても負けても・・・みんな一生懸命頑張ったので、全員金メダルですから!

2023年

10月

22日

令和5年度運動会 つづき

運動会の格闘技・・・サーキットレースから後半戦がスタートです。袋ぴょんぴょん・橋渡り・三輪車レース・タイヤ走り・輪投げの5つの障害を乗り越えてゴールする競技です。この競技も、練習の時から「勝利の歓喜」と「悔し涙」の激しい練習がありました。「○○!まだ勝てるぞ!最後まで諦めないで頑張れ!」という言葉が、先生ではなく園児から飛んでいました。そして、本番でも熱い戦いが繰り広げられます。年少園児の絶対王者女子が、橋渡りでミスをしてしまいます。もう涙が止まらなくなり競技をやめようとしました。そこに、園児たちの「○○ちゃん頑張れ!」の声に、ゴールまで頑張ることができました。

 

卒園児が今年は18人も集まりました。この春に卒園した1年生から、中学1年の男の子まで、7学年の凄いメンバーです。小6の男の子は、どんどん背が高くなって、園長を見下ろします。ここでも、物語がありました。50メートル8秒台で走る小3男子が赤組アンカーに決まりました。「白組のアンカーは誰にしようか?」と先生が言うと、同じ小3の女の子が「私が走る!今度は○○君に負けない!」と立候補したのです。実は、女の子は、3年前の運動会で男の子の最大のライバルでした。しかし、練習では1回も男の子に勝てなかったので、「園長先生・・・私○○君に勝てないから、アンカーも降りる」と言ったのです。今回のリレーでも、男の子を抜くことができず、ゴール後バトンを叩きつけて悔し涙しました。でも、彼女の涙を大事にしたいですね。3年前、途中で諦めてしまった自分に喝を入れて今回挑戦したことに、彼女の大きな成長があります。こうして、自分が育った保育園の運動会に多くの卒園児が参加してくれるのは、うれしいですね。

 

ダンス「まわせ まわせ」は、園児全員が参加しました。華やかで・・・そして力強い素敵なパフォーマンスとなりました。ダンスは、教室内でも早くから練習をしていたので、子どもたちは早々に覚えました。おうちでも、ママのスマホで音楽を鳴らして、練習していたようです。もちろん、踊りをママに教えていました。(笑)

 

今年の組体操には、「パラバルーン」を導入しました。そして、太鼓も一回り大きくして、迫力の音で演出します。はだしでの組体操は、ずっと変わらないままです。不思議なもので、練習では、必ずミスを繰り返して「やり直し!」となるのですが、運動会本番で、最高の演技となりました。ピラミッドもバッチリ全員で成功です。そして、パラバルーンに移行します。波・シャボン玉・朝顔・メリーゴーランド・お花・花火と次々と技を繰り出す子どもたちです。保護者席からは、「お花が素敵だった!」という声が聞こえてきました。

 

いよいよ、運動会の最終競技「紅白対抗リレー」となりました。過去の戦いでは様々なドラマを生んでいます。ここまで、9つの競技のうち、7つの競技を頑張ってきた寺子屋園児たちですが、入場でも堂々としていて、疲れた顔をしている園児は、一人もいません。本当にここまでよく頑張ってきました。練習では、ほぼ白組の勝利で、赤組も全力を尽くすも負けてばかりでした。本番では、やはり白組のリードが続きます。ところが、残り3人目で赤組が追いつき、残り2人目で逆転・・・そのまま、赤組リーダーが逃げ切る展開となりました。1週間のブランクがあった赤組リーダーが、最後は優勝を導きます。応援席からは、惜しみない拍手が送られました。

 

こうして、令和5年度の運動会も、子どもたちの頑張りと、笑顔と、悔し涙が交錯した、最高の一日となりました。金メダルを首にかけた誇らしい園児たちの顔が印象的です。応援いただいた保護者の皆様、そして卒園児の先輩たち。近隣住民の方々からも多くの応援をいただきました。子どもたちの成長を見届けていただき、本当に感謝いたします。ありがとうございました。

2023年

10月

21日

令和5年度運動会

前夜からの強風で、西文ひろばの空をなびく国旗の1つが、風に飛ばされて無残にもグランドに落ちています。急いで大空に戻すと、風が少し弱くなり、子どもたちを迎えてくれました。また、運動会前に、園児6名・職員2名がインフルエンザに感染してしまいました。直近での練習もままならないままではありましたが、運動会の神様が微笑んでくれたようで、無事に、令和5年度の運動会の日となりました。

 

入場行進は、年長園児が小さい園児と手をつないで入場します。まだ泣いてしまうちびちゃんは、ママと一緒に入場です。応援席では、「うちの子大丈夫かな?」と心配顔の保護者が、堂々と入場する我が子を見て、笑顔に変わります。

 

今年の選手宣誓は、年長男子3名です。練習では、言葉が出なかったり、間違えたりと、なかなかうまくいきませんでしたが、本番では、力強い選手宣誓に運動会が締まりました。準備体操のお姉さん2名も、元気に「いっとうしょうたいそう」を前に出て踊ってくれました。選手入場&開会式はバッチリです。西文ひろばの周りには、一般の方の応援も増えてきました。

 

しかし、競技に入ると現実が待っていました。インフルエンザに感染した6名は、全員寺子屋園児でしたので、この1週間、まったく練習ができていません。30メートル走では、練習で一度も負けたことがなかった赤組リーダーが、白組リーダーに敗れます。ブランクがあった園児たちが、ことごとく負けてしまったのです。寺子屋の練習では、30メートル走と紅白対抗リレーの練習は、毎日行ってきました。練習の中で、子どもたちの「諦めないで頑張る!」というメンタルは鍛えられてきましたが、走力もしっかりと成長していたことが分かりました。でも、ブランクがあった園児たちも、今の自分の最高の力を出してくれました。あっぱれ!です。

 

つな引き・玉入れは、運動会の定番競技ですが、保育園の園児にとっては、そんなに簡単なことではありません。それでも、楽しみながら「チームのために頑張る!」気持ちが伝わってきました。つな引き1勝1敗後の3本目の決勝戦では、赤組がバランスを崩して多くの園児が転倒してしまいましたが、誰一人泣かずに立ち上がりました。あっぱれ!です。

 

そして、親子競技で事件が発生しました。「勇気りんりん」という競技で、ゲゲゲの鬼太郎・ネズミ男・ぬりかべ・いったんもめんの4人の妖怪が、親子の行く手を阻みます。パパママが子どもをおんぶして走り抜けるのですが、ゴールの手前で、3人のパパが前のめりに転倒するという、まるで妖怪にとりつかれたと思える、大ハプニングです。しかし、転びながらもパパは、背中の子どもを守っていました。すり傷はあったものの、転倒した園児たちも元気に競技を続けることができました。あっぱれ!です。

 

どうしても、子どもにいいところを見せようと、頑張ってしまうパパの気持ちは、私はよくわかります。それが、親心というものですね。波乱の前半戦が終わり、いよいよ競技は後半戦に突入します。

 

つづきはあした・・・

2023年

10月

20日

カフェで仕事はアリ?ナシ?

いよいよ明日は、運動会です。まずは、天気の心配をしないのがうれしいですね。気温は低めですが、「寒~い!」にはならないようです。そして、インフルエンザの感染拡大で、ここ数日冷や冷やしましたが、これも新規感染者がなかったので、ホッとしています。

 

「勝ちにこだわる!」「楽しく頑張ってくれればいい」と、保護者の子どもへの期待は様々です。保育園では、寺子屋園児に対して、「勝ち負けでなく最後まで諦めないで頑張った人が一番かっこいい」と言い続けていますので、我が子の頑張る姿には、大いに期待していただければと思っています。ちびちゃんたちは、パパママと楽しんでもらえれば、それで良しです。「楽しく頑張る!」を目指します。

 

さて、運動会とは全く関係のない話です。あなたは、カフェで仕事をしますか?最近のカフェチェーン店のカウンター席には、電源が当たり前のようにあって、そこで、仕事や勉強する人が多いですね。私が、営業マンとして外出する際には、池袋ではこの店、新宿ではこの店と、仕事ができるカフェやファーストフードショップを決めていました。10年以上前ですので、今のように、電源当たり前でもなかったですね。

 

そもそもカフェには2つの役割があります。まずは、飲食の場所を提供するという「基本性能」。そして、「付加価値」です。付加価値は、人によって様々ですが、こだわりコーヒー・居心地のいい空間・レトロな雰囲気・選曲がいい・・・そして、最近では仕事ができる機能があるかどうかです。

 

私の場合は、会社で残業してダラダラ仕事をする姿をさらすことが、カッコ悪いと思っていたので、いろいろな場所でノートパソコンを開けていました。電車の中でも、膝の上でお仕事です。出張の際、新幹線は長時間乗っているのでとても役に立ちました。ただし、東海道新幹線だけは、微妙に揺れる振動で、時々気分が悪くなってしまいます。(笑)

 

カフェでも電車の中でも、ほどよい雑音があるのがいいですね。逆に集中できます。不意に聞こえた隣に座る人のキーワードから企画のアイデアが生まれることだってあります。

 

他人がいるほどよい緊張感、いつもと違う机に座る非日常感、おいしいコーヒー、職場の蛍光灯の下とは違うひと時は、やはり仕事の効率が上がりますね。

 

みなさんは、カフェで仕事をしていますか。私は、お勧めです。(笑)

2023年

10月

19日

学徒出陣80年

今日は、西文ひろばでの最後の練習です。9月の秋まつりが終わってから、寺子屋園児は、毎日のように練習を続けてきました。子どもたち一人一人が、それぞれ頑張ってきたのですが、明後日の運動会本番では、必ず、その努力の成果が表れます。勝った負けたではなく、どれだけ頑張ったか・・・この単純な、しかし厳しい課題に、子どもたちは取り組んできたのです。運動会が楽しみですね。 

 

さて、太平洋戦争中に、学業半ばの学生が戦場に送られた「学徒出陣」から、今年で80年を迎えます。80年前の1943年10月に、理工系などを除く20歳以上の学生・生徒が、東京の明治神宮外苑で学徒出陣の壮行会が行われたのです。

 

現在100歳の茶道家の男性は、「気持ちは高ぶっていたが、心の中では戦争というものを呪っていた」と言います。よく、テレビドラマなどで、徴兵が決まった人に対して、なんとも複雑な表情で「おめでとうございます」というセリフを見ることがあります。現代の俳優が演じるので、心とは反対のことを言う「おめでとう」の演技ですが、当時は、お国のために、心から「おめでとうございます」と言っていたかもしれません。

 

茶道家の男性は、特攻隊の隊員となったそうです。ある日、隊員たちにお茶を振る舞うと、一人が「生きて帰ってきたら、お前んとこの茶室で飲ませてくれよ」と言ったそうです。「その瞬間、突き落とされそうになった。ああ、もう生きて帰れへんのやと」と男性は思ったそうです。男性は、出撃せずに終戦を迎えたそうですが、多くの仲間が戦死します。「今ここで元気で話していたのが、出て行って亡くなる。運命は紙一重だとしみじみ思いました」と語ります。

 

明治神宮での壮行会では、学生代表の答辞が「もとより生還を期せず」と読み上げます。お国のためなら、生きて帰る気持ちなどありません・・・現代の私たちは、「なんてことを!」となりますね。

 

学徒出陣は、出征した学徒の総数や戦死者の数など、不明な点が多いそうです。1943年に入隊した学徒の数も、5万人から10万人まで諸説あるそうです。最近の調査では、学徒の数は6万人と検証されています。こう考えれると、戦争によって、明日の日本を担う多くの若者が犠牲になったとも言えます。国益へのマイナスが大きかったですね。

 

私たち戦争を知らない世代は、どうしても「戦争を行う必要があったのか?どうして、戦争など愚かなことに日本は参入したのか」と、ほぼ100%の人が、そう思います。

 

ただし、私たちが、もし1943年に20歳前後の年齢であったとしたら、「自分たちはまだ学生だけど、戦争に行くのは当然だ。国のために命だって捧げる覚悟ができている」という考えになっているのかもしれません。

 

戦争を考えるときは、今の私たちがいる現代の価値観だけで語ることはできませんね。「何で、自分の大切な命を無駄にするんだ!」なんて考えるのは、現代の価値観でのモノサシに過ぎないのです。なんだか、考えれば考えるほど難しくなってきますが、私たちがこれからの世界をどうするかは、今のモノサシ、つまり「戦争は絶対にしてはならない」を訴えていくだけです。

2023年

10月

18日

手帳で自分と向き合う

今日は、西文ひろばで、初めて「玉入れ」の練習をしました。今日は、最後の全体練習です。ちびちゃんたちは、お兄さん、お姉さんに手を引かれて、頑張って入場練習です。じっと立っていられなくて、砂遊びも始まってしまいますが、運動会当日は、パパママなしで、入場できれば100点です。(笑)

 

さて、書店などで、来年の手帳が並び始めましたね。最近では、1月スタートの手帳だけでなく、新年度となる4月スタートの手帳も充実しています。手帳の需要は、年2回が当たり前になってきました。

 

パソコンやスマートフォンの普及に伴い手帳の売上は減少した時期もあったようですが、最近では、横ばい傾向で推移しているそうです。コロナ禍や働き方改革を機に、自分の時間が増え、自分と向き合うのに役立つ手帳が人気になっているとのことです。

 

自分と向き合うのに役立つ手帳とは・・・予定を書き込むだけでなく、「決めたことはやりきろう」などと自らの目標を書き込み、月の終わりに達成できたかを振り返るようなフォームになっていたり、文字を書くだけでなくシールを張ったりスタンプを押したりしする「手帳デコレーション」も人気だそうです。日々の作業を楽しむ感じですね。

 

手帳の余白は心の余裕・・・と考えて、日々のことを書き留めていくのに、「毎日書かなければいけない」という意識を持たないで気軽に使い始められるのも、手帳のいいところですね。

 

私が、20代の頃に、「システム手帳」という単行本くらいの大きさで、ルーズリーフになっていて、自分が欲しいシートを編集できる、自分オリジナルの手帳が流行しました。カバンに入れると、本1冊分の重さです。当時、ある先輩が、システム手帳を素敵な巾着袋に入れて、大切にカバンにしまう姿を見て、「手帳を大事にする人は、仕事もできる」と思ったものです。

 

保育園の連絡ノートには、毎日保護者のイラスト入りのコメントがあったり、実にアナログですが、子どものことを愛する親の気持ちがにじみ出ています。思わず、読んでいてほっこりしますね。

 

スケジュール管理は、スマホに任せるとして、自分の手帳を自分と向き合うために持っていたいですね。

2023年

10月

17日

神無月

谷村新司さんが亡くなりました。保育園では、朝からアリスの曲が流れています。子どもたちは、昭和の曲に「これは誰の歌?」と不思議顔です。私が中学生の時に、アリスにはまりました。コンサートにもよく行って、印象に残っているのは、演奏よりも、谷村新司さんのトークです。かつて、人気深夜ラジオのDJもしていたのですから、お話も抜群に上手です。心より、ご冥福をお祈りいたします。

 

今日は、寺子屋園児と0~2歳児の合同練習の予定でしたが、インフルエンザ感染拡大もあって、屋上遊びで楽しむことにしました。ただし、本日は新規感染の園児はありませんでした。現在休んでいる園児も運動会には間に合うので、綱渡りですが、運動会当日は、全員集合となって欲しいですね。 

 

さて、10月は、すっかり運動会シーズンと31日のハロウィーンがメインの月という印象が強いですが、旧暦では「神無月(かんなづき)」と言います。神がいない月と言われています。その理由は、日本は昔から八百万の神(やおよろずのかみ)といって、いろいろな神様がたくさんいると考えられていました。10月は、出雲大社のお祭りに日本中の神様が集まるので、出雲大社以外の場所には神様がいなくなるからです。出雲地方では、逆に10月を「神在月」と言われていました。ここまでは、たいがいの人がご存じのことかと思います。私も知っていました。

 

また、もう一つの説は、「無」は、昔は「の」という意味でつかわれていました。神無月は「神の月」という意味でもあります。10月に近所の神社、例えば埼玉県大宮の「氷川神社」にお参りに行ったとき、神様がいないのではないか?と思われるでしょうが、「神の月」と考えると、大丈夫ですね。また、神様は体が一つだけでなく、その分身がちゃんと自分の神社に残っているという考えもあるそうです。もともと、神話というものは、つじつまが合わないし、そこを突っ込んではいけませんね。(笑)

 

出雲大社で行われる「神在祭(かみありさい)」は、旧暦の10月11日から行われます。2023年の暦に合わせると、実は10月ではなく11月23日となるそうです。出雲大社の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の元に、全国から神々が集まるのですが、そこでは「神様の会議」が行われるのです。これを「神議り(かむはかり)」と言います。ここでの議題は、「すべてのもの縁を結びつける」です。

 

出雲大社が縁結びの神様と言われるように、「男女の縁」。そして、人と人との縁、仕事の縁、お金の縁・・・など、具体的には、誰と誰を結婚させようとか話し合っていたようです。面白いですね。

 

ただし、日本中の神様が、出雲大社に集まると言いましたが、唯一、欠席を許された神様がいます。誰だと思いますか・・・それは、伊勢神宮の「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」です。

 

はい。酔った席の「うんちく」にご利用ください。

2023年

10月

16日

令和の名将

今日の富士山を見ましたか。1/3ほど雪で真っ白になっていました。雪化粧を施しています。富士山の初雪はすでに観測されていますが、この雪は、春まで溶けないでいるのでしょう。空気の澄んだ冬の富士山を、屋上からたくさん愛でることができそうです。だだし、子どもたちは、大人が思うほど富士山への感動はありませんが・・・(笑)

 

保育園では、寺子屋園児を中心に、インフルエンザAが広まっています。コロナ前は、12月のクリスマス発表会のタイミングで感染してしまった園児がありましたが、まさかの運動会シーズンでの流行です。現在休んでいる園児は、運動会に間に合いますが、今日から誰一人も感染拡大がないことを願うばかりです。

 

さて、昨夜のドラマ、「下剋上球児」をみましたか。野球モノには、目がない私は、当然のように見入っていました。このドラマの原案は、「下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル」という、2018年夏の甲子園に初出場した白山高校の足跡を記したノンフィクションです。ドラマは、これを参考に企画されたフィクションですが、来週以降の展開が、早くも気になる熱いドラマになりそうです。このドラマでの主人公は、もちろん高校生たちですが、キーマンは間違いなく「監督」です。

 

今日は、阪神タイガースを18年ぶりにリーグ優勝に導いた「岡田監督」の手腕について考えます。選手時代は、あの有名な1985年巨人戦槇原投手からのバックスクリーン3連発ですね。バース、掛布と打って、次は岡田がもしかして・・・という期待に見事こたえた岡田選手は、「決めるときは決める人」という印象が強いですね。

 

風貌は、決してイケメンでもないし、華があるタイプではない(失礼)ばかりか、典型的な昭和の頑固おやじをイメージします。しかし、選手起用に際しての決断力は早いし、選手の気持ちを乗せて、モチベーションを上げることにおいて、抜群のリーダーシップを発揮させるのです。

 

「優勝」という言葉を使わないで「アレ」と表現するところは、演出家でもありますね。時代の流れや変化をしっかりと読める人です。圧倒的な勝率・ゲーム差で優勝しておきながら、阪神の個人の成績では、ホームラン王も打点王も首位打者もいません。まさに、令和の名将岡田監督の采配で優勝をつかんだのです。

 

具体的には、様々な要因がありますが、佐藤選手はじめ、Z世代を令和流のやり方で鍛え上げて、令和流のやり方で勝っていく手腕が抜群です。昭和バリバリ世代の岡田監督ですが、自分が選手時代だった、昭和のやり方を封印したのが、注目すべき点ですね。

 

ドラマの「下剋上球児」も、監督がいかに、部員たちを変えていくのか・・・楽しみですね。

2023年

10月

15日

花火に世界遺産

昨日は保育園を終わると、さいたま市政令指定都市20周年花火大会に出かけました。自宅からすぐ近くの荒川土手で見学です。

 

実はこの日、保育園の園児に、間違った情報を流してしまいました。「今回の花火には、4尺玉が打ち上げられるんだぞ!」と言って、身長120センチ弱の園児を「お姫様抱っこ」して、(男の子ですが・・・)「このくらい長く大きな大砲みたいな花火が打ちあがるんだぞ!」と、派手に語ってしまいました。それを聞いた小3女子は、「この前、おばあちゃんのところで、4尺玉見たよ!」と言います。先日の埼玉県鴻巣市の花火大会を見たようです。全国では、鴻巣と秋田県の大曲の花火大会の2か所で、4尺玉が打ち上げられています。

 

そして、いよいよさいたま市でも・・・と私が勝手に勘違いしていました。さいたま市花火大会では、「尺玉」花火が打ち上げられました。1尺の10号花火です。夜8時までの花火でしたので、最後の花火を「あれは4尺だったかな?でも、ちょっと小さいような気がするなぁ~」と不完全燃焼していた私です。しかし、今回の花火大会のもう一つの目玉は、「ドローンショー」です。500機のドローンが、秋の澄んだ夜空で様々なパフォーマンスを繰り広げます。その後ろに花火が打ち上る光景は、これからの花火大会の新たなスタイルになっていくのでしょう。

 

昨夜は、花火だけではありません。花火が終わると、荒川を渡って、隣の川越へ移動します。そうです。世界文化遺産の「川越まつり」を観たのです。コロナ禍は中止が続き、昨年は、掛け声禁止の制限付きの開催となっていた「川越まつり」に、いよいよ、かつての賑わいが戻ったのです。

 

川越まつりの最大の見どころの一つが、「曳っかわせ(ひっかわせ)」です。山車(だし)が、他の山車とすれ違う時、山車の正面を向けて、町どうしの挨拶として「曳っかわせ」を行うのです。

 

私は、札ノ辻(ふだのつじ)の交差点で、4基の山車が、曳っかわせをするシーンに見入っていました。何度も川越まつりを観ていますが、4基が一堂に会するのは初めてです。そこでは、太鼓や笛のお囃子が響き、おかめ・ひょっとこのお面をかぶった踊り手が、巧みに手足を動かし踊ります。そして、交差点の中央に、各町の提灯を持った若者たちが集まり、「やっ~!」と大きな掛け声で盛り上げるのです。私が見た4基の中に、「牛若丸」と「弁慶」の山車があり、まさに、迫力満点の演出を味わうことができました。

 

歩いていると、各町の起点があって、そこには、テーブルに酒と料理が用意されていて、これから宴会が始まるという感じでした。こうして、祭りを通じて、人と人がつながっているシーンを垣間見たのです。川越は、小江戸といわれる城下町で観光地です。観光産業にかかわる人だけでなく、一般の住民や「さつまいも」で有名な農家の方もたくさんいます。そんな多様な職業の人たちが、祭りで結ばれるのです。

 

「曳っかわせ」の興奮と感動がなかなか冷めない、昨日の素敵な夜でした。

2023年

10月

14日

校歌は体の一部

今日は、小学生が5人も集合しました。小学校5年の男の子は、俳句の課題がでたそうです。もちろん、字余りでもOKの子どもバージョンです。彼が好きな言葉が、「電車」と「保育園」なので、保育園で一句考えたそうです。

 

「保育園 いつも俺らの 居場所だよ」・・・どうですか。小5になっても、保育園を大切な場所と思ってくれて、うれしいじゃありませんか。

 

さて、今日は私が大好きな「チューリップ」の財津和夫さんの話です。はい。バリバリの昭和世代です。現在、50周年記念アンコールツアーを行っています。財津さんの著書に「じじぃは蜜の味」があるのですが、自分のことを「じじぃ」と呼んでいます。(笑)

 

「私は校歌が体の一部のような存在だと考えています。大げさですが、宝物のように大切にしています。ほかの歌とは違い、校歌はとても珍しい特徴があります。それは、個人の好みや流行にかかわらず、「その学校に通っている」という理由で歌うことになるということです。校歌というのは、同じ時間や空間を共有した証になります。

 

校歌は思い出と結び付く力を持っています。友達や勉強、中には叱られたことなども、学校生活の記憶として強くつながります。そして、卒業式で歌う時は「友だちと別れるのだな」とか「この学校に通うことはないのだな」とか感慨深く、しみじみとしたものになり、校歌はその人にとって格別に大切な歌になるのです。大人になって、改めて歌詞を読み直してみると、その意味を理解でき、あたらな発見があるかもしれません。校歌に限らず、一つの歌を一緒に歌うということには、人と人とを強く結ぶ効果があります。その人たちの間に音楽があるということは、とても素晴らしいことです」

 

どうですか・・・ミュージシャン財津和夫さんの校歌への想いです。私も、時々中学高校時代の校歌と応援歌を口ずさみます。応援歌は、母校が2回甲子園に出場した時に、アルプススタンドから何度も歌いました。

 

あなたにとって、校歌は体の一部になっていますか。

2023年

10月

13日

父親が運動会でケガ12%

本日初めて体操教室に参加した年少の新人園児・・・最初は、張り切って頑張っていましたが、今日のサーキットトレーニングは、かなりハードだったので、最後はバテバテでした。でも、笑顔で「楽しかった!」です。そして、周りの園児がよくフォローしてくれました。うれしいですね。

 

秋の運動会シーズンを迎えました。ホワイトきゃんばすの卒園児の小学校も10月に入って、次々と運動会を頑張っています。コロナ禍では、保護者の応援は一人だけなど、観客制限があったようですが、今年はそれもなくなりました。ただし、さいたま市の小学校では、午前中だけのプログラムで、各学年2種目程度になっているようです。ホワイトきゃんばすの寺子屋園児は、10種目中8種目の競技に出るので、もう、ずっと出ている感じですもで、保護者にとっては、応援のしがいがあるのです。

 

さて、オムロンのヘルスケアが父親世代に行ったアンケートで、運動会に参加し、ケガをした人が12%に上がったという驚きのデータが公表されました。9月に幼稚園、保育園から小学校3年までの子どもがいて、運動会の競技に参加した経験がある30~50歳代の父親約1000人にアンケートを行った内容です。

 

ケガをしたことがあるのは12%ですが、内訳は「転倒」が最多の53%で、「すり傷・切り傷」が50%と続き、「肉離れ」20%、「骨折」という深刻なケガが6%です。

 

転倒や負傷の理由として思い当たるのは「想像していたほど体が動かなかった」が70%と最も多く、「はりきりすぎた」31%、「他の参加者に圧倒された」23%という回答だったようです。

 

ケガをしないために、気をつけたいことは?の設問では、「準備運動をする」が54%で最多。「はりきりすぎない」が48%、「日頃から運動習慣をつける」も42%という回答です。

 

このアンケートから、「運動不足を実感しながらも、我が子に頑張る姿を見せたい」という父親心理が見て取れますね。私がまだ30代の頃、我が子の前で、地域の運動会のリレー選手に抜擢されました。足に自信があった私は、4位でバトンをもらうと、3人ごぼう抜きでトップに立つというシナリオを妄想していたのですが、とんでもありません。みんな速くて、一人も抜けないまま「パパ足速くないじゃん」と娘に言われた記憶がよみがえります。そして、翌日は見事に筋肉痛です。リレーに出るパパは、誰しも足に自信があるからですね。(笑)

 

保育園ホワイトきゃんばすの運動会では、親子競技があります。パパママが我が子を抱きかかえて、妖怪の攻撃をかいくぐって生還するレースです。子どもと一緒に、勝ってゴールを目指す気持ちは理解できますが、くれぐれも無理をしないで楽しんで欲しいです。

 

過去には、張り切りパパママの絵に描いたような「大転倒」がありました。大けがにはつながらなかったですが、今年は、「無理をしないで!」と声をかけるとします。(笑)

2023年

10月

12日

強くなった日本のスポーツ

今日は、雲一つない青空でした。運動会本番も、こんな天気になるとうれしいですね。寺子屋園児とちびちゃんたちとの合同練習を行いました。ちびちゃんたちは、広いグランドを走り回って大はしゃぎです。練習は、「入場行進」と「開会式」です。そして、ちびちゃんたちの「みんな元気によ~いドン!」は、かけっこです。毎年、走り抜ける園児と全く動かない園児が対照的なレースです。そして、ダンス「まわせ!まわせ!」では、キラキラのリストバンドを着けて舞う子どもたちです。

 

来週末になった運動会・・・全体練習が始まると、「いよいよ運動会だ!」と子どもたちも実感するようです。

 

さて、ここ数年、日本のスポーツがとても強くなったと感じませんか。私が、日本人が世界で通用することを衝撃的に覚えているのが、野茂英雄投手です。トルネード投法から繰り出すストレートとフォークボールで、バリバリの大リーガーたちをバッタバッタと三振に追い込んだのです。1995年の当時は、日本人が大リーグで「通用するはずがない」と言われた時代です。彼が日本スポーツの鎖国を解いたと言っても過言ではありません。

 

テニスの錦織選手も凄かったですね。2014年には全米オープン準優勝、世界ランク4位につけました。彼は、13歳でテニス留学で渡米します。そして、17歳という若さでプロに転向したのです。体は、決して大きくありません。

 

スポーツジャーナリストの二宮さんは、日本スポーツ躍進の原動力は、「代表ブーム」と「国際化」と言います。

 

これまで、「全日本」とか「ジャパン」と呼ばれることが多かったナショナルチームが『日本代表』の呼称に統一されていき、代表の価値がどんどん高まってきました。野球の「侍ジャパン」女子サッカーの「なでしこジャパン」などの愛称で呼ばれるようになり、選手たちは、今まで以上に代表入りと代表での活躍を本気で目指すようになったのです。

 

もう一つの「国際化」については、先ほど挙げた、野茂・錦織といったトップ選手が、海外で活躍するようになります。大リーグで活躍する日本人は、投手野手問わず増え続け、ついに大谷選手は、二刀流&ホームラン王にまでなったのです。

 

サッカーでは、1991年に日本初のプロリーグJリーグが発足してから、目まぐるしく国際化が進んでいます。ワールドカップ初出場を果たした1998年は代表全員が国内組でしたが、前回の2022年大会では、代表26人中19人が海外チームに所属する選手でした。そう考えると、ドイツやスペインに勝ったことも不思議ではありませんね。

 

ラグビーのように、海外からの指導者の力も大きかったですね。2012年にオーストラリア出身のエディ・ジョーンズヘッドコーチは、南アフリカを破る大金星を成し遂げ、後任のジェイミー・ジョセフは、前回のワールドカップで日本代表を初めて8強に導いたのです。バスケットボールのトム・ホーバスヘッドコーチも、女子を東京オリンピックで銀メダル。男子を自力での五輪代表に導きました。世界レベルを知る指導者が、世界で勝つために必要なものを明確な戦術として授けたからです。

 

でも、ちょっと待ってください。世界でプレーして、世界レベルの指導者を呼んでくる。それだけではないような気がしませんか。そうです。最近の日本代表は、楽しんで勝っているように見えますね。

 

日本のスポーツの風土が変わりつつあると言います。体育会的な上下関係が変化しています。選手として活躍した日本人がそのまま指導者になると、選手時代の上下関係に引きずられやすいといいます。選手はコーチに自由に意見できないこともあります。また、行き過ぎた勝利至上主義にも歯止めがかかってきました。2022年に柔道の小学生全国大会が廃止されたのも勝利至上主義への懸念からです。

 

「勝利だけを求めると選別につながり、選ばれない子はおもしろくなくて、やめていってしまいます。競技人口の裾野が狭くなります。スポーツはそもそも楽しむものだし、生涯スポーツとして続けられる風土があってこそ、突出した選手が出てくるのです」と、あるアスリートは語ります。スケードボード競技などは、勝っても負けても褒め合い、慰め合うシーンが当たり前ですね。先日のブログで紹介した、少年野球の辻監督などは、まさに「楽しんで勝つ」を実践しているのです。

 

これから、日本は本格的な人口減少期に突入します。様々なスポーツで、日本が活躍するには、「楽しむ」がキーワードのような気がします。

2023年

10月

11日

影武者

今日の運動会の練習では、西文ひろばの土の上で、はだしになって組体操の練習をしました。子どもたちからは、「小石が足に食い込んで痛いよ!」と文句が出ると思いきや、みんな楽しく走り回っていました。「はだしは気持ちいいね」なんて言っています。ピラミッドでは、上に立つ園児全員が成功するかは、本番の運次第です。でも、きっと子どもたちは、その運を呼び寄せてくれることでしょう。

 

さて、「影武者」というと、どんなことを思い浮かべますか。ロシアのプーチン大統領には影武者がいるとうわさされていますが、現代社会での大統領や総理大臣には影武者はなく、きちんとSPが守るというのが普通です。少し古いですが、黒澤明監督の映画「影武者」は、武田信玄が狙撃されたにもかかわらず、信玄にそっくりの者を影武者として、本物の信玄の死を3年隠すストーリーでした。

 

実は、日本の戦国武将には、影武者が居たという史料が残されています。武田信玄は、同じ出(い)で立ちの者が3人か4人ずつ、進軍の時も同じような馬に4人とも、いかにも目立たぬように配置していたそうです。よって、武田信玄は、死の危険を三度までも逃れたと言われています。

 

また、信玄のライバルであった、越後の上杉謙信は、一日一日、出で立ちを変えたそうです。用心深い謙信は、時には、一日のうちに二度三度、武者ぶりをかえていたようです。

 

このように、大将ともなると、自分の死がどれほどのダメージになるかを理解しているで、今の言い方では、最大のリスク回避をしていたのです。一方、そうでない武将もいます。大河ドラマ「どうする家康」で、イケメン俳優の板垣李光人(いたがきりひと)さんが演じる井伊直政は徳川四天王の一人に数えられていますが、まったく対照的で、よく家臣から叱られたそうです。

 

「信玄も謙信も決して臆病ではありません。大将とは命を全うして本望を遂げるものです。ですのに、直政様は、いつも同じ出で立ちで紛れもない(バレバレ)です。大将は余り人の目につく出で立ちはなされないものです」

 

家臣の不安は的中します。直政は関ヶ原の合戦で家臣をおいて単騎で島津勢を追撃。目立つ鎧姿を狙撃され、その鉄砲傷がもとで2年後に死亡しました。

 

「俺が俺が・・・」タイプのトップではなく、いかに組織のことを考え、組織の継続を考えることができる者が、トップの器にふさわしいというのが、歴史から学ぶことなのかもしれませんね。

 

あなたが組織のリーダーなら、どんなタイプですか。また、あなたの組織のリーダーはどんなタイプですか。もちろん、「リーダーたる者」の考えはいろいろあっていいのです。今日は、少しだけ、あなたが思う最適のリーダーを考えてみませんか。

2023年

10月

10日

再び笑い合えるために

先日の秋まつりのゲーム屋さんでは、子どもたちが、妖怪たちの的に球を投げて、見事、的を倒したら景品というゲームだったのですが、思いのほか、ボール投げが苦手な子が多かったですね。

 

そこで、今日の寺子屋では、「ボールを投げる」練習をしました。まずは、大谷投手を思い出してください。彼は右投げですので、最初は、顔もお腹も3塁を向いています。そこから、ひねるようにして、腕を頭の後ろから投げ下ろして、ホームへ剛速球を投げます。投げ方の基本は、大谷選手も子どもたちも同じです。バッティングホームは、個性色々でいいのですが、投げ方は、基本ができていないとうまくいかないのです。

 

いつもパパとキャッチボールをしている5歳男の子は、園長と普通にキャッチボールができますが、他の園児は、これからじっくりと上達させます。自由時間に、なるべく園長がキャッチボールをしながら、鍛えていきます。

 

さて、私の中学・高校時代の同期が、母校の中学校校長をしています。今日は、彼の話を紹介します。彼は、水泳部の部長をしていました。私も小学生の頃に、スイミングスクールに通っていたので、中2の臨海学校では、彼と同じ「上級クラス」でした。(自慢です)しかし、彼のスピードには、全く歯が立たなかった思い出が残っています。(笑)

 

『新型コロナウイルス感染症も5類に移行し、学校生活も従来に近い形で運営できるようになりました。1学期は体育大会、修学旅行も無地に終えることができました。そんな中で、マスク着用は個人の判断となりましたが、私の担当する中学1年生の多くは、マスクを着けたまま授業を受けています。ずっとマスクを着けてきたので、素顔を見られたくないという考えの子もいるようです。「素顔」を「本当の自分」と置き換えると、自分を出したくない、恥ずかしい、出さないほうがラク。そう解釈することもできます。人と人との関係がマスクによって少し遠くなった、私の思いは正しく伝わっているのだろうか、授業をしていてもそんな思いを抱えていました。

 

そこで、私は、授業中はなるべくマスクを外して話をするようにしています。マスクを外したほうが、私の精一杯の笑顔も思いも伝わるだろうと考えたからです。授業やコミュニケーションをとる上で、表情は大切です。笑顔は顔全体で表すほうがより伝わりやすいでしょう。「Re Smile」あの頃と同じ笑顔に戻れるように、希望を持ち続けて、生徒と生活をしています』

 

ということで、彼は、とても強面(こわもて)ですが、マスクなしの顔で頑張っています。保育園保護者の学校の先生たちも、体調が悪い時以外は、全員マスクを外しています。どうやら、小学校、中学校では、先生たちが率先して、マスクなしの笑顔を子どもたちに見せているようです。

 

この夏は、季節外れのインフルエンザの流行もあり、子どもの感染リスクを考えてマスクを着用する機会が多かったようです。秋から冬にかけては、またマスクが増えていくことでしょう。保育園では、すでに子どもたちの笑顔が当たり前の生活です。まさに「Re Smile」ですが、小学校、中学校も、教室が子どもたちの笑顔でいっぱいになる日に、早く戻ってもらいたいですね。

2023年

10月

09日

少年野球監督 辻正人

ラグビーワールドカップの試合は、ずっと早起きして観ていましたが、昨日の決勝トーナメント進出がかかったアルゼンチン戦は、昼の試合で、日本ではゴールデンタイムでした。結果は、負けてしまいましたが、観ている私たちも納得の試合です。やれるだけのことをしたけど、相手が少しだけ強かったという結果です。まだ、日本のラグビーは伸びしろがあるということです。日本代表のメンバーに感謝とお疲れ様ですね。

 

さて、今日は、少年野球監督「辻正人」さんの話です。先日のNHKプロフェッショナルで放映されました。彼は、公務員をしながら20歳の時に、地元滋賀県多賀町に「多賀少年野球クラブ」を創設します。すでに指導歴35年です。今では、県外からも多くの少年たちが、このチームに集まって来るそうです。

 

「多賀少年野球クラブ」の実績は素晴らしく、少年野球の2大大会である「マクドナルド・トーナメント」と「全国スポーツ少年軟式野球交流大会」で、計3度の日本一となっています。それを導いたのが辻監督です。

 

彼は、少年野球クラブの設立時から「勝つ野球」に取り組みます。「勝つための練習」「勝つための技術」にこだわります。チームは、常勝を続けるのですが、クラブの人数は、なかなか増えなかったそうです。

 

辻監督は、「勝つためのチーム作り」でいいのか?と自問自答します。そして、出した結論が、「子どもたちが野球を楽しむこと」でした。練習方法も変えます。森の中の切り株や倒れた丸太の上でキャッチボールをしたり、「ヒットを打って一塁ベースをまわるシーン」をイメージ練習させたりします。最初は、恥ずかしそうにガッツポーズをする子どもたちが、どんどん大げさなパフォーマンスになっていき、楽しんでいるのです。

 

極めつけは、全国大会の試合中に、ノーサインで試合を行っているのです。えっ!?野球でノーサインってどうゆうこと?と思った方も多いでしょう。辻監督のノーサインは、「勝手にやっていいよ!」ではなく「次の手をどうするかは、自分たちで考えなさい」という野球です。そうすると、小学生が「ここの場面では○○が、一番有効だ」と考えて、自分たちが考えた作戦を実行するのです。もちろん、監督の判断のレベルではないので、失敗することだってあります。しかし、辻監督は、それが子どもたちの成長につながると確信するのです。

 

多賀少年野球クラブからは、30人以上の甲子園球児が活躍してきました。「考える野球」の申し子ですね。東北楽天イーグルスの則本投手もこのクラブの出身です。

 

「楽しんで勝つ」・・・保育園の子どもたちを見ていると、何に取り組もうが、やっぱり楽しむことが、とっかかりです。子どもたちの「楽しい!」を伸ばすことが、私たち大人の役割であることを辻監督から、あらためて教わったような気がします。

2023年

10月

08日

アントニオ猪木をさがして

昨日は保育園が終わると、一人、映画「アントニオ猪木をさがして」を観てきました。昨年10月1日に猪木が亡くなって、1年が過ぎましたが、映画館には、私のようなおやじ世代が集まっていました。女性客もカップルもゼロです。(笑)

 

猪木の映画ですので、1つのテーマに絞ることができません。プロレスラー猪木の他にも、彼が歩んできた人生は、あまりにも多様すぎるからです。試合で見せるあの研ぎ澄まされた「目」力から、怖くて近寄りがたいイメージがありますが、猪木は「ダジャレおやじ」でもあります。(笑)長く、付き人をしていた藤原喜明が語ります。

 

映画では、猪木を語るには、なんでこの人が登場しないの?という構成です。長州も前田も武藤も古舘伊知郎も出てきません。猪木を語るをテーマにすれば、それだけで1本の映画ができてしまうからです。

 

この映画の見どころは、猪木VS棚橋・オカダです。猪木のプロレスは、今日の観客がおやじだらけだったように、男性が熱くなったプロレスです。猪木は新日本プロレスを去った後に、まるで、新日本プロレスに喝!を入れるがごとく、格闘技団体を立ち上げていきます。新日本プロレスは、窮地に追い込まれます。その時に、新日本プロレスを支えたのが、棚橋選手です。金髪、長髪でチャラチャラしていてイケメンで、女性ファンが会場に足を運ぶようになりました。現在のトップ、オカダカズチカ選手もしかりです。アントニオ猪木が「ストロングプロレスの象徴とした黒のタイツ」を身に着けることなどしません。

 

棚橋選手は、新日本プロレスの道場にあった「猪木等身大写真パネル」を外します。猪木後の低迷した新日本プロレスを復興させた最大の功労者が棚橋選手ですが、彼は「脱猪木」を行ったのです。しかし、これは「反猪木」ではありません。棚橋選手もオカダカズチカ選手も猪木を最大限にリスペクトしているのです。

 

猪木と同じ世代で戦っていたレスラーなら、間違いなく猪木を「神」と仰ぎ、誰もが予想できるコメントが続くことでしょう。しかし、この映画では、あえて、猪木が引退した後に新日本を支えた棚橋とオカダカズチカにスポットを当てるのです。

 

でも、棚橋が何百回も繰り返し見たのが、晩年衰えた猪木が、ビックバンベイダーというものすごく強いレスラーとの試合です。ベイダーに投げっぱなしのジャーマンスープレックスで、猪木は首からマットに落ちます。「死んだ!」と思うようなシーンです。猪木ファンならずも涙が止まらないような壮絶な試合です。棚橋は「猪木さんがいなくなった後の、現在の新日本プロレスを見ていてください」と行動で訴え、オカダカズチカは「猪木さんともっと話がしたかった。今のプロレスに足りないところは何かと聞きたかった」と、東京ドームに7万人以上の観客を集めた猪木をリスペクトします。

 

「アントニオ猪木をさがして」というタイトルがとてもいいのです。それぞれのファンが、「俺の猪木愛」を持っていて、それぞれの「愛」で、猪木をさがし続けるのです。亡くなってもなおこれだけの影響力を持ち続けるアントニオ猪木・・・結局、さがすことはできないのかもしれません。

 

ということで、今日のブログは、100人に1人くらいしか理解できない内容になってしまいました。保育園の保護者の皆様には、こうして、何か熱くなるモノを持っていただけるとうれしいです。

2023年

10月

07日

秋の夜長の快眠術

年長・年中女子3人が、久々の屋上遊びで、ローラースケート(インラインスケート)を楽しんでいます。ここ数年、ローラースケートにはまるのは、男子よりも女子のほうが多いですね。しかし、今日は事件発生です。小学校4年の男子が、女子3人が気持ちよく滑っている姿に影響を受けて、大人用のローラースケートを履き始めたのです。

 

「○○君!やるのかい?」と聞くと、「俺も滑ってみる」とのこと。ただし、最初はフラフラしてろくに歩くこともできません。しかし、10分も練習すると、ゆっくりと歩けるようになりました。さすがです。土曜日の保育園は、在園児が小学生の影響を受けることが多いのですが、今日は逆でしたね。タテの関係のいいところです。

 

さて、異常なほどの夏の暑さも、ようやく落ち着いて、今朝は、「寒い!」とう感覚で目が覚めた人も多かったと思います。夏から秋を通り越して、冬になった感じです。「食欲の秋」「読書の秋」と言われますが、この秋は「快眠の秋」で心身をリカバリーしたいですね。そこで、睡眠に関する「都市伝説」をいくつか検証したいと思います。

 

①夜中に起きた時、時計を見ちゃダメってホント?

夜中に、トイレに起きてしまったとき、「いま何時だ?」とついつい時計を見てしまいますね。しかし、これを続けていると、その時間に起きやすくなってしまうそうです。朝起きるために血圧を上げていく役割をするコルチゾールというホルモン物質は時間に依存します。そのために、毎晩、夜中の2時、3時に時計を確認していると「3時に向けて血圧を上げよう」と学習し、その時間に起きるようになってしまうそうです。私も、夜中の3時に起きることが多いです。時計を見てしまっていますね。(笑)

 

②正しい「昼寝」の取り方とは?

コツが4つあるそうです。「眠くなる前に取る」(起床から6時間後くらいが目安)「昼寝は10分から15分で」(30分以上だと、夜に深い睡眠を取る分の脳波が使われてしまう)「座ったまま寝る」(横になると深い眠りになってしまう)「起きる時間を設定する」(その時間を3回唱えると、ぴったり起きられるようになる)・・・どうですか、昼寝の重要性はわかっていましたが、4つのコツが大切です。

 

③睡眠の「ゴールデンタイム」が存在する?

午後10時から午前2時までが睡眠の「ゴールデンタイム」・・・なるべくここで睡眠をというのは、俗説だそうです。寝始め3時間あたりが深い睡眠となり成長ホルモンがたくさん分泌されるというのも俗説で、成長ホルモンは時間に依存せずに「睡眠の深さに依存」するそうです。朝4時から同じように深い睡眠を取れば、成長ホルモンは出るのです。

 

④寝るときには口呼吸でなく、鼻呼吸がいい?

睡眠時に鼻呼吸であることはとても重要だそうです。鼻呼吸することで血液を冷却し、脳を冷却して温度を下げていき、深い眠りにつくのだそうです。まずは、日中に口を閉じて鼻呼吸を意識することが、睡眠時の呼吸を望ましいものにするそうです。

 

大谷選手は、1日8時間~10時間の睡眠をとることで、あのパフォーマンスを実現させています。ニューヨークの夜でも、大谷選手は、遊びに出かける他の選手を横目に、ホテルでZzz…寝ているのです。私たちはプロのアスリートではありませんが、秋の夜長は、快眠で毎日を生き生きと過ごしたいものですね。

2023年

10月

06日

「コスパ」「タイパ」の次は「ウェルパ」

今日は、「玉入れ」の練習をしました。運動会本番では、寺子屋園児と2歳児の競技ですが、園児全員でやってみました。ちびちゃんたちは、「玉」の感触を確かめながら、先輩たちのマネをして投げるのですが、まったく届きません。対照的に、年長の賢い園児は、5つまとめて投げ入れていました。

 

西文ひろばでの練習は、30メートル走やサーキットレース、紅白対抗リレーなど、競争が中心の練習ですので、「勝ちたい!」思いで、子どもたちはうずうずしているのですが、玉入れは、息抜きになったようで、大いに楽しんでいました。

 

さて、価格に見合った価値が得られるかどうかの判断基準が、コストパフォーマンスです。もう、ずいぶん前からこの言葉は「コスパがいい」などと、使われていますね。安い値段だけど、「高見え」するファッションコーディネートは、コスパがいいというわけです。

 

また、最近よく言われるようになったのが「タイパ」という言葉です。時間という資源を投下する対価として、結果的に満足する行動になっているかどうかが、タイムパフォーマンスです。いきなりサビから始まる楽曲などは、タイパがいい曲だと言われますね。

 

この「コスパ」「タイパ」のトレンドは健康にまつわるサービスにも当てはまります。最近、テレビコマーシャルでよく見る、「ちょこザップ」などは、その典型ですね。今までなら、健康な体を手に入れるためには、お金も時間もかけてスポーツジムに通うのが常識でした。これが、すきま時間にちょことでいいので安価で通えるという、コンビニジムは、まさに、従来のスポーツジムの常識からの逆転の発想ですね。

 

「コスパ」「タイパ」の価値は、今後も残り続けるものの、新たな価値概念が「ウェルパ」だそうです。「ウェル・ビーイング・パフォーマンス」とのことで、「心身が満たされ、生き生きと健康で過ごせる状態」を言います。つまり、自分の行動や購入する商品・サービスが、自分自身や社会のためになっているか。つまり、ウェル・ビーイングな状態になれるかどうかが、消費者の意識や行動の重要な評価軸になるというわけです。

 

「ウェルパ」を考えるうえで、カギになるのが「時間の概念」です。「人々の関心の先は、富から時間へシフトする」と考えます。富裕層でなくても、グッチのバッグをレンタルすることができるし、カーシェアリングでベンツにも乗れます。外見上での見分けがつきにくくなりました。でも時間は、すべての人に平等に与えられた資源です。その時間すら忘れて没入できる体験にどれだけ費やせるかに価値を見いだす流れです。

 

この考えで行くと、海外リゾートで過ごす1週間と自宅で大好きなガンダムのプラモデル作りに1日没頭することも、ウェルパ的には、同じ価値というわけです。

 

「自分のための時間を増やす」ことに、価値の軸が移りつつあるというのです。これは、自己中心的な時間の使い方ではなく、ボランティア活動だって、自分のための時間と考えることができますね。

 

さぁ~これからは、自分の時間軸をどう考えるか?・・・ピンときましたか。

2023年

10月

05日

弱者の戦略

今週最後の西文ひろばでの運動会の練習です。より細かい内容を注意しながら進めます。紅白対抗リレーでは、「チームのために最後まで諦めない」「転んでも泣かないで走る」など、精神的なことをたたき込んできましたが、今日は、「バトンの渡し方」「大まわりしないで、ラインの横を走る」など、技術的な練習を入れます。本番までに、両方の完成度を上げていきます。

 

さて、皆さんは小島よしおさんを知っていますか。「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」で、一世を風靡したお笑い芸人です。小島さんが芸能界で注目されるようになったのは2007年です。ずいぶん前ですね。しかし、同じ芸風は、どんどん飽きられてしまい、仕事も減っていきます。一発屋で終わってしまうのか・・・このままじゃダメだと思ったときに、「弱者の戦略」とう本に出合います。これで、視界がパッと開かれたといいます。そして、今でもテレビに出演するだけでなく、YouTube番組で小学生を相手に、配信を続けています。今では、「オッパーピー」から「インテリ」にシフトしています。

 

「弱者の戦略」は、農学博士の著者が、強者ではない動植物が生き残っていく様を書いたものです。「たとえば雑草(野草)。『打たれ強い』イメージがありますが、野草はそもそも圧倒的に競争に弱い植物だったんですね。だから強い植物が生えることができないようなコンクリートの隙間とか日蔭とか乾燥しているところを選んでいる。つまり、戦略を立てて生き延びているんです。あえて人に踏まれるようなところに生えて、種を散布するのも戦略。結構したたかなんです」と言います。

 

故野村監督が、万年Bクラスのチームを「野村再生工場」といわれるような、いくつもの戦略と戦術を繰り出して、日本一になるというイメージですね。この本のあとがきには、ダーウィンの言葉が記されています。「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは、変化できるものである」

 

強い恐竜は、氷河期という環境の変化に対応できずに、絶滅しました。ヒトは、賢い動物ですが、過去に何度も愚かな戦争を繰り返しています。自分たちの住む地球環境が、今大変な状況になった今、「変わる」ことができるか。戦争を今後も繰り返すのか。・・・これが、人間がこれからも生き残れるか否かの分岐点かもしれませんね。

 

「弱者の戦略」は、地球の動植物の話だけでなく、私たちが社会で生きていく上で、大いに参考になります。人間は、弱いってことを忘れないことです。傲慢になってはいけません。権力に溺れてもいけません。柔軟な思考で、自分自身が変化をしながら、めまぐるしく変わる世の中を渡り歩く・・・・そんなことを考えながら、生きていきたいものですね。

2023年

10月

04日

「へりくだり過ぎ」な言葉

今日は雨ですので、ダンスと組体操の練習を1回だけやると、教室内で、園児全員「ボール遊び」です。練習続きなので、こうして息抜きが必要ですね。こどもたちは、今日は「勝った負けた」で一喜一憂することなく、ボール遊びで大騒ぎです。とても楽しい時間になりました。

 

さて、日常生活の中で「かしこまりました」「○○させていただきます」と相手に言われて、「ちょっと、そんなに丁寧に言わなくてもいいのに~」と思うことはありませんか。ホテルのカウンターや企業のカスタマーセンターでのやりとりなら、それが普通なのかもしれませんが、仕事のやりとりでも、「礼儀正しい」と思って言うのでしょうが、少し「へりくだり過ぎ」かもしれませんね。

 

私も、サラリーマン時代は、営業でしたので、お客様・得意先・初対面の方などには。「へりくだり過ぎ」の言葉を当たり前に使っていました。それは、上司や先輩に指導された内容でもあり、部下や後輩にも徹底させました。

 

若者たちの間でも、LINEで「かしこまりました」と目上の人には送ることが多いです。これも、「バイト先で教わったんです」と接客マナーとして、真っ先のたたき込まれるようですね。このように丁寧な言葉遣いをすることで。カスハラ(カスタマーハラスメント)から身を守る防衛スキルにもなるというのです。

 

日本人は、いつからこうなったのでしょうか。小学校の頃からずっと、なるべく周囲に合わせ、言われたことには従う、という教育を受けてきたから・・・という見方も、当てはまるかもしれません。一概には言えませんが、欧米では、幼少の頃から自分の意見を人前で表現することを尊び、「変わった子」にはその個性を伸ばすよう周囲が後押しするイメージが強いですね。

 

スーパーのレジでは、日本の場合は機械的にマニュアルをこなす接客が美徳で、効率を求められることが多いです。行列ができても、レジの回転が速く、人の流れに寸分の無駄も許されない無言の圧力に満ちています。駅の自動改札でもたもたしていると「どけよ、ババア!」と怒鳴る人もいます。どうも、人にも自分にも優しくなれませんね。

 

アメリカのスーパーでは「あなたが着けているマフラーいいわね」とレジの人に言われた客が「これ、○○で買ったのよ」なんて会話が始まります。会話が少し長引いても、後ろに並んでいる人が不機嫌になることもありません。

 

こう考えると、日本の若者は、体制にのまれてしまうのではないか?大丈夫か?と思うでしょうが、「かしこまりました」ではなく、自分なりにアレンジして「かしこまり!」とLINEスタンプで返すしたたかさも、ちゃんと持っています。

 

欧米の真似をする必要はありません。日本のやり方で十分ですが、もう少しだけ「へりくだり過ぎ」は、見直したほうがいいのかもしれませんね。

2023年

10月

03日

義務教育学校の今

今日の寺子屋は、4つのチームに分かれて、屋上で「バッタとり大会!」を行いました。屋上のどろんこ広場は、程よく草むらになっていて、バッタが生活するにはもってこいの環境です。バッタのピークは、真夏ではなくて9月です。もちろん、10月になった今でも、オンブバッタやショウリョウバッタなどを見ることができます。バッタの観察をじっくりやりたかったのですが、20人以上の子どもたちが、草むらをぞろぞろ歩いたので、どこかに隠れてしまったようです。

 

さて、日本の一般的な学制は、小学校6年・中学校3年・高校3年・大学4年の「6・3・3・4制」です。これは、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で決まったといわれていますが、2016年に義務教育学校が制度化しました。小学校の6年間と中学校の3年間を統合した9年制となる学校です。この9年間をどう分けるかは、独自に行うことができます。

 

大きなメリットは、小学校で最上級の6年生のうちから中学生(7~9年生)と同じ校舎で学ぶので、中学進学時に環境の変化から不登校やいじめが増える「中1ギャップ」の解消につながることです。

 

もっと言えば、小学校1年生(6歳)から中学校3年(15歳)までのタテの関係が、同じ校舎の中にあることが、大きなメリットです。子どもたちが、やがて社会に出るようになると、そこには、同じ年齢や同じ学年のチームや組織など存在しません。私たち大人は、異年齢の中で、コミュニケーションをとっていくのです。

 

保育園ホワイトきゃんばすの異年齢保育の説明を見学の保護者にする時も、この話を必ずします。保育園では、年中・年長園児から後輩たちは大きな影響を受けて成長を加速させます。義務教育学校では、その幅が9年もあるので、半端ない影響力を子どもたちは受けることになります。

 

ということで、2016年度発足時には、全国で20校ほどでしたが、2023年度には200校を超えて10倍になっています。もちろん、校長が一人のために教員が多忙であることや、小中一貫の教育体系に適応できない教職員があることなどのデメリットもあります。しかし、子ども主体で考えると、デメリットは、教員側の問題ですね。

 

もともと中学校では、教員が教科別に授業をするのが当たり前の環境です。小学校も、担任がすべての教科を教えることが少なくなってきました。子どもたちにとって、多くの先生の授業を経験することが、学びの機会としてプラスにつながります。

 

義務教育校含め、ヨーロッパの国々のように、日本も多様な学校が増えていくことでしょう。異年齢教育の「イエナプラン」の小学校も、全国でどんどん増えています。

2023年

10月

02日

時間をやくパン屋さん

保育園も10月に突入し、運動会に向けて子どもたちのやる気が加速しています。朝は、全園児でダンスの練習をし、寺子屋園児は「組体操」の練習を続けます。2人組・3人組のフォーメーションを確認しながらゆっくりと進めます。「ピラミッドで上に乗るのは○○君だよ!間違えないで。馬になったお友達も顔を上げて!」なんて、先生の声が飛びながらの特訓が続きます。その後、西文ひろばに移動して、30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーを行います。子どもたちは、勝った負けたで一喜一憂しますが、一人一人が確実に足が速くなっています。まさに、継続は力なり・・・です。

 

さて、今日は「時間をやくパン屋さん」という子ども向けの本を紹介します。なんだか興味がそそられるタイトルですね。

 

主人公は、小学校3年生のピーターです。ある日、クラスのライバルと、好きな女の子の前で決闘となったものの、女の子の前で恥をかいてしまいます。傷心のピーターがたどり着いたのは小さなパン屋さんです。看板には「時間をやくパン屋」とあり、おいしそうなパンがずらりと並んでいます。「どきどき初恋ケーキ」など、どのパンも不思議な名前です。

 

実は、この店のパンはオーダーメードです。依頼主が特別に記憶しておきたい時間をパンに込めて焼いています。食べると、その瞬間の味や香りが再現されるといいます。ピーターが店内にいると、次々と依頼主が訪れます。

 

ある男性は、子どもの頃のサッカーの試合の記憶をよみがえらせます。初めてシュートを決めた感激の瞬間が忘れられないと、「しびれる初ゴールのドーナッツ」を注文します。また、ある男性は、初めて赤ちゃんが生まれた時のことを思い出して、「パパデビュー。つめの形のクロワッサン」をオーダーするのです。

 

そして、ピーターにもパン屋のおじさんが、何か一つ焼いてくれるといいます。ピーターは、これまでの人生を振り返り、焼きたい時間を考えるのです。そして、ピーターが選んだんのは・・・・・・・というストーリーです。

 

私の幸せの定義の一つに「想い出がたくさんあること」と思っています。よく考えてみてください。欲しい物は、手に入れるまでは、わくわくしますが、いったん手に入れると、いっぺんに覚めてしまった経験はありませんか。子どもが、泣きながらおねだりしたおもちゃをおじいちゃんおばあちゃんが買ってあげると、とたんにほったらかしになるのと同じです。

 

モノは幸せに必ずしもつながらないことが多いですが、素敵な想い出は、その人の人生をずっと豊かにさせてくれるのです。

 

ここからは、まじめな話ですが、保育園でも、いかに子どもたちの素敵な想い出につながる時間を作っていかないと・・・と思うおやじ園長です。もちろん、日常があって、時々ある非日常をどう演出するかですね。今、運動会の練習を鬼のように行っているのも、運動会の思い出を大きなものにしたいからです。

 

どうですか・・・「なんだよ~過去の思い出に浸ってばかりかよ~」なんて言わないで、年齢を重ねても、ずっと消えることのない、素敵な想い出をたくさん作りたいものですね。

2023年

10月

01日

「らんまん」 とっておきの言葉

朝の連続テレビ小説「らんまん」が終了しました。植物学者・牧野富太郎をモチーフにし

たドラマでしたね。「らんまん」の意味は、花が咲き乱れるさま。きらきらと輝くさま。明るく、かげりのないさま。の意味がありますが、ドラマでは、「春爛漫」と「天真爛漫」の2つの意味が込められているそうです。あまちゃんの頃からでしょうか。いつしか、朝ドラが終了すると「○○ロス」と言われるようになりました。朝ドラと言えば、主人公が女性であることが圧倒的に多いのですが、今回は、あえて、男性の牧野富太郎が取り上げられました。

 

牧野富太郎は、高知の小学校を中退し、独学で植物学を修め、上京後は東京大学で助手、講師を務めた「日本の植物分類学の父」と呼ばれる人物です。しかし、誰もが知っているような有名人ではありません。私も、「らんまん」を見るまでは、牧野富太郎の名前は知りませんでした。

 

「らんまん」の脚本を担当したのは、劇団「てがみ座」主宰の長田育恵(おさだいくえ)さんです。「らんまん」の脚本の執筆を終えて、牧野富太郎をこう語ります。「究極的には、草花を愛するということを伝えた人。戦争など厳しい時代になってくると、草花を愛するなんて心は真っ先に捨てられます。でも、ひとが持っていても良い、当然の美しい心なのだと世に伝えてくれました。最大の功績です」

 

牧野が、数々の新種の植物を探し当て、新しく名前を付けることは、相手の「本当の名前」を見つけることでもあると長田さんは考えます。植物の氏素性を知り、性質や特徴、どこで生きるかも調べ抜いて初めて「本当の名前」を特定できる。この解釈を、長田さんは人物描写にも当てはめたのです。だから、らんまんの登場人物は、誰もが愛らしく憎めないのです。

 

「らんまん」の中で、長田さんは、本当にその人物にとって必要な言葉を考えたといいます。印象に残るシーンで、神木隆之介の演じる槙野万太郎が、祖母タキと対峙するシーンがあります。実家の造り酒屋を継がず、上京し植物学者へ進むことを決めた万太郎は、自身を育ててくれたタキに、こう告げます。「おばあちゃんの孫と生まれて、ほんまに、ほんまに、幸せでした」だが、タキはこう言い返すのです。「わしは、許さんぞね!わしは決して、おまんを許さんぞね。ゆるさんぞね・・・!」について、長田さんは「タキの、万太郎への最後の贈り物。『許さない』という言葉があるからこそ、それでも万太郎は出ていく。一生をかけて植物学の道を行く決意を万太郎にさせるんです。同時に、肉親としての愛情が深く伝わります。最大限の励ましの言葉です」と、このセリフの真意を語ります。

 

長田さんは、あの「井上ひさし」さんの最後の弟子です。研修生生活の最後の日に、井上ひさしがかけた言葉の束が、長田さんの背中を今も押しているそうです。「今日一日を、あなた自身の心の力で、良い方向へ向かわせなさい。人が人生で一度だけ言うような、言葉に本当の意味が宿る瞬間を、必ず劇の中に書き込みなさい」その2年後に、井上ひさしさんは世を去りました。

 

「らんまん」は、保育園の子どもたちが、屋上遊びで多くの草花に触れあっていることも、雑草なんてものはなくて、野草という考えも大好きで、毎日楽しみに見ていましたが、知らないうちに、脚本家長田さんの、登場人物にこめた「とっておきの言葉」に魅せられていたのかもしれません。

 

松坂慶子さんが演じたタキが、亡くなる直前「らんまんじゃ」とつぶやいたように、自分の人生の最後に、自分なりの「とっておきの言葉」をつぶやきたいですね。

2023年

9月

30日

野菜が高い!

昨夜は、中秋の名月でしたね。立派な「満月」を見ましたか。さいたま市は、雲に隠れている時間が多かったですが、時々、雲の切れ間から見えるお月様がきれいでしたね。何人かの子どもたちは、じっくりと月を見たようです。お月見団子を作ったママもいました。そして、今日は、土曜日ですが、久しぶりに小学生がいません。なんと、近隣の3つの小学校が、本日運動会でした。コロナの影響から解放されて、応援制限はなかったものの、午前中で競技が終了するスケジュールになっていました。「もっとやりたかった!」という児童が多かったようです。

 

さて、保育園ホワイトきゃんばすは、ショッピングセンターの中にありますので、毎日のぴょうに食品フロアを見る機会があります。2日前にびっくりしたのが、長ネギ1本178円もします。しかも、細い長ネギです。先日屋上ファームで収穫したサツマイモも例年と比べると、小ぶりです。

 

この夏の猛暑や雨不足の影響で野菜が生育不良となり、値上がりしています。ある八百屋さんの話では、9月の仕入れ値は、トマトが平年の3倍、ブロッコリーや長ネギは約2倍になっているようです。農林水産省が26日に発表した食品価格動向調査でも、全国470店の平均小売価格は、ニンジンが平年比145%・トマトが129%・ネギが123%など、高値が目立っています。

 

我が家のキッチンの窓際には、たいがいトウミョウがあります。1回目の役割が終わっても、残った根元をそのまま水に浸すと、再び芽が出てきます。こうして、トウミョウや植物工場で作られるモヤシなどは、天候に左右されず、値段が安定しているので、賢く利用したいですね。

 

保育園の屋上ファームは、夏野菜から秋冬野菜への切り替わりです。パプリカ、モロヘイヤ、オクラ、豆類がまだ収穫中ですが、サツマイモの収穫が終わると、11月収穫のジャガイモを植えました。そして、大根の種もまきました。毎年メインで作るのは、聖護院(しょうごいん)大根です。まさに、大きなカブのような形をした大根です。食品スーパーなどでは、あまり見かけない品種ですので、たくさん収穫して、子どもたちは、おうちのお土産にします。大根を収穫する頃には、野菜の高騰は、おさまっていることを願いたいですね。

2023年

9月

29日

スポーツを楽しむ

今日は、朝3時45分に起きましたか?「早起きは三文の徳」とは言いますが、今日は、早起きして、ラグビーワールドカップを観戦した人は、大きな徳がありましたね。今大会で、日本代表は初めて先制点を獲得し、前半戦をそこそこリードして終わり、これで、もう大丈夫かなぁ~と思ったものの、気が付くと、ワントライで逆転を許す僅差での勝利でした。ランキング上位のサモアに勝利し、眠気もぶっ飛びましたね。(笑)

 

先日、ラグビー教室に参加した5歳男の子は、全身筋肉の塊です。ママ曰く、脳ミソも筋肉でできているそうです。大げさですが、彼が、将来の日本代表になって、ついに世界一なんて、夢を抱いてしまいます。

 

そして、連絡ノートには、「うちの子が最初に話すのが、今日の運動会の練習のことです。かけっこでは、○○君に勝った・・・リレーでは、赤組が勝ったんだよ・・・サーキットレースでは、橋のところで転んじゃったんだ・・・などなど、ずっと、熱く話しています」といった、運動会の練習内容についてのコメントがたくさんありました。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、今まさに、運動会に向けて、子どもたちは毎日体を動かしているのです。スポーツの秋を実感しています。

 

昨年行われた、東京オリンピック・パラリンピックのスローガンの中に「する・みる・ささえる」があったのをご存じですか。スポーツには、いろいろな楽しみ方、関わり方がありますね。ラグビーについては、する人にはなれませんので、私はみる人です。フランスまで応援に駆けつけた人たちは、ささえる人ですね。

 

夏休み前に、多くの小学校でスポーツテストが行われて、その結果が返ってきました。そして、子どもたちの体力の低下が話題になっています。コロナ禍で外出を制限したことが大きな影響をもたらしました。具体的なスポーツに取り組むこと以外に、外に出かける、階段を上り下りする、掃除をする、友達と遊ぶ、体育の授業などが、子どもたちの体力アップにいかに大切だったことが証明されたわけです。

 

今年は、WBCに始まり、バスケットボール、サッカー、ラグビー、水泳、陸上、柔道、レスリングなどなど・・・日本選手の活躍でスポーツが大いに盛り上がっているわけですが、便乗でもいいので、やっぱり、体を動かしたいですね。子どもと一緒なら、ますます頑張れること間違いなしです。(笑)

2023年

9月

28日

「黒電話」・「赤電話」

9月の西文ひろばでの運動会の練習は、今日が最終日です。秋まつりが終わると、寺子屋園児は、毎日のように西文ひろばに通いました。3週間の練習の成果は、かけっこが速くなると同時に、チームのために自分が何をする?を考える時間にもなっています。転んでも、すぐに立ち上がって、前に進む子どもたちです。今日は、30メートル走と紅白対抗リレーのビデオ撮影を行いました。9月末での子どもたちの姿を保護者にも楽しんでもらいます。

 

10月に入ると、1・2歳児も含めた練習が始まります。10月21日の運動会本番まで、伸びしろだらけの子どもたちの成長を楽しく見守っていきます。

 

さて、電話といえば、あなたはどの電話を思い浮かべるでしょうか。この質問に「黒電話」「赤電話」と答えたあなたは、間違いなく昭和世代ですね。もちろん、私も子どものころは、家は黒電話だった記憶があります。この「黒電話」は家庭用固定式電話のことで、色も真っ黒です。NTTグループの前身である、電電公社が、電話の契約をした家庭に貸与していたのです。貸与?と思った方・・・1980年(昭和60年)に電電公社が民営化されて、NTTになるまで、家庭の電話は購入するものではなくて、貸し出されるものだったのです。

 

この後、家庭での固定電話は、プッシュ式電話を各家庭で購入して使うようになります。ファックス機能が掲載されたモデルも登場しました。黒電話は、ダイヤル式だったのですが、イメージできますか?推理小説では、ダイヤルの時間の長さで、かけた電話番号を当ててしまうというストーリーも成り立ったのです。

 

次は、「赤電話」です。これは、昭和28年~57年頃まで、駅や公園などにあった、赤色の公衆電話のことです。当時の赤電話は、10円玉を入れて通話する形式で、たばこ屋の軒先や駅には必ず1台は置かれていました。背景には、家庭用の黒電話の普及率が低かったからです。昭和47年時点での黒電話の普及率は47%ぐらいで、全家庭に普及したのは昭和55年頃だそうです。

 

赤電話は、100円を入れるとお釣りが出ないので、10円玉を何枚も握りしめて電話をするシーンが、どこかしこで見ることができました。私も、そんな利用者の一人でしたね。

 

平成に入り、テレホンカードが使用可能な緑やグレーの公衆電話が登場し、その後は、あっという間に携帯電話が普及し、今や1人1台持つのが当たり前です。

 

公衆電話の設置数は、ピークの昭和60年には、国内で93.5万台あったそうです。それが、2021年3月には、約14万5643台にまで減ってしまいました。保育園ホワイトきゃんばすがあるショッピングセンターでも、1年前に、たった1台あった緑の公衆電話が、撤去されてしまいました。NTTでは、2027年までには3万台まで減らす計画のようです。

 

まぁ~今の子どもたちは、「黒電話」「赤電話」は論外で、公衆電話を使ったことがない子のほうが多いでしょう。私も、初めて公衆電話を使ったとき、お金をいくら入れても、戻ってしまうのでどうして?と隣の人を見ると、受話器を上げてからお金を入れることを発見したものです。

 

ここ数年で、あっという間に時代のスピードとともに、電話の形が変わってきました。「黒電話」「赤電話」は、インテリアと化しているのです。(笑)

2023年

9月

27日

父親向け育児講座広がる

今日も運動会の練習は充実していました。子どもたちは、「園長先生・・・リレーはまだ?早くやりたい!」と言ってきます。毎日の練習の締めは、紅白対抗リレーですが、今日も抜きつ抜かれつの大接戦でした。そして、寺子屋園児は、お昼寝タイム「ぐっすり」と寝ています。運動量はウソをつきません。(笑)

 

さて、ここ数年、保育園ホワイトきゃんばすでは、赤ちゃん誕生に合わせて、育児休暇を取得するパパが多くなっています。ざっと、3人に2人が期間はまちまちですが、家族との時間を楽しんでいます。こんな状況ですので、父親向けの子育て教室や講座が、全国の自治体や企業で広がっているようです。

 

だいたい、こういった教室の講師は、女性というパターンが多いのですが、自身も子育て中の男性が講師になると、こんな話をします。「子育てにはパパの力が不可欠。産後に連続で1週間、その後、できれば3か月休みを取得しましょう。難しければ働き方を見直すなど、できることを考えましょう」と男性の育休の取り方を助言します。参加したパパは、「男性から具体的な話が聞けて、子育てを自分ごととして考えられた」といいます。

 

厚生労働省によると、2022年度の男性の育休取得率は、前年比3ポイント増の17%だそうです。100人に17人の男性が、すでに育児休暇を取っています。印象としては、高い数字ですね。

 

共働き世帯の増加で、主体的に育児に取り組みたいと考える男性は増えていますが、育児のノウハウだけでなく、仕事との両立やキャリアのあり方への関心も高まっているようです。専門家の見方は、「共働きは家庭経営のリスク分散になり、収入などのプレッシャーから少しだけ解放される。家庭でのスキルアップが巡り巡って自分の仕事のプラスにもなる」です。まさに、その通りだと思いますね。

 

先日、個人面談をしたママは、来年1月に第二子を出産予定です。パパは育休を取得するので、「この際・・・パパには料理をするライフスタイルに変更してもらおう。ママは、昔やっていたピアノのスキルを上げて、さらに素敵な家庭を作ってもらいたいですね」なんて、勝手なお願いをしたのですが、男性が育児休暇中にできることは、子育てフォローだけではありません。一気に、料理や趣味の充実に地域活動という新たな扉を開くこともできますね。

 

ところが、今問題なのが「取るだけ育休」です。育休をとっても、子育てに積極的に参入せず、役に立たないパパです。そして、まだパパの83%が育児休暇が取れていない実態があります。収入が減ったり、職場の上司に理解がなかったり、自分の仕事の代替え要員がいないので迷惑がかかる・・・もっと言えば、キャリア形成に不利になり出世できない。といった理由で、育休をためらうパパが多いのも事実です。

 

さぁ~これから我が子が生まれるパパへ・・・あなたは、育児休暇を取りますか?取れるとしたら、どんなビジョンを描いていますか。計画性がないと、取るだけ育休になってしまいますね。

2023年

9月

26日

トーキングブルース

今日の寺子屋は、カブトムシの幼虫観察です。約1か月保育園で飼っていたカブトムシがお亡くなりになり、卵を残していました。その卵から、まだ体長1センチにも満たない幼虫が10匹ぐらい生まれていました。「かわい~い!」と言いながら、子どもたちが優しく触っています。次に、年長男子のおうちからもらった、カブトムシの幼虫を土の中から出してみます。何と、体長5センチにまで大きくなってました。これには、園児たちも後ずさりです。しかし、すぐに虫好き園児たちが、手のひらに乗せていました。

 

さぁ~来年夏までの、一年越しの観察がスタートです。サナギになった姿を子どもたちに見せたいですね。サナギなら、オスとメスの区別がつきます。

 

さて、古舘伊知郎さんの「トーキングブルース」をご存じですか。毎年、テーマは異なるのですが、今月紀伊国屋サザンシアターで開かれた、今年のテーマは「現代の信仰」でした。ノンストップで2時間以上、とにかくひたすら喋るのです。古舘さんは言います。「落語とか講談とか、古典芸能的な作品でもない。目の前で起きていることをライブで行います。お客様が主役ですから、現場で起きている空気を優先します。遅刻して会場に入った人が見えたら、真剣に「実況中継」します。自ら作った構成を崩しにかかる覚悟でやっています」

 

古舘さんと言えば、1970年代後半から80年代にかけて、アントニオ猪木の新日本プロレスリングの実況が一大ブームを巻き起こします。アンドレザジャイアントの頭突きを「2階からヘッドバット」と表現したり、スタンハンセンを「ブレーキの壊れたダンプカー」と称します。たくさんの、熱い言葉が、古舘さんの口から発せられました。

 

そんな古舘さんは、実に35年前から、たった一人で舞台に立つ「トーキングブルース」を始めていたのです。私は、会場で視聴したことはないですが、映像で見たことがあります。人間社会に渦巻く哀しみを古舘さんの生きた言葉で語りかけるライブは、見る私たちをも深く考えさせられる内容で、引き付けられますね。後ろにコップに入った水があるのですが、意地でも古舘さんは飲みません。2時間以上、水も飲まずに喋り続けるのです。

 

「トーキングブルースは、言葉を練りこみ、発酵させて『いい味』にしたものを出す場です。発酵は加減が必要で、腐ってもいない、それでいて新鮮でもない、ギリギリの揺らぎのいいあんばいの発酵で出すと、自分の思いも乗ってうまく伝わるんです」と古舘さんは言います。コミュニケーションがどうも苦手という人たちへのアドバイスは、「僕は、『心』をきれいにすれば、いい言葉が生まれると思っているし、一生懸命話そうと思えば、その気持ちがちゃんと相手に伝わるし、それがコミュニケーション力だと思っています。コミュニケーションって、スキルじゃない。失敗を経て磨かれていくものだし、そうあるべき。語彙が豊富じゃなくても大丈夫」とコメントします。

 

古舘さんの強烈なフレーズは、ずっと頭の中に残りますね。一度、ライブでこの興奮を味わってみたいものです。

2023年

9月

25日

大奥

保育園の寺子屋園児が毎週行っている体操教室。ここで、一昨日の秋分の日に、オプションとして、速く走る「走り方教室」が行われました。そこに、なんと5人の園児が参加したそうです。「運動会で速く走りたい!負けたくない!」という子どもたちの気持ちから、全員自主的に「参加したい!」とパパママに頼んだようです。

 

教室では、腕の振り方、足の運びから、スタートの笛にいかに早く反応するか・・・など、実践前の理論的な内容が中心だったそうなので、あとは、子どもたちが練習でどれだけ伸ばせるかですね。「運動会で頑張って勝ちたい!」という目標に向かって、チャレンジする子どもたちです。

 

さて、今日は、NHKでドラマ化にもなった「大奥」の話です。江戸時代の将軍が女性だったら・・・というパラレルワールドを描き、一大ブームとなりました。この作品は、ジェンダー的視点から、海外からも関心が高いようです。本作の最大の魅力は、江戸時代に実在した将軍が女性であり、男女の役割も逆転するという一見奇抜な発想の下、フィクションを交えながら史実に基づいた展開が丁寧になぞられているところです。

 

事の始まりは、赤面疱瘡(ほうそう)という若い男性だけがかかる謎の病気に、男性の人口が激減し、三代将軍徳川家光が発病し亡くなったことから、春日局が、やむを得ず家光の私生児である、少女千恵を家光としてすり替えることを発案。そこから、女性将軍の系譜が始まります。今までの大奥総取締や側室は男性が務めます。

 

家光から15代将軍慶喜まで、多様な将軍たちが数奇な運命に翻弄されるのですが、今までは男性側の視点から描かれることの多かった政治の世界や、地位のある仕事に就く者の苦悩などが、女性の立場から描かれます。

 

「大奥」は、歴史上のエピソードを基にしているので、完全なフィクションではないのですが、結局、男性・女性のどちらであっても、歴史の事実は変わらなかったのかもしれないと想像させられます。

 

「男性らしさ」「女性らしさ」という価値観は、その時代の環境や利害関係によって変化してきました。「大奥」を読むことで、自分の中で固定概念化していた「男性/女性」というくくりを、解き放してくれるのです。

 

「大奥」がこれほどまでに、幅広い世代に称賛されるのは、江戸時代の中の仮想世界を描きながら、現代の私たちの価値観や常識をぶち壊してくれるからかもしれませんね。

2023年

9月

24日

大道芸人 チクリーノ

今日は朝からいい天気ですね。しかも暑くない。ようやく秋晴れという言葉が使えるようになりました。

 

さて、昨日は、横浜あたりをぶらぶらしていました。まずは、東神奈川駅にある「駅そば」を食べます。ここにある「日栄軒」は、創業が1918年で105年の歴史があります。現存する駅そば店の中では、一番歴史が古い店といわれています。そこで、「穴子天そば600円」をいただきました。つゆの味にこだわりがあって、鹿児島県枕崎のサバと高知県土佐清水のカツオ節からだしを取った濃い仕上がりで、創業以来変えてないそうです。器からはみ出るくらいの大きな穴子に、つゆがしみ込んで、美味しかったですね。

 

そして、桜木町から横浜みなとみらいをぶらぶら歩いて、山下公園に到着。そこで、素敵なパフォーマンスに出会いました。大道芸です。路上や広場、ショッピングセンターの中などで、ジャグリングやパントマイム、アクロバット、歌や踊りを披露するものです。私は、積極的に大道芸フェスティバルなどを見に行った経験はありませんが、公園やショッピングセンターなどで、大道芸が始まると、見入ってしまいます。

 

山下公園に到着すると、黒いマント、帽子、黒いマスクで顔を隠した、怪しい人物がパフォーマンスを始めました。最初は2本足で歩いていますが、足が3本、4本と増えていきます。観衆は、「何が始まるんだ!」と、不思議な期待感で満ち溢れてきました。

 

いよいよ、大道芸人「チクリーノ」さんの、「レストラン チクリーノ」のパフォーマンスが始まりました。

 

ストーリー性があるパフォーマンスです。時々マジックやパントマイムを取り入れながら、ブラックユーモアが随所にちりばめられています。大道芸と言えば、ジャグリングやアクロバティックな技を披露するパフォーマンスが主流ですが、どんなカテゴリーにも当てはまらない、圧巻の内容でした。演技終了後に行われる「お会計」(レストランチクリーノなので・・・)は、そのパフォーマンスへの感動で、多くの札束が投げ込まれました。

 

チクリーノさんは、10年間サラリーマン生活を送り、28歳で大道芸1本で生きていく道を選んだそうです。大道芸人は、多くが高収入の暮らしをしているわけではありません。むしろ、アルバイトをしながらなんとか食べていっている・・・劇団員の様かもしれません。でも、どこの誰ともわからない、その辺を通りかかった人を呼び込んで、自分の芸を見せる。私には絶対にできないですが、その生き方に憧れますね。

 

チクリーノさんは、8月にスコットランドのエジンバラで開かれた大道芸のフェスティバルに参加したそうです。旅費宿泊費で60万かかって、投げ銭で得た収入は20万ほど。ざっと40万円の赤字です。でも、人気投票で1位に選ばれたことが、彼の大きな名誉です。

 

そんな大道芸人のパフォーマンスや生きざまに、ほっこりした昨日の出来事でした。

2023年

9月

23日

秋分の日に「敬老の日」の話

今日は秋分の日ですね。「何で土曜日に祝日なの?1日損した!」と思っている人が多いのかと思いますが、秋分の日は、毎年9月22日から23日のうちの一日と定められています。国立天文台が作成する、暦の年表によって決まるそうです。昼と夜の時間が一致するのが秋分の日と思っていましたが、実際は、昼の時間が少しだけ長いそうです。ちなみに、来年は9月22日の日曜日ですので、23日が振替休日になりますね。

 

さて、9月は祝日が多いですが、今週月曜の祝日は、「敬老の日」です。ハッピーマンデーの導入で、敬老の日は9月の第三月曜日に決まったので、日にちは毎年違ってきます。もともと、敬老の日は9月15日でした。その理由は、大きく二つの説があるようです。

 

 

一つは、今から約1400年前、聖徳太子が大阪の四天王寺を建てた時に、悲田院という、今で言う老人ホームのような施設を作ったと言われています。それが、9月15日だったという説です。

 

もう一つは昔話です。昔、美濃の国にお酒好きのおじいさんと親思いの息子が住んでいました。家が貧乏なので大好きなお酒を飲ませてあげることができません。木こりをしていた息子はあるとき足を滑らせて谷間に落ちてしまいました。そこで、お酒の流れる滝があるのを見つけたのです。息子は喜んでその酒を持ち帰り、おじいさんに飲ませてあげました。後に、その話を聞いた元正天皇がその「養老の滝」を訪れ、元号を養老と改めたのです。このことから、日本中の地域で9月の半ば(15日)にお年寄りを招いて敬老会を開くことになったそうです。

 

どの地域でも、お年寄りが一生懸命働いてくださったおかげで、今の私たちが豊かな生活を送ることができていると思いたいですね。

 

でも、これからの時代は、80歳くらいまで仕事を続けるようになっていくのでしょう。敬老の日に、仕事をリタイアしているお年寄りは、今までよりも高齢化しています。やっぱり、健康的に年齢を重ねることが大切と言えるのです。

 

はい。おやじ園長の私に言っていることです。(笑)

2023年

9月

22日

ラグビーは社会の縮図

今日は、サツマイモ掘りをしました。5月に子どもたちが植えた、サツマイモの苗が夏を過ぎて大きなお芋になりました。子どもたちの力で、茎を引っ張るのですが、なかなか手ごわいサツマイモです。先生がスコップでまわりを掘りながら、たくさんのサツマイモを収穫しました。

 

土の中からは、サツマイモだけでなく、イモムシ(蛾の幼虫)やコガネムシの幼虫も出てきます。サナギも見つかりました。虫好きの子どもたちは、手のひらに幼虫をのせて、大騒ぎです。こんなワイルドな園児が多いのも、ふだんからどろんこや野草の中で遊んでいるからです。たくましい限りです。(笑)

 

さて、ラグビーワールドカップの報道が注目されていますね。イングランドに負けても、ただ前を向く日本代表が力強く感じます。そして、試合の解説人のなかで、一番核心を突いたコメントを発していたのが、あの五郎丸歩さんです。彼は、21世紀の日本で、最初のラグビーブームが起きた時に、その火付け役として多忙を極めました。当時は、テレビを付ければ五郎丸選手が登場し、全国の子どもたちが、ゴールキックの際の忍者のようなフォームを真似される時の人でした。

 

彼は、当時をこう振り返ります。「嫌でしたよ。昔からラグビーをしている自分としては、大きな偉業を成し遂げたのに、何でひとりにフォーカスされなくちゃけないんだろうと。まぁ、ラグビーを知らない人ばっかりだらそうなるよね・・・という風にマインドを切り替えるまでは、きつかったですね」

 

あの南アフリカ代表からの歴史的勝利を挙げた直後には「ラグビーが注目されている今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び、日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」とメッセージを発信しています。

 

そして、ラグビーを一言で表すなら、あの頃も8年が経ったいまも、答えに迷いはなく「多様性です」と五郎丸さんは言い切ります。

 

日本代表では、メンバーの人種、国籍に「多様性」があることは、様々なところで報道され、見る方の私たちも、全く違和感がありません。さらに、多様性を追求すると、15人の選手のポジションがそれを表しています。

 

力自慢のフォワード・キックの名手・パスの名手・いだてんのように走るウイング・・・など、様々な個性が力を合わせているのです。五郎丸さんは「トライの30秒前くらい

から巻き戻して見るのが、一番、面白い。あそこに、ラグビーの本質があると思っているんですよ。こいつのこの動きがあったから、トライがとれたんだな・・・とか、スポットが当たる人間も当たらない人間もいるけど、皆がチームのためにやっている。社会の縮図だと思います」と言います。

 

そして、「これからのラグビーは、監督やコーチの言うことを聞き入れるだけでなく、自分の意志を持ってアクションし、それに責任をもったり、議論したりする人間が増えていかないといけない」とも言います。

 

まさに、社会で、私たちが生きていく上で、何ら変わりがない気がしますね。

 

「社会の縮図」と表現しましたが、現実の社会も、なかなか思い通りにいかないことばかりです。今回の日本代表の目標は、明確に「優勝」を掲げています。その通りに行かなかったら、きちんと修正して、明日の日本代表への礎になればいいのです。

2023年

9月

21日

食品ロスの原因は、経済的合理性の追求

運動会で行う「パラバルーン」の練習がスタートしました。園児が協力して、完成させるというプロセスは、個人競技とは違う楽しみがあり、子どもたちは「協力しあう」というマインドになります。運動会の厳しい練習は、子どもたちの成長に大きく影響していますが、個人競技と団体競技の両面で、頑張っています。個人の力が積み重なるのが、「紅白対抗リレー」です。「チームのために、最後まであきらめないで走る」気持ちが育ってきました。今日は、抜きつ抜かれつの大熱戦となりました。

 

さて、最近は、「食品ロス」が取り上げられる機会が増えてきました。食品ロス低減の具体策は、様々な切り口が考えられますが、国内の食品ロスの半分は家庭で発生します。「一般家庭が気をつければ、ロス低減につながる」という考えもあるでしょうが、今日は、経済的合理性の追求が、食品ロスの大きな要因になっているという話です。

 

はい。私が民間企業で働いていたころの営業スタイルは、「売上とるぞ!」でした。営業なら当たり前のマインドですが、気合だけでは、売上は上がりませんね。私が、一番「悪」としたのは、「販売チャンスロス」です。売上目標110%にしておきながら、商品が前年100%の発注しかしていない店舗には、容赦ない指導をしました。「売上目標110%なら、タマを115%ないと商売にならないだろ!」といった感じです。

 

例えば、1年で一番ケーキが売れる「クリスマスイブ」の売上目標を獲得するために、「閉店前に完売させるなんてとんでもないこと。ケーキが残るくらいの発注をしないと売上が取れない」と、チャンスロスを徹底的になくす取り組みを行った結果、目標の売上が達成できずに、多くのロスを発生させてしまうのです。

 

当時の私は、「商品ロス」よりも「販売チャンスロス」の方が「悪」と指導していました。「売上を達成させてなんぼだろ!」という考えです。これが、経済的合理性の追求です。

 

これは、企業同士の取引にも言えます。今もその傾向が強いのが、例えば「デパ地下」です。百貨店のデパ地下の売上は、夕方以降に集中して売れます。ここで、各メーカーに「絶対に欠品させるな!」と圧力をかけます。仮に売れ残っても、百貨店ではなくメーカーのロスになります。双方が適切な需要供給の調整を行えば、売れ残りは減らすことができるのです。

 

食品ロス低減の話になると、すぐに「売れ残りゼロを目指そう!」なんてことになりますが、ゼロにするのは、非現実的ですね。企業同士の取り引きでも、家庭でも、まずは、現状を半減させるなど、少しずつ進めていくのがいいですね。

 

経済的合理性の追求が、食品ロスの増加につながっているとは言ったものの、夕方になると、ショーケースの中の商品がスカスカというのも、買い物の楽しみを半減させます。ここは、難しいところですね。「売上が前年100%・ロス金額が前年50%」というのが、理想ですが・・・こんな理想的な発注は、簡単にはできないのです。(笑)

2023年

9月

20日

大人への食育

屋上ファームに、7月下旬「白なた豆」という、今まで植えたことがない豆の種を蒔きました。子どもたちは、「ジャックと豆の木の豆みたい」なんて言いながら、ソラマメサイズの大きな種に驚いたのです。その「白なた豆」が、収穫できるまで成長しました。一番長いのは、長さ20センチくらいの「お化け豆」です。なたのような形をした豆という意味ですが、どうやって食べるのかもよくわかりません。

 

そのまま茹でても、みそ汁の入れても美味しいし、福神漬けにもなるようです。まずは、職員が持ち帰って、それぞれ食べてみます。小さいサイズの白なた豆は、そのままインゲン豆のように、茹でてマヨネーズで食べると、濃い味で美味しいのですが、20センチクラスのサイズでは、筋が多くて、皮が少し硬く感じます。「う~ん・・・給食には、ちょっと使えないかなぁ~」といったところですが、初めての食材に出くわすと、好奇心のアンテナが強くなりますね。

 

今日は、女子栄養大学の学長である香川明夫さんの話です。香川さんは、栄養大学に勤務する前は、24年間にわたって公立小学校の教員をしていました。そこで、食育に関するユニークな授業をしていたそうです。

 

例えば、算数の授業で割合について考える際に、カルピスのような希釈して飲む清涼飲料水を教材として使ったそうです。実際に、飲み物を飲む体験が加わることで、子どもたちのやる気が大きくアップしたそうです。

 

また、健康教育の際には、コーラなどの清涼飲料水の中に、どれくらい糖分を含んでいるか教えます。その際に、実際に飲んでみて、その中に含まれている糖分を消費するまで、体育館の中を走ったりしたそうです。子どもたちは、延々と体育館を走ることになり

「こんなに大変なんだ!」を実感するとともに、自分たちが口にするものへの意識が高まったそうです。

 

「朝食を必ず取る」「野菜類は1日に350グラム食べる」ことが望ましいのですが、子どもに伝える前に、親が実践しないと、子どもができるわけがありません。朝食を作るのは親なのです。小学校であれば、先生が料理を作る経験が必要ですし、中には、包丁をうまく使えない若い先生もいます。子どもへの食育をうたう前に、まずは、大人への食育が大切ですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすの食育の場面は、日常の給食だけでなく、屋上ファームでの野菜の収穫も大きいです。そして、年2回取り組んでいる「わくわく教室」では、コメや麦の勉強から、実際におにぎり、パン、ピザを年長園児が自分で作ります。わくわく教室を終えると、自分でおにぎりを作る習慣が身につくのです。子どものための食育教育になっているのですが、もう一つのねらいは、「親への食育」です。わくわく教室の内容は、ビデオでしっかりと撮影しますので、毎月のDVDで、保護者が見ることになります。

 

私たちにとって、生きるために「食べること」が不可欠ですが、健康的な食・楽しむ食・こだわる食などなど・・・食の世界には、永遠の学びがありますね。私たち大人が、食に対する関心を高めることが、子どもたちへの影響力を高めるのです。

2023年

9月

19日

シニア専門のタレント事務所

屋上ファームに鬼のように生えている野草を意を決して引っこ抜き、秋のファームの準備を進めました。今日の寺子屋では、ジャガイモと玉ねぎを植えました。あまりにも気温が高いので、種イモが腐ってしまわないか心配ですが、明後日頃から、ようやく秋の気候の予報です。11月に収穫予定のジャガイモは、「いも煮会」(煮込みうどんを屋上で食べる給食)で、ファームで収穫する大根などと一緒に食べます。子どもたちも、目的があると、一生懸命になりますね。

 

さて、今日はシニア専門のタレント事務所を運営する平岡史衣(ひらおかふみえ)さんの話です。まだ28歳です。「アンコールプロダクション」は、大阪市で50歳代から100歳代まで、200人以上が所属するタレント事務所です。タレントたちは、「お金を稼ぎたい」とうよりも「おもしろい体験をしたい」というのが、応募の主な動機だそうです。

 

平岡さんは、大学を卒業後、看護師として京都市内の病院に勤めました。そこで、入院中の高齢者が、こう口にするのをよく聞いていたのです。「家に戻っても、楽しいことがない」と。胸が痛んだそうです。気持ちが弱まったままの状態では、本人の幸せにつながらないのではないか。おじいちゃんやおばあちゃんに、何か生きがいを持ってもらえるお手伝いができないだろうか。色々な人と話しているうちに、タレント事務所の設立を思いついたそうです。

 

事務所に応募してくる人の背景は様々です。長年勤めた会社を退職後、新しいことに挑戦したい人。夫や子どもの世話からようやく解放され、自由な時間ができた女性。また、専業主婦を60年やってきたことも誇れる経験だと考えているそうです。

 

依頼される仕事は、健康食品や化粧品などのテレビコマーシャルへの出演、本の表紙のモデル、訪問介護事業所のホームページに載せる利用者役の写真など、様々です。学校から「戦争体験を語ってほしい」と依頼されたこともあるようです。

 

コロナ禍が落ち着いて、このプロダクションにも、ようやく仕事の依頼が増えてきたそうです。

 

どうですか・・・日本は世界一の高齢化社会です。昨日の敬老の日に、10人に1人が80歳以上というデータが発表されたばかりです。長生きすることは、素晴らしいことですが、体だけでなく心も健康に長生きしたいものです。「アンコールプロダクション」で働く、シニアの方々は、まさに、仕事を通じて元気を取り戻し、さらに輝いているのです。そんなシニアが日本に増えれば、高齢化へのマイナスイメージもなくなっていくのです。

2023年

9月

18日

「ルビ」が可能性を広げる

今日は、早朝から熱くなりましたか。イングランドに負けてしまいましたが、予選リーグはあと2試合あります。野球もバスケットボールも、逆境に立たされた日本代表の底力を見せてくれたので、ラグビーもその流れを信じて、応援したいですね。

 

さて、この夏「ルビ財団」という一風変わった団体が活動を始めました。出版物やウェブサイト、街の看板や標識の漢字にもっとふりがな=ルビを振って「ルビフルな社会」を目指すのが目的だそうです。

 

設立者の松本さんは、オンライン証券大手、マネックスグループの会長ですが、「娘2人を育てながら、ルビがあればなぁ~と思うことが多かったんです。子どもには積極的に本を与えてきたけど、漢字にルビが振られていないと内容が良くても、渡すのを躊躇してしまう。長女は小学校高学年になり、少し背伸びした本に手を伸ばし始めたが、漢字のハードルは高かった」と言います。

 

子どもが、自分から興味を持ったのに、「漢字が読めない」がネックになって途中で諦めてしまうことが多いといいます。多くの親が、そんな経験があるようです。

 

実は、戦前の出版物では、総ルビが当たり前だったそうです。戦後、徐々に廃れていったそうです。

 

アルファベットを使う国では。子どもは大人向けの本であっても、とりあえず読むことができるので、背伸びして大人の世界を垣間見ることができます。しかし、日本では漢字がある程度読めないと、それができません。そう考えると、ルビを復活させることで、その壁をなくすことができるのです。また、最近は外国にルーツを持つ子どもたちが増えています。親が、日本語や漢字が苦手だと、子どもの日本語能力にも影響し、それが進学や就職における不利、もっと言えば、社会的排除にまでつながってしまうケースもあるようです。障害で漢字を読むのに苦労している人もいます。

 

こう考えると、子どもだけでなく大人にとっても、漢字が読めるか読めないかは様々な人の人生の選択肢に関わる「人権問題」でもあると言えます。

 

ルビ団体が目指すのは、より多くの人が「よめる」「わかる」ことで、自らの可能性を広げられる社会です。

 

ホワイトきゃんばすの卒園式では「園長の手紙」を子どもたちに渡しますが、もちろん総ルビの手紙です。卒園児が、自分で読めえるようにしています。

 

最後に、①「些か」(ほんの少しという意味)②「喧しく」(やかましいという意味)③「乃至」(あるいは・またはという意味)の3つ・・・読めますか?

 

①いささか ②かまびすしく ③ないし と読みます。はい。私は1つも読めませんでした。(笑)

2023年

9月

17日

野球の「見える化」で「自分で考える」

大リーグエンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズンはプレーしないことが発表されました。ホームラン王を獲得しても、大手を振って喜べないですね。まずは、腕の手術が成功して、万全の体調で復帰してもらいたいです。

 

そして、日本のプロ野球では、阪神タイガースが優勝しました。実は、タイガースが日本一になったことは、1回しかありません。37年前に「バース・掛布・岡田」の最強打線の時です。実は、西武球場で阪神vs西武の日本シリーズを「ホットコーヒーにハンバーガーいかがですか!!」と大声をあげながら、売り子のアルバイトをしていたのが私です。あの強かった西武ライオンズが、コテンパンに阪神打線にやっつけられた記憶があります。関東の阪神ファンの多くが、西武球場に集結しました。

 

今年の阪神タイガースには、「バース・掛布・岡田」のような、ずば抜けた選手も記録もありません。ホームランの数は、巨人の半分以下です。これで優勝できた一番の要因は、岡田監督の采配です。

 

そうです。野球というスポーツは、個々の能力や判断力と同じくらい「監督の采配」が、勝利に直結するスポーツとも言えますね。スポーツの中で、野球が一番好きなおやじ園長ですが、冷静に考えると、今行われているラグビーワールドカップでは、監督(ヘッドコーチ)は、スタンドで見守るだけで、試合中は指示を出しません。サッカーも、ほとんどのプレーを選手自ら考えて行うスポーツです。

 

野球が、サッカーのように世界に広まらない理由の一つは、ひょっとしたら、「監督采配」が大きくて、自分で考えることが少ないスポーツだからかもしれません。あくまでも、私見です。かつて、野村監督が「頭を使って野球をしなさい」と選手に伝えていたのは、「監督采配」に取りつかれた「野球」を変えなくてはいけないと思っていたのかもしれませんね。

 

そんな野球ですが、2009年・2023年のWBCで、日本代表のデータ分析班としてチームの優勝を支えたのが、データスタジアム社の星川さんです。トラックマンという計測装置を使って、例えば野球の投手なら、球の初速・回転数・回転軸方向・球の変化量・リリースポイント・本塁での球速(終速)・ベース上の入射角の縦と横・ボールの縫い目の影響・野手の動きなどを計測します。

 

投手の球を評価する際、よく解説者が「キレがいいですね~」と言いますね。それは、感覚的な表現ですが、これを数値化したのが、データシステム社です。以前から、スピードガンで球速は測定されていましたが、球が速いだけで打者を打ち取れるわけではありません。あの昭和の怪物「江川投手」は、直球とカーブだけで打者を抑えることができました。球速以上に打者が「速い!打てない!」と感じたのは、キレの数値が尋常ではなかったのです。

 

こうして、自分のデータが「見える化」されることで、今まで一球一球監督の指示を待つだけの野球から、根拠を共有して自分で考える力を、選手自らつかむことにつながるのです。

 

精神論・根性論など、古い体育会的な考えがまだ残る日本の野球部・・・野球だけでなく、すべてのスポーツで、今の子どもたちが、さらに自分で考えることが進んでいくと、楽しみ方が必ず変わっていきますね。「日本代表」のレベルもさらにアップすると思っています。

2023年

9月

16日

桃岩荘ユースホステル

今日も子どもたちは、「こびとカルタ」をやっていました。何と、読み手は小学生ではなくて、年中の双子シスターズです。平日は、年長園児が読み手を独占してしまうので、なかなか年中が入り込めないのですが、聞いていると、すらすらと読んでいます。「カルタの読み手ができるんだ・・・凄いなぁ~」と思いながら、やはり、ひらがなを覚えるきっかけは、遊びに決まってる!と思った次第です。

 

さて、昨日のNHKドキュメント72時間は、北海道礼文島にある「桃岩荘(ももいわそう)ユースホステル」でした。私も、40年前の記憶が蘇ってきました。

 

みなさんは、ユースホステルに宿泊したことがありますか。今でも素泊まりが3000円前後で宿泊ができます。私の学生の頃は、食事込みでも2000円くらいだっだ記憶があります。金はないけど時間はある学生には、ピッタリの宿でした。実は、2012年保育園が開園したばかりの、おやじ園長のブログに、桃岩荘のコメントがありました。ふり返ってみます。 

 

「北海道には、はまりました。 

高校2年の夏に初めて北海道の大地を踏みしめ、合計43泊した記憶があります。半分ぐらいは、夜行列車の中か、無人駅です。 

『愛とロマンの8時間コース』 

これは、礼文島「桃岩荘ユースホステル」の名物コースです。

礼文島、北の岬ストコン岬から島をほぼ縦断するコースで、「愛とロマン」という名前は、この8時間で必ず1組以上の愛が芽生えるとのこと(笑) 

さて、ストコン岬から海岸沿いを歩くと、海には「馬ふんウニ」・・・もちろん食べました。塩味がきいてうまい!(勝手に食べてはいけなかったみたい) 

次は、原生花園とよばれる、自然のお花畑を歩きます。本州では、高山植物にあたいする花々が、ここ北海道では、平地で見られます。今回一緒だった仲間は、男子、女子ともに一人旅の連中が多く集まりました。学生だけでなく、社会人や仕事を辞めてとりあえず旅に出ている人もいました。最初は、快適なハイキングも、8時間となると、最後は無口に。でも、ゴールの桃岩荘が近くに見えると、何やら屋根の上に人が踊っています・・・

ユースホステルのヘルパー(ボランティアアルバイト)です。 

これが、「日本3大キチガイユース(当時)」といわれた桃岩荘ユースのお出迎えシーンです。吉田拓郎の落陽を歌いながら、屋根の上で踊っています。 

「ほいほい ほいほいほい・・・ほいほい ほいほいほい。絞ったばかりの夕日の赤が・・・♬」 

愛とロマンの8時間コースの仲間達も最後の力をふり絞って、踊りまくってゴールしました。 

若干高校2年生の私は、お姉さまたちからは恋愛対象にはならなかったようで、愛もロマンも生まれませんでしたが(笑)、大人の世界を垣間見る貴重な8時間でした。 

桃岩荘ユースホステルの夜は、「ミーティング」といわれる、ノンアルコール宴会で、多いに盛り上がったことはいうまでもありません。ユースホステルは、男女別の共同部屋で、ノンアルコールがルールです。今でも、鮮明に記憶に残るシーンです。」

 

昨日のテレビでも、8時間コースは継続されており、派手な出迎えやミーティングのシーンを懐かしく見ていました。「いらっしゃいませ!」ではなく、桃岩荘では「おかえりなさい!」とゲスト(宿泊客)をお出迎えします。

 

吉田拓郎の「落葉」は、桃岩版にアレンジされ、大盛り上がりです。桃岩荘は、もともと、ニシン番屋を改造して作られた建物です。そして、そこで働くヘルパーと宿泊者たちのドラマが、深いのです。

 

「羞恥心を捨てる」「自分を変える」「無になる」・・・様々な目的で、6月から9月までの4か月した開いていない、この宿に人が集まるのです。いい場所です。

2023年

9月

15日

吹奏楽部の未来

寺子屋園児は、月~木は西文ひろばグランドで運動会の練習をし、本日は体操教室ですので、しばらく屋上遊びをしていないのですが、0~2歳児は、その間、屋上を独占します。自転車に乗っている寺子屋園児もいませんので、いつも以上に広さを感じているようです。今週のブームは、チョークでお絵かきです。

 

さて、夏の甲子園を熱く盛り上げたのは、高校球児だけではありません。吹奏楽部の奏者たちも頑張りました。日本は、知る人ぞ知る「吹奏楽大国」なのです。10月に全国大会が行われる全日本吹奏楽コンクールは、1940年に大阪で第一回が開かれた歴史のある大会です。昨年は、約1万団体が参加したそうです。高校野球では、地方大会に3500チームが参加しましたが、吹奏楽の高校の部は3000団体が参加していますので、まさに、この大会は「吹奏楽の甲子園」です。

 

私の長女と次女は、中学時代は吹奏楽部でトロンボーンを担当していました。二人ともに、関東大会まで勝ち上がったので、父親は親バカを発揮して、応援に駆けつけました。娘たちの母校が、昨年は全国大会に出場したそうで、なんだかうれしい気分です。

 

日本に吹奏楽に似た形態が伝わったのは、1853年の黒船来航までさかのぼります。その後、イギリス陸軍の軍楽隊長フェントンが、1869年に指導を始めた薩摩藩士の軍楽隊が、国内初の吹奏楽団とされています。

 

第二次世界大戦では、軍楽隊は戦意高揚に一役買うことになったそうです。1947年に学制改革で新制中学校が誕生すると、次々と吹奏楽部が新設されます。国民体育大会や高校野球を盛り上げる役割も果たしました。1970年頃は、約3000だった団体数は、近年は1万4000前後で推移しているようです。

 

ところが、学校の部活動が危機に瀕しているようです。指導者は、専門性が求められますので、人材育成が難しくなっています。また、楽器の購入や練習場所の確保なども課題だそうです。私の娘たちの時は、PTAの予算から、部活動支援のお金が支出されていましたが、「どうして、部活にPTAの金が使われるの?」という声が高まっているのかもしれませんね。

 

演奏を聴いて、その内容やレベルまではわからない私ですが、吹奏楽部の文化は、子どもたちの中で、しっかりと育まれて欲しいですね。

2023年

9月

14日

「規格外」のバナナを売る

月曜日から始まった寺子屋園児の運動会の練習では、残暑の中、子どもたちは本当によく頑張りました。30メートル走、サーキットレース、紅白対抗リレー、つな引きと、勝敗がつく競技の練習が中心だったので、「負けないぞ!」の闘争心に火がつきました。同時に、「勝った人が偉くて、負けた人がダメではない。一番偉いのは、最後まであきらめないで頑張った人」とう考えも浸透していきました。運動能力の差は、どうしても埋められないものですので、「どうせ勝てない」ではなくて、「勝てなかったけど、頑張って走った」という気持ちに子どもたちをもっていかないといけません。

 

運動会まで、練習は、まだ1か月もありますので、子どもたちが楽しんで練習に取り組み、やる気と自信を高めていきたいと考えます。

 

さて、最近では食品ロスを減らすために、企業も様々な取り組みを行っていますね。もちろん、私たち消費者も意識が高まっています。牛乳を古い日付けのものから買うのも当たり前になってきました。

 

今日は、「バナナ」の話です。5歳男の子が「そんなバナナ!?」と昭和おやじギャグ連発しています。(笑)

 

青果物大手の「ドール」は、「もったいないバナナプロジェクト」を展開しています。もったいないバナナとは、傷があったり、形などが規格に合わなかったりして、廃棄されていたバナナです。2021年にスタートし、今では30社以上が協力しているそうです。

 

例えば、街のジューススタンドに「もったいないバナナ」を提供し、バナナジュースを販売してもらう。また、洋菓子メーカーには、アイスクリームの原料に使ってもらう。などの取り組みです。これまでに、450万本以上のバナナを廃棄から救出したそうです。

 

「規格外」という言葉は、今までならマイナスのイメージが強かったですが、ジュースもアイスクリームも味に変わりはありません。ジューススタンドも「当店のバナナは、もったいないバナナを使用しています」とうたうと、お客様は、「食品ロス削減に貢献した」と感じるようです。時代も進みました。

 

バナナは、主にフィリピンなどから緑色の状態で輸入して、国内で熟成さて、甘く黄色くなってから販売されます。ところが、輸入前に規格外を理由に産地で埋め立て廃棄されるグリーンバナナは、ドールの取り扱いだけで年間2万トンもあるそうです。特に日本は、見た目や形などの規格が厳しいそうです。

 

グリーンバナナは、電子レンジで加熱するとジャガイモのようなほくほく食感になるそうです。料理として、みそ汁やカレーの具材によく合います。あるスーパーでは、積極的にグリーンバナナを食べ方の紹介と合わせて販売しているそうです。

 

「もったいない」の取り組みは、あらゆる食品で行われていますが、今日は、そんなに、バナナが捨てられているなんて・・・「そんなバナナ!」な話でした。(失礼)

2023年

9月

13日

高校生がアプリ起業

昨日の寺子屋で、毎年恒例の「ハロウィーンツリー」を完成させました。ハロウィーンが終わると、そのままクリスマスツリーに変身します。もちろん、世の中にはハロウィーンツリーは存在しませんので、世界でただ一つだけのツリーが、ホワイトきゃんばす入口を賑わせています。教室内もジャックオランタンがにらみをきかせ、保育園にある仮想の衣装を子どもたちに開放します。朝から、エルサ・白雪姫などのお姫様や、カボチャ君、ピエロ、チアダンス衣装、魔女、海賊、マスクマン等々、仮装した子どもたちのかわいい姿でいっぱいです。

 

ハロウィーンパレードは、まだまだ先の10月31日ですが、園児の中には「私は、ハロウィーンパレードで○○になるの・・・」と準備が進んでいる子もいるようです。その前に、運動会が10月21日にあります。今日は、運動会で披露するダンスの練習が始まりました。寺子屋園児は、残暑の中、西文ひろばグランドで、30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーの練習を行い、ライバル心で、火花バチバチで頑張っています。

 

さて、一般的に、日本は諸外国に比べ、企業への意識が低いとされています。経済産業省の資料によると、新規参入の割合を示す「開業率」は、近年4~5%台で推移し、10%前後の欧米先進国に大きく水をあけられています。

 

そんな中、8月下旬に金沢市で「高校生のためのアプリ開発サマースクール」が行われたそうです。高校2年の川本れんさんは、「手ぶらで旅行ができたらどんなに楽か。外国人観光客にも使ってもらいたい」と考え「旅先で必要なものをレンタルできるアプリ」を考えます。

 

スーツや洋服、洗面用具などすべてレンタル可能にすることで、旅行中の負担軽減につなげます。外国人観光客を意識し、アプリ画面のトップページには桜の花びらなどを施し、日本らしさをアピールします。覚えやすく愛着を持ってもらえそうと、アプリの名前は、「旅」と「借りる」を合わせ「たびかり」としました。川本さんは、どんなレンタル品の需要が高いか、市場調査をしていくと、意欲を見せます。

 

もちろん、アプリ開発サマースクールでは、単にアプリを作るだけでなく、収益につなげるコツも教えます。講師は、「自分の住む地域にどんな課題があり、どう解決につなげ、ビジネス化できるか。身近なところから発想力を磨き、起業家を目指してほしい」とエールを送ります。

 

私が、高校生の頃には、「起業する」という発想は、これっぽっちもありませんでした。現代の若者は、例え、すぐに起業に結びつかなくても、起業を考えることで得られる知識や経験は、民間企業に就職しても、公務員になっても、必ず役に立ちます。

 

自分をモノゴトの真ん中において、真剣に起業を考える若者が一人でも多く誕生してもらいたいですね。そのためには、「失敗を恐れるな!」と、私たち大人は、若者に言い続けることですね。

2023年

9月

12日

「アプリ婚」は当たり前

今日も暑い!クラッシュ氷を発泡スチロールの箱に詰めて、運動会の練習をしました。カラー帽子の中に氷を入れて、「冷たくて~気持ちいい~」と言いながら子どもたちは頑張りました。30メートル走で子どもたちは熱くなるので、「勝った人がすごいわけじゃないよ。負けた人がだめでもない。一番偉いのは、最後まであきらめないで頑張った人!」を最初に念押しして、今日も30メートルの練習です。

 

さて、「アプリで出会って、結婚しました」そんなカップルが珍しくなくなった今、リクルートの調査では、2021年の婚姻者のうち、婚活サービスを利用して結婚した人は、15.1%だそうです。その中でも、ネット系サービス(マッチングアプリなど)が、4割を超えて、最も多かったそうです。

 

私の両親は、お見合い結婚でした。マッチングアプリは重なる部分もありますが、人が介在するお見合いは、断りづらい。それに比べて、アプリは気楽だといいます。

 

調査数字では、結婚・恋愛意欲のある独身者で、婚活サービスを利用して恋人ができた割合は45.1%で、過去最高を更新したそうです。また、結婚した人の34.1%に婚活サービスの利用経験があるようです。実際に結婚した人のエピソードを耳にする機会が増えて、データ上にも前向きな数字が並びます。

 

しかし、トータルでの婚姻数の減少は、日本の大きな問題でもあり、このまま出生率の低下に直結するからです。ますます、日本の未来は、少子高齢化&人口減となるのです。

 

専門家によると、「以前よりも今は、パートナーを見つけることが格段に難しくなっていると感じます。共働きが一般化し、経済状況の変化で女性にも学歴と収入が求められるようになり、男性には家事・育児能力が求める条件に加わりました。条件が増えるほどに、相手は見つからなくなる」といいます。

 

確かに・・・保育園のパパたちの多くは、子どもの送り迎えを分担していますし、料理も得意というパパはたくさんいます。

 

また、別の評論家は「行動経済学の原理でも、選択肢が多いと人は迷います」と断言します。「いまや婚活している男性の多くは、女性にも一定の経済力を求め、一方の女性は男性に家事・育児能力を求める時代です。ところが、目の前の相手には従来の『恋愛力』を求めてしまうから、うまくいかない」のだそうです。

 

う~ん・・・昭和のおやじ世代は、やっぱり、「結婚って『恋愛の延長』なんじゃないの!」と言いたくなってしまいますが、「恋愛結婚の終焉」という本まで、発表されるのが、今の時代なのです。

 

草食系男子という言葉が使われてから20年近く経過しました。その世代が30代後半から40代。その後、恋愛を面倒と考える若者も増えてきました。

 

そう考えると、結婚には恋愛ではなく、結婚する条件をマッチングアプリのように選択して考えることが大切な時代になったのか・・・・それも、時代の流れというのでしょうか。昭和おやじは、「まず、恋愛でしょ・・・」とすぐに考えてしまいますが。(笑)

2023年

9月

11日

中6日

今日の連絡ノートには、土曜日の秋まつりのコメントがびっしりです。入園時は、みこしですら担げなかった我が子が、今では、「わっしょい!」の掛け声が出て、お店屋さんの「いらっしゃいませ!」も大きな声で言えている。成長を感じるシーンだったというコメントには、親の深い愛情を感じます。

 

そして、今日から運動会を行う「西文ひろば」へ寺子屋園児は通います。運動会の練習が始まりました。まずは、グランドに生えている雑草を子どもたち全員で抜いて整備しました。走りまわって、何もしない年少園児もいますが、ごみ袋一杯集まって、フィールド内は、スッキリしました。いよいよ運動会モードへ突入です。

 

さて、昨日は、ラグビーワールドカップの日本戦を多くの人がテレビ観戦したと思います。ルールが、まだ完璧にはわかっていない人も多いでしょうが、あの迫力・・・興奮するスポーツですね。決勝トーナメントへ進み、ベスト4以上を期待したいですね。

 

今日は、野球の話です。「中6日」という言葉を聞いたら、ピーンときましたか。そうです。先発投手の次の当番日までの間隔の事です。現在のプロ野球先発投手は、この中6日が2/3を占めています。中7日以上開ける投手もいます。

 

1961年、私もまだ生まれていない時代に、元中日ドラゴンズの権藤投手は、年間の半分以上となる69試合に登板して35勝を挙げたのです。現代では考えられないですね。「投げすぎて潰れたわけではない」と言うものの、現役生活は、わずか8年で引退しています。当時、リーグは違いますが西鉄ライオンズの稲尾投手が大車輪の活躍を見せていたので「稲尾は完投した翌日も投げている。お前もそのつもりでいろ」と監督に、はっぱをかけられたと言います。当時は、たくさん投げて勝てば勲章と誰もが思っていたのでしょう。

 

時代が流れ、江川投手の時代には、中4日や5日が主流となります。そして、あの大投手が「サンデー兆治」と呼ばれるようになります。1983年に選手生命をかけて右ひじを手術して、奇跡の復活を果たした村田投手は、中6日で無理のない登板を続け、登板後のアイシングも村田投手が初めたそうです。

 

その後、先発投手の登板間隔だけでなく、先発・中継ぎ・抑えの分業制も進んで、投手の選手生命が長く維持できるようになってきたのです。

 

こうなると、先発投手は年間25試合程度の登板となり、20勝投手が現われることが極端に少なくなっていくのでしょうが、スポーツの世界では、「故障のリスクを避けて、1年でも長く現役を続けてほしい」と願うファンが主流になってきたのかもしれません。

 

そう考えると、大谷選手は、化け物ですね。

2023年

9月

10日

令和5年度 秋まつり つづき

秋まつりのスタートは、「子どもみこし・・・わっしょい!」です。二基のみこしを子どもたちの「わっしょい・わっしょい」の掛け声で担ぎます。パパママたちのカメラが、一緒に動きます。実は、事前に1回だけみこしを担ぐ練習をしました。練習では、初めてのことだったので、力弱く声も小さかったのですが、本番は大成功です。

 

踊りは、「ゆずのスマイル音頭」に「ジャンボリーミッキー」です。卒園児の小学生も、運動会やクリスマス発表会などで披露した曲ですので、一緒に踊ります。丸くなった子どもたちを囲むように、パパママたちが見守ります。目の前にママがいると泣いてしまう小さい園児もいますが、ジャンボリーミッキーの曲がかかると、ノリノリで踊りだします。ディズニーランドで、本物のミッキーマウスの前で、ジャンボリーミッキーを踊った、小学2年になった男の子も久しぶりにダンス!です。(笑)

 

お店屋さんでは、お手伝いをした寺子屋1番2番の園児たちが大活躍です。「ゲーム」は、大行列となりました。目の前の妖怪たちに、ボールをぶつけて倒します。何度も並んで楽しむ子どもたちです。景品60個が、すべてなくなりました。

 

「カレー屋」は、100円でしっかりとおなかを満たすボリュームです。双子の年中女子が、ママに的確なアドバスをもらいながら、「看板娘」になっていました。こちらも、80杯完売です。

 

「フランクフルト屋」は、炭火焼がミソです。一人で、2本3本食べた園児もいたようです。ここでも、園児の声出しがばっちりでした。かわいい子どもたちの「いらっしゃいませ!」に、足が止まるパパママたちです。フランクフルトも用意した160本完売しました。

 

3つのお店屋さんの売上は、ざっと20,000円です。このお金は、子どもたちのために、使うのですが、今年も子どもたちと一緒に決めたいと思います。そして、お店屋を手伝ってくれた園児の保護者も一緒に頑張ってもらいました。ゲーム屋さんに突如現れたスズメバチ・・・これを網でさっとすくって、大空に逃がしたパパは、まさにヒーローです。

 

テーブル席では、親子でカレーやフランクフルトをおいしく食べるシーンや、ゲーム屋の景品に歓喜する子どもたちや、ママ友たちのおしゃべりがはずむ光景もあって、のんびりと楽しい時間を過ごしていただいたようです。

 

そして、卒園児が17名も集合してくれました。今年、中学生になった2人も応援に駆けつけてくれました。保育園を卒園して6年が過ぎても、こうして足を運んでくれるのは、うれしいですね。

 

私は、ビデを回しながら、保護者たちが、みんな笑っていることに感動しました。池のカメを親子で観察したり、タイヤアスレチックでは、多くの子どもたちが遊んでいました。ゲーム屋に並ぶ行列にもビックリです。片付けも、保護者の皆様が、率先して手伝ってくれました。ありがたいですね。

 

コロナ禍でも秋まつりはずっと続けてきましたが、今回は4年ぶりの「飲食のお店」が再開できました。食べて笑って、子どもたちも、保護者の皆様たちもほっこりした時間を過ごしていただいたようです。

 

今年の秋まつりに関わっていただいた、すべての皆様に感謝申し上げます。大成功の秋まつりとなりました。ありがとうございました。

2023年

9月

09日

令和5年度 秋まつり

「いらっしゃいませ!・・・1本50円です」と自主練習があったり、「秋まつり…楽しみだね」と、子どもたちが心待ちにしていた秋まつりの日となりました。

 

スタートは午後3時からです。朝から登園している園児と小学生で、通常の外遊びで屋上に到着すると、雨が降っていました。「秋まつり大丈夫かな?」と子どもたちは心配顔です。「よし・・・教室に戻って、てるてる坊主を作ろう!となり、完成したてるてる坊主は、保育園の入り口に飾られました。

 

しかし、午前中はずっと雨となり、秋まつりの準備がなかなか進みません。しかし、子どもたちの祈りが通じて、雨がやみました。ここからは、小学生3人が大活躍です。給食を食べ終わると、園長と一緒に会場設営に汗をかきました。水たまりをワイパーモップで広げてなくしていきます。ござやビニールシートを敷いて机を置き、お店屋さんのセッティングもしました。フランクフルトは、炭火焼ですので、火起こしも手伝いました。うちわと火吹き棒を使って、炭に火が入ります。タイヤアスレチックも小4の男子が、レイアウトを完成させました。秋まつりの間は、多くの子どもたちが、バランスをとりながら楽しんでいました。

 

今回は、午前中が雨となってしまったので、短時間での設営に卒園児の頑張りがあったのです。

 

そして、会場入り口の装飾は、秋田の竿灯まつりを意識した演出です。寺子屋園児は、廃材工作の寺子屋の時間で、ぼんぼりを完成させ、ちびちゃんたちも、先生が手伝いながら、素敵なぼんぼりが出来上がりました。保護者の皆様は、まずは、我が子のぼんぼりの前で記念撮影です。

 

そして、屋上会場に入ると、「ゲーム屋」「カレー屋」「フランクフルト屋」が目の前に出店しています。左手には、「盆踊り」のサークルがあり、真ん中には「子どもみこし」が二基、ドーンと並んでいます。

 

浴衣姿の子どもたちの目が輝いています。そして、保護者の皆様も全員笑顔です。いよいよ、秋まつりのスタートです。

 

つづきは、あした・・・

2023年

9月

08日

ころころするからだ

 昨日自転車の乗れるようになった、年中の新人は、今日が初めての体操教室です。ここで、他の年中園児が、先生に言われるまでもなく、「こーして・・・あーして」と教えていました。「困っている人がいれば助ける」・・・とてもいい姿でした。

 

さて、今日は医師の稲葉俊郎さんが、未来へ託す書として、したためた一冊「ころころするからだ」を紹介します。副題に「この世界で生きていくために考える『いのち』のこと」とあります。この本は、いのちと真摯に向き合ってきた医師が、さまざまな角度から人間のいのちのことを語っています。

 

この本の中でも、「いのち」と医療について書かれた1章が圧巻ですので一緒に読んでみることにします。

 

「医療(教育)は、それぞれが持ついのちの力が最も発揮できる場を整え、手助けをする役目ともいえる。誰もが共にいのちを持ち、誰もが弱い時期を経て生き残っているいるという共通の思いこそが医療(教育)の土台にあるのだと思う。私たちは皆、赤ん坊だった。生まれてすぐ、誰かに助けられなと生きていけない存在であった。多くの人のお世話になって、やっと今がある。目の前の子どもたちも皆そうなのだ。

 

この世界には多様な人がいる。人は誰もが弱者として人生が始まり、愛の体験により生かされていのちを永らえることができる。だからこそ、この世界には強いものだけでなく、弱いものが必ず必要だ。一回しかない生を、一度しかない今を、『いのちってそういうもんなんだ』と知りながら生きたい」

 

いよいよ明日は秋まつりです。明日には台風が去り、晴天になる予報です。お店屋さんで、一生懸命声出しやお手伝いをする我が子を見るだけで、親の気持ちは、成長を感じ、愛にあふれることでしょう。

 

そんな、我が子の「いのち」を見つめる保護者の皆様の姿も、明日はしっかりと見ることにします。

2023年

9月

07日

小学校で学年担任制

昨日入園した、4歳年中の男の子が、本日自転車に乗れるようになりました。お迎えのママは、驚きのあまり言葉が出ませんでした。おうちでは、ストライダーがあるだけで、自転車の練習などしたことがなかったとのこと。卒園児の保護者の会社で働くことになったママの4歳と0歳の男の子2人を預かることになりました。4歳の男の子は、すでに自分で自転車をスタートできるようになりました。他の年中園児7人は、とっくに自転車に乗れるのですが、今日は、新たなメンバーに対して「なかなかやるじゃん!」というエールを送っていました。

 

運動能力が高い彼が、今後、運動会の練習を通じて、年中園児に刺激を与えて、ライバル心をあおってくれるかもしれません。楽しみになってきました。

 

さて、音楽や理科といった専門的な授業において、小学校高学年では、すでにかなり前から、教科担任制が行われています。それが、算数や国語といった一般的な教科についても、全国的に小学校での教科担任制は進んでいます。通常の担任制と比べて、どちらがいいとか悪いとかは、一概に決められませんが、子どもにとって、多くの大人とのかかわりが、様々な可能性を引き出すように、教科別の先生なら、多くの先生の授業を受けることになります。効果があるので、増えているのが実態ですね。

 

東京都港区にある白金小学校では、さらに進んだ取り組むを行っているそうです。それが「学年担任制」です。5・6年の高学年で、従来の1組の担任○○先生、2組の担任◇◇先生、3組の担任△△先生という概念がなく、5・6年生の先生チームとしての配置となっています。1週間ごとに、各学級の担任が交代し、学年の全教員で学年の子どもたちに関わっていきます。その結果、学級間の偏りが減り、いわゆる学級崩壊をふせぐことができているそうです。

 

先生側から見ても、学年すべての児童の情報を手に入れることができます。5・6年の担任が合計6人なら、6人の先生が児童一人を見ることになります。A先生が気がつかないことをB先生が見ているかもしれません。担任一人なら、一人の児童への見方が固定してしまいがちですが、6人なら、多くの長所が発見できますね。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、異年齢保育ですので、すべての先生がすべての園児を見ています。先生たちは、金太郎飴ではないので、園児の話になると、園長の私が気がつかないことも出てきます。一人の園児を多角的にみることにつながりますね。

 

白金小学校のような取り組みを校長が決断するには、強い気持ちが必要です。学校組織が新しい施策を行うには、保護者・地域からの要望への対応に苦慮し、変化を受け入れることができず、前年の取り組みを踏襲してしまう現状があります。学校に限らず、あなたが所属する組織はどうですか?波風を立てないように、毎年同じことを続けていませんか。

 

私たちは、ちょっとしたアイデアと少しの勇気で、これまでの概念から脱却し、よりよい組織を創ることができます。ほんの小さな所から始めてみませんか。

2023年

9月

06日

従業員エンゲージメント

屋上遊びは、曇りでも湿度が高く、子どもたちは汗びっしょりで遊んでいます。タイヤと板を使って、久しぶりにタイヤアスレチックを作りました。バランス感覚を鍛えます。朝顔の色水も子どもたちの楽しみになっています。朝顔は、「一日花」です。1日だけ花を開くと、午後にはしぼんで二度と開きません。色水で、別の花人生を送っているのです。

 

さて、今日は「従業員エンゲージメント」の話です。これは、主に欧米で広まった考え方で、企業が目指す姿を従業員が理解し貢献しようという意識を持つことだとされています。これが弱いと、生産性が落ちたり離職者が増える結果となるので、日本でも各企業が従業員エンゲージメントを上げる取り組みを行っています。

 

みずほファイナンシャルグループでは、毎週水曜日になると、職場にある飲料自動販売機に行列ができます。それは、二人同時に自販機に社員証をかざすと、無料で飲料がもらえる仕組みで、社員同士の親睦につながっているそうです。

 

ANAグループでは、スマホ専用のアプリを使って社員の「幸福度」を高める取り組みを始めたそうです。アプリが提示する「お題」に前向きな書き込みをすると、他の社員が応援のコメントを送ります。やり取りを通じて一体感が高まりより良いパフォーマンスにつながっているようです。

 

私がかつて勤務していた洋菓子メーカーでも、夏休みに「ファミリーデー」を設けていました。働くママパパの現場に子どもが訪問する取り組みです。仕事をしているパパママは、子どもには、とてもカッコよく映るようで、親のモチベーションもアップします。また、同僚や同じチームの仲間と我が子が触れ合うことは、とても有意義な時間ですね。

 

ある調査会社が「グローバル職場環境調査」を行い、「熱意ある従業員の割合」を国別に発表しました。アメリカ34%・インド33%が高い国です。世界の平均は23%にもかかわらず、日本は5%にとどまっています。調査した125か国では、下位層となっています。

 

世界の中では終身雇用の高い日本が、どうして従業員エンゲージメントが低いのか。不思議ですね。どうやら、採用や人事に一因があるようです。日本の企業は、職務を限定せず、新卒で一括採用してから、業務内容や勤務地などを決めることが多い。すると、キャリア形成の見通しを立てづらくなり、生活も犠牲になるので、仕事への熱意や貢献意欲が高まりにくいといわれています。

 

企業に勤務するあなた・・・あなたの「従業員エンゲージメント」は高いですか。自分の仕事を楽しくやりがいのある形にするのは、自分次第ですが、企業へ貢献しようという気持ちは、必ずしも正比例しませんね。あくまでも企業の論理かもしれませんが、従業員エンゲージメントを上手にアップさせることで、従業員の幸福度がアップするのなら、いい話なのかもしれませんね。

2023年

9月

05日

盗んで心の穴を埋める

今日は、まだまだ暑い屋上で、たくさんのことをしました。まずは、アメリカザリガニのおうちに乱入している「ウシガエル」の確保です。子どもたちが、池に誘導しました。また、秋まつりに向けて、踊りの練習と、おみこし「わっしょい!」をやってみます。みこしは、大きな声が大切です。まだまだ、祭りモードにはなっていませんが、本番が楽しみですね。

 

朝顔の色水作りは、子どもたちの楽しみの一つです。赤・ピンク・紫・青・白の花びらを数種類混ぜて、きれいな色水を作っていました。白の花びらは、色が出ないことを学びます。そして、久々に自転車に乗る子どもたちです。新しい自転車が入荷したので、争奪戦です。ホースの水を浴びて、汗と共にびっしょりの子どもたちです。(笑)

 

さて、「クラプトマニア」という言葉をご存じですか。犯罪とわかっていても、盗まずにはいられない・・・盗癖・盗症とも呼ばれます。万引きGメンとして勤務するある男性は、クラプトマニアを珍しくないとしながら、彼らの抱えた問題にこんな見解を示します。「窃盗は許容できませんが、加害者たちの話に耳を傾けると、その人なりの背景が見えてきます」と言います。

 

顔色の悪い初老の女性の万引き犯のケースでは、体調が悪そうなので注目していると、弁当をいくつも盗み始めました。女性は末期がんだと言い、「食べられないのはわかっているけど、盗むと健康だった頃に戻れる気がする」と話したそうです。

 

クレプトマニアは罪の意識が希薄だと言われています。いわゆる、目的をもった強盗犯のような窃盗とは違って、日常生活においてストレスが限界に達し、頭が何も考えられない状態になった時に、盗んだ瞬間だけ光明を感じると言われています。罪悪感を感じ、自己肯定感も下がり、日々の生活でストレスを補充してしまうのです。つまり、犯罪のイメージと異なり、もともと真面目で融通の利かない人こそ注意したい病気と専門家は語ります。

 

資本主義による競争社会では、「みんな平等」という建前を守るために、個人の行動を自己責任とする傾向があります。しかし、実際には発達障害などの生きづらさを抱えるがゆえに衝動性を我慢できない人や、さまざまな特性を抱えながら生きている人が大勢います。彼らは、日常生活において悩みを相談できずに、自分が何にストレスを抱えているのかわからないままに依存症に陥るのです。

 

法治国家の日本では、法律に違反すれば罰が与えられます。しかし、さらに深く考えれば、「万引きにしても薬物にしても、『犯罪だから』と厳罰を与えるのではなく、もっと具体的に生活をアシストしてあげる制度を整えることが必要だ」と、言われるようになってきました。罰するだけでなく、依存症からどう立ち直るようにするかが大事なのです。

 

どうですか・・・あなたなら、どう考えますか。

2023年

9月

04日

8050問題

屋上プールが終わって、屋上での自転車・三輪車遊びが始まるので、昨日は、自転車のタイヤに空気を入れたり、老朽化し役目を終えた自転車などを廃棄処分にしました。すると、タイミング良く、サイクルショップから3台の中古自転車をいただきました。お客様が、新しい自転車を買ったので、今まで使用していた自転車が廃棄扱いとなるからです。

 

いただいた3台の自転車は、ほぼ新品です。小学生が乗る大型自転車1台と、自転車の練習に最適なミニサイズ2台です。これで、まだ自転車免許証がもらえていない、寺子屋24人中で3人の練習にも力が入りそうです。(笑)

 

さて、ひきこもりというと、不登校の若者のイメージが大きいと思いますが、「8050問題」という言葉を知っていますか。80代の高齢になった親が、社会から引きこもった50代の子どもの生活を支える・・・という現実の問題です。

 

その原因は、個々で様々ではありますが、私の認識は、「仕事もろくにしないで、親の年金にすがって生きている、ダメな50代の子」という見方でした。ところが、逆のパターンが多いようです。

 

80代の親は、日本の戦後高度成長期を支えた人々です。「ひきこもり」が長期化するのは、「話し合えない家族」を親が作ってきたからといいます。「子どものひきこもりは、経済力があって養えるから、親にとっては大した問題になっていない。『家の恥』としてひた隠しにしてきたのが、長期化の原因だ」と専門家は語ります。具体的には、強い父親と夫から三歩下がって従う母親の姿です。夫が一方的に話し、最後に妻に「おまえ、何かあるか」と聞く。主従関係のような夫婦が多いと言います。

 

強い父は、自室にひきこもった息子に「おまえ、どうするんだ!いつまで甘えているんだ!いい加減にしろ!」と罵声を浴びせ、殴りかかる。社会から徹退せざるを得なかった息子の苦しみを考えもしない。「息子はどうしようもないから家にいるのに、どうすればいいかを考えるのではなく、頭ごなしに怒鳴ればなんとかなる、と父親は思っている」のです。

 

強い夫には、専業主婦という妻がいて、子どもが何かを言いたがっているのに、ちゃんとした料理を夫に作らないといけないと思う。「ちゃんとした料理」より「子どもの気持ち」が大事なのに、優先順位が間違っているのです。

 

専門家は「親を捨てろ」と言います。「親でいる限り、子どもは家族の一員であり、一個の人格ではない。親をおりないと、子は子の役割から逃れられない。立場や役割を手放し、お互いが個人に戻って初めて、個人と個人の対等な関係になる。そして、人として尊重されるという経験を、子どもは得ることができるのです」

 

どうですか、あなたのまわりに「8050問題」はありますか。難しい問題ですが、どんな家庭でも「話し合えない家族」だけは、作りたくないですね。

2023年

9月

03日

特別展「海」ー生命のみなもとー

今日は、8月27日のおやじ園長のブログで紹介した、クラウドファンディングを行った国立科学博物館に行ってきました。特別展「海」が目的です。①海と生命のはじまり②海と生き物のつながり③海からのめぐみ④海と共存、そして未来へ の4つのストーリーで構成されています。

 

日曜日ということもあって、すごく混んでいました。ゆっくりと、展示内容を確認しながら進むのは困難と思ったので、奥の手の「音声ガイド」を使ったのです。あの「桝太一」さんがナレーションです。以前、日光東照宮で、音声ガイドを使うことで、より深い理解が得られたことがあったのですが、今回も大正解です。桝さんのわかりやすい解説もよかったですね。

 

そして、会場内は、すべてにおいて撮影OKです。これも時代の流れだと思いますが、昔は、美術館などでは、撮影NGがほとんどでしたが、インスタなどにアップしてもらうことで、宣伝にもなりますね。ちなみに、帰りに寄った、「国立西洋美術館」の常設展では、ほとんどの作品が撮影OKでした。あの「モネの睡蓮」だって、多くの人が、バチバチ写真を撮っていました。西洋美術館では、ここで所有している作品は、すべて撮影OKだそうです。

 

いきなり問題です。「海水1リットルには、どれくらいの塩が含まれていますか?」

海水浴で、海水を飲んでしまった経験がある人が多いと思います。私も何度も飲んでいますが、かなりしょっぱい気がしますが・・・大さじ2杯分の塩が含まれています。

 

今年の1月に、大阪湾に迷い込んだ「マッコウクジラ」の淀ちゃんを覚えていますか。このように、クジラやイルカ類が、海岸や川などに迷い込んだり、死体として打ち上げられることを「ストランディング」と言います。理由は様々ですが、淀ちゃんの場合は、群れからはぐれた子供ではなく、30歳を超えていました。最終的に、淀ちゃんは、深海に沈められたそうです。一頭分のクジラは、深海の微生物にとっては、数年分の栄養になるそうです。

 

常設展も含め、興味を持った内容は、まだまだたくさんありますが、時々、博物館に出かけるのもいいですね。すいているときに、じっくりと観たいですね。そうだ!子どもたちのお土産に「恐竜カルタ」を買ってしまいました。カルタブームは終わりませんね。(笑)

2023年

9月

02日

「男らしさ」を手放す

1週間後になった「秋まつり」ですが、今日登園した園児で、お店屋さんの「声だし」の練習をしてみました。「いらっしゃいませ…カレー屋さんです」「一杯100円です」「おいしいカレーはいかがですか」など、最初はヒントになるセールストークを子どもたちに教えて、真似でもいいので「声だし」をさせてみます。小学生もいたので、教室内がうるさくなりました。本番では、自分で考えたセールストークが言えたら、素晴らしいですね。

 

さて、あなたのまわりには、いまだに「男なんだから」を口癖にしてる人はいませんか。今日は、精神保健福祉士の斉藤彰佳(あきよし)さんが書いた「男尊女卑 依存症 社会」という本を紹介します。

 

斉藤さんが生まれ育った家庭は、非常に家父長的で男尊女卑の強いエリアだったそうです。長男として誕生したときに、祖父母は天皇陛下がいる方角に向かって万歳をしたのだと聞かされて育ったそうです。学生時代は、プロのサッカー選手を目指しブラジルに留学

したそうですが、両ひざの半月板損傷でプロの道をあきらめます。無気力の大学生活を送っていたそうです。

 

転機は、卒業旅行での沖縄一人旅です。飲み屋で酔いつぶれ、お金や荷物をすべて盗られたそうです。親にバレたくないと、警察にも行かずに3日間、公園のベンチに座っていたところを、ホームレスから声をかけられたそうです。サッカーでの挫折など弱い自分を話すことができたのです。日雇いバイトでお金をためて、東京に戻ると、「自分のふさわしい場所なんかない。自分の居場所は自分で作るしかない」と学んだそうです。

 

その後、現在勤務するクリニックに就職します。

 

アルコールや薬物、ギャンブル、DV、痴漢などの依存症になる人たちは、ワーカホリック(仕事中毒)傾向であることが多いといいます。男性は「男だから勝たねばならない」と追いつめられ、現実逃避として依存症になると言います。

 

この本では、「男らしさ」は、社会にはびこる男尊女卑の価値観、つまり男性優位社会にとらわれているからだと、様々なケースを通して明らかにしています。

 

私も含め、多くの男性は「男なんだから」とう思いにとらわれることが、正直あります。この言葉をモチベーションアップに使えるのであれば、いいのでしょうが、やはり「有害な男らしさ」が当てはまることが多いような気がします。

 

「男らしさ」「女らしさ」という言葉は、手放さないといけないかもしれません。

2023年

9月

01日

PCOP(ピーコップ)

昨夜の「お月様」は、本当に大きくて迫力がありましたね。スーパーブルームンと呼ばれるそうで、保育園の子どもたちの家庭でも、天体観測が行われたようです。今年度は、6月の社会科見学でさいたま市宇宙劇場・サマーキャンプでの天体観測など、宇宙を学ぶ機会が何度かありましたが、スーパーブルームンも子どもたちの好奇心をくすぐったようです。

 

さて、今日は、9月1日ですね。関東大震災から100年目となります。そして、もう一つ9月1日という日は、教育関係者にとっては、心配な日でもあります。2015年度版自殺対策白書には、約40年間を集計した「18歳以下の日別自殺者数」というグラフがあります。9月1日を挟んだ数日間、命を絶つ子どもが年間で最も多くなるのです。

 

NPO法人「ストップいじめ!ナビ」では、「心のAEDを準備して」と言います。そこで、「死にたい気持ちに対処するためのプラントとして作成したのが、PCOP(ピーコック)です。イメージとしては、消えたい・死にたいという気持ちから、実際の死に至るまでの間を食い止めるツールです。

 

まずは、紙と鉛筆を用意します。スマホやパソコンでも大丈夫です。以下の5つの項目をスマホサイズの小さな紙に書きだします。そして、いつでも見られるようにしておくのです。

 

①警告サイン(自分が危機的状況に陥るきっかけは?)

 眠れない・自傷行為をした・食欲がない

 

②セルフマネジメントの方法(体力がないときもできることを挙げておく)

 ゲームをする・漫画を読む・犬をなでる・推しの顔を思い浮かべる

 

③生きる理由(自殺を考えている時に生きる理由を思い出すのは難しいので書いておく)

 おばあちゃんや犬のマロンが悲しむから

 

④サポーター(思い出して心が和らぐ人など)

 おばあちゃん

 

⑤緊急連絡先(相談窓口や119など)

 よろそいホットライン 0120-279-338

 

このPCOPの元になったのは、米軍人の自殺対策として開発された「危機対応プラン」で、このプランを実施した兵士の自殺は、標準の治療を受けた兵士と比べて76%減少したそうです。

 

子どもの自殺リスクが見逃されてしまう理由は、死にたい気持ちが明確になるほど、助けを求めなくなる傾向が高くなり、周りが見えなくなってしまうからだそうです。大人側から手を差し伸べる必要があると言えます。

 

「心配しているけど、そっとしておく」という対応をしたがために、子どもの命が奪われているのが現状だそうです。そう考えると、大人がPCOPなどのツールを活用を促すことが大事になります。ただし、子どもが作ったPCOPに対して「コントロールしない、否定しない、問題を解決しようとしない」ことを意識するのが大切とのこと。

 

難しい問題ですが、何をおいても、子どもの命を守る・・・これが一番であることは、間違いありません。

2023年

12月

09日

都道府県別魅力度ランキング

今日は、小学生が5年生から1年生まで、6人も登園しました。5年生が、埼京線とアジサイを描いた絵を持ってきてくれました。素敵な絵だったので、朝の会では、その絵を見ながら、みんなに感想を聞きます。そして、屋上では、久々に園長がノックをして守備練習をしました。小学生男子が参加しましたが、年中男子が「僕もやりたい!」と挑戦します。白球を追いかけて、汗をかくほど、今日は暖かい日です。

 

さて、今年も「都道府県別魅力度ランキング」が発表されました。①北海道②京都③沖縄④東京⑤大阪と、トップ5は、ここ数年不動の順位だそうですが、むしろ、話題になるのは「最下位はどの県?」ですね。昨年は佐賀県でしたが、今年は茨城県です。過去15年の調査のうち、茨城県は最下位12回で、すっかり定位置になっていますが、私から見れば、国営ひたち海浜公園でのネモフィラの青と、ほうき草(コキア)の紅葉は、一生に一度は見たい最高の景色です。年間200万人以上が訪れる場所です。

 

そして、我が埼玉県は、昨年に続き47都道府県中45位です。翔んで埼玉でアピールするには、このなんとも評価がしがたい45位という順位がいいのです。もともと、このランキングがナンボのものなの?と思っている人が多いのでは???

 

ということで、このランキングの調査方法を確認してみました。今年は20~70歳代の男女計3万4117人の集計です。様々な項目がありますが、最終的に「どの程度魅力的に思うか」の1問だけの結果です。5段階評価で「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」に50点を与え、それぞれの回答者の割合から各都道府県の得点を集計して順位を出すそうです。

 

ケチをつけるつもりはありませんが、大自然&食べ物がおいしいイメージの北海道は、確かに魅力的で、私も北海道やドラマ「北の国から」にハマりました。ただし、魅力度が高いからといって、「北海道で暮らす」となると、難しいですね。冬の生活の厳しさは、魅力度ランキングには反映されていないのです。

 

最下位になってしまった茨城県知事は「コメントする必要ない」とバッサリ。群馬県知事は「単一でなく総合的な指標で評価するよう要求」し、栃木県知事は「統計的な視点から適切とは言えない。法的措置も検討する」と批判します。

 

さて、世の中にはランキングがあふれています。専門家の分析によると、人間には本能的に社会の中で相対的な位置関係、評価を知りたいという欲求があり、集団生活をするようになった人類の祖先が、周囲と強調を図るために、自らの立ち位置を他者と比較して把握しようとする習性が身に付いたといいます。

 

日本人は、欧米人よりも「相互依存」の度合いが強いので、自らの個性よりも周囲との関係が円満であることを優先すると言われていますが、これからの若者は、個性を主張し、こんなランキングなんて意味ないよ!と思っていくのでしょう。

 

最後に、最下位になってしまった茨城県ですが、労働や健康など国の統計に基づく「幸福度指数」での最新結果は全国13位で、県民所得などの「豊かさ」指標は5位でした。これらは、イメージではなくて、統計上の数値ですので、こちらの方が正確なランキングかもしれませんね。

 

最後は、つまらない結論ですが、どの都道府県にも魅力的な場所やコトは、山ほどあるので、「都道府県別魅力度ランキング」なんて・・・気にせずに、下位の県はギャグにしながら笑いとばしましょう。(笑)

2023年

12月

08日

昭和レトロブーム

今日は、クリスマス発表会の新たな楽器の役割分担を決めました。タンバリン2名・トライアングル1名が指名されます。これで、年長は、ピアニカ&木琴・年中は、スズ&タンバリン&トライアングル・年少はカスタネットと6種類の楽器で、「ガンバリマンのうた」を奏でます。すべての楽器が、ピタッと揃うのが目標ですが、発表会当日まで、その目標に向かって練習をする過程が大事なのです。

 

さて、今「昭和レトロ」がブームになっていますね。西武園ゆうえんちも昭和レトロのコンセプトで改装すると、お客様が増えています。しかし、この昭和レトロブームは、私のような昭和にどっぷりとつかった世代が懐かしむだけでなく、Z世代と呼ばれる若年層に、昭和に憧れを抱くケースが多いようです。

 

カセットテープにレコード、写ルンです、銭湯、昭和アニメ、純喫茶、クリームソーダなどなど、Z世代が「親世代のカルチャー」にノスタルジーを感じているのです。Y2kファッションという言葉を知っていますか。これは、1900年後半から2000年代で流行したファッションのことだそうです。当時、浜崎あゆみさんや安室奈美恵さんといったカリスマアーティストや個性的なファッションのタレント、篠原ともえさんなどが大流行しました。ギャル系の派手なファッションも、Z世代の若者の支持を受けているようです。

 

実は、昭和時代も、明治時代に対する憧れがあったようです。急速な近代化を達成した明治時代は、特有の熱気をを帯び、気骨のある前向きな日本人を多く育てました。では、なぜ今昭和が若者に支持されるのか・・・理由はいろいろあるのでしょうが、1つは、明治時代同様に、戦後の復興から高度経済成長という「大きな変化」を経験した世代であることが、明治との共通点です。それらの変化は、我々の生活をより豊かな方向に導くものと誰もが信じていました。

 

ところが、ある調査では、「社会が今後どのように変化するか楽しみである」と答えた日本の若者の割合は半分しかなく、米国などの調査参加6か国中最下位だったそうです。「明日があるさ」を能天気に歌えた昭和は、未来がどうなるか分からない不安の中で生きる若者たちにとって、魅力的に映るのかもしれませんね。

 

仕事のスピードは、パソコン普及で昭和の時より倍以上早くなったような気がします。若者はスマホとにらめっこですが、ネット社会のストレスも昭和にはなかったですね。こう考えると、単純に「昭和レトロブーム」を懐かしむだけでなく、これからの人生を幸せに生きるヒントが、昭和の生活の中にあるのかもしれません。

 

そんな観点で、昭和を思い出してみるのもいいかもしれませんね。

2023年

12月

07日

名前のない鍋

今日は、健康診断を行いました。パンツ一枚になると、子どもたちは「キャーキャーワーワー」大騒ぎです。チビちゃんは、ビクビクしながら先生の聴診器を見つめます。(笑)

この冬は、テレビで報道されているように、コロナ禍で子どもたちの免疫力が落ちているので、様々な感染症が流行しています。提携医の話では、朝病院を開けた段階で、一日分の予約数が埋まってしまうそうです。

 

さて、今日は「鍋」の話をします。冬の食卓に欠かせないのが身体も心も温まる鍋ですね。昨夜、私は飲み会だったので、お腹いっぱいで帰宅したのですが、ちょうど夕食が「おでん」だったのです。たまらず、しみしみの大根を食べてしまいました。おでんもおいしい季節ですね。

 

しかし、最近では、スーパーの棚に「○○鍋のつゆ」が、何十種類も並んでいます。私が子どもの頃には、間違いなく、鍋のつゆなど売っていませんでした。それぞれの家庭で、だしや調味料を駆使して、各家庭の「鍋」の味がありました。どちらかというと、かつては、冷蔵庫にある残りもの食材を消費するために「今夜は鍋」になっていたのですが、今は、「鍋つゆの素がなかったら鍋はしない」「パッケージに書いてある通りに作る」という家庭が増えているようです。おおざっぱで何でもありの代表的な料理の鍋ですが、レシピがなければ鍋料理はしない人たちが増えているのです。

 

「名前のない鍋、今日の鍋」の作者で、フードライターの白央(はくおう)さんは、普通の人たちはどんな鍋を作り、食べているのだろう?と、18人の自宅キッチンにおじゃまし、そこから生まれたそれぞれの鍋を紹介しています。

 

妻に先立たれ、料理を覚えて自立していく高齢男性。いろいろな世代の家族一人一人が手分けして支度し、おいしい鍋を楽しんでいる大家族。ふるさとの母仕込みの鍋を作る韓国人男性。以前は嫌っていた農家を継ぎ、もぎたて野菜の鍋を味わう若い農園主。

 

さらに色々な人がいて、卓上コンロは持たずに温めた鍋をテーブルに運んで食べる人や、土鍋を持たない人がたくさんいるそうです。また、お酒を飲まない人は、長々と鍋をつついたりせずに、一気に食べる・・・。

 

鍋料理こそ、「料理とはこうあらねばならない」という思い込みから、人々を解放してくれるのかもしれませんね。この冬、皆さんの家では、「○○鍋のつゆ」を使わずに、オリジナル鍋を1つ完成させるのもいかがですか。

2023年

12月

06日

5歳児健診で発達障害の早期発見

今日の練習は、「勇気100%」の歌とダンスを忍者の衣装を身に着けて、やってみました。かっこいい忍者が20人以上になり、なかなかの迫力です。子どもたちも、自分の姿に酔い、素晴らしいパフォーマンスへとつなげます。いい感じです。

 

さて、「5歳児健診」をご存じですか。国が定めた健康診断には5歳児健診はありませんが、自治体が任意で実施しています。政府は、2023年度補正予算に、費用の半分を自治体に助成する事業を盛り込み、本格的に5歳児健診の支援に乗り出しました。

 

大分県津久見市では、2008年度に5歳児健診を始めました。医師が診察したり、保健師が保護者に子どもの普段の状況を聞き取ったりします。同世代と遊ぶ様子を観察し、集団行動や子どもの反応などを通して、発達障害の可能性を見極めます。

 

母子健康法に基づき、「3~6か月」「9~11か月」「1歳半」「3歳児」を対象に、市町村が義務として健診を行っていますが、3歳児健診の後は、小学校入学前に受ける就学前健診まで、約3年間の空白期間が発生してしまうのです。

 

発達障害があるかどうかについては、1歳半健診では、ほぼ「様子を見ましょう」でスルーされます。そして、3歳児健診でも「まだ3歳ですので、引き続き成長を見ながら判断していきましょう」と言われることが多く、親が積極的に「我が子は発達障害かもしれないから、しっかりと診てもらおう」と踏み込まない限り、様子見になることが多いのです。そして、いよいよ小学生になるという段階で、普通学級にするか特別支援学級にするかどうか、明確な判断ができず、迷い、バタバタしてしまうのです。

 

保育園では、過去に、何度もそんな事例を経験してきました。津久見市が、5歳児健診を始めたのは、大分大学から「発達障害の子どもを早く見つければ、入学前に準備ができる」と提案を受けたのがきっかけです。

 

例えば、軽い発達障害の傾向が見られた男の子が通う保育園では、市から情報が伝えられると、机に時計を置き、着席や読書を終える時間を守れたらシールをあげるなどして、男の子がきちんと時間を守れるように、対策を講じることにつながったそうです。

 

今では、発達障害は一つの個性として捉えられており、津久見市の取り組みは、早期に「発達障害のレッテルを貼る」ことではありません。「発達障害を早期発見し、地域ぐるみで学びやすい環境づくりを進めることが重要」と考えています。

 

発達障害は、傾向が同じであることはほとんどなく、一人一人への対応が必要になっていきます。そして、成長とともに完治することはないと言われています。発達障害の子どもたちが、やがて大人になり就職して仕事をすることまで考えると、親も、早く情報を持ち、我が子をどうやってケアしていくかが大切になってきます。

 

発達障害の子は、小学校で必ず特別支援学級に行くわけではありません。勉強以外の体育や音楽は、普通学級という選択肢もあるし、学校や担任の協力をもらって、普通学級で過ごすという選択肢もあります。親が選択をするのですが、早期に我が子が発達障害とわかっていれば、より子どもの成長や可能性を考えた選択ができるのです。

 

こう考えると、5歳児健診が全国に広がっていくことが望ましいですね。

2023年

12月

05日

ママに贈るクリスマスケーキ

今日の劇の練習は、一人一人衣装を着て行いました。「こびとのくつや」では、こびとが作った靴が高い値段で売れていきます。ということで、お客様もドレスアップしたイメージにします。お客様の一人は、黄色のベルのドレスを着ました。このドレスは、2年前に年長女子の「最後のハロウィーンパレードで、ベルになりたい」というリクエストにこたえたママが、手作りのドレスを作ってくれました。そして、保育園にプレゼントされ、こうして、クリスマス発表会で活躍するのです。

 

街の人から王様まで、華やかな衣装で、子どもたちのやる気もアップです。まるで本物の俳優になった気分で、頑張ってくれました。

 

さて、今日の寺子屋のテーマは、「ママに贈るクリスマスケーキ」です。子どもたちは、ママやパパに買ってもらった、アンパンマンやプリキュアなどのキャラクターケーキを食べることが多いようです。しかし、今日は、ママに贈るクリスマスケーキをチームで決めよう。ということで、キャラクターのケーキがいっさいない、百貨店のクリスマスカタログを手に、5チームに分かれます。チーダーがメンバーの意見をまとめながら、チームで1つのママに贈るクリスマスケーキを選び、その理由も発表します。

 

チームのメンバー一人ひとりが考えて、議論し、リーダーがうまくまとめて結論を出すというやり方です。「保育園の園児でそんなことができるの?」と思われるかもしれませんが、私の予想以上に、素晴らしい話し合いが行われ、リーダーの発表もしっかりしていました。

 

各リーダーの発表内容です。

「ケーキの上にサンタクロースが乗っていたので、ママが喜ぶと思ったんだ。そして、ママが大好きなイチゴがたっぷりあるので、このケーキにしました」

「このメンバーのママたちは、甘酸っぱいケーキが大好きで、ブルーベリーとかいろいろなフルーツが使ってあるから」

「星形のホワイトチョコレートが乗っているのがいいと思った。だって、ママはチョコレートが大好きだから・・・」

「マカロンがケーキの横に貼ってあって、マカロンは、ママも僕も大好きだから。それと、ピンク色のケーキがかわいいと思った」

「このケーキの上にいるサンタクロースは、たぶん『パラダイスやまもと』さんだとおもったから」

 

 

パラダイス山元さんを知っているのは、先日の「サンタクロースに何を頼む?」の寺子屋で、日本にただ一人のサンタクロースの話をしたから覚えていたようです。

 

リーダーとメンバーとの話し合いは、ざっと5分くらい続いていました。一人一人の意見を丁寧に聞くタイプのリーダーあり、「私はこれがいい」と、最初に自分の意見を言うタイプもあり、それぞれのやり方で、議論が行われていたのです。園長としては、「ここまで話し合いができるなんて・・・」正直驚きました。

 

「自分で考えて自分で答えを出す」ことが、今日の寺子屋では、かなりのところまでできたような気がします。

 

今日の子どもたちに「あっぱれ!」です。(笑)

2023年

12月

04日

秩父に一つだけの映画館

今日から、クリスマス発表会の劇の練習は、完成している鼓動を使いながら、より子どもたちの演技力を引き出す練習です。時間をかけて、本番に向けてスパートをかけていきます。練習が終わると、屋上ファームのじゃがいも掘りを行いました。残暑が影響して、今回は不作です。大根は大きく育っているのですが、じゃがいもは小ぶりです。すべての野菜が豊作になるのは、なかなか難しいですね。

 

さて、昨日は、埼玉が誇る「秩父の夜祭り」がありましたね。ちょうどクライマックス&花火が日曜日で、多くの人が訪れたようです。私も行ったことがありますが、「寒いけど熱い!花火が美しい!」思い出があります。そんな、埼玉県秩父市には、たった一つの映画館があります。ユナイテッドシネマ秩父が2022年7月にオープンしました。まだ開業して1年半です。実は、秩父市に映画館ができるのは29年ぶりだったそうです。秩父の若者たちが、「秩父に何とか映画館を!」という願いが届き、行政も動き実現したのです。

 

映画館ですから、赤字のたれ流しと言うわけにはいきません。この映画館の支配人に、40歳の若さで任命されたのが、柴田茜(しばたあかね)さんです。ユナイテッドシネマ長崎でアルバイトからスタートし、着々とキャリアを積み上げていきます。福岡市に初めて誕生したプレミアムダイニングシネマのオープニングも担当します。そして、土地勘のまったくない、秩父での映画館立ち上げと支配人という大役が舞い込んできたのです。「お前ならできる」と上司に励まされ、福岡から秩父に移り住んだそうです。

 

人口6万人の秩父市やその近隣含めても10万人程度の街で、会社が示した年間来館者は、13万人でした。ざっと、1日356人です。ユナイテッドシネマ秩父のスクリーンは、全部で7つ、客数が632席ですので、毎日半分が埋まらないと、この数字は達成できません。ところが、柴田さんは、この目標を1年目で達成させたのです。

 

柴田さんは、何よりポップコーン作りが好きで、一日中でも機械をいじっていられるそうです。朝の4時半に起き、誰よりも早く映画館に行く。まずは、館内の清掃を行い、ポップコーン作りが始まるそうです。映画館で食べるポップコーンはどうしておいしいのでしょうか。出来立てという要素の他に、きっと何かがあるのでしょう。

 

「秩父の皆様に・・・映画館を生活の一部にしてもらいたい!」という柴田さん。思ったほどお客様が来ない日もあるけど、悩むより来てもらうにはどうしたらいいかを常に考え、突き進んできました。

 

なんだか、秩父のたった一つの映画館のキーマンに会いたくなりましたか。秩父に行ったら、ポップコーンを作っている女性を探してみましょう。(笑)

2023年

12月

03日

教育虐待

今年3月、元九州大生の長男が、実家で両親をナイフで殺害した事件の背景には、「教育虐待」があったそうです。長男は、小学校の時から学校の成績が悪いと父親から殴られ、「失敗作」と罵られたそうです。長男を鑑定した臨床心理学の専門家は、「事件は教育虐待がなければ起きなかった」と指摘します。

 

教育虐待は「親による子どもの心身が耐えられる限界を超えて教育を強制すること」と定義されますが、分かりやすく言えば、「大人が善かれと思って提案することに対し、子どもが嫌だと思えば『NO』と言え、それを大人が聞いて、『本人がそういうならと折れることができる』この関係性があるかないかで決まる」とも言えます。

 

教育虐待の根っこには、「大人たちの価値観」があります。「お金があり地位が高い、いわゆる『勝ち組』になる人生が幸せであるという価値観」・・・そうした価値観に縛られ、子どもを『負け組』にしないために、勝ち組を獲得できるところへ、親が子どもを持っていくべきだと信じてしまうのです。

 

もう一つは、親が学歴などにコンプレックスを持っている場合です。特に母親は、女性であるがゆえに結婚や出産・子育てでキャリアや自分の夢を諦めざるを得ず、そのために、子どもを自分の「代理」にして、戦わせているのです。自分の夢や理想を子どもに託し、「教育」という名の下、子どもを通して自己実現させようとしてしまいます。しかし、子どもにとっては、それが過度の期待と強制になり、じわじわと追いつめられるのです。

 

教育虐待をする親の共通点として、「経済的に安定した家庭で起きている」といわれます。そこでは、いい高校、いい大学、いい会社に就職させることを目標に定め、それを達成させるのが「いいお父さん」「いいお母さん」という自身への評価につながると錯覚し、親だけエキサイトしてしまうのです。子どもも、親が望むのであればと、自分の気持ちは置き去りにして猛烈に勉強します。しかし、そうした状況が続くと、誰にも相談できないまま、プツンと心の糸が切れてしまうのです。

 

親が変わるには・・・「子どもは別人格で親の所有物ではない」「成績や成果など、結果だけで子どもを評価しない」「子どもの評価=親の評価だと思わない」「自分の理想を子どもに押し付けない」「子どもが望むサポートと親ができるサポートは親子の対等な対話の中で決めていく」「自分たちの信じている価値観を疑い、考える」

 

上にあげた内容は、実は、親も理屈ではわかっているけど・・・ついつい我が子のために、あらんことをしてしまうのではないでしょうか。

 

保育園ホワイトきゃんばすと同じフロアにある「学習塾」には、こんな張り紙があります。「受験まであと3か月・・・この3か月間だけは、親は我が子に『勉強しなさい!」と言うのを我慢してください」

 

また、18世紀の哲学者、ルソーは著書「エミール あるいは教育について」で、こう述べています。「あれしなさい、これしなさい、あれするな、これするな。そんなことばかり言い続けていたら、その子はそのうち『息をしなさい』と言わないと、呼吸できなくなるぞ」

 

どうですか、まずは、「○○しなさい・するな」を言わない。そして「勉強しなさい」を言わないことから始めてみませんか。

2023年

12月

02日

「森のようちえん」卒園児が大人になったら

今日は、年少女の子の話です。先月、自転車免許証を獲得して、ここ数日で、こぎ出しから一人で自転車を走らせることができるようになりました。すると、同じ、自転車免許証を獲得したばかりの年少男子に、「こうやってやるんだよ」とこぎ出しスタートのやり方を教えていたのです。自分ができるようになったら、今度は友だちに教えているシーンは、何だかうれしかったですね。

 

さて、全国に「森のようちえん」と呼ばれる、自然体験を基軸にし、どちらかというと一斉保育よりも見守り保育のバランスが高い環境の幼稚園があります。そんな「森のようちえん」を卒園した園児が、大学生になってどんな成長傾向にあるか、東北大学や日本女子大学教授ら5人の研究グループによる調査結果が出たようです。その結果、卒園児同士のつながりが深い、自己肯定感が高い、社会参画への意識が高いという傾向が見られたそうです。

 

どうですか・・・興味をそそる研究結果ですね。

 

研究に協力したのは、約40年前に開設された長野県のK幼稚園です。調査は、連絡先が把握できた81人に無記名での回答を求めるオンラインアンケートの形式で行われたそうです。通常、幼稚園、保育園、小学校も卒園卒業してからは、月日の経過とともに友だちとのつながりが希薄になる傾向にありますが、K園卒園児は、大学生世代になっても幼稚園時代の友人とのつながりを感じており、在園期間に様々な体験を共有して構築した関係性の深さがうかがえます。

 

具体的なデータでは、「自己肯定感の高さ」については、「今の自分が好きだ」74.4%(内閣府調査46.5%)、「自分には自分らしさというものがあると思う」94.4%(同70.6%)、「自分の親から愛されていると思う」も97.4%(同73.7%)あり、自己肯定感が高い結果は家庭環境の恩恵も踏まえて考える必要があるようです。

 

さらに深掘りすると、「リーダーシップを含む社会参画への意識の高さ」については、「うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む」が71.8%(内閣府調査51.9%)、「自分の考えをはっきり相手に伝える」も79.5%(同49%)と高い数字です。回答した39人中36人が卒園後に部活動や委員会活動で責任ある立場を担った経験があると答えています。最後に、こんな質問もあります。「自分で国や社会を変えられると思う」は、38.5%で国の平均値18.3%をはるかに上回っています。

 

「森のようちえん」だけでなく、五感を使いながら、仲間や教職員と伸び伸びと遊びながら育つことを大切にする幼稚園、保育園を卒園した園児には、こうした傾向があることを今回の調査は示したと言えます。

 

どうですか・・・幼稚園から、みな同じように一斉に勉強を教えるという取り組みは、子どもたちの将来の自立には、必ずしもつながらないことだけは、間違いありませんね。

2023年

12月

01日

ふるさと納税の返礼品を考案

今日の体操教室は、鉄棒で楽しもうプログラムです。「楽しむ」ために、鉄棒ぶら下がり選手権を行いました。足がつかないようにして、ただただ鉄棒にぶら下げっている時間を競う内容です。年少・年中・年長別に行い、最後に各上位の園児で最強の園児を決めます。今日は、年中の男の子が、年長男子を破って優勝しました。

 

運動能力や筋力も影響しますが、勝ち残るための一番大きい要素は「精神力」です。絶対に最後まで残るぞ!という強い気持ちが大きく影響します。これは、非認知能力も大きく伸ばすことにつながりますね。熱く、盛り上がった体操教室でした。

 

さて、今日は、ふるさと納税の話です。全国の返礼品人気ランキングベスト10は、「海鮮品」と「肉」で占められています。わかりやすくて、食欲がそそる品物ですね。ベスト10に食い込む自治体は、ふるさと納税で多くの税金が集まり、子育てや地域のために活用されています。

 

ところが、我がさいたま市は、ふるさと納税で市外から集められる額が約1.4億円に対し、市外への流出額は、全国でも6番目に高い90億円に上がっています。何と、88億6千万が、ふるさと納税という形で、消えているのです。

 

ちなみに、さいたま市の返礼品は、大宮盆栽美術館・岩槻人形博物館のチケットや、さいたま市観光協会が推奨する土産品です。お酒やスイートなど、たぶん、日本全国どこの地域の土産品と比較しても、そのカテゴリーは同じですので、大きな付加価値にはつながらないと判断されるのです。

 

これは、何とかしなければいけない!ということで、さいたま市では、中学生がふるさと納税で地元を活性化させる方法を考える授業が市内で行われたそうです。授業では、魅力ある返礼品を考えるだけでなく、埼玉りそな銀行の協力もあり、税金や地元について理解を深めることを目的に行われました。

 

生徒たちからは、様々なアイデアが生まれたようです。あるグループは「浦和区の名物であるウナギのつかみ捕り」を提案。また別のグループからは「市内に本社を置くアパレル企業とコラボしてオリジナルのTシャツやトートバッグを作る」「造幣さいたま博物館を見学し、オリジナルコインを作る」などです。どうですか・・・納税額がアップする企画ですか?

 

本来、私たちはふるさと納税で、寄付する自治体を決めるときは返礼品だけではなく、寄付の使い道まで見る必要があります。そう考えると、さいたま市は、返礼品で付加価値をつけるのが難しいのであれば、「使い道」が注目されるような政策が必要なのかもしれません。

 

さいたま市のような政令指定都市規模の自治体は、みな同じようにふるさと納税金額では、大きな赤字となっているのです。

2023年

11月

30日

へき地校で実習

今日の給食は「いも煮会」です。屋上の青空給食で、煮込みうどんをおなかいっぱい食べました。ホワイトきゃんばすファームで収穫した、大根・じゃがいも・小松菜がおいしさの秘密です。もう一つは、みんなでおしゃべりを楽しみながらの給食ですね。風もなくて、お日様がポカポカ・・・あったか青空給食になりました。

 

さて、みなさんは「へき地」という言葉をご存じですか。マイナスイメージに使われることが多いですね。交通機関や生活施設などから離れた場所を指し、そこにある学校を「へき地校」と言います。2022年度のデータでは、全国の公立小中学校の9%がへき地校だそうです。意外と多いですね。北海道では、全体の36%がへき地校です。

 

北海道教育大学では、札幌などの都会出身の学生を対象に、志願制のへき地校実習を行っているそうです。北海道教育大学3年の佐々木さんは、タンチョウ鶴が舞う鶴居村にある下幌呂(しもほろろ)小学校で、2週間の教育実習を受けたそうです。児童数24人のへき地校です。

 

2学年の児童数が合計16人以下の場合に、複式学級を作ることができます。先生1人が、2学年分の授業を受け持つのです。佐々木さんは、3・4年合計6人の授業を3日目から任されました。教室の前方を向いた4年生は国語ドリル、後方向きの3年生は教科書の物語文を読みます。3年生に問いかけると、4年生が「終わりました」と言い、佐々木さんは「ちょっと待って」と焦ります。そして、教室の前後をうろうろするのです。

 

佐々木さんが通った小学校は札幌市内で、1クラス35人だったそうで、他学年の子や先生と話す機会は少なかったと言います。今回は「少人数だからこその深い関わりがあるのでは」と思い、実習を希望したそうです。

 

小学校では、先生は男女問わず、子どもたちを「○○さん」で呼ぶところが多くなってきましたが、下幌呂小では、子どものことを下の名前で呼びます。児童も先生も学年に関係なく声をかけあう光景が日常です。

 

そして、佐々木さんの実習最後の日には、24名全員が次々と声をかけてくれまし。一人一人の子どもたちのかかわりは、より深いものになり、「この実習は短かったけど、濃密だった。子どもたちへの向き合い方が見えてきたような気がする。この経験を糧に、絶対に先生になる」と言います。

 

1クラス35人を相手にしていたら、表面上のかかわりしかできなかったかもしれませんね。へき地校での少人数での実習体験は、自分が子どもと関わる原点となるのです。明日の日本を担う、子どもたちにかかわる仕事が教員です。そんな教員を目指す若者たちには、大いに活躍してもらいたいですね。

2023年

11月

29日

ノートをカンニングし合う

「ガンバリマンのうた」の合奏の練習は、年長園児が、ピアニカと木琴・年中園児がスズとタンバリン、ウッドブロック・年少園児がカスタネットを使用します。木琴、タンバリン、ウッドブロックを演奏する園児は、これから選出します。今日の練習では、スズとカスタネットがバラバラですが、練習を重ねる中で、上手になっていくので、あせることはありません。発表会のねらいの1つは、チームで練習することです。子どもたちの「非認知能力」が、思いっきり伸びるのです。

 

さて、今日は埼玉県杉戸町の小学校教諭Yさんの話です。

 

みなさんが学校生活を送っているとき、自分のノートやプリントを手で隠し、周りから見えないようにしませんでしたか。理由は2つ・・・1つは、自信がなくて隠す場合。もう1つは、自分が解いた答えを見せたくないとう場合です。

 

そこで、Y先生は、子どもたちに、「分からないときは、分かりそうな友だちのノートを覗きましょう。カンニングはどんどんしましょう。ただし、テストでは絶対にカンニングはしてはいけません」と伝えて、授業をするそうです。

 

Y先生が言うカンニングとは、こっそり人のノートを覗いて書き写して終わりということではありません。覗くことで、疑問に思ったことを質問したり、説明を聞いたりする活動につなげることです。カンニングされる側も説明をすることで、さらに深い学びになります。カンニングし合える環境や関係を作ることで、互いに良い学びができるようになったそうです。

 

「何だよ~それじゃ、教える側が損して、教えてもらう側が得するばかりじゃないか」なんて、ヤボなことは言わないでくださいね。「学びのピラミッド」では、一方通行の講義を聴くだけでは、たった5%の内容しか頭に残りません。それが、ピラミッド頂点の「人に教える」になると、90%の内容が、インプットされます。人に教えることで、さらに自分でも学びが深まるのです。

 

カンニングの他にも、「授業中に席を立って自由に覗きに行ってもよい」というルールもあるそうです。この自由な雰囲気で、子どもたちは楽しく勉強ができるのです。カンニングは、クラスの中の議論を活発にするだけでなく、自分自身の考えを深め、自分で考えることにつながるようです。

 

どうですか・・・Y先生のクラスなら、「分からないまま」時間が過ぎていくようなことがありませんね。小学校の先生は、1人で30人以上の児童を教えます。学力が高い・真ん中・低いのどこに合わせるか・・・なんて悩むことなく、「カンニング」で、かなりの部分が解決できそうですね。

2023年

11月

28日

少年補導員

11月15日に行った「ごみスクール」の流れで、今日の寺子屋では「ゴミ出し何曜日?」を行いました。園長がサンタクロースのように大きな袋を背負っていると、「それ、サンタクロースからのプレゼントじゃないの?」と子どもたちがわくわくしてきます。そこで、袋の中身を取り出すと、空き缶・ペットボトル・ビン・古新聞・スプレー缶・ぼろきれなどが出てきます。「なんだこれ!?ごみじゃないか!」と5歳男の子が言います。ビニールに入った、保育園の燃えるゴミも並べて、これらのゴミは、いったい何曜日に捨てるの?を学び合いました。

 

「燃えるごみは、火曜日と金曜日と2回もあるんだね」「ママと一緒にごみ捨てを頑張るよ~!」など、いろいろな声が上がりました。子どもたちが、ごみスクールで学んだことやごみ収集日を意識することで、ゴミの問題を考えるきっかけになればうれしいですね。

 

さて、今日の話は「少年補導員」です。補導員という名前がついているように、街を回り、飲酒や喫煙をしている子どもたちに注意や助言をする人です。ショッピングセンターのゲームセンターでも時々見かけることがありますね。

 

先日のブログで、「PTAはいる?いらない?」の話をしましたが、この補導員になる人が年々少なくなっているそうです。もともと、少年補導員は警察署長から担当する学校の指定を受け、学校と地域のために、少年非行及び被害防止のために活動しています。地域によってまちまちですが、PTAから選出されるところもあり、時給1500円など報酬が発生する場合もあるそうです。

 

非行少年・少女の補導活動だけでなく、酒・たばこ販売店への年齢確認の徹底指導、学校行事の参加や清掃活動、子どもたちの登下校時の見守りなど、その活動は多岐にわたります。

 

補導員の活動は、1950~60年代に青少年の非行を防ぐ目的で始まった活動ですが、今の10代の少年少女は「補導する」という言葉もピンと来ないかもしれませんね。直近20年では、刑法犯少年の検挙数は減り続け、かつて見られた盛り場で飲酒、喫煙する若者、コンビニの前でたむろする若者も見られなくなってきました。むしろ、ネットやゲーム依存、ヤングケアラーなどの若者への支援の方が大切です。

 

そんな背景から「もう街頭パトロールは必要ないんじゃないの」という声が上がっているそうです。せっかく報酬を出しているにもかかわらず、みんなやりたがらないし、もっとニーズの高い課題に対応した方がよいと考えられるようになってきました。

 

実際に、「ネットポリス鹿児島」では、ネットパトロールに取り組んでいます。理事長の戸高さんは、約20年前に補導員として街頭パトロールを経験しています。しかし、当時すでに若者たちはガラケーでネットに入り浸りだったので、ネットパトロールに意義を感じたのです。

 

PTA活動は、保護者と学校と地域が協力して子どもたちのために活動をするのが目的です。少年指導員も、子どもたちを見守りながら安全と育成につなげる活動です。総論としては、なくしてはいけない活動です。しかし、各論(具体的な活動方法)は、その時代や地域、学校によって違うし、変わるものだと考えればいいのです。

 

子どもにかかわる活動で、まだまだ見直さなければならない活動はたくさんあるのかもしれません。

2023年

11月

27日

ど根性植物

今日から、クリスマス発表会で0~2歳児のダンス「おばけのバケちゃま」の練習がスタートしました。おばけの衣装が完成したので、さっそく、その衣装を着てダンスの練習です。オバケなので、泣きだす園児もありましたが、衣装を身に着けると、がぜんやる気アップになるものです。振り付けは簡単なので、すぐに寺子屋園児が覚えてしまいました。明日からは、寺子屋園児も一緒に踊ることで、ちびちゃんたちも覚えてほしいですね。

 

さて、今日は昨夜のNHK「ダーウィンが来た!」で放映された、「どっこい生きてる街の中!ど根性植物」についてです。植物観察家の鈴木さんが、街の中をはいつくばって、強く生きている植物を紹介していきます。昨日の植物は、ほとんど屋上で見られる野草でした。

 

「カラスノエンドウ」は、春になるといたるところに現れます。さやが黒くなってくるので「カラス」と呼ばれますが、この種の飛ばし方が凄かった。さやが乾燥して開く力を利用して、種が3メートル先まで飛ぶのです。「カタバミ」も厄介な野草で、根を広げてどんどん増えていきます。花の形は小さくて美しいのですが、ファームのありとあらゆる場所に広がっていきます。これも、さやから種を飛ばします。

 

寺子屋の時間で、ドクダミ茶を作ったことがありますが(おいしくなかった)、クサガメのおうちの周りは「ドクダミ」だらけです。ドクダミは根で増えていくのですが、その再生能力の凄さにはびっくりです。根を切ってそのままにしていると、それが再生するのです。凄い生命力です。

 

虫の力を使う植物もあります。「すみれ」の種は、甘い成分がにじみ出ていて、これを餌にしようと、アリが一生懸命巣に運びます。こうして、アリによって、様々な場所に種が移動して、そこで新たなすみれの生命が生まれるのです。

 

アスファルトを突き抜けて成長する「イタドリ」の怪力にもびっくりします。これは、数本の根が協力し合って、アスファルトをゆっくりと持ち上げます。その中で、うまく、アスファルトの目を通った1本が飛び抜けることができたのです。

 

一日花で知られる、「ナガミヒナゲシ」は、初夏に道の端に群生しています。オレンジ色の美しい花を咲かせますが、一日で花は終わります。そこから種になるのですが、1本の花での種の数が半端ありません。番組では、その種の数を数えます。何と3086個でした。これだけの種が、風に乗ってあらゆる場所に運ばれるのです。

 

どうですか・・・ど根性植物とて、他の植物と決して同じ生き方ではなくて、自分の生き方を貫いているのです。人間と変わりませんね。

2023年

11月

26日

若者の「回復力(レジリエンス)」

伝説の映画俳優「ブルース・リー」が構想していた、映画「死亡遊戯」の冒頭シーンは、強風が吹く広大な雪原の中に、厚い雪で覆われた巨木が立っています。突然、バキッという音がし、大きな枝が地面に落ちます。視線を変えると、別の場所には、柳の木が風にしなりながら立っています。

 

ブルース・リーは、「環境に適応しているがゆえに、柳は生き残る」と語ります。武道や人生における適応力や柔軟性が大切と、このシーンで訴えたかったようです。

 

レジリエンスという言葉が、よく使われるようになりましたが、つらい経験をして、一度は人生に絶望したにもかかわらず、やがて一歩一歩、前へ歩みを進めること。人間が生来持つ、逆境における回復力という意味です。

 

ブルース・リーは、大きく、太く、強くなくてもいい。小さく、細く、弱いままでも、しなやかであれば、襲いかかる逆境にも何とか耐えられる。というメッセージを「死亡遊戯」の冒頭シーンに込めたのかもしれません。

 

先日、神奈川県鎌倉市立腰越中学校で、自殺予防活動をしている高橋聡美さんが、3年生を前にして「SOSの出し方」の授業を行いました。

 

「アンパンマンって、実は弱いんですよ。顔が汚れると力が出ないし、一人では戦えないでしょ。でも、アンパンマンには強みがあります。自分の限界を自覚し、周りに助けを求めることができる」と言います。そして、「誰にでもレジリエンスはあり、たくさんある方が困難を乗り越えやすい。そして、あなたも誰かのレジリエンスになれるんです」と力強く訴えます。

 

私たち大人は、大きな挫折というレベルでなく、仕事の失敗でも、自分一人で抱え込んで解決しようとすると、たいがい状況がさらに悪くなることを経験しています。しかし、若者は、人に頼ることがカッコ悪いと考えます。昨年の小中学生の自殺者は過去最多になってしまいました。

 

過激なナチス収容所体験を記録した著書「夜と霧」で知られるオーストリアの精神科医、ビクトール・フランクル博士がいつも話していた言葉があります。「あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない。あなたを待っている誰かや何かがある限り、あなたは生き延びることができるし、自己実現できる」

 

大人の私たちは、若者のレジリエンスを期待し、力にならなければなりません。

2023年

11月

25日

小学生から学びました

本日登園した小学校4年の男の子が、先日小学校で行われた持久走大会で、学年代表の挨拶をしたそうです。優勝インタビューではありません。「僕は、走ることが得意ではありません。でも、最後まで頑張って走ることだけずっと考えて走り続けました」そう、彼の順位は、後ろから数えた方が早いくらい持久走が苦手です。でも、そんな彼が、みんなの前で話をすることで、「俺だって、一番にはなれないけど、頑張ることならできる!」と多くの児童が思ったに違いありません。

 

このスピーチは、ママのスマホで見せてもらったのですが、それは、堂々としたものでした。本人は、「言おうとしていたことが、全部言えなかったよ(笑)」と話していましたが、大人の私たちだって、スピーチをしたら、予定していた内容の7割話せれば十分ですね。小4の男の子は、学年全員の前で話す経験をしたことで、ますます自信がついたことでしょう。このエピソードを園児たちの前でも話してもらいました。

 

そして、小学校3年の女の子も、今日は大活躍です。最近、保育園の寺子屋園児を中心に、なわとびがブームになっています。そんな園児の前で、二重とびの10回連続の技を見せてもらいます。園児たちの口は「あんぐり」状態で、「凄い!」の言葉も出てきません。このレベルを見せられたので、「もっと練習して頑張る!」と言う気持ちになったのです。

 

小3の女の子は、新体操をやっているので、体も柔らかいのですが、「リンボーダンス教室」も始まりました。まずは、彼女がお手本を見せます。初めてリンボーダンスにチャレンジする園児たちは、楽しく、体を後ろに曲げていました。

 

小3女の子の仕上げは「折り紙教室」です。園児には難しいのですが、「鶴」の折り方を丁寧に教えてくれました。身近な先輩に教えてもらうことは、園児たちにとっては、乾いたスポンジが水を吸収するかの如く、のめり込んで、集中して、いつもの力の何倍の力を発揮するようです。一生懸命作った、折り紙の作品を園児たちは、大切におうちにもって帰りました。今度は、ママに話をするのでしょう。

 

土曜日の保育園は、小学生までタテの関係が広がるので、今日のような、素敵な学びあいになることが多いのです。そして、卒園児の小学校での活躍を聞くだけで、園長はうれしくてたまらないのです。(涙)

2023年

11月

24日

翔んで埼玉 続編

クリスマス発表会の劇の練習です。何人かの子どもたちは、自分のセリフを覚えてきました。こうなると、次のステップは、「演技」がどれだけ上手にできるかがポイントです。そして、声の大きさもまだまだですので、来週からの練習で、さらに完成度を上げていきます。

 

さて、「翔んで埼玉」の続編をみにいってきました。公開日当日に映画館に足を運ぶなんて、まったくもってミーハーですが、純粋に、この作品で笑い転げたい・・・という思いです。一人であーだこーだ言うのも変なので、隣には上さんが聞き役で座ります。

 

琵琶湖より愛をこめて・・・という副題は何だ?と思っていたのですが、埼玉や関東エリアを飛び越えて、関西エリアを巻き込んだ、一大エンターテインメントに仕上がっていたのです。

 

私は、関東の人間ですが、神戸に本社がある会社に勤務していたので、関西出身の仲間が多くいます。マクドナルドのことを東京では「マック」と呼びますが、関西では「マクド」と言います。私も、マクドの方が呼びやすいですね。ちなみに、ミスタードーナツは「ミスド」です。(笑)

 

関東では、電車の扉に「ドアに挟まれないようにご注意」とあるのに、関西では「指をつめないように」とか「指づめ注意!」とあります。こうやって例をあげると、きりがないくらい、関西の笑いは山ほどあるのです。「翔んで埼玉」の続編は、埼玉よりも大阪・京都・神戸そして、滋賀県・和歌山県・奈良県がメインのストーリーになっています。

 

阪神甲子園球場が、牢獄として描かれています。現在の甲子園球場のバックスクリーンは、電光掲示板になっていますが、かつては、パネルボードを人がはめ込んでいました。映画では、掛布・岡田・真弓といった、38年前の阪神タイガース日本一のメンバーのパネルがチラリと登場します。「粉文化」大阪を揶揄する演出も笑えます。

 

滋賀県の道路に出没する、飛び出し坊や「とび太くん」を使うところなど絶妙ですね。そんな感じで、私にとっては、数えきれないほどの「笑い」のツボが刺激されたのです。登場する役者たちも、埼玉県にゆかりのある俳優だけでなく、大物俳優ばかりです。私は、しっかり笑ってすっきりした次第です。娯楽映画としては、本当によくできています。「くだらない!」と言う人は、どうぞ勝手にけなしなさいという感じですね。(笑)

 

私が見た、家から近い映画館は、満席でした。秩父に唯一ある映画館では、開館前から行列ができたそうです。埼玉県内は、前作同様大盛り上がりでスタートしましたが、関西での大ヒットも間違いないですね。

 

そして、第3作目もあると、私は踏んでいます。今度の舞台は、世界に目を向けた作品になると勝手に思っています。「世界埼玉化計画」の集大成です。どこかの国や都市で、埼玉県と似たような扱いをされている場所にスポットが当たるはずです。

 

ともあれ、「翔んで埼玉」続編で、大いに笑ってください。(笑)

2023年

11月

23日

宝塚歌劇団

現在東京日比谷にある東京宝塚劇場は、2000年に新しくなったのですが、その前の劇場に、新入社員だった私は、仕事としてカスタードプリンを届けたことがありました。月組の楽屋まで潜入したのです。裏口から入館が認められ、廊下を歩くと、次々と華やかな衣装に彩られた役者さんたちとすれ違います。私は、まるで別世界に来たようで、一瞬で舞い上がってしまいました。男役は、男性の私から見ても「超カッコよかった」ですね。

 

ご存じのように、宝塚歌劇団は、日本最大の女性だけの劇団です。この劇団に入るには、毎年定員40~50名の狭き門「宝塚音楽学校」に合格しないといけません。そして、歌劇団に入団できても、そこで活躍できる人材は限られています。しかし、そこを目指した劇団員たちは、様々な思いを抱えながら前に進んでいます。

 

「先輩や先生には『イエス』しか言ってはいけないような厳しい世界。ある程度のパワハラはこれまでも絶対にあったけど、必ず後からフォローしてもらえた」と、元劇団人は語ります。宝塚音楽学校に入学した時点で、ある意味覚悟ができている人達ですから、パワハラの実態を決して口にすることなどありません。

 

今回の調査報告で「ハラスメントは確認できなかった」とする内容に、遺族だけでなく、多くの宝塚ファンも怒りを覚えたのです。

 

私が小学校のPTA会長をしていた時に、当時小学校5年の私の息子のクラスで「いじめ」がありました。教科書に落書きをされたり、上履きに細工をされたのです。私は息子に「いったい誰がいじめをしているんだ」と聞いたのですが、同じクラスの息子も、いじめた児童が誰なのかわかりませんでした。すぐに、当時の校長が保護者が集まる席で、「うちの小学校には、残念ながら『いじめ』があります」といじめがあることを伝えました。学校として、いじめをなくしていくよう取り組むので、保護者の皆様にもご協力を願いたいと語ると、翌日から、息子のクラスのいじめがなくなったのです。

 

宝塚幹部も「パワハラがあった」と認めて、今後の対応を話すべきでした。宝塚歌劇団に限らず、日本には、同じように特殊な従属関係で成り立っている組織やチームが山ほどあります。昔の部活動なんて、その最たるものです。私が中1の頃の野球部は、廊下で先輩とすれ違うと、「チワッス!」と頭を下げて挨拶することが、慣習となっていたので、うるさいったらありゃしません。

 

じゃーどーするんだ?と言われるかもしれませんが、純粋に「努力」や「希望」で「夢」を手に入れられるような、そんな組織やチームになっているか・・・今回の宝塚の問題は、宝塚だけの問題ではないと思うことが大切だと思っています。

 

最後に「宝塚歌劇団 ブスの25か条」を紹介します。

  1.   笑顔がない .お礼を言わない .おいしいと言わない .精気がない 

  5.自信がない .グチをこぼす .希望や信念がない .いつも周囲が悪いと思っている .自分がブスであることを知らない 10.声が小さくいじけている
11.
何でもないことにキズつく 12.他人にシットする 13.目が輝いていない
14.
いつも口がへの字の形をしている 15.責任転嫁がうまい 16.他人をうらむ
17.
悲観的に物事を考える 18.問題意識を持っていない 19.他人につくさない
20.
他人を信じない 21.人生においても仕事においても意欲がない
22.
謙虚さがなくゴウマンである 23.人のアドバイスや忠告を受け入れない
24.
自分が最も正しいと信じている 25.存在自体が周囲を暗くする

ブスという言い方は、宝塚風の比喩ですので、そこを突っ込まないでくださいね。でも、これは、私たちの行動にも当てはめることができます。私は、25のうち半分以上できていません。(笑)

2023年

11月

22日

学校図書館に新聞を配備

今日は屋上で、年長年中園児が中心となって「ドッジボール」を楽しみました。楽しむといっても、園長の熱血指導がセットです。楽しむからには、ルールを覚えて、コツをつかまないといけません。ただ、やみくもにボールを投げるのではなく、内野と外野の連携でパス回しを覚えたり、逃げ回るのではなく、ボールを取りに行く勇気を指導します。上手になってきました。

 

さて、公立校の図書館に新聞が置かれているのはご存じですか。政府は、小学校2紙・中学校3紙・高校5紙の配備を目標にしていますが、新聞を置いていない学校も多くあるようです。ネックとなるのが、各学校ごとに新聞販売店と契約をし、支払いをしなければなりません。

 

この状況を一気に解決すべく、東京都葛飾区の教育委員会は、今年度50小学校と24中学校の希望を取りまとめ、各新聞社と一括契約をしました。これにより、学校側の負担を増やさず、小学校は2紙以上、中学校で3紙以上の購読を実現したそうです。

 

今年4月に実施された全国学力テストでは、新聞を「ほぼ毎日読む」と答えた小学生の算数の平均正答率は74%・国語は76%で、「ほとんど、または全く読まない」とした児童よりも10ポイント以上高かったそうです。中学校でも同様の傾向です。この「葛飾方式」は、栃木県佐野市など全国に広がっているようです。

 

葛飾区長の青木氏は、「教員や学校司書に新聞を学習に活用する意識が芽生え、実際に授業で取り組みが始まったことは大きい。新聞はめくるだけで関心がなかった記事にも目が留まりやすい。スマホで好きなものを見ているだけでは、不確実な情報に流され、視野が狭くなる懸念もある。日々あふれる情報を取捨選択し、自分なりに分析する力は欠かせない。その土台を作るためにも、新聞は有効だ」と言います。

 

まさに、その通りですね。実際に葛飾区の小学校では、3年生以上で月1回は新聞を使って読解力を高める活動を図書館で行っているそうです。「新聞記事はどこかで聞いた話題が多く、子どもの抵抗感も少ない。楽しく読解力を育むことができる」と、ある担任は語ります。

 

読売も朝日も毎日も「子ども新聞」を発行していますが、本当にわかりやすくて、大人が読んでも十分な内容です。子どもが関心を持つ内容がどっさりです。

 

私もサラリーマン時代は、通勤電車の中で「日本経済新聞」を縦に折って、隣人の迷惑にならないように読んでいました。今は、朝コーヒーを飲みながら、ゆっくりと新聞に目を通しています。

 

そうです。新聞には、決してフェイクニュースはありません。(笑)

2023年

11月

21日

幻の甲子園

年中の男の子が、午後のおやつが終わって「サンタクロースってどこから来るのかな?」とつぶやきました。今日の寺子屋で、まずみんなに聞いてみます。すると、「地球以外の他の星から来たんじゃないの?」と6歳女の子が言います。「それじゃ、サンタクロースは宇宙人なの?」「それはないなぁ~宇宙からトナカイが飛んでくるの?」「やっぱり、日本じゃない他の国から来たんじゃない」・・・と子どもたちの会話が盛り上がります。

 

「たぶん、雪がたくさん降る寒いところじゃないの?」・・・と場所が絞り込まれました。そして、地球儀を見ながら「フィンランド」の場所を確認します。サンタさんにお願いするプレゼントをそれぞれ聞きます。おもちゃいろいろですが、クリスマスが近づいてきましたね。「12月23日のクリスマス発表会で頑張ったら、きっとプレゼントが届くよ」と大人の決めゼリフで、今日の寺子屋をまとめます。(笑)

 

さて、3年前の夏、コロナの影響で夏の甲子園大会が中止になったことを覚えていますか。この大会に出場するはずだった高校球児の無念は、言葉にはできません。「甲子園のために生きてきた」という球児も多かったはずです。中には「もう夢や目標に向かって努力しようという気が起きない。なぜなら、どんなに努力をしたって、一瞬で夢が消えると知ってしまったから」という「絶望」を生んだのです。

 

しかし、その絶望を乗り越え、人生を前に進めるための挑戦が今年立ち上がったのです。その名も「あの夏を取り戻せプロジェクト」です。発起人は、現在大学3年生で、3年前に涙をのんだ元高校球児「大武優斗」さんです。

 

大武さんは、中止の現実を受け入れるために、毎日触っていたバットとグラブをしまい込み、目に触れないようにしたそうです。しかし、高校を卒業し大学生活が始まっても、当時の仲間と会えば必ず「俺たちだけなぜ!?」とうなだれるのです。この時、「まだ人生は長く続くというのに、このままじゃ前に進めないと思った。不完全燃焼に終わった『あの夏』に終止符を打つために、甲子園の地での試合の開催を実現しようと、高校同期に呼びかけることから始めました」と、夜行バスや鉄道の格安切符を駆使して、全国の49チーム、約千人に声をかけます。

 

「自分たちが立ち上がる姿を見せることで、すべての同世代に勇気を届けよう。あの夏を取り戻すだけじゃない。超えてみせよう」と訴え続けた大武さんの情熱が伝播し、参加を表明する元球児が日に日に増えていきます。思いを同じにする仲間たちと実行委員会を発足。肝心の舞台となる阪神甲子園球場に交渉した結果、オフシーズンの1日だけ使用許可が下りたのです。

 

そして「『あの夏を取り戻せ』全国元高校球児野球大会」の開催が決まったのです。しかし、これには6450万円の費用が必要でした。大武さんは、今年5月に記者会見を開き、寄付を募るクラウドファンディングの実施を発表します。大武さんの情熱は、甲子園出場の経験のあるプロ野球のレジェンドたちの心を次々と動かします。元ヤクルトの古田・荒木、元阪神の矢野が公式アンバサダーとなり、企業からも多くの協賛金が集まりました。

 

そして、大会は11月29日から12月1日までの3日間、阪神甲子園球場とその他の兵庫県内球場で行われます。入場料はできるだけ多くの人に見てもらいたいと無料です。

 

大武さんはこう言います。「僕が得たものは仲間です。3年前に同じ悔しさに耐えた全国の仲間と出会えたこと。この仲間と一緒に、これからも前に進んでいこうと思えました」

 

どうですか・・・何というエネルギーでしょうか。こんな若者がいるなんて、感動しかありませんね。大きな挫折で心が折れそうになった時に、もう一度夢に向かう気力は、とても真似できる事ではありませんが、この話を聞いた私たち大人も「がんばろう!」という気持ちにさせる、すばらしい行動力ですね。

2023年

11月

20日

日本はいい国!? 夢と現実

本日は、北風の強風の中で、向かい風に立ち向かいながら、30メートル自転車をこぎ続けた年少男子が、ついに自転車に乗れるようになりました。これで、寺子屋園児26名の中で、自転車に乗れない園児は、たった一人だけとなりました。じっくりと、焦らないで、寺子屋園児が全員自転車に乗れるように、見守っていきます。

 

さて、2011年東日本大震災があった直後に、私は、保育園を立ち上げるべく、準備をスタートさせました。4月は、家族サービスでベトナムに旅行に出かけます。子どもたち3人がまだ小さかった頃は、よくキャンプなどに出かけていましたが、すでに高校2年・中学3年・小学6年になっていたので、なかなか家族全員で旅行に出る機会がありませんでした。そんな中、娘たちのリクエストで「ベトナム」行きとなったのです。

 

最大都市「ホーチミン市」を拠点にした旅でしたが、街中を走るバイクの大群に、「どうやって道路を横断するの?」とびっくりします。横断するには、勝手に歩いていけば、バイクが人を避けるので、勇気が問われます。(笑)

 

バイクを見ると、そのほとんどが、ホンダやヤマハの日本製のバイクです。タクシードライバーが、「いつか日本で働きたい」と言い、「日本人はみな優しい」と微笑みます。ベトナム人は、「親日」派であることが、多くの日本人が持っている印象だと思います。この時は、2011年です。その通りだったかもしれません。しかし、10年以上経った今でもそうでしょうか。最近は「日本に来る前はいい国だと思っていたのに」という失望の声が多く聞かれるそうです。

 

「クリーニング会社で働いたが、日本人社員からいじめに遭い、顔を拳で殴られる暴力を受けた。受け入れ先企業を監視する管理団体に相談したものの、「はいはい。分かりました」と軽くあしらわれたと、あるベトナム人女性が話します。

 

「技能実習生」の話は、よく聞きますね。母国の送り出しに、機関に支払う金を捻出するために、実家を担保にしたり借金をします。しかし、日本で実際に働くと、月収は10万ほどで、ベトナムの家族への仕送りや借金を差し引くと、手元に残る金額は2万ほどになってしまいます。ろくな食事などできないで、かつ1日12時間も働かせていると言います。

 

日本にいる外国人技能実習生は35万人と言われています。このうち52%がベトナム人だそうで、劣悪な労働環境に耐えかねて行方をくらます人も多く、1年間の失踪者は、実習生全体で約9000人だそうです。憧れの国「日本」から、数々の悪質な「仕打ち」を受けたことになります。

 

技能実習生の過酷な労働実態は、海外でも知られるようになり、国際経営開発研究所(スイス)による世界競争力ランキングでは、かつて1位だった日本は、今年は35位に後退したそうです。

 

保育園に近いコンビニエンスストアでは、ベトナム人・インド人のアルバイトが働いています。接客も問題なく日本語も普通に話していますので、客としても、何ら問題はありません。

 

少子高齢化、人口減が進む日本で、「働き手」の外国人の割合は、どんどん高くなっていくことは間違いないです。日本が、「いい国」であり続けるために、外国人労働者に対して、変わらなけばならないことが多いですね。

2023年

11月

19日

分類学

長期欠席を強いられるなど、病気療養中の児童・生徒の人数が、過去5年間で1.15倍に増えたそうです。特に、中学生に限ると1.56倍の伸びです。今回、文科省が令和4年度の状況を公表したのですが、前回は平成29年にこの調査を行っているので、平成29年度と令和4年度の比較です。

 

心身症や精神疾患を患う中学生が増えたのが大きな要因のようです。疾患を患うのは、様々な原因が考えられますが、コロナ禍がその大きな理由であることは間違いありませんね。子どもたちにとっても、私たち大人にとっても、コロナ禍での環境の変化が、日常生活に大きな影響を及ぼしました。人類の強みは、生存競争に負けない最強の肉体を持つことではなく、様々な知恵で、環境の変化に対応できることです。今後もコロナのような予測不能の事態が発生しても、人類はそれを乗り越えていくのでしょう。

 

人ごとのような言い方になってしまいましたが、今日は、そんな人類の「分類学」の話です。

 

「分類学」とは、簡単に言えば、「分ける」ことを通して、生物界を整理し、科学を発展させてきたのです。「分ける」ことで「分かる」ようにしたのです。分類学の父と言われた人が、「カール・フォン・リンネ」です。ちなみに、人間は分類学上では、「動物界 脊索動物門 哺乳網 サル目 ヒト科 ヒト属 ヒト種」となるようです。なんだか、長いですね。生き物を分類する作業は、なかなか複雑で大変そうです。そして、分類学の目的は、「分ける」ことで、生物の多様性を理解することです。

 

はい。ここ数年、ずっと言われている「多様性」とう言葉が出てきましたね。

 

一方、私たち人間社会では、「分ける」ことを通して、「単純化」や「画一化」を図り、心理的安定を保ってきました。しかし、そこには人間の弱さがあります。自分と他者を明確に分けることで、自らの優位性を示そうとしてしまいます。人種や国籍、宗教、性別などで単純に分け、時には差別をすることで精神的な安定を維持する。自分と同じ仲間で徒党を組み、他を排斥する動きを強めていく。こうして、少数派は社会的弱者となっていく。こんな歴史を繰り返してきました。「多様性」に目が向くことなどなかったのです。

 

「多様性」という言葉をよく私たちが使うようになりましたが、どこまで「多様性」を理解しているのか・・・私も、自信がありません。「自分とそれ以外」からスタートするのでしょうが、まだまだ、自分と異なる者を異質と捉え、排除しようとする考え方が強いですね。それが同調圧力となり、生きにくさを生んでいるのが、1.6倍に増えた中学生の精神疾患等にもつながっているのかもしれません。

 

私は「分類学」の専門家ではありませんが、あらためて「分けて分かる」という考えを持ちたいですね。「みな考え方も違うし、好きなことも嫌いなことも違う。でも、それを理解したうえで、自分との共通点を見いだして分かち合う、共感する」ですね。

2023年

11月

18日

38年前と今年

今日は風もなくあったかな屋上です。日向ぼっこをしていた2歳男の子が、ウトウトし始めました。そして、寺子屋女子たちは、ファームに食べられないで転がっているスイカやパプリカを拾って、せっせと料理を始めます。年長女子は「私はねぇ~おうちでよく料理してるから・・・」なんて言って、どや顔でフライパンを振っています。全員上着を脱いで遊んでいました。

 

さて、表題のタイトル「38年前と今年」で、ピーンと来た人は、間違いなくタイガースファンですね。そう、1985年阪神タイガースが初めて日本一に輝いた瞬間、私は、西武球場で悔しい気持ちでその歓喜を見守っていました。学生だった私は、西武球場で「ホットコーヒーにハンバーガーいかがですか?」と、球場の「売り子」をやっていました。あの清原和博選手が西武ライオンズに入団したのは、この翌年です。

 

埼玉県人の私は、西武ライオンズの優勝を信じていましたが、当時のタイガースは、不動の4番掛布が40本・最強助っ人バースは54本・現在の監督の岡田が35本・1番バッターの真弓も34本の本塁打で、まさに、ド派手に打ちまくっていました。ジャイアンツの槇原投手から、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発は、今でもたまに映像に出てきますね。

 

そして、阪神ファンも異常でした。(ファンの方・・・すみません)あの、「道頓堀ダイブ」は、日本一が決まった夜に、道頓堀川に飛び込むファンが次々と現れ、「トラファン大暴れ」の見出しが、翌日の朝刊の見出しとなりました。ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダース像が道頓堀川に投げ込まれ、タクシーが群衆にひっくり返され、多くの警官が殴られたようです。当時はこんなことが、許されたおおらかな時代でした。

 

そして、今年の阪神日本一では、チーム最多本塁打は佐藤選手の24本で、3割打者は一人もいません。1985年と比較すると、よくこれで優勝できたなぁ~という数字です。でも、岡田監督が目指した守りの野球で日本一となったのです。岡田監督は、選手としても監督としても日本一になったのです。

 

今年の道頓堀川は、大阪府警が1300人で警戒したこともあって、ダイブしたのはたった37人で(普通なら多い数ですが)、逮捕者も負傷者もなかったそうです。

 

これも時代の流れかもしれませんね。今月23日には、大阪市と神戸市で阪神タイガースの優勝パレードが行われるそうです。日本一となった岡田監督と選手たちを前に、パレード観戦という紳士的で常識的な阪神ファンが見られるのかもしれませんね。

 

38年という月日は、日本のプロ野球をも大きく変えました。まさか、大谷選手のような存在が現れるとは・・・2度目の満票MVP、もう賞賛の言葉が見つかりませんね。

2023年

11月

17日

PTAいる?いらない?

毎日、クリスマス発表会のダンスの練習を「朝の会のダンス時間」に行っています。寺子屋園児の「勇気100%」は、今ステージに上がっても大丈夫なくらい完成度が上がっています。園児全員の「やってみよう」も、チビちゃんの気まぐれを除けば、いつでもスタンバイOKと言った感じです。ダンスが大好きな子どもたちが、楽しんで踊っています。

 

さて、今日はPTAの話です。私もかつては、我が子が通っていた小学校のPTA会長をしていましたので、このブログでもPTAの話をよくします。私がかかわっていたのは、15年前ですので、時代の流れとともに、PTAへの逆風も大きくなってきたようです。

 

そもそも日本にPTAが発足したのは戦後、民主的な教育を普及させようとしたのがきっかけで、子どものために家庭と学校が協力しようと各学校ごとに作られた団体です。先生も原則PTA会員です。

 

「仕事や育児で忙しいので、PTAどころじゃない」「任意と言いながら、無理に委員をさせられるのが嫌だ」「できる人が、できる時間に、できる事をするのがPTAなのに、ポイント制などそうではない実態がある」といった反対意見があがります。

 

また、東京都PTA協議会は、日本PTA協議会からこの3月脱退しました。例えば、私が住むさいたま市西区なら、各学校のPTA→西区PTA連合会→さいたま市PTA協議会→日本PTA協議会と、組織がだんだん大きくなり、各家庭から徴収したPTA会費が、それぞれ分配されて上納される仕組みです。日本PTA協議会は、全国の小中学校から集まった予算を使って、様々な活動を行っているのです。東京都は、「本当にやるべきは、学校単位のPTAを支援することだ」として、脱退したのです。

 

次は、PTAは必要という視点から話します。PTAには、保護者の声を学校や行政に伝え、困りごとを地域で解決するという役割があります。埼玉県で10月、子どもだけの留守番を「虐待」とする条例案が出た時には、PTAとして約2万9000人の署名を集め、自民党県議団長に手渡し、法案を取り下げることにつながったのです。保護者を代表するPTAという組織だからできたことです。

 

また、近年では、学校現場が、人手不足と多忙が深刻化しています。先生たちだけでは、子どもたちの学校行事を100%対応できないため、PTAが学校をサポートすることが、子どもたちのためにもなるという考えです。

 

そして、PTA会長をしていた私が一番大きく感じたことは、PTAは保護者同士が結びつき、学び合う場として必要な組織であり、PTAで培われたつながりが、地域の結びつきの基礎になるという考えです。サラリーマンとして働いていた私は、地域とのつながりはほとんどありませんでした。しかし、校長先生、教頭先生はじめ多くの教員とつながりができ、保護者の中には、驚くような「スーパー保護者」がいて、「子どもたちのために」という活動に向けて、大きな影響を受けました。また、保護者の中には、その道の専門家が多くいます。子どもへもキャリア教育や金融教育など、PTA主催の講演会など有意義な活動が多く行われています。

 

「子どもたちのために、先生たちと協力して学校をよくするために、ひと肌脱ごうじゃないか!」という考えには、異論はないはずです。よって、私の結論は簡単です。「PTAは必要です。ただし、その在り方は、時代の流れや個々の学校の状況に合わせて様々な形があっていい」です。

 

奈良市のPTA連合会は「PTA活動はできる人が、できる時間に、できる事をする。すべての会員が平等に仕事をする団体ではない」という手引きを作り、入会も活動も任意だと呼びかけているそうです。

 

あなたのお子様が、小学生・中学生であるなら、その学校でのPTA活動はどうですか。一度、確認してください。

2023年

11月

16日

主体性を失わせない教育

今日は、久しぶりに屋上でドッジボールを楽しむ子どもたちです。年長・年中園児が中心ですが、果敢にボールを取りに行く園児もあれば、「逃げるが勝ち」の園児もいます。それぞれのやり方で楽しんでいます。そして、11月も半ばだというのに、スイカを食べました。季節外れのど根性スイカが、まだ3つ残っていたのですが、ずっと寒い日が続いていたので、食べる機会を失っていました。今日は、あったか陽気となったので、今シーズン最後のスイカを「甘くておいし~い」と言う子どもたち。あっという間になくなりました。

 

さて、今日は工藤勇一さんの話です。工藤さんは、2014年から校長を務めた千代田区立麹町中学校で、宿題や定期テストを廃止するなど教育改革を進めてきました。現在は、横浜創英中学・高校の校長を務めています。工藤さんが、ずっと大切にしてきたのは「子どもの自立」です。テストを廃止するだけではなく、子どもの「主体性」と「当事者意識」を育むことを実践してきたのです。

 

「親や周囲の大人たちが、子どもによかれと思って『ああしなさい。こうしなさい』と言えば言うほど当事者意識は失われていきます。例えば、子どもの公園デビュー。砂場にいる子にお母さんが声をかけるんです。『一緒に遊ばせてくれる?』と。すると、その遊んでいる子のお母さんが、『どうぞ』と言って、我が子に『スコップを貸してあげたら?』と言います。貸してもらったら、お母さんが『ありがとう』と言って、子どもに『ありがとう、は?』と促します。取り合いになったりすると『代わりばんこね』と介入します。保育園や幼稚園でも同じようなことが行われています」と工藤さんは言います。

 

続けて「大人が介入を続けていくと、思春期にはその介入がうっとうしくなる感情が出てきますが、主体性を失ってしまった子どもは、自分のために何かやってほしいと期待することからやっぱり逃げられない。そして、うまくいかないことが起こるたびに、人や環境のせいにするんですよ」と。

 

確かに、日本人は、対立をすごく嫌う国民です。何かあれば、必ず親や先生が来てくれるから、当事者意識が育ちません。主体性もないので、グループになりがちですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、「自分で考えて自分で答えを出す」ことを大切にしているので、例えば、屋上に行くとき「くつ下をはいた方がいいですか?」と聞かれると、「どうするかは自分で決めていいよ」と言います。できるだけ、自分で判断させるようにしていますが、「ケンカは成長のきっかけ」と言っておきながら、子ども同士の争いをすぐにやめさせることが多いですね。

 

工藤さんは、友だち同士もきょうだい喧嘩も同じで、親は一言いうだけでいいんです。「明日から楽しく暮らすか、憎み合って暮らすか、どちらにするか自分たちで考えなさい」と。

 

保育園の子どもたちを見ていると、「主体性」と「当事者意識」は、「凄いなぁ~」と思う時もあるし「まだまだだなぁ~」と思う時もありますが、子どもたちが、「自分で考えて自分で答えが出せる」アプローチの手段は、子ども一人一人に作戦を考えていかないといけません。

 

これからの日本は、人口が減り、基本的にはモノが売れない経済構造となります。AIがどこまで進むのかは想像すらできません。その中で生きていくには、今まで以上に自分で起業できるような人材が求められてきます。そう考えると、保育園のうちから、自分で選択し、決定するという習慣をつけていかないといけないですね。

 

親も先生も、「ギリギリまで我慢して見守る」ことができるか・・・ですね。

2023年

11月

15日

ごみスクール

今日は、「ごみスクール」を行いました。毎年、新たなイベントにチャレンジする保育園ホワイトきゃんばすですが、これも、初めての取り組みです。

 

さいたま市の西部清掃事務所の協力をいただき、屋上に「ゴミ収集車」がやってきました。それを見た子どもたちは、すでに目がギラギラと輝いています。一般的なゴミ収集車の重量は5000キロ(5トン)です。子どもたちには、5トンのイメージがわきません。そこで、「ゾウさん」と「シャチ」の絵を子どもたちに見せ、ゾウとシャチとほぼ同じ重さであることを教えてもらいます。「えっ~ゾウさんと同じか・・・重いんだね」という子どもたちの反応です。そして、1台で収集できるゴミの量は2000キロ(2トン)だそうです。まずは、実際にゴミ収集車を稼働させます。ドラム缶を入れるとぺしゃんこになりました。凄い力であることが、子どもたちに伝わったようです。

 

ごみスクールの狙いは、「リサイクル」です。紙芝居では、ゴミとして燃やしてしまうものと、リサイクルできるものの違いを学びます。身長190センチの熊役の職員の演技が絶妙にうまくて、子どもたちは、話に聞き入っていました。

 

手作りのリサイクルマシーンも登場します。そこに、ペットボトル11本を投入します。すると、ハンガーと作業着が出てきました。もちろん、アナログのマシーンですので、マシーンのうしろで、人が操作をしています。ペットボトル11本で、大人の作業着一着ができるそうです。次に、新聞紙を投入します。新聞紙からは、トイレットペーパーとぬり絵と紙製ファイルが出てきました。紙製ファイルとぬり絵が、子どもたちへのプレゼントです。

 

保育園からも、プレゼントを用意しました。寺子屋の時間で作ったのですが、大きなボードの上に、ペットボトルのキャップを並べて「ありがとう」と書きます。まわりを廃材トレーに色を塗って、デコレーションした「ありがとうボード」です。西部清掃事務所の職員は、「こんな素敵なプレゼントは初めてです」と大喜びです。

 

今回のごみスクールは、大成功です。子どもたちはとても興味を持ったようで、リサイクルという言葉も覚えました。身近にあるいろいろなものが、リサイクルされれば、あたらなものに生まれ変わるということが、理解できたようです。あとは、ママパパに伝えることで、家族全体でリサイクルの話が盛り上がってくれると嬉しいですね。

 

子どもたちに、いきなり「地球環境は今、取り返しのつかないところまできている」なんて、言ってもなかなかピンときませんが、今回のような「ごみスクール」を通じて、学びが深まるのです。良い「きっかけ」になった、今日のごみスクールでした。

2023年

11月

14日

観光資源を地域と発掘

「勇気100%」は、教室中に響き渡るくらいの大きな声で子どもたちは歌っています。おなじみのアニメのテーマソングでもあり、おうちでも、ママがスマホで演奏して練習をしているからです。子どもたちは、クリスマス発表会に向けて、おうちでの自主練習が始まっているようです。そして、今日の寺子屋は、久々に畑仕事です。「エンドウ豆」の種をまきました。エンドウ豆の種は、まさに、ジャックと豆の木をイメージする大きな種です。子どもたちは、空高く大きくなるように願います。冬を越して、4月から5月に収穫となります。

 

さて、今日は、国立大学で唯一和歌山大学にある「観光学部」の話です。観光学部は経営や都市工学などの側面から観光をとらえ、3年生からは観光経営、地域再生、観光文化の3コースで専門的に学ぶのが特徴です。

 

ある活動例です。和歌山県湯浅町では、ふるさと納税の返礼品の人気がミカンに偏っており、新たな目玉商品を作る企画に、大学教授が指導する学生が参加します。現地訪問を重ね、町のマーケティング経験者から助言を受け、全国の人気返礼品の傾向などを調べるなどして、ハンバーグに決めます。ここから、地場産品を使うための試行錯誤が始まります。「甘さとしょっぱさのバランスが良い」と、酒の肴として人気の金山寺みそを採用したのです。ハンバーグにみそです。

 

よくある、地域おこしでは、名産品でジャムを作りました・・・みたいな、商品コンセプトもまったくない、思い付き商品が多いですね。和歌山大学の観光学部では、まさに企業が行うようなマーケティングを当たり前に行っているのです。

 

学生メンバーの一人は、「ひらめきだけでなく、家族連れにターゲットを絞るなど戦略が必要だと学んだ。通ううちに地元の人のように扱ってもらえるようになり、うれしい」と話します。

 

一般的に、大学では、授業で理論を学ぶことができます。これに、和歌山大学のように、社会に出ても通用するような実践につなげていけば、学生が理論と実践を往復し、主体的に学べる場になっていくのだと思います。学生時代なら、実践の中でたくさんの失敗もできますね。そして、失敗から多くを学ぶのです。

2023年

11月

13日

キノコの会話

朝の会で、クリスマス発表会でうたう歌の練習が始まりました。オープニングは「赤鼻のトナカイ」「ウィ・ウィッシュ・ユア・メリークリスマス」そして、合奏では「ガンバリマンのうた」そして、ダンスの「勇気100%」は、歌うたもうたいます。練習する歌が多いですが、子どもたちは、楽しく歌っているので、いつの間にか覚えてしまうのでしょう。

 

さて、森の中にひっそりと生えるキノコ同士は、実は「おしゃべり」をしているのかもしれない。今年3月に、東北大学准教授の深澤さんが、驚きの研究成果を発表して話題を集めています。

 

深澤さんは、東北大学が所有する森林で、キノコの一種「オオキツネタケ」に電極を取り付け、電気の流れを調べました。晴れの日は特段の変化は見られなかったものの、雨が降り出すと間もなく、キノコの内部から電気信号が出始めたのです。続いて、数センチ離れたキノコからも同じパターンの電気信号が確認できたそうです。分析の結果、この電気信号はそれぞれ独立に生じたのではなく、キノコから隣のキノコに伝わったらしいことが判明しました。

 

キノコは土の中に菌糸のネットワークを張り巡らせているので、電気信号は菌糸を通じて地下から送られたと考えられます。信号にどんな意味が含まれているかは不明ですが、静かな森では、電気による会話が活発に行われているのです。

 

深澤さんは、森林組合で仕事をしていた頃に、森の中でテント拍をします。夜になって、テントの外に出ると、暗闇の中でぼんやりとした光が点々と浮かび上がったそうです。その正体は、発行すキノコ「ツキヨタケ」で、自然の神秘に近づけるような仕事がしたいと、研究者の道に進むことを決意したそうです。私も、小笠原諸島のナイトツアーで光るキノコを見たことがありますが、まさに「神秘の世界」でした。

 

深澤さんは、生態系を調べる中で、焦点を当てているのが「枯れ木」です。命を終えた木が地面に倒れてから朽ちるまでに、まるでホテルの客室のように様々な生物がそこに住み着くそうです。菌の力によって、枯れ木に住み着く昆虫や枯れ木から生えるキノコや植物などの種類が大きく異なることが明らかになりました。「枯れ木を舞台に、生き物たちが営みを繰り広げ、森を豊かにしている」と熱く語ります。

 

深澤さんのフィールドノートが、またすばらしいのです。キノコや植物、昆虫などが精密に描かれています。それは、あの植物学者の「牧野富太郎」さんのような、クオリティの高いスケッチなのです。「写真を撮るだけでは、頭に残りにくい。スケッチのためにじっくりと観察することで、生き物の細部まで覚えることができるんです」と言います。

 

どうですか・・・キノコの会話に興味を持っていただけましたか。どんな会話をしているのか、少し想像してみませんか。

2023年

11月

12日

シニアが若者の希望に

寒い朝ですね。暑すぎる夏の次は、寒すぎる冬になるのはメリハリがついた気候なのかもしれませんが、勘弁願いたいですね。

 

さて、今日は生物学者の小林武彦さんの話です。生物の寿命について語ります。「哺乳類の心臓は、総心拍数が20億回ぐらいに達すると終わりになるという仮説があります。60年以上生きるゾウも、2年しか生きないネズミも、トータルで約20億回は同じ。だから、ゾウの心臓はゆっくり2秒に1回ぐらい拍動するのに対し、ネズミの心臓は『トトトトトッ」と1秒間に10回ぐらいものすごい速さで打つ。そして、人間の総心拍数が20億回に達するのは、大体50歳前後です。がんで亡くなる人が55歳あたりから増えることや、女性の閉経年齢が50歳前後であることを踏まえ、私は生物学的なヒトの寿命は55歳ぐらいではないかとみています」

 

えっ!日本人の平均寿命は80歳を超えているし、私はとっくに生物学的には死んでいるという数字です。実際の人間は、100歳を超えて生きる人も多いです。これは、進化の過程で老いたヒトがいる集団の方が生存に有利に働き、選択されて長生きできるようになったためと考えられています。

 

赤ちゃんは誰かが世話してくれる人がいなければ生きていけないですね。大昔、親が狩猟や稲作で忙しい時に、面倒を見て、生きる上で必要なことを教えてくれる人、そう、おばあちゃんやおじいちゃんがいる集団の方が有利だったのです。

 

そうです。人間には、シニアの存在が必要なのです。若い時は、もっと出世したいなど利己的でいい。そのエネルギーがイノベーション(革新)や生産性につながります。でも、そうした人ばかりだと衝突や格差が起きて社会がまとまりませんね。そこで、利害調整ができるシニアの存在が必要なのです。でも、今の日本のシニアは、その役割を十分に果たしていないような気がします。

 

少子高齢化の時代では、老兵は早く引退して若者に席を譲ると言っても、若者が少ないので、椅子があっても座る人がいないのです。誰かが座らないと、地域や社会が崩れます。だから、定年制などによる年齢による縛りはやめて、働きたい人にはもっと活躍してもらった方がいい時代になってきたのです。

 

こうして、シニアがハッピーに生きていれば下の世代はそれを見て安心し、思う存分やりたいこともやれて、将来に向けて頑張れる。若者の幸福感が増せば、回り回って少子化対策になることも期待できますね。少子化対策は、実は上から攻めないといけないのかもしれませんね。

 

どうですか・・・私もシニアへ向けての階段を登っている途中ですが、ハッピーに生きることが自分のためだけでなく、世の中のためになると考えると、まだまだ、夢と希望を持って頑張るぞ!となるものです。(笑)

2023年

11月

11日

年賀状は重荷ですか

いよいよ冬の気温になってきました。つい先週は、夏日にもなっていたので、夏から秋を飛び越えて冬に突入ですね。今日は、北風が強かったので、屋上に着いた子どもたちの中には、寒さに負けて、エレーベーターホールで輪投げやボール遊びをする園児が半分です。急に寒くなると大人でもしんどいです。(笑)

 

さて、年賀状が、すでに発売されていることをご存じですか。毎年、11月1日が年賀状の販売開始日ですが、年々、報道されることが少なくなっているような気がしますね。

 

年賀状の習慣は平安時代に遡るといわれています。明治時代に庶民にも定着し、現在の「お年玉付き年賀はがき」は、1949年(昭和24年)に登場します。2003年度の発行枚数が44億5936万枚と過去最高だったそうです。それから、わずか20年の間に、今年度は14億4000万枚と、ピーク時の32%に落ち込んだのです。

 

高齢者の「終活」が注目され始めたのが2010年頃で、その一環として年賀状じまいにも関心が集まり、私のところにも毎年「本年をもって年賀状を控えさせていただきます」というお知らせ年賀状が増えてきました。しかし、年賀状じまいを宣言したものの、寂しくなったり、相手から返事が届いたりして、再開を伝える「復活年賀状」もあるようです。

 

コロナ禍を境にして、写真を配した年賀状の落ち込みが特に激しいといいます。旅行など家族のイベントの写真が撮れなかったために自然消滅的に年賀状をやめてしまったケースもあるようです。そして、最近は、「幸せそうな家族写真=自慢」とする「年賀状マウント」が話題になり、気になる人は出すのをためらうケースもあるとか。

 

こうした時代背景から、日本郵便は2021年度から、LINEでデジタル年賀状を送れる「スマートねんが」の販売を始めたようです。写真やイラストを貼り付けて年賀状のような画像を作成し、登録した「友だち」に送ります。相手の住所や本名を知らなくても出せるというわけです。

 

年始にあいさつする伝統は、SNSなどの形を変えても続いています。一方、手書きや手紙のやり取りが楽しいという人は、一定数残っているので、従来通りの年賀状は、右肩下がりですが、しばらくは残っていくのでしょう。

 

私も、年に一度だけ、年賀状で「元気でよかった!こちらも元気にしています」という確認をする人がたくさんいます。それも、お正月の大切な習慣になっているので、しばらくは、年賀状じまいはしません。(笑)

2023年

11月

10日

時代を映す独身像

昨日から年長園児は、ピアニカの練習を始めました。「ドレミファソラシド」を覚えた後は、簡単な「かえるのうた」の演奏にもチャレンジします。5歳女の子は、紙に自分で「ど・れ・み・ふぁ・み・れ・ど・・・」と書いて、声に出しておうちで練習をしたそうです。今朝、さっそく自分のピアニカで練習を始めました。完璧に「かえるのうた」が演奏できています。そして、他の年長園児にも教えていました。本当に、凄いと思いました。彼女は、ダンスの振り付けも1回で覚えてしまいます。

 

さて、今日は、時代の中で「独身者」が、どのようの位置づけであったか。に触れてみたいと思います。

 

明治13年(1880年)は、ざっと今から150年前です。ここでは、独身48歳の男性の記事が朝刊で紹介されています。父の死後一人の母親を世話しているうちに、女房も迎えずに親への孝行を尽くし表彰された。とあります。親孝行で独身を貫くことが美徳とされた時代です。

 

次は、ざっと100年前の大正15年(1926年)に「独身夫人の間借り」という記事があります。「職業婦人(今で言うOL)の中には、たった一人で部屋をかりて、誰の援助もうけず一人きりの生活を営んでいる人が何人もあり、そういう人の生活も、新時代の特産物として興味があると思います」とあります。大正時代は、ハイカラなイメージがありますが、独身かつ一人暮らしの女性に対しては、とても肯定的ですね。

 

ところが、昭和に入り、戦争が始まると、社会は独身者に強く結婚を求めるようになります。昭和15年(1940年)、富山の産業組合青年連盟では、独身者を除名するとし、「男性25歳以上・女性20歳以上の組合員は、今年中に結婚すべし、さもなくば、除名することもあるべし」としています。まさに、戦争に向かって、日本は「産めよ殖やせよ」のご時世だったことがわかります。

 

そして、日本が敗戦し、昭和20年から30年頭にかけては、日本女性は大変な結婚難にあったようです。戦争で若い男性が数多く命を落としたため、1950年(昭和25年)の年齢別人口を見ると、25~29歳・30~34歳では、それぞれ女性が約50万人も男性よりも多かったのです。この世代の多くの女性は、独身のまま年を重ねました。

 

結婚が当たり前という通念が薄れ始めたのが、1980年以降と言われています。30歳未婚の息子を案じる母親に「ひとりもまた楽し。息子さんが必要をお感じになれば、ご自分で何か方法をお立てになるでしょう」と人生相談のコラム記事です。

 

その後「シングル」という言葉が生まれ、「結婚という形式にこだわらない傾向は、いまや男にも女にも例があり、我が国だけでなく都市化の先進社会に共通した状況である」となっていきます。シングルが「○○億円市場」などと経済効果として見られる動きも出てきました。「シングル」の消費傾向で特徴的なのは「情報感度がどの世代よりも高いこと」という認識です。

 

昭和の終わり頃には、シングルがライフスタイルの一つとして認識され、平成・令和とつながっていくのです。今では、シングルを楽しみ、あえて結婚しないという人もいるのでしょうが、「結婚したくてもできない」人が増えているのが現実です。

 

これからの時代の「独身像」は、どうなっていくのか・・・間違いなく「高齢者のシングル」が増えることは間違いありません。

2023年

11月

09日

子どもの読書量を増やすには

昨日、自転車に乗れた年少の女子は、今日一日で、漕ぎだしのスタートからハンドル操作まで、あっという間にマスターしてしまいました。最後の勇気が足らなくて自転車に乗るのに、練習を開始してから半年もかかったのに、昨日乗れたことで、一気に自信がついたようです。子どもにとって、「○○できた!」の成功体験をできだけ多く導くことが、子どもたちの成長に大きくかかわることをあらためて実感しました。 

 

さて、子どもの読書時間と成績の関係はどうなっているかわかりますか。だいたい察しがつきますね。小学校・中学校ともに、成績上位層ほど読書時間が長かったというデータがあります。成績の良し悪しはともかく、読書習慣がつくことは、想像力や「自分で考えること」を磨くのに役に立ちますね。

 

東大とベネッセの共同調査によると、小学校入学前に、保護者から読み聞かせをしてもらっていた子どもは、その後も読書時間が長いことが分かったそうです。この調査は、2015年から毎年約2万組の親子を対象に、生活や教育に関する意識や実態の追跡調査です。

 

小学校入学前に「週4日以上読み聞かせをした」と答えた保護者の子どもの読書時間は、小1で1日平均18.6分です。学年が上がるに連れて増え、小6で25.6分となったそうです。一方で、保護者の読み聞かせが「週1日未満」だった子どもの読書時間は、小1で1日平均8.8分、小6でも15.9分にとどまっています。

 

読書時間は、スマホの利用時間が急増する中学生になると減少しますが、それでも「週4日以上」の読み聞かせを受けた子どもは、「週1日未満」の子どもに比べ、1.5~2倍の読書量を保っています。

 

保育園では、読み聞かせを毎日、子どもが寝る前のルーティンにしている保護者が多いです。仕事や家事で疲れているのに、本当によく頑張っていると思っています。そんな園児は、保育園でもよく絵本を広げています。

 

それから、図書館で本を借りる習慣がある家庭の子どもは、たいがい本好きです。もちろん、本屋さんに行くのもいいですが、子どもは飽きっぽいので、せっかく買ってもすぐに読まなくなるので、図書館の活用が有効的です。「本を選ぶ」という行為も、子どもが本好きになるきっかけになります。

 

スマホの時代だからこそ、活字の本を読んで、想像力をふくらませる習慣がつくと嬉しいですね。あなたの子どもは、本をよく読んでいますか。そうだ…親がよく本を読むというのも、本好きの子どもが育つ秘訣です。(笑)

2023年

11月

08日

究極歩き

今日もクリスマス発表会の練習を終えて、屋上遊びです。まだ、スイカの実があるので、「スイカ食べたい!」と子どもたち。「まだ小さいので、もう少し待ってね!」と言うものの、今後気温が下がると、これ以上スイカが大きくなるのか?・・・もう少し、見守ってみます。

 

そして、今日も年少園児の女子が、自転車に乗れるようになりました。年少・年中・年長園児合計26名のうち、24名が自転車に乗れるのです。あらためて、凄い子どもたちです。(ビックリ!)

 

さて、健康のためにウオーキングを行っている人が多いです。運動は、継続することが大切ですので、ハードなトレーニングではなく、いつでもどこでもできるのがいいですね。すきま時間に、1日10分でもいいので歩く。さらに、食前ではなく食後に歩くことで、血糖値が上がりにくくなるそうです。好きなスイーツを毎日食べても太らない体になるかもしれません。

 

今日は、一歩進んで、医師らが推奨する「究極歩き」をご紹介します。まずは、「インターバル速歩」です。「早歩き」を3分間したら、「ゆっくり歩き」を3分。これを交互に繰り返します。目標は、1週間でインターバル速歩計120分(早歩き60分)が目安だそうです。1日18分(3分ずつで3セット)なので、継続できそうですね。過去15年間のデータ分析では、インターバル速歩を5か月間行うことで、筋力などが平均15%増加。糖尿病などの生活習慣病が20%改善、うつ指標も40%改善され医療費が20%削減されることがわかったそうです。

 

もう一つは、「大股で歩く」ことです。理想の歩幅は65センチです。私が65センチを試してみると、大人の男性でもかなりの大股です。まずは、今の歩幅より5センチ長くが目標です。大股で、体の細胞内にある「ミトコンドリア」が活性化されるそうです。ミトコンドリアは、すべての細胞内に存在し、ブドウ糖や脂肪酸を燃やして生きるエネルギーを得ます。加齢などで、筋力が落ちると、筋肉内のミトコンドリアが劣化します。筋力低下で人の活動も減り、筋肉以外の臓器の代謝も低下し、全身のミトコンドリアが劣化します。これによって、様々な病気の発生原因となり、脳細胞に起これば、うつ病や認知症を招くと言います。

 

誰かと楽しく会話をしながら歩くことは、認知症対策のウオーキングになるそうです。パートナーと歩くもよし、近所の仲間同士でもいいですね。また、血圧が高い人には、「階段の下り歩き」がいいようです。階段を上がると血圧上昇があるので、下りだけ歩くのがいいあんばいだそうです。

 

どうですか・・・もう一度整理しますね。

 

「すきま時間に、早歩きとゆっくり歩きを交互に3分ずつ&普段の歩幅+5センチの大股&親しい人と話をしながら&階段は、なるべく歩いて下る。「運動の秋」・・・これなら、できそうですね。

2023年

11月

07日

夫婦の危機は小6の11月

クリスマス発表会では、寺子屋園児を分けて2つの劇を行います。「こびと と くつや」「王様の耳はロバの耳」の2本です。朝の会で、何度も読み聞かせをしている絵本なので、ストーリーは、子どもたちの頭の中に、しっかりと入っています。

 

今日は、読み合わせのような感じで、先生がそれぞれの役のセリフを言って、子どもたちはマネをします。大きな声ではきはきと言える園児はまれで、たいがい小さな声でよく聞こえません。ここから、12月23日の発表会本番までの練習で、役者になっていくのです。子どもは、すぐにセリフを覚えてしまうのです。

 

さて、今日は中学受験の話です。2024年度の中学入試本番まで100日を切りました。首都圏の中学校受験者数は2023年に過去最多の約5万2600人を記録したそうです。裾野が広がっているだけでなく、最難関を目指すトップ層の競争は毎年レベルアップして過酷さを増しているようです。中学受験の講師は「たった数年で3割、下手したら5割も6年生の課題が増えた気がする」と言います。

 

中学受験の主役は、子どもだけではありません。中学受験は、親の未熟な部分をあぶり出しています。学歴なんて、偏差値なんて関係ないと口では言っていた親が、実際には模試の結果に一喜一憂し、子どもに暴言を吐くようになる。わが子よりできる子を持つ親を妬んだり、他人の不合格を心の底で笑ったりする。自分にこんな一面があったのかと自分自身が驚くのです。

 

「中学受験は、お互いを認め合う夫婦であるかを試される機会だった」「中学受験では、それまでのだましだましが通用しなくなり、考え方の違いがもろに出てくる」とある夫婦は語ります。

 

「夫婦はもともと赤の他人である。出身家庭の文化が違えば価値観が違う。ならば、子どもを思う気持ちは同じでも、アプローチの仕方が違って当然だ。そこで、どちらのアプローチが正しいかを争う綱引きを始めてしまうか、子どもに対して複数のアプローチをもっているチームであると思えるかが、夫婦のあり方を大きく左右する」という図式が見えてくると、専門家は言います。

 

何だか、話が大きくなってきましたが、結婚とは何か、夫婦とは何か、家族とは何か…中学受験はときにそんな大きな問いまで私たちに突きつけるのです。高校受験・大学受験なら、子ども自身の意思がはっきりしていることが多いのですが、中学受験は、親子で受験というイメージがあります。まだ、小6の子どもが、「自分で何から何まで決める」ことが難しいからです。

 

夫婦の考え方の相違については、中学受験に限らず、パートナーである限り一生付きまとう内容です。「違いを認める」ということは、大きな組織の中だけでなく、家族という一番小さなチームの中でも、大切なことですね。

2023年

11月

06日

旅の食堂 ととら亭

この3連休で、子どもたちは、東京ディズニーランド・動物園・おじいちゃんおばあちゃんのおうち・映画鑑賞など、大いに楽しんだようです。中には、熱が下がらずに寝込んでいる子もいましたが、天気にも恵まれ、充実した週末を過ごしたようです。

 

私は、3日の文化の日と5日の日曜日に、次女の引っ越しの作業員&買い出しスポンサーとなっていました。大学4年から1人暮らしを初めて、今回の引っ越し先は、柴又です。そうです。「男はつらいよ」の寅さんの柴又です。学生時代のアルバイトと社会人になったから貯めたお金で、小ぎれいなワンルームの部屋を借りたのです。ただし、柴又というのが、渋いところです。

 

日曜日、冷蔵庫を運んだ後のランチタイムで、近くにある不思議な店に食事に行きました。「旅の食堂 ととら亭」という夫婦二人で営むお店です。この夫婦が、世界各国を旅しながら出会った料理をアレンジせずに再現し提供します。3か月ごとにランチメニューが変わるのですが、ディナータイムは、夫婦が追求した「世界の餃子」をメインに、多くの世界の味が楽しめます。

 

フレンチでも、イタリアンでも、中華でも和食でもない、世界の料理が味わえる店なのです。えっ?誰がどうやって料理を作っているの?と大いに疑問ですね。そこで、店主に多くの疑問を聞いてみました。

 

①こんなコンセプトの店。聞いたことがありませんね。いったいどうしてこの店を?

「こんなメチャクチャな店は、他にやろうという人は、いないでしょうね。非効率だし。でも、この店の考え方は、ただ料理を出すのではなく、情報を伝えるだけでもありません。僕たちが、旅の中で出会った料理の経験をシェアする店なんです」

 

②世界の料理を現地の味で再現するなんて、できるの?

「僕は、作るほうはダメで、ホールとおしゃべりが担当です。作るのは、妻ですが、彼女は、フランス料理とドイツ料理のシェフをやっていました。たいがい食べてみると、素材や香辛料などの予測がつきます。あとは、店の人への聞き取り調査や、レストランの近くの市場をぶらつくと、ヒントが見つかります」

 

③新たな料理を見つけに、定期的に世界へ旅に出るのですか?

「はい。今月末からしばらくの間、オーストラリアに行ってきます。その間、店は閉めます。オーストラリアの料理は、大味でおいしくないと言われてますが、絶品を探す旅をします。パースからレンターカーで、おいしい料理を探す旅です」

 

まだまだ、話は尽きなかったのですが、現場の味を再現するために、シェフの奥様は、調味料をグラム単位で変えながら、試作を繰り返すそうです。ただおいしい料理なら、誰でも作ることができますが、これを商業ベースに乗せないといけません。食材や香辛料などが、日本で手に入るか・・・など、レシピ作りには余念がないそうです。

 

そして、店主の著書「世界まるごとギョーザの旅」を購入しました。その際に、レジに立つ店主にサインをいただきました。いわゆる、紀伊国屋書店でやっているような、サイン本となったのです。店主は「僕のサインは、どうも落書きと間違えられることが多くて・・・」とユーモアたっぷりです。

 

なんだか、この夫婦の生き方を見ていると、素直に「素敵だなぁ~」と思います。二人が一番大好きな、旅とおいしい料理を一緒にして、生きていくための仕事にしているなんて、うらやましいですね。

 

次女の住む柴又に遊びに行くときは、この「ととら亭」に足を運んでから、柴又名物の「草だんご」を食べることにします。(笑)

2023年

11月

05日

プラレールの魅力

私の先輩に、6畳一部屋を鉄道模型部屋にして、家族からあきれられている方がいます。皆さんが知っている「プラレール」は、Nゲージなどの本格的な鉄道模型とは対極にある位置付けですが、子どもが楽しむうちに、鉄道に詳しくない大人も魅了される存在です。

 

保育園でも、鉄道や車に関するおもちゃは山ほどありますが、もちろん、プラレールは子どもたちの人気アイテムです。そもそも、プラレールは1959年(昭和34年)に発売された「プラスチック汽車・レールセット」が原型で、1961年に初の3両編成の電動式「電動プラ汽車セット」が発売されて、現在の形が定着したそうです。日本国内で、今年3月までの累計で、1億8640万個以上を販売する日本を代表するおもちゃとなっています。

 

世の中に、ヒット商品は毎年誕生しますが、プラレールのように60年以上続く商品は、そう多くはありません。私は、ロングセラー商品に魅力を感じ、どうして長く売れ続けてるかを考えてしまいます。

 

プラレールは、発売以来基本の規格は変わっていません。直線レールの長さは216ミリで接続部の形状も同じです。この216ミリという長さは、販売当時、どの家にもあったちゃぶ台の上で円形にレールをつないで遊べるようにと考え、その円の直径を432ミリにし、直線レールを円の半径216ミリにしたそうです。曲線レール4本で直線レール2本分の長さの半円を作ることができます。レールは、裏表両方使えるリバーシブルで、接続分のジョイントはシンプルにできています。

 

規格がかわっていないので、パパが子どもの頃につかっていたプラレールが、今も使えるのです。親子で楽しむには、もってこいですね。かっこいい言い方をすれば、「レールが世代をつなげる」のがプラレールの魅力です。

 

プラレール愛好家で全国でプラレールの巨大ジオラマ展示などのイベントを行う「ペタぞう」さんは、プラレールが長く愛される秘密をこう語ります。

 

「子どもが遊ぶには大人が納得しないと安心して子どもに与えられないことを理解し、大人目線も入れて作っていることが感じられます。60年を超える知見を蓄積した功績とも言えます。世界に誇るおもちゃだといえます」

 

プラレールは、まだまだ進化し続けるのです。今、我が子と一緒にプラレールで遊んでいるパパママへ・・・あらためて、プラレールの魅力を感じてもらいたいですね。

2023年

11月

04日

苦手に挑戦で脳が再成長

5月に年長園児11名を連れて、埼玉県警交通機動隊の白バイのデモンストレーションに参加させていただきました。ジグザグ走行など迫力のある白バイ走行に、子どもたちは大興奮したのです。その埼玉県警白バイチームが、「第53回全国白バイ安全運転競技大会」で団体優勝を果たしたそうです。「バランス走行」や、タイヤなどの障害物を乗り越える「トライアル走行」、雨でぬかるむ「オフロード走行」を競う内容を見事トップクリアです。「優勝におごらず、誰よりも安全運転を心がける」「悲惨な事故を防げるよう今後も努力を続ける」と優勝メンバーは語ります。何だか、誇らしい気持ちですね。

 

さて、今日は「脳」の話です。「一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方」の著者、加藤俊徳医師は、「中高年世代の物忘れや記憶力の低下は、ほとんどの場合、加齢による老化というよりも、脳の偏った使い方が原因」と言います。えっ!加齢じゃないの?と思ったあなた。どうやら、他の要因もあるようです。

 

その理由を加藤医師はこう解説します。「長年、同じ仕事を続けてきたことで蓄積された思考パターンや行動パターンが「マンネリ化」と脳が意識してしまい、体のひずみになって現れます。それが、50代です。50歳前後は、自分の体を振り返る年齢なのです。肉体労働をしてきた人が腰痛に悩み始めるのも50歳前後。パソコンの仕事をしてきた人が、目や肩、首の疲れが抜けなくなるのもこの年齢です」

 

どうですか。確かに、この考え・・・当てはまることが多いですね。私も、「保育園が開園した頃には、こんなことは簡単にできたのに!」と思うことが毎年増えています。これは、加齢によることだから、仕方ないと思っていましたが、「脳のマンネリ」が引き起こしているというのです。

 

では、「脳のマンネリ」を防ぐには、どうすればいいのか。それは、今まで苦手だと思っていたことに、あえて挑戦することだそうです。水泳が苦手だったら、まずは、室内プールに通って、ウオーキングから始める。とか、「マッチョな体系」など興味がなかったけど、健康のためにジムに通ってみる。また、苦手な英語に挑戦する。料理なんか作ったことがないパパが日曜日の晩ごはん一食だけを担当するなど・・・人には苦手なことが山ほどあるものです。

 

こうすることで、「おい!いつもと違うぞ。いったい何が起こっているんだ!」と、脳が思って、新しい部分が活発に動くようになるのです。

 

「やればできる!」と自分に言い聞かせながら、1つだけでも「苦手」に挑戦してみませんか。

2023年

11月

03日

時刻表 駅ホームから消える

前にこのブログで、駅から「時計」が消えているという話をしましたが、JR東日本では、すでに2012年から約500駅を対象に撤去済みです。ところが、山梨県の大月市と上野原市の自治会が反発し、両市議会は時計の再設置を求める決議を可決し、昨年12月、大月、上野原など7駅で自治体が購入した電波時計が新たに設置されたそうです。時計の維持管理は、JRではなく自治体が行っています。

 

ゴミ箱も駅で見つけるのが難しくなっています。中身が見える透明パネルのゴミ箱を設置していた東京メトロは、「セキュリティー強化」を理由に、全駅で撤去しました。

 

そして、いよいよ駅ホームにあった「時刻表」の撤去が始まっています。大阪の南海電鉄のある駅では、ホーム上の駅時刻表があった部分が空白になっていて、代わりにQRコードが掲示されています。スマホの普及を踏まえ、デジタル化を進めているようです。

 

若い人は「いつもスマホで時刻表を検索するので、変化に気付かなかった」と言い、お年寄りは「スマホは持っているが、操作に慣れていないし、画面を追うのは目が疲れる。駅の掲示を見るほうが楽だ」と話します。

 

そういえば、私も電車に乗って出かけるときは、あらかじめ検索してどの列車に乗るか決めていることが当たり前になっていました。駅ホームの時刻表を見ることもなくなっていましたね。

 

よく考えれば、ダイヤ改正のたびに、新しい時刻表の作成や設置にかなりの費用がかかります。また、環境配慮の点でもプラスチックの時刻表を作り直すことはいかがなものか、という考えもあるようです。最近では、路線の相互乗り入れが複雑化していることもあって、1枚の時刻表で丁寧に示すのが難しいこともあるようです。

 

国土交通省は、「ホームに時刻表がなくても改札口などに掲示したり、電光表示で案内したりしていれば問題ない」という見解です。

 

「駅」という場所は、かつては、列車に乗る場所だけだったのが、「エキナカ」という言葉が定着した今では、駅の中はショッピングや様々なサービスが受けられる空間へと変わっていきました。そんな時代の流れの中で、これまで駅に当たり前にあったものがなくなっています。どうも、気がつかないうちに・・・です。時々、「時計・ゴミ箱・時刻表」が自分が利用する駅にあるかどうか、チェックしてみませんか。

2023年

11月

02日

農産物が不作!?

屋上遊びは、「子どもたちのやりたいこと」でどんどん変化していきます。昨日から「なわとび」ブームが起きています。連続で飛び続けることは、年長園児でもなかなか難しいことです。そんな高い壁だからこそ、子どもたちの挑戦意欲がわいてくるようです。でも、途中から縄がゴールテープに変わっていて、かけっこ大会になっていました。(笑) 

 

さて、実りの秋を迎えているのですが、今年の農作物の出来は今ひとつのようです。買い物をしていると、ニンジン・長ネギ・大根・トマトなど多くの野菜の値段が、びっくりするくらい高値になっています。

 

日本人の主食「米」に関する報道では、今年は1等米が少ないというニュースをよく聞きますね。収穫した米の粒の形や色が良好なものは1等米とされ、高値で取引されます。この夏は高温で、でんぷんが十分に蓄えられず、米粒が白く濁る現象が多く確認されています。濁った米は一等級と評価されません。

 

農林水産省による具体的な数字では、1等米の割合は北陸で36%(前年43%減)、東北で70%(前年25%減)となり、米どころ新潟ではさらに深刻です。新潟産「コシヒカリ」の1等級比率は、前年が80%に対して、今年はわずか4%だったそうです。慌てた新潟県では、米の食味についての検査を実施したそうです。2等や3等とされた米でも、香りや食感は1等米に劣らないという結果を公表し、ホームページなどでアピールしています。

 

今夏は観測史上、最も暑い夏になり、気象庁は「異常気象だった」としています。6~8月には全国の観測点915地点のうち、128地点で最高気温を更新しました。気象庁の研究チームは、今夏の猛暑について、日本付近の高気圧が猛烈に発達したことが主な原因ですが、7月下旬から8月上旬の猛暑は「60年に一度」程度のまれな現象だったとみています。ただし、来年以降もずっと猛暑が続くとは限らないとのことです。

 

気になる果物ですが、甘くなるには適度な暑さが必要ですが、今年は強すぎる日差しで、青森県や長野県のリンゴの多くが白く変色してしまったそうです。ブドウの「ピオーネ」も濃い紫色がまだらになりました。このような気候が続けば、リンゴの主産地は北海道になり、ミカンは愛知県や和歌山県から関東地方にシフトするかもしれませんね。

 

こうなると、品種改良で、暑さに強い野菜や果物の開発が必要になってきますね。昨日食べた、屋上ファームで収穫した小玉スイカも、9月の気候が夏並みになったことが原因です。

 

「旬の野菜・果物」を楽しむ機会がどんどん減っていく前に、今は、秋の旬を楽しむことにしませんか。

2023年

11月

01日

ど根性スイカ

今日も、年少園児が自転車に挑戦です。年少園児の中では、一番足が速く運動能力に長けている女の子です。実は、もう半年前から、補助なし自転車に10メートルは乗れていましたが、最後の勇気がなかなか出せずにいました。自転車が倒れて転んでしまう恐怖心を克服できません。夏のプールが始まり、運動会も終わり、月日だけが流れていきました。その間、3人の年少園児が先に乗れるようになり、たまりかねたママが「○○ちゃんが、先に乗れるようになったね」と話しかけると、「でも、○○ちゃんと○○くんは、まだ乗れていないから」なんて言っているそうです。その具体的な会話からも、早く自転車に乗れるようになりたいことが分かります。

 

今日は、2回10メートルで止まってしまいます。彼女の口から「今日は、ちょっとやめたい気持ちになってきた」という小声が聞こえてきましたが、「園長先生は、今日、○○ちゃんが自転車に乗れるような気がするんだ。あの先の白い線まで、まっすぐ前を見て頑張ってみよう」と、彼女の小声を上書きする大きな声で、もう一度トライさせます。そして、見事30メートルの距離を走り抜きました。

 

子どものタイプは、当たり前ですが、いろいろです。「もう一度やってみる!」というチャレンジャータイプは、実は少数派です。彼女のように、いかに園児の背中を押してあげるかが大事になってきます。結果、「乗れた」という自信が、大きな成長につながるからです。年少園児のあと3人・・・今年度中に乗れるように、背中を押しまくりたいと思っています。

 

さて、11月に入りました。秋から冬に季節は移行するのですが、屋上では、子どもたちと「スイカ」を食べました。そうです。屋上ファームで収穫した小玉スイカです。11月にスイカを食べるたのは、私にとっても初めての経験です。(笑)

 

夏のプールでスイカ割りをした時に、種を飛ばしながら食べていました。どうやら、そこから芽が出てきました。9月上旬、ジャガイモの種を植えるときに発見しました。どうなるか?そのままにしておくと、9月の残暑の影響で、どんどん育っていきます。そして、大きなスイカになったのです。季節外れに大きくなったので、「ど根性スイカ」と呼んでいました。

 

スイカに包丁を入れる園長の周りに、集合をかけていないのに、どんどん園児が集まってきました。夏のスイカのように真っ赤ではありませんが、赤ピンク色です。そして、少しずつですが、子どもたちも先生たちも一緒に食べてみます。

 

第一声は「おいしい!あま~イ!」です。真夏の日差しを浴びていないので、甘くないかなぁ~と思ったら、とんでもありません。美味しいスイカに、子どもたちは大満足です。実は、まだいくつか、ど根性スイカが残っています。天気がいい日に、また子どもたちと食べることにします。

2023年

10月

31日

ハロウィーンパレード

朝からテレビで報道されていましたね。本日をもって、東海道新幹線の車内販売が終了します。「かっちんコッチン」の固いスジャータのアイスクリームは、私も神戸の出張帰りに、いい気分で飲んで、最後に食べたくなるのがこのアイスでした。車内販売のパンサーから買うという行為がいいのです。東海道新幹線は、JR東海の管轄ですので、JR東日本、西日本管轄の新幹線は、まだ車内販売はありますので、ご安心を。

 

今日は、10月31日「ハロウィーン」です。保育園ホワイトきゃんばすでは、開園初年度から、パレードを毎年行ってきましたので、今回が12回目です。ここ数日、ハロウィーンの報道は、「渋谷」の大人のコスプレ騒ぎに関する内容がほとんどです。この路線は、完全に「悪しき習慣」という位置づけになってしまいました。

 

しかし、保育園のハロウィーンパレードは違いますよ。子どもたちが、かわいい仮装をして、「トリックオアトリート」と言ってお菓子をもらうという、一連の行動は、渋谷の騒ぎとは一線を画す内容です。昔から、「代官山ハロウィーンパレード」など、子どもが中心となったイベントは、多くの場所で行われてきましたね。

 

朝から、ドラえもんにアナと雪の女王のエルサが、登園してきました。そして、驚いたことに、テレビでは見たことがない、川越のご当地戦隊になった5歳男の子がやってきました。すべて、ママが牛乳パックなどで作った、完全手作り衣装です。構想と作業で2か月かかったそうです。

 

スパイファミリーのアーニャが、髪の毛をピンク色にして登園です。アメリカンポリスが2名、ミニーマウス2名、エルサ人気が高く3名も集合です。パウパトロールにアンパンマンだけでなく、バイキンマンもやってきました。牛さんもパンプキンちゃんが2名・・かわいかったですね。スーパーマンの胸の筋肉がヤバイです。赤影忍者になった男の子は、本物みたいな刀を背中にさしていました。お姫様がいっぱいとメイドさんにミニオンズもいました。そして、一番目立ったのが、ゲゲゲの鬼太郎の「ネコ娘」と「目玉おやじ」の仮装をした姉妹です。目玉おやじは、手作りですよ。どんな感じか、想像してください。(笑)

 

朝から、大盛り上がりの保育園です。ショッピングセンターのパレードが始まると、買い物客が自然と笑顔になります。「ハッピーハロウィン♬」と叫びながら、子どもたちは歩きますが、今年は「うるさくて買い物ができない!」というクレームはゼロでした。子どもたちの癒しパワーで、お客様も元気になったようです。

 

「トリックオアトリート」でお菓子をもらうポイントは、全部で6か所あります。今までは、カボチャのバケツ容器を用意していたのですが、お菓子が入りきらないので、昨年から、紙袋に、子どもたちがハロウィーンの絵を描きます。今年も、紙袋いっぱいのお菓子となりました。

 

今月は、運動会があり、毎日の練習を頑張った子どもたちですが、今日のようなイベントも大事ですね。仮装して、「もう一人の自分」になった子どもたちです。

 

ママパパへ・・・しばらく、お菓子を買うことはありませんよ。(笑)

2023年

10月

30日

マインドフルネス

今日は、4歳の年少女子が、自転車に乗ることができました。今日初めて、補助付き自転車に乗ると、しっかりとペダルを回せるので、補助なしに挑戦してみました。何度も10メートルくらいで止まってしまうのですが、5回目で30メートルを乗りこなしました。泣きそうな顔だったので、「どうする。今日はやめるかい?それとも頑張ってみるかい?」と問うと、「頑張る!」と言って、ついに乗れたのです。すでに自転車に乗れる年少女子が、お手本を見せてくれたのが、良かったようです。

 

寺子屋園児26名中、これで22名が自転車クリアです。残りの年少園児4人も練習を頑張っているので、早く乗れるようになって、自信をつけてもらいたいですね。自転車に乗れるか乗れないかは、個人差があるので、無理をさせないようにしていますが、「乗れた!」時の達成感や自信が、子どもを大きく成長させます。「自転車の乗れるようになる」という目標が明確なのがいいのです。あと4人・・・ガンバレ!

 

さて、何年も前の話ですが、私が営業で担当していたショップの店長が、キックボクシングのジムに通っていました。女性です。1回の時間は1時間にも満たないそうですが、汗をたくさんかくので、さっとシャワーを浴びて帰るそうです。「まだ火照っている体のまま外を歩くと、冷たい風を感じて、すごく気持ちがいいんです。『あーしあわせ!』と声に出してしまうくらい、幸せな時間です」と言っていました。

 

みなさんも経験があると思いますが、運動をした後は感覚が鋭くなります。外を歩いていると「今日は湿度が少し高いなぁ~」とか「風が冷たいなぁ~」に気がつき、季節ごとに咲く花の香りや、風の強さについて感じることが多いですね。

 

このような感覚になることを「マインドフルネス」と呼ばれているそうです。これを日本語に訳すと「気づくこと」「意識すること」という意味です。もともと仏教の瞑想状態のような感覚で、日々の心配事や不安な気持ち、仕事や他人からの評価など、ついつい頭に浮かんでしまうことを鎮め、「今」だけに集中できるような精神状態のことです。

 

冒頭の店長が、マインドフルネスの時間を幸せな時間と言っていたことを思い出しました。人は、若いうちは、この「幸せ」というやつは、向こうから自分にやって来ると思っている人が多いような気がします。白馬の王子がやって来る(笑)とか・・・他人に癒してもらいたいとか、他力本願的な「幸せ」を期待していたのかもしれません。でも、こうしてマインドフルネスを自分で作り出すなど、自力で幸せになるのが一番確実とわかるのは、以外にも人生経験を積んでからなのかもしれません。

 

やっぱり、ちょっとの運動・・・大事ですね。

2023年

10月

29日

「学びたい」と願う世界の子どもたちへ

早朝にラグビーワールドカップの決勝戦が行われ、南アフリカがわずか1点差で、オールブラックスを破り連覇を果たしましたが、どうも、日本代表が決勝トーナメントに進めないとわかってから、ラグビーを見なくなった人が多くなっていますね。やはり、ここは、世界最高レベルをしっかりと見ておきたいものです。

 

日本は、小中学校は義務教育で、多くが高校へ進学します。不登校の問題がありますが、「学校に通えない」ということは、まずありません。ところが、世界を見回すと、日本のモノサシは通用しません。

 

紛争や気候変動、感染症などの様々な問題が、世界の子どもたちの教育を受ける権利を脅かしています。SDGsの4番目の目標には「質の高い教育をみんなに」と掲げられていますが、いまだに6歳~17歳の子どもたちのうち、2億4400万人の子どもたちが学校に通うことができていません。

 

具体的には、世界全体で小学校に通えない子どもは約9%(11人に1人)。中学校では約14%(7人に1人)が、高等学校では約30%(3人に1人)が学校に通うことができていないのです。

 

「ぼくの他にお金をかせげる家族がいないから、ぼくが学校をやめました。そしたら4人の弟たちは勉強を続けらえているから」(アナス12歳)

8年以上内戦が続くイエメン。新型コロナウイルスやウクライナ紛争の影響が重なって、子どもたちを取り巻く状況が悪化し続けています。

 

「学校に来るまでは、何も知らなかった。学校に通えることが、本当にうれしいの」(グラハ9歳)

アフガニスタンでは、女子の教育を取り巻く状況が悪化しています。2021年9月から、女子が中等教育を受けることが禁止され、教育を受ける権利が奪われています。9歳のグラハさんは、これまで学校に通ったことがありませんでしたが、地震の緊急支援で建てられた仮説の学校で学べるようになったのです。しかし、彼女も中等教育の年齢に上がれば、教育を受けられない可能性があります。

 

「学校は屋上まで水につかってしまいました。2か月以上も水がひかず、ぼくは学校に通えませんでした」(シャヒド8歳)

2022年8月、大雨と洪水がパキスタンを襲い、国土の約3分の1が浸水しました。被災した人の数は約3300万人。そして学校も約3万校が被害を受け、今も多くの子どもたちの教育が中断され続けています。

 

私たちは、日本という国で生活していると、世界の子どもたちの多くが、「学校に通えない」という実態があることを知りません。時々、世界の子どもたちのことを考える時間を持ちたいものです。

2023年

10月

28日

不登校 過去最高

今朝、外から「ゴロゴロゴロ!」と大きな音が連続して聞こえてきました。早朝から雷が鳴るなんて、あまり経験がありません。そして豪雨です。雨はすぐに上がりましたが、屋上には、子どもたちの大好物「水たまり」がいっぱいできました。はい。5歳と4歳男の子は、見事に全身真っ黒です。(笑)

 

さて、不登校の小・中学校の人数が、過去最多を更新したそうです。令和4年度は、前年度の1.2倍以上に増加しました。いじめの認知件数も増えたようです。具体的には、児童・生徒1000人当たりの不登校数で比べると、平成29年度が14.7人だったのに対し、令和4年度は31.7人へと倍増しています。

 

コロナ禍といじめ・不登校増加の背景に関して、専門家は「たわいもない無駄話、遊びが自由にできない生活」があったことを指摘します。学校休業やリモート授業が行われるようになって、子どもたちだけでなく、保護者も含めて学校を休むことへの抵抗感が薄れ、友人や職員との葛藤・トラブルがあった際、互いに歩み寄るといった調整能力が下がったとも言います。

 

調整能力が下がったため、相手を否定して攻撃したり、逆に自己を否定したりする傾向が強まっている。その結果、トラブルなどがあると、学校から撤退して休んでしまうのです。

 

どうですか、なかなか的を得た指摘ですね。私が学生時代に、西武球場で売り子のアルバイトをしていたのですが、その時の先輩の調整能力は凄いものがあって、どんなバイト間のトラブルも解決してしまいました。その先輩は、子どもの頃から、友だちとのかかわりの中で、コミュニケーション能力や調整能力を磨いてきたのです。子ども同士のたわいもない会話が大切といいますが、先輩はいつもしょうもない話をしていました。(笑)

 

不登校のもう一つの原因は、児童・生徒と学級担任の相性が合わないこともあるようです。こればっかりは、人間同士ですので、十分考えられることです。児童・生徒を相手に何らかのアンケートを行う際、「相談したい教職員を子どもが指名する欄」を設けている学校が増えているといいます。

 

子どもたちが成長し、やがて大人になっていく過程には、影響を与えてくれる多くの人との関わりが必要です。その中心となる場所が、当たり前ですが学校です。不登校が増えることは、子どもたちの将来にとっては不幸なことです。解決策を考えないと。

2023年

10月

27日

百貨店 生き残りへの道

今日は、年長園児5人が入学する、さいたま市立指扇小学校の「就学前健診」がありました。5人の卒園児が、同じ小学校に入学するのは、保育園ホワイトきゃんばすの歴史でも初めてのことです。5歳女の子は、「小学校に行くのは、なんだかドキドキしちゃう。大丈夫かなぁ~?」と言っていました。大人でも新しい環境に飛び込むのは、勇気と覚悟が必要ですが、子どもたちは、心臓バクバクだったに違いありません。

 

さて、先日大手百貨店としては、61年ぶりのストライキに発展した「そごう・西武」の西武池袋店の様子は、多くのマスコミにも取り上げられたので、記憶に新しいところですね。「お客様相手の商売なのに、ストライキとは何事だ!」なんて、決して言わないでくださいね。これは、百貨店で働く人たちの生活やプライドをかけた戦いだったのです。この日は、高島屋・三越伊勢丹・大丸松坂屋他、多くの百貨店の労働組合のトップが集いました。百貨店業界にとっては、「そごう・西武」だけの問題ではなかったのです。

 

私がおやじ園長になる前は、まさに百貨店に大きくかかわった仕事をしていました。百貨店に勤めていたのではなく、取引先メーカーの営業担当という立場での仕事です。ちょうど、西武百貨店の本部担当の時に、「そごうを吸収する」となり、「そごう・西武」が誕生しました。個人的には、西武百貨店にそんな余裕はないはずだけど?と思ったものです。この時すでに、セブン&アイ・ホールディングスの傘下になる密約があったようです。

 

その後、私がセブン&アイホールディングスの本部担当をしていた時に、「そごう・西武」が傘下となりました。セブン&アイは、コンビニ事業でしこたま儲けていたので、まったく問題なかったのです。量販店のイトーヨーカ堂とは別の「百貨店事業」を進めることで、グループのイメージも売上も上げようという考えでした。しかし、コンビニ・スーパー・百貨店との融合は失敗に終わり、トカゲのしっぽ切りのごとく、「そごう・西武」が、米投資ファンドに売却されたのです。

 

現在の百貨店の売上は、過去最高というところもあります。コロナ前を大きく上回っているところが多いようです。特に、高級ブランド品・宝飾品・時計が強いそうです。しかし、これらは、テナント売上なので収益は少なく、フランチャイズ中心のコンビニ事業などとは比較にならないくらい、百貨店の利益率が低いというからくりです。

 

私は、デパ地下で買い物をするのが大好きで、この上ない幸福感を覚えます。日本橋三越の天女像(てんにょぞう)や、日本橋高島屋の手動式エレベーターに興奮し、やっぱり、時々は百貨店で買い物をしたくなります。さらに経営が厳しい地方百貨店に対しては、心から応援しています。埼玉県なら、丸広百貨店(川越他)・八木橋百貨店(熊谷)・矢尾百貨店(秩父)のことは、ずっとファンです。もっと言えば、群馬県のスズラン百貨店・栃木県の福田屋百貨店も愛着がいっぱいです。

 

東京オリンピック誘致の際に、「おもてなし」という言葉が使われましたが、まさに、百貨店の接客は「おもてなし」の頂点です。私が、新入社員の時に、日本橋三越本店(三越の人は、必ず「本店」まで言います)に配属になりました。そこで学んだ、サービスの原点は、今でも忘れませんね。

 

時代とともに、世の中の「商売」のあり方は、どんどん変わってきました。お店に足を運ばなくても、ネットで何でも買える時代です。しかし、日本の百貨店は、絶対に生き残ります。お客様が求める、わくわく感という付加価値を探し続けて、これからも頑張ってほしいですね。

2023年

10月

26日

農業×デザイン

運動会が終わり、子どもたちが、のびのびと屋上遊びを楽しんでいるのですが、自転車免許証を目指す園児もいます。年長・年中園児19名は全員自転車に乗れます。年少園児7名のうちすでに2名が自転車免許証を取得しています。残り5人を何とか3月末の今年度中に、自転車に乗れるようにしたいと思っています。

 

5人中2人は、すでに10メートルぐらい乗ることができます。本人もやる気満々ですが、恐怖心の壁をまだ乗り越えられません。でも、時間の問題ですので、今月中には何とかできるでしょう。

 

男子1名は、まったく自転車に興味がなかったのですが、周りに刺激を受けて、ストライダーから始めます。運動能力が高いので、初日でスイスイ進めるようになりました。残り2名の女子は、3月までに乗れるように、じっくりやっていきます。ここ4年、年度末までに寺子屋全員が自転車に乗れるようになっているので、今年度も、頑張ってもらいます。

 

さて、私は「工藤阿須加の農業はじめました」のような、農業に関する番組は、欠かさず見ています。屋上のホワイトきゃんばすファームの勉強のためにもなります。工藤さんは、プロ野球で活躍し、監督としても日本一となった工藤投手の息子さんです。農業大学を卒業し、大学時代はテニスの日本チャンピオンです。

 

この番組に出演する就農者は、付加価値を見い出し、成功した人が多いのですが、日本の農家は、野菜を作ることに長けていても、それに、付加価値をつけて販売することが苦手です。農林水産省が、農業の6次産業化を提唱して久しいですが、1次(作る)2次(売る)3次(付加価値をつけたサービス)を合計して、6次産業にしないと、日本の農業の未来は明るくならないという考えです。

 

農協に言い値で納品するのではなく、高級レストランの食材として直接取引する。道の駅などに自分で価格を決めて販売する。ネット販売でマーケットを世界に向ける。マルシェなどのイベントに参加しお客様の顔を見て販売する。などなど、若い就農者を中心に、日本の農業が「儲かる農業」に変わりつつあります。

 

そんな農業を応援するのが、農業をはじめとする1次産業に特化したデザイン・プランディング会社「ファームステッド」の阿部岳(あべがく)さんです。阿部さんは、「東京で学んだデザインの実践を、地方の農業のために使える人間はそういない。自分がやるべき仕事はこれだと思いました」と語ります。

 

仕事の核は、農場のシンボルマーク作りです。企業にロゴがあるように農場にも「顔」が必要です。今では、全国80か所の市町村で180以上の農場などのデザインを手がけたそうです。シンボルマークは「百年先も使う家紋になるもの」という考えで、生産者ととことん対話をして、その農場の強みを見つけだして作っていくそうです。

 

出来上がったシンボルマークを見て「何かやれそうな気がした」「背中を押してもらえた」と生産者の方々から教えてもらって、デザインの力を実感するようです。

 

民間企業なら当たり前の発想を農業に取り入れることで、6次産業化が進んでいくのです。阿部さんの仕事は、「農業×デザイン」で、農家さんが、やる気が起きる魔法をかけているのかもしれませんね。

2023年

10月

25日

埼玉県の条例案

今日は、ピクニックランチです。寺子屋の園児が対象ですが、ママやパパが作ったお弁当を、屋上の青空の下で、ピクニック気分で食べるイベントです。ただ屋上で食べるだけじゃないか・・・なんて言わないでくださいね。わくわく感たっぷりの「非日常ランチタイム」なのです。事前に、何が食べたいかをリクエストする園児もいますし、ママのお弁当作りの手伝いをする園児もいます。今回は、3人のパパがお弁当を作ってくれました。とにかく、朝から子どもたちはワクワクドキドキとなるのです。

 

おにぎりなどが、キャラクターになっていて、見た目もばっちりのお弁当に、子どもたちの会話も進みます。食後のデザートも、子どもたちはおいしそうに食べていました。

 

さて、私は埼玉県さいたま市に住んでいますし、保育園ホワイトきゃんばすもさいたま市にありますので、やはり、世間を騒がせた、埼玉県の条例について、触れないわけにはいきませんね。

 

今回、自民党埼玉県議団が、小学校3年以下の子どもだけでの外出や留守番を禁じ、見つけたら通報するように定める条例案を提出しました。報道にあるように、世の中からは、大きくバッシングを受けて、この条例を取り下げたという内容です。

 

保育園にかかわる意見としては、現状、小学校の学童がいっぱいで、多くの小学校では、2年か3年になると、新入生を優先するために、追い出されてしまう状況です。働く親としては、ほぼ全員アウト!となってしまうので、まずは、実態モニターが、どれだけ行われていたかは、はなはだ疑問です。もちろん、県の条例ですので、法的に逮捕されるわけではありませんが、働くママが、真っ先にブーイングでした。

 

もっと言えば、女性が社会に進出し、働くママが当たり前の世の中になってきた昨今で、どうも、この法案の根底には、「男はソト・女はウチ」という昭和の価値観を感じるような気がします。

 

あまりにも、バッシングばかりなので、この法案のメリットを無理やり考えてみると、諸外国との比較ですね。アメリカでは、子どもだけが公園で遊んでいることなど、ほとんどないし、家で子どもを一人にすることは、虐待と言われかねません。そりゃ、銃社会のアメリカなら、子どもの安全という観点が第一に考えられるでしょうが、日本には当てはまりません。

 

映画「三丁目の夕日」の時代は、地域で子育てをするのが当たり前でした。自分の子どもも、近所の子どもも、分け隔てなく愛し、叱りました。その時代は、もう日本には戻ってきません。でも、この事例をきっかけに、子どもたち同士が、放課後、安全に公園で遊べる世の中を作っていかないといけませんね。

 

みなさんは、バッシングだけでなく、どうあるべきか・・・考えてみませんか。

2023年

10月

24日

ひみつ屋

運動会が終わって、昨日から、いつものように屋上遊びで子どもたちは楽しんでいます。自分がやりたい遊びができる屋上遊びは、子どもたちの想像力も引き立てます。スタートとゴールラインを引いておくと、年長園児が音頭を取って、様々な競争が行われています。走る・自転車・ストライダー・キックスケーターなどなどのレースです。25メートルくらいだと、走るのが一番速いです。自転車が、ようやく加速した時には、ランナーはゴールです。

 

料理ごっこも、なかなかレベルの高い料理を作っています。土と水に、野菜、花、野草などを使って、フライパンで本格料理です。子どもたちの表情は、集中力200%ぐらいに見えます。この集中力が、小学校に入ってからの勉強に役立つのです。幼児期は、とことん集中して遊ぶことが大切ですね。

 

さて、「あなたの秘密を預かって販売します」という、何とも不思議な商売があるようです。「ひみつ屋」です。ひみつ屋を名乗る「木村りぺか」さんが、10月上旬、江東区の夢の島公園で、不気味な黒い屋台を引いています。屋台には「あなたの秘密、固めます」とあります。

 

手のひら大の紙に秘密を書いて、自らその紙をセメントで固めて値段を付けて木村さんに預けます。これまでにセメント化した秘密は約200個で、1000円以下が売れ筋で、約50個売れたそうです。勝った人には、秘密を公表しないように伝えます。

 

誰かが、自分のつらさを分かってくれるのではないかと期待し、秘密を託しているのではないか。紙に書いて預けるアナログな方法は、SNSに投稿するよりも個人の特定が難しく、秘匿性が高いため安心感もあるのだろうと、心理学者は言います。一方で、人の秘密を知りたがる行動の背景には「知らないものを知りたいという好奇心がある。人が知らないことを知れば優越感も得られる」とも言います。

 

あるアンケートでは、主婦の70%が誰にも言えない秘密があると答えたそうです。借金など「お金」の秘密が40%・不倫などの異性が13%・昔ヤンキーだったなどの「過去」が12%といった数字だそうです。

 

人は、墓場まで持っていくかどうかは別として、何かしらの秘密は抱えているものですね。夫婦でも、恋人同士でも、お互いのすべてを知ろうとすると、人間関係がギクシャクしたりします。秘密があるからこそ、人は魅力的に見え、人間関係が豊かになるとも言えます。そして、秘密を打ち明ける行為は、相手に信頼を贈ることでもあると考えると、絆も深まるというものです。

 

橋本さんは、アーティストとして、「ひみつ屋」を活動の一環として立ち上げたそうですが、気になる取り組みですね。

 

人は、「自分の秘密を誰かに打ち明けたい」という欲求を抱えて生きているとしたら、「ひみつ屋」に、どんどん秘密が集まってきそうな気がします。(笑)

2023年

10月

23日

運動会の余韻・・・

今日の連絡ノートには、ママパパのコメントがびっしりです。そうです・・・土曜日の運動会の感想です。

 

「今年も最高の運動会でした!」で始まる内容には、こちらこそ感謝でいっぱいになりました。「まだまだ書ききれませんが・・・」とまるまる2ページもコメントを書いてくださったママもいます。ママの感想とパパの感想と両方書いてくださった保護者も。本当にありがたいですね。

 

4歳と2歳の姉妹のママは、勤務する小学校の運動会とかぶってしまいました。でも、10種目中9種目に我が子たちが出場する運動会を見ないわけにはいきません。自分のクラスの種目が終わると、自転車ダッシュで西文ひろばに合流しました。さいたま新都心からわずか20分で来たそうです。競輪選手なみのスピードです。(笑)

 

6歳男の子は、インフルエンザに感染してしまい、治ってからも咳や腹痛に悩まされ、運動会当日にギリギリ間に合いました。しかし、メンタルはボロボロで、すでに半べそです。それを見た友達の5歳男の子は、彼に声をかけ、「一緒に頑張ろう!」と勇気付けてくれたのです。その言葉で、6歳男の子は最後まで頑張り切ったのです。声をかけた5歳男の子もインフルエンザに感染していたので、直近では満足に練習できなかったので、30メートル走もサーキットレースも僅差で敗れてしまいました。しかし、心は大きく成長して、友達を救ったのです。素晴らしいですね。

 

チビちゃんたちは、初めての金メダルが大いに気にいったようです。おうちに帰っても、寝るときも、金メダルを首から下げてずっと大切にしていたようです。そんなチビちゃんが3人もいました。

 

今年も、我が子はもちろんですが、他の園児の活躍がすごく印象に残りました。というママのコメントもうれしいですね。我が子が頑張れる力の源は、保育園の仲間たちとのかかわりです。時にはライバルとなって、お互いに切磋琢磨するのですが、保護者の目が、園児全体に向いていることは、嬉しい限りです。

 

3人きょうだいの末っ子5歳男子の、姉と兄の小学校の運動会が同じ日になってしまいました。母が保育園、父が小学校で応援です。なんと、姉兄ともに、本日小学校が代休だったので、保育園に来てくれました。かけっこでは、姉も兄も堂々の優勝です。5歳男の子も勝ったので、○○家にとっては、全員「一等賞!」です。家族の絆が強まります。

 

まだまだ、紹介しきれないコメントがいっぱいですが、本日配布した「運動会DVD」をあらためて親子で見ていただき、「あーだこーだ」と家族の会話が増えてくれると嬉しいですね。勝っても負けても・・・みんな一生懸命頑張ったので、全員金メダルですから!

2023年

10月

22日

令和5年度運動会 つづき

運動会の格闘技・・・サーキットレースから後半戦がスタートです。袋ぴょんぴょん・橋渡り・三輪車レース・タイヤ走り・輪投げの5つの障害を乗り越えてゴールする競技です。この競技も、練習の時から「勝利の歓喜」と「悔し涙」の激しい練習がありました。「○○!まだ勝てるぞ!最後まで諦めないで頑張れ!」という言葉が、先生ではなく園児から飛んでいました。そして、本番でも熱い戦いが繰り広げられます。年少園児の絶対王者女子が、橋渡りでミスをしてしまいます。もう涙が止まらなくなり競技をやめようとしました。そこに、園児たちの「○○ちゃん頑張れ!」の声に、ゴールまで頑張ることができました。

 

卒園児が今年は18人も集まりました。この春に卒園した1年生から、中学1年の男の子まで、7学年の凄いメンバーです。小6の男の子は、どんどん背が高くなって、園長を見下ろします。ここでも、物語がありました。50メートル8秒台で走る小3男子が赤組アンカーに決まりました。「白組のアンカーは誰にしようか?」と先生が言うと、同じ小3の女の子が「私が走る!今度は○○君に負けない!」と立候補したのです。実は、女の子は、3年前の運動会で男の子の最大のライバルでした。しかし、練習では1回も男の子に勝てなかったので、「園長先生・・・私○○君に勝てないから、アンカーも降りる」と言ったのです。今回のリレーでも、男の子を抜くことができず、ゴール後バトンを叩きつけて悔し涙しました。でも、彼女の涙を大事にしたいですね。3年前、途中で諦めてしまった自分に喝を入れて今回挑戦したことに、彼女の大きな成長があります。こうして、自分が育った保育園の運動会に多くの卒園児が参加してくれるのは、うれしいですね。

 

ダンス「まわせ まわせ」は、園児全員が参加しました。華やかで・・・そして力強い素敵なパフォーマンスとなりました。ダンスは、教室内でも早くから練習をしていたので、子どもたちは早々に覚えました。おうちでも、ママのスマホで音楽を鳴らして、練習していたようです。もちろん、踊りをママに教えていました。(笑)

 

今年の組体操には、「パラバルーン」を導入しました。そして、太鼓も一回り大きくして、迫力の音で演出します。はだしでの組体操は、ずっと変わらないままです。不思議なもので、練習では、必ずミスを繰り返して「やり直し!」となるのですが、運動会本番で、最高の演技となりました。ピラミッドもバッチリ全員で成功です。そして、パラバルーンに移行します。波・シャボン玉・朝顔・メリーゴーランド・お花・花火と次々と技を繰り出す子どもたちです。保護者席からは、「お花が素敵だった!」という声が聞こえてきました。

 

いよいよ、運動会の最終競技「紅白対抗リレー」となりました。過去の戦いでは様々なドラマを生んでいます。ここまで、9つの競技のうち、7つの競技を頑張ってきた寺子屋園児たちですが、入場でも堂々としていて、疲れた顔をしている園児は、一人もいません。本当にここまでよく頑張ってきました。練習では、ほぼ白組の勝利で、赤組も全力を尽くすも負けてばかりでした。本番では、やはり白組のリードが続きます。ところが、残り3人目で赤組が追いつき、残り2人目で逆転・・・そのまま、赤組リーダーが逃げ切る展開となりました。1週間のブランクがあった赤組リーダーが、最後は優勝を導きます。応援席からは、惜しみない拍手が送られました。

 

こうして、令和5年度の運動会も、子どもたちの頑張りと、笑顔と、悔し涙が交錯した、最高の一日となりました。金メダルを首にかけた誇らしい園児たちの顔が印象的です。応援いただいた保護者の皆様、そして卒園児の先輩たち。近隣住民の方々からも多くの応援をいただきました。子どもたちの成長を見届けていただき、本当に感謝いたします。ありがとうございました。

2023年

10月

21日

令和5年度運動会

前夜からの強風で、西文ひろばの空をなびく国旗の1つが、風に飛ばされて無残にもグランドに落ちています。急いで大空に戻すと、風が少し弱くなり、子どもたちを迎えてくれました。また、運動会前に、園児6名・職員2名がインフルエンザに感染してしまいました。直近での練習もままならないままではありましたが、運動会の神様が微笑んでくれたようで、無事に、令和5年度の運動会の日となりました。

 

入場行進は、年長園児が小さい園児と手をつないで入場します。まだ泣いてしまうちびちゃんは、ママと一緒に入場です。応援席では、「うちの子大丈夫かな?」と心配顔の保護者が、堂々と入場する我が子を見て、笑顔に変わります。

 

今年の選手宣誓は、年長男子3名です。練習では、言葉が出なかったり、間違えたりと、なかなかうまくいきませんでしたが、本番では、力強い選手宣誓に運動会が締まりました。準備体操のお姉さん2名も、元気に「いっとうしょうたいそう」を前に出て踊ってくれました。選手入場&開会式はバッチリです。西文ひろばの周りには、一般の方の応援も増えてきました。

 

しかし、競技に入ると現実が待っていました。インフルエンザに感染した6名は、全員寺子屋園児でしたので、この1週間、まったく練習ができていません。30メートル走では、練習で一度も負けたことがなかった赤組リーダーが、白組リーダーに敗れます。ブランクがあった園児たちが、ことごとく負けてしまったのです。寺子屋の練習では、30メートル走と紅白対抗リレーの練習は、毎日行ってきました。練習の中で、子どもたちの「諦めないで頑張る!」というメンタルは鍛えられてきましたが、走力もしっかりと成長していたことが分かりました。でも、ブランクがあった園児たちも、今の自分の最高の力を出してくれました。あっぱれ!です。

 

つな引き・玉入れは、運動会の定番競技ですが、保育園の園児にとっては、そんなに簡単なことではありません。それでも、楽しみながら「チームのために頑張る!」気持ちが伝わってきました。つな引き1勝1敗後の3本目の決勝戦では、赤組がバランスを崩して多くの園児が転倒してしまいましたが、誰一人泣かずに立ち上がりました。あっぱれ!です。

 

そして、親子競技で事件が発生しました。「勇気りんりん」という競技で、ゲゲゲの鬼太郎・ネズミ男・ぬりかべ・いったんもめんの4人の妖怪が、親子の行く手を阻みます。パパママが子どもをおんぶして走り抜けるのですが、ゴールの手前で、3人のパパが前のめりに転倒するという、まるで妖怪にとりつかれたと思える、大ハプニングです。しかし、転びながらもパパは、背中の子どもを守っていました。すり傷はあったものの、転倒した園児たちも元気に競技を続けることができました。あっぱれ!です。

 

どうしても、子どもにいいところを見せようと、頑張ってしまうパパの気持ちは、私はよくわかります。それが、親心というものですね。波乱の前半戦が終わり、いよいよ競技は後半戦に突入します。

 

つづきはあした・・・

2023年

10月

20日

カフェで仕事はアリ?ナシ?

いよいよ明日は、運動会です。まずは、天気の心配をしないのがうれしいですね。気温は低めですが、「寒~い!」にはならないようです。そして、インフルエンザの感染拡大で、ここ数日冷や冷やしましたが、これも新規感染者がなかったので、ホッとしています。

 

「勝ちにこだわる!」「楽しく頑張ってくれればいい」と、保護者の子どもへの期待は様々です。保育園では、寺子屋園児に対して、「勝ち負けでなく最後まで諦めないで頑張った人が一番かっこいい」と言い続けていますので、我が子の頑張る姿には、大いに期待していただければと思っています。ちびちゃんたちは、パパママと楽しんでもらえれば、それで良しです。「楽しく頑張る!」を目指します。

 

さて、運動会とは全く関係のない話です。あなたは、カフェで仕事をしますか?最近のカフェチェーン店のカウンター席には、電源が当たり前のようにあって、そこで、仕事や勉強する人が多いですね。私が、営業マンとして外出する際には、池袋ではこの店、新宿ではこの店と、仕事ができるカフェやファーストフードショップを決めていました。10年以上前ですので、今のように、電源当たり前でもなかったですね。

 

そもそもカフェには2つの役割があります。まずは、飲食の場所を提供するという「基本性能」。そして、「付加価値」です。付加価値は、人によって様々ですが、こだわりコーヒー・居心地のいい空間・レトロな雰囲気・選曲がいい・・・そして、最近では仕事ができる機能があるかどうかです。

 

私の場合は、会社で残業してダラダラ仕事をする姿をさらすことが、カッコ悪いと思っていたので、いろいろな場所でノートパソコンを開けていました。電車の中でも、膝の上でお仕事です。出張の際、新幹線は長時間乗っているのでとても役に立ちました。ただし、東海道新幹線だけは、微妙に揺れる振動で、時々気分が悪くなってしまいます。(笑)

 

カフェでも電車の中でも、ほどよい雑音があるのがいいですね。逆に集中できます。不意に聞こえた隣に座る人のキーワードから企画のアイデアが生まれることだってあります。

 

他人がいるほどよい緊張感、いつもと違う机に座る非日常感、おいしいコーヒー、職場の蛍光灯の下とは違うひと時は、やはり仕事の効率が上がりますね。

 

みなさんは、カフェで仕事をしていますか。私は、お勧めです。(笑)

2023年

10月

19日

学徒出陣80年

今日は、西文ひろばでの最後の練習です。9月の秋まつりが終わってから、寺子屋園児は、毎日のように練習を続けてきました。子どもたち一人一人が、それぞれ頑張ってきたのですが、明後日の運動会本番では、必ず、その努力の成果が表れます。勝った負けたではなく、どれだけ頑張ったか・・・この単純な、しかし厳しい課題に、子どもたちは取り組んできたのです。運動会が楽しみですね。 

 

さて、太平洋戦争中に、学業半ばの学生が戦場に送られた「学徒出陣」から、今年で80年を迎えます。80年前の1943年10月に、理工系などを除く20歳以上の学生・生徒が、東京の明治神宮外苑で学徒出陣の壮行会が行われたのです。

 

現在100歳の茶道家の男性は、「気持ちは高ぶっていたが、心の中では戦争というものを呪っていた」と言います。よく、テレビドラマなどで、徴兵が決まった人に対して、なんとも複雑な表情で「おめでとうございます」というセリフを見ることがあります。現代の俳優が演じるので、心とは反対のことを言う「おめでとう」の演技ですが、当時は、お国のために、心から「おめでとうございます」と言っていたかもしれません。

 

茶道家の男性は、特攻隊の隊員となったそうです。ある日、隊員たちにお茶を振る舞うと、一人が「生きて帰ってきたら、お前んとこの茶室で飲ませてくれよ」と言ったそうです。「その瞬間、突き落とされそうになった。ああ、もう生きて帰れへんのやと」と男性は思ったそうです。男性は、出撃せずに終戦を迎えたそうですが、多くの仲間が戦死します。「今ここで元気で話していたのが、出て行って亡くなる。運命は紙一重だとしみじみ思いました」と語ります。

 

明治神宮での壮行会では、学生代表の答辞が「もとより生還を期せず」と読み上げます。お国のためなら、生きて帰る気持ちなどありません・・・現代の私たちは、「なんてことを!」となりますね。

 

学徒出陣は、出征した学徒の総数や戦死者の数など、不明な点が多いそうです。1943年に入隊した学徒の数も、5万人から10万人まで諸説あるそうです。最近の調査では、学徒の数は6万人と検証されています。こう考えれると、戦争によって、明日の日本を担う多くの若者が犠牲になったとも言えます。国益へのマイナスが大きかったですね。

 

私たち戦争を知らない世代は、どうしても「戦争を行う必要があったのか?どうして、戦争など愚かなことに日本は参入したのか」と、ほぼ100%の人が、そう思います。

 

ただし、私たちが、もし1943年に20歳前後の年齢であったとしたら、「自分たちはまだ学生だけど、戦争に行くのは当然だ。国のために命だって捧げる覚悟ができている」という考えになっているのかもしれません。

 

戦争を考えるときは、今の私たちがいる現代の価値観だけで語ることはできませんね。「何で、自分の大切な命を無駄にするんだ!」なんて考えるのは、現代の価値観でのモノサシに過ぎないのです。なんだか、考えれば考えるほど難しくなってきますが、私たちがこれからの世界をどうするかは、今のモノサシ、つまり「戦争は絶対にしてはならない」を訴えていくだけです。

2023年

10月

18日

手帳で自分と向き合う

今日は、西文ひろばで、初めて「玉入れ」の練習をしました。今日は、最後の全体練習です。ちびちゃんたちは、お兄さん、お姉さんに手を引かれて、頑張って入場練習です。じっと立っていられなくて、砂遊びも始まってしまいますが、運動会当日は、パパママなしで、入場できれば100点です。(笑)

 

さて、書店などで、来年の手帳が並び始めましたね。最近では、1月スタートの手帳だけでなく、新年度となる4月スタートの手帳も充実しています。手帳の需要は、年2回が当たり前になってきました。

 

パソコンやスマートフォンの普及に伴い手帳の売上は減少した時期もあったようですが、最近では、横ばい傾向で推移しているそうです。コロナ禍や働き方改革を機に、自分の時間が増え、自分と向き合うのに役立つ手帳が人気になっているとのことです。

 

自分と向き合うのに役立つ手帳とは・・・予定を書き込むだけでなく、「決めたことはやりきろう」などと自らの目標を書き込み、月の終わりに達成できたかを振り返るようなフォームになっていたり、文字を書くだけでなくシールを張ったりスタンプを押したりしする「手帳デコレーション」も人気だそうです。日々の作業を楽しむ感じですね。

 

手帳の余白は心の余裕・・・と考えて、日々のことを書き留めていくのに、「毎日書かなければいけない」という意識を持たないで気軽に使い始められるのも、手帳のいいところですね。

 

私が、20代の頃に、「システム手帳」という単行本くらいの大きさで、ルーズリーフになっていて、自分が欲しいシートを編集できる、自分オリジナルの手帳が流行しました。カバンに入れると、本1冊分の重さです。当時、ある先輩が、システム手帳を素敵な巾着袋に入れて、大切にカバンにしまう姿を見て、「手帳を大事にする人は、仕事もできる」と思ったものです。

 

保育園の連絡ノートには、毎日保護者のイラスト入りのコメントがあったり、実にアナログですが、子どものことを愛する親の気持ちがにじみ出ています。思わず、読んでいてほっこりしますね。

 

スケジュール管理は、スマホに任せるとして、自分の手帳を自分と向き合うために持っていたいですね。

2023年

10月

17日

神無月

谷村新司さんが亡くなりました。保育園では、朝からアリスの曲が流れています。子どもたちは、昭和の曲に「これは誰の歌?」と不思議顔です。私が中学生の時に、アリスにはまりました。コンサートにもよく行って、印象に残っているのは、演奏よりも、谷村新司さんのトークです。かつて、人気深夜ラジオのDJもしていたのですから、お話も抜群に上手です。心より、ご冥福をお祈りいたします。

 

今日は、寺子屋園児と0~2歳児の合同練習の予定でしたが、インフルエンザ感染拡大もあって、屋上遊びで楽しむことにしました。ただし、本日は新規感染の園児はありませんでした。現在休んでいる園児も運動会には間に合うので、綱渡りですが、運動会当日は、全員集合となって欲しいですね。 

 

さて、10月は、すっかり運動会シーズンと31日のハロウィーンがメインの月という印象が強いですが、旧暦では「神無月(かんなづき)」と言います。神がいない月と言われています。その理由は、日本は昔から八百万の神(やおよろずのかみ)といって、いろいろな神様がたくさんいると考えられていました。10月は、出雲大社のお祭りに日本中の神様が集まるので、出雲大社以外の場所には神様がいなくなるからです。出雲地方では、逆に10月を「神在月」と言われていました。ここまでは、たいがいの人がご存じのことかと思います。私も知っていました。

 

また、もう一つの説は、「無」は、昔は「の」という意味でつかわれていました。神無月は「神の月」という意味でもあります。10月に近所の神社、例えば埼玉県大宮の「氷川神社」にお参りに行ったとき、神様がいないのではないか?と思われるでしょうが、「神の月」と考えると、大丈夫ですね。また、神様は体が一つだけでなく、その分身がちゃんと自分の神社に残っているという考えもあるそうです。もともと、神話というものは、つじつまが合わないし、そこを突っ込んではいけませんね。(笑)

 

出雲大社で行われる「神在祭(かみありさい)」は、旧暦の10月11日から行われます。2023年の暦に合わせると、実は10月ではなく11月23日となるそうです。出雲大社の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の元に、全国から神々が集まるのですが、そこでは「神様の会議」が行われるのです。これを「神議り(かむはかり)」と言います。ここでの議題は、「すべてのもの縁を結びつける」です。

 

出雲大社が縁結びの神様と言われるように、「男女の縁」。そして、人と人との縁、仕事の縁、お金の縁・・・など、具体的には、誰と誰を結婚させようとか話し合っていたようです。面白いですね。

 

ただし、日本中の神様が、出雲大社に集まると言いましたが、唯一、欠席を許された神様がいます。誰だと思いますか・・・それは、伊勢神宮の「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」です。

 

はい。酔った席の「うんちく」にご利用ください。

2023年

10月

16日

令和の名将

今日の富士山を見ましたか。1/3ほど雪で真っ白になっていました。雪化粧を施しています。富士山の初雪はすでに観測されていますが、この雪は、春まで溶けないでいるのでしょう。空気の澄んだ冬の富士山を、屋上からたくさん愛でることができそうです。だだし、子どもたちは、大人が思うほど富士山への感動はありませんが・・・(笑)

 

保育園では、寺子屋園児を中心に、インフルエンザAが広まっています。コロナ前は、12月のクリスマス発表会のタイミングで感染してしまった園児がありましたが、まさかの運動会シーズンでの流行です。現在休んでいる園児は、運動会に間に合いますが、今日から誰一人も感染拡大がないことを願うばかりです。

 

さて、昨夜のドラマ、「下剋上球児」をみましたか。野球モノには、目がない私は、当然のように見入っていました。このドラマの原案は、「下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル」という、2018年夏の甲子園に初出場した白山高校の足跡を記したノンフィクションです。ドラマは、これを参考に企画されたフィクションですが、来週以降の展開が、早くも気になる熱いドラマになりそうです。このドラマでの主人公は、もちろん高校生たちですが、キーマンは間違いなく「監督」です。

 

今日は、阪神タイガースを18年ぶりにリーグ優勝に導いた「岡田監督」の手腕について考えます。選手時代は、あの有名な1985年巨人戦槇原投手からのバックスクリーン3連発ですね。バース、掛布と打って、次は岡田がもしかして・・・という期待に見事こたえた岡田選手は、「決めるときは決める人」という印象が強いですね。

 

風貌は、決してイケメンでもないし、華があるタイプではない(失礼)ばかりか、典型的な昭和の頑固おやじをイメージします。しかし、選手起用に際しての決断力は早いし、選手の気持ちを乗せて、モチベーションを上げることにおいて、抜群のリーダーシップを発揮させるのです。

 

「優勝」という言葉を使わないで「アレ」と表現するところは、演出家でもありますね。時代の流れや変化をしっかりと読める人です。圧倒的な勝率・ゲーム差で優勝しておきながら、阪神の個人の成績では、ホームラン王も打点王も首位打者もいません。まさに、令和の名将岡田監督の采配で優勝をつかんだのです。

 

具体的には、様々な要因がありますが、佐藤選手はじめ、Z世代を令和流のやり方で鍛え上げて、令和流のやり方で勝っていく手腕が抜群です。昭和バリバリ世代の岡田監督ですが、自分が選手時代だった、昭和のやり方を封印したのが、注目すべき点ですね。

 

ドラマの「下剋上球児」も、監督がいかに、部員たちを変えていくのか・・・楽しみですね。

2023年

10月

15日

花火に世界遺産

昨日は保育園を終わると、さいたま市政令指定都市20周年花火大会に出かけました。自宅からすぐ近くの荒川土手で見学です。

 

実はこの日、保育園の園児に、間違った情報を流してしまいました。「今回の花火には、4尺玉が打ち上げられるんだぞ!」と言って、身長120センチ弱の園児を「お姫様抱っこ」して、(男の子ですが・・・)「このくらい長く大きな大砲みたいな花火が打ちあがるんだぞ!」と、派手に語ってしまいました。それを聞いた小3女子は、「この前、おばあちゃんのところで、4尺玉見たよ!」と言います。先日の埼玉県鴻巣市の花火大会を見たようです。全国では、鴻巣と秋田県の大曲の花火大会の2か所で、4尺玉が打ち上げられています。

 

そして、いよいよさいたま市でも・・・と私が勝手に勘違いしていました。さいたま市花火大会では、「尺玉」花火が打ち上げられました。1尺の10号花火です。夜8時までの花火でしたので、最後の花火を「あれは4尺だったかな?でも、ちょっと小さいような気がするなぁ~」と不完全燃焼していた私です。しかし、今回の花火大会のもう一つの目玉は、「ドローンショー」です。500機のドローンが、秋の澄んだ夜空で様々なパフォーマンスを繰り広げます。その後ろに花火が打ち上る光景は、これからの花火大会の新たなスタイルになっていくのでしょう。

 

昨夜は、花火だけではありません。花火が終わると、荒川を渡って、隣の川越へ移動します。そうです。世界文化遺産の「川越まつり」を観たのです。コロナ禍は中止が続き、昨年は、掛け声禁止の制限付きの開催となっていた「川越まつり」に、いよいよ、かつての賑わいが戻ったのです。

 

川越まつりの最大の見どころの一つが、「曳っかわせ(ひっかわせ)」です。山車(だし)が、他の山車とすれ違う時、山車の正面を向けて、町どうしの挨拶として「曳っかわせ」を行うのです。

 

私は、札ノ辻(ふだのつじ)の交差点で、4基の山車が、曳っかわせをするシーンに見入っていました。何度も川越まつりを観ていますが、4基が一堂に会するのは初めてです。そこでは、太鼓や笛のお囃子が響き、おかめ・ひょっとこのお面をかぶった踊り手が、巧みに手足を動かし踊ります。そして、交差点の中央に、各町の提灯を持った若者たちが集まり、「やっ~!」と大きな掛け声で盛り上げるのです。私が見た4基の中に、「牛若丸」と「弁慶」の山車があり、まさに、迫力満点の演出を味わうことができました。

 

歩いていると、各町の起点があって、そこには、テーブルに酒と料理が用意されていて、これから宴会が始まるという感じでした。こうして、祭りを通じて、人と人がつながっているシーンを垣間見たのです。川越は、小江戸といわれる城下町で観光地です。観光産業にかかわる人だけでなく、一般の住民や「さつまいも」で有名な農家の方もたくさんいます。そんな多様な職業の人たちが、祭りで結ばれるのです。

 

「曳っかわせ」の興奮と感動がなかなか冷めない、昨日の素敵な夜でした。

2023年

10月

14日

校歌は体の一部

今日は、小学生が5人も集合しました。小学校5年の男の子は、俳句の課題がでたそうです。もちろん、字余りでもOKの子どもバージョンです。彼が好きな言葉が、「電車」と「保育園」なので、保育園で一句考えたそうです。

 

「保育園 いつも俺らの 居場所だよ」・・・どうですか。小5になっても、保育園を大切な場所と思ってくれて、うれしいじゃありませんか。

 

さて、今日は私が大好きな「チューリップ」の財津和夫さんの話です。はい。バリバリの昭和世代です。現在、50周年記念アンコールツアーを行っています。財津さんの著書に「じじぃは蜜の味」があるのですが、自分のことを「じじぃ」と呼んでいます。(笑)

 

「私は校歌が体の一部のような存在だと考えています。大げさですが、宝物のように大切にしています。ほかの歌とは違い、校歌はとても珍しい特徴があります。それは、個人の好みや流行にかかわらず、「その学校に通っている」という理由で歌うことになるということです。校歌というのは、同じ時間や空間を共有した証になります。

 

校歌は思い出と結び付く力を持っています。友達や勉強、中には叱られたことなども、学校生活の記憶として強くつながります。そして、卒業式で歌う時は「友だちと別れるのだな」とか「この学校に通うことはないのだな」とか感慨深く、しみじみとしたものになり、校歌はその人にとって格別に大切な歌になるのです。大人になって、改めて歌詞を読み直してみると、その意味を理解でき、あたらな発見があるかもしれません。校歌に限らず、一つの歌を一緒に歌うということには、人と人とを強く結ぶ効果があります。その人たちの間に音楽があるということは、とても素晴らしいことです」

 

どうですか・・・ミュージシャン財津和夫さんの校歌への想いです。私も、時々中学高校時代の校歌と応援歌を口ずさみます。応援歌は、母校が2回甲子園に出場した時に、アルプススタンドから何度も歌いました。

 

あなたにとって、校歌は体の一部になっていますか。

2023年

10月

13日

父親が運動会でケガ12%

本日初めて体操教室に参加した年少の新人園児・・・最初は、張り切って頑張っていましたが、今日のサーキットトレーニングは、かなりハードだったので、最後はバテバテでした。でも、笑顔で「楽しかった!」です。そして、周りの園児がよくフォローしてくれました。うれしいですね。

 

秋の運動会シーズンを迎えました。ホワイトきゃんばすの卒園児の小学校も10月に入って、次々と運動会を頑張っています。コロナ禍では、保護者の応援は一人だけなど、観客制限があったようですが、今年はそれもなくなりました。ただし、さいたま市の小学校では、午前中だけのプログラムで、各学年2種目程度になっているようです。ホワイトきゃんばすの寺子屋園児は、10種目中8種目の競技に出るので、もう、ずっと出ている感じですもで、保護者にとっては、応援のしがいがあるのです。

 

さて、オムロンのヘルスケアが父親世代に行ったアンケートで、運動会に参加し、ケガをした人が12%に上がったという驚きのデータが公表されました。9月に幼稚園、保育園から小学校3年までの子どもがいて、運動会の競技に参加した経験がある30~50歳代の父親約1000人にアンケートを行った内容です。

 

ケガをしたことがあるのは12%ですが、内訳は「転倒」が最多の53%で、「すり傷・切り傷」が50%と続き、「肉離れ」20%、「骨折」という深刻なケガが6%です。

 

転倒や負傷の理由として思い当たるのは「想像していたほど体が動かなかった」が70%と最も多く、「はりきりすぎた」31%、「他の参加者に圧倒された」23%という回答だったようです。

 

ケガをしないために、気をつけたいことは?の設問では、「準備運動をする」が54%で最多。「はりきりすぎない」が48%、「日頃から運動習慣をつける」も42%という回答です。

 

このアンケートから、「運動不足を実感しながらも、我が子に頑張る姿を見せたい」という父親心理が見て取れますね。私がまだ30代の頃、我が子の前で、地域の運動会のリレー選手に抜擢されました。足に自信があった私は、4位でバトンをもらうと、3人ごぼう抜きでトップに立つというシナリオを妄想していたのですが、とんでもありません。みんな速くて、一人も抜けないまま「パパ足速くないじゃん」と娘に言われた記憶がよみがえります。そして、翌日は見事に筋肉痛です。リレーに出るパパは、誰しも足に自信があるからですね。(笑)

 

保育園ホワイトきゃんばすの運動会では、親子競技があります。パパママが我が子を抱きかかえて、妖怪の攻撃をかいくぐって生還するレースです。子どもと一緒に、勝ってゴールを目指す気持ちは理解できますが、くれぐれも無理をしないで楽しんで欲しいです。

 

過去には、張り切りパパママの絵に描いたような「大転倒」がありました。大けがにはつながらなかったですが、今年は、「無理をしないで!」と声をかけるとします。(笑)

2023年

10月

12日

強くなった日本のスポーツ

今日は、雲一つない青空でした。運動会本番も、こんな天気になるとうれしいですね。寺子屋園児とちびちゃんたちとの合同練習を行いました。ちびちゃんたちは、広いグランドを走り回って大はしゃぎです。練習は、「入場行進」と「開会式」です。そして、ちびちゃんたちの「みんな元気によ~いドン!」は、かけっこです。毎年、走り抜ける園児と全く動かない園児が対照的なレースです。そして、ダンス「まわせ!まわせ!」では、キラキラのリストバンドを着けて舞う子どもたちです。

 

来週末になった運動会・・・全体練習が始まると、「いよいよ運動会だ!」と子どもたちも実感するようです。

 

さて、ここ数年、日本のスポーツがとても強くなったと感じませんか。私が、日本人が世界で通用することを衝撃的に覚えているのが、野茂英雄投手です。トルネード投法から繰り出すストレートとフォークボールで、バリバリの大リーガーたちをバッタバッタと三振に追い込んだのです。1995年の当時は、日本人が大リーグで「通用するはずがない」と言われた時代です。彼が日本スポーツの鎖国を解いたと言っても過言ではありません。

 

テニスの錦織選手も凄かったですね。2014年には全米オープン準優勝、世界ランク4位につけました。彼は、13歳でテニス留学で渡米します。そして、17歳という若さでプロに転向したのです。体は、決して大きくありません。

 

スポーツジャーナリストの二宮さんは、日本スポーツ躍進の原動力は、「代表ブーム」と「国際化」と言います。

 

これまで、「全日本」とか「ジャパン」と呼ばれることが多かったナショナルチームが『日本代表』の呼称に統一されていき、代表の価値がどんどん高まってきました。野球の「侍ジャパン」女子サッカーの「なでしこジャパン」などの愛称で呼ばれるようになり、選手たちは、今まで以上に代表入りと代表での活躍を本気で目指すようになったのです。

 

もう一つの「国際化」については、先ほど挙げた、野茂・錦織といったトップ選手が、海外で活躍するようになります。大リーグで活躍する日本人は、投手野手問わず増え続け、ついに大谷選手は、二刀流&ホームラン王にまでなったのです。

 

サッカーでは、1991年に日本初のプロリーグJリーグが発足してから、目まぐるしく国際化が進んでいます。ワールドカップ初出場を果たした1998年は代表全員が国内組でしたが、前回の2022年大会では、代表26人中19人が海外チームに所属する選手でした。そう考えると、ドイツやスペインに勝ったことも不思議ではありませんね。

 

ラグビーのように、海外からの指導者の力も大きかったですね。2012年にオーストラリア出身のエディ・ジョーンズヘッドコーチは、南アフリカを破る大金星を成し遂げ、後任のジェイミー・ジョセフは、前回のワールドカップで日本代表を初めて8強に導いたのです。バスケットボールのトム・ホーバスヘッドコーチも、女子を東京オリンピックで銀メダル。男子を自力での五輪代表に導きました。世界レベルを知る指導者が、世界で勝つために必要なものを明確な戦術として授けたからです。

 

でも、ちょっと待ってください。世界でプレーして、世界レベルの指導者を呼んでくる。それだけではないような気がしませんか。そうです。最近の日本代表は、楽しんで勝っているように見えますね。

 

日本のスポーツの風土が変わりつつあると言います。体育会的な上下関係が変化しています。選手として活躍した日本人がそのまま指導者になると、選手時代の上下関係に引きずられやすいといいます。選手はコーチに自由に意見できないこともあります。また、行き過ぎた勝利至上主義にも歯止めがかかってきました。2022年に柔道の小学生全国大会が廃止されたのも勝利至上主義への懸念からです。

 

「勝利だけを求めると選別につながり、選ばれない子はおもしろくなくて、やめていってしまいます。競技人口の裾野が狭くなります。スポーツはそもそも楽しむものだし、生涯スポーツとして続けられる風土があってこそ、突出した選手が出てくるのです」と、あるアスリートは語ります。スケードボード競技などは、勝っても負けても褒め合い、慰め合うシーンが当たり前ですね。先日のブログで紹介した、少年野球の辻監督などは、まさに「楽しんで勝つ」を実践しているのです。

 

これから、日本は本格的な人口減少期に突入します。様々なスポーツで、日本が活躍するには、「楽しむ」がキーワードのような気がします。

2023年

10月

11日

影武者

今日の運動会の練習では、西文ひろばの土の上で、はだしになって組体操の練習をしました。子どもたちからは、「小石が足に食い込んで痛いよ!」と文句が出ると思いきや、みんな楽しく走り回っていました。「はだしは気持ちいいね」なんて言っています。ピラミッドでは、上に立つ園児全員が成功するかは、本番の運次第です。でも、きっと子どもたちは、その運を呼び寄せてくれることでしょう。

 

さて、「影武者」というと、どんなことを思い浮かべますか。ロシアのプーチン大統領には影武者がいるとうわさされていますが、現代社会での大統領や総理大臣には影武者はなく、きちんとSPが守るというのが普通です。少し古いですが、黒澤明監督の映画「影武者」は、武田信玄が狙撃されたにもかかわらず、信玄にそっくりの者を影武者として、本物の信玄の死を3年隠すストーリーでした。

 

実は、日本の戦国武将には、影武者が居たという史料が残されています。武田信玄は、同じ出(い)で立ちの者が3人か4人ずつ、進軍の時も同じような馬に4人とも、いかにも目立たぬように配置していたそうです。よって、武田信玄は、死の危険を三度までも逃れたと言われています。

 

また、信玄のライバルであった、越後の上杉謙信は、一日一日、出で立ちを変えたそうです。用心深い謙信は、時には、一日のうちに二度三度、武者ぶりをかえていたようです。

 

このように、大将ともなると、自分の死がどれほどのダメージになるかを理解しているで、今の言い方では、最大のリスク回避をしていたのです。一方、そうでない武将もいます。大河ドラマ「どうする家康」で、イケメン俳優の板垣李光人(いたがきりひと)さんが演じる井伊直政は徳川四天王の一人に数えられていますが、まったく対照的で、よく家臣から叱られたそうです。

 

「信玄も謙信も決して臆病ではありません。大将とは命を全うして本望を遂げるものです。ですのに、直政様は、いつも同じ出で立ちで紛れもない(バレバレ)です。大将は余り人の目につく出で立ちはなされないものです」

 

家臣の不安は的中します。直政は関ヶ原の合戦で家臣をおいて単騎で島津勢を追撃。目立つ鎧姿を狙撃され、その鉄砲傷がもとで2年後に死亡しました。

 

「俺が俺が・・・」タイプのトップではなく、いかに組織のことを考え、組織の継続を考えることができる者が、トップの器にふさわしいというのが、歴史から学ぶことなのかもしれませんね。

 

あなたが組織のリーダーなら、どんなタイプですか。また、あなたの組織のリーダーはどんなタイプですか。もちろん、「リーダーたる者」の考えはいろいろあっていいのです。今日は、少しだけ、あなたが思う最適のリーダーを考えてみませんか。

2023年

10月

10日

再び笑い合えるために

先日の秋まつりのゲーム屋さんでは、子どもたちが、妖怪たちの的に球を投げて、見事、的を倒したら景品というゲームだったのですが、思いのほか、ボール投げが苦手な子が多かったですね。

 

そこで、今日の寺子屋では、「ボールを投げる」練習をしました。まずは、大谷投手を思い出してください。彼は右投げですので、最初は、顔もお腹も3塁を向いています。そこから、ひねるようにして、腕を頭の後ろから投げ下ろして、ホームへ剛速球を投げます。投げ方の基本は、大谷選手も子どもたちも同じです。バッティングホームは、個性色々でいいのですが、投げ方は、基本ができていないとうまくいかないのです。

 

いつもパパとキャッチボールをしている5歳男の子は、園長と普通にキャッチボールができますが、他の園児は、これからじっくりと上達させます。自由時間に、なるべく園長がキャッチボールをしながら、鍛えていきます。

 

さて、私の中学・高校時代の同期が、母校の中学校校長をしています。今日は、彼の話を紹介します。彼は、水泳部の部長をしていました。私も小学生の頃に、スイミングスクールに通っていたので、中2の臨海学校では、彼と同じ「上級クラス」でした。(自慢です)しかし、彼のスピードには、全く歯が立たなかった思い出が残っています。(笑)

 

『新型コロナウイルス感染症も5類に移行し、学校生活も従来に近い形で運営できるようになりました。1学期は体育大会、修学旅行も無地に終えることができました。そんな中で、マスク着用は個人の判断となりましたが、私の担当する中学1年生の多くは、マスクを着けたまま授業を受けています。ずっとマスクを着けてきたので、素顔を見られたくないという考えの子もいるようです。「素顔」を「本当の自分」と置き換えると、自分を出したくない、恥ずかしい、出さないほうがラク。そう解釈することもできます。人と人との関係がマスクによって少し遠くなった、私の思いは正しく伝わっているのだろうか、授業をしていてもそんな思いを抱えていました。

 

そこで、私は、授業中はなるべくマスクを外して話をするようにしています。マスクを外したほうが、私の精一杯の笑顔も思いも伝わるだろうと考えたからです。授業やコミュニケーションをとる上で、表情は大切です。笑顔は顔全体で表すほうがより伝わりやすいでしょう。「Re Smile」あの頃と同じ笑顔に戻れるように、希望を持ち続けて、生徒と生活をしています』

 

ということで、彼は、とても強面(こわもて)ですが、マスクなしの顔で頑張っています。保育園保護者の学校の先生たちも、体調が悪い時以外は、全員マスクを外しています。どうやら、小学校、中学校では、先生たちが率先して、マスクなしの笑顔を子どもたちに見せているようです。

 

この夏は、季節外れのインフルエンザの流行もあり、子どもの感染リスクを考えてマスクを着用する機会が多かったようです。秋から冬にかけては、またマスクが増えていくことでしょう。保育園では、すでに子どもたちの笑顔が当たり前の生活です。まさに「Re Smile」ですが、小学校、中学校も、教室が子どもたちの笑顔でいっぱいになる日に、早く戻ってもらいたいですね。

2023年

10月

09日

少年野球監督 辻正人

ラグビーワールドカップの試合は、ずっと早起きして観ていましたが、昨日の決勝トーナメント進出がかかったアルゼンチン戦は、昼の試合で、日本ではゴールデンタイムでした。結果は、負けてしまいましたが、観ている私たちも納得の試合です。やれるだけのことをしたけど、相手が少しだけ強かったという結果です。まだ、日本のラグビーは伸びしろがあるということです。日本代表のメンバーに感謝とお疲れ様ですね。

 

さて、今日は、少年野球監督「辻正人」さんの話です。先日のNHKプロフェッショナルで放映されました。彼は、公務員をしながら20歳の時に、地元滋賀県多賀町に「多賀少年野球クラブ」を創設します。すでに指導歴35年です。今では、県外からも多くの少年たちが、このチームに集まって来るそうです。

 

「多賀少年野球クラブ」の実績は素晴らしく、少年野球の2大大会である「マクドナルド・トーナメント」と「全国スポーツ少年軟式野球交流大会」で、計3度の日本一となっています。それを導いたのが辻監督です。

 

彼は、少年野球クラブの設立時から「勝つ野球」に取り組みます。「勝つための練習」「勝つための技術」にこだわります。チームは、常勝を続けるのですが、クラブの人数は、なかなか増えなかったそうです。

 

辻監督は、「勝つためのチーム作り」でいいのか?と自問自答します。そして、出した結論が、「子どもたちが野球を楽しむこと」でした。練習方法も変えます。森の中の切り株や倒れた丸太の上でキャッチボールをしたり、「ヒットを打って一塁ベースをまわるシーン」をイメージ練習させたりします。最初は、恥ずかしそうにガッツポーズをする子どもたちが、どんどん大げさなパフォーマンスになっていき、楽しんでいるのです。

 

極めつけは、全国大会の試合中に、ノーサインで試合を行っているのです。えっ!?野球でノーサインってどうゆうこと?と思った方も多いでしょう。辻監督のノーサインは、「勝手にやっていいよ!」ではなく「次の手をどうするかは、自分たちで考えなさい」という野球です。そうすると、小学生が「ここの場面では○○が、一番有効だ」と考えて、自分たちが考えた作戦を実行するのです。もちろん、監督の判断のレベルではないので、失敗することだってあります。しかし、辻監督は、それが子どもたちの成長につながると確信するのです。

 

多賀少年野球クラブからは、30人以上の甲子園球児が活躍してきました。「考える野球」の申し子ですね。東北楽天イーグルスの則本投手もこのクラブの出身です。

 

「楽しんで勝つ」・・・保育園の子どもたちを見ていると、何に取り組もうが、やっぱり楽しむことが、とっかかりです。子どもたちの「楽しい!」を伸ばすことが、私たち大人の役割であることを辻監督から、あらためて教わったような気がします。

2023年

10月

08日

アントニオ猪木をさがして

昨日は保育園が終わると、一人、映画「アントニオ猪木をさがして」を観てきました。昨年10月1日に猪木が亡くなって、1年が過ぎましたが、映画館には、私のようなおやじ世代が集まっていました。女性客もカップルもゼロです。(笑)

 

猪木の映画ですので、1つのテーマに絞ることができません。プロレスラー猪木の他にも、彼が歩んできた人生は、あまりにも多様すぎるからです。試合で見せるあの研ぎ澄まされた「目」力から、怖くて近寄りがたいイメージがありますが、猪木は「ダジャレおやじ」でもあります。(笑)長く、付き人をしていた藤原喜明が語ります。

 

映画では、猪木を語るには、なんでこの人が登場しないの?という構成です。長州も前田も武藤も古舘伊知郎も出てきません。猪木を語るをテーマにすれば、それだけで1本の映画ができてしまうからです。

 

この映画の見どころは、猪木VS棚橋・オカダです。猪木のプロレスは、今日の観客がおやじだらけだったように、男性が熱くなったプロレスです。猪木は新日本プロレスを去った後に、まるで、新日本プロレスに喝!を入れるがごとく、格闘技団体を立ち上げていきます。新日本プロレスは、窮地に追い込まれます。その時に、新日本プロレスを支えたのが、棚橋選手です。金髪、長髪でチャラチャラしていてイケメンで、女性ファンが会場に足を運ぶようになりました。現在のトップ、オカダカズチカ選手もしかりです。アントニオ猪木が「ストロングプロレスの象徴とした黒のタイツ」を身に着けることなどしません。

 

棚橋選手は、新日本プロレスの道場にあった「猪木等身大写真パネル」を外します。猪木後の低迷した新日本プロレスを復興させた最大の功労者が棚橋選手ですが、彼は「脱猪木」を行ったのです。しかし、これは「反猪木」ではありません。棚橋選手もオカダカズチカ選手も猪木を最大限にリスペクトしているのです。

 

猪木と同じ世代で戦っていたレスラーなら、間違いなく猪木を「神」と仰ぎ、誰もが予想できるコメントが続くことでしょう。しかし、この映画では、あえて、猪木が引退した後に新日本を支えた棚橋とオカダカズチカにスポットを当てるのです。

 

でも、棚橋が何百回も繰り返し見たのが、晩年衰えた猪木が、ビックバンベイダーというものすごく強いレスラーとの試合です。ベイダーに投げっぱなしのジャーマンスープレックスで、猪木は首からマットに落ちます。「死んだ!」と思うようなシーンです。猪木ファンならずも涙が止まらないような壮絶な試合です。棚橋は「猪木さんがいなくなった後の、現在の新日本プロレスを見ていてください」と行動で訴え、オカダカズチカは「猪木さんともっと話がしたかった。今のプロレスに足りないところは何かと聞きたかった」と、東京ドームに7万人以上の観客を集めた猪木をリスペクトします。

 

「アントニオ猪木をさがして」というタイトルがとてもいいのです。それぞれのファンが、「俺の猪木愛」を持っていて、それぞれの「愛」で、猪木をさがし続けるのです。亡くなってもなおこれだけの影響力を持ち続けるアントニオ猪木・・・結局、さがすことはできないのかもしれません。

 

ということで、今日のブログは、100人に1人くらいしか理解できない内容になってしまいました。保育園の保護者の皆様には、こうして、何か熱くなるモノを持っていただけるとうれしいです。

2023年

10月

07日

秋の夜長の快眠術

年長・年中女子3人が、久々の屋上遊びで、ローラースケート(インラインスケート)を楽しんでいます。ここ数年、ローラースケートにはまるのは、男子よりも女子のほうが多いですね。しかし、今日は事件発生です。小学校4年の男子が、女子3人が気持ちよく滑っている姿に影響を受けて、大人用のローラースケートを履き始めたのです。

 

「○○君!やるのかい?」と聞くと、「俺も滑ってみる」とのこと。ただし、最初はフラフラしてろくに歩くこともできません。しかし、10分も練習すると、ゆっくりと歩けるようになりました。さすがです。土曜日の保育園は、在園児が小学生の影響を受けることが多いのですが、今日は逆でしたね。タテの関係のいいところです。

 

さて、異常なほどの夏の暑さも、ようやく落ち着いて、今朝は、「寒い!」とう感覚で目が覚めた人も多かったと思います。夏から秋を通り越して、冬になった感じです。「食欲の秋」「読書の秋」と言われますが、この秋は「快眠の秋」で心身をリカバリーしたいですね。そこで、睡眠に関する「都市伝説」をいくつか検証したいと思います。

 

①夜中に起きた時、時計を見ちゃダメってホント?

夜中に、トイレに起きてしまったとき、「いま何時だ?」とついつい時計を見てしまいますね。しかし、これを続けていると、その時間に起きやすくなってしまうそうです。朝起きるために血圧を上げていく役割をするコルチゾールというホルモン物質は時間に依存します。そのために、毎晩、夜中の2時、3時に時計を確認していると「3時に向けて血圧を上げよう」と学習し、その時間に起きるようになってしまうそうです。私も、夜中の3時に起きることが多いです。時計を見てしまっていますね。(笑)

 

②正しい「昼寝」の取り方とは?

コツが4つあるそうです。「眠くなる前に取る」(起床から6時間後くらいが目安)「昼寝は10分から15分で」(30分以上だと、夜に深い睡眠を取る分の脳波が使われてしまう)「座ったまま寝る」(横になると深い眠りになってしまう)「起きる時間を設定する」(その時間を3回唱えると、ぴったり起きられるようになる)・・・どうですか、昼寝の重要性はわかっていましたが、4つのコツが大切です。

 

③睡眠の「ゴールデンタイム」が存在する?

午後10時から午前2時までが睡眠の「ゴールデンタイム」・・・なるべくここで睡眠をというのは、俗説だそうです。寝始め3時間あたりが深い睡眠となり成長ホルモンがたくさん分泌されるというのも俗説で、成長ホルモンは時間に依存せずに「睡眠の深さに依存」するそうです。朝4時から同じように深い睡眠を取れば、成長ホルモンは出るのです。

 

④寝るときには口呼吸でなく、鼻呼吸がいい?

睡眠時に鼻呼吸であることはとても重要だそうです。鼻呼吸することで血液を冷却し、脳を冷却して温度を下げていき、深い眠りにつくのだそうです。まずは、日中に口を閉じて鼻呼吸を意識することが、睡眠時の呼吸を望ましいものにするそうです。

 

大谷選手は、1日8時間~10時間の睡眠をとることで、あのパフォーマンスを実現させています。ニューヨークの夜でも、大谷選手は、遊びに出かける他の選手を横目に、ホテルでZzz…寝ているのです。私たちはプロのアスリートではありませんが、秋の夜長は、快眠で毎日を生き生きと過ごしたいものですね。

2023年

10月

06日

「コスパ」「タイパ」の次は「ウェルパ」

今日は、「玉入れ」の練習をしました。運動会本番では、寺子屋園児と2歳児の競技ですが、園児全員でやってみました。ちびちゃんたちは、「玉」の感触を確かめながら、先輩たちのマネをして投げるのですが、まったく届きません。対照的に、年長の賢い園児は、5つまとめて投げ入れていました。

 

西文ひろばでの練習は、30メートル走やサーキットレース、紅白対抗リレーなど、競争が中心の練習ですので、「勝ちたい!」思いで、子どもたちはうずうずしているのですが、玉入れは、息抜きになったようで、大いに楽しんでいました。

 

さて、価格に見合った価値が得られるかどうかの判断基準が、コストパフォーマンスです。もう、ずいぶん前からこの言葉は「コスパがいい」などと、使われていますね。安い値段だけど、「高見え」するファッションコーディネートは、コスパがいいというわけです。

 

また、最近よく言われるようになったのが「タイパ」という言葉です。時間という資源を投下する対価として、結果的に満足する行動になっているかどうかが、タイムパフォーマンスです。いきなりサビから始まる楽曲などは、タイパがいい曲だと言われますね。

 

この「コスパ」「タイパ」のトレンドは健康にまつわるサービスにも当てはまります。最近、テレビコマーシャルでよく見る、「ちょこザップ」などは、その典型ですね。今までなら、健康な体を手に入れるためには、お金も時間もかけてスポーツジムに通うのが常識でした。これが、すきま時間にちょことでいいので安価で通えるという、コンビニジムは、まさに、従来のスポーツジムの常識からの逆転の発想ですね。

 

「コスパ」「タイパ」の価値は、今後も残り続けるものの、新たな価値概念が「ウェルパ」だそうです。「ウェル・ビーイング・パフォーマンス」とのことで、「心身が満たされ、生き生きと健康で過ごせる状態」を言います。つまり、自分の行動や購入する商品・サービスが、自分自身や社会のためになっているか。つまり、ウェル・ビーイングな状態になれるかどうかが、消費者の意識や行動の重要な評価軸になるというわけです。

 

「ウェルパ」を考えるうえで、カギになるのが「時間の概念」です。「人々の関心の先は、富から時間へシフトする」と考えます。富裕層でなくても、グッチのバッグをレンタルすることができるし、カーシェアリングでベンツにも乗れます。外見上での見分けがつきにくくなりました。でも時間は、すべての人に平等に与えられた資源です。その時間すら忘れて没入できる体験にどれだけ費やせるかに価値を見いだす流れです。

 

この考えで行くと、海外リゾートで過ごす1週間と自宅で大好きなガンダムのプラモデル作りに1日没頭することも、ウェルパ的には、同じ価値というわけです。

 

「自分のための時間を増やす」ことに、価値の軸が移りつつあるというのです。これは、自己中心的な時間の使い方ではなく、ボランティア活動だって、自分のための時間と考えることができますね。

 

さぁ~これからは、自分の時間軸をどう考えるか?・・・ピンときましたか。

2023年

10月

05日

弱者の戦略

今週最後の西文ひろばでの運動会の練習です。より細かい内容を注意しながら進めます。紅白対抗リレーでは、「チームのために最後まで諦めない」「転んでも泣かないで走る」など、精神的なことをたたき込んできましたが、今日は、「バトンの渡し方」「大まわりしないで、ラインの横を走る」など、技術的な練習を入れます。本番までに、両方の完成度を上げていきます。

 

さて、皆さんは小島よしおさんを知っていますか。「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」で、一世を風靡したお笑い芸人です。小島さんが芸能界で注目されるようになったのは2007年です。ずいぶん前ですね。しかし、同じ芸風は、どんどん飽きられてしまい、仕事も減っていきます。一発屋で終わってしまうのか・・・このままじゃダメだと思ったときに、「弱者の戦略」とう本に出合います。これで、視界がパッと開かれたといいます。そして、今でもテレビに出演するだけでなく、YouTube番組で小学生を相手に、配信を続けています。今では、「オッパーピー」から「インテリ」にシフトしています。

 

「弱者の戦略」は、農学博士の著者が、強者ではない動植物が生き残っていく様を書いたものです。「たとえば雑草(野草)。『打たれ強い』イメージがありますが、野草はそもそも圧倒的に競争に弱い植物だったんですね。だから強い植物が生えることができないようなコンクリートの隙間とか日蔭とか乾燥しているところを選んでいる。つまり、戦略を立てて生き延びているんです。あえて人に踏まれるようなところに生えて、種を散布するのも戦略。結構したたかなんです」と言います。

 

故野村監督が、万年Bクラスのチームを「野村再生工場」といわれるような、いくつもの戦略と戦術を繰り出して、日本一になるというイメージですね。この本のあとがきには、ダーウィンの言葉が記されています。「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは、変化できるものである」

 

強い恐竜は、氷河期という環境の変化に対応できずに、絶滅しました。ヒトは、賢い動物ですが、過去に何度も愚かな戦争を繰り返しています。自分たちの住む地球環境が、今大変な状況になった今、「変わる」ことができるか。戦争を今後も繰り返すのか。・・・これが、人間がこれからも生き残れるか否かの分岐点かもしれませんね。

 

「弱者の戦略」は、地球の動植物の話だけでなく、私たちが社会で生きていく上で、大いに参考になります。人間は、弱いってことを忘れないことです。傲慢になってはいけません。権力に溺れてもいけません。柔軟な思考で、自分自身が変化をしながら、めまぐるしく変わる世の中を渡り歩く・・・・そんなことを考えながら、生きていきたいものですね。

2023年

10月

04日

「へりくだり過ぎ」な言葉

今日は雨ですので、ダンスと組体操の練習を1回だけやると、教室内で、園児全員「ボール遊び」です。練習続きなので、こうして息抜きが必要ですね。こどもたちは、今日は「勝った負けた」で一喜一憂することなく、ボール遊びで大騒ぎです。とても楽しい時間になりました。

 

さて、日常生活の中で「かしこまりました」「○○させていただきます」と相手に言われて、「ちょっと、そんなに丁寧に言わなくてもいいのに~」と思うことはありませんか。ホテルのカウンターや企業のカスタマーセンターでのやりとりなら、それが普通なのかもしれませんが、仕事のやりとりでも、「礼儀正しい」と思って言うのでしょうが、少し「へりくだり過ぎ」かもしれませんね。

 

私も、サラリーマン時代は、営業でしたので、お客様・得意先・初対面の方などには。「へりくだり過ぎ」の言葉を当たり前に使っていました。それは、上司や先輩に指導された内容でもあり、部下や後輩にも徹底させました。

 

若者たちの間でも、LINEで「かしこまりました」と目上の人には送ることが多いです。これも、「バイト先で教わったんです」と接客マナーとして、真っ先のたたき込まれるようですね。このように丁寧な言葉遣いをすることで。カスハラ(カスタマーハラスメント)から身を守る防衛スキルにもなるというのです。

 

日本人は、いつからこうなったのでしょうか。小学校の頃からずっと、なるべく周囲に合わせ、言われたことには従う、という教育を受けてきたから・・・という見方も、当てはまるかもしれません。一概には言えませんが、欧米では、幼少の頃から自分の意見を人前で表現することを尊び、「変わった子」にはその個性を伸ばすよう周囲が後押しするイメージが強いですね。

 

スーパーのレジでは、日本の場合は機械的にマニュアルをこなす接客が美徳で、効率を求められることが多いです。行列ができても、レジの回転が速く、人の流れに寸分の無駄も許されない無言の圧力に満ちています。駅の自動改札でもたもたしていると「どけよ、ババア!」と怒鳴る人もいます。どうも、人にも自分にも優しくなれませんね。

 

アメリカのスーパーでは「あなたが着けているマフラーいいわね」とレジの人に言われた客が「これ、○○で買ったのよ」なんて会話が始まります。会話が少し長引いても、後ろに並んでいる人が不機嫌になることもありません。

 

こう考えると、日本の若者は、体制にのまれてしまうのではないか?大丈夫か?と思うでしょうが、「かしこまりました」ではなく、自分なりにアレンジして「かしこまり!」とLINEスタンプで返すしたたかさも、ちゃんと持っています。

 

欧米の真似をする必要はありません。日本のやり方で十分ですが、もう少しだけ「へりくだり過ぎ」は、見直したほうがいいのかもしれませんね。

2023年

10月

03日

義務教育学校の今

今日の寺子屋は、4つのチームに分かれて、屋上で「バッタとり大会!」を行いました。屋上のどろんこ広場は、程よく草むらになっていて、バッタが生活するにはもってこいの環境です。バッタのピークは、真夏ではなくて9月です。もちろん、10月になった今でも、オンブバッタやショウリョウバッタなどを見ることができます。バッタの観察をじっくりやりたかったのですが、20人以上の子どもたちが、草むらをぞろぞろ歩いたので、どこかに隠れてしまったようです。

 

さて、日本の一般的な学制は、小学校6年・中学校3年・高校3年・大学4年の「6・3・3・4制」です。これは、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で決まったといわれていますが、2016年に義務教育学校が制度化しました。小学校の6年間と中学校の3年間を統合した9年制となる学校です。この9年間をどう分けるかは、独自に行うことができます。

 

大きなメリットは、小学校で最上級の6年生のうちから中学生(7~9年生)と同じ校舎で学ぶので、中学進学時に環境の変化から不登校やいじめが増える「中1ギャップ」の解消につながることです。

 

もっと言えば、小学校1年生(6歳)から中学校3年(15歳)までのタテの関係が、同じ校舎の中にあることが、大きなメリットです。子どもたちが、やがて社会に出るようになると、そこには、同じ年齢や同じ学年のチームや組織など存在しません。私たち大人は、異年齢の中で、コミュニケーションをとっていくのです。

 

保育園ホワイトきゃんばすの異年齢保育の説明を見学の保護者にする時も、この話を必ずします。保育園では、年中・年長園児から後輩たちは大きな影響を受けて成長を加速させます。義務教育学校では、その幅が9年もあるので、半端ない影響力を子どもたちは受けることになります。

 

ということで、2016年度発足時には、全国で20校ほどでしたが、2023年度には200校を超えて10倍になっています。もちろん、校長が一人のために教員が多忙であることや、小中一貫の教育体系に適応できない教職員があることなどのデメリットもあります。しかし、子ども主体で考えると、デメリットは、教員側の問題ですね。

 

もともと中学校では、教員が教科別に授業をするのが当たり前の環境です。小学校も、担任がすべての教科を教えることが少なくなってきました。子どもたちにとって、多くの先生の授業を経験することが、学びの機会としてプラスにつながります。

 

義務教育校含め、ヨーロッパの国々のように、日本も多様な学校が増えていくことでしょう。異年齢教育の「イエナプラン」の小学校も、全国でどんどん増えています。

2023年

10月

02日

時間をやくパン屋さん

保育園も10月に突入し、運動会に向けて子どもたちのやる気が加速しています。朝は、全園児でダンスの練習をし、寺子屋園児は「組体操」の練習を続けます。2人組・3人組のフォーメーションを確認しながらゆっくりと進めます。「ピラミッドで上に乗るのは○○君だよ!間違えないで。馬になったお友達も顔を上げて!」なんて、先生の声が飛びながらの特訓が続きます。その後、西文ひろばに移動して、30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーを行います。子どもたちは、勝った負けたで一喜一憂しますが、一人一人が確実に足が速くなっています。まさに、継続は力なり・・・です。

 

さて、今日は「時間をやくパン屋さん」という子ども向けの本を紹介します。なんだか興味がそそられるタイトルですね。

 

主人公は、小学校3年生のピーターです。ある日、クラスのライバルと、好きな女の子の前で決闘となったものの、女の子の前で恥をかいてしまいます。傷心のピーターがたどり着いたのは小さなパン屋さんです。看板には「時間をやくパン屋」とあり、おいしそうなパンがずらりと並んでいます。「どきどき初恋ケーキ」など、どのパンも不思議な名前です。

 

実は、この店のパンはオーダーメードです。依頼主が特別に記憶しておきたい時間をパンに込めて焼いています。食べると、その瞬間の味や香りが再現されるといいます。ピーターが店内にいると、次々と依頼主が訪れます。

 

ある男性は、子どもの頃のサッカーの試合の記憶をよみがえらせます。初めてシュートを決めた感激の瞬間が忘れられないと、「しびれる初ゴールのドーナッツ」を注文します。また、ある男性は、初めて赤ちゃんが生まれた時のことを思い出して、「パパデビュー。つめの形のクロワッサン」をオーダーするのです。

 

そして、ピーターにもパン屋のおじさんが、何か一つ焼いてくれるといいます。ピーターは、これまでの人生を振り返り、焼きたい時間を考えるのです。そして、ピーターが選んだんのは・・・・・・・というストーリーです。

 

私の幸せの定義の一つに「想い出がたくさんあること」と思っています。よく考えてみてください。欲しい物は、手に入れるまでは、わくわくしますが、いったん手に入れると、いっぺんに覚めてしまった経験はありませんか。子どもが、泣きながらおねだりしたおもちゃをおじいちゃんおばあちゃんが買ってあげると、とたんにほったらかしになるのと同じです。

 

モノは幸せに必ずしもつながらないことが多いですが、素敵な想い出は、その人の人生をずっと豊かにさせてくれるのです。

 

ここからは、まじめな話ですが、保育園でも、いかに子どもたちの素敵な想い出につながる時間を作っていかないと・・・と思うおやじ園長です。もちろん、日常があって、時々ある非日常をどう演出するかですね。今、運動会の練習を鬼のように行っているのも、運動会の思い出を大きなものにしたいからです。

 

どうですか・・・「なんだよ~過去の思い出に浸ってばかりかよ~」なんて言わないで、年齢を重ねても、ずっと消えることのない、素敵な想い出をたくさん作りたいものですね。

2023年

10月

01日

「らんまん」 とっておきの言葉

朝の連続テレビ小説「らんまん」が終了しました。植物学者・牧野富太郎をモチーフにし

たドラマでしたね。「らんまん」の意味は、花が咲き乱れるさま。きらきらと輝くさま。明るく、かげりのないさま。の意味がありますが、ドラマでは、「春爛漫」と「天真爛漫」の2つの意味が込められているそうです。あまちゃんの頃からでしょうか。いつしか、朝ドラが終了すると「○○ロス」と言われるようになりました。朝ドラと言えば、主人公が女性であることが圧倒的に多いのですが、今回は、あえて、男性の牧野富太郎が取り上げられました。

 

牧野富太郎は、高知の小学校を中退し、独学で植物学を修め、上京後は東京大学で助手、講師を務めた「日本の植物分類学の父」と呼ばれる人物です。しかし、誰もが知っているような有名人ではありません。私も、「らんまん」を見るまでは、牧野富太郎の名前は知りませんでした。

 

「らんまん」の脚本を担当したのは、劇団「てがみ座」主宰の長田育恵(おさだいくえ)さんです。「らんまん」の脚本の執筆を終えて、牧野富太郎をこう語ります。「究極的には、草花を愛するということを伝えた人。戦争など厳しい時代になってくると、草花を愛するなんて心は真っ先に捨てられます。でも、ひとが持っていても良い、当然の美しい心なのだと世に伝えてくれました。最大の功績です」

 

牧野が、数々の新種の植物を探し当て、新しく名前を付けることは、相手の「本当の名前」を見つけることでもあると長田さんは考えます。植物の氏素性を知り、性質や特徴、どこで生きるかも調べ抜いて初めて「本当の名前」を特定できる。この解釈を、長田さんは人物描写にも当てはめたのです。だから、らんまんの登場人物は、誰もが愛らしく憎めないのです。

 

「らんまん」の中で、長田さんは、本当にその人物にとって必要な言葉を考えたといいます。印象に残るシーンで、神木隆之介の演じる槙野万太郎が、祖母タキと対峙するシーンがあります。実家の造り酒屋を継がず、上京し植物学者へ進むことを決めた万太郎は、自身を育ててくれたタキに、こう告げます。「おばあちゃんの孫と生まれて、ほんまに、ほんまに、幸せでした」だが、タキはこう言い返すのです。「わしは、許さんぞね!わしは決して、おまんを許さんぞね。ゆるさんぞね・・・!」について、長田さんは「タキの、万太郎への最後の贈り物。『許さない』という言葉があるからこそ、それでも万太郎は出ていく。一生をかけて植物学の道を行く決意を万太郎にさせるんです。同時に、肉親としての愛情が深く伝わります。最大限の励ましの言葉です」と、このセリフの真意を語ります。

 

長田さんは、あの「井上ひさし」さんの最後の弟子です。研修生生活の最後の日に、井上ひさしがかけた言葉の束が、長田さんの背中を今も押しているそうです。「今日一日を、あなた自身の心の力で、良い方向へ向かわせなさい。人が人生で一度だけ言うような、言葉に本当の意味が宿る瞬間を、必ず劇の中に書き込みなさい」その2年後に、井上ひさしさんは世を去りました。

 

「らんまん」は、保育園の子どもたちが、屋上遊びで多くの草花に触れあっていることも、雑草なんてものはなくて、野草という考えも大好きで、毎日楽しみに見ていましたが、知らないうちに、脚本家長田さんの、登場人物にこめた「とっておきの言葉」に魅せられていたのかもしれません。

 

松坂慶子さんが演じたタキが、亡くなる直前「らんまんじゃ」とつぶやいたように、自分の人生の最後に、自分なりの「とっておきの言葉」をつぶやきたいですね。

2023年

9月

30日

野菜が高い!

昨夜は、中秋の名月でしたね。立派な「満月」を見ましたか。さいたま市は、雲に隠れている時間が多かったですが、時々、雲の切れ間から見えるお月様がきれいでしたね。何人かの子どもたちは、じっくりと月を見たようです。お月見団子を作ったママもいました。そして、今日は、土曜日ですが、久しぶりに小学生がいません。なんと、近隣の3つの小学校が、本日運動会でした。コロナの影響から解放されて、応援制限はなかったものの、午前中で競技が終了するスケジュールになっていました。「もっとやりたかった!」という児童が多かったようです。

 

さて、保育園ホワイトきゃんばすは、ショッピングセンターの中にありますので、毎日のぴょうに食品フロアを見る機会があります。2日前にびっくりしたのが、長ネギ1本178円もします。しかも、細い長ネギです。先日屋上ファームで収穫したサツマイモも例年と比べると、小ぶりです。

 

この夏の猛暑や雨不足の影響で野菜が生育不良となり、値上がりしています。ある八百屋さんの話では、9月の仕入れ値は、トマトが平年の3倍、ブロッコリーや長ネギは約2倍になっているようです。農林水産省が26日に発表した食品価格動向調査でも、全国470店の平均小売価格は、ニンジンが平年比145%・トマトが129%・ネギが123%など、高値が目立っています。

 

我が家のキッチンの窓際には、たいがいトウミョウがあります。1回目の役割が終わっても、残った根元をそのまま水に浸すと、再び芽が出てきます。こうして、トウミョウや植物工場で作られるモヤシなどは、天候に左右されず、値段が安定しているので、賢く利用したいですね。

 

保育園の屋上ファームは、夏野菜から秋冬野菜への切り替わりです。パプリカ、モロヘイヤ、オクラ、豆類がまだ収穫中ですが、サツマイモの収穫が終わると、11月収穫のジャガイモを植えました。そして、大根の種もまきました。毎年メインで作るのは、聖護院(しょうごいん)大根です。まさに、大きなカブのような形をした大根です。食品スーパーなどでは、あまり見かけない品種ですので、たくさん収穫して、子どもたちは、おうちのお土産にします。大根を収穫する頃には、野菜の高騰は、おさまっていることを願いたいですね。

2023年

9月

29日

スポーツを楽しむ

今日は、朝3時45分に起きましたか?「早起きは三文の徳」とは言いますが、今日は、早起きして、ラグビーワールドカップを観戦した人は、大きな徳がありましたね。今大会で、日本代表は初めて先制点を獲得し、前半戦をそこそこリードして終わり、これで、もう大丈夫かなぁ~と思ったものの、気が付くと、ワントライで逆転を許す僅差での勝利でした。ランキング上位のサモアに勝利し、眠気もぶっ飛びましたね。(笑)

 

先日、ラグビー教室に参加した5歳男の子は、全身筋肉の塊です。ママ曰く、脳ミソも筋肉でできているそうです。大げさですが、彼が、将来の日本代表になって、ついに世界一なんて、夢を抱いてしまいます。

 

そして、連絡ノートには、「うちの子が最初に話すのが、今日の運動会の練習のことです。かけっこでは、○○君に勝った・・・リレーでは、赤組が勝ったんだよ・・・サーキットレースでは、橋のところで転んじゃったんだ・・・などなど、ずっと、熱く話しています」といった、運動会の練習内容についてのコメントがたくさんありました。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、今まさに、運動会に向けて、子どもたちは毎日体を動かしているのです。スポーツの秋を実感しています。

 

昨年行われた、東京オリンピック・パラリンピックのスローガンの中に「する・みる・ささえる」があったのをご存じですか。スポーツには、いろいろな楽しみ方、関わり方がありますね。ラグビーについては、する人にはなれませんので、私はみる人です。フランスまで応援に駆けつけた人たちは、ささえる人ですね。

 

夏休み前に、多くの小学校でスポーツテストが行われて、その結果が返ってきました。そして、子どもたちの体力の低下が話題になっています。コロナ禍で外出を制限したことが大きな影響をもたらしました。具体的なスポーツに取り組むこと以外に、外に出かける、階段を上り下りする、掃除をする、友達と遊ぶ、体育の授業などが、子どもたちの体力アップにいかに大切だったことが証明されたわけです。

 

今年は、WBCに始まり、バスケットボール、サッカー、ラグビー、水泳、陸上、柔道、レスリングなどなど・・・日本選手の活躍でスポーツが大いに盛り上がっているわけですが、便乗でもいいので、やっぱり、体を動かしたいですね。子どもと一緒なら、ますます頑張れること間違いなしです。(笑)

2023年

9月

28日

「黒電話」・「赤電話」

9月の西文ひろばでの運動会の練習は、今日が最終日です。秋まつりが終わると、寺子屋園児は、毎日のように西文ひろばに通いました。3週間の練習の成果は、かけっこが速くなると同時に、チームのために自分が何をする?を考える時間にもなっています。転んでも、すぐに立ち上がって、前に進む子どもたちです。今日は、30メートル走と紅白対抗リレーのビデオ撮影を行いました。9月末での子どもたちの姿を保護者にも楽しんでもらいます。

 

10月に入ると、1・2歳児も含めた練習が始まります。10月21日の運動会本番まで、伸びしろだらけの子どもたちの成長を楽しく見守っていきます。

 

さて、電話といえば、あなたはどの電話を思い浮かべるでしょうか。この質問に「黒電話」「赤電話」と答えたあなたは、間違いなく昭和世代ですね。もちろん、私も子どものころは、家は黒電話だった記憶があります。この「黒電話」は家庭用固定式電話のことで、色も真っ黒です。NTTグループの前身である、電電公社が、電話の契約をした家庭に貸与していたのです。貸与?と思った方・・・1980年(昭和60年)に電電公社が民営化されて、NTTになるまで、家庭の電話は購入するものではなくて、貸し出されるものだったのです。

 

この後、家庭での固定電話は、プッシュ式電話を各家庭で購入して使うようになります。ファックス機能が掲載されたモデルも登場しました。黒電話は、ダイヤル式だったのですが、イメージできますか?推理小説では、ダイヤルの時間の長さで、かけた電話番号を当ててしまうというストーリーも成り立ったのです。

 

次は、「赤電話」です。これは、昭和28年~57年頃まで、駅や公園などにあった、赤色の公衆電話のことです。当時の赤電話は、10円玉を入れて通話する形式で、たばこ屋の軒先や駅には必ず1台は置かれていました。背景には、家庭用の黒電話の普及率が低かったからです。昭和47年時点での黒電話の普及率は47%ぐらいで、全家庭に普及したのは昭和55年頃だそうです。

 

赤電話は、100円を入れるとお釣りが出ないので、10円玉を何枚も握りしめて電話をするシーンが、どこかしこで見ることができました。私も、そんな利用者の一人でしたね。

 

平成に入り、テレホンカードが使用可能な緑やグレーの公衆電話が登場し、その後は、あっという間に携帯電話が普及し、今や1人1台持つのが当たり前です。

 

公衆電話の設置数は、ピークの昭和60年には、国内で93.5万台あったそうです。それが、2021年3月には、約14万5643台にまで減ってしまいました。保育園ホワイトきゃんばすがあるショッピングセンターでも、1年前に、たった1台あった緑の公衆電話が、撤去されてしまいました。NTTでは、2027年までには3万台まで減らす計画のようです。

 

まぁ~今の子どもたちは、「黒電話」「赤電話」は論外で、公衆電話を使ったことがない子のほうが多いでしょう。私も、初めて公衆電話を使ったとき、お金をいくら入れても、戻ってしまうのでどうして?と隣の人を見ると、受話器を上げてからお金を入れることを発見したものです。

 

ここ数年で、あっという間に時代のスピードとともに、電話の形が変わってきました。「黒電話」「赤電話」は、インテリアと化しているのです。(笑)

2023年

9月

27日

父親向け育児講座広がる

今日も運動会の練習は充実していました。子どもたちは、「園長先生・・・リレーはまだ?早くやりたい!」と言ってきます。毎日の練習の締めは、紅白対抗リレーですが、今日も抜きつ抜かれつの大接戦でした。そして、寺子屋園児は、お昼寝タイム「ぐっすり」と寝ています。運動量はウソをつきません。(笑)

 

さて、ここ数年、保育園ホワイトきゃんばすでは、赤ちゃん誕生に合わせて、育児休暇を取得するパパが多くなっています。ざっと、3人に2人が期間はまちまちですが、家族との時間を楽しんでいます。こんな状況ですので、父親向けの子育て教室や講座が、全国の自治体や企業で広がっているようです。

 

だいたい、こういった教室の講師は、女性というパターンが多いのですが、自身も子育て中の男性が講師になると、こんな話をします。「子育てにはパパの力が不可欠。産後に連続で1週間、その後、できれば3か月休みを取得しましょう。難しければ働き方を見直すなど、できることを考えましょう」と男性の育休の取り方を助言します。参加したパパは、「男性から具体的な話が聞けて、子育てを自分ごととして考えられた」といいます。

 

厚生労働省によると、2022年度の男性の育休取得率は、前年比3ポイント増の17%だそうです。100人に17人の男性が、すでに育児休暇を取っています。印象としては、高い数字ですね。

 

共働き世帯の増加で、主体的に育児に取り組みたいと考える男性は増えていますが、育児のノウハウだけでなく、仕事との両立やキャリアのあり方への関心も高まっているようです。専門家の見方は、「共働きは家庭経営のリスク分散になり、収入などのプレッシャーから少しだけ解放される。家庭でのスキルアップが巡り巡って自分の仕事のプラスにもなる」です。まさに、その通りだと思いますね。

 

先日、個人面談をしたママは、来年1月に第二子を出産予定です。パパは育休を取得するので、「この際・・・パパには料理をするライフスタイルに変更してもらおう。ママは、昔やっていたピアノのスキルを上げて、さらに素敵な家庭を作ってもらいたいですね」なんて、勝手なお願いをしたのですが、男性が育児休暇中にできることは、子育てフォローだけではありません。一気に、料理や趣味の充実に地域活動という新たな扉を開くこともできますね。

 

ところが、今問題なのが「取るだけ育休」です。育休をとっても、子育てに積極的に参入せず、役に立たないパパです。そして、まだパパの83%が育児休暇が取れていない実態があります。収入が減ったり、職場の上司に理解がなかったり、自分の仕事の代替え要員がいないので迷惑がかかる・・・もっと言えば、キャリア形成に不利になり出世できない。といった理由で、育休をためらうパパが多いのも事実です。

 

さぁ~これから我が子が生まれるパパへ・・・あなたは、育児休暇を取りますか?取れるとしたら、どんなビジョンを描いていますか。計画性がないと、取るだけ育休になってしまいますね。

2023年

9月

26日

トーキングブルース

今日の寺子屋は、カブトムシの幼虫観察です。約1か月保育園で飼っていたカブトムシがお亡くなりになり、卵を残していました。その卵から、まだ体長1センチにも満たない幼虫が10匹ぐらい生まれていました。「かわい~い!」と言いながら、子どもたちが優しく触っています。次に、年長男子のおうちからもらった、カブトムシの幼虫を土の中から出してみます。何と、体長5センチにまで大きくなってました。これには、園児たちも後ずさりです。しかし、すぐに虫好き園児たちが、手のひらに乗せていました。

 

さぁ~来年夏までの、一年越しの観察がスタートです。サナギになった姿を子どもたちに見せたいですね。サナギなら、オスとメスの区別がつきます。

 

さて、古舘伊知郎さんの「トーキングブルース」をご存じですか。毎年、テーマは異なるのですが、今月紀伊国屋サザンシアターで開かれた、今年のテーマは「現代の信仰」でした。ノンストップで2時間以上、とにかくひたすら喋るのです。古舘さんは言います。「落語とか講談とか、古典芸能的な作品でもない。目の前で起きていることをライブで行います。お客様が主役ですから、現場で起きている空気を優先します。遅刻して会場に入った人が見えたら、真剣に「実況中継」します。自ら作った構成を崩しにかかる覚悟でやっています」

 

古舘さんと言えば、1970年代後半から80年代にかけて、アントニオ猪木の新日本プロレスリングの実況が一大ブームを巻き起こします。アンドレザジャイアントの頭突きを「2階からヘッドバット」と表現したり、スタンハンセンを「ブレーキの壊れたダンプカー」と称します。たくさんの、熱い言葉が、古舘さんの口から発せられました。

 

そんな古舘さんは、実に35年前から、たった一人で舞台に立つ「トーキングブルース」を始めていたのです。私は、会場で視聴したことはないですが、映像で見たことがあります。人間社会に渦巻く哀しみを古舘さんの生きた言葉で語りかけるライブは、見る私たちをも深く考えさせられる内容で、引き付けられますね。後ろにコップに入った水があるのですが、意地でも古舘さんは飲みません。2時間以上、水も飲まずに喋り続けるのです。

 

「トーキングブルースは、言葉を練りこみ、発酵させて『いい味』にしたものを出す場です。発酵は加減が必要で、腐ってもいない、それでいて新鮮でもない、ギリギリの揺らぎのいいあんばいの発酵で出すと、自分の思いも乗ってうまく伝わるんです」と古舘さんは言います。コミュニケーションがどうも苦手という人たちへのアドバイスは、「僕は、『心』をきれいにすれば、いい言葉が生まれると思っているし、一生懸命話そうと思えば、その気持ちがちゃんと相手に伝わるし、それがコミュニケーション力だと思っています。コミュニケーションって、スキルじゃない。失敗を経て磨かれていくものだし、そうあるべき。語彙が豊富じゃなくても大丈夫」とコメントします。

 

古舘さんの強烈なフレーズは、ずっと頭の中に残りますね。一度、ライブでこの興奮を味わってみたいものです。

2023年

9月

25日

大奥

保育園の寺子屋園児が毎週行っている体操教室。ここで、一昨日の秋分の日に、オプションとして、速く走る「走り方教室」が行われました。そこに、なんと5人の園児が参加したそうです。「運動会で速く走りたい!負けたくない!」という子どもたちの気持ちから、全員自主的に「参加したい!」とパパママに頼んだようです。

 

教室では、腕の振り方、足の運びから、スタートの笛にいかに早く反応するか・・・など、実践前の理論的な内容が中心だったそうなので、あとは、子どもたちが練習でどれだけ伸ばせるかですね。「運動会で頑張って勝ちたい!」という目標に向かって、チャレンジする子どもたちです。

 

さて、今日は、NHKでドラマ化にもなった「大奥」の話です。江戸時代の将軍が女性だったら・・・というパラレルワールドを描き、一大ブームとなりました。この作品は、ジェンダー的視点から、海外からも関心が高いようです。本作の最大の魅力は、江戸時代に実在した将軍が女性であり、男女の役割も逆転するという一見奇抜な発想の下、フィクションを交えながら史実に基づいた展開が丁寧になぞられているところです。

 

事の始まりは、赤面疱瘡(ほうそう)という若い男性だけがかかる謎の病気に、男性の人口が激減し、三代将軍徳川家光が発病し亡くなったことから、春日局が、やむを得ず家光の私生児である、少女千恵を家光としてすり替えることを発案。そこから、女性将軍の系譜が始まります。今までの大奥総取締や側室は男性が務めます。

 

家光から15代将軍慶喜まで、多様な将軍たちが数奇な運命に翻弄されるのですが、今までは男性側の視点から描かれることの多かった政治の世界や、地位のある仕事に就く者の苦悩などが、女性の立場から描かれます。

 

「大奥」は、歴史上のエピソードを基にしているので、完全なフィクションではないのですが、結局、男性・女性のどちらであっても、歴史の事実は変わらなかったのかもしれないと想像させられます。

 

「男性らしさ」「女性らしさ」という価値観は、その時代の環境や利害関係によって変化してきました。「大奥」を読むことで、自分の中で固定概念化していた「男性/女性」というくくりを、解き放してくれるのです。

 

「大奥」がこれほどまでに、幅広い世代に称賛されるのは、江戸時代の中の仮想世界を描きながら、現代の私たちの価値観や常識をぶち壊してくれるからかもしれませんね。

2023年

9月

24日

大道芸人 チクリーノ

今日は朝からいい天気ですね。しかも暑くない。ようやく秋晴れという言葉が使えるようになりました。

 

さて、昨日は、横浜あたりをぶらぶらしていました。まずは、東神奈川駅にある「駅そば」を食べます。ここにある「日栄軒」は、創業が1918年で105年の歴史があります。現存する駅そば店の中では、一番歴史が古い店といわれています。そこで、「穴子天そば600円」をいただきました。つゆの味にこだわりがあって、鹿児島県枕崎のサバと高知県土佐清水のカツオ節からだしを取った濃い仕上がりで、創業以来変えてないそうです。器からはみ出るくらいの大きな穴子に、つゆがしみ込んで、美味しかったですね。

 

そして、桜木町から横浜みなとみらいをぶらぶら歩いて、山下公園に到着。そこで、素敵なパフォーマンスに出会いました。大道芸です。路上や広場、ショッピングセンターの中などで、ジャグリングやパントマイム、アクロバット、歌や踊りを披露するものです。私は、積極的に大道芸フェスティバルなどを見に行った経験はありませんが、公園やショッピングセンターなどで、大道芸が始まると、見入ってしまいます。

 

山下公園に到着すると、黒いマント、帽子、黒いマスクで顔を隠した、怪しい人物がパフォーマンスを始めました。最初は2本足で歩いていますが、足が3本、4本と増えていきます。観衆は、「何が始まるんだ!」と、不思議な期待感で満ち溢れてきました。

 

いよいよ、大道芸人「チクリーノ」さんの、「レストラン チクリーノ」のパフォーマンスが始まりました。

 

ストーリー性があるパフォーマンスです。時々マジックやパントマイムを取り入れながら、ブラックユーモアが随所にちりばめられています。大道芸と言えば、ジャグリングやアクロバティックな技を披露するパフォーマンスが主流ですが、どんなカテゴリーにも当てはまらない、圧巻の内容でした。演技終了後に行われる「お会計」(レストランチクリーノなので・・・)は、そのパフォーマンスへの感動で、多くの札束が投げ込まれました。

 

チクリーノさんは、10年間サラリーマン生活を送り、28歳で大道芸1本で生きていく道を選んだそうです。大道芸人は、多くが高収入の暮らしをしているわけではありません。むしろ、アルバイトをしながらなんとか食べていっている・・・劇団員の様かもしれません。でも、どこの誰ともわからない、その辺を通りかかった人を呼び込んで、自分の芸を見せる。私には絶対にできないですが、その生き方に憧れますね。

 

チクリーノさんは、8月にスコットランドのエジンバラで開かれた大道芸のフェスティバルに参加したそうです。旅費宿泊費で60万かかって、投げ銭で得た収入は20万ほど。ざっと40万円の赤字です。でも、人気投票で1位に選ばれたことが、彼の大きな名誉です。

 

そんな大道芸人のパフォーマンスや生きざまに、ほっこりした昨日の出来事でした。

2023年

9月

23日

秋分の日に「敬老の日」の話

今日は秋分の日ですね。「何で土曜日に祝日なの?1日損した!」と思っている人が多いのかと思いますが、秋分の日は、毎年9月22日から23日のうちの一日と定められています。国立天文台が作成する、暦の年表によって決まるそうです。昼と夜の時間が一致するのが秋分の日と思っていましたが、実際は、昼の時間が少しだけ長いそうです。ちなみに、来年は9月22日の日曜日ですので、23日が振替休日になりますね。

 

さて、9月は祝日が多いですが、今週月曜の祝日は、「敬老の日」です。ハッピーマンデーの導入で、敬老の日は9月の第三月曜日に決まったので、日にちは毎年違ってきます。もともと、敬老の日は9月15日でした。その理由は、大きく二つの説があるようです。

 

 

一つは、今から約1400年前、聖徳太子が大阪の四天王寺を建てた時に、悲田院という、今で言う老人ホームのような施設を作ったと言われています。それが、9月15日だったという説です。

 

もう一つは昔話です。昔、美濃の国にお酒好きのおじいさんと親思いの息子が住んでいました。家が貧乏なので大好きなお酒を飲ませてあげることができません。木こりをしていた息子はあるとき足を滑らせて谷間に落ちてしまいました。そこで、お酒の流れる滝があるのを見つけたのです。息子は喜んでその酒を持ち帰り、おじいさんに飲ませてあげました。後に、その話を聞いた元正天皇がその「養老の滝」を訪れ、元号を養老と改めたのです。このことから、日本中の地域で9月の半ば(15日)にお年寄りを招いて敬老会を開くことになったそうです。

 

どの地域でも、お年寄りが一生懸命働いてくださったおかげで、今の私たちが豊かな生活を送ることができていると思いたいですね。

 

でも、これからの時代は、80歳くらいまで仕事を続けるようになっていくのでしょう。敬老の日に、仕事をリタイアしているお年寄りは、今までよりも高齢化しています。やっぱり、健康的に年齢を重ねることが大切と言えるのです。

 

はい。おやじ園長の私に言っていることです。(笑)

2023年

9月

22日

ラグビーは社会の縮図

今日は、サツマイモ掘りをしました。5月に子どもたちが植えた、サツマイモの苗が夏を過ぎて大きなお芋になりました。子どもたちの力で、茎を引っ張るのですが、なかなか手ごわいサツマイモです。先生がスコップでまわりを掘りながら、たくさんのサツマイモを収穫しました。

 

土の中からは、サツマイモだけでなく、イモムシ(蛾の幼虫)やコガネムシの幼虫も出てきます。サナギも見つかりました。虫好きの子どもたちは、手のひらに幼虫をのせて、大騒ぎです。こんなワイルドな園児が多いのも、ふだんからどろんこや野草の中で遊んでいるからです。たくましい限りです。(笑)

 

さて、ラグビーワールドカップの報道が注目されていますね。イングランドに負けても、ただ前を向く日本代表が力強く感じます。そして、試合の解説人のなかで、一番核心を突いたコメントを発していたのが、あの五郎丸歩さんです。彼は、21世紀の日本で、最初のラグビーブームが起きた時に、その火付け役として多忙を極めました。当時は、テレビを付ければ五郎丸選手が登場し、全国の子どもたちが、ゴールキックの際の忍者のようなフォームを真似される時の人でした。

 

彼は、当時をこう振り返ります。「嫌でしたよ。昔からラグビーをしている自分としては、大きな偉業を成し遂げたのに、何でひとりにフォーカスされなくちゃけないんだろうと。まぁ、ラグビーを知らない人ばっかりだらそうなるよね・・・という風にマインドを切り替えるまでは、きつかったですね」

 

あの南アフリカ代表からの歴史的勝利を挙げた直後には「ラグビーが注目されている今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び、日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」とメッセージを発信しています。

 

そして、ラグビーを一言で表すなら、あの頃も8年が経ったいまも、答えに迷いはなく「多様性です」と五郎丸さんは言い切ります。

 

日本代表では、メンバーの人種、国籍に「多様性」があることは、様々なところで報道され、見る方の私たちも、全く違和感がありません。さらに、多様性を追求すると、15人の選手のポジションがそれを表しています。

 

力自慢のフォワード・キックの名手・パスの名手・いだてんのように走るウイング・・・など、様々な個性が力を合わせているのです。五郎丸さんは「トライの30秒前くらい

から巻き戻して見るのが、一番、面白い。あそこに、ラグビーの本質があると思っているんですよ。こいつのこの動きがあったから、トライがとれたんだな・・・とか、スポットが当たる人間も当たらない人間もいるけど、皆がチームのためにやっている。社会の縮図だと思います」と言います。

 

そして、「これからのラグビーは、監督やコーチの言うことを聞き入れるだけでなく、自分の意志を持ってアクションし、それに責任をもったり、議論したりする人間が増えていかないといけない」とも言います。

 

まさに、社会で、私たちが生きていく上で、何ら変わりがない気がしますね。

 

「社会の縮図」と表現しましたが、現実の社会も、なかなか思い通りにいかないことばかりです。今回の日本代表の目標は、明確に「優勝」を掲げています。その通りに行かなかったら、きちんと修正して、明日の日本代表への礎になればいいのです。

2023年

9月

21日

食品ロスの原因は、経済的合理性の追求

運動会で行う「パラバルーン」の練習がスタートしました。園児が協力して、完成させるというプロセスは、個人競技とは違う楽しみがあり、子どもたちは「協力しあう」というマインドになります。運動会の厳しい練習は、子どもたちの成長に大きく影響していますが、個人競技と団体競技の両面で、頑張っています。個人の力が積み重なるのが、「紅白対抗リレー」です。「チームのために、最後まであきらめないで走る」気持ちが育ってきました。今日は、抜きつ抜かれつの大熱戦となりました。

 

さて、最近は、「食品ロス」が取り上げられる機会が増えてきました。食品ロス低減の具体策は、様々な切り口が考えられますが、国内の食品ロスの半分は家庭で発生します。「一般家庭が気をつければ、ロス低減につながる」という考えもあるでしょうが、今日は、経済的合理性の追求が、食品ロスの大きな要因になっているという話です。

 

はい。私が民間企業で働いていたころの営業スタイルは、「売上とるぞ!」でした。営業なら当たり前のマインドですが、気合だけでは、売上は上がりませんね。私が、一番「悪」としたのは、「販売チャンスロス」です。売上目標110%にしておきながら、商品が前年100%の発注しかしていない店舗には、容赦ない指導をしました。「売上目標110%なら、タマを115%ないと商売にならないだろ!」といった感じです。

 

例えば、1年で一番ケーキが売れる「クリスマスイブ」の売上目標を獲得するために、「閉店前に完売させるなんてとんでもないこと。ケーキが残るくらいの発注をしないと売上が取れない」と、チャンスロスを徹底的になくす取り組みを行った結果、目標の売上が達成できずに、多くのロスを発生させてしまうのです。

 

当時の私は、「商品ロス」よりも「販売チャンスロス」の方が「悪」と指導していました。「売上を達成させてなんぼだろ!」という考えです。これが、経済的合理性の追求です。

 

これは、企業同士の取引にも言えます。今もその傾向が強いのが、例えば「デパ地下」です。百貨店のデパ地下の売上は、夕方以降に集中して売れます。ここで、各メーカーに「絶対に欠品させるな!」と圧力をかけます。仮に売れ残っても、百貨店ではなくメーカーのロスになります。双方が適切な需要供給の調整を行えば、売れ残りは減らすことができるのです。

 

食品ロス低減の話になると、すぐに「売れ残りゼロを目指そう!」なんてことになりますが、ゼロにするのは、非現実的ですね。企業同士の取り引きでも、家庭でも、まずは、現状を半減させるなど、少しずつ進めていくのがいいですね。

 

経済的合理性の追求が、食品ロスの増加につながっているとは言ったものの、夕方になると、ショーケースの中の商品がスカスカというのも、買い物の楽しみを半減させます。ここは、難しいところですね。「売上が前年100%・ロス金額が前年50%」というのが、理想ですが・・・こんな理想的な発注は、簡単にはできないのです。(笑)

2023年

9月

20日

大人への食育

屋上ファームに、7月下旬「白なた豆」という、今まで植えたことがない豆の種を蒔きました。子どもたちは、「ジャックと豆の木の豆みたい」なんて言いながら、ソラマメサイズの大きな種に驚いたのです。その「白なた豆」が、収穫できるまで成長しました。一番長いのは、長さ20センチくらいの「お化け豆」です。なたのような形をした豆という意味ですが、どうやって食べるのかもよくわかりません。

 

そのまま茹でても、みそ汁の入れても美味しいし、福神漬けにもなるようです。まずは、職員が持ち帰って、それぞれ食べてみます。小さいサイズの白なた豆は、そのままインゲン豆のように、茹でてマヨネーズで食べると、濃い味で美味しいのですが、20センチクラスのサイズでは、筋が多くて、皮が少し硬く感じます。「う~ん・・・給食には、ちょっと使えないかなぁ~」といったところですが、初めての食材に出くわすと、好奇心のアンテナが強くなりますね。

 

今日は、女子栄養大学の学長である香川明夫さんの話です。香川さんは、栄養大学に勤務する前は、24年間にわたって公立小学校の教員をしていました。そこで、食育に関するユニークな授業をしていたそうです。

 

例えば、算数の授業で割合について考える際に、カルピスのような希釈して飲む清涼飲料水を教材として使ったそうです。実際に、飲み物を飲む体験が加わることで、子どもたちのやる気が大きくアップしたそうです。

 

また、健康教育の際には、コーラなどの清涼飲料水の中に、どれくらい糖分を含んでいるか教えます。その際に、実際に飲んでみて、その中に含まれている糖分を消費するまで、体育館の中を走ったりしたそうです。子どもたちは、延々と体育館を走ることになり

「こんなに大変なんだ!」を実感するとともに、自分たちが口にするものへの意識が高まったそうです。

 

「朝食を必ず取る」「野菜類は1日に350グラム食べる」ことが望ましいのですが、子どもに伝える前に、親が実践しないと、子どもができるわけがありません。朝食を作るのは親なのです。小学校であれば、先生が料理を作る経験が必要ですし、中には、包丁をうまく使えない若い先生もいます。子どもへの食育をうたう前に、まずは、大人への食育が大切ですね。

 

保育園ホワイトきゃんばすの食育の場面は、日常の給食だけでなく、屋上ファームでの野菜の収穫も大きいです。そして、年2回取り組んでいる「わくわく教室」では、コメや麦の勉強から、実際におにぎり、パン、ピザを年長園児が自分で作ります。わくわく教室を終えると、自分でおにぎりを作る習慣が身につくのです。子どものための食育教育になっているのですが、もう一つのねらいは、「親への食育」です。わくわく教室の内容は、ビデオでしっかりと撮影しますので、毎月のDVDで、保護者が見ることになります。

 

私たちにとって、生きるために「食べること」が不可欠ですが、健康的な食・楽しむ食・こだわる食などなど・・・食の世界には、永遠の学びがありますね。私たち大人が、食に対する関心を高めることが、子どもたちへの影響力を高めるのです。

2023年

9月

19日

シニア専門のタレント事務所

屋上ファームに鬼のように生えている野草を意を決して引っこ抜き、秋のファームの準備を進めました。今日の寺子屋では、ジャガイモと玉ねぎを植えました。あまりにも気温が高いので、種イモが腐ってしまわないか心配ですが、明後日頃から、ようやく秋の気候の予報です。11月に収穫予定のジャガイモは、「いも煮会」(煮込みうどんを屋上で食べる給食)で、ファームで収穫する大根などと一緒に食べます。子どもたちも、目的があると、一生懸命になりますね。

 

さて、今日はシニア専門のタレント事務所を運営する平岡史衣(ひらおかふみえ)さんの話です。まだ28歳です。「アンコールプロダクション」は、大阪市で50歳代から100歳代まで、200人以上が所属するタレント事務所です。タレントたちは、「お金を稼ぎたい」とうよりも「おもしろい体験をしたい」というのが、応募の主な動機だそうです。

 

平岡さんは、大学を卒業後、看護師として京都市内の病院に勤めました。そこで、入院中の高齢者が、こう口にするのをよく聞いていたのです。「家に戻っても、楽しいことがない」と。胸が痛んだそうです。気持ちが弱まったままの状態では、本人の幸せにつながらないのではないか。おじいちゃんやおばあちゃんに、何か生きがいを持ってもらえるお手伝いができないだろうか。色々な人と話しているうちに、タレント事務所の設立を思いついたそうです。

 

事務所に応募してくる人の背景は様々です。長年勤めた会社を退職後、新しいことに挑戦したい人。夫や子どもの世話からようやく解放され、自由な時間ができた女性。また、専業主婦を60年やってきたことも誇れる経験だと考えているそうです。

 

依頼される仕事は、健康食品や化粧品などのテレビコマーシャルへの出演、本の表紙のモデル、訪問介護事業所のホームページに載せる利用者役の写真など、様々です。学校から「戦争体験を語ってほしい」と依頼されたこともあるようです。

 

コロナ禍が落ち着いて、このプロダクションにも、ようやく仕事の依頼が増えてきたそうです。

 

どうですか・・・日本は世界一の高齢化社会です。昨日の敬老の日に、10人に1人が80歳以上というデータが発表されたばかりです。長生きすることは、素晴らしいことですが、体だけでなく心も健康に長生きしたいものです。「アンコールプロダクション」で働く、シニアの方々は、まさに、仕事を通じて元気を取り戻し、さらに輝いているのです。そんなシニアが日本に増えれば、高齢化へのマイナスイメージもなくなっていくのです。

2023年

9月

18日

「ルビ」が可能性を広げる

今日は、早朝から熱くなりましたか。イングランドに負けてしまいましたが、予選リーグはあと2試合あります。野球もバスケットボールも、逆境に立たされた日本代表の底力を見せてくれたので、ラグビーもその流れを信じて、応援したいですね。

 

さて、この夏「ルビ財団」という一風変わった団体が活動を始めました。出版物やウェブサイト、街の看板や標識の漢字にもっとふりがな=ルビを振って「ルビフルな社会」を目指すのが目的だそうです。

 

設立者の松本さんは、オンライン証券大手、マネックスグループの会長ですが、「娘2人を育てながら、ルビがあればなぁ~と思うことが多かったんです。子どもには積極的に本を与えてきたけど、漢字にルビが振られていないと内容が良くても、渡すのを躊躇してしまう。長女は小学校高学年になり、少し背伸びした本に手を伸ばし始めたが、漢字のハードルは高かった」と言います。

 

子どもが、自分から興味を持ったのに、「漢字が読めない」がネックになって途中で諦めてしまうことが多いといいます。多くの親が、そんな経験があるようです。

 

実は、戦前の出版物では、総ルビが当たり前だったそうです。戦後、徐々に廃れていったそうです。

 

アルファベットを使う国では。子どもは大人向けの本であっても、とりあえず読むことができるので、背伸びして大人の世界を垣間見ることができます。しかし、日本では漢字がある程度読めないと、それができません。そう考えると、ルビを復活させることで、その壁をなくすことができるのです。また、最近は外国にルーツを持つ子どもたちが増えています。親が、日本語や漢字が苦手だと、子どもの日本語能力にも影響し、それが進学や就職における不利、もっと言えば、社会的排除にまでつながってしまうケースもあるようです。障害で漢字を読むのに苦労している人もいます。

 

こう考えると、子どもだけでなく大人にとっても、漢字が読めるか読めないかは様々な人の人生の選択肢に関わる「人権問題」でもあると言えます。

 

ルビ団体が目指すのは、より多くの人が「よめる」「わかる」ことで、自らの可能性を広げられる社会です。

 

ホワイトきゃんばすの卒園式では「園長の手紙」を子どもたちに渡しますが、もちろん総ルビの手紙です。卒園児が、自分で読めえるようにしています。

 

最後に、①「些か」(ほんの少しという意味)②「喧しく」(やかましいという意味)③「乃至」(あるいは・またはという意味)の3つ・・・読めますか?

 

①いささか ②かまびすしく ③ないし と読みます。はい。私は1つも読めませんでした。(笑)

2023年

9月

17日

野球の「見える化」で「自分で考える」

大リーグエンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズンはプレーしないことが発表されました。ホームラン王を獲得しても、大手を振って喜べないですね。まずは、腕の手術が成功して、万全の体調で復帰してもらいたいです。

 

そして、日本のプロ野球では、阪神タイガースが優勝しました。実は、タイガースが日本一になったことは、1回しかありません。37年前に「バース・掛布・岡田」の最強打線の時です。実は、西武球場で阪神vs西武の日本シリーズを「ホットコーヒーにハンバーガーいかがですか!!」と大声をあげながら、売り子のアルバイトをしていたのが私です。あの強かった西武ライオンズが、コテンパンに阪神打線にやっつけられた記憶があります。関東の阪神ファンの多くが、西武球場に集結しました。

 

今年の阪神タイガースには、「バース・掛布・岡田」のような、ずば抜けた選手も記録もありません。ホームランの数は、巨人の半分以下です。これで優勝できた一番の要因は、岡田監督の采配です。

 

そうです。野球というスポーツは、個々の能力や判断力と同じくらい「監督の采配」が、勝利に直結するスポーツとも言えますね。スポーツの中で、野球が一番好きなおやじ園長ですが、冷静に考えると、今行われているラグビーワールドカップでは、監督(ヘッドコーチ)は、スタンドで見守るだけで、試合中は指示を出しません。サッカーも、ほとんどのプレーを選手自ら考えて行うスポーツです。

 

野球が、サッカーのように世界に広まらない理由の一つは、ひょっとしたら、「監督采配」が大きくて、自分で考えることが少ないスポーツだからかもしれません。あくまでも、私見です。かつて、野村監督が「頭を使って野球をしなさい」と選手に伝えていたのは、「監督采配」に取りつかれた「野球」を変えなくてはいけないと思っていたのかもしれませんね。

 

そんな野球ですが、2009年・2023年のWBCで、日本代表のデータ分析班としてチームの優勝を支えたのが、データスタジアム社の星川さんです。トラックマンという計測装置を使って、例えば野球の投手なら、球の初速・回転数・回転軸方向・球の変化量・リリースポイント・本塁での球速(終速)・ベース上の入射角の縦と横・ボールの縫い目の影響・野手の動きなどを計測します。

 

投手の球を評価する際、よく解説者が「キレがいいですね~」と言いますね。それは、感覚的な表現ですが、これを数値化したのが、データシステム社です。以前から、スピードガンで球速は測定されていましたが、球が速いだけで打者を打ち取れるわけではありません。あの昭和の怪物「江川投手」は、直球とカーブだけで打者を抑えることができました。球速以上に打者が「速い!打てない!」と感じたのは、キレの数値が尋常ではなかったのです。

 

こうして、自分のデータが「見える化」されることで、今まで一球一球監督の指示を待つだけの野球から、根拠を共有して自分で考える力を、選手自らつかむことにつながるのです。

 

精神論・根性論など、古い体育会的な考えがまだ残る日本の野球部・・・野球だけでなく、すべてのスポーツで、今の子どもたちが、さらに自分で考えることが進んでいくと、楽しみ方が必ず変わっていきますね。「日本代表」のレベルもさらにアップすると思っています。

2023年

9月

16日

桃岩荘ユースホステル

今日も子どもたちは、「こびとカルタ」をやっていました。何と、読み手は小学生ではなくて、年中の双子シスターズです。平日は、年長園児が読み手を独占してしまうので、なかなか年中が入り込めないのですが、聞いていると、すらすらと読んでいます。「カルタの読み手ができるんだ・・・凄いなぁ~」と思いながら、やはり、ひらがなを覚えるきっかけは、遊びに決まってる!と思った次第です。

 

さて、昨日のNHKドキュメント72時間は、北海道礼文島にある「桃岩荘(ももいわそう)ユースホステル」でした。私も、40年前の記憶が蘇ってきました。

 

みなさんは、ユースホステルに宿泊したことがありますか。今でも素泊まりが3000円前後で宿泊ができます。私の学生の頃は、食事込みでも2000円くらいだっだ記憶があります。金はないけど時間はある学生には、ピッタリの宿でした。実は、2012年保育園が開園したばかりの、おやじ園長のブログに、桃岩荘のコメントがありました。ふり返ってみます。 

 

「北海道には、はまりました。 

高校2年の夏に初めて北海道の大地を踏みしめ、合計43泊した記憶があります。半分ぐらいは、夜行列車の中か、無人駅です。 

『愛とロマンの8時間コース』 

これは、礼文島「桃岩荘ユースホステル」の名物コースです。

礼文島、北の岬ストコン岬から島をほぼ縦断するコースで、「愛とロマン」という名前は、この8時間で必ず1組以上の愛が芽生えるとのこと(笑) 

さて、ストコン岬から海岸沿いを歩くと、海には「馬ふんウニ」・・・もちろん食べました。塩味がきいてうまい!(勝手に食べてはいけなかったみたい) 

次は、原生花園とよばれる、自然のお花畑を歩きます。本州では、高山植物にあたいする花々が、ここ北海道では、平地で見られます。今回一緒だった仲間は、男子、女子ともに一人旅の連中が多く集まりました。学生だけでなく、社会人や仕事を辞めてとりあえず旅に出ている人もいました。最初は、快適なハイキングも、8時間となると、最後は無口に。でも、ゴールの桃岩荘が近くに見えると、何やら屋根の上に人が踊っています・・・

ユースホステルのヘルパー(ボランティアアルバイト)です。 

これが、「日本3大キチガイユース(当時)」といわれた桃岩荘ユースのお出迎えシーンです。吉田拓郎の落陽を歌いながら、屋根の上で踊っています。 

「ほいほい ほいほいほい・・・ほいほい ほいほいほい。絞ったばかりの夕日の赤が・・・♬」 

愛とロマンの8時間コースの仲間達も最後の力をふり絞って、踊りまくってゴールしました。 

若干高校2年生の私は、お姉さまたちからは恋愛対象にはならなかったようで、愛もロマンも生まれませんでしたが(笑)、大人の世界を垣間見る貴重な8時間でした。 

桃岩荘ユースホステルの夜は、「ミーティング」といわれる、ノンアルコール宴会で、多いに盛り上がったことはいうまでもありません。ユースホステルは、男女別の共同部屋で、ノンアルコールがルールです。今でも、鮮明に記憶に残るシーンです。」

 

昨日のテレビでも、8時間コースは継続されており、派手な出迎えやミーティングのシーンを懐かしく見ていました。「いらっしゃいませ!」ではなく、桃岩荘では「おかえりなさい!」とゲスト(宿泊客)をお出迎えします。

 

吉田拓郎の「落葉」は、桃岩版にアレンジされ、大盛り上がりです。桃岩荘は、もともと、ニシン番屋を改造して作られた建物です。そして、そこで働くヘルパーと宿泊者たちのドラマが、深いのです。

 

「羞恥心を捨てる」「自分を変える」「無になる」・・・様々な目的で、6月から9月までの4か月した開いていない、この宿に人が集まるのです。いい場所です。

2023年

9月

15日

吹奏楽部の未来

寺子屋園児は、月~木は西文ひろばグランドで運動会の練習をし、本日は体操教室ですので、しばらく屋上遊びをしていないのですが、0~2歳児は、その間、屋上を独占します。自転車に乗っている寺子屋園児もいませんので、いつも以上に広さを感じているようです。今週のブームは、チョークでお絵かきです。

 

さて、夏の甲子園を熱く盛り上げたのは、高校球児だけではありません。吹奏楽部の奏者たちも頑張りました。日本は、知る人ぞ知る「吹奏楽大国」なのです。10月に全国大会が行われる全日本吹奏楽コンクールは、1940年に大阪で第一回が開かれた歴史のある大会です。昨年は、約1万団体が参加したそうです。高校野球では、地方大会に3500チームが参加しましたが、吹奏楽の高校の部は3000団体が参加していますので、まさに、この大会は「吹奏楽の甲子園」です。

 

私の長女と次女は、中学時代は吹奏楽部でトロンボーンを担当していました。二人ともに、関東大会まで勝ち上がったので、父親は親バカを発揮して、応援に駆けつけました。娘たちの母校が、昨年は全国大会に出場したそうで、なんだかうれしい気分です。

 

日本に吹奏楽に似た形態が伝わったのは、1853年の黒船来航までさかのぼります。その後、イギリス陸軍の軍楽隊長フェントンが、1869年に指導を始めた薩摩藩士の軍楽隊が、国内初の吹奏楽団とされています。

 

第二次世界大戦では、軍楽隊は戦意高揚に一役買うことになったそうです。1947年に学制改革で新制中学校が誕生すると、次々と吹奏楽部が新設されます。国民体育大会や高校野球を盛り上げる役割も果たしました。1970年頃は、約3000だった団体数は、近年は1万4000前後で推移しているようです。

 

ところが、学校の部活動が危機に瀕しているようです。指導者は、専門性が求められますので、人材育成が難しくなっています。また、楽器の購入や練習場所の確保なども課題だそうです。私の娘たちの時は、PTAの予算から、部活動支援のお金が支出されていましたが、「どうして、部活にPTAの金が使われるの?」という声が高まっているのかもしれませんね。

 

演奏を聴いて、その内容やレベルまではわからない私ですが、吹奏楽部の文化は、子どもたちの中で、しっかりと育まれて欲しいですね。

2023年

9月

14日

「規格外」のバナナを売る

月曜日から始まった寺子屋園児の運動会の練習では、残暑の中、子どもたちは本当によく頑張りました。30メートル走、サーキットレース、紅白対抗リレー、つな引きと、勝敗がつく競技の練習が中心だったので、「負けないぞ!」の闘争心に火がつきました。同時に、「勝った人が偉くて、負けた人がダメではない。一番偉いのは、最後まであきらめないで頑張った人」とう考えも浸透していきました。運動能力の差は、どうしても埋められないものですので、「どうせ勝てない」ではなくて、「勝てなかったけど、頑張って走った」という気持ちに子どもたちをもっていかないといけません。

 

運動会まで、練習は、まだ1か月もありますので、子どもたちが楽しんで練習に取り組み、やる気と自信を高めていきたいと考えます。

 

さて、最近では食品ロスを減らすために、企業も様々な取り組みを行っていますね。もちろん、私たち消費者も意識が高まっています。牛乳を古い日付けのものから買うのも当たり前になってきました。

 

今日は、「バナナ」の話です。5歳男の子が「そんなバナナ!?」と昭和おやじギャグ連発しています。(笑)

 

青果物大手の「ドール」は、「もったいないバナナプロジェクト」を展開しています。もったいないバナナとは、傷があったり、形などが規格に合わなかったりして、廃棄されていたバナナです。2021年にスタートし、今では30社以上が協力しているそうです。

 

例えば、街のジューススタンドに「もったいないバナナ」を提供し、バナナジュースを販売してもらう。また、洋菓子メーカーには、アイスクリームの原料に使ってもらう。などの取り組みです。これまでに、450万本以上のバナナを廃棄から救出したそうです。

 

「規格外」という言葉は、今までならマイナスのイメージが強かったですが、ジュースもアイスクリームも味に変わりはありません。ジューススタンドも「当店のバナナは、もったいないバナナを使用しています」とうたうと、お客様は、「食品ロス削減に貢献した」と感じるようです。時代も進みました。

 

バナナは、主にフィリピンなどから緑色の状態で輸入して、国内で熟成さて、甘く黄色くなってから販売されます。ところが、輸入前に規格外を理由に産地で埋め立て廃棄されるグリーンバナナは、ドールの取り扱いだけで年間2万トンもあるそうです。特に日本は、見た目や形などの規格が厳しいそうです。

 

グリーンバナナは、電子レンジで加熱するとジャガイモのようなほくほく食感になるそうです。料理として、みそ汁やカレーの具材によく合います。あるスーパーでは、積極的にグリーンバナナを食べ方の紹介と合わせて販売しているそうです。

 

「もったいない」の取り組みは、あらゆる食品で行われていますが、今日は、そんなに、バナナが捨てられているなんて・・・「そんなバナナ!」な話でした。(失礼)

2023年

9月

13日

高校生がアプリ起業

昨日の寺子屋で、毎年恒例の「ハロウィーンツリー」を完成させました。ハロウィーンが終わると、そのままクリスマスツリーに変身します。もちろん、世の中にはハロウィーンツリーは存在しませんので、世界でただ一つだけのツリーが、ホワイトきゃんばす入口を賑わせています。教室内もジャックオランタンがにらみをきかせ、保育園にある仮想の衣装を子どもたちに開放します。朝から、エルサ・白雪姫などのお姫様や、カボチャ君、ピエロ、チアダンス衣装、魔女、海賊、マスクマン等々、仮装した子どもたちのかわいい姿でいっぱいです。

 

ハロウィーンパレードは、まだまだ先の10月31日ですが、園児の中には「私は、ハロウィーンパレードで○○になるの・・・」と準備が進んでいる子もいるようです。その前に、運動会が10月21日にあります。今日は、運動会で披露するダンスの練習が始まりました。寺子屋園児は、残暑の中、西文ひろばグランドで、30メートル走・サーキットレース・紅白対抗リレーの練習を行い、ライバル心で、火花バチバチで頑張っています。

 

さて、一般的に、日本は諸外国に比べ、企業への意識が低いとされています。経済産業省の資料によると、新規参入の割合を示す「開業率」は、近年4~5%台で推移し、10%前後の欧米先進国に大きく水をあけられています。

 

そんな中、8月下旬に金沢市で「高校生のためのアプリ開発サマースクール」が行われたそうです。高校2年の川本れんさんは、「手ぶらで旅行ができたらどんなに楽か。外国人観光客にも使ってもらいたい」と考え「旅先で必要なものをレンタルできるアプリ」を考えます。

 

スーツや洋服、洗面用具などすべてレンタル可能にすることで、旅行中の負担軽減につなげます。外国人観光客を意識し、アプリ画面のトップページには桜の花びらなどを施し、日本らしさをアピールします。覚えやすく愛着を持ってもらえそうと、アプリの名前は、「旅」と「借りる」を合わせ「たびかり」としました。川本さんは、どんなレンタル品の需要が高いか、市場調査をしていくと、意欲を見せます。

 

もちろん、アプリ開発サマースクールでは、単にアプリを作るだけでなく、収益につなげるコツも教えます。講師は、「自分の住む地域にどんな課題があり、どう解決につなげ、ビジネス化できるか。身近なところから発想力を磨き、起業家を目指してほしい」とエールを送ります。

 

私が、高校生の頃には、「起業する」という発想は、これっぽっちもありませんでした。現代の若者は、例え、すぐに起業に結びつかなくても、起業を考えることで得られる知識や経験は、民間企業に就職しても、公務員になっても、必ず役に立ちます。

 

自分をモノゴトの真ん中において、真剣に起業を考える若者が一人でも多く誕生してもらいたいですね。そのためには、「失敗を恐れるな!」と、私たち大人は、若者に言い続けることですね。

2023年

9月

12日

「アプリ婚」は当たり前

今日も暑い!クラッシュ氷を発泡スチロールの箱に詰めて、運動会の練習をしました。カラー帽子の中に氷を入れて、「冷たくて~気持ちいい~」と言いながら子どもたちは頑張りました。30メートル走で子どもたちは熱くなるので、「勝った人がすごいわけじゃないよ。負けた人がだめでもない。一番偉いのは、最後まであきらめないで頑張った人!」を最初に念押しして、今日も30メートルの練習です。

 

さて、「アプリで出会って、結婚しました」そんなカップルが珍しくなくなった今、リクルートの調査では、2021年の婚姻者のうち、婚活サービスを利用して結婚した人は、15.1%だそうです。その中でも、ネット系サービス(マッチングアプリなど)が、4割を超えて、最も多かったそうです。

 

私の両親は、お見合い結婚でした。マッチングアプリは重なる部分もありますが、人が介在するお見合いは、断りづらい。それに比べて、アプリは気楽だといいます。

 

調査数字では、結婚・恋愛意欲のある独身者で、婚活サービスを利用して恋人ができた割合は45.1%で、過去最高を更新したそうです。また、結婚した人の34.1%に婚活サービスの利用経験があるようです。実際に結婚した人のエピソードを耳にする機会が増えて、データ上にも前向きな数字が並びます。

 

しかし、トータルでの婚姻数の減少は、日本の大きな問題でもあり、このまま出生率の低下に直結するからです。ますます、日本の未来は、少子高齢化&人口減となるのです。

 

専門家によると、「以前よりも今は、パートナーを見つけることが格段に難しくなっていると感じます。共働きが一般化し、経済状況の変化で女性にも学歴と収入が求められるようになり、男性には家事・育児能力が求める条件に加わりました。条件が増えるほどに、相手は見つからなくなる」といいます。

 

確かに・・・保育園のパパたちの多くは、子どもの送り迎えを分担していますし、料理も得意というパパはたくさんいます。

 

また、別の評論家は「行動経済学の原理でも、選択肢が多いと人は迷います」と断言します。「いまや婚活している男性の多くは、女性にも一定の経済力を求め、一方の女性は男性に家事・育児能力を求める時代です。ところが、目の前の相手には従来の『恋愛力』を求めてしまうから、うまくいかない」のだそうです。

 

う~ん・・・昭和のおやじ世代は、やっぱり、「結婚って『恋愛の延長』なんじゃないの!」と言いたくなってしまいますが、「恋愛結婚の終焉」という本まで、発表されるのが、今の時代なのです。

 

草食系男子という言葉が使われてから20年近く経過しました。その世代が30代後半から40代。その後、恋愛を面倒と考える若者も増えてきました。

 

そう考えると、結婚には恋愛ではなく、結婚する条件をマッチングアプリのように選択して考えることが大切な時代になったのか・・・・それも、時代の流れというのでしょうか。昭和おやじは、「まず、恋愛でしょ・・・」とすぐに考えてしまいますが。(笑)

2023年

9月

11日

中6日

今日の連絡ノートには、土曜日の秋まつりのコメントがびっしりです。入園時は、みこしですら担げなかった我が子が、今では、「わっしょい!」の掛け声が出て、お店屋さんの「いらっしゃいませ!」も大きな声で言えている。成長を感じるシーンだったというコメントには、親の深い愛情を感じます。

 

そして、今日から運動会を行う「西文ひろば」へ寺子屋園児は通います。運動会の練習が始まりました。まずは、グランドに生えている雑草を子どもたち全員で抜いて整備しました。走りまわって、何もしない年少園児もいますが、ごみ袋一杯集まって、フィールド内は、スッキリしました。いよいよ運動会モードへ突入です。

 

さて、昨日は、ラグビーワールドカップの日本戦を多くの人がテレビ観戦したと思います。ルールが、まだ完璧にはわかっていない人も多いでしょうが、あの迫力・・・興奮するスポーツですね。決勝トーナメントへ進み、ベスト4以上を期待したいですね。

 

今日は、野球の話です。「中6日」という言葉を聞いたら、ピーンときましたか。そうです。先発投手の次の当番日までの間隔の事です。現在のプロ野球先発投手は、この中6日が2/3を占めています。中7日以上開ける投手もいます。

 

1961年、私もまだ生まれていない時代に、元中日ドラゴンズの権藤投手は、年間の半分以上となる69試合に登板して35勝を挙げたのです。現代では考えられないですね。「投げすぎて潰れたわけではない」と言うものの、現役生活は、わずか8年で引退しています。当時、リーグは違いますが西鉄ライオンズの稲尾投手が大車輪の活躍を見せていたので「稲尾は完投した翌日も投げている。お前もそのつもりでいろ」と監督に、はっぱをかけられたと言います。当時は、たくさん投げて勝てば勲章と誰もが思っていたのでしょう。

 

時代が流れ、江川投手の時代には、中4日や5日が主流となります。そして、あの大投手が「サンデー兆治」と呼ばれるようになります。1983年に選手生命をかけて右ひじを手術して、奇跡の復活を果たした村田投手は、中6日で無理のない登板を続け、登板後のアイシングも村田投手が初めたそうです。

 

その後、先発投手の登板間隔だけでなく、先発・中継ぎ・抑えの分業制も進んで、投手の選手生命が長く維持できるようになってきたのです。

 

こうなると、先発投手は年間25試合程度の登板となり、20勝投手が現われることが極端に少なくなっていくのでしょうが、スポーツの世界では、「故障のリスクを避けて、1年でも長く現役を続けてほしい」と願うファンが主流になってきたのかもしれません。

 

そう考えると、大谷選手は、化け物ですね。

2023年

9月

10日

令和5年度 秋まつり つづき

秋まつりのスタートは、「子どもみこし・・・わっしょい!」です。二基のみこしを子どもたちの「わっしょい・わっしょい」の掛け声で担ぎます。パパママたちのカメラが、一緒に動きます。実は、事前に1回だけみこしを担ぐ練習をしました。練習では、初めてのことだったので、力弱く声も小さかったのですが、本番は大成功です。

 

踊りは、「ゆずのスマイル音頭」に「ジャンボリーミッキー」です。卒園児の小学生も、運動会やクリスマス発表会などで披露した曲ですので、一緒に踊ります。丸くなった子どもたちを囲むように、パパママたちが見守ります。目の前にママがいると泣いてしまう小さい園児もいますが、ジャンボリーミッキーの曲がかかると、ノリノリで踊りだします。ディズニーランドで、本物のミッキーマウスの前で、ジャンボリーミッキーを踊った、小学2年になった男の子も久しぶりにダンス!です。(笑)

 

お店屋さんでは、お手伝いをした寺子屋1番2番の園児たちが大活躍です。「ゲーム」は、大行列となりました。目の前の妖怪たちに、ボールをぶつけて倒します。何度も並んで楽しむ子どもたちです。景品60個が、すべてなくなりました。

 

「カレー屋」は、100円でしっかりとおなかを満たすボリュームです。双子の年中女子が、ママに的確なアドバスをもらいながら、「看板娘」になっていました。こちらも、80杯完売です。

 

「フランクフルト屋」は、炭火焼がミソです。一人で、2本3本食べた園児もいたようです。ここでも、園児の声出しがばっちりでした。かわいい子どもたちの「いらっしゃいませ!」に、足が止まるパパママたちです。フランクフルトも用意した160本完売しました。

 

3つのお店屋さんの売上は、ざっと20,000円です。このお金は、子どもたちのために、使うのですが、今年も子どもたちと一緒に決めたいと思います。そして、お店屋を手伝ってくれた園児の保護者も一緒に頑張ってもらいました。ゲーム屋さんに突如現れたスズメバチ・・・これを網でさっとすくって、大空に逃がしたパパは、まさにヒーローです。

 

テーブル席では、親子でカレーやフランクフルトをおいしく食べるシーンや、ゲーム屋の景品に歓喜する子どもたちや、ママ友たちのおしゃべりがはずむ光景もあって、のんびりと楽しい時間を過ごしていただいたようです。

 

そして、卒園児が17名も集合してくれました。今年、中学生になった2人も応援に駆けつけてくれました。保育園を卒園して6年が過ぎても、こうして足を運んでくれるのは、うれしいですね。

 

私は、ビデを回しながら、保護者たちが、みんな笑っていることに感動しました。池のカメを親子で観察したり、タイヤアスレチックでは、多くの子どもたちが遊んでいました。ゲーム屋に並ぶ行列にもビックリです。片付けも、保護者の皆様が、率先して手伝ってくれました。ありがたいですね。

 

コロナ禍でも秋まつりはずっと続けてきましたが、今回は4年ぶりの「飲食のお店」が再開できました。食べて笑って、子どもたちも、保護者の皆様たちもほっこりした時間を過ごしていただいたようです。

 

今年の秋まつりに関わっていただいた、すべての皆様に感謝申し上げます。大成功の秋まつりとなりました。ありがとうございました。

2023年

9月

09日

令和5年度 秋まつり

「いらっしゃいませ!・・・1本50円です」と自主練習があったり、「秋まつり…楽しみだね」と、子どもたちが心待ちにしていた秋まつりの日となりました。

 

スタートは午後3時からです。朝から登園している園児と小学生で、通常の外遊びで屋上に到着すると、雨が降っていました。「秋まつり大丈夫かな?」と子どもたちは心配顔です。「よし・・・教室に戻って、てるてる坊主を作ろう!となり、完成したてるてる坊主は、保育園の入り口に飾られました。

 

しかし、午前中はずっと雨となり、秋まつりの準備がなかなか進みません。しかし、子どもたちの祈りが通じて、雨がやみました。ここからは、小学生3人が大活躍です。給食を食べ終わると、園長と一緒に会場設営に汗をかきました。水たまりをワイパーモップで広げてなくしていきます。ござやビニールシートを敷いて机を置き、お店屋さんのセッティングもしました。フランクフルトは、炭火焼ですので、火起こしも手伝いました。うちわと火吹き棒を使って、炭に火が入ります。タイヤアスレチックも小4の男子が、レイアウトを完成させました。秋まつりの間は、多くの子どもたちが、バランスをとりながら楽しんでいました。

 

今回は、午前中が雨となってしまったので、短時間での設営に卒園児の頑張りがあったのです。

 

そして、会場入り口の装飾は、秋田の竿灯まつりを意識した演出です。寺子屋園児は、廃材工作の寺子屋の時間で、ぼんぼりを完成させ、ちびちゃんたちも、先生が手伝いながら、素敵なぼんぼりが出来上がりました。保護者の皆様は、まずは、我が子のぼんぼりの前で記念撮影です。

 

そして、屋上会場に入ると、「ゲーム屋」「カレー屋」「フランクフルト屋」が目の前に出店しています。左手には、「盆踊り」のサークルがあり、真ん中には「子どもみこし」が二基、ドーンと並んでいます。

 

浴衣姿の子どもたちの目が輝いています。そして、保護者の皆様も全員笑顔です。いよいよ、秋まつりのスタートです。

 

つづきは、あした・・・

2023年

9月

08日

ころころするからだ

 昨日自転車の乗れるようになった、年中の新人は、今日が初めての体操教室です。ここで、他の年中園児が、先生に言われるまでもなく、「こーして・・・あーして」と教えていました。「困っている人がいれば助ける」・・・とてもいい姿でした。

 

さて、今日は医師の稲葉俊郎さんが、未来へ託す書として、したためた一冊「ころころするからだ」を紹介します。副題に「この世界で生きていくために考える『いのち』のこと」とあります。この本は、いのちと真摯に向き合ってきた医師が、さまざまな角度から人間のいのちのことを語っています。

 

この本の中でも、「いのち」と医療について書かれた1章が圧巻ですので一緒に読んでみることにします。

 

「医療(教育)は、それぞれが持ついのちの力が最も発揮できる場を整え、手助けをする役目ともいえる。誰もが共にいのちを持ち、誰もが弱い時期を経て生き残っているいるという共通の思いこそが医療(教育)の土台にあるのだと思う。私たちは皆、赤ん坊だった。生まれてすぐ、誰かに助けられなと生きていけない存在であった。多くの人のお世話になって、やっと今がある。目の前の子どもたちも皆そうなのだ。

 

この世界には多様な人がいる。人は誰もが弱者として人生が始まり、愛の体験により生かされていのちを永らえることができる。だからこそ、この世界には強いものだけでなく、弱いものが必ず必要だ。一回しかない生を、一度しかない今を、『いのちってそういうもんなんだ』と知りながら生きたい」

 

いよいよ明日は秋まつりです。明日には台風が去り、晴天になる予報です。お店屋さんで、一生懸命声出しやお手伝いをする我が子を見るだけで、親の気持ちは、成長を感じ、愛にあふれることでしょう。

 

そんな、我が子の「いのち」を見つめる保護者の皆様の姿も、明日はしっかりと見ることにします。

2023年

9月

07日

小学校で学年担任制

昨日入園した、4歳年中の男の子が、本日自転車に乗れるようになりました。お迎えのママは、驚きのあまり言葉が出ませんでした。おうちでは、ストライダーがあるだけで、自転車の練習などしたことがなかったとのこと。卒園児の保護者の会社で働くことになったママの4歳と0歳の男の子2人を預かることになりました。4歳の男の子は、すでに自分で自転車をスタートできるようになりました。他の年中園児7人は、とっくに自転車に乗れるのですが、今日は、新たなメンバーに対して「なかなかやるじゃん!」というエールを送っていました。

 

運動能力が高い彼が、今後、運動会の練習を通じて、年中園児に刺激を与えて、ライバル心をあおってくれるかもしれません。楽しみになってきました。

 

さて、音楽や理科といった専門的な授業において、小学校高学年では、すでにかなり前から、教科担任制が行われています。それが、算数や国語といった一般的な教科についても、全国的に小学校での教科担任制は進んでいます。通常の担任制と比べて、どちらがいいとか悪いとかは、一概に決められませんが、子どもにとって、多くの大人とのかかわりが、様々な可能性を引き出すように、教科別の先生なら、多くの先生の授業を受けることになります。効果があるので、増えているのが実態ですね。

 

東京都港区にある白金小学校では、さらに進んだ取り組むを行っているそうです。それが「学年担任制」です。5・6年の高学年で、従来の1組の担任○○先生、2組の担任◇◇先生、3組の担任△△先生という概念がなく、5・6年生の先生チームとしての配置となっています。1週間ごとに、各学級の担任が交代し、学年の全教員で学年の子どもたちに関わっていきます。その結果、学級間の偏りが減り、いわゆる学級崩壊をふせぐことができているそうです。

 

先生側から見ても、学年すべての児童の情報を手に入れることができます。5・6年の担任が合計6人なら、6人の先生が児童一人を見ることになります。A先生が気がつかないことをB先生が見ているかもしれません。担任一人なら、一人の児童への見方が固定してしまいがちですが、6人なら、多くの長所が発見できますね。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、異年齢保育ですので、すべての先生がすべての園児を見ています。先生たちは、金太郎飴ではないので、園児の話になると、園長の私が気がつかないことも出てきます。一人の園児を多角的にみることにつながりますね。

 

白金小学校のような取り組みを校長が決断するには、強い気持ちが必要です。学校組織が新しい施策を行うには、保護者・地域からの要望への対応に苦慮し、変化を受け入れることができず、前年の取り組みを踏襲してしまう現状があります。学校に限らず、あなたが所属する組織はどうですか?波風を立てないように、毎年同じことを続けていませんか。

 

私たちは、ちょっとしたアイデアと少しの勇気で、これまでの概念から脱却し、よりよい組織を創ることができます。ほんの小さな所から始めてみませんか。

2023年

9月

06日

従業員エンゲージメント

屋上遊びは、曇りでも湿度が高く、子どもたちは汗びっしょりで遊んでいます。タイヤと板を使って、久しぶりにタイヤアスレチックを作りました。バランス感覚を鍛えます。朝顔の色水も子どもたちの楽しみになっています。朝顔は、「一日花」です。1日だけ花を開くと、午後にはしぼんで二度と開きません。色水で、別の花人生を送っているのです。

 

さて、今日は「従業員エンゲージメント」の話です。これは、主に欧米で広まった考え方で、企業が目指す姿を従業員が理解し貢献しようという意識を持つことだとされています。これが弱いと、生産性が落ちたり離職者が増える結果となるので、日本でも各企業が従業員エンゲージメントを上げる取り組みを行っています。

 

みずほファイナンシャルグループでは、毎週水曜日になると、職場にある飲料自動販売機に行列ができます。それは、二人同時に自販機に社員証をかざすと、無料で飲料がもらえる仕組みで、社員同士の親睦につながっているそうです。

 

ANAグループでは、スマホ専用のアプリを使って社員の「幸福度」を高める取り組みを始めたそうです。アプリが提示する「お題」に前向きな書き込みをすると、他の社員が応援のコメントを送ります。やり取りを通じて一体感が高まりより良いパフォーマンスにつながっているようです。

 

私がかつて勤務していた洋菓子メーカーでも、夏休みに「ファミリーデー」を設けていました。働くママパパの現場に子どもが訪問する取り組みです。仕事をしているパパママは、子どもには、とてもカッコよく映るようで、親のモチベーションもアップします。また、同僚や同じチームの仲間と我が子が触れ合うことは、とても有意義な時間ですね。

 

ある調査会社が「グローバル職場環境調査」を行い、「熱意ある従業員の割合」を国別に発表しました。アメリカ34%・インド33%が高い国です。世界の平均は23%にもかかわらず、日本は5%にとどまっています。調査した125か国では、下位層となっています。

 

世界の中では終身雇用の高い日本が、どうして従業員エンゲージメントが低いのか。不思議ですね。どうやら、採用や人事に一因があるようです。日本の企業は、職務を限定せず、新卒で一括採用してから、業務内容や勤務地などを決めることが多い。すると、キャリア形成の見通しを立てづらくなり、生活も犠牲になるので、仕事への熱意や貢献意欲が高まりにくいといわれています。

 

企業に勤務するあなた・・・あなたの「従業員エンゲージメント」は高いですか。自分の仕事を楽しくやりがいのある形にするのは、自分次第ですが、企業へ貢献しようという気持ちは、必ずしも正比例しませんね。あくまでも企業の論理かもしれませんが、従業員エンゲージメントを上手にアップさせることで、従業員の幸福度がアップするのなら、いい話なのかもしれませんね。

2023年

9月

05日

盗んで心の穴を埋める

今日は、まだまだ暑い屋上で、たくさんのことをしました。まずは、アメリカザリガニのおうちに乱入している「ウシガエル」の確保です。子どもたちが、池に誘導しました。また、秋まつりに向けて、踊りの練習と、おみこし「わっしょい!」をやってみます。みこしは、大きな声が大切です。まだまだ、祭りモードにはなっていませんが、本番が楽しみですね。

 

朝顔の色水作りは、子どもたちの楽しみの一つです。赤・ピンク・紫・青・白の花びらを数種類混ぜて、きれいな色水を作っていました。白の花びらは、色が出ないことを学びます。そして、久々に自転車に乗る子どもたちです。新しい自転車が入荷したので、争奪戦です。ホースの水を浴びて、汗と共にびっしょりの子どもたちです。(笑)

 

さて、「クラプトマニア」という言葉をご存じですか。犯罪とわかっていても、盗まずにはいられない・・・盗癖・盗症とも呼ばれます。万引きGメンとして勤務するある男性は、クラプトマニアを珍しくないとしながら、彼らの抱えた問題にこんな見解を示します。「窃盗は許容できませんが、加害者たちの話に耳を傾けると、その人なりの背景が見えてきます」と言います。

 

顔色の悪い初老の女性の万引き犯のケースでは、体調が悪そうなので注目していると、弁当をいくつも盗み始めました。女性は末期がんだと言い、「食べられないのはわかっているけど、盗むと健康だった頃に戻れる気がする」と話したそうです。

 

クレプトマニアは罪の意識が希薄だと言われています。いわゆる、目的をもった強盗犯のような窃盗とは違って、日常生活においてストレスが限界に達し、頭が何も考えられない状態になった時に、盗んだ瞬間だけ光明を感じると言われています。罪悪感を感じ、自己肯定感も下がり、日々の生活でストレスを補充してしまうのです。つまり、犯罪のイメージと異なり、もともと真面目で融通の利かない人こそ注意したい病気と専門家は語ります。

 

資本主義による競争社会では、「みんな平等」という建前を守るために、個人の行動を自己責任とする傾向があります。しかし、実際には発達障害などの生きづらさを抱えるがゆえに衝動性を我慢できない人や、さまざまな特性を抱えながら生きている人が大勢います。彼らは、日常生活において悩みを相談できずに、自分が何にストレスを抱えているのかわからないままに依存症に陥るのです。

 

法治国家の日本では、法律に違反すれば罰が与えられます。しかし、さらに深く考えれば、「万引きにしても薬物にしても、『犯罪だから』と厳罰を与えるのではなく、もっと具体的に生活をアシストしてあげる制度を整えることが必要だ」と、言われるようになってきました。罰するだけでなく、依存症からどう立ち直るようにするかが大事なのです。

 

どうですか・・・あなたなら、どう考えますか。

2023年

9月

04日

8050問題

屋上プールが終わって、屋上での自転車・三輪車遊びが始まるので、昨日は、自転車のタイヤに空気を入れたり、老朽化し役目を終えた自転車などを廃棄処分にしました。すると、タイミング良く、サイクルショップから3台の中古自転車をいただきました。お客様が、新しい自転車を買ったので、今まで使用していた自転車が廃棄扱いとなるからです。

 

いただいた3台の自転車は、ほぼ新品です。小学生が乗る大型自転車1台と、自転車の練習に最適なミニサイズ2台です。これで、まだ自転車免許証がもらえていない、寺子屋24人中で3人の練習にも力が入りそうです。(笑)

 

さて、ひきこもりというと、不登校の若者のイメージが大きいと思いますが、「8050問題」という言葉を知っていますか。80代の高齢になった親が、社会から引きこもった50代の子どもの生活を支える・・・という現実の問題です。

 

その原因は、個々で様々ではありますが、私の認識は、「仕事もろくにしないで、親の年金にすがって生きている、ダメな50代の子」という見方でした。ところが、逆のパターンが多いようです。

 

80代の親は、日本の戦後高度成長期を支えた人々です。「ひきこもり」が長期化するのは、「話し合えない家族」を親が作ってきたからといいます。「子どものひきこもりは、経済力があって養えるから、親にとっては大した問題になっていない。『家の恥』としてひた隠しにしてきたのが、長期化の原因だ」と専門家は語ります。具体的には、強い父親と夫から三歩下がって従う母親の姿です。夫が一方的に話し、最後に妻に「おまえ、何かあるか」と聞く。主従関係のような夫婦が多いと言います。

 

強い父は、自室にひきこもった息子に「おまえ、どうするんだ!いつまで甘えているんだ!いい加減にしろ!」と罵声を浴びせ、殴りかかる。社会から徹退せざるを得なかった息子の苦しみを考えもしない。「息子はどうしようもないから家にいるのに、どうすればいいかを考えるのではなく、頭ごなしに怒鳴ればなんとかなる、と父親は思っている」のです。

 

強い夫には、専業主婦という妻がいて、子どもが何かを言いたがっているのに、ちゃんとした料理を夫に作らないといけないと思う。「ちゃんとした料理」より「子どもの気持ち」が大事なのに、優先順位が間違っているのです。

 

専門家は「親を捨てろ」と言います。「親でいる限り、子どもは家族の一員であり、一個の人格ではない。親をおりないと、子は子の役割から逃れられない。立場や役割を手放し、お互いが個人に戻って初めて、個人と個人の対等な関係になる。そして、人として尊重されるという経験を、子どもは得ることができるのです」

 

どうですか、あなたのまわりに「8050問題」はありますか。難しい問題ですが、どんな家庭でも「話し合えない家族」だけは、作りたくないですね。

2023年

9月

03日

特別展「海」ー生命のみなもとー

今日は、8月27日のおやじ園長のブログで紹介した、クラウドファンディングを行った国立科学博物館に行ってきました。特別展「海」が目的です。①海と生命のはじまり②海と生き物のつながり③海からのめぐみ④海と共存、そして未来へ の4つのストーリーで構成されています。

 

日曜日ということもあって、すごく混んでいました。ゆっくりと、展示内容を確認しながら進むのは困難と思ったので、奥の手の「音声ガイド」を使ったのです。あの「桝太一」さんがナレーションです。以前、日光東照宮で、音声ガイドを使うことで、より深い理解が得られたことがあったのですが、今回も大正解です。桝さんのわかりやすい解説もよかったですね。

 

そして、会場内は、すべてにおいて撮影OKです。これも時代の流れだと思いますが、昔は、美術館などでは、撮影NGがほとんどでしたが、インスタなどにアップしてもらうことで、宣伝にもなりますね。ちなみに、帰りに寄った、「国立西洋美術館」の常設展では、ほとんどの作品が撮影OKでした。あの「モネの睡蓮」だって、多くの人が、バチバチ写真を撮っていました。西洋美術館では、ここで所有している作品は、すべて撮影OKだそうです。

 

いきなり問題です。「海水1リットルには、どれくらいの塩が含まれていますか?」

海水浴で、海水を飲んでしまった経験がある人が多いと思います。私も何度も飲んでいますが、かなりしょっぱい気がしますが・・・大さじ2杯分の塩が含まれています。

 

今年の1月に、大阪湾に迷い込んだ「マッコウクジラ」の淀ちゃんを覚えていますか。このように、クジラやイルカ類が、海岸や川などに迷い込んだり、死体として打ち上げられることを「ストランディング」と言います。理由は様々ですが、淀ちゃんの場合は、群れからはぐれた子供ではなく、30歳を超えていました。最終的に、淀ちゃんは、深海に沈められたそうです。一頭分のクジラは、深海の微生物にとっては、数年分の栄養になるそうです。

 

常設展も含め、興味を持った内容は、まだまだたくさんありますが、時々、博物館に出かけるのもいいですね。すいているときに、じっくりと観たいですね。そうだ!子どもたちのお土産に「恐竜カルタ」を買ってしまいました。カルタブームは終わりませんね。(笑)

2023年

9月

02日

「男らしさ」を手放す

1週間後になった「秋まつり」ですが、今日登園した園児で、お店屋さんの「声だし」の練習をしてみました。「いらっしゃいませ…カレー屋さんです」「一杯100円です」「おいしいカレーはいかがですか」など、最初はヒントになるセールストークを子どもたちに教えて、真似でもいいので「声だし」をさせてみます。小学生もいたので、教室内がうるさくなりました。本番では、自分で考えたセールストークが言えたら、素晴らしいですね。

 

さて、あなたのまわりには、いまだに「男なんだから」を口癖にしてる人はいませんか。今日は、精神保健福祉士の斉藤彰佳(あきよし)さんが書いた「男尊女卑 依存症 社会」という本を紹介します。

 

斉藤さんが生まれ育った家庭は、非常に家父長的で男尊女卑の強いエリアだったそうです。長男として誕生したときに、祖父母は天皇陛下がいる方角に向かって万歳をしたのだと聞かされて育ったそうです。学生時代は、プロのサッカー選手を目指しブラジルに留学

したそうですが、両ひざの半月板損傷でプロの道をあきらめます。無気力の大学生活を送っていたそうです。

 

転機は、卒業旅行での沖縄一人旅です。飲み屋で酔いつぶれ、お金や荷物をすべて盗られたそうです。親にバレたくないと、警察にも行かずに3日間、公園のベンチに座っていたところを、ホームレスから声をかけられたそうです。サッカーでの挫折など弱い自分を話すことができたのです。日雇いバイトでお金をためて、東京に戻ると、「自分のふさわしい場所なんかない。自分の居場所は自分で作るしかない」と学んだそうです。

 

その後、現在勤務するクリニックに就職します。

 

アルコールや薬物、ギャンブル、DV、痴漢などの依存症になる人たちは、ワーカホリック(仕事中毒)傾向であることが多いといいます。男性は「男だから勝たねばならない」と追いつめられ、現実逃避として依存症になると言います。

 

この本では、「男らしさ」は、社会にはびこる男尊女卑の価値観、つまり男性優位社会にとらわれているからだと、様々なケースを通して明らかにしています。

 

私も含め、多くの男性は「男なんだから」とう思いにとらわれることが、正直あります。この言葉をモチベーションアップに使えるのであれば、いいのでしょうが、やはり「有害な男らしさ」が当てはまることが多いような気がします。

 

「男らしさ」「女らしさ」という言葉は、手放さないといけないかもしれません。

2023年

9月

01日

PCOP(ピーコップ)

昨夜の「お月様」は、本当に大きくて迫力がありましたね。スーパーブルームンと呼ばれるそうで、保育園の子どもたちの家庭でも、天体観測が行われたようです。今年度は、6月の社会科見学でさいたま市宇宙劇場・サマーキャンプでの天体観測など、宇宙を学ぶ機会が何度かありましたが、スーパーブルームンも子どもたちの好奇心をくすぐったようです。

 

さて、今日は、9月1日ですね。関東大震災から100年目となります。そして、もう一つ9月1日という日は、教育関係者にとっては、心配な日でもあります。2015年度版自殺対策白書には、約40年間を集計した「18歳以下の日別自殺者数」というグラフがあります。9月1日を挟んだ数日間、命を絶つ子どもが年間で最も多くなるのです。

 

NPO法人「ストップいじめ!ナビ」では、「心のAEDを準備して」と言います。そこで、「死にたい気持ちに対処するためのプラントとして作成したのが、PCOP(ピーコック)です。イメージとしては、消えたい・死にたいという気持ちから、実際の死に至るまでの間を食い止めるツールです。

 

まずは、紙と鉛筆を用意します。スマホやパソコンでも大丈夫です。以下の5つの項目をスマホサイズの小さな紙に書きだします。そして、いつでも見られるようにしておくのです。

 

①警告サイン(自分が危機的状況に陥るきっかけは?)

 眠れない・自傷行為をした・食欲がない

 

②セルフマネジメントの方法(体力がないときもできることを挙げておく)

 ゲームをする・漫画を読む・犬をなでる・推しの顔を思い浮かべる

 

③生きる理由(自殺を考えている時に生きる理由を思い出すのは難しいので書いておく)

 おばあちゃんや犬のマロンが悲しむから

 

④サポーター(思い出して心が和らぐ人など)

 おばあちゃん

 

⑤緊急連絡先(相談窓口や119など)

 よろそいホットライン 0120-279-338

 

このPCOPの元になったのは、米軍人の自殺対策として開発された「危機対応プラン」で、このプランを実施した兵士の自殺は、標準の治療を受けた兵士と比べて76%減少したそうです。

 

子どもの自殺リスクが見逃されてしまう理由は、死にたい気持ちが明確になるほど、助けを求めなくなる傾向が高くなり、周りが見えなくなってしまうからだそうです。大人側から手を差し伸べる必要があると言えます。

 

「心配しているけど、そっとしておく」という対応をしたがために、子どもの命が奪われているのが現状だそうです。そう考えると、大人がPCOPなどのツールを活用を促すことが大事になります。ただし、子どもが作ったPCOPに対して「コントロールしない、否定しない、問題を解決しようとしない」ことを意識するのが大切とのこと。

 

難しい問題ですが、何をおいても、子どもの命を守る・・・これが一番であることは、間違いありません。