2023年

6月

10日

やっぱり売れた「だけ弁当」

今日は、卒園児でこの4月に中学生になった女子が、保育園のお手伝いに来てくれました。年中の双子の姉妹は、お姉ちゃん先生に甘えっぱなしです。自分が1歳の頃に、よく遊んでもらっていたので、今日もデレデレです。

 

中学1年になった彼女は、持久走大会では学年1位になったそうで、バレーボール部で活躍中です。保育園時代は、コミュニケーション能力とリーダーシップに長けていましたが、いつの間にか体育会系女子になっていました。学業もなかなかなもので、人権問題の作文では、中学校を代表して表彰されたそうです。これから、たまに、保育園の土曜日を盛り上げてもらいます。

 

さて、ローソンストア100をご存じですか。時々街角で見かけますね。そこで、たった200円の大ヒット弁当があるのを知っていますか。その名は「だけ弁当」です。おかずが1種類だけの弁当です。

 

弁当と言えば、見栄えの良さや品数の多さが重視されがちですが、この商品を企画した林さんは、「ウインナーとかミートボールとか卵焼きとか。とってもおいしいのになぜかメインじゃないですよね。でも好きなおかずだけを思う存分食べたい人もいると思ったんです」と発想します。

 

しかし、商品部に企画を持ち込むも答えはNO。「売れるわけがない」「見た目が悪い」と前向きな意見は1つもよせられなかったそうです。何度却下されても諦めなかったのが林さんです。もう一つ、本体価格を200円にすることも難しい問題だったそうです。ウインナーだったら5本入れることだけは絶対譲れない条件だったそうで、最後は、商品部も根負けです。

 

忘れもしない2021年6月30日。初めて店頭に、おかずがウインナーだけの弁当が並びました。あっという間にSNSをにぎわせ、累計販売数は約166万食(3月末時点)になったそうです。

 

林さんは「絶対売れる自信があったんですが、やっぱり売れちゃいました」と豪快に笑います。「ウインナー弁用」に続いて、「ミートボール弁当」「海苔磯辺揚弁当」「白身フライ弁当」「卵焼き弁当」と新商品が販売されて、次は「チキンナゲット弁当」が発売されるそうです。

 

「現場が楽しくないと商品は売れません。現場の声をとにかく聞いて、売りたいと思ってくれる環境をつくることが私の使命です」と林さんは言います。コンビニの商品開発の手法は、様々なアプローチがあるのでしょうが、このようなアナログで、泥くさい感じが、私は大好きです。長続きしてもらいたいですね。

2023年

6月

09日

おひとり様で暮らせますか?

昨日の明治製菓坂戸工場の見学を終えて、多くの園児が、ママやパパにチョコレートに関する問題を出したようです。「アポロチョコレートは、イチゴチョコと茶色のチョコのどちらを先に入れるか?」「ミルク・ブラック・ハイミルク板チョコで、一番多く砂糖を使っているのはどれ?」といった感じです。お菓子売場での子どもたちの解説が楽しみですね。

 

さて、突然ですが、2022年度の厚生労働省「離婚に関する統計」では、離婚した夫婦の同居期間が「20年以上」の割合は、約70年間上昇傾向にあって、2020年では、離婚全体の21.5%です。いわゆる熟年離婚が、5組に1組ということになっているのです。子どもがいる家庭なら、子育てがひと段落したタイミングですね。

 

夫婦・カップル間のカウンセリングを主に行っている公認心理師の潮さんは、「人生は長い。子育てがひと段落したら、あえて離れて過ごす時間を作りませんか、と勧めることがあります。『半日婚』や『卒婚』と呼んだりもします」と言います。

 

どんなに、仲がいい夫婦でも、必ずどちらかが先に亡くなり、1人の生活になります。依存度が高いと、老後一人になった時に立ち直れずに、うつ病などになってしまうこともあるので、1人で生きていく術を身に付けておいた方がいいという考えです。

 

具体的には、自分だけの時間やスペースを持つことです。可能であれば、経済も分ける。休日は、朝昼は別々に、夕食だけ一緒にする。共通の趣味があるに越したことはないですが、それとは別に自分だけが没頭できるものを見つける。そうすれば、新たな人間関係が構築される。

 

世の中を見渡すと、たいがい夫が妻に依存しているケースが多いですね。女性は、コミュニケーション能力があって、同じ趣味のサークルやスポーツクラブなどで、どんどん人脈を広げていくのに対し、男性は、定年退職後「何もすることがない」となることが多いのです。

 

夫婦のどちらかが、先立たれてしまった時には、「おひとり様」生活を余儀なくされますが、やっぱり、熟年離婚よりも、夫婦二人でこの先もハッピーに過ごしていきたいものですね。

 

「パートナーは一番近い赤の他人」と考えると、「私の気持ち察してよ」じゃダメですね。自分が何をうれしく、楽しく感じているか、言葉で伝えることが大切です。どちらかというと、マイナスに受け止められる「ぶりっこ」「猫撫で声」も、加齢で体力も気力も落ちてくれば、笑顔で人に頼り、やってもらうことを増やすことが必要です。

 

長い夫婦生活を送っていると、恥ずかしくて言えないのですが、「ありがとう」の感謝の気持ちが大切です。ハッピーになりたければ、自分が笑顔で接する。ご機嫌な毎日を過ごしていると、相手もご機嫌になり、家庭が居心地の良い場所になっていくのです。

 

はい。結婚生活30年を超えたおやじ園長ですが、今述べたことは、全くできていません。猛反省して、少しでもハッピーな老後が過ごせるように、努力しないと・・・。

2023年

6月

08日

明治製菓工場見学

昨年6月の「ロッテ浦和工場」、今年2月の「グリコ北本工場」に続いて、お菓子の工場見学第3弾は、「明治坂戸工場」です。年長・年中園児19名を連れて行ってきました。埼玉県内に、保育園の子どもたちが見学できるお菓子工場がいくつかあります。

 

社会科見学では、防災センターや造幣局にも行きましたが、子どもたちの「わくわく感」が一番大きいのがお菓子工場のようです。保育園からマイクロバスに乗って、ざっと1時間・・・明治製菓坂戸工場に到着しました。子どもたちを「カールおじさん」が出迎えてくれました。

 

ご存じのように、東日本でのカールは、この坂戸工場で製造していましたが、今は西日本のみでの販売となっています。それでも、明治の象徴は「カールおじさん」ですね。まずは、記念撮影です。

 

坂戸工場は、ざっと、東京ドーム2個分の広い工場です。そこで900人の従業員が働いています。ラインで作業をしながら、子どもたちに笑顔で手を振ってくれました。好感度アップです。(笑)

 

明治の板チョコ(ミルク・ブラック・ハイミルク)・チョコレート効果・ブッカチョコレート・アポロ・ツインクル・果汁グミ・リッチチョコサンドを坂戸工場では生産しています。「アポロ」は、全国でも坂戸工場のみでの生産です。アポロの見学ラインは、まるで宇宙船で月に向かっているような演出でした。

 

アポロ11号が月面着陸した、1969年に、この「アポロ」が発売されたそうです。もう54年も続くロングセラー商品です。あの三角すいの形で子どもの頃から親しんできた商品ですね。最初にイチゴチョコを充填し、冷やしてからミルクチョコレートを流します。17メートルの冷蔵ラインを温度を変えて流れてきます。トレーを逆さにして、ハンマーでたたいで、アポロが出てきます。途中、機械による金属チェックと、目視チェックで、不良品が出ないようにしていました。

 

板チョコのラインは、シンプルですが、カカオ豆からチョコレートになるまでの勉強ができました。砂糖が一番多く使われているのが「ブラック」だそうです。ミルクを使わないので、ミルクやハイミルクよりも砂糖が多いそうです。

 

卵型の空洞チョコの中に、金平糖やミニチョコなどが入った「ツインクル」は、おまけのシールが人気のお菓子です。工場の従業員が、全員ヘッドホンをつけています。これは、工場内は機械の騒音があるので、健康面を考慮しての対応だそうです。音楽を聴いているわけではありません。

 

とかく、親にとっては、「お菓子」は敵になる食べ物ですが、こうして、工場見学を通じて「学び」があると、買い物をする時の子どもたちの着眼点が変わってきますね。

 

バスの中でのおしゃべりも、ママが作ってくれたお弁当タイムも合わせて、今日は、素敵な一日となりました。年長園児とちびちゃんたち・・・お留守番ありがとう!

2023年

6月

07日

「じぇじぇじぇ」再び・・・

昨日の寺子屋で、クワガタの観察をしました。親子遠足で行った、北本自然観察公園の自然観察指導員は、「そろそろカブトムシが顔を出すかも?」と言っていましたが、まだ、採集できたのは「コクワガタ」だけです。

 

それでも、子どもたちは、クワガタなのに「カブトムシだ!」なんて間違えながら、今シーズン初のクワガタに大興奮です。最初は怖がる園児も、だんだん慣れてきて、ほとんどの子が手のひらに乗せることが出来ました。おうちでは、どや顔で自慢していたそうです。今日も朝からクワガタ観察です。6歳女の子が、大人のようにクワガタを持って、他の園児に見せていました。カブトムシの反応が楽しみですね。

 

さて、知っていましたか?2013年に放送されたNKK連続テレビ小説「あまちゃん」が、再放送されています。東京になじめない女子高生の天野アキが、母(小泉今日子)の故郷太平洋に面した岩手県久慈市をモデルにした架空の町「北三陸市」を訪れます。そこで、祖母夏(宮本信子)に憧れ、海女(あま)を目指し、やがてご当地アイドルになり、東日本大震災からの復興に奮闘する物語です。

 

驚いた時に使う方言「じぇじぇじぇ」が流行語になり、ロケ地巡りの「聖地巡礼」が始まり、放送終了後には「あまロス」なる言葉まで生まれるなど、社会現象を巻き起こしました。私も再放送を見ていますが、話の展開がわかっているのに、ドキドキしながらアキを見守っています。(笑)

 

あまちゃんからもらうのは、やっぱり「元気」ですね。頑張れば報われる。明日に向かって進もうというのが、この物語のテーマです。アキは、悩んだり壁にぶつかったりしますが、常に前を向いて乗り越えていく。その姿が、今の時代を生きる私たちに元気を与えてくれます。

 

ドラマでは、「北三陸鉄道」という名の、三陸鉄道では、あまちゃんをイメージしたラッピング列車が登場しました。三陸鉄道を応援するあまちゃんファンが、クラウドファンディングで全国から資金を募り、目標額を上回る791万円を集め実現したそうです。

 

コロナ禍と燃料費高騰で、赤字経営を続ける三陸鉄道は、「じぇじぇじぇ」再び・・・で、また元気になるのでしょう。今年のゴールデンウイークの収入は、前年121%となったそうです。

 

再放送では、まもなく3・11を迎えます。東日本大震災から2年後にできたこのドラマですが、「東北がんばれ!」の象徴として、再放送を通じて「あの日を忘れてはいけない!」というメッセージにもなっているような気がします。

 

もちろん、最終回まで見続けますよ。

2023年

6月

06日

図書館は古い本ばかり

昨日屋上で食べたビワの種をおうちに持って帰って、庭に埋めた園児がいました。子ども心がわかりますね。もちろん、芽は出てきます。うまくいけば、数年後には、庭にビワの実がなるかもしれません。我が家の庭にあるビワも、種をまいて勝手に大きくなりました。

 

そして、今日はファームの「長ネギ」を収穫しました。お土産にしたのですが、「みそ汁に入れるよ!」と食べる気満々の子どもたちです。子どもが嫌いな野菜の上位にランクインする長ネギですが、自分で収穫した野菜は別なのです。(笑)

 

さて、昨今の活字離れもあって、子どもたちの読書数は、大きく激減しているかと思いきや、どんでもありません。増加傾向にあるそうです。1993年は小学生(4~6年)の1か月間の平均読書冊数は6.4冊、中学生が1.7冊だったのに、2022年では、それぞれ13.2冊、4.7冊にまで急増しています。今年は、全ての学校に図書館の設置を義務づけた「学校図書館法」の公布から70年を迎えるそうです。

 

少し前までの、熊本市のある中学校では、2016年の熊本地震以降、図書予算が半減されたそうです。これによって、本の更新が進まず、蔵書1万1700冊のうち6600冊が、20年以上前の本だったそうです。様々な職業を紹介する「なるにはBOOKS」シリーズは、25年前の発行で、サッカー選手の紹介コーナーに並ぶ本は、約20年前の「ジーコ・ジャパン」のメンバーで止まっていました。文学作品も、宮沢賢治全集は茶色く変色し、誰も手に取りません。古い本ばかりだと図書館に来る気持ちまでもそがれてしまいますね。

 

しかし、国は蔵書数の目安を示し、22年~26年度予算では、総額約8500億円が、学校図書館に充てられるようになりました。本の購入だけでなく、新聞配置や学校司書配置も義務付けられました。

 

コロナ前に、保幼小の会議で、保育園近くの小学校の図書館司書と話をする機会がありました。その学校の図書館は、「どの本を子どもたちに読んでもらいたいか」が一目でわかるような、ディスプレイになっていたのです。私は思わず、司書の方に「どうして、本屋さんのような素敵な陳列なんですか?」と質問攻めです。彼女の本に対する愛情と子どもたちに読ませたい本が伝わってきました。

 

こんな取り組みが、日本の子どもたちの読書量を増やしているのかもしれません。デジタル社会へ進んでいく日本ですが、学校図書館という空間は、子どもたちにとって、本のぬくもりを感じる場所になっているのかもしれませんね。

2023年

6月

05日

猿まわし師の仕事

今日の連絡ノートには、土曜日の親子遠足の感想がびっしりです。初めて北本自然観察公園を経験する保護者は、ガイドの解説が新鮮だったようで、生き物や草花への興味が増したようです。

 

そして、今日は屋上のビワの実の初収穫です。子どもたちは、「甘くておいし~い!」と言いながら、口をモグモグさせていました。今週いっぱいは楽しめそうです。もう一つ、クサガメの産卵がありました。土の中の卵をビデオカメラで撮影できました。感動のシーンです。6月から7月にかけて、今年も産卵ラッシュとなりそうです。

 

さて、「猿まわし」という仕事をご存じですか。日本では、「日光猿軍団」が有名ですね。テレビにも出演しますが、基本は、おさるタウンというテーマパークで活躍しています。

 

ところが、中国では、猿まわしを生業とする人々は、なかり過酷な生活を送っているようです。中国での猿まわし師の大半は、河南省南陽市の人たちです。本職は農業ですが、毎年6月の麦の刈り入れと秋の収穫の時期を覗き、ほとんどの時間を猿を連れて渡り歩くそうです。冬には、温暖な南方へ行き、夏には涼しい北方へ。子の学費や嫁を迎えるお金を稼ぐためだそうです。

 

移動は、すべて列車の不法乗車です。停車中の貨物列車に猿と犬を連れてしのびこみ、積み荷にまぎれて眠る。貨物列車によっては、雨風に直接さらされ、コンテナに閉じ込められて餓死寸前までいったこともあるそうです。駅員に追われて、列車にひかれて命を失った同志もあるとのこと。

 

 

列車から降りても彼らに安住の場はなく、寝起きするのは橋の下や工事現場です。移動し続ける彼らを守ってくれる存在は何もなく、暴力や罵倒にやり返す術はなく、そっと立ち去るだけです。主食は、ゆでた麺。麺がゆだったら、自分たちより先に猿に食べさせます。猿が疲れたら背負ってやり、砂糖をとかした水を飲ませます。猿は、家族同然の存在なのです。

 

どうですか・・・なんだか、涙が出てきます。日本は何て平和な国なんだろうと思いますね。急激な成長を遂げている中国社会ですが、その裏には矛盾や腐敗の実態があるのでしょう。「猿まわし師」という仕事の実態は、私たちの想像を超えたものなのです。

2023年

6月

04日

令和5年度親子遠足 つづき

お弁当は、公園内で食べる予定でしたが、朝まで雨が降っていたので、室内で食べることになりました。それでも、レジャーシートを敷いて、楽しいお弁当タイムです。園長は、ビデオカメラを回しながら、各ファミリーを巡回します。保育園では見られない素敵な家族の光景です。

 

早々に食べ終わった園児は、館内のビデオシアターで生き物クイズにチャレンジしました。「森の中で、生まれたばかりのヒナを見つけました。どうすればいいですか?」に、①エサをあげる②家に連れて帰って飼う③そのままほっとくの3つの選択に、子どもたちは、正解の③を選べません。子どもらしい優しい心ですね。

 

そして、午後の探検が始まりました。まずは、「カエル」探しです。雨上がりのぬかるみに、ぴょんぴょん跳ねる小さなカエルがいました。「ニホンアカガエル」の幼体です。名前の通り、赤茶色をしています。大きくなってもスリムでカッコいいカエルですが、絶滅危惧種に指定されています。

 

ニホンアカガエルで盛り上がっていると、なにやら、ヌルヌルと動く細長い生き物が現れました。そうです「マムシ」の赤ちゃんです。日本で一番有名な毒ヘビです。マムシは、大人だろうが、赤ちゃんだろうが、毒の量は同じだそうです。大人は、すぐにマムシから離れますが、子どもはじっと観察しています。「かわいい!」だそうです。

 

植物の勉強もしっかりやります。桐の木を見つけました。高級たんすとして有名な「桐だんす」の原料です。軽いだけでなく、薄く削って補修をすれば100年持ちます。昔は、女の子が生まれると庭に桐を植えました。そして、お嫁に行くときに、庭の桐で作ったたんすを嫁入り道具としたそうです。はい、昭和の話ですね。

 

朴(ほう)の大木がありました。この大きな葉を使った「朴葉味噌(ほうばみそ)」は、飛騨地方の郷土料理です。自家製の味噌に、薬味やキノコなどを混ぜて、朴葉で巻いて焼きます。それをご飯に乗せて食べるのですが、ごはんが、どんどん進みます。

 

山ウドの葉は、レモンのような柑橘系のいい匂いがします。ウドは、てんぷらや味噌和えで食べるとおいしいですが、葉を見るのは、私は初めてでした。すると、森の中に、野生のキジを発見・・・紫色の羽があったので、オスのキジです。「みんな~キジがあそこにいるよ!」と言ったとたんに、森の中に逃げてしまいました。

 

1つの根から分かれてまとまって群生する「ススキ」と、独立した根で群生する「おぎ」と、水辺に群生する「葦(よし)」の違いを学び、「カノコガ」という美しい蛾を観察しました。観察センターの入口で、絹糸を作る「蚕(かいこ)」を飼っていたのですが、蚕が成虫した白い蛾ををカラフルにした感じです。

 

午後は、お日様も顔を出して、自然の里山探検を満喫することができました。森の中を歩くだけでも森林浴で気持ちがいいものですが、自然学習指導員の皆様の豊富な知識からくる解説を聴きながら散策すると、生き物や植物がとても身近に感じることが出来ました。親子一緒に楽しめた、大満足の遠足になりました。

 

保育園の子どもたちは、この遠足を経験して、屋上の野草や生き物に、これからも深くかかわっていくことでしょう。自然を感じて大きく成長してもらいます。

 

北本自然観察公園のスタッフの皆様、天気を心配しながら参加いただいた保護者の皆様、子どもたちの笑顔がいっぱいの遠足になりました。ありがとうございました。

2023年

6月

03日

令和5年度親子遠足

朝まで続いた強い雨が、子どもたちが探検に出る時間には上がりました。北本自然観察公園に子どもたちが家族と一緒に集合しました。今年度の親子遠足も、生き物や植物など、自然にかかわるたくさんのことを学ぶことが出来ました。雨上がりの自然公園には、様々な生き物が現れたのです。

 

かえる・かめ・へびの3チームに分かれて、それぞれ、自然観察指導員の解説付きの探検がスタートです。では、自然の素晴らしさを感じてください。

 

北本自然観察公園には、約100種類のクモがいます。さっそく「ハエトリグモ」を発見です。名前の通り、ハエなどの昆虫を食べて大きくなります。クモには、クモの巣を作るクモと作らないクモに大きく分かれます、ハエトリグモは、クモの巣は作らないでジャンプしながら移動し、ハエを捕まえます。また、クモの巣を作るクモには、毒グモがいないそうで、さわっても大丈夫です。すると、クモの巣に100匹ぐらいの赤ちゃんクモがいました。指導員が刺激すると、まさに「クモの巣を散らす」状況となり、一斉に赤ちゃんグモが散らばったのです。なかなか見られない光景です。

 

また、公園内には、年間通じて約50種類のトンボが見られます。今日は、シオカラトンボが飛んでいました。そして、今朝羽化したばかりのシオカラトンボを観察します。まだ、体の色が白くて上手に飛べません。子どもたちの目が輝きます。トンボは羽化してからは、数週間で死んでしまうと思っていましたが、誰もが知る「赤とんぼ」は、6月に羽化して、12月くらいまで生きるそうです。半年も空を飛んでいるのです。

 

あちこちに桑の木があり、子どもたちは「マルベリーだ!」と、すぐに桑の実を発見しました。屋上のマルベリーをさんざん食べたのに、今日もしっかり食べました。すると、木の枝に「ゼリーのような透明なかたまり」を発見します。子どもたちが触ると、ぬるぬるしていて気持ち悪いです。これが「キクラゲ」です。クラゲという名前ですが、キノコの仲間です。中華料理に使われますね。

 

エゴノキの実が、あと1か月くらいして、ドングリぐらいの大きさになると、500ミリリットルのペットボトルに水を入れ、エゴの実を3つほど入れてシェイクすると、石鹸水ができるそうです。無臭の自然の石鹸です。

 

クララというかわいい花をつけた1メートルほどの草木は、根や葉に「毒」があって、その毒を食べてしまうと「くらくらする」からクララと名前が付いたそうです。アルプスの少女ハイジとは関係ありません。

 

綺麗な緑色をした「コガネムシ」を、柳の木のあたりで、卒園児の小学生が見つけました。コガネムシとカナブンの違いを指導員が解説してくれます。また、カブトムシやクワガタは、クヌギやコナラよりも「柳の木」で多く見つかるそうです。そして、最近は温暖化の影響もあって、子どもたちが夏休みに入る前の、七夕頃が採集のピークだそうです。大きなオスのカブトムシは、この頃に出てきて、8月はメスが多くなるそうです。指導員は、昆虫博士のように色々なことを知っています。

 

葦(よし)の葉で、草笛を楽しみました。子どもたちが夢中になって、「ピーピー♬」と鳴らしています。また、保育園の屋上でも見られる「ドクダミ」ですが、花のまわりの白い葉が、通常は4枚ですが、アウトドア女子園児が、「幸せの5枚の白い葉のドクダミ」を見つけました。四葉のクローバーを見つけるよりも確率が低いそうです。

 

そして、雨上がりということもあり、あちこちで「カタツムリ」を発見しました。1本の木に5匹のカタツムリを見つけたときは圧巻です。

 

午前中の探検を終えた子どもたちは、生き生きとした顔で、好奇心いっぱいで帰ってきました。いよいよ、お楽しみのお弁当タイムです。

 

つづきは、あした・・・

2023年

6月

02日

目の見えない人は世界をどう見ているのか

今日は、先日屋上で採集した「ドクダミ」の乾燥が終わり、ついに、「ドクダミ茶」を子どもたちと作って、飲みました。乾燥したドクダミは、あの毒々しい匂いはありません。お湯に入れて、お茶にしていくと、ドクダミの香りが漂ってきます。そして、麦茶のように、茶色になっていきます。

 

少し冷まして、「飲みたい園児」ざっと20人と試飲しました。麦茶を飲みようにはいきません。体にいいという先入観があるので、大人は飲めますが、子どもたちは、渋い顔をしています。でも、二人の園児が「もう一杯!」と、お代わりをしました。冷蔵庫で冷やして、また試飲します。

 

さて、「人が得る情報の8割から9割は視覚に由来する」と言われています。なるほど、私たちは視覚情報に依存した生活をしていますので、このデータに異論はありません。そして、目が見えない人は情報量が少なくて不自由だろうと障害をネガティブに捉えがちです。しかし、日曜日のドラマ「ラストマン」で、全盲の捜査官を演じる福山雅治さんの行動を見ると、福祉社会に頼るスタンスではなく、自らの力で、周りを巻き込みながら、事件を解決しています。「ドラマだから・・・」とは、簡単に言えないかもしれませんね。

 

表題の著者である伊藤亜紗さんは、障害者やその関係者に話を聞いて、感じたことを記します。

 

「視覚障碍者と一緒に歩いたとき、見える人では持ちえないような空間が頭に作り出されます。見える人には視点があるので必ず死角が生じるが、見えないと視点を持たないが故に視点に縛られず、むしろ視野が広がるのです。つまり、目が見える人は、視覚に頼っているために、欠落しているものがあるということです」と言います。ドラマの福山さんの行動などは、まさに、これに当てはまりますね。

 

また、目の見えない人は、「足裏の感覚から得る情報量が豊か」であるといいます。足は、歩き走るという運動器官と私たちが考えますが、目の見えない人は、感覚器官でもあるのです。手の触覚は、点字などが街中に広がっていることもあって、さらに研ぎ澄まされています。

 

また、見えないという障害が、その場のコミュニケーションを変えたり、人と人との関係を深めたりすることがあります。ドラマの福山さんは、まさに「人たらし」として描かれていて、彼に巻き込まれた人たちは、どんどん影響を受けて、前向きになっていくのです。

 

今までは、「障害がある人」に対して、どのように情報が伝わるようにするかとか、配慮を考えないとなど、「福祉」の考え方で、私たちは接することが多かったです。しかし、ある生物学者は、「見えないことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」と言います。つまり、障害を持つ人の「能力」をもっと引き出すような考え方が必要なのかもしれません。「共生」という考え方ですね。

2023年

6月

01日

集中力にはエネルギーが必要

保育園の子どもたちが、何かに集中する姿は、毎日の保育の中でよく見られます。今日は、どろんこ広場の前で、3つのフライパンに土と水を入れて混ぜあわせ、チョコレート作りに集中する5歳男の子・・・水の量と中に投入する植物によって、味が違うチョコレートを作っています。もの凄い集中力です。

 

将棋界では、最年少の記録を次々と塗り替えているのが、藤井聡太さんです。テレビで見るのは、ずっと座って集中する姿ですが、ただ座っているように見えます。しかし、藤井さんクラスになると、一局の対戦で体重が2~3キログラムも減るそうです。100手以上先を予測しながら集中すると、エネルギーをたくさん使うからです。

 

集中力は人間が誰でも持っている力です。その集中力を生み出す脳には、最大で千億個の神経細胞があり、その10倍を超える数の細胞が、神経細胞を結び付ける信号を送ります。「シナプス」と呼ばれるものです。ここで、多くのエネルギーが運ばれているのです。そのエネルギー量がすさまじくて、体重60キロの人間で、体全体のエネルギー量の20%が、約1200グラムの脳を維持するのに使われているそうです。

 

皆さんも経験したことがあるように、「明日までにやらなくちゃ!」という仕事や宿題、面白くて夢中になっている時は、凄い集中力を発揮しています。ただし、集中力を維持するために使うエネルギーは、ケタ違いなので、長続きはしないのです。

 

保育園の子どもたちや、この春小学校1年生になったばかりの卒園児は、集中力が長続きしません。大人と違って、子どもなので、なおさらです。これを、「まったく、子どもは困ったものだ」と考えるのは間違いで、エネルギーが足りないことが大きな要因と考えれば、途中で、休憩代わりになるような行動を取り入れるなど、大人の私たちが、子どもの集中力を理解しなければいけませんね。

 

私たち大人だって、同じです。最高の集中力で、最高のパフォーマンスを発揮させるためには、寝ることも、ぼっとする時間も、リラックスする時間も必要であることがわかります。どこで、休憩をとるか・・・集中力が続かない時に、違うことに取り組むなど、自分に合った方法を見つけることが大切ですね。

 

もう一度・・・集中力を維持するには、膨大なエネルギーが必要になるのです。

2023年

5月

30日

「競争」の功罪

屋上のマルベリーも今日で終了としました。高いところに少しだけ残っている実は、鳥たちのご馳走に残しておきます。園児たちの次のターゲットは「ビワの実」です。少しずつ、オレンジ色になってきました。早く食べたくて仕方がない子どもたちです。(笑)

 

さて、今年も全国学力・学習状況調査が行われました。これらのデータは県単位で平均値が公表され、いつの間にか順位付けがなされます。下位県には緊張が走り対策に頭を悩ませます。上位県は胸をなで下ろしますが、順位を維持しなければならないという重荷を背負います。

 

実は、平成19年から始まった全国学力調査の最大の成果は、学力の地域差が解消されたことだそうです。過去では、住宅市街地とへき地との間に大きな学力差がありました。ところが、全国学力調査が始まると、都道府県の平均値が、ほぼプラスマイナス5%の範囲内に収まったそうです。

 

これは、「競争」心理を上手にあおることで、各自治体が「うちの県の学力を上げないと!」と、対策を講じるからです。しかし、これがエスカレートすると、上位の学校名を公表する自治体が現れたり、学力調査直前対策を行う学校が出てきます。各自治体が、予算の枠組みの中で、わずかでも順位を上げようとする心理が働くのです。かくして、予算をかけずに学力を伸ばそうとする「国の術中」にはまることになるのです。

 

保育園の子どもたちにも、この「競争真理」をよく使います。まんまと、園長の術中にはまって、今までできなかったことが出来るようになる子どもは、今まで何人もいました。自転車などは、競争真理が大きく働きます。

 

しかし、全国学力調査の例でも、「競争」が行き過ぎると、「とにかく上位になる」と躍起になって、子どもたちのペースに合った学びが、「点を取る」ことにシフトしかねません。

 

スポーツの世界・・・オリンピック・サッカーワールドカップ・WBCと大きなイベントでは、日本の金メダルを私たち国民は願います。もともと、人間の本質なのかもしれませんね。

 

「競争」の功罪を常に考えながら、上手に活用したいものです。保育園もしかりです。

2023年

5月

30日

ソログルキャン

今日は、青空給食です。なんとか、雨が上がり、薄日もさしてきた屋上で、カレーライスを食べました。寺子屋園児は、ピクニックランチで屋上で食べる機会がありますが、ちびちゃんたちは、屋上での給食が、非日常ということもあって、テンション高めです。ビデオに向かって、「おいしい!」としっかりとコメントができました。

 

さて、保育園では、キャンプをするファミリーが多いですが、ここ数年は、「キャンプブーム」と言われていますね。ヒロシのぼっちキャンプなどのテレビの影響もあって、ファミリーが中心だったキャンプが、ソロキャンプの割合が増えているようです。

 

日本オートキャンプ協会の調査によると、キャンプを始めて1年以内の初心者の割合は、2018年に約17%だったのが、2021年は約24%に増えたそうです。キャンプ人口が増えたことがわかります。その中でも「ソロ」の割合は、この間5%から約13%に増加したそうです。

 

しかし、そんな「ぽっちキャンプ」も、完全に一人っきりだと寂しくなるものです。自分一人で自由な時間を過ごしたいと思ったものの、仙人のように、誰とも交わらないで孤立する状況がいい人は、早々いません。かといって、グループになると、役割分担などが発生して、自分の好きにできないことがありますね。

 

そんな中で、今人気を集めているのが、グループで行うソロキャンプだそうです。「ソログルキャン」と呼ばれています。

 

仲が良くても、同じところで寝るのは気を使う。でも、完全に一人だとあんまり楽しくない。テントの設営や火おこし、食事作りなど一通り1人で挑戦したいものの、分からない時は周りの人に教えてもらえる安心感があるといいます。

 

なんだよ・・・じゃグループでキャンプすればいいじゃないの!と思われたあなた。微妙に違うのが「ソログルキャン」なのです。干渉されたくないけど、寂しいのもいや・・・という、人間らしい感情です。

 

私は、中3の時に初めて東北を一人旅をしてから、社会人となるまで、基本は「一人旅」でした。一人でいる事は苦にはならないですが、孤独はいやでした。一人だと自由ですし、時々気があった人と一緒に話をする時間があれば、それが幸せでした。この微妙な感覚が、一人旅の魅力だったのです。人生の先輩に多くの事を教えていただきました。

 

旅もキャンプも、自分の好みのスタイルで楽しめばいいのです。あなたはどうですか。

2023年

5月

29日

カラスの襲撃対策

昨日は、練馬区にある「牧野記念庭園」を訪れました。朝ドラ「らんまん」のモデル「牧野富三郎」博士が、大正15年から94歳で亡くなるまでの30余年を過ごした住居と庭の跡地です。もともと広がっていた武蔵野の雑木林の中に、採集してきたり、知人から取り寄せたりした植物を植え、庭を「我が植物園」として大切に育んできました。

 

牧野博士が生涯に発見・命名した植物は1500種類以上もあり、日本の植物分類学の基礎を築きました。記念庭園にも、博士にゆかりの深い植物が300種類以上生育しています。注目は、牧野博士が研究に没頭した、離れの「書斎」が、ほぼ当時のままで残されていることです。多くの専門書が、山のように積まれています。

 

今週末、遠足で訪れる「北本自然観察公園」には、何度かお世話になっていますので、植物の知識は、それなりにある園長ですが、牧野記念庭園には、私が知らない植物がたくさんあって、思わず、見とれてしまいます。花は終わっていましたが、富三郎の母ひさ(広末涼子演じる)が一番好きだった「バイカオウレン」も見ることができました。

 

でも、やっぱり一番印象に残るのは「牧野博士の子どものような笑顔」です。好きなことに、とことん取り組んだ人生・・・病弱の少年時代だったのに、94歳まで長生きできたのも、大好きな植物に囲まれた生活だったからですね。季節を変えて、また行きたくなるところです。

 

さて、今日はカラスの話です。保育園の屋上にも、「カーカー」鳴きながら飛んでいるカラスですが、カラスは、3月下旬頃から繁殖期を迎え、5月頃にヒナが生まれます。巣立つまでの約1か月は最も危険な時期と言われています。はい。まさに今です。

 

屋上では、メダカの学校の水槽から、メダカを食べようとするので、発見すると、全力で走り寄り威嚇します。実は、カラスは人をある程度判別できるだけでなく、敵とみなす能力を持っているそうです。石を投げたり、巣に近づいたりする行為をカラスは危険と感じ、それを行った人間を敵として認識します。人間を顔などで判別するので、たとえ服装が変わっても見分けて襲ってくるのです。もっと凄いことに、これらの情報をカラスは仲間と共有するそうです。親カラスから子カラスにも同様に情報が受け継がれます。

 

今のところ、園長も職員も子どもたちも、カラスに襲撃されたことはありませんが、屋上のカラスに、過剰な攻撃を与えることがないように注意が必要です。老人・女性・子どもが狙われる可能性が高いですね。ただし、繁殖期の3月末~7月中旬以外は、攻撃的ではないそうです。

 

カラスの襲撃対策で有効なのは、バンザイポーズで頭を守ることだそうです。カラスは、頭部を蹴りで攻撃するそうですが、伸ばした腕に羽が当たり傷つくことを恐れ、近寄らなくなると言います。

 

保育園の子どもたちに、さっそくレクチャーします。(笑)

2023年

5月

28日

「ごみ屋敷」問題

私が以前勤務していた民間企業のOB会の会長は、現在神戸で「民生委員・児童委員」として、地域貢献を担っています。私の新入社員研修からずっとお世話になってきた大先輩です。この仕事は、無償で行われていて、かつては地元の名士と言われる人たちの「名誉職」的な位置づけでしたが、今は、なかなかやり手が少なくなってきていて、定年退職後のサラリーマンもたくさんいます。大先輩もその一人です。

 

仕事の一つに、一人暮らしのお年寄り民家のパトロールがあります。そこで、目にするのは、「ごみ屋敷」といわれる実態です。どうにもならない状況の時は、撤去作業などの手配などを行っているそうです。

 

最近、テレビのワイドショーや情報番組で取り上げられることが多い「ごみ屋敷」ですが、ごみ屋敷の住民の多くが一人暮らしの高齢者で、近所付き合いもなく、悪臭や害虫発生といった隣人トラブルを抱え、テレビカメラに暴言を吐いて、水をまくといったシーンが映されます。テレビのアングルは「とんでもない住民だ!」で、視聴率を取ろうとする魂胆が見え見えですね。しかし、このごみ屋敷問題は、どうして高齢者が家にごみをためてしまうのかを考えないといけません。

 

私の亡くなった両親は、実家であった埼玉県新座(にいざ)市に住んでいました。しかし、いつしか母は、料理を作ることが出来なくなり、近くの西友でお弁当を買って食べる習慣になっていきます。当然、ごみがたまります。ゴミ出しの曜日などもだんだんわからなくなってきたのです。認知症も少しずつ影響していました。私と妻は、定期的にごみ掃除に行っていたのですが、「このままではあかん!」と思い、今から15年ほど前に、私の家で同居生活が始まりました。

 

ごみ屋敷について、環境庁が発表した数字では、2018年以降の5年間に、ごみ屋敷が5224件も確認されたそうです。しかし、実際にはもっと多いと言われています。2000年代に入って、社会問題として扱われるようになり、26の自治体が罰則規定を設けているそうです。

 

しかし、高齢者の孤立という背景を考えると、「規制」「指導・勧告」を加速させることで問題解決にはつながらないことがわかってきました。

 

高齢化社会が加速する日本では、一人暮らしの高齢者の認知症が進行し、さらに身体能力も衰えてきた時に、周りから片付けやごみ出しの支援が得られなくなることで、ますます「ごみ屋敷」問題は深刻化します。

 

これを読んで、「私には関係ない」と思ったあなた。誰もがなる可能性があるのです。

2023年

5月

27日

入学後に気がつく発達障害

本日登園した小学生二人は、すぐに桑の木に登って、マルベリーをモグモグと休むことなく食べています。「甘くておいしい!」と大満足です。すると、4歳女の子が、「○〇君!あんまり取りすぎると、みんなが食べる分がなくなっちゃうでしょ。もう終わりにして!」と、小学生に説教です。「だって、俺たち、土曜日しか保育園に来ないんだから、たくさん食べたっていいだろ・・・」とたじたじです。(笑)

 

さて、発達障害の支援活動に関わって約20年。淀川キリスト教病院医師の谷均史(ひとし)さんは、2004年から「探偵!ナイトスクープ」というテレビ番組に時々出演して、発達障害などの児童、生徒に関わっています。「あの変なおっちゃんのところなら行ってもいい」と引きこもりの生徒が病院に来てくれるそうです。

 

発達障害については、ここ数年、広く認識が広がってきたように、保育園業界にいる私も思っています。害という字をひらがなにして、「発達障がい」と配慮ある明記をするようにもなってきました。発達障害には、自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習面で困難を抱える学習障害(LD)、知的障害などがあります。

 

人とのかかわりが苦手な自閉症や知的障害は幼児期から診断がつきやすいです。ホワイトきゃんばすでも、保健センターと近くにある「ひまわり学園」という特別支援学校と連携して、過去に何人もの園児の支援体制をとってきました。小学校に入学する前に、普通学級にするか特別支援学級にするかの選択について、学校としっかりと話し合うことが出来ます。

 

ところが、じっとしてることが苦手なADHDや特定の教科で、まったくついていけないLDは、小学校入学後に気づくことが多いのです。ちょうど今です。新学期から1か月半余り。学習が進むにつれ、同級生と比較されるようになり、親が心配するようになります。

 

今の先生たちは、発達障害は、「個性」という認識を持っています。子どものことで、心配になった時には、家族で悩まずに、担任や学校に相談することが大切です。昭和の親は「うちの子に限って、そんなことはない!」「もう少しすれば、落ち着いた子になっていくよ」と、我が子と向き合わないことが多かったですが、子どもの成長を真剣に考えれば、早く学校や医師に相談したいものですね。

 

先日、小学校1年生の授業参観をさせてもらったのですが、卒園児のクラスに、私が教室に入ると、抱きついてきて甘える女の子がいました。行動を見ていると、発達障害の疑いがありました。しかし、担任の先生は、なかなかプリントが進まない彼女に寄り添って、声をかけていました。

 

特別支援学級の養護教員は、いわばプロですので、おだやかに子どもたちと接していますが、普通学級の先生も、最近は様々な工夫で、対応しています。

 

子育ては、親や家族が悩みを抱え込んでも、いい結果にはならないことが多いですね。色々な人たちに頼って、多くの専門家を巻き込んで、オープンにしていくことが大切だと思っています。

2023年

5月

26日

大人も「考え続ける人」に

保育園ホワイトきゃんばすのあるショッピングセンターの園芸コーナーで、食虫植物で一番有名な「ハエトリソウ」を販売しています。それを見つけた5歳女の子が、植物なのに虫を食べて生きていることに、「なぜなんだろう?・・・どうしてなんだろう?」と、興味の輪が広がったようです。子どもたちが興味を持つネタは、ありとあらゆるところにありますね。私たち大人は、その情報を敏感にキャッチして、子どもの成長につなげたいものです。

 

今日は、そんな大人の私たちも「考え続けないと・・・」という話です。

 

今、どの業界でも、「アフターコロナ」をどうやって作り上げていくか?が求められます。ゴールデンウイークが明けて、 コロナの感染症法上の位置付けがかわりました。そうなると、 私もそうですが、「コロナ前の状況に戻していく」を優先させることに注力してしまいます。「この3年間・・・我慢の連続だったから、早く、元通りにしたいね」というマインドになってしまいますね。

 

でも、考えてみれば、コロナがあろうがなかろうが、毎年、自分の仕事は進化させなくてはいけません。コロナ前のやり方に戻すということは、3年間でまったく成長していないことと同じです。

 

ここで、強く断言しないといけませんね。「コロナ禍前と同じように戻してはいけない!」と。

 

フェイスツーフェイスが大事だとは分かったものの、コロナ前と同じ出張や会議の頻度のままでいいの?一部をリモートにして、その予算を〇〇に使った方がいいんじゃないの?

リモートワークで、子どもと過ごす時間が増えたのに、また、同じ頻度で会社に出勤するサラリーマンに戻るのがいいの?ここは、家族や子ども中心の生き方に変えるチャンスじゃないの?

 

人間は、特に変化がない環境では、前年踏襲型になってしまい、新しいことにトライすることが面倒になってしまうやっかいな生き物です。危機が訪れたり、大きな環境の変化が発生することで、考えるきっかけが生まれるものです。

 

今後、私たちが生きていく「アフターコロナ」の時代・・・自分の生活や仕事を大きく見直すチャンスです。考えるチャンスですね。理想は、死ぬまで「考え続ける人」でありたいけど、せめて、今・・・「コロナ禍前とは決して同じに戻らない」と決心してみませんか。

2023年

5月

25日

ドクダミを愛でる

今日は、屋上ファームでキュウリが初収穫です。3本収穫できました。子どもたちは、キュウリが大好きです。今日は、一口ずつカットして、塩を振って食べました。ファームには、16株のキュウリを植えていますので、これから、続々と収穫できます。マルベリーもまだ終わっていないので、屋上の恵みを子どもたちは楽しんでいます。

 

そして、屋上に可愛らしい白い花を咲かせているのが、「ドクダミ」です。イメージとしては、根っこでどんどん増えていく雑草というイメージですが、この「ドクダミ」は、凄いんです。

 

「雑草という草はない」といった、NHK朝ドラ「らんまん」の主人公は、「毒と痛みを消すからドクダミ」と、名前の由来を解説していましたね。ちょうど、これから初夏にかけて、白い花が満開になります。実は、花びらと思われている白い十字は、葉が変形したもので、中心の黄色の部分が花だそうです。

 

先日の寺子屋で、野草の花束を子どもたちが集めたときにも、このドクダミを集める園児が多かったですね。匂いは、「ちょっと臭いなぁ~」「いい匂いがする」に分かれます。

 

この独特の匂いから想像できるように、このドクダミは、昔から民間治療で重宝されていた薬草なのです。この匂いの成分は「デカノイルアセトアルデヒド」と呼ばれていて、殺菌作用があります。このため、昔は生葉をやけどや化膿、傷の治療に用いたそうです。そして、乾燥させたドクダミも利尿や便通など様々な解毒効能があるとされ、生薬として人気だったようです。日本では、あまり聞きませんが、アジアの諸国では、ドクダミの葉をサラダにして食べる地域もあるそうです。ドクダミの葉をてんぷらにして食べる習慣は、日本にもありますね。

 

今日は、キュウリを食べた後は、せっせと、ドクダミを集めました。茎から花まで全部使って、「ドクダミ茶」を作ろうと思っています。子どもたちに、集めたドクダミの匂いを嗅いでもらってから、「このドクダミでお茶を作るよ」と言うと、「飲みた~」と大盛り上がりです。

 

数日乾燥させて、お茶にするのですが、乾燥すると、独特の匂いがなくなり、飲みやすいお茶になるのです。うまくドクダミ茶が完成したら、子どもたちと試飲してみます。楽しみですね。

 

ちなみに、「ドクダミ」の花言葉は、『野生』『白い追憶』『自己犠牲』だそうです。どうぞ、ドクダミについては、酔った時のうんちくに活用ください。(笑)

2023年

5月

24日

ユニバーサルタイム

昨日のお土産に持って帰った「マルベリージャム」は、子どもたちが、自分で作ったということもあり、ヨーグルトに入れた・・・トーストに塗った・・・などと、おいしい報告がいっぱいありました。ジャムにするのに砂糖を入れたのですが、マルベリーは酸味があるので、「あまずっぱ~い」「ほのかな甘さ」というママのコメントです。

 

さて、東京都八王子にある八王子市立上柚木中学校では、昨年度から毎週水曜日に、生徒が好きな教員と相談ができる「ユニバーサルタイム」という時間を設けています。

 

八王子市教育委員会は、週29時間のうち1時間を、いじめ認知や情報共有やその対応の時間に設定するよう通知を出しました。教員1人で抱えることなく、学校全体で対応することを促したのです。これを受けて、上柚木中学校では、水曜日を4時間授業とし、午後に「ユニバーサルタイム」を実施しています。この日は、部活動もすべて休みで、ユニバーサルタイムを活用しない生徒は、帰宅して自分がやりたいことに取り組むことができます。

 

昨年度の相談内容を集計すると、1年生は「友だちのこと」、2年生が「部活動のこと」、3年生は「進路のこと」が一番多く、各学年の特徴が見えたそうです。もちろん、一人が複数のテーマを話したり、悩みでなく、ただ話がしたいというのもありです。

 

「ユニバーサルタイム」は、良い方向に機能しているようです。生徒が、教員に相談しようとすると、周囲の目が気になる子もいますね。ユニバーサルタイムがあれば、心理的負担の軽減にもつながります。また、教員の側も、生徒との距離が縮まったと実感しているようです。

 

子どもたちにとっては、「何か困ったことがあったら、ユニバーサルタイムで相談できる」という環境は安心感につながっているようです。内容によっては教員間で共有することもあり、他の教員もその生徒を気に掛けることができる流れになっています。

 

この中学校では、ユニバーサルタイムでは、否定も指導もしないのが原則です。担任以外の先生と相談するので、気になる内容であれば、生徒に確認を取ってから、担任やスクールカウンセラー、保護者につなぐようです。生徒にしてみれば、好きな先生に相談したものの、その内容が、知らないうちに担任や親にまで伝わるようでは、このシステムは機能しませんね。

 

この取り組みは、自分が困った時には、一人で問題を抱え込むのではなく、信頼できる大人に相談して、解決の方向にもっていくという、社会に出たら当たり前の行動の予行練習にもなります。注目すべき内容ですね。

2023年

5月

23日

憧れの人は「お父さん・お母さん」

今日は一日中雨でした。子どもたちは、アジサイの工作をして、寺子屋園児は、恒例の「階段競争です」寺子屋3番さんは、初めてです。保育園ホワイトきゃんばすは、ショッピングセンターの3階にありますので、もしもの災害で子どもたちが逃げる時には階段を使用しますので、階段の上り下りを習慣化させるのも狙いです。

 

子どもたちは、単純に「競争」を楽しみ、勝った負けたで一喜一憂しますが、階段が苦手な子にはハンデをつけて、モチベーションを維持させます。いつものことですが、大いに盛り上がりました。

 

そして、午後の寺子屋では「マルベリージャム」を作りました。屋上のマルベリーがたくさんとれたので、子どもたちとジャム作りです。これには、ワクワクドキドキ・目はキラキラさせながら、取り組んでいました。カップに入れてお土産にしました。ママも大喜びです。

 

さて、第一生命が昨年12月、小3~高校生の男女3000人に「憧れの人は誰ですか?」と尋ねた調査で、小学生の40%超、中高生の30%~40%が「お父さん・お母さん」と答え、2位以下のスポーツ選手や学校の友人らを圧倒したのです。

 

その理由は、「身近なヒーロー」「たくさんの愛情を注いでくれる存在」とのことです。

 

コロナ禍にあって、在宅ワークで働く姿を目の当たりにし、憧れにつながったのかもしれません。大谷翔平選手のような大リーガーやユーチューバーも格好良く見えますが、なるまでの大変さや、なってからの不安定さもネットですぐにわかるので、仕事も家事も頑張る親の存在に目が向いていると言われます。

 

私が子どもの頃は、まわりの父親は「価値観を押しつける頑固おやじ」が多かったですね。それが当たり前でした。現代では、家族を大切にしたいという若い親が多く、仲良し親子が増えましたね。少し前なら、親と子は友だちじゃないんだから、仲良し親子は、あまりいい例えには使われなかったですが、今の子どもたちは、仲良し親子に憧れるのかもしれませんね。

 

どうですか・・・親のあなた・・・もっと自信を持っていいのかもしれませんね。でも、我が子には、「お父さんは、こんなに凄かったんだぞ!という武勇伝よりも、こんな失敗をやらかしたんだ!」という話の方が、食いつきがいいですよ。(笑)

2023年

5月

22日

ストレスに負けないために

土曜日に私のおやじ旅の仲間から・・・そして、今日は5歳男の子から、使わなくなったおもちゃなどをたくさんいただきました。子どもたちは、不思議なもので、今までなかったおもちゃやぬいぐるみをすぐに気がつきます。そして、朝から争奪戦です。年中・年長くらいになると、順番を待つことが出来ますが、小さい園児は戦いです。この経験から、子どもたちの人間関係力が育っていくので、トラブルがあっても、なるべく見守っています。

 

さて、ゴールデンウイーク明けになると、学校や会社に行きたくなくなる「5月病」にかかる人が多くなるのは、昔からのことですが、最近ではこの不調が長引き、「6月病」へ移行するケースが増えているそうです。6月までその状態を引っ張ってしまうと、「うつ病」の入口までいってしまう危険性もあるといいます。

 

今年の大きな特徴は、『コロナ後ストレス』です。5類移行などに伴う「コロナへの規制緩和という環境変化」もストレスとなるのです。

 

「3年間主流だった『在宅・ゼロコロナ派』が『出社・ウィズコロナ派』にとってかわられたストレスだ」とメンタルクリニックの精神科医が語ります。

 

「この3年間は居場所を外に求め、人との交流をする人が不適応者として扱われ、居場所や人とのつながりをなくした人がストレスを強く受けていました。しかし、5月からは、自宅に居場所を求め、人との交流を避ける人が不適応者とみられ、出社や人との接触を『強要』される人が『コロナ後ストレス』を強く受けているのです」と言われます。

 

会社組織で考えると、出社しろ!と言うのは、昭和世代の管理職で、在宅が慣れた社員は、一般社員が多いという構図です。会社で上司とうまくいかなかった人の中には、コロナ禍が「ありがたかった」人も多いかもしれませんね。また、家庭での介護や子育てなどを仕事とギリギリで両立させる中で、「テレワークだからこそ割けた時間」があったという人も多かったでしょう。問答無用に「会社に出てこい」と言われ、不安を感じて調子を崩す人も多いようです。

 

では、どう乗り切るか・・・

 

屋外ではマスクを外すなどして『徐々に』コロナ禍での行動様式を解除していく。これから暑くなっていくので、やり易いですね。また、身内や親しい人との交流や出勤も『徐々に』増やしていく。そして、周囲に意識を向けて、外で「自然に楽しそうに」過ごしている人たちの様子をよく観察することで、人間関係のポジティブな面を感じる機会になり、考え方が柔軟になって現状に調和しやすくなると言われます。

 

本当に、人間という生き物は「ストレス」のかたまりですね。何事にも『徐々に』慣らしていくことが大事なのです。

2023年

5月

21日

比企の観光

広島で開催中のG7サミットでの議論の内容は、報道にお任せすることにして、私が気になるのは「食のおもてなし」です。今回は、広島県産の食材を使った料理が多く提供されています。広島のお好み焼きも各国の首脳の前で、屋台のように実演で提供されたそうです。

 

世界に誇る「和食」ですが、凄いのは、その地域の食材を当たり前のように取り入れた料理が、当たり前に提供されることです。私たち日本人が旅先などで期待する料理は、「おいしい」のは当たり前で、その土地の食材やその地域に伝わる製法などのこだわりまでも楽しみます。そんな食文化が「和食」の完成度をこれからも高めていくのですね。

 

さて、観光と言えば、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、佐藤次郎さんが演じた「比企能員(ひきよしかず)」の存在感が大きかったですね。最期は、北条の策略にはまってしまいますが、この比企地域は、埼玉県にあります。

 

この比企地域全体を観光地にしようと、東松山市と滑川(なめがわ)・嵐山(らんざん)・小川・ときがわの4町の観光協会が連携し「東松山・比企広域観光推進協議会」を今年4月に設立したそうです。

 

実は、保育園ホワイトきゃんばすのサマーキャンプで訪れる場所が、比企地域です。嵐山渓谷で川遊びを楽しんだ後は、小川元気プラザに宿泊します。もちろん、子どもたちは「鎌倉殿の13人で、比企一族があった場所だよ」と言っても興味を持ちませんが。(笑)

 

協議会となると予算がつきます。3年間で1000万円で、PRするのは、里山での農業体験、比企一族ゆかりの地の観光マップやCMの作成、ツアーやスタンプラリーの実施などですが、一番期待が持てるのが、地域の大学生にSNSで比企の魅力を投稿してもらうことですね。

 

水を差すようですが、「〇〇協議会」とか「〇〇保存会」という形でできた組織は、たいがい失速します。保育園ホワイトきゃんばすに縁がある「比企地域」には、何とか頑張ってほしいですね。地元の名士が顔をそろえる会合ではなく、若者たちや、比企地域に縁がない外部の人間の協力も必要ですね。

 

今年の夏も楽しいサマーキャンプにするべく、東秩父村での体験活動をあらたに行い、園長としては、比企地域を意識してみます。

2023年

5月

20日

濃霧の中の方向感覚

屋上のマルベリー(桑の実)ですが、ピークは終わったものの、まだまだ収穫が続きます。子どもたちのお腹に入る分は、さすがに、毎日続くと飽きてくるので、集まったマルベリーは、冷凍にしています。来週の寺子屋で「マルベリージャム」を作ります。保育園の冷凍庫は、マルベリーでいっぱいになってきました。

 

先日、保幼小連絡協議会で、小学校1年の担任と話をしたこともあって、まじめに「教育」のことを考えてみます。まずは、アクティブラーニングと言われる「対話」型の授業について、ある人がこんなことを言っています。「対話」とは、「語りかけ」があって、それに応える形で始まるのが対話であり、一緒に考えてくれませんかという、相手への敬意がその言葉に含まれていなければならないといいます。

 

よく、対話を演出しながら「教師が考える答え」になるように、子どもたちを誘導する先生がいますが、「対話は、他人と同じ考え、同じ気持ちになるために試みられるものではない。語り合えば語り合うほど他人と自分の違いがより微細に分かるようになること。それが対話だ」とその人は断言します。

 

まさに、多様性を子どもたちが対話の中で理解していくことが、大事なのですね。

 

「こういう生き方もありうる、こんな価値観もあるというふうに、子どもたちの生き方の軸となるものの多様さを教師が自らの背で示す。あるいは過去の人物に託して語る。そうすことで子どもたちの将来の可能性の幅を拡げるところに教育の意味はある」と、その人は言うのです。

 

今の価値観で考えれば、当たり前のことなのかもしれませんが、学校の多くが、子どもたちに「多くを求めながら同時に多くの規制をかけている」状況です。子どもたちは、濃霧の中にいるようで、自分の「方向感覚」が見失われてしまいますね。

 

「教育」の基本は、「教えて育てる」のではなく、子どもたちが「勝手に育つ」ような場を開いておくことが大事なのかもしれません。どんなささやかなものであってもいい、何か一つの芯ができるまで、とことん歩ませ、あとは放っておく、そんな場を用意できることで、子どもたちの「方向感覚」が、きっと研ぎ澄まされるのでしょう。

 

保育園の子どもたちが、自分でやりたいことを集中して遊んでいる姿は、まさに、自分の「方向感覚」を見失ってはいません。そこへ、良かれと思って「あーしろ」「こーしろ」と言われると、子どもは迷ってしまうのです。

 

あらためて、大人の私たちは「見守る」ことが大事になってくるのです。

2023年

5月

19日

高校に「宇宙コース」!?

宇宙が身近になりつつある今、高校に「宇宙コース」を設置する動きが広がっているそうです。

 

大分空港は、人工衛星の打ち上げ拠点「宇宙港」構想があるそうですが、隣接する「大分県立国東(くにさき)高校」は、来年2024年度、普通科に「スペースコース」を開設するそうです。定員などの詳細は検討中とのことですが、カリキュラムについては、すでに今年度から行っている「宇宙STEAM研究」を下敷きに発展させていくそうです。

 

「宇宙をテーマにすれば、最新の技術や国際関係などを学ぶ必要が生じる。生徒たちの視野も広がるだろう」と探究活動を担当する教員は話します。学校のねらいは、「生徒たちが卒業後も地元に残って宇宙にかかわる仕事をしたり、大学で宇宙を研究したりと様々な選択肢が選択できるようになる」と考えているようです。

 

国内初の民間小型ロケット発射場が整備された和歌山県串本町では、県立串本古座高校が24年度、普通科内に「宇宙探求コース」を新設します。宇宙に関する項目を3年間で最大385コマ学ぶ予定です。生徒は小型人工衛星を作ったり、衛星データの利用方法を考えたりするようです。

 

まだまだあります。ロケット開発企業など宇宙関連企業が集まる北海道大樹町でも、道立大樹高校が24年度、普通科に新学科を設置し、航空宇宙産業や街づくりについて学ぶそうです。

 

どうですか・・・来年度は、こうして「宇宙」にかかわる専門的なコースが公立高校で次々と立ち上がるのです。私たち大人もわくわくしますが、学ぶ高校生のビジョンを考えるだけで楽しみですね。

 

私のような、ヨコシマな昭和おやじは、宇宙コースと聞いただけで、UFOや宇宙人といった方向性に傾いてしまいますが、生徒たちは、ちゃんと現実的な学びをしていくのですね。

 

私たちが、現在抱える大きな問題として「地球温暖化」の課題があります。これも、地球の中で考えるには、限界があるのかもしれません。宇宙教育の中では、今までと違う課題解決へのヒントが見えてくるのかもしれませんね。

 

来年度開設される、全国各地の公立高校の「宇宙コース」・・・注目ですね。

2023年

5月

18日

小学生になってからの姿

子どもたちが屋上に行くと、最初に「マルベリー」を食べるのが、ルーティンになっています。今日は、残っていた玉ねぎ全部を収穫して、サツマイモを植えた畑のフェンス沿いに、朝顔の種をまきました。この朝顔は、夏から秋にかけての「色水つくり」で大活躍します。

 

さて、今日はさいたま市立馬宮(まみや)東小学校の保幼小連絡協議会に出席しました。ほとんどの小学校は、2月に、新1年生の情報収集を目的に、この会議を開くのですが、馬宮東小学校は、入学後のこのタイミングで、2回目の協議会を開いてくれました。

 

入学前の情報収集も大事ですが、入学後の成長が大事であることは言うまでもありません。まずは、1学年3クラスの授業参観です。ホワイトきゃんばすの卒園児のクラスは、1年3組です。13時45分の5時間目がスタートしたので、教室に行ってみると、担任不在です。「どこの先生ですか?」とすぐに質問されます。「〇〇君が卒園した保育園の園長先生です」と答えると、〇〇君も「なんで園長先生がいるの?」と驚きます。「担任の先生はいないの?」と聞くと、「それなら説明します」と、いかにもしっかりした女子が教えてく入れました。どうやら、1組と3組の児童同士のトラブルがあり、職員室で事情聴取を2人の担任がしていたそうです。

 

1年生は、5月のGWが終わると、初めて「5時間目」の授業がスタートします。今までは、給食を食べたら学校はおしまいでしたが、教室の掃除をしてから、昼休みです。小1の子どもたちにとっては、集中力がなくなり、眠くなる5時間目となるのです。

 

馬宮東小学校では、毎日、校庭の気温を観測しています。今日は、「校庭の気温が35℃になりました。みなさん、教室に戻って、水分補給をしましょう」という校内放送があったのですが、ほとんど子どもたちは、遊びに夢中です。(笑)

 

5時間目の授業は「国語」です。しかし、子どもたちは、45分間集中して取り組むことは、まだできません。連絡ノートを子どもたちに書いてもらったり、担任の工夫が見られます。途中、姿勢よく座っていられない子どもたちに、担任の先生は「〇〇さん・・・ちゃんと座りなさい!」とは言いません。「〇〇さん姿勢がいいです。〇〇さんもとても姿勢がいいです」と、きちんと座っている子どもの名前を呼びあげます。すると、どうでしょう。まわりも、ちゃんと座れるようになるのです。子どもですから、自分も「いいお手本」で名前を呼ばれたいと思うのでしょう。このやり方は、すばらしかったですね。

 

1年3組の担任は、私がずっと3組に貼りついていたので「緊張しましたよ!」と言っていました。(笑)

 

授業参観が終わって、3人の担任と教頭先生と、参加した保育園・幼稚園の先生たちとの意見交換がとても有意義でした。

 

先生たちは、「学習については、小学校に入ってからするので、特別なことは必要ないです」と言います。むしろ、「お着がえ」「トイレ」といった生活習慣を重点的にトレーニングして欲しいと言います。男子のトイレは、おしり丸出しでおしっこをする「クレヨンしんちゃん」が並ぶそうです。お着がえがうまくできない子は、「先生やって」と言うそうです。保育園ホワイトきゃんばすでは、あり得ないことですが、トイレのクレヨンしんちゃんは、あるあるです。(笑)

 

昼の掃除で「ぞうきんしぼり」を行うので、できるようにしてもらえるとありがたいとの話もありました。これは、寺子屋でやろうと思います。

 

小学生になって、子どもたちが驚くことはたくさんありますが、その一つは、言葉遣いが丁寧になることだそうです。馬宮東小学校の先生たちのルールは、男女問わず「〇〇さん」で子どもの名前を呼びます。友だちに対しては、授業中は呼び捨ては厳禁です。これは、子どもたちにとっては、大きな衝撃だそうです。

 

こうして、現在1年生の担任と、保育園幼稚園の先生たちが意見を交換することは、とても有意義な時間でした。「小1の担任は、1人で30人の子どもたちを見ています。保育園や幼稚園では考えられない数です。できるだけ、子どもに時間を費やして欲しいので、保護者からのクレームや要望については、教頭と校長を上手に頼ってください」と、おやじ園長からは老婆心ながらアドバイスを送りました。(笑)

2023年

5月

17日

マンガ学科がある公立高校

今日は、保育園を早々に抜け出して、私が勤務していた民間企業のOB総会に出席しました。コロナ禍もあって、今日が4年ぶりの会合となりました。会社を定年退職した方や私のように、転職・起業した仲間たちが、「社縁(しゃえん)」という形でつながっています。様々な分野で活躍する面々に大いに刺激を受けた次第です。保育士をしている元部下もいます。(笑)

 

さて、今日は、公立高校で全国初のマンガ学科を設置した、熊本県立高森高校の話です。今年度、漫画制作を中心に、デッサン、絵画、デザインなどの専門的な知識と技術を学ぶことが出来るマンガ学科を新設しました。

 

熊本市の中心から50キロほどの場所に高森高校があります。少子高齢化による生徒数減少を食い止める目的もあって、同校、高森町、県教育委員会、漫画事業を展開する(株)コアミックスが連携し、マンガ学科が開設されました。

 

マンガ学科の生徒は全国から募集し、1期生の定員は40人です。初年度は、県内は29人、県外が11人となりました。学力検査は行わず、鉛筆デッサンと漫画と文章による自己表現などで合否を決めたそうです。入学者の大半が、本気で漫画家を目指しているそうです。

 

「生徒たちが夢を実現できるよう、期待に応えられるような教育課程をつくり上げていきたい」と草原校長は語ります。

 

そして、企業が連携していることで、優秀な人材がいた場合、漫画家デビューのチャンスを設けるとしています。(株)コアミックスの堀江社長は、週刊少年ジャンプで編集長を務めた人物です。編集者として「北斗の拳」や「シティーハンター」などの多くの作品を生み出しました。

 

こうして、「学校」と「社会」が隣り合わせの環境で、子どもたちは、自分の夢に向かっていくのです。

 

しかし、高森高校のマンガ科に進むという明確な目標を持った高校生など、ほんの一握りかもしれません。しかし、こうして専門に特化した学びの環境が全国に増えることで、早いうちに「やりたいこと」を見つける若者が増えていくのかもしれませんね。まだ、できたばかりの高森高校マンガ科ですが、注目です。

2023年

5月

16日

妥協しない缶詰

今日の寺子屋では、屋上の野草を集めた花束を作りました。生ビールサイズのプラカップに、屋上で咲いている花や草などを自分たちのセンスで集めていきます。「シロツメクサ」「黄しょうぶ」「ハルジオン」「チガヤ」「バラ」「カタバミ」に、緑が欲しい園児は、野草を織り交ぜます。マルベリーやアスパラガス、ジャガイモの花やねぎ坊主(子どもたちは、こびとのとうちんと言ってます)も1つのカップに、素敵に盛られました。保育園の玄関に24カップの花束が並ぶと、なかなか美しいものです。朝の連続テレビ小説「らんまん」のモデルになった、牧野富太郎さんが言う「雑草という名の草花はない。みな名前がある」という言葉通りです。

 

さて、「松坂牛の大和煮5,386円」「気仙沼産ふかひれ10,789円」「三重県産あわび15,976円」と聞くと、どんなにすごい料理かと思いますね。実は、これらは缶詰です。国分グループのk&k缶つまシリーズです。

 

ご飯に合う一品ではなく、「お酒に合うおつまみ」という考えで、価格の枠を超えて、ひたすらおいしさを追求したのが商品開発部部長の織田さんです。

 

スーパーでの陳列では、缶詰コーナーではなく、酒類の棚の横にすると、缶詰の前年比が一気に300%にまで成長したそうです。

 

開発では素材を厳選。シャコは小樽産、牡蠣は広島産と、これこそはと思う食材を見つけ、全国津々浦々、漁業者に直接仕入れの交渉をしたそうです。製法にも余念がありません。しかし、どんなに逸品の素材でも、缶詰にできないものがあります。断念する食材もあるそうです。食べた瞬間、「お酒が飲みたくなった」と言われると、織田さんは、成功したと感じるそうです。

 

1本100円の缶コーヒーを値引きして80円で売れば、売上は上がります。でも、1本100円の缶コーヒーに付加価値をつけて200円で売れるようになれば、売上だけでなく利益も上がります。付加価値を認めたお客様も満足する買い物になるのです。

 

やっぱり、商売はこうありたいですね。私もエブリデーロープライスで買いものをするよりも、付加価値を見極めて、納得した買い物の方が、満足度があがります。商品開発だって、「〇〇円に価格を抑えないといけないので、原料をキロ10円で仕入れて・・・」なんていう仕事なんて面白くないですね。付加価値を見つける商品開発が楽しいに決まっています。(そんな理想通りにいかないよ!という声が聞こえてきますが・・・)

2023年

5月

15日

禁断の惑星

今日の連絡ノートには、「保育参観楽しかった!」のコメントがいっぱいです。雨の中でしたが、こびとを見つけよう!ゲームでさらに火が付いた園児は、すぐに、ママにこびとの本をリクエストしていたようです。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、このタイミングでこびとの本を購入した保護者は、賢いお金の使い方をしたようです。子どもが本を読む習慣につながるチャンスですね。

 

さて、教育現場でのChatGPTの使用の是非が議論されています。私のような昭和世代は、ターミネーターのように、機能が高度化することで、人間が制御できない状況が起きるのではないか・・・と、まるでSF映画の世界を想像してしまいます。(笑)

 

今日は、1950年代に制作された、初期SF映画の金字塔といわれ、そのテーマは今でも興味深い「禁断の惑星」について話をします。私が生まれるずっと前の、日本なら、戦後の高度経済成長期の幕開けの時代の作品です。

 

宇宙への移民が一般化した2200年代、過去に行方不明となった移民団を捜索するために、宇宙船を派遣し、ある惑星に着陸します。そこに居たのは、移民の博士とその娘、そして博士が作ったロボットだけでした。

 

事情を聞くと、その惑星には高度な科学文明を築いたクレール人という民族がいましたが、ある日、突然消滅したそうです。さらに他の移住団も、この惑星の正体不明の怪物に襲われて全員が死んだらしいのです。

 

物語の中で、高度な発達を遂げたクレール人は、優れた文明を築き上げた半面、自らの潜在意識を制御することが出来ず、巨大化した『無意識』によって、相互に傷つけ合い死滅したことが分かりました。実は、怪物の正体は、博士の『無意識』(憎しみなどの感情)だったのです。

 

クレール人が作った巨大エネルギーの生成装置を使い、博士自らの能力を飛躍的に高めたことで、心の奥底の闇が怪物となって現れるようになってしまったのです。怪物は、博士をも襲います。そして、瀕死の状態となり、怪物もろとも自爆装置で惑星と共に滅んでいくのです。娘と乗組員は、なんとか宇宙船で脱出し、命を守るのです。

 

この映画の結末のメッセージは、「人は神にはなれない」です。神になろうとする高慢が、いかなる破壊を生むか・・・これは、現代でも独裁者の暴走が引き起こす戦争と似ていますね。

 

ChatGPTが普及すれば、学びの在り方や自分で考える事が欠如する若者が増えてしまうかもしれません。情報通信技術はあくまでも道具であり、それに意味や価値を与えるのが人間であるという、当たり前の考えが、この先も維持できるかどうか・・・

 

ちゃんと考えなくてはいけない時代になってきたようです。

2023年

5月

14日

正解の無いクイズ

昨日の保育参観・・・どうも保育園の行事になると、声が大きくなってしまう園長は、朝起きると、声がガラガラです。(笑)

 

さて、保育園の朝の会のインタビューでは、「好きな食べ物は何ですか?」という問いに、隣の園児と同じ答えを言う子に対して、「マネじゃなくて、自分で考えた答えを言いなさい」と言い。イベントおやつのインタビューで「おいしい!」と答える園児に、「どうんなふうにおいしいのかを言って」と言い続けています。

 

昭和世代のおやじ園長ですら、「人と同じことをするのが大嫌い」ですが、保育園の子どもたちが、これから生きていく「よのなか」では、ますます、みんなと同じではなく、あなたのオリジナルが求められる時代です。

 

そんな中、面白いクイズ番組があります。「正解の無いクイズ」です。クイズ番組には、必ず「正解」があります。しかし、この番組は自分で考えた答えがたくさんあります。5月2日放映の問題を紹介します。

 

「マッチ売りの少女が爆発的にマッチを売るアイデアは?」に、あなたどう答えますか。

 

答え①

『マッチ売りの少女』というアイドルグループを結成。「あなたの応援で私たちに火をつけてください」というコンセプトで、SNSで拡散させるよう実際にマッチを売る。さらに、「人気が出てきたら自分たちの顔写真を貼って1万円で売る」という展開も。7人グループで一人100本売れば、1日で約1000万円の売上も可能。

 

答え②

『マッチ売りの少女・・・マッチの在庫が大爆発』という見出しだったら、Yahoo!ニュースのトップまでいくだろうと考え、「マッチ売りの少女を助けようキャンペーン」で、みんなでマッチを買ってあげる。

 

答え③

マッチ売りの少女にマッチを売らせてはいけない。世界的に児童に労働をさせることは原則として禁止されている。しかも大晦日の深夜まで働かせているため「これはあってはならない」こと。爆発的に売れても、「犯罪による利益」なので、全て没収される。

 

AIの答えはこうです。

「幸運を呼ぶ魔法のマッチとして売る」少女がニコニコしてマッチを売ることが大事なことで、一般的に慈善活動とのコラボにより、売上は20~50%増える。また、ストーリーと掛け合わせたマーケティング手法により、売上は2倍になる。これらを加味すると、AIの判断では、売上は300%増えるとのこと。

 

どうですか・・・AIの回答は、総論では間違いはないですが、具体性に欠けますね。やはり、人間が考えた答えが、面白いし、意外性があります。

 

私たち大人は、子どもがどんな「答え」をだしても、「正解」を教えるのではなくて、「そういう考えもあるね。ママパパには思いつかなかったよ」と返すのがいいですね。

2023年

5月

13日

令和5年度保育参観

雨となったにもかかわらず・・・「楽しかった!」の声が、子どもたちや保護者の方々から何度も言っていただいた保育参観となりました。

 

メインは、屋上でのレクリエーションです。「こびとを見つけよう!ゲーム」は、先生たちが紙粘土で、16人のこびとを作りました。これが、なかなか完成度が高くて、「こびとと話ができる〇〇先生が、今日は16人のこびとを呼んできました。屋上に隠れているので、みんなで見つけよう!」で、ゲームスタートです。子どもたちだけでなく、大人も夢中です。みんなで見つけた『カクレモモジリ』『リトルハナガシラ』『タカラコガネ』『イエミズマワリ』など、16人のこびとが並ぶと、なかなか壮観です。世間一般では、今から15年ほど前のブームですが、保育園ホワイトきゃんばすでは、今が最高のこびとブームになっているのです。「雨でもやりたかった」ゲームでした。

 

こびと探しの余韻が残っている中で、「マルベリーを食べよう!」「玉ねぎの収穫」を行いました。身軽なパパが、脚立に乗って、高い場所の実を取ってくれたり、卒園児の小学生が木登りして、たくさんの「桑の実」をゲットしました。保護者の皆様も初めて食べる味です。子どもと一緒に、手を赤く染めていました。(笑)

 

玉ねぎは、パパママと一緒に引っこ抜きます。自分の顔ぐらいある大きな玉ねぎをゲットした5歳女の子は、どや顔で玉ねぎを顔の横に持っていきました。雨の屋上でしたが、全く雨が気にならないほど、楽しい屋上タイムを過ごしたのです。

 

保育園では、今年度が始まって1か月半です。新人ママにとっては、まだ知らないことも多いので、自己紹介をします。子どもの特徴が一言あって、笑いありの時間となりました。そして、ママへのプレゼントです。色紙の真ん中に、ママとのツーショット写真があって、そのまわりを子どもたちが素敵な装飾をしました。ママと子どもたちの笑顔がいっぱいになりました。

 

今回は、屋上で子どもたちが見ている「野草」や「野菜」の話をしました。「シロツメクサ」「ムスカリ」「カラスノエンドウ」「チガヤ」「黄しょうぶ」「ハハコグサ」「ホトケノザ」などの野草と、現在ファームで育てている野菜の映像を子どもたちと一緒に当てます。そして、ホワイトきゃんばすの大きな特徴である「異年齢保育」で行われている「学び」の姿を『学びのピラミッド』という考えで、園長が解説します。また、「ほったらかしと過保護と見守りの違い」の話をしながら、子育てに奮闘するパパママにエールを送ります。

 

ということで、2時間の保育参観でしたが、充実した保護者の皆様との時間が共有できたと思っています。雨の中、本当にありがとうございました。今夜は、ママパパと子どもたちで、こびとの話で盛り上がることでしょう。(笑)

2023年

5月

12日

ハッピーバースデー 先生!

明日の保育参観で、マルベリー(桑の実)を食べたいという保護者が多いです。残念ながら、雨の予報ですが、屋上での活動を計画しています。もちろん、マルベリーも食べてもらいます。(笑)

 

さて、ある先生が、職員室でそわそわしていました。校長先生が尋ねると、クラスの子どもたちから「しばらく職員室で待っていてほしい」と言われたとのこと・・・どうやら、先生を驚かすイベントを企画しているようでした。

 

案の定、先生の誕生日を祝う会をクラスの子どもたちが自分たちで企画・立案し、会場づくりやプレゼント準備、司会進行などを自主的に活動していたのです。クラスの子どもたちは「担任の先生をぜひとも喜ばせたい!」という素直な気持ちです。

 

これは、子どもたちと担任の望ましい人間関係が構築されていたことと、互いを尊重し、良さを認められる態度がクラスの中に形成されていたのでしょう。もちろん、先生は喜びの涙でいっぱいになったのです。子どもたちが手作りしてくれたプレゼントは、その先生にとって宝物ですね。

 

こんな話を聞くと、思い出すのが、ホワイトきゃんばすの卒園児の女の子のエピソードです。現在中学1年生になりましたが、彼女が小学校3年生の時に、担任の誕生日にサプライズ企画を計画しました。

 

まずは、決して先生にばらさない口が堅い子数人に、この企画を提案します。すると、全員賛成となりました。クラスにピアノコンクールで優勝経験のある男子がいるので、彼がピアノを弾いて、クラス全員で♪ハッピーバースデー♬を歌います。教室の装飾も手分けをして完成させ、クラス全員のメッセージ色紙をプレゼントしたのです。もちろん、先生は号泣です。

 

私は、この話を聞いたときに、小学校3年生でこんなことが出来る卒園児を誇りに思ったものです。小3にして、クラスのメンバーの長所や特技を見抜いて、それを1つにする調整能力には、アッパレでした。

 

コロナも終息してきたので、こうした「子どもたちが自分で考えたサプライズ企画」がどんどん増えていくと嬉しいですね。

2023年

5月

11日

一人で抱え込まない

今日は、埼玉県警の「春の全国交通安全運動出発式」に招待いただきました。年長園児11名を連れて、保育園から歩いて15分ほどの交通機動隊に行ってきました。「白バイ隊のデモンストレーション」は、単純にカッコよかったですね。いきなり、踊る大捜査線のテーマ曲が流れて、全国大会に出場するトップクラスの白バイ隊員4人が技を見せてくれました。子どもたちにとって、憧れの白バイです。白バイに乗ったり、パトカーの運転席にも座りました。大興奮の子どもたちです。 

 

さて、ある公立中学校での話です。A校長は、2週間余り欠勤しているB教諭から退職の相談を受けました。Bは「部活動中に自分のミスで生徒Cにけがをさせてしまい、Cの父親から慰謝料などを含めた50万円を弁償するよう要求されました。学校には報告せず、個人的に解決しようとしましたが、どう対処すればいいか困り、体調を崩してしまいました」と話したのです。

 

さぁ~皆さんはどう思いますか。「なんで学校に報告しないの?社会人として、問題あり」と思いましたか。私も、若き営業マン時代は、得意先とのトラブルを自分一人の力で解決することが美徳と勘違いし、上司に報告せずに、さらに状況を悪化させてしまったことがありました。この時は、自分の仕事は、会社の問題という認識が欠如していたのです。

 

会社も学校も、問題発生に対しては、組織で対応するのが不可欠で重要なことです。この中学校の例では、教諭B個人の賠償責任は成立せず、学校設置者の自治体が賠償責任を負います。Bが責任を感じ、個人的に解決しようとする気持ちは理解できますが、余計にトラブルを深刻化させかねない、不適切な対応なのです。

 

最近では、スクールロイヤーがいる学校もありますが、教育委員会と対応を協議します。この事例では、Cの父親から求められた50万円ですが、法律の専門家が対応すれば、Cの父親が支払った治療費用や、診断書などの資料を見せてもらい賠償金額が正当かどうか判断してもらいます。素人ではわからないですね。

 

もちろん、B教諭が体罰を行ってケガをさせた場合など、状況によっては、個人の責任も追及されますが、今回は、ミスによるケガですので、完全に組織が責任を取る形ですね。

 

昨日のブログでは、教員試験の採用倍率が低下の一途をだどっている話をしましたが、教員は、子どもたちだけにかかわる仕事以外に、保護者や地域住民対応の仕事の比重が高まっていることも、教員不足の理由の一つです。

 

でも、何かあったら、自分一人で抱え込まない。学校・教育委員会という組織力で対応することが、当たり前の認識になっていけば、教員が、一番大切にしたい「子どもたちとの時間」に注力できるのです。

 

保育園の園児の中には、どんな些細なことでも先生に話をする園児(いいつけも含めて)がいる一方で、3歳児以上になっても7割くらいは、内向的な性格で、先生に言えない園児がいます。実は、言えない園児の方が多いのです。この対応に、特効薬はなく、「困ったことがあったら先生に言ってね」を言い続ける事しかありません。

 

大人の組織でも、「マイナスなことを報告できる雰囲気」が大事ですね。人間が『自立』することは、何でも自分一人で解決することではありません。周りの協力をもらって解決できる調整力が問われます。所詮、人間一人にできることなど限られていると考えたほうが、ストレスもなくなりますね。

2023年

5月

10日

増やせ!教員志望者

今日は、3歳女の子が自転車に乗れるようになりました。保育園の先生が、「いけるかも?」と判断し、女の子に促します。そして、思惑通り50メートルクリアです。園長も、現段階で年少園児が自転車の乗れるようになるとは思っていなかったので、ビックリです。年少園児は7名いますので、来年3月までに、残り6名全員が自転車に乗れるように、のんびりと個々のペースやっていきます。

 

さて、今から20年以上前の平成12年度の教員採用倍率は13.3倍でした。とても狭き門だったのですが、令和3年度の倍率は3.7倍まで落ち込み過去最低となっています。小学校では、2倍を切る自治体もあり、秋田県は1.3倍です。

 

埼玉県教育委員会では、本年度の教員採用試験から、民間企業などで5年以上正規勤務経験がある人を対象に、「セカンドキャリア特別選考」を実施します。それを受けて、先日さいたま市内で社会人対象の特別選考の説明会が行われました。200人以上が集まったそうです。

 

説明会では、教育界の動向や教員の福利厚生、採用試験についての説明があり、その後民間企業から教員に転職した2人によるパネルディスカッションで、教員を目指したきっかけや現在の仕事について紹介されました。

 

埼玉県では、社会人への働きかけに力を入れていて、教職員採用の担当者は「教員になりたいという潜在的なニーズが大きいことが分かった。民間で付けた力を学校現場で発揮し、活躍してほしい」と期待します。

 

私がPTAで小学校に関わった15年以上前に、杉並区和田中学校で、公立校で日本で最初の民間企業出身の校長が誕生しました。リクルート出身の校長先生は「よのなか科」を立ち上げて、「マクドナルドを出店するにはどの場所が一番いいか?」という授業を行います。実際に、駅に電話をして乗降客数をその場で聞いたり、マクドナルドの広報も登場する授業です。

 

子どもたちは、学校を卒業してやがて社会に出ます。「よのなか」でたくましく生きていくには、民間企業で働いた経験を持つ先生が必要という考えです。実は、校長・教頭は少ないですが、教員の中には、民間企業出身者が多くいます。私の次女が小学校4年生の時の担任が、保険会社社員→教員という経歴です。母親とは、授業参観などで、よく顔をあわせるので、あえて児童の父親を公民館に集めて、コミュニケーションを父親相手に行いました。この発想が、民間企業出身たるゆえんです。

 

昨年、教員免許更新制度が廃止され、平成21年3月末までに取得した教員免許状が、自動的に復活しました。教員免許を持っているが、企業で勤務するなどして、一度も教壇に立っていない社会人もいます。また、自治体によっては、一般の社会人が、教員免許取得のための学費を補助する採用枠を設けるところもあります。埼玉県なら、合格後、教員免許の取得のために最大2年間採用を猶予してもらえます。この期間で、通信制大学などで教職課程を履修し、免許が所得出来れば、即採用となります。

 

多様性の時代・・・教員も、新卒教員もあれば、民間企業出身もありの様々な経験を持った人が集まった組織がいいですね。

 

はい。保育園ホワイトきゃんばすの園長も、民間企業出身者です。(笑)

2023年

5月

09日

働くデイサービス

今日の寺子屋は、サツマイモの苗を植えました。3月のジャガイモは、そのまんまジャガイモのタネを土に埋めたのですが、同じイモでも、サツマイモは、葉と茎の部分を土の中に挿すように植えます。

 

「サツマイモを大きくするのは、何ですか?」と子どもたちに聞くと、「土」「水」と答える園児。間違いではないですが、「一番大事なものは?」に、5歳女の子が「太陽の光です」と答えました。大正解です。サツマイモは、戦後の食糧難に活躍しました。荒れた土地でもしっかりとイモになるからです。土が痩せていても、太陽さえもらえれば、サツマイモは大きくなります。

 

そんな畑仕事は、子どもたちは大好きですが、介護サービスを利用するお年寄りだって同じです。

 

岡山市のスーパー「コープ西大寺」の駐車場では、近くのデイサービス「どんぐりハウス」に通う80歳の女性が、草むしりをしながら「元気で働けるのは、ありがたいことじゃ」と、30分間かけて丁寧に雑草を抜き終わると、デイサービスのスタッフに「きれいになりましたね。お給料をもらいに行きましょう」と店内へ。女性は、コープの店長から「ありがとうございます」と言葉をかけられ、謝礼金の200円を受け取りました。そのお金で、スイーツを買った女性は、「体を動かすことも、甘いものも大好き。買い物ができて楽しい」と大満足です。

 

こうして、デイサービスなどで、有償のボランティアが広がっているそうです。冒頭の「どんぐりハウス」では、歩くことが好きな人には、地域内を散歩しながらダイレクトメールを投函してもらい、庭仕事が得意な人には草むしりをしてもらうなど、その人の「やりたいこと」や「できること」に合わせて取り入れています。「お年寄りが、『自分にできること、地域で役立てることがある』と感じ、生き生きとしている姿は、見ていてもうれしい。認知症の進行の抑制にもつながっている」といいます。

 

定年退職するまで、会社に貢献し、ばりばり働いた人が、仕事をしなくなると、「自分の存在意義」が見つけられずに、一気に認知症が進むことは、よくあることですね。デイサービスの活動自体が充実している。また、もともとコミュニケーション能力が高く、すぐに仲間を作れる人はいいですが、ただ、時間を過ごすだけの人が多いのも現実ですね。私の父は生前、デイサービスで将棋仲間を作ったりして楽しんでいましたが、母は、新たな人間関係を作るのがおっくうだったようで、よくデイサービスをさぼっていました。

 

働くデイサービスが広がっていけば、「家にこもりがちだった生活が、ここに来るようになって変わった。この冬、謝礼金で妻にマフラーをプレゼントした」「社会とつながり、『自分は一人じゃない』と感じられるようになった」という人が増えていくことでしょう。

 

私の次女が、介護施設で働いています。この4月に「後輩が来た!」と大喜びです。ただし、父親である私が、認知症になったら「迷わず施設に入れる!」と言っています。父としては、認知症になる前に、働くデイサービスのような、「社会参加している」と実感できるような活動をしたいものです。もう、すぐ先の将来です。(笑)

2023年

5月

08日

ムラブリ族

ゴールデンウイーク明けの保育園がスタートしました。朝の会では、寺子屋園児1人ずつ、「ゴールデンウイークはどこに行きましたか?」のインタビューをすると、今年は、故郷への帰省から、キャンプ、旅行に、日帰りでも、色々な場所に子どもたちを連れて行った、ママパパ・・・お疲れさまでした。子どもたちは、ニコニコしながら、話をしてくれました。

 

そして、屋上の桑の木には、マルベリーがどっさりです。甘酸っぱいベリー系の実ですが、5、6人の園児が、延々と食べていました。20個以上は食べています。そんな子どもたちを見ていると、とても現代人とは思えません。木の実をむさぼり食べる子どもたち・・・令和なのに?という感じです。

 

今日は、ラオスの森で、バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森の中を遊動する生活を送る少数民族「ムラブリ族」の話です。保育園の子どもたちがマルベリーを食べるように、彼らもまた、木の実を食べます。

 

ムラブリとは、彼らの言葉ムラブリ語で「森に生きる人」という意味だそうです。木の実だけでなく、イモ、動物、魚などをとって暮らしています。総勢約500人のうち村に定住している人もいれば、森の中をグループで移動しながら生活する人もいます。

 

世界で一人と言われている「ムラブリ語」研究者の伊藤雄馬さんは、現地でムラブリの言葉と文化に迫ります。暦がなくて「明日、調査に行ってもいいか?」とたずねると「明日のことはわからない」と言われてしまうそうです。

 

伊藤さんは、ムラブリについて、「森で暮らす人たちはテレビや携帯電話のある生活を見て知っています。それでも、森に帰っていくのです。楽なんでしょうね。森の中で生きる術を持っていて、竹や木で住むところを作ることもできる。若い頃は、町に出たいと言って、専門学校に行って、泊まり込みで勉強する人もいるんですけど、戻ってくる人がほとんどです」と言います。どうやら、まったく文明社会から縁のない生活を送っているわけでもないようです。

 

ムラブリ族の生活は、日本人の価値観とは、大きく乖離しているのかもしれませんが、「モノを多く持たない」生活は、私たち日本人にも理にかなっているのかもしれません。

 

ムラブリ族・・・覚えておいてください。

2023年

5月

07日

世界の名スピーチ⑤

今日でゴールデンウイークもおしまいです。ニュースでは多くの人出で賑わう観光地などの映像をたくさん見ることが出来ました。沖縄は、コロナ前の2019年対比でも大幅増の観光客が訪れたそうです。人間は我慢をすると、その反動が大きい生き物です。例えが悪いですが、急激なダイエットの後にはリバウンドがやってくるように。(笑)

明日からの日常も、コツコツと学校や仕事に無理なく切り替えていきたいですね。

 

私たちの心をうつ、名スピーチ・名言はたくさんありますが、今日でいったん終了です。3・11東日本大震災から4年後の追悼式のスピーチを行ったのは、震災当日に中学校の卒業式だった「菅原彩加(さやか)」さんです。彼女は、津波で母親を含む家族3人を失います。震災の2か月後には仙台育英高校に入学。日本だけでなく、海外でも被災体験を語り、その数は世界7都市で50回にも及びます。

 

ありがとう、大好きだよ。  菅原彩加

 

私は、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市大川地区で生まれ育ちました。あの日、中学の卒業式が終わり、家に帰ると大きな地震が起きました。逃げようとしたときには、すでに地鳴りのような音と共に津波が一瞬にして私たち家族5人を呑み込みました。しばらく津波に流されたあと、私は運良く瓦礫の山の上に流れ着きました。そのとき、足下から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、かき分けて見てみると、釘や木が刺さり足は折れ、変わり果てた母の姿がありました。右足が挟まって抜けず、瓦礫をよけようと頑張りましたが、私1人にはどうにもならないほどの重さ、大きさでした。母のことを助けたいけど、ここに居たら私も流されて死んでしまう。「行かないで」という母に私は「ありがとう、大好きだよ」と伝え、近くにあった小学校へと泳いで渡り一夜を明かしました。

 

そんな体験から今日で4年。あっという間で、そして、とても長い4年間でした。家族を想って泣いた日は数え切れないほどあったし、15歳だった私には受け入れられないような悲しみがたくさんありました。全てが今もまだ夢のようです。

 

しかし、私は震災後、たくさんのあきらめない人々の姿を見てきました。震災で甚大な被害を受けたのにもかかわらず、東北にはたくさんの人々の笑顔があります。「みんながんばっぺな」と声をかけ合い、復興へむかって頑張る人たちがいます。日本中・世界中から東北復興のために助けの手を差し伸べてくださる人たちがいます。そんなふるさと東北の人々の姿を見ていると「私も震災に負けないで頑張らなきゃ」という気持ちにいつもなることができます。

 

震災で失ったものはもう戻ってくることはありません。被災した方々の心から震災の悲しみが消えることもないと思います。しかしながらこれから得ていくものは、自分の行動や気持ち次第でいくらにでも増やしていけるものだと私は思います。前向きに頑張って生きていくことこそが、亡くなった家族への恩返しだと思い、震災で失ったものと同じくらいのものを私の人生を通して得ていけるように、しっかりと前を向いて生きていきたいと思います。

2023年

5月

06日

世界の名スピーチ④

今日は、ゴールデンウイークの谷間の保育園です。今日も仕事のママがいますので、保育園は平常通りです。小学2年の男の子が、「園長先生!マルベリーが黒くなっているよ!」大騒ぎです。屋上の桑の木に、赤黒くなった「マルベリー(桑の実)」が熟しています。子どもたちは、今シーズン初物のマルベリーを口に運びます。「甘くておいしい!」と、猿のように木に登って、バクバク食べていました。一昨年に剪定し、昨年は実ができずにがっかりでしたが、今年は大豊作です。ざっと、500個以上の実をつけています。しばらく、子どもたちの「マルベリーつまみ食い」が続きそうです。

 

さて、今日は、裁判官「小野裕信(ひろのぶ)」さんの話です。まだ40代の裁判官です。2019年3月、コカイン使用で逮捕された、俳優でもあり、テクノバンド「電機グルーヴ」のメンバーでもある「ピエール瀧」被告の公判が同年6月に行われました。そこで、懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡したあと、こう続けたのです。

 

「人生」と書いた人の気持ちに応えられているか。  小野裕信

有名人だからといって、ことさら刑を重くしたり手心を加えたことはありません。ただ、言っておきたいと思ったことがあります。(証拠の写真を瀧被告に示しながら)漢字2文字が書いてあります。読んでいいですか。(瀧被告「はい」)

 

「人生」と書いてあります。どうして「人生」と貼ってあるのか検討しました。インディーズ時代を含めて、よく出てくる言葉だとわかりました。(「人生」は電気グルーヴ結成前、ピエール瀧が高校の同級生と組んでいたバンド名)

そこで、3つのことを問いたい。人生をどうしたいのか。人生の持つ意味とは何か。「人生」と書いてくれた人の気持ちに応えられているか。

 

あなたが芸能界に復帰できるのか、復帰できても何年先になるのかはわかりません。でもいつか薬物のドーピングがなくても、芝居が良いとか、これまでより活躍していると、社会の人から見てもらえる日が来ることを切に願っています。謝罪やカウンセリングの中で迷ったり悩んだり孤独になることがあるんじゃないかと思います。そのときは「人生」と書いた人の気持ちに応えられているかを、胸に手を当てて考えてほしい。それがあなたがいるべき場所を見失わない上で大切なことじゃないでしょうか。

2023年

5月

05日

世界の名スピーチ③

今日は、こどもの日ですね。私が子どものころに比べると、一般家庭での「こいのぼり」は少なくなってきましたね。保育園の子どもたちは、自分で作ったこいのぼりをおうちに飾っていることでしょう。

 

さて、今日は、ヘレン・ケラーです。彼女は、3回も日本に来ているそうです。1880年生まれのヘレン・ケラーは、熱病のために1歳で聴覚と視覚を失います。言葉も当然不自由になるのですが、7歳から家庭教師「アン・サリバン」によって教育を受け、三重の障害を持ちながら大学教育を修了した世界最初の人となります。

 

まずは、家庭教師アン・サリバンのスピーチを紹介します。

20年以上もの間、ヘレン・ケラーは私の顔に手を当ててきました。私が発する音を認識する為です。そして、彼女は私の口の中、舌に手を触れて言葉を発するときの舌の位置を確認、そして手で触れて感じた舌の動きを自分のものにしようとしてきました。何度も何度も、言葉をきちんと発音できるまで、あきらめずに。彼女が乗り越えてきた障害は、私たちの想像を絶します。やればできる、と人は言い、様々なことにチャレンジしますが、ヘレンよりも壮絶な挑戦をしてきた人はいるでしょうか。今日はヘレンから皆さんにお話ししたいことがあります。彼女が自分で皆さんにそれをお伝えします。

 

私こそが、皆さんの「目に見えるチャンス」です。  ヘレン・ケラー

 

皆さんは、こんな言い回しをどこかで聞いたことがあると思います。「チャンスとは目の前にある全てのドアをノックする移り気な女性のようだ。しかし、もしドアがノックしてからすぐに開かなければ、彼女は次のドアへ移り、二度ともどってくることはない」チャンスとはそういうものなのです。愛くるしく魅力的な女性は、辛坊強く待ってくれやしません。チャンスは自分でつかみにいくしかないのです。私こそが、皆さんの「目に見えるチャンス」です。私は今、皆さんのドアをノックしています。ノックする傍らで、すぐにドアが開くことを願っています。

 

想像できますか?見えることが当たり前だと思っていたあなたが、今日突然、視力を失ったとしたら?一人では何もできなくなります。仕事をするなんてとんでもありません。私がどのように乗り越えてきたかは、皆さんのご存じの通りです。他者の指に触れ言葉を学び、私の深く困惑した心に他者の優しさが染みました。このようにして私は自分を、自分を取り巻く世界を、そして神すらも見つけたのです。全てはサリバン先生のおかげです。彼女がいたからこそ、今、私はみんなと私自身のために闘っています。

 

「視覚障害を持つ小さな子どもに教育機会を平等に与えたい」そして「視覚障害を持つ全ての人がサポートを受けられる社会をつくりたい」という私の願いを一緒に叶えてはもらえないでしょうか。皆さんは目が見える、耳が聞こえる、そして強く優しい心と勇気を持っている。「闇の騎士」となって私と一緒に「闇」と闘ってください。

2023年

5月

04日

世界の名スピーチ②

永谷園の永谷会長が、2代目「ぶらぶら社員」を任命したそうです。ぶらぶら社員って?と思いますよね。使命は、新商品開発に結びつくような情報をどんどん会長に入れることだそうです。そのための交通費・経費は全て会社持ちで特別報告もありません。メール、写真、メモ、サンプルなどどんな形でも情報を持ってくること・・・だそうです。ちなみに、初代ぶらぶら社員は、ロングセラー「麻婆春雨」を生んだそうです。2代目の64歳のおっさん(失礼)が、どんな商品のアイデアをもたらすか・・・注目です。

 

さて、今日は、ロッキー・バルボアです。シルベスター・スタローンが、世界に注目されたシリーズですね。今回は「エイドリアン!」の第一作ではなくて、第6作「ロッキー・ザ・ファイナル」で、老ボクサー、ロッキー・バルボアの復活にあたり、疎遠だった息子ロバートが父のもとを訪れます。「恥さらしはやめてくれ。父さんのせいで、みんなからバカにされるのはゴメンなんだ」と抗議したことに対し、ロッキーが息子を抱きしめて言った言葉です。

 

迷わず前に進め。パンチを恐れるな。 ロッキー・バルボア

 

わかっていると思うが、世間はバラ色じゃない。下劣で浅ましい場所だ。おまえがどれだけタフかは知ったことではない。おまえは現実に打ちのめされ、何もしなければ永遠に打ちのめされたままだ。おまえも俺も、この世の誰も、人生の現実が繰り出すパンチにはかなわない。

 

しかし肝心なのは、おまえがどれだけ強いパンチを打てるかではない。どれだけ強いパンチを食らっても、前進を続けられるかどうかだ。どれだけ我慢して、前進を続けられるかだ。その先に勝利がある。

 

いいか、自分の価値を信じるなら、迷わず前に進め。だが決してパンチを恐れるな。他人を指さし、自分の弱さをそいつらのせいにするな。それは卑怯者のやることだ。おまえは違う。

 

この先、何があろうと、俺はおまえを愛し続ける。おまえは俺の息子だ。俺の血が流れている。人生のかけがいのない宝物だ。だけど、お前は自分自身を信じなければ、人生はつかめない。

2023年

5月

03日

世界の名スピーチ①

今日から、ゴールデンウイーク後半戦ですね。保育園の子どもたちも、山形・新潟・福島などの遠方から近くのおじいちゃんおばあちゃんの所へ帰省したようです。たくさんの思い出を作って、大いに甘えてきなさい!ですね。(笑)

 

今日から、しばらく、世界の名スピーチに付き合ってもらいます。1日目は、2015年4月4日の近畿大学入学式で祝辞をした、つんく♂さんのメッセージです。つんく♂さんは、近畿大学在学中の1988年にロックバンド・シャ乱Qを結成しヒット曲を連発します。1990年代後半以降は、モーニング娘の総合プロデュースを担当します。そして、この祝辞で、自分が初めて生態を摘出したことを明らかにしました。

 

あなたの代わりはいないんだ。   つんく♂

 

正直言いましょう、今日のこの入学式には、近畿大学にひっしのぽっちで入学した人。狙い定めて入った人。結果的に滑り止めで入った人。いろんな人がいるでしょう。でも、あなたにとってどの大学が正解だったんでしょうか・・・それはわかりません。ただ一つ言えるのは、この先の人生で、あなた自身が「ああ、この大学に入ってよかったな。」という道を歩めば良いんだと思います。

 

なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることが出来ないのか・・・それは、私が声帯を摘出したからです。去年から喉の治療をしてきましたが、結果的に癌が治りきらず、摘出するより他なかったから、一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました。

 

ここまでの人生はもしかしたら受け身だった人もいるかもしれません。親が言うから、学校の先生がすすめたから、でも、もうすぐ皆さんは成人します。もう自分の人生を歩んで行くんです。自分で決めて進んでいけば、絶対に何かを得、そしてまた次のチャンスへと繋がっていくんだと思います。私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんなことを考えながら生きていこうと思います。

 

皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います。自分で切り開いていく道を選べば、きっと自分を大きく育てるようなそんな大学生活になるでしょう。仲間や友人をたくさん作り、世界に目をむけた人生を歩んでください。私も皆さんに負けないように、新しい人生を進んでいきます!

 

だから最後にもう一度言わせてください。入学、本当におめでとう!「あぁ、良かった!」と思える大学生活をセルフプロデュースしてください!

2023年

5月

02日

再挑戦の教室

母の日に素敵なプレゼントを計画しています。子どもたちの作品は、今日でほぼ完成です。子どもとママのツーショット写真を使用するのですが、コロナ禍での3年間は、マスクの顔をずっと見ているので、マスクを外したママの顔に「この綺麗なママは誰?」となります。お世辞でなく本当です。(笑)

 

さて、コロナ禍もあって、不登校の児童・生徒が増え続けています。2021年度は小中学校合わせて、約24万5000人になったそうです。

 

そんな子どもたちを受け入れる「チャレンジスクール」として、2022年に開校したのが、都立小台橋(おだいばし)高校です。普通高校と違って、目的は「再挑戦」の教室となることです。

 

2022年の開校に向けて、その2年前に準備が始まりました。杉森校長含む3人が、開校準備室に配属されました。この時は、学び直しを重視するといった基本方針は決まっていたものの、カリキュラムなどの詳細は「白紙」の状態でした。

 

不登校という形で、学校に「NO」を出した生徒たちに、もう一度登校してもらうには、どんな学校がいいのか。興味のあることはとことん取り組むけど、集団行動は苦手。周りの子たちが授業で学び合っているのに、一人、机の中から好きな本を出して読んでいる。

こんな、不登校になる子どもたちの特性を話し合っていると、「普通じゃつまらないよ。いろんな子の特性に合わせることで自信につながっていくような学校にしたいね」と、新しい学校の方向性が見えてきます。

 

遅刻しても、登校しやすいように、ホームルームは2時間目の終わりに置いたり、集中力を持続させるために、通常50分の授業1コマを45分に短縮します。ドローン操縦や動画作成など関心を引く科目も設けました。

 

今年の4月10日・・・2年目を迎える小台橋高校は、2年生と1年生の約400人が顔を合わせました。中には、茶や金、紫、赤といった髪色の子もいます。式の後、1年生のクラスではホームルームが開かれました。「明日はみんなに自己紹介をしてもらいます。と言っても強制ではありません。話せる範囲でお願いします。この学校では、ネックレスもピアスにもルールはありません。でも、身体測定の時は外してくださいね」と担任は穏やかに語りかけます。4月中は、「やってみたいことリスト」を作成するなど、授業は急ぎません。「生徒の不安を少しでも減らして、学校に通える土台をち整えることが今は一番大切」と校長は語ります。

 

東京都教育委員会は、小中学校で不登校だった子や高校中退者ら向けの都立高をチャレンジスクールとして、特別な教育課程を用意しています。2000年度に1校目が開校し、小台橋高校が6校目だそうです。午前、午後、夜間の3部定時制で、原則4年間で卒業するカリキュラムです。入試では、中学校の調査書は不要。学力テストはなく、志願書と面接、作文で合否を判定します。勉強が遅れている子でも、受験しやすくしています。

 

子どもたちにとっては、何かのきっかけで「学びたい」につながることがあります。そんな時に、受け入れる学校があると、子どもたちの「再挑戦」の道が開かれるのです。人は、大人になっても、何度も挑戦を繰り返す生き物です。子どもたちには、もっとたくさんの選択肢があっていいのです。

2023年

5月

01日

「お金を使う」考え方

昨日は、義理の母を連れて、あしかがフラワーパークに行ってきました。「世界で行きたい夢のような場所10選」にも選ばれた、「大藤」は、まさに圧巻です。外国人の姿が多かったですね。藤の花を知っている日本人の私でさえも絶句ですが、外国人には、異次元の景色に映っていたようです。それぞれの言語で、大興奮です。(笑)

 

保育園の屋上にも、様々な花が咲いています。えんどう豆の花は綺麗ですよ。黄色の菖蒲が鮮やかに池のカメに訴えています。ジャガイモの花もトマトの花も咲いてきました。ふだん見逃してしまう野菜の花も、よく見ると美しいですね。

 

さて、今日は、アメリカポートランドでのお金の使い方について話します。まず、日本と比較して物価が高いのです。カフェで普通のラテ(小)が700円もします。日本ならスタバもそんなに高くはありません。ブロッコリーは400円です。日本なら季節によって変動しますが、198円くらいですね。

 

円安の影響もあるのでしょうが、それにしても高いですね。日本人なら、ちょっと、考えてしまいますね。カフェに入るのはやめて、野菜はモヤシにしよう・・・とか。(笑)

 

しかし、ポートランドの人たちは「お金を使う」ことに対する感覚が、日本とは全然違うそうです。この場所は、「ご近所主義」で知られているようで、利益の一部はご近所さんに返すことが当たり前の考えです。スーパーは「地産地消」をモットーに、売上の1割を地元コミュニティに寄付することで、人気を得ているので、住民も高い買い物とは思わないのです。彼らは、「割高」なお金を払うことで、この地域が良くなるように、間接的に寄付をしているのです。

 

セルフサービスのカフェでも、喜んで客はチップをガンガン払っています。それは、「明日も元気に営業してね」というエールです。

 

出したお金が結局は自分に返ってくると信じられれば出し惜しみもしなくて済みますね。この信頼関係で、経済が回っているのです。日本でも、こんなコミュニティがどこかにあるのかもしれませんが、「お金を使う」考え方は、自分がどうしたいか次第というわけですね。

2023年

4月

30日

「おふくろの味」の正体

昨日の長女の結婚式では、フランス料理のフルコースが提供されたので、テーブルの上には、ナイフやフォークがずらりと並びます。義理の母が「どれから使ったらいいの?」と戸惑うほどでした。(笑)

 

そんなフレンチのコースと対極に位置するのが、「おふくろの味」です。しかし、「おふくろの味」の正体は、そう簡単には説明できませんね。

 

まずは、「おふくろの味」と聞いて、どんな料理を思い浮かべますか。肉じゃが・コロッケ・ポテトサラダ・・・が、私の世代では浮かんできます。

 

「おふくろの味」をタイトルに掲げる料理本は1960年に登場し、一昨年まで総数101冊出版されました。70年代と90年代に2回、出版ピークがあったそうです。最初のピークは、1960年代の高度経済成長期に、若者が集団就職で故郷を離れ、望郷の念が募ります。一方、故郷側も第一次産業衰退の穴埋めに「ふるさとの味の商品化」を推進します。そんな時代背景から「おふくろの味」が生まれ、浸透していきました。

高度経済成長期には、専業主婦が定着し、「料理はお母さんが作るもの」という性別役割分業の意識も一体化して、「おふくろの味」という言葉が広がっていったようです。

 

2度目のピークは90年代、メディア主導で「おふくろの味」はモテ料理に位置づけられ、当時比較的新しい料理だった「肉じゃが」が伝統的な「おふくろの味」であるかのようにイメージされたのです。

 

このタイミングで「肉じゃが」が定着したようです。今では、私だって「めんつゆ」を使って、そこそこの味の肉じゃがを作ることができます。(笑)

 

この時代は、日本の家族が大きく変容します。1997年には、共稼ぎ世帯の数が専業主婦世帯を上回ります。しかし、「料理はお母さんが作るもの」という性別役割分担意識は、今まで通りで、実態とのギャップが出始めるのです。彼氏に「おふくろの味」を求められる女性がいら立つのも、こうした社会背景があるからです。

 

そして、2000年代に入ると、「おふくろの味」をタイトルにする料理本はなくなります。「おばあちゃんの味」や「ほっとする味」の言葉に置き換わっていったのです。こうして、時代背景を分析すると、「おふくろの味」は社会や時代がつくり上げた、『たかが40年間の幻想』でしかなかったということです。

 

世の男性諸君は、がっかりしましたか?そして、「おふくろの味」を期待されて、悩んでいた女性は「なぁんだ~そんなことだったのか!」と思ってください。

 

でも、あなたの家に、本物の「おふくろの味」があれば、それは幸せなことですね。私の場合は、「煮物」です。(笑)

2023年

4月

29日

花嫁の父

今日は長女の結婚式でした。1年前に入籍していましたが、コロナが落ち着いて、ようやく今日を迎えたのです。綱町三井倶楽部という素敵な場所で、我が娘は式を挙げました。花嫁の父親は、生まれて初めて、娘とバージンロードを歩いたのです。リハーサルで、歩き方がロボットのようにぎこちなく、本番では、ちゃんと歩かないといけないと思うと、人生で何度も経験できないバージンロードウオークなのに、涙も出ません。(笑)

 

三井倶楽部では、1日1組の挙式なので、時間がゆっくりと進みます。都会の真ん中にやけに広い庭園があり、乾杯は、庭園で行われました。大正時代に建てられた屋敷のような建物です。

 

披露宴が始まって、花嫁の父と母は、ひたすらあいさつ回りに徹しました。長女が披露宴に招待したメンバーで、私が知っているのは、小中学校時代の友だちのテーブルだけです。そのほかのテーブルは、私が知らないところでの仲間やお世話になった人たちです。結婚式では、娘の人間関係をあらためて知る機会でもありました。そして、これからも、長くお世話になる人たちですので、「娘は、ちゃんと仕事をやっていますか?」など、話を聞きながら、親が知らない娘の姿を垣間見るのです。

 

披露宴では、できるだけ新郎新婦で、演出グッズを手作りしていました。座席表も、ネームカードも料理の献立表も、ウエルカムボードも手作りでした。実は、保育園の印刷機も活躍したのです。(笑)

 

父親としては、娘たちのこれからの人生を見守っていくだけですね。自分たちの人生は自分たちで切り開くしかありません。ただし、多くの人たちに助けてもらうことばかりです。そして、自分たちの力だけでは前に進めないことを謙虚に受け止めて、楽しく素敵な家庭を築いてもらいたいですね。

 

結婚式での神父さんが、本当に素敵な方で、二人に語りかける口調が優しくて、私も聞き入ってしまいました。神父さんが「愛」について、新約聖書「コリトン人への手紙」の一節を話してくれました。素直に受け止めてみてください。

 

『愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して耐えることがありません。』

 

長女の結婚式で、いまさら「愛」を考える、花嫁の父でした。そして、長女の成長にかかわっていただいた、本日参列のすべての皆様に感謝します。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。

2023年

4月

28日

フィンランドの教育

本日、見学に来た1歳女の子・・・エキゾチックで堀が深い顔立ちです。ママに聞くと、パパはトルコ人とのこと。トルコは、親日国としても有名ですが、イスラム教徒が多く、食事などの制限が多いのでは?とママに聞いてみると、「バリバリのイスラム教徒なら結婚できませんね。彼は、豚肉は食べませんが、祈りもしませんし、お酒もがぶがぶ飲みます。しゅうまいも豚肉入りと分からずに食べてしまいます」とのことです。日本で生活するうちに、少しずつ緩くなっていくようです。(笑)

 

さて、今日は「世界幸福度ランキング」で6年連続1位を獲得したフィンランドの話です。フィンランドは、男女平等の先進国としても知られ、一人一人の個性が尊重され、人生の選択肢の自由度が高いとされています。そんなフィンランドのすべての基盤は、学校教育にあるそうです。

 

フィンランドの教育は、0歳~6歳児対象の就学前教育に始まり、その後、小中一貫の基礎学校で9年間学びます。次に、大学進学を目的とする普通学校と、職業資格を身に着ける職業学校に分かれ、最終的に大学または専門大学で学びます。普通高校、職業学校までの期間が義務教育となるそうです。

 

仕組み自体は、日本と大きく差がないように思えますが、日本と大きく異なる点は、高校を卒業後、進学・就職を問わず、ほぼ全ての生徒が家を出て自活することです。そして、18歳になったら、学校や銀行からの連絡は全て本人にのみ通知されるなど、この段階までに自立の準備が進むのです。

 

家を出るために、学校では家庭科教育「ホームエコノミクス」で、実践的な生活スキルを身に付けます。①調理、食材の選定、テーブルセッティング②居住環境、掃除用具の手入れ③掃除、洗濯スキル・エコな暮らしや男女協働を学ぶ④家計、ローン、責任ある消費行動・・・などをみっちりと学ぶそうです。これで、「何とか自分で生きていける」という自信を身に付けさせるのです。

 

そして、一番大事にしているのは「生き方」に関するテーマを教科横断で広く深く学ぶのです。授業は、自分の強味を知ることから始まり、自分がどう生きたいか、どのような進路が向いているかを考えさせる内容だそうです。ここら辺は、知識を詰め込む割合が高い日本の教育と違うところですね。

 

そもそもフィンランドの教育は、特定の教科に限らず幼い頃から繰り返し「どう生きることが自分の幸せにつながるか」を問い掛け、考える時間を保障しているそうです。こうした時間の積み重ねが、国民の幸福度に寄与しているのでしょうね。

 

日本では、ようやく「自分で考える」ことが、教育現場に浸透してきましたが、フィンランドでは、ずっと前から「あたりまえ」のことなのです。

 

大丈夫…日本の若者だって、必ず変わっていきます。

2023年

4月

27日

ぼくは勉強ができない

今日は、真冬のような「クッキリ富士山」が見られました。もう5月になろうとしていますが、富士山はまだ雪景色です。子どもたちに「富士山がきれいだよ」と問う園長ですが、反応が薄いのはいつも通りです。富士山の景色よりも、遊びに夢中の子どもたちです。(笑)

 

今日は、山田詠美(えみ)さんの短編小説「ぼくは勉強ができない」をバイブルとして、若手の教員に薦める校長先生の話です。

 

山田詠美さんと言えば、デビュー作「ベッドタイムアイズ」が衝撃的でした。私も20代の時に読みましたが、六本木の外国人と次々と関係を持つ女性を描いた作品です。その後数年して、この「ぼくは勉強ができない」を発表します。

 

主人公は17歳の高校生です。主人公が小学5年生の時の回想シーンがあります。学級委員長の選挙の開票で、勉強ができない女の子の名前が呼びあげられると、担任が激怒したのです。主人公は自分が書いたと担任に明かし「どうして伊藤さんでは駄目なのですか」「勉強ができないからですか?」と問うのですが、担任は無視をします。答えられずに無視する担任に、主人公は「ぼくはこの時、初めて、大人を見くだすことを覚えた」と言うのです。怖いストーリーですね。

 

でも、今から30年以上前の学校です。「ここは学校だから、それは無理だ」という思考停止や「子どもは未熟だから教え込まなくては駄目なんだ」という思い上がり、「世間一般のモデルから外れたら苦労する」という思い込みが、当たり前の時代だっかもしれません。

 

この本は、それらを全部、主人公と、その母親、祖父がひっくり返してくれる内容です。すっきりします。

 

この本をバイブルとしている校長先生は、「お前は大丈夫か?お前の軸はずれていないか?」と、自問自答します。校長先生ですから、何十年もキャリアを重ねているのに、この本のメッセージは古びることなく、真っすぐに刺さってくるのだそうです。

 

教員に限らず、あなたが働く職場には、「なぜ?」と鋭い視線をくれる存在が必要です。「苦手なやつ」と思わずに、ありがたい存在としないといけませんね。

2023年

4月

26日

大きく高い壁

昨日の寺子屋では、30メートル走を行いました。寺子屋3番さんは、初めて30メートルの長い直線を走ります。途中で止まってしまう子がいなかっただけで合格です。寺子屋1・2番園児にとっては、順位が付きました。2着、3着の園児は、「〇〇君を目標にして1番を目指す」という明確な目標ができます。しかし、どんなに頑張っても足が遅い子がいます。「昨日までの自分より速くなるようがんばろう!」と声を掛けますが、運動嫌いにならないように「頑張ったね」の声掛けをしていきます。

 

そして、本日は「ピクニックランチ」を行いました。ママが作ったお弁当を屋上で食べます。あいにくの雨になってしまいましが、雨にあたらない軒下と、外が見えるエレベーターホールで、子どもたちのテンションは上がったままです。寺子屋3番は、初めてのピクニックランチです。しっかりと完食できました。

 

今日は、2004年のアテネオリンピックで団体金メダルを獲得した、男子体操キャプテンの米田選手の言葉を紹介します。アテネオリンピックは、まだ内村航平選手が登場する前の時代です。団体金メダルを決めた富田選手の鉄棒競技での「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」の有名な実況のセリフは、記憶に残るところですね。

 

米田選手は「目標に向かって頑張るために一番大事なことは、その目標への想いを持ち続け、達成のためにやるべきことを毎日続けることです」と言いました。これは、「継続は力なり」を実践することです。

 

そして、米田選手は現役引退後も体操教室、テレビ解説、そしてメンタルトレーナーとして、現在も活躍されています。メンタルトレーナーとしての素敵なメッセージを紹介します。

 

「就活・受験・仕事・・・夢や目標に向けて頑張りたいと思うとき、目の前に大きな壁のようなものが、必ず立ちはだかります。僕もたくさんの大きな壁と戦ってきました。しかし、そのほとんどは、自分自身が勝手につくり上げたもので、理想とのギャップや、他者と比較したりすることで生じる『見えない壁』だった、ということに気がついたのです」

 

どうですか・・・自分に当てはめると、思い当たることがありますね。勝手に、自分で壁を作っていては、なかなか前に進めませんね。冷静に自分ができることを考えて、前に進むことが大切です。

2023年

4月

25日

「フン」ではなく「うんこ」

今日も屋上ファームの土の中から、まん丸に成長した幼虫が出てきました。カブトムシではありません。カナブンだと思われます。そして、おしりに黒い「うんこ」がついています。本来虫ですので「フン」と言うべきでしょうが、子どもたちには「うんこ」が、一番わかりやすいのです。

 

「フン」ではなく「うんこ」とキッパリと言い切るのは、兵庫県にある伊丹市昆虫館で「むしのうんこ展」を企画開催する学芸員の角正(かくまさ)です。

 

なんだか、興味がわいてきましたか。キャッチコピーは「みんな、うんこをして生きている」です。展示ケースだけでなく、TOTOの協力で、陶器製のミニチュア便器を使って、その中にうんこを展示しています。なにしろ、子どもたちにとっては「うんこ」はパワーワードです。数年前に大きな話題となった「うんこドリル」シリーズは、2017年3月の発売以降、累計発行部数1千万部と今でも売れ続けています。

 

虫のうんこは、アジアの国ではお茶や漢方薬に使われます。柑橘系の葉を食べるアゲハチョウの幼虫のうんこは、ほんのりみかんの匂いがするそうです。日本でも、「うんこは、みんな大好きロマンあふれる素材。桜の葉を食べる蛾の幼虫のうんこを煮だした汁でもち米を炊いたら、桜餅ができる。しかもおいしい!」と言われます。

 

「むしのうんこ展」では、むしのうんこ染め体験を行っています。ツダナナフシという15センチほどの虫の乾燥させたうんこ150グラムをずんどう鍋に入れて数回煮だし、

スカーフを染めていくと、金色にも見えるもえぎ色に染まるそうです。

 

どうですか・・・虫のうんこの可能性を感じてもらいましたか。日本は人口減が続きますが、世界の人口はまだまだ、右肩上がりで増え続けます。食糧難を救うのは「昆虫食」と言われていますね。コオロギの粉末を使った食品が、「おいしい!」と認識されています。伊丹市昆虫館での「むしのうんこ展」は、5月8日まで開催されているそうです。覗いてみたいですね。

2023年

4月

24日

「接ぎ木」探求

相変わらず、保育園の「こびとブーム」が続いています。玉ねぎと長ねぎのねぎ坊主をこっそりと切り取って、「みんな・・・大変だ!こびとの『とうちん』があるぞ!」と声をかけると、「とうちんがあるということは、近くにこびとがいるに違いない」と、子どもたちのこびと捜索が始まります。『とうちん』とは、こびとの頭にある触覚みたいなもので、ねぎ坊主が、そっくりの形状をしているのです。

 

そんな屋上ファームでは、トマトやキュウリの苗を先日植えたばかりです。よく、ホームセンターなどで「接ぎ木苗」を売っているのをご存じですが。例えば、根を張ったかんぴょうの茎に、トマトの茎をつなぎ合わせると、つなぎ目がくっついて一つの植物(接ぎ木トマト苗)になります。

 

どうして、こんな面倒なことをするのか知っていますか。畑は、連作障害というのがあって、昨年トマトを植えた場所に、同じトマトを植えると、うまく育たなくなるのです。そこで、トマトとは種類が違う根を持つ茎を接ぎ木することで、連作障害を回避し、収穫量を確保するのです。トマトはジャガイモの仲間ですので、ジャガイモを収穫した畑の後にも通常のトマトの苗を植えると連作障害になります。

 

接ぎ木は、通常の苗よりも値段が少し高くなりますが、小さな土地で家庭菜園をする場合などは、この接ぎ木苗が力を発揮します。

 

接ぎ木のメカニズムは、どの植物も傷が付くと酵素を出して、細胞壁を構成する物質「セルロース」をいったん溶かし、つなぎ直します。この仕組みで、違う植物がつながることができるのです。

 

接ぎ木は、今までは似た種類の植物の組み合わせでないと、うまくいかないと言われていましたが、先日「奇跡の組み合わせ」が発見されたそうです。「タバコ」を接ぎ木に使用すると、たいがい成功するとのことです。

 

世界的な人口増加と異常気象で、食糧危機が深刻になっています。地球温暖化や塩害や乾燥などで土壌の劣化が進んでいます。「世界の農作地の4割は、すでに農業に不向きな土地になっている。未来に向けて、待ったなしの問題です」と専門家は語ります。

 

接ぎ木の技術は、例えば、乾燥地帯など厳しい土壌でも育つ植物に野菜や果物を接ぎ木できれば、砂漠でも収穫できるようになる。また、接ぎ木は、別々の植物が持つ長所を併用できるようになるそうです。組み合わせを工夫すれば、病気を防いだり、生産性を向上させたりすることも可能です。

 

今度、ホームセンターに行ったら、「接ぎ木苗」を確認してください。

2023年

4月

23日

人生は、宝物を探す旅

日差しが心地よい日曜日の朝です。今日は、犬一匹と山小屋生活を始めた小川糸(いと)さんの話です。彼女は、2008年に「食堂かたつむり」で小説家デビューしました。この作品は、英語・フランス語・中国語・韓国語・イタリア語・ベトナム語・スペイン語など多くの言語に翻訳されて世界中の人々に読まれた作品です。1日1客の食堂は、事前にお客様と面談をして、その想いをかなえる料理が提供されるというストーリーです。

 

私が好きな作品は、「ツバキ文具店」です。NHKでドラマ化されたこともあるので、知る人も多いと思いますが、文具店とは名ばかりで、祖母から「ツバキ文具店」を受け継いだ主人公鳩子は、美しい文章をつくりあげる「代書屋」です。どうしても言葉に表せない、心の奥底の思いを、最高の形で手紙にするのが、なんとも言えないのですが、とても心地よいのです。「手紙」というアナログなところもいいですね。

 

そんな小川糸さんは、標高1600メートルの山小屋で暮らしています。彼女の暮らしはこんな感じです。

 

「太陽が東の空から顔を出す少し前に起き出して、鉄瓶でお湯を沸かす。外はまだ薄暗い。急須に茶葉を入れ、熱湯を注いでしばし待つ。そして、朝日がのぼるのを見ながら、お茶を飲む。こんな時、私は自分がものすごく幸せだと感じる。朝焼けの空の色は、毎日決して同じではない。曇りの日には期待したほどの日の出に出会えないし、雨の日なら尚更だ。でも、毎日同じように完璧な美しい茜色の太陽を拝めたら、逆につまらないかもしれない。今日はどんな空の色と巡り合えるのだろうと、ワクワクする時間こそが、人生のご馳走だ。

 

空だけを見ても、たくさんのご褒美がある。夜空を埋め尽くす満天の星もその一つだ。見事なまでの星空と、地面に大の字に寝転がって対面する。なんて幸せなんだろう。空は、万人に与えられたもの。探せば、幸福はいろんなところに隠れている。

 

日々は、淡々と同じように過ぎていくけれど、少しずつ色や形を変えながら、私に宝物を与えてくれる。人生は、宝物を探す旅。これからも、穏やかに続けていく」

 

作家ゆえに、仕事場を選ぶことなく山小屋生活もできるから・・・なんて思わないで、私たちの生活の中でも、十分宝物を探す旅は十分できますね。

2023年

4月

22日

大事なことは変わらない

今日は「西高東低の気圧配置」・・・つまり、冬の天気図です。久々の北風ビュービューとなりましたね。そんな中でも、小学生男子3人が揃ったので、野球とドッジボールで屋上遊びは熱く燃えました。 

 

さて、最近は、民間のロケット打ち上げに関するニュースが続き、宇宙旅行が夢物語ではなくなってきました。人間の活動範囲が宇宙にまで広がりつつありますね。そんな中、20年以上前に描かれた幸村誠さん作の「プラネス」が注目されています。

 

舞台は、人類が日常的に宇宙空間で生活をすることが珍しくなくなった2070年代。主人公・星野八郎太(通称ハチマキ)は、地球の周囲を漂うスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収作業員として働いています。ハチマキの夢は、「自分の宇宙船を持つこと」で、そのために同僚の乗組員たちと共に、日夜危険を冒して作業を続けているのです。

 

ハチマキは、自分の理想を追求し、孤独に耐えるのが当たり前と考えていたのですが、同僚の言動や生死をさまよう事故を通して考え方が変わっていきます。作中でたびたび言及されるのが、限定された活動範囲の中で生きる人たちのものの見方や捉え方です。

 

例えば、ハチマキは「ノノ」という12歳の「月面人(月生まれ月育ちの人間)」と出会います。ノノは、低重力下で育ち地球の重力に耐えられない体であるために地球で暮らすことができません。しかし、ノノは自分の体の成長記録が宇宙で生活する人の病気の研究に役立っていることを誇りに思い、それを悲観的に捉えることはありません。ハチマキは、そんなノノの姿を見て「この誰にでも平等に無慈悲な世界をどう受け入れるか」について考えます。そんな人たちとの出会いの中で、ハチマキは「同じ物事をどのように受け取り、そして生かすかは、自分次第なのだ」と悟るのです。

 

この作品では、宇宙を地球と異なる全く新しい世界として描くのではなく、地球にいる自分自身を含めて全てが宇宙の一部であるという視点を強調しています。

 

今の子どもたちが、おじいちゃんおばあちゃんになる時ぐらいには、ひょっとしたらこんな世界が広がっているのかもしれません。人類の活動が宇宙にまで進出し、限りなくその範囲が広がったとしても、私たち一人一人が宇宙の構成物の一つであるように、大事なことは、今も昔も、そして未来も変わらないということです。

 

私のような昭和世代は、星空を見ては、はるかかなたの空間という認識を持ってしまいますが、あと何年か先には、違う宇宙が広がっているのでしょうね。

2023年

4月

21日

自分の色

屋上ファームで収穫した「新玉ねぎ」が、保護者と子どもたちに大好評です。5歳女の子のママが「お味噌汁と牛丼にしました」と連絡ノートに書いてあるのを読んで、思わず「おいしそうだな~」と思ってしまいました。子どもたちが、そのまま生でバクバク食べるようです。新玉ねぎには、ほのかな甘みがあって、本当に美味しいですね。

 

さて、私たちは、子どもに「自分の色」を持った人になるんだぞ。なんて、よく言いますね。個性を大事にという意味で使います。

 

今日は、「けやき」の木の話をします。この木は20メートルから30メートルの高さに成長します。ビルの6階から10階に相当する高さにまでなるので、古来中国では、「けやき」は、「大成する」や「出世」を象徴する木として扱われていたそうです。

 

「けやき」は、秋になると紅葉しますが、もみじが「赤」、イチョウが「黄色」のように、品種による色は決まっていません。けやきは、葉が赤になったり黄色になったり、その個体で色が違う大変珍しい木なのです。同じ場所にあっても違う色になるなど、それぞれの木が自分の色を持っているのだそうです。

 

奈良にある法隆寺は1400年もの歴史がある古い寺ですが、今日まで建物の修復を繰り返してきました。作業をする職人は、素材となる木を探して選び、適材適所に使うそうです。強い木ばかりではなく、柔らかい木、細い木、色合いなど、さまざまな木を必要な所に組み合わせることで良い修復ができるそうです。

 

どうですか、なんだか、人間と同じですね。一人一人の個性を尊重し、周りの人たちと生活をしていくのです。そのためにも、自分の「得意」や「好き」を見つけて、「自分の色」を持った人になりたいですね。

 

この話を子どもたちに、上手に伝えることが大切ですが、大人の私たちも「自分の良さは何だろう。自分の色は?」の答えをいつも考え続けないといけませんね。

2023年

4月

20日

「おいしい」はデータ管理

本日から、新しい先生の勤務がスタートしました。私と同じ世代ですので、決して若くはありませんが(失礼)、フットワーク軽く、さっそく子どもたちに取り囲まれていました。まずは、子どもたちの顔と名前を覚えるところからスタートです。保護者の皆様も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

さて、昔から伝わる「おふくろの味」は、厳密なレシピに基づいて作られるわけではありません。おふくろの長年のカンと経験で、おいしい味が守られているのでしょう。

 

一方で、「料理は科学」とも言われます。私が好きな濃厚なフランス菓子を提供する、親世田谷区尾山台本店と日本橋髙島屋だけでしか買えない「オーボンヴュータン」というブランドがあります。ここのオーナーパティシエの河田シェフは、「お菓子は科学」と言い切ります。素材の分量を正確に守ることで、「うちの味が守られる」と断言します。

 

この店がどれだけ凄いか。本店が水曜定休日なので、天下の日本橋髙島屋のデパ地下のショップも水曜日には、洋生菓子は並びません。髙島屋から「それでもうちに出店してくれ」とお願いした経緯があるからです。

 

そして、パティシエを目指す若者たちが「河田シェフのもとで修業がしたい。もちろん、給料なんていらない」と言って、昔で言う丁稚奉公のような仕組みがあったのです。今は、さすがに、きちんと給料を払っていると思いますが、夢を持った実力のある未来のパティシエが何人も集まってくるのです。

 

私は、「職人のカン」というのが好きですが、お菓子については、オーボンヴュータンの味を考えると、「科学なのかなぁ~」と思うのです。

 

洋菓子の世界同様に、巷ではおしゃれなカフェや増えていますね。スタバは圧倒的なシェアを築きました。コーヒーについても、職人が「豆の声を聴く」で、おいしいコーヒーを味わいたいものですが、どうやらコーヒーも科学のようです。焙煎の温度から火力から時間からすべてをデータで管理し、ほんの数秒の違いで、味が変わるといいます。

 

こうして考えると、「職人のカン」も、経験というデータから導き出されていると思うと合点がいきますね。

 

商売として、お客様に提供する場合は、データやマニュアル、レシピがしっかりあって、誰でも一定の味が出せる「科学」が必要になるのでしょうが、やっぱり、家庭の味は、科学でなく、おふくろやかみさんのカンがいいですね。その日によって、微妙に味が変わった方が「今日のおかずは、〇〇だなぁ~」と会話が増えるでしょう。

 

みなさんは、どう思いますか。

2023年

4月

19日

東秩父村の未来図(ミラクルズ)

今年度の年長園児のサマーキャンプは、7月29日~30日に行います。埼玉県にある「小川げんきプラザ」に宿泊するのですが、今日は研修会があったので、小川町まで行ってきました。半年間の改装工事を経て、トイレが抜群にきれいになり、全館LED照明になっていました。この場所で、11名の園児が親元を離れて、宿泊体験をします。

 

そして、今回の目玉として考えているのが、2日目の「体験実習」です。舞台は、東秩父村です。埼玉県にあるただ一つの「村」として知られています。かつてのサマーキャンプでは、ユネスコ世界遺産になった和紙作りの体験をしましたが、今回は、さらに楽しい企画を考えています。

 

昨年のクリスマス発表会の晴れ舞台を最後に、東秩父村へと旅立った4人家族が立ち上げたのが、未来図(ミラクルズ)という、築100年以上の古民家をリノベーションしてオープンさせたショップです。

 

主に、着物などの古着を再生して作った、バッグや小物を販売しています。ママがすでにミシンを使って、物作りをしているのですが、パパのネットワークがとても広くて、数名の職人とパイプを持ち、個性豊かな「世界で一つだけ」の商品を多く集めることができています。

 

本日、初めて訪問したのですが、店作りも素敵な和紙で障子替えをしたり、柱も塗りなおして、店主夫妻のこだわりが感じられる素敵なショップでした。おしゃべりが尽きずに、長居してしまいました。(笑)

 

東秩父村のショップに、多くのお客様が来店するのは、現実的に厳しいので、いかに「世界に向けて」個性的な商品をアピールしていくかが、これからの課題だと店主は言います。

 

店での売上は、全体の5%くらいで、残りの95%は、海外を含めたネットでの売上になるような、そんなイメージですね。ショップは、あくまでもショールームです。店主妻は、インスタグラムに凝った動画をアップしているので、じわじわと「着物リメイク」が広がっていけばいいですね。

 

さて、サマーキャンプ2日目の「体験実習」は、この「未来図(ミラクルズ)」にお邪魔して、はぎれなどの布を利用しての作品作りを行います。フォトフレームだってできるんです。店主ファミリーも大喜びで、ホワイトきゃんばすの子どもたちを迎え入れてくれます。

 

また一つ・・・サマーキャンプでの楽しみが増えました。

2023年

4月

18日

「戦争反対」とは言わず想像力で思わせる

屋上ファームが賑やかになってきました。今日は、寺子屋の子どもたちと、「きゅうり」と「ミニトマト」の苗をざっと36本植えました。想像力の高い園児は、夏のプールで、ミニトマトをつまみ食いして、きゅうりに塩を振ってガリガリ食べるシーンを思い浮かべていました。楽しみが広がります。

 

さて、今日の寺子屋では、ユニセフから届いたビデオ教材を子どもたちと一緒に見ました。「地球の子どもたち」では、満足に食事をとることができない子どもたち。学校に行くことができずに、子どもの頃から働く子どもたち。病気になっても病院がないところに住む子どもたち。水を汲むのに毎日何時間も歩き、土の味がする水を飲む子どもたち。毎日爆弾が飛んできて、ゆっくりと寝ることもできない戦場で暮らす子どもたち。など、日本では考えられない環境に暮らす子どもたちの姿を目にします。

 

実際にユニセフが使っている「命のメジャー」で園児の腕の太さを測ってみます。全員栄養満点です。保育園で一番痩せている5歳女の子でさえ、レッドラインの倍の太さです。保育園にある子ども用テントの支柱の太さがレッドラインですが、「こんなに腕が細い子どもがいるんだ!」とざわめく子どもたちです。

 

幼児向けのビデオ編集ではないので、途中で飽きてしまうかなぁ~と思ったのですが、ほとんどの園児が、集中して見入っていました。園長は、地球儀を片手に持ちながら、「世界」を伝えます。終わってからが、凄いことになったのです。4人の年長園児が園長と地球儀を囲んで、「今戦争が起きているところはどこ?」と戦争について食いついてきました。「なんで戦争をやめないの?」とまっとうな質問をしてきます。「世界の多くの人たちは、戦争は絶対にしてはいけないと思っているけど、世界のどこかで、必ず戦争が起きてしまうんだ。それはどうしてだと思う?」と、何だか、アクティブラーニングのような感じになってきました。問題意識の高い子どもたちに、園長は驚くばかりです。

 

戦争の話で思い出したのですが、あの「村上春樹」さんが、ラジオのDJをしているのをご存じですか。TOKYO  FMの「村上RADIO」という番組です。ロシアのウクライナ侵攻が始まって、昨年3月に「戦争をやめさせるための音楽」という特別版が放送されました。番組の中では、ダイレクトな「反戦歌」も流れたそうですが、村上春樹さんは、番組の中で「戦争反対」とは言わなかったそうです。

 

アーティストが戦争にどう向き合ってきたかを語りかけながら、リスナーの想像力のところで「人を殺すのはよくない」と思わせる内容に仕立てたのです。

 

私自身も「戦争を知らない子どもたち」として生まれたのに、保育園の子どもたちに、どのように「戦争をしてはいけない」を伝えるかを考えてきました。しかし、想像力のところで、相手に思わせるというやり方もあることに気がつきました。

 

今日の園児たちとのアクティブラーニングでは、園児一人一人の想像力が、頭の中で大きく膨らみました。あとは、子どもたち自身が考えることが大切なのかもしれません。

 

「想像してごらん」を使ってみませんか。

2023年

4月

17日

思い出の昭和文化

屋上ファームで冬を越して大きくなった「玉ねぎ」を収穫しました。子どもたちが抜くには、少し力が必要ですが、コツをつかんだ園児は、一人で何本も引っこ抜きました。今日の子どもたちのお土産です。新玉ねぎですので、薄くスライスして水にさらして、かつお節をかけて、そのままサラダで食べたいですね。もう一つ、「絹さやえんどう豆」も本日が初収穫です。バケツにいっぱい収穫しました。

 

さて、昭和30年代の「お茶の間」にタイムスリップします。令和の時代は、リビングと言うのでしょうか。「お茶の間」という言葉も死語ですね。

 

昭和30年代は、「家電とインスタント食品の普及期」です。敗戦後の奇跡の復興を経て、生活が近代的になっていく10年です。白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機が「三種の神器」と言われました。食品では、ラーメンやコーヒーなどのインスタント商品が普及します。昭和39年は、「東京オリンピック」と「東海道新幹線」で一気に世界へアピールしました。

 

昭和40年代は、カー、クーラー、カラーテレビの「3C」が普及します。そして、「物に付加価値をつける時代」に突入します。凝ったデザインの商品が登場し、おまけ付き商品などで購買意欲をかきたてます。流行語や広告キャッチコピーが増加したのも特徴的で、「大きいことはいいことだ」「はっぱふみふみ」などが流行します。47年には海外旅行客が100万人を超えました。

 

昭和50年代は「エレクトロニクスの時代」です。電卓、ビデオデッキに、ウオークマンなどの日本の技術が世界を席巻しました。ビデオでテレビを録画することは革命ですね。シャワーの普及で「朝シャン」など、清潔さに対する考えも変わりました。

 

昭和が終わる60年代にはコードレス電話やCDがヒットし、アナログからデジタルへの大転換期を迎えます。

 

どうですか・・・昭和30年代から、ざっくりと昭和文化を振り返ってみました。懐かしい思い出がいっぱいですね。高度成長期は、「みんなと同じもの」を求め、みんなと同じことで心も安心する時代だったのが、昭和の終わりから平成にかけては、「自分らしさを

楽しむ」・・・もっと進んだ人は「もう一人の自分を楽しむ」という考えの人も出てきました。「24時間戦えますか」から「オンとオフを切り替える」時代になりました。

 

令和の今・・・さらに多様性が進んで、個々の生き方が尊重される世の中へと進んでいます。保育園の子どもたちが、大人になるころには、日本の人口がさらに減り、AIの世界がどのように進化しているのか。また、「人間」の役割がより明確な時代になっていることでしょう。すでに、5年後の未来ですら、誰も言い当てることができないですね。

 

子どもたちが、身につけなければならない力は、「変化に対応する力」なのかもしれません。もちろん、私たち大人もですね。

2023年

4月

16日

「みなしごハッチ」の真実

保育園の屋上では、虫アミを持って「クマバチ」を追い求める子どもたち。動きがあまり速くないクマバチは、子どもでも簡単に捕まえられます。屋上に飛んでいるのは、オスですので、刺されることはありません。

 

私が子どもの頃に、「みなしごハッチ」というテレビアニメがありました。私も、その切ないストーリーに感情移入したものです。みつばち王国の王子・ハッチが主人公で、彼がまだ卵の頃、巣がスズメバチに襲われ、母と生き別れになってしまいます。少年のハッチが母を探し、旅をするというメルヘン仕立てのファンタジーです。

 

しかし、この物語は、生物学的なミツバチの生態としては、全くあり得ないことだそうです。

 

巣の中で越冬したミツバチたちは、春になると女王蜂は産卵を再開し、働きバチも活動を開始します。働きバチはすべてメスで、野原へ飛び立ち蜜を集めます。こうして、巣の中でハチの個体数が増えてくると、女王蜂の産んだ卵のうち1つが「王台」と呼ばれる特別な大型の巣穴に運ばれます。この卵から産まれた幼虫には、特別なえさが与えられます。ロイヤルゼリーです。これを食べた幼虫が次の女王蜂になります。働きバチになる卵と女王蜂になる卵は、遺伝子としては全く同一なのに、エサの違いで運命が変わるのです。

 

新しい女王蜂が誕生する前後、前の女王蜂は働きバチのうちの半数を連れて巣をあとにし、新しいすみかへと旅に出ます。これを「分蜂(ぶんぼう)」と言います。古い巣は、スズメバチなどの外敵の襲来にも耐えた安全な住まいなので、新たな女王にこれを譲るのです。

 

いったい、オスはいつ誕生るんだ!?と思いますね。分蜂の少し前、前女王はオスになる卵を少数産みます。そして、時期が来ると、新しい女王蜂はかえったオスと結婚旅行に飛び立ちます。しかし、女王は同じ巣のオスとは交尾しません。オスは、違う巣の女王と交尾するのです。これは、近親婚を避けていると考えてられています。

 

女王蜂は、その後も何度も複数のオスと交尾を繰り返し、体内に精子を溜め込みます。巣に戻った女王蜂はこの精子を小出しに使いながら、以降数年に渡って卵を産み続けるのです。

 

つまり、テレビアニメのように、オスのハチが母(女王)を訪ね歩くなんてことは現実には決して起こらないのです。オスのハッチの役割は、女王蜂の遺伝子をほかの女王蜂に手渡すこと。つまり、「遺伝子の使い走り」というわけです。その役割を終えればすぐに死が待っています。

 

ミツバチのオスの人生を「はかない」と思うか「あっぱれ」と思うか・・・あなたが決めてください。(笑)

2023年

4月

15日

脱!しあわせ迷子

今日は、雨の土曜日となりましたので、久々に「ショッピングセンター探検」を行いました。人気の売場は、おもちゃ売場とお菓子売場です。小学生が、園児たちに「このおもちゃは〇〇」と解説してくれます。ビックリしたのは、ドローンが売っていました。小学生の男の子は、誕生プレゼントにドローンをリクエストするそうです。

 

さて、今日は、「幸せとは何か」を知るために世界中を旅した堂本有美さんの「脱!しあわせ迷子」という本を紹介します。堂本さんは「これは誰を笑顔にするためにやっているのだろう?誰が喜んでいるのだろう?」という疑問でいっぱいになり、「私は、もっと好きなことをしたい。でも、このままでいいのだろうか?」と考えます。そこで、旅に出たのです。

 

〇好きなことを仕事にするのが当たり前のフィンランド

〇幸せは自分次第と気付いたスウェーデン

〇徹底的に個人を尊重するデンマーク

〇自分本位に生きて心に余裕を持つオランダ

〇自然と向き合うドイツ

〇陽気で明るいスペイン

〇隣人と会話するガーナ

〇自分の立ち位置を理解したウガンダ

〇多様で新日の国トルコ

〇歴史の積み上げや教育は人を裏切らないと強く感じたイスラエル

〇車を持たず争わないコスタリカ

〇志高く今を楽しく生きるキューバ

〇家族や人と強くつながるメキシコ

〇オンリーワンを追求するUSA

〇多様性を強みと考えるカナダ

〇無理をせずマイペースに生きるオーストラリア

〇「ありがとう」を送り合うフィジー

〇大自然と共存するニュージーランド

〇変わり続けるシンガポール

〇真面目にまっすぐに生きるベトナム

〇気負わずに生きる台湾

〇国民がお金に困らない国UAE

 

どうですか・・・ちょっぴり世界旅行をした感じになりましたか。価値観や考え方の違いを体感することで、幸せについての考えが広がりますね。どこに幸せを感じ、どう行動するかは本人次第ですが、幸せのヒントは、世界の国々の人たちからもらえるような気がします。

 

しかし、「好きな道に進めばいいと言われるけれど、好きな道をどうやって見つければいいのだろう?」と疑問を持つ若者は多いですね。「自分が幸せかどうか、結局は自分次第だよ」なんてことは、わかっているけど、それが、見つからないのが若者です。そんな、若者への道しるべになるような本です。

2023年

4月

14日

どんな困難も逃げない

体操教室では、年少園児の動きが、ぎこちないのがたまらなく愛らしくなります。「体操すわり」もままならない3歳女の子・・・やる気はあるんですが、全くついていけません。今日は、鉄棒を基本からみっちり指導を受けたのですが、まだまだ伸びしろだらけの子どもたちです。(笑)

 

さて、昨年のサッカーワールドカップから、3月のWBCなど、スポーツの世界では、脚光を浴びるスターたちがメディアを騒がしていますが、プロの選手とはいえ、多くのアスリートが、残念ながら脚光を浴びないまま姿を消しています。

 

プロバスケット選手として8年間の生活を終えたAさん。第2の人生として、企業の面接に臨んだそうです。「今まで一番の成功体験は?」と聞かれ、「インターハイで準優勝し、ベスト5の選手として選ばれたことです」と答えたそうです。

 

しかし、本音は「プロとして過ごした最後の1年」であったそうです。プロ生活に区切りをつけると決めてから、「どんなにつらくても楽しんでプレーしよう」と誓い、練習に励み続けたそうです。自分への誓いがプラスとなり、試合で大活躍となれば美談ですが、プロの世界はそんなに甘くありません。実際は、一度も起用されることなく引退を迎えたのです。

 

Aさんは、「どんな状況に置かれても楽しんでプレーすると決め、それをやり遂げた自分と出会えた。強くなった自分はこれからどんなことでも耐えていける。だから、あの1年が最高の成功体験です」と話してくれました。

 

彼は、民間企業で第2の人生をスタートさせます。世の中には、あまたの職業がありますが、どんな職に就いても、本質はたった一つ、「人を喜ばせること」とよく言われます。医者は病気を治し、ネイリストは爪を綺麗にして人に喜んでいただく。自分自身がスポットライトを浴びるのではなく、相手がスポットライトで輝くように努力する。

 

Aさんのような、強い精神力を持つことは、なかなかできないかもしれませんが、人生の多くは、失敗と挫折の連続です。でも、これを「成功体験」に変えることができるなら、人生も楽しくなりますね。

2023年

4月

13日

野菜をもっと食べる

昨日の菜の花のタネ集めは、子どもたちのワクワクを引き出したようで、今日もタネを黙々と集める子どもたちです。そして、ファームでは、とうもろこしのタネまきをしました。7月のプールの時に、とれたてをゆでて食べる計画です。最高においしい!となるでしょう。

 

そんなことで、屋上ファームは、これから夏野菜の準備に入っていきます。子どもたちが、野菜にかかわる時間が増えていきますが、世の中の子どもたちは、必ずしも、しっかりと野菜を食べているわけではありません。

 

大手食品メーカーのカゴメと東京都町田市の教育委員会がタッグを組んで、小学生の野菜摂取量を増やすための授業をスタートさせたそうです。

 

町田市は、平成30年に厚労省が実施した国民健康・栄養調査で、野菜の摂取量が全国平均を下回る結果となったことがきっかけで、器具を使って、子どもたちの野菜摂取量を確認する活動をスタートさせました。カゴメが提供する器具は、野菜に含まれる色素の「カロテノイド」が皮膚にどの程度備蓄されているかを測定し、おおよその野菜摂取量がわかるという仕組みです。

 

鶴川第三小学校では、1月から3月にかけて、4年生と5年生で実施しました。事前のアンケートでは、約25%の児童が、「野菜は苦手・どちらかといえば苦手」と答えたのですが、野菜の働きを学習するなど、各自で「苦手な野菜に挑戦する」「朝ごはんでも野菜を食べる」などの目標を立てて取り組みました。

 

結果は、全てのクラスで数値が改善されたそうです。数値化されるというのは、子どもたちにとっても「がんばろう!」という気持ちになるようです。

 

この取り組みは、その後子どもたちによって発展しています。4年生は、野菜を食べる大切さを知ってもらうポスターを作りスーパーに掲示します。5年生はタブレットを活用し、動画を作成し、近隣の学校などに配信したそうです。

 

保育園では、同じ野菜でも、「自分たちで収穫した野菜」と「スーパーで買った野菜」では、食欲に大きな差が出ます。町田市の取り組みも、子どもたちのモチベーションを上げる方法に成功しました。

 

「野菜は体にいいんだよ。野菜を食べないと病気になるよ」の言葉だけでは、子どもたちの野菜嫌いは解消しません。大人の知恵が必要ですね。

2023年

4月

12日

チャットGPT

今日は、5歳女の子が登園するなり「園長先生・・・今日は大変なことが起こります。すごい風が吹いて、黄色い砂が飛んできて、目に入ると目がつぶれてしまいます」と、かなり興奮気味です。屋上遊びでは、黄砂は確認できませんでしたが、台風並みの強風です。でも、素敵な観察ができました。菜の花に細長い「さや」があるのを発見しました。「これは何だろう」ということになり、開けてみると、小さな種が詰まっていました。小松菜の種です。「こんなところに種ができるんだ!」と、学んだ子どもたちです。

 

さて、先日のブログで「チャットGPTが凄い」の話をしました。小学生の読書感想文があまりにも完成度が高いので、担任が「これは、おうちの人に手伝ってもらったのかい?」と聞くと、「いいえ、チャットGPTでやりました」という内容です。

 

あれから、日本中が、アメリカの新興企業「オープンAI」が開発した、チャットGPTの活用法の議論で盛り上がっています。

 

京都大学の金丸准教授は「アカデミックな文章としてほぼ直すところがない。大学1・2年生の学習者の能力を上回っている」と、3月末に行われた国立情報学研究所のシンポジウムで発言しました。教授によると「より洗練された学術的文章に書き直してください」と丁寧に指示を出せば、平易な単語だけではなく学術的な語彙も使うようになり、レベルの高い文章が書けることも紹介しています。

 

チャットGPTの凄いところは、指示を入力すると、1つの模範回答だけでなく、様々なパターンの回答を瞬時に示すことです。それをチョイスするのは人間です。今のところ、チャットGPTは、13歳以上18歳未満の利用には、保護者の許可が必要ですが、拘束力はありませんね。

 

チャットGPTの登場で、文章の翻訳や添削にかかわる仕事がなくなるかもしれません。そして、生徒・学生にとっては、身近な学習の伴奏者になりうる一方、その翻訳や文章作成の高い能力は、生徒・学生の学習意欲をくじいてしまう恐れがあります。そもそも、自分で考えなくなりますね。英語教師は「英語学習を楽しみながら積み上げていく生徒と、学習過程をとばして、英語翻訳の成果に直接手を伸ばそうとする生徒に二極化してしまう」と危惧します。

 

なんだか、AIがもたらす成果と弊害ががんじがらめになっているような状況ですね。生徒や学生が、チャットGPTを使うか使わないかで、大きな差が出てしまうことは間違いありません。教員が言語能力の評価をつけることが困難になりますね。

 

便利を追求することで、自分の頭で考えなくなるという展開は、何とか止めないといけませんね。どうするものか!?

2023年

4月

11日

客数から満足度へ

 今日の屋上は、暖かいこともあって、「クマバチ」ブンブンです。年長男子は、「2匹捕まえた!」「俺は3匹だぞ!」と、虫アミでゲットした数を競っています。もちろん、キャッチ&リリースです。そして、インゲン豆の種を蒔きました。初夏には、バケツ一杯の収穫となります。ファームでとったインゲン豆は、野菜嫌いの子どもたちもバクバク食べるのです。

 

さて、先日5歳女の子が、東京ディズニーランドに遊びに行ってきました。おしゃべりではない彼女が、「トゥーンタウンでミニーに会ったんだよ!・・・」とマシンガントークです。ものごころついた年齢では、今回ディズニーデビューだったそうです。

 

保育園の連絡ノートでは、ディズニーランドやシーに行くと、必ず詳細の報告があります。ママも少し興奮気味です。そして、「今日が我が子のディズニーデビュー」というパターンが多いです。

 

そんな、ディズニーランドを運営するオリエンタルいランドは、コロナ禍をきっかけに、入園者数を追う戦略から、満足度を高めて収益を確保する戦略への転換を図っています。

 

私がまだ小さい我が子たちを連れて、ディズニーランドに行っていた時は、まだファストパスの制度もなかった時で、2時間3時間待ちのアトラクションに、「夢の世界だけど、ここだけは行列の店みたいで現実だ!」と嘆いていました。また、クローズ前のショップは、お土産を求めるゲストで、レジは大行列・・・ここも、夢の世界ではなかったですね。

 

オリエンタルランドは、感染者数が落ち着いている現在も、あえて入場者に上限を設けています。来年度の入場者数も2600万人程度と、コロナ前の2018年度の約8割に設定しているそうです。

 

入場者を制限せざるを得なかった2020年~2021年度は、一人当たりの売上高が1万3千~4千円台だったそうで、2019年度までの1万1千円を大きく上回っています。チケット料金の値上げ効果だけでなく、入園者がより多くのお金をグッズ購入や飲食費に充てるようになったことが要因です。ゲストは「以前は混雑でゆっくりとグッズも買えなかった。入園制限でアトラクションもたくさん乗ることができた」と喜びます。

 

オリエンタルランドは、「客数を追い求めるだけではダメだとコロナ禍で気づかされた。混雑を緩和することでゲストの体験価値向上に努めたい」と話します。

 

私が入社間もないころに、電通出身のプランナーの研修に参加させていただいたことがありました。ソニーのウォークマンを企画した一人です。その先生から、「売上=客数×客単価だ。客数を上げる戦略と客単価をあげる戦略の両方考えないといけない」と教えられました。そして、「値引きをして客数を増やすやり方は、誰でも考えつくこと。いかに商品の付加価値を上げることが大事だ。例えば、この1本100円の水をどうやったら200円で売ることができるか。それを考えなさい」と言われた時には、「そうだ」と素直に思ったものです。

 

まずは、ディズニーランドの付加価値として「混雑がなくなって、ゆっくりと夢の国を楽しむことができる」を確立させるのです。新パレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」もスタートしますね。

 

これから少子化、人口減が現実となる日本では、客単価をあげる付加価値を考えることが重要になってきますね。

 

はい。保育園ホワイトきゃんばすでも、常に「付加価値アップ」を考える園長です。(笑)

2023年

4月

10日

おめでとう!「入学式」

今日は、多くの自治体で、小中学校の「入学式」が行われました。さいたま市では、午前が中学校で、午後が小学校です。たまたま、昼に郵便局に行く用事があったのですが、入学式を終えた中学1年生がぞろぞろと歩いていました。制服がピカピカなので、すぐにわかります。

 

そして、午後の小学校の入学式を終えた卒園児6名が、保育園にやってきました。いつの間にか、ホワイトきゃんばすでは、入学式が終わると、「保育園集合!」という習慣になっています。教室内は、先生たちや在園児から「おめでとう!」の声が広がります。

 

色とりどりの真新しいランドセルを見ると、何だか、気持ちも新鮮になります。「1年〇組になったよ。担任の先生は、〇〇先生だよ」と、小学校の話を聞くのは、いいものですね。保護者の皆様も集合していただき、今日は、パパもお休みを取って、我が子の入学式に参加しました。出席する保護者の人数制限がなくなったので、本当によかったです。

 

5歳男の子には、さっそく、通学班で一緒に登校する、小5と小6の女の子が、取り巻きがついていました。イケメン男子を追いかける、年上の女子たちです。新1年生6人は、園児たちと写真を撮ったりしながら、ついこの前まで通っていた保育園で、まだまだ我が家のように過ごしています。

 

これからも、土曜日の学童など、ずっと保育園と縁が続きます。小学校での様々なことをマシンガントークしてくれるのでしょう。(笑)

 

そして、もう一人、この春中学生になった女の子が、入学式を終えて保育園に挨拶に来てくれました。1歳からホワイトきゃんばすで過ごし、小学生になっても、土曜日に登園して、多くの園児たちがお世話になった先輩です。上尾市の中学校に通います。何と、身長は163センチとなり、園長以外の職員は、みな追い抜かれてしまいました。園長が抜かれる日も、もうすぐです。陸上部かバレー部に入部することを決めているようで、保育園の時から、明確な目標をもった女の子でした。

 

保育園ホワイトきゃんばすの第一回卒園児が、この春は中学校3年となりました。園長は、卒園児たちが続々と20歳となって、一緒にお酒を飲みたいと思っています。まだ少し先です。(笑)

2023年

4月

09日

山暮らし30年の「仙人」

名古屋から車で2時間半。三重県の秘境、大杉谷の登山道近くに「大杉谷の仙人」と呼ばれる男が住んでいます。巽(たつみ)さん74歳です。

 

彼は、高校2年の夏休みに初めてこの大杉谷登山道を歩いたそうです。多様な生き物を育む原生林、巨大な岩壁、深い谷を見下ろすつり橋・・・何より天から流れ落ちるような落差135メートルの千尋(せんひろ)滝に目を奪われ、「こんな自然の中で暮らしたい」と感じたそうです。

 

高校卒業後は、名古屋市内の物販会社などで働くモーレツ社員だったようです。私よりもひとまわり以上年上ですので、時代的には、バリバリの昭和モーレツ社員だったのでしょうね。

 

巽さんは、40歳を過ぎたころ、「人生80年。残り半分は自分の好きなことをしよう」と思い立ち、水力発電所の寮だった建物を購入し、1992年、旅人をもてなす大杉谷山荘の経営を始めたそうです。「金の豊かさより、心の豊かさを優先した。山で暮らしたいという気持ちがそれだけ強かったということや」と話します。

 

常連客も多かったそうですが、2004年9月の台風21号で山荘前の道路も土砂で埋まり、経営をあきらめざるを得なくなります。今は、年金が主な収入源で、観光ガイドをしながら暮らしています。

 

もちろん、本物の仙人のように「カスミ」を食べて生きているわけではありません。週に一度は軽トラで片道1時間かけて買い物に出かけます。山荘周辺は、農作物の自給自足は難しいようです。「仕事に追われ、家でもスマホが手放せず、脳が休まる暇もない都会の人たちに、ストレス解消に美しい自然を見ながらボーっとする時間が必要だと伝えたいね」と言います。

 

ちなみに仙人もガイドの仕事があるので、スマホを持っています。しかし、通信圏外で暮らしているので、通じる場所まで買い物に出た際に、まとめてメッセージをチェックしているそうです。

 

「ガイドは100歳まで続ける。俺は好きでここに住んどるんやから、山を下りようと思ったことは一度もないし、生活に不安を感じたこともない。死ぬまで大杉谷で暮らすつもりや」

 

便利な生活を手に入れることも不便な生活を楽しむことも、人それぞれのライフスタイルですね。SNSでは、多くの人が自分のライフスタイルをかなり盛ってアピールしています。それを見て、あせり、「私もこんな生活がしたい」と思ってしまうこともあるかもしれません。

 

でも、「他人にとらわれないで、自分の生き方や幸せを自分で見つけなきゃ!」と思う人が、増えてきたように感じますね。

2023年

4月

08日

カエル研究

今日の園長の課外授業は、「おたまじゃくし採集」です。小学生4人が夢中になって、ざっと100匹ぐらい集まりました。まだ生まれたばかりのおたまじゃくしですが、屋上で、カエルになるまで子どもたちと観察します。楽しみですね。

 

ということで、今日はカエルの話です。東京オリンピックで日本女子ボクシング史上初の金メダルを獲得した入江聖奈さんが、この春、日本体育大学を卒業しました。彼女のカエル好きは有名ですね。入江さんのカエルとの出合いは高校生の時で、自転車の運転を誤ってアジサイの葉にぶつかってしまったそうです。その瞬間、目の前でアオガエルがぴょんとはねたのです。

 

「初めてマジマジとカエルを見て、うおー可愛いってなりました。野生のカエルなので、痩せて骨ばっている感じや、カエル特有の歩き方とか、目がきゅるきゅるしているところも。カエルのすべてに心を奪われたっていう感じです」と入江さんは語ります。

 

そんな彼女は、今春から東京農工大学大学院でカエルの研究に挑みます。本当に、カエル好きが転じて、ボクシング界とサヨナラして、新しい道に進むのです。金メダリストですので、ボクシングの道に残っていれば、将来の安定は保証されていたのに・・・と思う人も多いでしょう。でも、「自分が決めたことなので突き詰めたいと思います。ボクシングを続けていると、金メダリストの称号があるおかげで、そっちに甘えちゃいそうで・・・逃げ道を作らないためにも、ボクシングは区切りをつけようと思いました」と言います。

 

どうですか・・・「もったいない!」なんて言わないでくださいね。

 

「研究者の道は、誰もが目指してなれる職業ではないと思います。それでも、カエルが好きだからこそ守りたい。それに寄与できる研究者になりたいですね」と言う入江さん。今は、ヒキガエルの繁殖期なので、入学前ですが、調査を始めているそうです。

 

入江さんの新しい人生に注目です。カエル研究の第一人者になってほしいですね。

2023年

4月

07日

子ども情報の引き継ぎ

今日は、今年度初めての体操教室です。寺子屋3番の年少園児にとっては、憧れの体操教室初挑戦となりました。真っ白な体操着が、ピカピカに光っています。先生に少しだけ手伝ってもらって、体操着に着がえました。初めてのエアトランポリンに、サーキットトレーニングは、なんとか先輩たちに追いつこうと頑張りました。今日は、おうちに帰って、体操教室の話が止まらないでしょう。(笑)

 

さて、さいたま市の公立小中学校は、4月10日が入学式です。各小中学校の先生たちは、旧担当から引継ぎを受けているかもしれませんね。皆さんもお仕事で、引継ぎをした経験は多いと思いますが、どこまで引き継ぎますか?

 

私の営業マン時代の経験では、若い頃は、「〇〇百貨店の〇〇さんは、□□は得意だけど、△△はまったくできない」などなど、詳細の情報を詰め込むように次の担当に引き継いだ記憶があります。私自身も、多くの情報を得て、先入観を持ったまま、担当店の店長と「はじめまして」の経験をよくしました。

 

しかし、実際に仕事を一緒にしてみると、事前情報と違うことが多かったですね。そんな経験から、私の引継ぎは「色々と私の主観情報を言うと、先入観を持ってしまうので、実際に自分の目で確かめて」と、あっけないものになりました。「家庭の事情」など、知っておかなければならないこと以外は、短い内容でおしまいです。

 

小中学校の担任なら、クラス全員の情報をいち早く知りたいという気持ちもあるでしょうが、「〇〇ができない」「この子は〇〇でない」「〇〇が苦手」という情報を引き継がれることによって、子どもにレッテルを貼ってしまうことにもつながります。

 

「リーダーシップがある」の意味は、先頭に立ってみんなを引っ張るタイプもあれば、全体が見えてみんなを陰で支えるタイプもあります。「リーダー」の定義も先生によっては、微妙に違うのです。

 

私の長いサラリーマン経験から言えることは、「人物についての詳細の引継ぎは不要。自分の目で確かめるべき」ということですね。これは、一般企業だろうが、学校の子どもたちであろうが同じです。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、異年齢保育の環境かつ、全ての先生がすべての子どもたちを見守っています。先生たちも人間ですので、微妙に一人一人の子どもへの見方が違ってきます。私が気がつかないことを他の先生が知っていることもあります。子どもたちにとって、多くの先生に見てもらうことは、自分への見方が一つに偏らないことにつながります。子どもを1つの枠にはめない保育ができます。

 

「子どもたち一人一人が違う × 先生たち一人一が違う」の掛け算では、数えきれないくらいのパターンが生まれるのです。

 

ということで・・・今日の結論は「引き継ぎは、ほどほどに・・・」です。

2023年

4月

06日

春が来た!

今日は、教室内に土俵を作って、相撲大会をしました。相撲大好きの男女が集まります。3月まで絶対王者だった男の子が小学生になったので、新たな5歳男の子のチャンピオンが誕生しました。彼を目標に、他の園児も頑張っています。

 

さて、保育園の朝の会では、春の新曲を子どもたちが歌っています。「めだかの学校」「春がきた」が大きな声で響いています。「♬~春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒の じょじょはいて おんもに出たいと待っている~♪」をご存じですか、「春よ来い」の歌詞ですね。これは、豪雪地帯で知られる、新潟県の糸魚川市出身の作者が、娘の様子を見て作詞したそうです。

 

4月に入ると、屋上は、まさに「春満開」です。カメたちが元気にエサを食べ、クマバチがヘリコプターのように飛んでいます。モンシロチョウが舞い、えんどう豆も小さな花を咲かせ、ジャガイモの芽も出てきました。保育園の子どもたちは、「おんも」に出て、五感をフルに働かせて、元気に遊んでいます。

 

「三つ子の魂百まで」という言葉は、3歳ごろまでに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。というような意味で使われます。双子とか三つ子ではありません。これは、乳幼児期に人格形成の基本が出来上がるということで、科学的にも証明されているそうです。子どもの脳は、6歳で大人の90%の大きさになります。体は、小さいですが、「脳」は立派な大人なのです。

 

保育園の屋上には、生き物だけでなく、草花がたくさん咲いています。畑の野菜もグングン育っています。子どもたちの「好奇心」や「探求心」は、刺激を受けてどんどん育っていきます。まさに、子どもたちにとっては、この経験が「三つ子の魂百まで」となって、人格形成に影響するのでしょう。

 

「春」を感じて、夢中で遊ぶ子どもたちを見ているだけで、私たち大人も元気になるのです。(笑)

2023年

4月

05日

日本酒学

4月から、新しく寺子屋さんになった、3歳児の年少園児たち・・・寺子屋になると、自分のことは自分でできるようになってもらいます。お帰りの支度は、今日で3日ですが、まだまだ先生が教えないと、大変なことになってしまいます。個人差があるので、先輩を見て自分でできる園児もあれば、やってもらうのが当たり前の園児もいます。早く慣れて、頑張ってもらうしかありませんね。(笑)

 

さて、今日は日本酒の話です。昨日は、キンメダイが、格安で手に入ったので、上さんに煮つけにしてもらいました。お酒は、もちろん純米酒です。日本酒と言えば新潟県が有名ですね。全国最多の89の酒蔵があります。そんな新潟にある「新潟大学」には「日本酒学センター」があります。

 

「日本酒学」という学問は、私は初めて聞きました。仕掛け人の岸准教授は、新潟県内の酒蔵を巡り、「日本酒を軸にすれば、発酵や醸造、流通はもとより、歴史、健康、マナーなど幅広い分野を総合科学として捉えられるのではないか」と考えました。

 

県と県酒造組合に提案し、新潟大学との3者で連携協定を結び、2018年に「日本酒学センター」が発足したそうです。

 

「製造方法の基礎」「アルコールと脳」「日本酒と税金」「日本酒と料亭・花街の文化」「酒蔵巡り」「利き酒体験」などなど、日本酒から、歴史や文化までも学ぶ内容になっているようです。

 

ワインの世界的研究拠点であるフランスのボルドー大学やアメリカのカリフォルニア大学にはワイン学部があります。これらと、新潟大学は交流協定を結び、国際的なネットワーク作りも進めているようです。岸准教授は「ここを日本酒学の世界的な知の拠点にし、ここで学ぶことが一つのステータスになるようにしたい」と語ります。

 

私は日本酒が大好きですが、世界中の人々が、ビールやワインやウイスキーのように、当たり前に、日本酒を飲む習慣はありません。複雑で特殊な醸造過程から生まれる日本酒の魅力を世界に向けてどんどん発信してもらいたいですね。

 

若者が、日本酒に興味を示し、誇りを持って、うんちくを語りながら飲む姿が見えてきました。

2023年

4月

04日

入社式 正常に近づく

今日は、「ミドリガメのおうち」の掃除をしていると、冬を乗り切って元気に泳ぐ赤ちゃんミドリガメを発見・・・1歳女の子が、勇気を出してカメをつかみました。エサもバクバク食べています。

 

さて、昨日は、多くの企業で入社式が行われました。マスクを着用せずに出席する新入社員が目立つなど、コロナ禍から正常化に向かう姿が見られたようです。ある調査では、入社式を対面で実施すると答えた企業は81.2%で、前年よりも大幅に増えてそうです。

 

入社式でのトップのメッセージは、やはりリモートよりも対面の方が響きますね。今日は、何人かのトップのメッセージを紹介します。

 

「学生から社会人になるのと並行して、社会の大きな変化に直面した世代は多くない。この経験は、皆さんにとって将来の大きな財産になる」

 

「便利になったリモートの活用も重要だが、現場で現物を見て現実を認識したうえで物事に取り組むことが非常に重要だ」

 

「世界的なインフレの加速など深刻で複雑な課題に直面している。新たな取り組みが必要な今こそ、「するべきこと」を考えてもらいたい」

 

「これまでは人間にしかできないと思っていたことをAIが実行するような時代が来た。人間として役立てる人になってほしい」

 

「自動車業界は100年に1度の変革期にあると言われている。既成概念にとらわれない新鮮な発想で社内に新しい風を吹き込んでほしい」

 

トップのメッセージに一貫していることは、「自分で考えて、あたらな発想を活かしてくれ!」といったところでしょうか。「早く仕事を覚えて、みんなと同じように頑張ってくれ!」なんてメッセージは、1つもありませんね。

 

新入社員が、同じ会社でずっと勤務することも、さらに少なくなっていくのでしょう。自分の強味を早く見つける。また、自分にできないことをどのように補填していくかを考えることも大切ですね。そして、私もそうであったように、新入社員の姿に刺激を受けて、初心を取り戻すのです。

2023年

4月

03日

島さん

今日は、世の中の多くが「新年度スタート」となりました。保育園も朝の会で、それぞれ進級した寺子屋園児のインタビューを行いました。みな「やる気満々!」です。(笑)

この1年間で、うれしいことや楽しいことだけでなく、辛いことも多くの失敗も経験して成長するのです。大切なスタートの日ですね。

 

さて、「島さん」というコミックをご存じですか。サザンオールスターズの桑田佳祐さんも愛読しています。舞台は、どこにでもあるようなコンビニ。そこで働く島さんは、訳あって昼の交通整備の仕事とコンビニの夜勤を掛け持ちしています。「夜勤のベテラン」と呼ばれ、他の店にもヘルプで声がかかるのですが、もう、おじいちゃんで、新しいことを覚えるのは苦手だし、作業もトロいし、体もガタがきています。そんな島さんですが、なぜか周囲の人に愛され、頼りにされているのです。

 

島さんは、厄介な客のクレーム対応や、万引、マナー違反などの面倒な出来事も臆することなく対応し、なぜか問題を解決してしまうのです。実は、島さんは元やくざです。

 

島さんの態度として、一貫しているのは、客と店員、あるいは店員同士といった線引きは設けながらも、あくまでも「人間として」お互いの事情を把握し、接しているという点です。お客様に対しても、おかしいと思ったことは毅然と指摘し、同僚のミスはさりげなくカバーします。相手を、人生のどこかでまた別の立場として出会うかもしれない存在として認め合う姿勢がうかがえるのです。

 

作者の「川野ようぶんどう」さんは、本作を生み出すまでに長年コンビニで働き、本作を発表するまでに20年がかかったそうです。自分の経験がこの作品には詰まっているのです。

 

私も、大学時代にコンビニの夜勤でアルバイトをしていました。池袋の繁華街のコンビニでしたので、お客様は、夜のお仕事をされている人が多く、様々な人生物語を抱えていました。私にとっては、かけがいのない「人生の勉強」でした。

 

こんな島さんみたいな店員さんは、実は、あなたのまわりにもいると思います。

2023年

4月

02日

十年 Ten Years Japan

WBCで野球が盛り上がったばかりですが、山梨学院高校の優勝は、まるで昭和の高校野球のような勝ち方で優勝しましたね。エースの林投手が6試合すべて投げ切るスタイルは、現代野球とは全く逆行する形ですね。あの平成の怪物と言われた松坂大輔さんを思い出します。

 

さて、今日の話は、5人の若手監督が日本の10年後の姿を描いたオムニバス映画です。

①75歳以上の高齢者に安楽死を奨励する制度を描いた「PLAN75」

②全児童がICチップを装着するIT特区の小学校を描く「いたずら同盟」

③亡くなった母親の過去が記録されたデジタル遺産を巡る父娘の関係「DATE」

④大気汚染のため地下で生活する少女が地上に憧れる「その空気は見えない」

⑤制度化された徴兵制の告知ポスターを担当する青年の交流を描く「美しい国」

 

どうですか、何だかタイトルを聞いただけで、ゾッとするイメージがありますね。これらは、50年先の日本ではなく、わずか10年先です。2018年に発表された映画ですので、想定は2030年です。もうすぐやってくる未来です。そこで想定されている少子高齢化やAIが飛躍的に進化した時代をこの映画では、やや誇張して描いています。

 

75歳以上の安楽死の推奨なんて、とんでもない!と思うのでしょうが、この作品では、死を苦しまずに迎えられることを歓迎する老人や認知症を患う老母の介護に悩む若い夫婦などが登場します。幸福に対する視点が異なり、多様性がさらに生じているだろう10年後のことを考えると、私たちの近未来に求められる判断や選択を問う作品でもあります。

 

この映画の予告編では、次の言葉で結ばれています。「未来とは、今を生きること」

まさに、その通りですね。

2023年

4月

01日

令和5年度がスタートしました

4月1日・・・令和5年度がスタートしました。今日は、土曜日なので、実質のスタートは月曜日です。今日は、日本サッカーをかつて支えた一人オシム氏の言葉を考えます。

 

『私が感じる限り、日本人には教師や上司の教えを疑うことなく守り、秩序を乱さない者が最も優秀であるという特有の価値観が備わっているようだ。タイムアウトなどを取れないサッカーにおいては「何をどうすればいいか」を、その置かれた局面ごとに自分で考えてプレーする。それは人生に似ている。まずは、自分のやり方でやってみる。こういう自己の意志力が重要なのだ。しかし、日本では子どもの頃から他人に自らの進む道を依存する傾向が見られる。この時点で、すでにクリエイティビティを放棄し、誰かのコントロールに意志を委ねているのだ。日本人は、他人がやることや新しいトレンドに従うことにおいて、とても勤勉で規律正しい。しかし、彼らは、若い人たちをコントロールしすぎる。すべてを支配することはできないのだ。子どもたちが、自分の頭で考えるため、そういう思考を自然に発達させてあげなけれないけない』

 

どうですか・・・オシム氏のサッカーは、「走れ!走れ!」ばかりではなく、「自分で考えなさい」でした。現在、世界で活躍する日本のサッカー選手は、まさに、自分で考えてプレーするのは当たり前で、「言われたことをやるだけです!」なんていう考えは、サラサラありませんね。

 

日本人は、どちらかというと「教えたがりの大人」が多いような気がします。私も、ついつい保育園の子どもたちに、「あーだこーだ」教えてしまっています。今年度のスタートにあたり、もう一度、保育園ホワイトきゃんばすの大切な考えである「自分で考えて自分で答えを出す」子どもたちの育成について、考えることにします。

 

「好きにやったらいい」だけでもいけないし、「〇〇するんだよ」と100%教えることもいいことではありません。このバランスをどこに置くか・・・子ども一人一人で変わってきます。ゆえに、奥が深いし楽しいのです。

 

ということで・・・本年度もよろしくお願いいたします。

2023年

3月

31日

今年度最後の保育園

いよいよ、令和4年度の保育園は、今日が最後です。保育園は春休みはありませんので、明日から新年度になります。

 

今年度を振り返ってみますと、2年間コロナに耐えましたが、ついに4月と7月に園児や職員が感染してしまい休園を余儀なくされました。そんな中でも、母の日保育参観、親子遠足、どろんこ遊びの行事を行い、初めて子どもたちをお菓子の工場見学に連れていくことができました。ロッテとグリコと子どもたちのワクワクが止まりません。

 

屋上プールでは、小さい園児も果敢に大プールで泳ぐ練習に参加しました。そして、クサガメが卵を産んで、30匹もの赤ちゃんが誕生しました。卵の殻を破って、中からカメが出てくるシーンを何度も子どもたちと保護者が目にします。生命誕生の神秘の瞬間です。

 

サマーキャンプでは、年長園児が成長を加速させ、秋まつりではゲーム屋さんを楽しみました。運動会とクリスマス発表会では、毎日の過酷な練習に子どもたちは耐えて、本番では素晴らしい姿を見せてくれました。保護者も職員も大感動です。ハロウィーンパレードでは、ママのアイデアがキラリと光る仮装が目立ちました。「大谷翔平」もやってきました。(笑)

 

屋上ファームで野菜を育てて食べるという素晴らしい環境の中、屋上でのピクニックランチや青空給食、わくわく教室で食育も子どもたちの成長につながっています。同時に、屋上では様々なスポーツが、子どもたちの挑戦意欲をかきたてました。

 

異年齢保育と屋上の環境で、子どもたちは、今年度も遊びを通じて、笑顔をたくさん見せてくれました。もちろん、自分の思い通りにならない経験もいっぱいして、確実に成長をした子どもたちです。

 

「自分で考えて自分で答えを出す」子どもたちになってもらうよう、今年度も取り組みました。まだまだ、子どもたちの笑顔のためにやることは山ほどあります。歩みを止めない「保育園ホワイトきゃんばす」であるよう、前に進んでいきます。

 

保護者の皆様。そして、このブログを毎日のように読んでくださった皆様。今年度も子どもたちは元気に成長することができました。心から感謝申し上げます。

2023年

3月

30日

女子硬式野球に脚光

今日は、年少女の子が、ついに自転車に乗れました。年長から年少までの寺子屋園児25名で、ただ一人自転車に乗れなかった女の子です。「私だけまだ乗れない!」というプレッシャーに負けないで、ここ1か月間練習を続けてきました。自転車に乗ると、恐怖心から体がうまく動きません。そんなことを繰り返しながら、ようやく、勇気の一歩を踏み出したのです。本当によく頑張りました。今年度も、3歳児以上の全員が自転車に乗れるようになりました。凄いことだと、園長は思っています。

 

さて、少子化で多くのスポーツの競技人口が減少する中、女子硬式野球が盛り上がりを見せています。現在開催中の全国高校女子選抜大会には、史上最多の45チームが出場しています。全日本女子野球連盟によると、連盟に加入する中学生以上の競技人口は、2016年は1776人(74チーム)だったのに、2021年には2533人(102チーム)と約4割増となったそうです。顕著なのは、高校で約7割増です。

 

女子は、これまで高校進学を機に野球をやめてしまうケースが多かったそうです。中学までは、学校の軟式野球部や地域の硬式チームで男子と一緒にプレーできますが、日本高校野球連盟の規定で、体格差による安全面への配慮から、男子の高校野球部では公式戦への出場は認められていません。そこで、女子だけの野球部による全国大会が小規模ながら行われるようになり、ようやく、2021年夏、男子の高校野球2回戦の後に、女子の全国選手権決勝が初めて甲子園で開催されたのです。選抜の決勝は東京ドームでした。

 

昨年夏の甲子園で優勝した、横浜隼人高校は、「勝ち進むたびに、夢だった甲子園が目標になった」と選手たちのモチベーションも上がります。

 

現在、女子球界にはプロがないため全員がアマチュアです。まだ、記憶に新しいところですが、2010年から女子のプロリーグがスタートしました。ところが、観客動員数が伸び悩み、コロナもあり、登録選手がゼロとなってしまったことで、今は無期限休止に追い込まれました。戦後間もないころにも、女子プロリーグがあったそうです。

 

全日本女子野球連盟は、この教訓を生かそうと、地域に根ざす方法を模索しています。プロ野球球団でも2020年に西武ライオンズ、2021年に阪神タイガース、読売ジャイアンツは昨年に、女子チームをスタートさせています。もちろん、プロ契約ではないので、仕事や学校の後に練習し、関東の「ヴィーナスリーグ」や関西の「ラッキーリーグ」などの地域リーグで試合をしています。

 

今回のWBC世界一を受けて、女子の硬式野球もますます追い風になっていくことでしょう。サッカー、バスケットボール、バレー、テニス、ゴルフなど多くのスポーツ競技で、男女それぞれで活躍の場があるにもかかわらず、野球はまだまだ男のスポーツという認識が高いですね。ジャンダーフリーの波に乗るとかではなく、普通にやりたい女性が、白球を追いかける時代になりつつあります。

 

保育園では、園長と野球をするのはやはり男子ばかりです。でも、これからは、女子にも声をかけていくことにします。

2023年

3月

29日

6年生、学校で過ごす夜

この4月から、二人の子どもの産休・育休を経て、4年ぶりに教員に復帰するママが、何と、一年の担任の辞令を受けました。私の常識では、「復帰の先生が、一番大変な1年生を持つなんて!」と思ったのですが、さいたま市のすべての学校で人手不足状況で、やむない人事のようです。辞令を受けたからには頑張ると、ママは気持ちを切りかえています。ただし、一人で抱え込まないで、まわりの力を借りるのです。そして、愚痴も文句も保育園の職員に話して、スッキリしてください。(笑)

 

さて、東京都台東区立根岸小学校では、3月10日の午後6時、照明の消えた校舎に懐中電灯を手にした子どもたちが続々と入っていきました。6年生66人が、東日本大震災の起きた3月11日までの1泊2日の「避難所生活訓練」で、学校の夜を過ごします。

 

この計画のミソは、児童が計画して校長に訴えて実現したことです。

 

根岸小学校は、年間を通じて、総合的な学習の時間で防災を学んできました。震災当時、福島県いわき市の中学校で校長をしていた澤井さんを招いて話を聞いたそうです。その中学校では、自主避難してきた300人以上の地元住民のために、校長は74日間学校に寝泊まりし、避難所を運営した体験を語ったのです。

 

そして、根岸小学校の避難所訓練の大事な決め事は一つ。子どもたち自身が考え、行動することです。

 

炊き出しのメニューは備蓄用のまぜご飯と豚汁です。皿は紙とラップで作ります。ごみを減らそうと、おにぎりにしたクラスもあったそうです。

 

この日の訓練には、澤井さんも訪問して、子どもたちを見守ったそうです。「ごみを減らしたり、水を節約したり、改善しなければいけないことはたくさんある。それでも、体験することが最も大事。体験しなければ、失敗することもできない」と言います。

 

避難所体験をした子どもたちは、「何をするにも1つ1つに時間がかかった」「もし、知らない人と一緒だったら、物の貸し借りもしにくくストレスがたまったはず。地域の人たちとの関係を深めておいた方がいい」と振り返ります。

 

PTAの「おやじの会」などが主催して、学校の体育館に宿泊するイベントはよく聞きますが、避難所訓練体験で、小学校の宿泊することは、まずないことです。とても、有意義な活動です。全国に広がってほしい取り組みだと思いますね。

2023年

3月

28日

思い立ったらすぐ行動

今日は、全国的に関東地方だけ雨が降っています。そこで、卒園児保護者からプレゼントされた「とび箱」を使って、サーキットトレーニングを楽しみました。とび箱もコツをつかめば、多くの園児が飛べるようになります。まずは、2段から練習です。

 

さて、私のサラリーマン時代の記憶では、仕事を「まっ、明日やればいいかっ!」と、翌日に繰り越していくと、次の日もまた新しい仕事が入り、雪だるま式に仕事がたまってしまいます。ところが、今発生した仕事は「すぐにやっつける」という習慣をつけると、とても効率よく仕事が片付いていくものです。どうですか・・・経験ありますよね。

 

東京都の小平市で晩年を過ごした、彫刻家の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)は、昭和47年に大往生するまで107歳まで生きました。当時の男性の長寿記録だったそうです。平櫛田中は、木に彫刻刀などを使って掘る、木彫りの彫刻家として有名ですが、彼の言葉に「人は思い立ったらすぐに実行しなければならないのです。思っているだけではいつまでたってもできません。今が大事なのです。そして、私がやらなければ誰がやるのですか」が口癖だったようです。

 

つらい勉強や練習は、後回しにしてしまいがちですが、毎日こつこつ努力すること、良いと思ったことはすぐにやることを心がけていたそうです。

 

平櫛田中の住居に隣接する「平櫛田中彫刻美術館」の玄関には、田中が購入した、彫刻用のクスノキの原木があるそうです。巨木です。昨日のお別れピクニックで、子どもたちに「いいにおい」を残したクスノキですね。これは、田中が100歳を超えたころに、「先生の身体は70歳くらいですね」と医者に言われて、30年分の彫刻に使う材木を買い込んだそうです。

 

平櫛田中は、次の言葉も残しています。「実践実践また実践、挑戦挑戦また挑戦、修練修練また修練」「六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から百から、わしもこれからこれから」と言っています。何と、力強い言葉でしょうか。

 

これを「時代が違うんだよ・・・」なんて、簡単に一蹴しないでくださいね。今の時代も、「思い立ったらすぐ行動」は、全く変わりませんね。ただし、そのアプローチは、自分一人ですべて頑張るのではなく、みんなで力を合わせて、知恵を出し合って、課題を解決していく時代です。まわりを巻き込みながら、後回しにしない・・・なかなか高いスキルが求められるのです。

2023年

3月

27日

お別れピクニック

卒園式が終わってからの「お別れピクニック」は、初めてですが、卒園児6名が最後に楽しみにしていた行事が、本日、無事にできました。

 

保育園から歩いて20分くらいの「三橋総合公園」が、ピクニックの舞台です。公園までの道中も、子どもたちは、「つくし」を発見します。「これ、何だ?」になかなか名前が出てきませんが、男の子が思い出しました。公園に到着すると、まずは、ピンク色の江戸寒桜が、出迎えてくれました。そして、すぐに満開のソメイヨシノを愛でます。

 

花もいいのですが、クスノキの大木が何本かあり、その葉を一枚手でもんでみます。「何か、臭いにおいがする~」と、子どもたち。江戸時代には、このクスノキの葉が、防虫剤として活躍していたのです。

 

公園の端にある「沼」に向かいます。一人1本「魚アミ」を持参したので、子どもたちの採集が始まります。エビ・ザリガニ・ヤゴ・アメンボ・タニシとよくわからない虫が、バケツの中にたまっていきます。子どもたちは、集中して、水辺の生き物と格闘していました。

 

そして、お弁当タイム・・・桜と菜の花を同時に愛でながら、大満足のお弁当です。「少し足りなかったなぁ~」と全員完食です。土手をくるくると転がる遊びに、夢中になってしまった子どもたちです。花見の散歩に来ていた人たちが、「面白そうだね~」と、子どもたちの激しい転がりっぷりに、集まってきました。大人もやってみたくなるような、楽しい遊びです。

 

最後は、アスレチックのある広場で遊びます。春休みに入った小学生の姿もチラホラ見ることができました。ホワイトきゃんばすの園児は、すぐに、小学生だろうと話しかける癖があり、異年齢保育で学んだコミュニケーション能力は抜群なのです。

 

卒園児の、最後の行事は、笑顔いっぱいの楽しい時間となりました。子どもたちの手には、クスノキの臭いが残っていますが・・・(笑)

2023年

3月

26日

WBCの余韻

昨日は、園児たちと保護者の皆様のおかげで、素敵な卒園式となり、その後は、職員一同大宮で打ち上げをしました。お酒も進んで、二日酔いの日曜日の朝です。(笑)

 

テレビを付ければ、水曜日の世界一から数日たっているのに、まだまだWBCの余韻に日本中が浸っていますね。準決勝での村上選手のサヨナラ安打で、大谷選手を追い越しそうな周東選手のホームインの映像と、決勝戦で大谷選手がトラウト選手から三振を奪って、グラブと帽子を投げ、優勝したシーンが数十回も流されていますが、何度見てもいいですね。

 

侍ジャパンのメンバーたちが、すぐにオープン戦で試合に出場したり、大リーグの球場でも、4人の大リーガーの様子をカメラが追いかけます。この1年は、侍のメンバーの活躍が、ずっと話題になることでしょう。大谷選手が目標と言ったように、ワールドシリーズに縁がなかっらエンジェルスが、ワールドチャンピオンになるかもしれないですね。そんな夢をもってしまうほど、大谷選手の言動は、世界中のメディアが追いかけることでしょう。

 

「あの場面ではこうだった」という試合の映像から、今度は、監督や選手たちの「うらばなし」が語られると、栗山監督の「信じる力」や、試合前に、選手が円陣を組んで語る言葉の内容など、世界一につながった「言葉の力」を知ることになります。

 

夜の新橋で、ほろ酔いのサラリーマンが「栗山監督のような上司だったらいいのに~」と語ると、逆に、上司は「大谷翔平が部下だったら最高~」と思ったことでしょう。まぁ、こんな時は「ないものねだり」をしてしまうものです。(笑)

 

WBC第1回、2回の世界一を見ていた、大谷翔平少年が、WBCで世界一になりたいという夢を持ったように、令和の野球小僧たちが、世界にむかって挑戦してもらいたいですね。

 

いよいよ、3月30日にプロ野球が開幕します。侍ジャパンのメンバーの活躍だけでなく、プロ野球界全体の強化につながるような1年になりそうですね。メジャーリーグも今年デビューする吉田選手が注目です。小さな体で、大活躍してほしいですね。ヌートバーのお母さんの出身地「埼玉県東松山市」も、この1年は、様々なアピールができます。

 

野球が、ベースボールが、世界にもっと広まっていけるよう、またオリンピック競技に復活できるよう、長い目で見ていきたいですね。ということで、まだまだWBCの余韻に浸っていたいですね。

2023年

3月

25日

令和4年度卒園式

ついに、卒園式の朝を迎えました。涙雨が降っています。しかし、涙どころか、子どもたちは元気に保育園にやってきました。年少・年中園児も卒園児を送り出すために、しっかりと席に座っていることができました。卒園児は、髪型まで決まって正装で堂々としています。

 

今年度の卒園児6人は、すぐにケンカをするし、じっとしていられない園児たちですが、6人それぞれの個性が大きく光っています。「圧倒的な芸術センス」「ほかの園児の意見を聞くことができるリーダーシップ」「運動能力が飛び抜けて高い」「最後まであきらめない心」「いつもニコニコ笑顔がいっぱい」・・・そんな、すばらしい個性を小学校生活でも活かして欲しいですね。

 

卒園証書授与では、しっかりと園長の目を見て、凛々しい園児たちです。卒園式では大事な儀式ですが、締まりました。園からの記念品は、「国語辞典」です。今回は、もう一つ、給食で使っている「さいたま市西区のコシヒカリ」が、農家さんからプレゼントされました。

 

卒園児最後のピアニカ演奏は、「ドレミの歌」ですが、練習ではなかなかピッタリと決まりません、しかし、本番では、1つにまとまった素敵な演奏を聞かせてくれました。

 

今年度を振り返る「一年間の思い出」では、元気に「楽しかった屋上遊び~1番の思い出です!」と、子どもたちの掛け合いの声が響いていましたが、入園からの写真を紹介する「卒園児スライドショー」が始まると、我が子の成長に感極まった保護者から、シクシクと声が聞こえてきました。

 

「園長からの手紙」は、涙で包まれます。最初の女の子が、私が手紙を読んでいると、横で大粒の涙を流します。まさに、ぼたぼたとしずくが落ちる音がします。女の子の涙で、会場が一気に涙に包まれました。

 

保護者と卒園児の挨拶も、本当にしっかりとしていました。涙でいっぱいのママも、最後まで、しっかりとメッセージを伝えてくれました。原稿なしのママもいました。(凄い)

そして、卒園児の保護者から、「とび箱」がプレゼントされました。体操教室で、とび箱に目覚めた子どもたちは、保育園でも練習に励むことでしょう。

 

「さよならぼくたちのほいくえん」「みんなともだち」を全員で歌って、令和4年度の卒園式は幕を閉じました。今回、入退場と園長の手紙の場面では、卒園児の保護者がピアノを弾いてくれました。4か月のベビーから6年間保育園に通った男の子のママにとっては、我が子の卒園式に、演奏できたことをとても喜んでいただきました。そして、園長の手紙では、6人の園児のイメージに合った曲を考え抜いてセレクトし弾いていただきました。ありがたいですね。

 

今年度の卒園式も、卒園児6名と在園児、保護者の皆様が一堂に集う、素敵な時間に包まれました。そして、4月から小学生になる6人が、楽しい小学生生活だけでなく、自分の思い通りにならない「壁」にぶち当たった時に、保育園で頑張ったことを思い出して、自分で考えて、立ち向かってほしいですね。

 

卒園児6人は、保育園生活はいったん終了しますが、小学生になっても見守っていきます。今日は「卒園おめでとう!」

2023年

3月

24日

お花見をしました

さいたま市も、数日前に桜が満開となりました。毎年お花見をさせてもらっている、保育園近くの「養福寺」の住職と昨日話をすると「もう満開で、散り始めるぞ~」ということですので、卒園式の前にお花見をすることにしました。

 

養福寺の境内に到着すると、子どもたちは、地面に落ちてある桜の花びらを集めて、「桜吹雪」の演出をします。そして、チビちゃんたちは、広い境内をぐるぐると走り回っています。境内には、樹齢100年を超えるソメイヨシノの大木があるのですが、その下にレジャーシートを敷いて、仰向けに寝ると、下から見た桜の姿が、それはそれは、すばらしい景色になるのです。そして、風が吹くと、ひらひらと桜の花びらが、顔にむかって舞うのです。

 

いつの間にか、子どもたちは、花見から「鬼ごっこ」に移行し、汗をかきながら遊んでいます。たくさん体を動かしたので、給食のカレーライスは、おかわり続出です。

 

卒園してしまう年長園児と一緒に、花見が楽しめたので、子どもたちの思い出に残ったようです。

 

さて、いよいよ明日は、「卒園式」です。保育園内の装飾も終わり、明日は、涙と笑いの素敵な一日になるとうれしいですね。卒園児の保護者は、すでに泣く準備ができているようです。(笑)

2023年

3月

23日

新生児の「いのちの格差」

昨日は、さいたま市内の小学校の卒業式でした。しかし、午前中の式の最中でも、お父さんたち中心に、スマホでのWBCチェックが止まらなかったそうです。我が子の卒業式も大事ですが、侍ジャパンも捨てられなかったようですね。(笑)

 

また、上尾市の小学校に通う小6の卒園児は、今日が卒業式で、ホワイトきゃんばすまで、卒業の報告に顔を出してくれました。園長と同じ身長になっていました。ずっと、土曜日は学童で保育園に来ていたので、年長園児も「〇〇ちゃんだ!おめでとう!」と言うものの、あまりにも背が高くなっていたので、見上げていました。中学に入ったら、陸上部で頑張るそうです。うれしいですね。

 

さて、日本は、乳児死亡率が世界でも極端に低いことで知られています。しかし、戦後間もない昭和22年の1歳未満の乳児死亡率は、7.46%もあったそうです。100人に7人が、1歳になる前に死んでいたのです。感染症等で亡くなる子どもが多かったようです。

 

それが、令和3年では、0.17%まで下がっています。昭和22年は、13人に1人が死んでしまったのに対し、令和3年では、588人に1人となったのです。「さすが、日本の医療発展は大したものだ!」と、喜ばしいところですが、令和3年においても、家庭環境による差があるようです。

 

企業や公務員などの勤め人世帯では、0.09%と最も低い数字です。農家・自営業・なども1%には届かない低水準であるにもかかわらず、無職の世帯では、1.82%と飛び抜けて高いのです。

 

今の時代、乳児死亡の原因として多いのは、先天奇形や周産期の呼吸障害等ですが、やはり、生活基盤が不安定な家庭では、虐待死も起きやすいのが現実です。

 

では、どうすればいいのか・・・という有効な対策は、すぐには浮かびませんが、今日は、新生児死亡率が世界トップで低い日本でも、「いのちの格差」があることを知ってください。

2023年

3月

22日

侍強し!

まずは、昨日のWBC準決勝メキシコ戦でのサヨナラ勝ちに、今日の保育園の連絡ノートには、「感動した」「子どもも一緒見ていて、すばらしい時間を過ごした」「途中、子どもは飽きてしまっておままごとをしていたけど・・・」などなど、保育園とは全く関係のないWBCのことを熱く語るママたちです。(笑)

 

そして、ついに、侍が世界一になりました。保育園ですので、ところどころ速報を気にしながら、園長は、個人的に「これが村上のホームランだ!」「岡本やるなぁ~」「8回ダルビッシュで9回が大谷だなんて、・・・栗山監督のシナリオ通りじゃないか!」とか、とにかく、心の中で、ぶつぶつつぶやいていました。

 

ちょうど、給食で「いただきます!」をする前に、日本優勝の速報が入り、子どもたちに「やった!日本が優勝したよ!」と先生たちも大喜びです。まだ、ポカーンとしている子どももいたので、「WBCという野球の大会で、日本が世界一になったんだよ」と説明すると、大きい園児は理解して、「やった!」と大喜びです。5歳男の子が、麦茶が入ったコップを高く掲げて、「大谷に乾杯!」と言っていました。(笑)

 

というわけで、7戦全勝の完全優勝の侍ジャパンに、日本中がポジティブが気持ちになったと思っています。スポーツの力は、やっぱり凄いですね。国際試合は、「日の丸」を背負って戦うというイメージがあります。今の時代に、国がどうのこうのという考えは古いのかもしれませんが、昭和のおやじとしては、叫びたいくらいにうれしいですね。決勝戦の映像をしっかりと見ていないので、今夜は、録画したWBCの決勝戦をじっくりと楽しみたいと思います。結果がわかっていても、たぶん、手に汗握っているのでしょう。(笑)

 

侍ジャパンに選ばれた選手の中には、「この大会に出場したことを一生の誇りとして、これからの野球人生の糧にしたい・・・」というコメントがありました。よく、ビジネスの世界では「成功体験にとらわれるな!常に新しい発想で勝負するんだ!」と言われます。でも、このWBCでの成功体験は、野球人としては、大いに誇りに思って、次のステップにつなげてほしいですね。

 

栗山監督は、選手としては一流プレーヤーではありませんでした。早くに引退し、自分は指導者として、日本の野球界を盛り上げていこうと思ったのです。あの野村監督の「野村ノート」は有名ですが、その前に「三原ノート」というのがあったのを知っていますか。私が生まれる前の話ですが、「神様・仏様・稲尾様」と言われた、日本シリーズ西鉄vs巨人で、3連敗から4連勝して日本一になった、西鉄の三原監督がしたためた、大学ノートに書かれたメモです。数冊にも及び、野球以外の「人として」の行動規範までも記されています。

 

これを手にした栗山監督は、WBCの合宿にもこのノートのコピーを持ち歩き、迷ったときの羅針盤としていたそうです。謙虚な姿勢と相手を信じる気持ち・・・今回の世界一は、とっても泥臭くて、書くのも恥ずかしいですが、「監督、選手、スタッフ、そして野球ファンが一つになって、成し遂げた世界一」だったと思っています。

 

言いたいことは、まだまだ山ほどありますね。しばらく、「侍ジャパン世界一」の余韻に浸ることにしましょう。

2023年

3月

21日

今どきの婚活

日本では、結婚年齢がどんどん上がっているだけでなく、結婚をしないという選択も増えています。20代へのあるインタビューによると、「本当に自分に合う人でなければ無理に恋愛はしなくてもよい」「趣味などで楽しんでいるし、忙しいので恋愛は今はしなくていい」「恋愛関係に発展することで、学校や職場などの人間関係、グループ間の良好な関係を崩したくない」という意見が多いそうです。

 

昭和世代のおやじにとっては、「い車で彼女をデートに誘いたい」「積極的に合コンに顔を出して出会いの機会を逃さない」という考えは、過去の思考となったようです。

 

40代で結婚した、ある女性の話です。「結婚にまったく関心がなかったわけではないけど『仕事が楽しい』と言っているうちに、気がつけば年月が過ぎていました。結婚相談所の人に40歳前後女性の『婚活市場価値』が低いことを知らされてショックを受け、アプリを使い『結婚優先』を決意します。そして、徹底的に自己分析をし、自分が結婚に何を求めているかを絞り込み、プロフィール欄に『私はこんな性格です。遊びのお付き合いは嫌。こういう性格の男はお断り』と明確に書きました。多数から連絡をもらうようになったものの、好みでないの人から連絡がくることもありますし、逆に好みの人とダメになることもあります。でもいちいち凹まない。『ハイ次!』と割り切ることも大切です」

 

こうして、彼女は結婚します。夫になった男性とは「子どもはどうする」「どちらかが病気で働けなくなったらどうする」など、突っ込んだ話を最初に行ったそうです。

 

どうですか・・・昭和世代のあなたは、「おいおい。結婚って、恋愛関係の先にあるもんじゃないの?きちんと、恋愛期間で相手を愛し合うことができて、結婚という結論を出すんじゃないの・・・」と思ったのではないでしょうか。

 

しかし、彼女は「確かに恋愛によくあるドキドキといった気持ちの盛り上がりはなかったです。でも最初から『この人は私の結婚相手だ』と思って接することができたので、互いに遠慮することなく仲良くなっていくのは早かったと思います。結婚を決めたあとにじわじわと愛情が芽生えてくる感覚です」

 

また、こんな厳しいことも言います。「未婚の友人は『ご縁があったら結婚したい』と言うけれど、『ご縁』なんて生ぬるいことを言っていたら結婚できない」と。

 

結婚についての考えも、時代と共に変わっていくのは当然のことですし、様々な考えを尊重したいですね。

2023年

3月

20日

人生の方程式

寺子屋2番(年中女子)の園児は8名いますが、最近のローラースケート(インラインスケート)ブームで、7人が練習に励んでいます。今日は、スポーツで新しいことへのチャレンジには、どうしてもブレーキをかけてしまう4歳女の子が、果敢に挑戦しました。そして、仲間の助けを借りながら、見事に歩けるまでになりました。彼女の頑張りは立派ですが、彼女を支えた4歳女の子の友情が光っていました。転んだら、すぐに手を貸して励ましていたのです。彼女をおもいっきり褒めました。

 

さて、昨年8月に亡くなった「稲盛和夫」さんは、京セラの創始者であり、現在のKDDIをつくり上げ、最近では、一時経営破綻した日本航空の再建を担った実業家です。日本経済に大きく貢献した人物ですが、教育関係者の中でも人気が高いのです。

 

その理由は、著書「生き方」の中で、「人間として一番大切なこと」を伝えているからです。経済学の参考ではなく、人生の参考書を示しているからです。

 

その中で、「人生の方程式」について、こう提唱しています。

 

「人生の方程式」・・・人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 で、最も重要なのは「考え方」である。

 

ここでは「人間として何が正しいのか」についての考え方を示しています。「嘘をつくな」「正直であれ」「欲張るな」「人に迷惑をかけるな」「人には親切にせよ」と、当たり前ですが、シンプルな考え方です。

 

考え方が正しい方向に発揮されず、負の方向であった場合、どんなに優れた能力を持ち、強い意志を抱こうとも、それは社会に害をなすことにもなりかねないと言います。

 

私たちは、自分の人生は、自分で考えて進んでいくのですが、考え方は、シンプルな方がいいですね。稲盛さんは、日本の経済成長を支えた、重要な経営者の一人ですが、実は、とっくに、経済成長至上主義に代わる、新しい国の理念や、個人の生き方の指針を打ち立てる必要があることをわかっていたのでしょう。

 

私たちも、時々、自分の人生の方程式を考えてみるのも大事かもしれません。自分といいながらも、必ず家族にかかわることですから。

2023年

3月

19日

AIをどう活用するか

こんなニュースを耳にしました。小5女子の読書感想文があまりにも上手すぎたので、担任が尋ねます。「これ、お母さんに手伝ってもらった?」すると、女の子は「ううん、違うよ。これChatGPTが書いたの」と答えたそうです。

 

どうですか・・・これからの「読書感想文」や「作文コンクール」は、AIが作った作品だらけになってしまうかもしれませんね。小5女子が使ったChatGPTとは、人工知能による対話型の自動応答ソフトです。専門家の中には、100年に一度の産業革命という人もいます。

 

たとえば、「カレー嫌いの人にカレーの魅力を伝えたい」と入力。すると、わずか十数秒後で、「スパイスとは何かを解説し、カレーに興味を持ってもらう」といったものから「カレーアイスクリームのレシピを紹介する」「インド式カレーヨガを紹介し、カレーと健康の関係をアピール」などマニアックなものまで、5つの切り口が提案されます。

 

昨夜の池上彰さんのテレビ番組で「昭和世代のモノ」を取り上げていました。携帯がないので、家電話で彼女の家に電話をした時に父親が出た場合の対応。テレホンカード、体罰、連帯責任、喫煙習慣などなど、令和の時代では考えられないことが、つい数年前まで行われていました。すべて、昭和おやじの私が経験したことです。

 

そして、米オックスフォード大学の教授らが2013年9月に発表した論文「雇用の未来」では、10年から20年後には47%の仕事がAIに取って代わられるリスクが高いと結論づけました。あれから10年たった今では、実際になくなったという仕事はほとんどありません。ただし、小5少女が使った、ChatGPTを活用すれば、複雑だったり、人の手を必要とする仕事の一部を「なくす」または「減らす」ことはできますね。

 

教育業界では、試験問題を作る際に、教員の「クセ」がなくなり、幅広い傾向の問題がだせるメリットがあるようです。人間である教員には「自分でも気がつかない脳のクセがあった」というわけです。

 

さて、冒頭の小5女子の担任の先生は、その後どう対応したと思いますか。普通なら、「なんで自分でやらなかったのか!」と叱ってしまうところでしょうが、AIより上をいく神対応をしたそうです。

 

あらためてAIをどう活用するかの授業を行ったそうです。①子どもたちに作文を書かせます→②ChatGPTで添削させる→③読み比べる→④変更点の理由をAIに教えてもらう→⑤学んだことを子どもたちと整理する→⑥AIが出せない味を話し合う→⑦最後は、人間の手で修正する

 

この先生は、凄いですね・・・AIを逆手にとって、AIができることと人の手でしかできないことを子どもたちに学ばせたのです。まさに、私たちが、これからの10年・・・AIとどう付き合っていくかを示した事例ですね。

2023年

3月

18日

「死」の疑似体験

今日は、小学生と年長園児を連れて、鉄道博物館に行ってきました。鉄道に興味のない小3男子は、初めての「てっぱく」に大興奮です。展示車両に乗り込んで、はしゃいでいますが、「この特急は・・・」と園長が解説を始めると、「園長先生、オレそうゆうのは興味ないから」と一蹴されてしまいました。(笑)

 

さて、「人生最後の大仕事で、人間ならば、誰もが避けられないこと」って、何だと思いますか。実感を伴わない人も多いでしょうが、それは「死」です。関西学院の藤井美和教授は、そんな「死」の疑似体験を20年以上行っています。死生学講義の一環だそうです。

 

21歳の学生ががんで亡くなるまでの架空の闘病日記を読み上げて、その過程を疑似的に経験します。まず受講生は、「形のある大切なもの」「大切な活動」「大切な人」「形のない大切なもの」を3つずつ、12枚の紙に書き出します。藤井教授が闘病日記を朗読しながら、病状もだんだんと悪化していきます。できなくなったことから、12枚の紙を順に破って、手放さなくてはいけません。「死が迫る究極的な状況で、本当に大切なものに気付き、死を含めた生き方を問い直してもらうのが目的」と教授は語ります。

 

家、お金、愛、母・・・。葛藤し、涙を流す人もいます。最後の1枚は「母」「愛」「感謝」などが多いそうです。藤井教授の「さよなら」の言葉で、最後の1枚を破ります。

 

参加した学生からは、「家族や友人との記憶が最も大切とわかった」「大切だと思っていたものが一番大切ではなかった」「当たり前の生活に感謝しながら生きていこうと思った」などの感想が寄せられています。

 

藤井教授は、28歳の時に難病にかかり死に直面したそうです。その時に、死にゆく人のために何か役に立ちたいと考えたそうです。そして、「私たちは丸裸で生まれて、それだけで喜ばれる存在だった。様々なものを手放し、あるがままの自分に戻っていくとき、信頼や感謝など目に見えないものが自分を支えてくれていることがわかります」と語ります。

 

私も、「おやじ」と言われる年齢になって、「死」を意識することも増えてきましたが、まだまだ具体的に、受け止めることはないです。深い内容ですが、時々考えてみないといけませんね。

2023年

3月

17日

学校で学ぶ意味

今日は、本年度最後の体操教室でした。年長園児にとっては、保育園生活最後となります。3年間の体操教室の経験は、小学生になっても、スポーツを楽しみ、愛することにつながります。3年前は、ぶかぶかの真新しい体操着が、今ではピッタリのサイズになりました。よく頑張った証ですね。

 

さて、そんな小学生1年生になる卒園児たちへ、ある校長先生からのメッセージです。

 

「学校で学ぶ意味は、2つの目的があります。1つは、多くの人間と触れ合えるということです。人間関係を学ぶことが学校の役割でもあります。やがて、皆さんは卒業し、何の配慮もない社会へと投げ込まれます。自分でその環境に適応し、折り合いをつけながら生活していかなくてはなりません。どうしたら、人を傷つけることなく、良好な人間関係を築くことができるか、どうしたら平和で明るく充実した生活を送ることができるのかを常に考えながら生活してください。

 

学校で学ぶもう1つの意味は、学校は強制的に学ぶ環境が用意されているということです。人によって違いがありますが、家ではなかなか集中して学習に取り組めない人もいるかと思います。学校はありがたいことに1日5、6時間、強制的に学習に集中させてくれます。学校にくるだけで勉強できる環境が整っているのです。そして、運動会や修学旅行、合唱コンクールのような学校行事も人間形成には大切な取り組みです。

 

学校は人間関係を学ぶ場所であるとともに自分づくりの場所でもあるのです。最も大切なことは、全ての学びを自らの課題意識を持って取り組むことです。自分ごととして学ぶ気持ちが最も重要です。さぁ、みんなでお互いに高め合っていきましょう」

 

どうですか、気持ちいいくらい正論で、その通りですね。そして、大人になった私たちも、「自分ごととして考える」ことは、大切なことです。自分ごととは、「今起きている、課題や問題点の『どまんなかに自分を置く』ことです」そうすれば、自分にできないことがあっても、他の人と協力しながら解決するスタンスができてくるのです。

 

すべてを自分一人でできなくてもいいのです。

2023年

3月

16日

戦争を知っている大人

今日も屋上は春の陽気です。菜の花のまわりには、モンシロチョウが舞っています。池を覗くと、クサガメとイシガメが4匹、日向ぼっこをしていました。ウシガエルも春を満喫しています。そんな中、ファームでは、ジャガイモの種イモを植えました。今年は、芽が出て、白いかわいらしい花を咲かせるタイミングも、例年よりも早いのでしょう。

 

さて、「戦争を知らない子どもたち」という曲を知っていますか。1970年に杉田ジローさんが発表して、大ヒットした曲です。私が、小学生になるかどうかの頃ですので、オンタイムでは覚えていませんが、良く知っている曲です。

 

私も含めて、この時は、戦争を知らない子どもたちと若者が、日本の人口の半分以上だったようです。でも、まだ半分が戦争を体験し、中には戦場体験をしている人も20%はいました。戦場で、命を失うような体験もしたでしょうし、やむなく、敵国の兵士を殺した経験を持つ人もいたのです。

 

ロシアのウクライナ侵攻が1年以上続いていますが、日本は世界唯一の被爆国ですので「戦争は絶対にいけない」という考えが強いです。世界の考え方の基準も「戦争はしない」が大多数の意見です。しかし、これからの若者が、戦争体験の話を聞くことなく成長すると、ゲーム感覚で、人を殺すことの意味が、正しく理解できないかもしれません。

 

日本では、昭和から平成になるタイミングで、戦争を知っている大人は、全人口3分の1を占めていました。まだまだ、夏休みなど、公民館などに集められて、戦争の生々しい体験話を聞かされた子どもたちも多かったかもしれません。

 

ところが、時代が平成から令和となり、令和3年では、戦争を知っている大人は、全体の8.5%まで減り、戦場で戦った人は0.3%しかいません。1000人にたった3人です。戦場での生々しい話だけでなく、食べるものがなくて、ひもじい思いをしたとか、空襲で家を焼かれたとか、広島長崎では、被爆体験などの話が、身近な人からは、ほとんど聞くことができない時代になってきました。

 

戦争を知らない子どもと若者たちだらけになり、戦争を知っている大人も少なくなった今、戦争や平和に関する内容をどうやっ子どもたちに伝えていくか、大切な課題ですね。

2023年

3月

15日

全国のソメイヨシノはクローン!?

昨日、東京都の靖国神社のソメイヨシノの標準木が開花しました。少し前までは、入学式が桜シーズンだったのに、今は、卒業式になっていますね。さいたま市内の中学校は、今日が卒業式です。中1の時にいきなりコロナ休校からスタートし、リモート授業となり、ずっとマスク生活でしたね。修学旅行に行けなかった生徒もあったでしょう。高校生になったら、できなかったことを満喫する充実した学校生活を送ってほしいですね。

 

さて、花見と言えば、「桜」ですが、今から1200年以上前の「奈良時代」の花見の主流は、「梅」だったそうです。ところが、平安時代の「古今和歌集」になると、桜を詠んだ歌の方が多くなり、花見と言えば、梅ではなく桜を指すことが一般的になったようです。鎌倉、室町時代には、将軍が花見に出かけるようになり、豊臣秀吉は、奈良や吉野、京都、醍醐寺で盛大に花見を行ったことはよく知られていますね。

 

江戸時代になって、花見が大衆化します。8代将軍・徳川吉宗は、飛鳥山・向島・御殿山に桜を植えて、桜の下に多くの人が集まる現在のような形になりました。しかし、この頃人々が見ていたのは「エドヒガンザクラ」や「ヤマザクラ」などで、ソメイヨシノの登場は、幕末から明治の初めだったそうです。

 

ソメイヨシノは、エドヒガンザクラとオオシマザクラを江戸の植木職人が交配したという説と、自然交雑という説があるようですが、その後、接ぎ木や挿し木で全国に増やされていったのです。つまり、全国のソメイヨシノは、遺伝子情報が同じクローンなのです。

 

どうですか・・・ちょっと、ガッカリですか。その証拠に、気候条件が同じであれば、一斉に咲きそろうのです。桜前線という表現は、日本なら、南から北に向かって、気温が上がっていくからです。千葉県のかずさDND研究所では、19都道府県46本のソメイヨシノの全遺伝情報を解析したところ、上野公園の4本が親木となって広まった可能性が高いことが分かったそうです。

 

現在は、「今年の開花はいつだろう?」と待ち望む時間も楽しみたいので、各地のソメイヨシノの標準木の開花をワクワクしながら待っていますが、遺伝子を調べることで、正確な開花情報も科学的に解明できるそうです。

 

昨日のニュース番組では、毎年のことですが、気象庁の職員が、靖国神社の標準木を眺めて、アナログ的に「開花宣言」をしていました。時代が進んでも、同じ光景が続いてもらいたいですね。

2023年

3月

14日

わくわく教室

年長園児が卒園に向けてカウントダウンとなっていますが、今日は「わくわく教室」を行いました。6月に「おにぎり」を作り、2回目の今日は「パン作り」がメインテーマです。名前の通り、「わくわく」する子どもたち・・・朝から興奮気味です。(笑)

 

保育園近くの公民館の調理室を使って、元保護者の管理栄養士の先生から、「パンはどんなものがある?」から、実際に本物の小麦に触れながら、食育を学びます。そして、手を洗って、かっぽう着になって、調理スタートです。

 

ボールに、小麦粉・砂糖・塩・イースト・水を入れて、こねこねと手でかき混ぜます。最初は、手に粘土がつくような感覚になりますが、こねているうちに、水分を含んだ弾力のある生地が出来上がりました。ラップをかけて、40℃でしばらく寝かします。

 

その間に、ピザを作ります。生地を薄く伸ばすのが、なかなか難しいところですが、丸い生地を回転させながら、少しずつ薄くなってきました。ピザソースを薄くのばして、ベーコンをトッピング、そして、チーズをたっぷりのせてオーブンにいれます。子どもたちに、ピザの話を聞くと「ピザーラ・ピザハット・ドミノピザ」と宅配ピザの名前がどんどん挙がってきます。でも、こうしてピザを自分で作るのは、みな初めてです。6歳女の子は、「昨日から妹が、いいなぁ~とうるさくて。だから、今度のお休みに、ママと妹でピザを作るんだ!」と張り切っています。

 

わくわく教室の目的は、子どもたちが、食育につながる経験をするだけでなく、ママやパパに、今回の経験をいっぱい話してもらって、おうちでの食事作りにつなげることです。「作るのが好き・・・もちろん、食べるのも大好き!」となってもらうと、うれしいですね。

 

ピザをオーブンに入れると、寝かしておいたパン生地を取り出します。すると、倍の大きさに膨らんでいました。イーストは生きているので、砂糖をエサにして、生地の中に空気を送り込んで大きくなったのです。「ウォ~!」と叫ぶ子どもたちです。この生地を子どもたちがカットして、オーブンに入れます。いよいよパンの完成です。

 

楽しいランチタイムでは、自分たちで作った、パンとピザが目の前に並びました。子どもたちの「おいしい!」の笑顔がとまりません。パンには何もつけませんが、ほんのり甘くて、焼き立てのパンがこんなにおいしいことを知るのです。

 

きちんと、食器を洗うところまで、子どもたちで行います。最後の感想では、今回、パンを作った原料を全部覚えていた園児が二人・・・やはり、自分で作ると、知識もどんどん頭に入っていくようです。

 

わくわく教室を始めて2年となり、4回の経験を積みました。保育園では、屋上ファームで子どもたちが、野菜を収穫します。お店で買った野菜は食べないのに、保育園の野菜はおいしく食べる子どもたち・・・そして、わくわく教室を通じて、自分で作る楽しみを子どもたちが覚えるのです。

 

こんなホワイトきゃんばすの食育を継続させていきます。もちろん、新しいことも考えますよ。

2023年

3月

13日

職人醤油

今日の寺子屋は、ホワイトきゃんばす名物の「卒園児の等身大ポスター」の制作です。6人の卒園児の絵を年中年少園児も協力して、完成させます。ポーズもそれぞれお気に入りの格好で、素敵な作品が出来上がりました。

 

さて、今日は日本人が愛する調味料「醤油」の話です。群馬県の前橋に「職人醤油」というユニークなこだわり醤油ショップがあります。ずらりと並んだ100ミリリットルサイズの小瓶が100種類以上並びます。

 

店主の高橋さんは、全国各地の蔵元を回り、えりすぐりの醤油だけを集めて販売します。地域に根付いたさまざまな味を多くの人に楽しんでもらい、気に入ったら自分で買いに行ってもらいたい・・・そんな思いから容器をお試しサイズに統一したそうです。

 

かつて、精密機器メーカーの営業マンだった店主は、独立を目指した時に、興味があることを思いつくままリストアップしていった結果、最終的にたどりついたのが、伝統産業の醤油だったそうです。

 

2007年に「醤油職人」を設立してから、これまでに訪れた蔵元は」400件以上。一軒ずつ回って丁寧に会話を重ねるうちに「いいものを作っているのに売れない」という悩みを抱えた造り手が多いことに気がつきます。

 

「地域で愛される醤油には個性がある。その個性は造り手の個性でもある。そんなことを知ってもらえる仕組み作りをするのが自分の立ち位置だと思うようになりました」と言います。全国の造り手をつなぐ橋渡し役も務めます。「面白いもので、色々な種類を並べて売ると、造り手は自分以外の造り手の商品の説明も始めたりします。お互いがお互いの良さを認め、発信することで結局全体の売り上げがよくなるんです」とのことです。

 

高橋さんは、海外への売り込みにも力を入れているそうです。醤油も日本酒も、日本から次々と蔵元の数が減っています。それを海外へ売り込むことで、醤油の世界がどんどん世界へ広がっていくばかりでなく、蔵元の未来も明るくするのです。

 

前橋まで行かなくても、都内では、銀座松屋にショップがあります。

2023年

3月

12日

12年後の景色

昨日のWBCで日本の先発に上がった佐々木投手。3・11のあの日、津波が襲った小学校から必死に高台へ逃げ、命を守りました。佐々木投手は岩手県陸前高田市出身で、東日本大震災で、父と祖父母を亡くしています。彼の口から震災の話は、ほとんど聞いたことがありません。それだけ、少年の心には抱えきれない大きな出来事だったに違いありません。

 

12年後の3月11日。栗山監督は「これから世界の頂点を目指していく投手。そういう日に先発するというのは、野球の神様が朗希に頑張れというメッセージを送っていると僕は思っている」と試合前に語りました。

 

12年という月日は、人によって、長くもあり、短くもあるのでしょうが、佐々木投手のような少年が、心の中に12年前の記憶を残しながら、こうして、世界が注目する場所で輝いているのです。

 

昨日の午後2時46分は、保育園の運動会を行う西文広場のグランドで、小学生と年長園児が、「鬼ごっこ」で走り回っていました。私は、子どもたちを見守りながら、12年前の出来事を自分なりに思い返していました。そして、ここで走っている子どもたちは、全員3・11以降に生まれました。

 

 

子どもたちにとっては、自分が生まれる前の出来事なので、「そうなんだ」で終わってしまいますが、様々な形で語り続けていきたいですね。

 

大宮駅近くにある「さいたま宇宙劇場」では、「震災時 見上げた夜空」というテーマのドキュメンタリー作品「星よりも、遠くへ」が上映されました。11日、震災当日に停電となったために、星が普段よりもくっきりと見えたそうです。

 

仙台市で救助活動に当たった消防士が、星空を見上げて「使命感を新たにした」という当時の思いや、津波で妻を亡くした岩手県陸前高田市の男性が息子に「あの星はママだよ」と語りかけるエピソードなどが、星空の映像と共に紹介されたそうです。これを見た子どもたちの心に、これらのエピソードが刺さりますね。

 

こうして、12年後も、震災を風化させない取り組みが、各地で行われているようです。「あの日の記憶 風化させぬ」という思いは、これからの日本を担う子どもたちのためにもなるのです。

2023年

3月

11日

子どもを人前で叱る時

今日は、小学生が6人も集合しました。うち5人が、ローラースケートを何の迷いもなく手にします。保育園では、年中女子でローラースケートブームが起きていますが、小学生は、すでにスイスイ滑っています。5人が横に一列に並んだ姿はカッコよすぎて、まるで、ドラマ「Gメン75」のエンディングシーンです。(古くてすみません)

 

さて、外出時などで、子どもを人前で叱る時は、あなたならどういう叱り方をしますか。

 

「子どもは人前で叱られたくないと思うので、2人きりの時しか叱らない」

「子どものプライドを尊重して、その場では注意のみで、後でじっくり話し合う」

「たまに他のお母さんが怒っているのをみると、胸が痛くなるので、自分はやらない」

「事情も知らないのに、まわりからは厳しすぎると言われるのがいやなので、叱らない」

「叱りすぎて、子どもが泣くと周りに迷惑になるので、諭すように注意する」

「地声が大きいので、気をつけている」

ここまでは、控えめに叱る派ですね。

 

「家と外で叱り方が違うと子どもも混乱するので、同じように叱る」

「ダメなものはダメとすぐに叱らないとわからない」

「人前だから加減すると、子どもが調子に乗る」

「子どもがすぐにケロッとしてしまう性格なので、その場でなぜ怒られているか伝える」

こちらは、人前だろうが、いつも同じスタンス派です。

 

さて、みなさんは、どうですか。もちろん、どちらかの叱り方がいいという1つの答えはありません。親の考え、子どもの性格、年齢やその状況によって、対応はいろいろですね。ただし、これから社会性を身につけて、子どもたちが成長していくには、いいことと悪いことの分別は、大人が教えないといけません。「怒る」「叱る」という行動なしでは、子育てはできませんね。

 

現在小学4年生になっている、男の子のママは、「子育ては、子どもの数だけあるから、これから、我が家の子育てマニュアルを1つ1つ作り上げていきたいと思っています」と言ったことがありました。まさに、その通りですね。

 

「こんな時は、こうするのがいい」という子育てマニュアルに縛られることなく、親として、信念と柔軟性を持って、子育てを楽しみたいものです。

2023年

3月

10日

子の「困った」に気付く力

WBCが開幕しましたね。昨日は保育園が終わると、すぐに帰宅してテレビ観戦です。午後6時台に家に帰るのは久々です。(笑)

 

それぞれの野球ファンの中で、過去のWBCの名場面はたくさんあると思いますが、私は、第1回の王監督の時に、仕事でエキナカに展開した新たなショップの売上が、右肩下がりになってきて、なんとかしないと!ともがき苦しんでいました。キューバ戦の決勝戦が終わり優勝を果たした時に、スカッと!気持ち的には吹っ切れた思い出があります。第2回のイチロー選手の韓国との決勝戦での「あの名シーン」では、少年のように飛び跳ねていました。

 

昨夜は、中国戦とはいえ、国際試合の緊張感が伝わってきます。「こんなに中国が強くなったのか」と思いながら、今回は20の国と地域のチームが参戦する規模になり、アメリカの代表選手30人は、全員メジャーリーガーです。アメリカでスタートした「ベースボール」が、日本の「野球」に追い抜かれたと思ったら、また取り戻し、今回は、ガチンコメンバーで世界一を目指す戦いに、しばらくは、ワクワクが止まりませんね。

 

さて、保育園の子どもたちが大好きな「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、彼の能力の一つに「妖怪アンテナ」があります。でも、学校などで日々子どもたちと関わっている大人にだって、さまざまなセンサーがありますね。

 

「うつむきがちで元気がない」「いつもの友だちと一緒にいない」「学校に納めるお金が、滞りがち」「家族との電話がつながりにくい」「欠席が多くなってきた」などなど、その違和感ある行動の向こう側に何があるかを想定するセンサーです。

 

宿題を忘れたから、授業中に寝ているから、「ちゃんとやりなさい!」と注意するのは誰でもできますが、「あの子困っているんじゃないの?」と、その先を見る目が必要です。家庭内の人間関係、経済的な問題、家族の健康、学校での人間関係などなど・・・

 

「家庭のことは学校の仕事じゃないですよ」と言うなかれ、子どもの問題に私たち大人のセンサーが必要ですね。

 

でも、センサーが鈍感でも大丈夫です。子どもたちに「自立することは、全部自分で解決することではないよ。適切な人に助けを求め、時には依存し感謝することだよ。だから、困ったことがあれば、大人に話をすることも、自立と言うんだよ」と教えることが大事ですね。

2023年

3月

09日

大学入試も「マッチング」重視

 もうこのまま春本番となっていくのでしょうか。屋上遊びでは、菜の花とホトケノザを両手にいっぱい摘む子どもたちです。池にはクサガメが3匹とウシガエルがひなたぼっこをしています。メダカも元気に泳いでいます。ローラースケートには、年中女子5人が挑戦しました。 

 

さて、今日は、大学入試の選択の話です。私が高校3年の時に担任だった堀内先生には、自分の進路について、「アナウンサーになるか、旅行会社に就職する」の2択で、どの学部に進学すればいいのか、さんざんお世話になりました。某大学の芸術学部放送学科でアナウンサーのスキルを磨きたいと言うと、「アナウンサーになるには、世の中の様々な事を学び興味を持たなければいけない」と諭され、旅行業界では「JTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行・東急観光(当時のビッグ4)に入らないと、将来は不安だ」と、社会人までを見据えた指導をしていただきました。堀内先生は、今はもう90歳を超えていますが、元気に人生を楽しんでいます。

 

私の時代も、3年生の担任は、かなりの時間を進路指導にかかわっていました。それが、今では、ほぼ1年中かかわっているようです。その理由は、総合型選抜や学校推薦選抜を受験する生徒が増えたためです。学科試験だけでなく、面接・小論文・志望動機書の提出などが課されるので、その対応に追われているようです。生徒一人一人への対応が細かいのが大変ですね。

 

少子化に伴い、受験生にとって大学入試は、いまや一部の大学を除き、「選ばれる」ものから「選ぶ」ものへと変わってきました。総合型・学校推薦型選抜の「年内入試」の増加も拍車をかけているようです。

 

そんな多様化する入試の中で、生徒に自ら進路を選択する力をどう育てるか。民間企業の中で、進路指導の新たなサービスが生まれています。いわゆる「マッチングサービス」です。

 

ベネッセが提供しているのが「進路達成プログラム」です。ウエブ上で、希望進路を入力し、適性検査と学力試験を受けると「デジタル活用」や「社会貢献欲」など28の項目について、大学などとの「マッチ度」が提示される仕組みです。生徒の強味や希望進路から新たな出合いが見つかることもあるようです。

 

河合塾は、進路適正と汎用的能力を測る「学びみらいPASS」を提供しています。「問題解決力」「行動特性」を評価するテストと「職業」「学問適性」を調べるテストなどから「見えにくい資質・能力」を可視化し、進路選択の幅を広げることを狙いとしているそうです。

 

現在では、年間10万人以上の高校生が、このような「マッチング」を利用しているとのことです。

 

どうですか。これまで教科学力ばかりで評価されてきた生徒が、最近では、異なる軸で将来を考えなさいと言われても、まだまだ、自分のやりたいことが明確になっていない生徒が多いと思います。そこで、マッチングを利用し、自分自身が何に興味を持っているのかを知り、社会で必要とされる資質や能力に気が付くこともあると思います。

 

これも、時代の流れとして受け止めて、若者の将来に道が開かれることに期待したいですね。

2023年

3月

08日

あしかがフラワーパークの変動入園料

年少園児の自転車フィーバーの影響で、年中女子が「私たちは、もうワンランク上をめざします!」と言わんばかりに、ローラースケートの練習に取り組んでいます。年中でローラースケートを乗りこなすようになると凄いことです。今日は、2人の年中女子が、1人で歩けるようになっています。

 

さて、本日はあしかがフラワーパークの話です。2月に、JR両毛線の「あしかがフラワーパーク駅」を通ったのですが、夜のイルミネーションを見学する多くのお客様で賑わっていました。今は、春を迎えて、チューリップの花が見ごろです。そして、入園料は、400円から2100円の間で、変動制になっているそうです。

 

観光地の宿泊施設が、繁忙期に高い宿泊料を設定することは、よくあることですが、あしかがフラワーパークでは、当日の花の咲き具合で入園料を決めているそうです。季節の花が見ごろの時期は高く設定しますが、咲き始めだったり、ピークが過ぎると安く設定するそうです。1977年に開園してからすぐに、「花がいい時とそうでない時で、何で同じ入園料なの?」というお客様の声があり、変動制に変えたそうです。

 

夏休みなどの行楽シーズンには、できるだけ入園料を高くしたいのが本音ですが、花が痛み始めれば料金を下げるそうです。この「花基準」を徹底する理由は、「一度、『割高だな』と思われたら、もう足を運んでもらえない。目先の利益より、長期の信頼を大事にしたい」という考えだそうです。

 

あしかがフラワーパークの年間入園者数は、コロナ前は160万人だったそうです。地方の観光施設としては上位レベルです。一日4000人も入場する計算です。しかも、来園者の7割はリピーターだそうです。

 

早朝からほぼ毎日、社長と幹部数人で園内を回り、花の様子を確認して、当日券の価格を決定するそうです。ホームページには「本日の入園料は〇〇円です」とあります。こうして、年間を通じて、様々な花を楽しむだけでなく、消費者が納得してもらえる価格を探る努力があるからリピーターが多いのですね。

 

東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンといった、人気のテーマパークと違って、地方のテーマパークにお客様を呼ぶのは大変です。こんな知恵で、集客につなげる「あしかがフラワーパーク」にあっぱれ!です。

2023年

3月

07日

子どもの「歩く力」を育てる

年少園児たちが、次々と自転車に乗れるようになり、その姿を見た年中女子園児。実は、3人が「ペーパードライバー」になっていました。ちょうど1年前に、自転車免許証を交付されたのに、しばらく乗らないうちに、自転車から遠ざかってしまいました。でも、年少園児の姿を見て、「やばい!」と思ったようです。3人の年中女子も練習を始めました。

 

ホワイトきゃんばすの子どもたちは、屋上遊びを中心に、毎日ざっと1万歩は歩いていますが、今日は子どもの「歩く力」についての話です。園長が、普通に子どもたちと過ごすと、だいたい1日8000歩くらいになります。子どもたちは、さらに激しく屋上遊びをしているので、1万歩は楽に歩いているのですが、今から45年前の1978年の5歳児は、1日約1万5000歩も歩いていました。それが、2008年では、約4000歩と、歩行量が1/3に減少したのです。今は、もっと少なくなっています。

 

現代社会は、車に乗ることも多く、エレベーター・エスカレーターを利用するので、歩数が少なるなるのも仕方がありませんね。

 

人間の神経系統は6歳までに大人の90%近くまで発達するので、幼児期にたくさん歩いて体に刺激を与えることが大切です。歩くとふくらはぎがポンプのように動いて血液循環がよくなり、心肺や消火器なども発達して体が丈夫になり、脳も活性化します。骨の健やかな発達には、運動による刺激が不可欠と言われています。

 

そして、もう一つ大切なのは、足に合う靴選びです。乳幼児期は、急速に足が発達すると思い込み、つい大きめの靴を選んでしまいますね。しかし、ブカブカの靴は、大人なら足ひれをつけているようなもので、体全体が動かしにくく、転びやすくなります。一方、小さくなった靴を履き続けると指を痛めることになり、瞬発力が低下します。

 

幼児の足は、半年で5~7ミリほど大きくなるので、少なくとも、半年に一度、足のサイズを測って買い替えることが必要だそうです。我が子の健康のために、半年サイクルの靴の出費は必要なのです。

 

しっかりと歩くことと、サイズの合った靴を履くこと。これが、子どもの「歩く力」を育てることにつながるのです。

 

こう考えたらどうでしょうか?親子で手をつないで歩ける時期は幼児期の短いものです。親子で歩けば歩行力が高まるだけでなく、会話もできる。お腹がすいて食欲も増して、寝付きもよくなり、まさにいいことづくめです。我が子と一緒に歩く時間はお金では買えません。

 

考え方も前向きにして、子どもの歩く力を育てないといけませんね。

2023年

3月

06日

女子大生と中学男子が、ジェンダー平等を考える

今日のお昼の年長勉強タイムは、「ママに手紙を書く」です。私の長女の部屋から、大量のカワイイ系の便箋と封筒が出てきました。中学高校時代に、友だちと手紙のやりとりをしていたようです。保育園女子も手紙にはまる園児が数名います。

 

年長園児が、自分のお気に入りやママの趣味に合わせた便箋をチョイスして、「あいうえお50音表」とにらめっこしながら、格闘していました。文字を覚えるのに、手紙を書くことはとても有効ですね。紅一点の6歳女の子は、ママ・パパ・妹と3通も手紙を書いていました。

 

さて、ジェンダー平等について、多くの学校で取り上げられ、生徒同士で議論するような取り組みが増えていますが、女子大生と男子中学生がジェンダーについて、一緒に考えると聞くと、どんな話し合いになるか、興味をそそりますね。

 

これは、昭和女子大学が駒場東邦中学校の男子生徒と取り組む共同プロジェクトとして、令和3年から行われている取り組みです。1年目は「無意識のバイアス(先入観)」2年目は「多様性」をテーマに取り上げ、今年は「異なる価値観を持つ他者と歩み寄ること」を目標に行われました。

 

はじめに「将来、どんな人と一緒になりたいか」について、女子大生と男子中学生のアンケート結果が報告されます。女子大生の多くが「一緒にいて楽しい」「家事ができる」「子どもが好き」と答えるのに対し、男子中学生だけが「外見が整っている」を重視する意見が出ました。ここで、異性に求めるものの違いなどを話し合います。

 

その後に行われたワークショップでは、グループ別に「男女別学」と「性別と仕事・役職」をテーマに、女子大生が授業をします。

男女別学が生まれた歴史を解説後、男子中学生からは、「異性の目を気にしないで済むので勉強に集中できる」メリットと「社会に出たときに、コミュニケーションに慣れていない」といったデメリットを挙げる意見が出ました。

 

また、性別と仕事・役職についての授業では、男女比に隔たりがあることの問題点を一緒に考え、男子中学生からは「少数派の意見が尊重されにくい」「製品を作る上で一方の性の視点が欠ける」「ロールモデルがないので、その職業に就こうと思わない」などの意見が出ます。

 

女子大生にとっては、ジェンダー問題は、就職活動にもかかわる身近な問題ですが、年下の男子生徒と学ぶことで、さらに理解が進んだことでしょう。男子中学生にとっては、自分と違う立場の人の考え方を知るきっかけになったのではないでしょうか。

 

まずは、自分で考える・・・これが大切なことですね。

2023年

3月

05日

小学校と警察の連携

昨日は保育園が終わった後に、見たいものがあったのでリサイクルショップに寄りました。目的のものがなかったので、CDコーナーを覗いてみると、ニューミュージックと言われるジャンルで歌手がくくられていて、衝動買いをしてしまった次第です。(笑)

中島みゆき・安全地帯・ハウンドドッグ・甲斐バンド・松山千春・河島英五・爆風スランプのCDです。昭和世代ど真中です。でも、令和になっても活躍されているアーティストもこの中にはいますね。

 

そして、今、このブログは、中島みゆきを聴きながら書いています。彼女の魅力は、曲はあたりまえですが、歌手の姿とおしゃべりのギャップが凄いことです。かつてのラジオ番組「オールナイトニッポン」での中島みゆきさんは、「こんなハチャメチャな明るいキャラクターなの?」とびっくりするくらいのギャップです。(笑)

 

さて、保育園のあるショッピングセンターでは、時々巡回も含めて警察官が立ち寄ります。万引きなどの事件があれば、警備室で防犯カメラを怖い目つきでチェックしています。保育園でも、かつて開園当初、屋上の自転車が盗まれる事件が発生し、防犯カメラの映像から、警察の協力で犯人逮捕につながりました。でも、警察官の姿を見ると、「何があったの?」と、少し身構えてしまいますね。

 

それが、学校に警察官が来るとなると、保護者からは「学校は、自分たちで手に負えないから、警察沙汰にして指導を手放した」と言われるし、逆に「警察沙汰にしたくないから

隠ぺいした」とも言われます。

 

4月の「子ども家庭庁」の発足を前に、文科省は、いじめ問題など、学校はさらに警察と連携するように通知を出しました。相談・通報すべき事例として具体的に19場面を例示し、それぞれ刑法などに基づき、どのような罪に当たる可能性があるか示しています。例えば「本人の裸などが写った写真や動画をインターネット上で拡散すると脅す」という具体的な内容になっています。

 

昭和の時代は、中学高校での校内暴力での警察沙汰が多かったですが、時代は変わり、暴力行為の発生率は、小学校が中学高校を上回るようになってきています。今回の文科省の通知は、特に小学校でどのように対応するかが、ポイントのようです。

 

ある自治体の教育委員会は、有効な指導の一つは、警察官による加害者への説諭だそうです。警察官は、私服姿で学校を訪ね、児童・生徒と向き合います。教職員とは違った観点、加害行為について考えさせる指導が期待できる。警察は、後の凶悪犯罪に至る「芽」を摘んでおこうという意識が働くといいます。警察沙汰にするという言い方ではなくて、警察と連携するという感じです。

 

どうですか、学校に警察がかかわっていくことのイメージができましたか。学校や子どもたちにかかわる大人は、多い方がいいに決まっていますが、そこに警察も、警察ができる連携で入ってくる時代になるのです。

2023年

3月

04日

神前結婚式

今日は、小学2年の女の子が、「ローラースケートやりたい!」となり、久しぶりに屋上では、4人の小学生と年長園児が、チャレンジしました。最初はろくに歩くこともできずに、コロコロ転がっていましたが、3輪車の後ろにある手すりにつかまって、歩く練習がスムーズに成功すると、今日1日だけで、ゆっくりと走れるようになりました。自転車以上に、ローラースケート(インラインスケート)は難しいですが、子どもたちの習得能力はにはあっぱれです。  

 

さて、土曜日の園長の課外授業では、氷川神社&大宮公園によく遊びに行きます。先日は、氷川神社で、結婚式が行われていました。参道を新郎新婦と親族が神妙な顔つきで歩きます。神前結婚式です。実は、イエナプランの勉強会で知り合った、塾の先生が、2年前に氷川神社で結婚式をあげました。コロナ禍ですので、写真でその様子を見させてもらったのですが、カッコよかったですね。

 

コロナ前には、多くの結婚式と披露宴に出席させてもらいましたが、教会で式を挙げて、ウエディングドレスからお色直しでドレス姿というパターンがほとんどですね。もちろん、結婚式のスタイルは、新郎新婦の思いが込められているので、どんな形でも感動しますが、氷川神社の神前結婚式は、紋付き袴の新郎と白装束の新婦とその後ろを親族などが歩くスタイルです。新鮮で不思議な空間です。

 

大宮氷川神社は、武蔵一之宮で、由緒正しいお社ですが、初詣で賑わうイメージがありますね。保育園では、子どもたちの七五三は、多くが氷川神社です。最近は、初詣でよく来る氷川神社で結婚式を挙げたいというカップルが増えているそうです。2022年に、ここで式を挙げた新郎新婦は前年の2.5倍に増加したそうです。

 

実は、氷川神社での結婚式は、1960年代がピークで、年間1800件を超えたそうです。1日平均5組も式を挙げていたのです。ところが、教会で式を挙げるのが主流になるにつれて減少していったそうです。

 

そして、令和になって、また脚光を浴びているのです。

 

そうです。1年前入籍した私の長女が、コロナの影響が少なくなったので、来月結婚式を挙げます。神前結婚式ではありませんが、なんだか、こだわりの「〇〇会館」で、おごそかな結婚式を計画しているようです。「おやじ園長・・・娘とバージンロードを歩く」という初めての経験をします。(笑)

2023年

3月

03日

無駄づくり発明家

昨日宮前小学校の1年学年主任の先生が届けてくれた、宮前小学校を紹介する本を、朝の会で、先生が読み聞かせをしました。年長園児6名だけでなく、年中・年少園児も、興味津々の顔つきで、話を聞いていました。最後のページの1年生からのメッセージです。

 

「もうすぐで一年生の子へ、私たちは今一年生だけど、次に一年生になるね。たくさん、お友だちできるから安心して。宮前小は、こわくないから大丈夫だよ。一年生は朝顔を育てるから元気に育ててね。勉強も楽しいし、テストは君なら絶対に100点だよ。だから安心して、ちゃんと先生のお話を聞いて勉強とテストも100点で頭がよくなるようにして、朝顔を元気に育ててあげてね」実際には、すべてひらがなで書かれています。こんなメッセージが1つ上の先輩から届くなんて、素敵な取り組みに、心から感謝です。

 

さて、今日は「無駄」なことに、一生懸命な発明家の話です。

 

「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」を発明したのが、「藤原まりな」さんという29歳の女性です。このネーミングを聞いただけで、なんだかホッコリしますね。コロナ禍が始まったばかりのころに、私の長女が、家で缶ビール片手にオンライン飲み会を会社のメンバーでやっていました。どうも、お付き合いで仕方なく参加した感じです。このマシーンが役に立ったかもしれませんね。

 

「イヤホンを絡ませるマシーン」なんて、どうですか。ストレスが増してイライラしそうですね。でも、何か楽しそうです。

 

「ラーメンの画像をすべてネジにするアプリ」はいりませんか。深夜にラーメンが食べたくなって、ラーメン店を検索しても、みんなネジの画像になっているので、食欲減退ですね。

 

彼女は、こう言います。「わたしは、無駄なものを作るプロです。無駄なものを作ることが仕事の、無駄のプロフェッショナルです。わたしは、無駄を愛しているのですが、世間ではまだまだ「無駄は悪いもの」という考え方の人が多いようです。余計なことをして遊んでいると、「無駄なことをしないで!」と怒られたり、好きなものを買うと「また無駄づかいして!」と言われてしまいます。みなさんはどうでしょうか?無駄って悪いものだと思いますか?」

 

彼女の問いかけに、みなさんはどう答えますか。「無駄」という言葉の意味・・・自分の解釈を付け足したいですね。

2023年

6月

10日

やっぱり売れた「だけ弁当」

今日は、卒園児でこの4月に中学生になった女子が、保育園のお手伝いに来てくれました。年中の双子の姉妹は、お姉ちゃん先生に甘えっぱなしです。自分が1歳の頃に、よく遊んでもらっていたので、今日もデレデレです。

 

中学1年になった彼女は、持久走大会では学年1位になったそうで、バレーボール部で活躍中です。保育園時代は、コミュニケーション能力とリーダーシップに長けていましたが、いつの間にか体育会系女子になっていました。学業もなかなかなもので、人権問題の作文では、中学校を代表して表彰されたそうです。これから、たまに、保育園の土曜日を盛り上げてもらいます。

 

さて、ローソンストア100をご存じですか。時々街角で見かけますね。そこで、たった200円の大ヒット弁当があるのを知っていますか。その名は「だけ弁当」です。おかずが1種類だけの弁当です。

 

弁当と言えば、見栄えの良さや品数の多さが重視されがちですが、この商品を企画した林さんは、「ウインナーとかミートボールとか卵焼きとか。とってもおいしいのになぜかメインじゃないですよね。でも好きなおかずだけを思う存分食べたい人もいると思ったんです」と発想します。

 

しかし、商品部に企画を持ち込むも答えはNO。「売れるわけがない」「見た目が悪い」と前向きな意見は1つもよせられなかったそうです。何度却下されても諦めなかったのが林さんです。もう一つ、本体価格を200円にすることも難しい問題だったそうです。ウインナーだったら5本入れることだけは絶対譲れない条件だったそうで、最後は、商品部も根負けです。

 

忘れもしない2021年6月30日。初めて店頭に、おかずがウインナーだけの弁当が並びました。あっという間にSNSをにぎわせ、累計販売数は約166万食(3月末時点)になったそうです。

 

林さんは「絶対売れる自信があったんですが、やっぱり売れちゃいました」と豪快に笑います。「ウインナー弁用」に続いて、「ミートボール弁当」「海苔磯辺揚弁当」「白身フライ弁当」「卵焼き弁当」と新商品が販売されて、次は「チキンナゲット弁当」が発売されるそうです。

 

「現場が楽しくないと商品は売れません。現場の声をとにかく聞いて、売りたいと思ってくれる環境をつくることが私の使命です」と林さんは言います。コンビニの商品開発の手法は、様々なアプローチがあるのでしょうが、このようなアナログで、泥くさい感じが、私は大好きです。長続きしてもらいたいですね。

2023年

6月

09日

おひとり様で暮らせますか?

昨日の明治製菓坂戸工場の見学を終えて、多くの園児が、ママやパパにチョコレートに関する問題を出したようです。「アポロチョコレートは、イチゴチョコと茶色のチョコのどちらを先に入れるか?」「ミルク・ブラック・ハイミルク板チョコで、一番多く砂糖を使っているのはどれ?」といった感じです。お菓子売場での子どもたちの解説が楽しみですね。

 

さて、突然ですが、2022年度の厚生労働省「離婚に関する統計」では、離婚した夫婦の同居期間が「20年以上」の割合は、約70年間上昇傾向にあって、2020年では、離婚全体の21.5%です。いわゆる熟年離婚が、5組に1組ということになっているのです。子どもがいる家庭なら、子育てがひと段落したタイミングですね。

 

夫婦・カップル間のカウンセリングを主に行っている公認心理師の潮さんは、「人生は長い。子育てがひと段落したら、あえて離れて過ごす時間を作りませんか、と勧めることがあります。『半日婚』や『卒婚』と呼んだりもします」と言います。

 

どんなに、仲がいい夫婦でも、必ずどちらかが先に亡くなり、1人の生活になります。依存度が高いと、老後一人になった時に立ち直れずに、うつ病などになってしまうこともあるので、1人で生きていく術を身に付けておいた方がいいという考えです。

 

具体的には、自分だけの時間やスペースを持つことです。可能であれば、経済も分ける。休日は、朝昼は別々に、夕食だけ一緒にする。共通の趣味があるに越したことはないですが、それとは別に自分だけが没頭できるものを見つける。そうすれば、新たな人間関係が構築される。

 

世の中を見渡すと、たいがい夫が妻に依存しているケースが多いですね。女性は、コミュニケーション能力があって、同じ趣味のサークルやスポーツクラブなどで、どんどん人脈を広げていくのに対し、男性は、定年退職後「何もすることがない」となることが多いのです。

 

夫婦のどちらかが、先立たれてしまった時には、「おひとり様」生活を余儀なくされますが、やっぱり、熟年離婚よりも、夫婦二人でこの先もハッピーに過ごしていきたいものですね。

 

「パートナーは一番近い赤の他人」と考えると、「私の気持ち察してよ」じゃダメですね。自分が何をうれしく、楽しく感じているか、言葉で伝えることが大切です。どちらかというと、マイナスに受け止められる「ぶりっこ」「猫撫で声」も、加齢で体力も気力も落ちてくれば、笑顔で人に頼り、やってもらうことを増やすことが必要です。

 

長い夫婦生活を送っていると、恥ずかしくて言えないのですが、「ありがとう」の感謝の気持ちが大切です。ハッピーになりたければ、自分が笑顔で接する。ご機嫌な毎日を過ごしていると、相手もご機嫌になり、家庭が居心地の良い場所になっていくのです。

 

はい。結婚生活30年を超えたおやじ園長ですが、今述べたことは、全くできていません。猛反省して、少しでもハッピーな老後が過ごせるように、努力しないと・・・。

2023年

6月

08日

明治製菓工場見学

昨年6月の「ロッテ浦和工場」、今年2月の「グリコ北本工場」に続いて、お菓子の工場見学第3弾は、「明治坂戸工場」です。年長・年中園児19名を連れて行ってきました。埼玉県内に、保育園の子どもたちが見学できるお菓子工場がいくつかあります。

 

社会科見学では、防災センターや造幣局にも行きましたが、子どもたちの「わくわく感」が一番大きいのがお菓子工場のようです。保育園からマイクロバスに乗って、ざっと1時間・・・明治製菓坂戸工場に到着しました。子どもたちを「カールおじさん」が出迎えてくれました。

 

ご存じのように、東日本でのカールは、この坂戸工場で製造していましたが、今は西日本のみでの販売となっています。それでも、明治の象徴は「カールおじさん」ですね。まずは、記念撮影です。

 

坂戸工場は、ざっと、東京ドーム2個分の広い工場です。そこで900人の従業員が働いています。ラインで作業をしながら、子どもたちに笑顔で手を振ってくれました。好感度アップです。(笑)

 

明治の板チョコ(ミルク・ブラック・ハイミルク)・チョコレート効果・ブッカチョコレート・アポロ・ツインクル・果汁グミ・リッチチョコサンドを坂戸工場では生産しています。「アポロ」は、全国でも坂戸工場のみでの生産です。アポロの見学ラインは、まるで宇宙船で月に向かっているような演出でした。

 

アポロ11号が月面着陸した、1969年に、この「アポロ」が発売されたそうです。もう54年も続くロングセラー商品です。あの三角すいの形で子どもの頃から親しんできた商品ですね。最初にイチゴチョコを充填し、冷やしてからミルクチョコレートを流します。17メートルの冷蔵ラインを温度を変えて流れてきます。トレーを逆さにして、ハンマーでたたいで、アポロが出てきます。途中、機械による金属チェックと、目視チェックで、不良品が出ないようにしていました。

 

板チョコのラインは、シンプルですが、カカオ豆からチョコレートになるまでの勉強ができました。砂糖が一番多く使われているのが「ブラック」だそうです。ミルクを使わないので、ミルクやハイミルクよりも砂糖が多いそうです。

 

卵型の空洞チョコの中に、金平糖やミニチョコなどが入った「ツインクル」は、おまけのシールが人気のお菓子です。工場の従業員が、全員ヘッドホンをつけています。これは、工場内は機械の騒音があるので、健康面を考慮しての対応だそうです。音楽を聴いているわけではありません。

 

とかく、親にとっては、「お菓子」は敵になる食べ物ですが、こうして、工場見学を通じて「学び」があると、買い物をする時の子どもたちの着眼点が変わってきますね。

 

バスの中でのおしゃべりも、ママが作ってくれたお弁当タイムも合わせて、今日は、素敵な一日となりました。年長園児とちびちゃんたち・・・お留守番ありがとう!

2023年

6月

07日

「じぇじぇじぇ」再び・・・

昨日の寺子屋で、クワガタの観察をしました。親子遠足で行った、北本自然観察公園の自然観察指導員は、「そろそろカブトムシが顔を出すかも?」と言っていましたが、まだ、採集できたのは「コクワガタ」だけです。

 

それでも、子どもたちは、クワガタなのに「カブトムシだ!」なんて間違えながら、今シーズン初のクワガタに大興奮です。最初は怖がる園児も、だんだん慣れてきて、ほとんどの子が手のひらに乗せることが出来ました。おうちでは、どや顔で自慢していたそうです。今日も朝からクワガタ観察です。6歳女の子が、大人のようにクワガタを持って、他の園児に見せていました。カブトムシの反応が楽しみですね。

 

さて、知っていましたか?2013年に放送されたNKK連続テレビ小説「あまちゃん」が、再放送されています。東京になじめない女子高生の天野アキが、母(小泉今日子)の故郷太平洋に面した岩手県久慈市をモデルにした架空の町「北三陸市」を訪れます。そこで、祖母夏(宮本信子)に憧れ、海女(あま)を目指し、やがてご当地アイドルになり、東日本大震災からの復興に奮闘する物語です。

 

驚いた時に使う方言「じぇじぇじぇ」が流行語になり、ロケ地巡りの「聖地巡礼」が始まり、放送終了後には「あまロス」なる言葉まで生まれるなど、社会現象を巻き起こしました。私も再放送を見ていますが、話の展開がわかっているのに、ドキドキしながらアキを見守っています。(笑)

 

あまちゃんからもらうのは、やっぱり「元気」ですね。頑張れば報われる。明日に向かって進もうというのが、この物語のテーマです。アキは、悩んだり壁にぶつかったりしますが、常に前を向いて乗り越えていく。その姿が、今の時代を生きる私たちに元気を与えてくれます。

 

ドラマでは、「北三陸鉄道」という名の、三陸鉄道では、あまちゃんをイメージしたラッピング列車が登場しました。三陸鉄道を応援するあまちゃんファンが、クラウドファンディングで全国から資金を募り、目標額を上回る791万円を集め実現したそうです。

 

コロナ禍と燃料費高騰で、赤字経営を続ける三陸鉄道は、「じぇじぇじぇ」再び・・・で、また元気になるのでしょう。今年のゴールデンウイークの収入は、前年121%となったそうです。

 

再放送では、まもなく3・11を迎えます。東日本大震災から2年後にできたこのドラマですが、「東北がんばれ!」の象徴として、再放送を通じて「あの日を忘れてはいけない!」というメッセージにもなっているような気がします。

 

もちろん、最終回まで見続けますよ。

2023年

6月

06日

図書館は古い本ばかり

昨日屋上で食べたビワの種をおうちに持って帰って、庭に埋めた園児がいました。子ども心がわかりますね。もちろん、芽は出てきます。うまくいけば、数年後には、庭にビワの実がなるかもしれません。我が家の庭にあるビワも、種をまいて勝手に大きくなりました。

 

そして、今日はファームの「長ネギ」を収穫しました。お土産にしたのですが、「みそ汁に入れるよ!」と食べる気満々の子どもたちです。子どもが嫌いな野菜の上位にランクインする長ネギですが、自分で収穫した野菜は別なのです。(笑)

 

さて、昨今の活字離れもあって、子どもたちの読書数は、大きく激減しているかと思いきや、どんでもありません。増加傾向にあるそうです。1993年は小学生(4~6年)の1か月間の平均読書冊数は6.4冊、中学生が1.7冊だったのに、2022年では、それぞれ13.2冊、4.7冊にまで急増しています。今年は、全ての学校に図書館の設置を義務づけた「学校図書館法」の公布から70年を迎えるそうです。

 

少し前までの、熊本市のある中学校では、2016年の熊本地震以降、図書予算が半減されたそうです。これによって、本の更新が進まず、蔵書1万1700冊のうち6600冊が、20年以上前の本だったそうです。様々な職業を紹介する「なるにはBOOKS」シリーズは、25年前の発行で、サッカー選手の紹介コーナーに並ぶ本は、約20年前の「ジーコ・ジャパン」のメンバーで止まっていました。文学作品も、宮沢賢治全集は茶色く変色し、誰も手に取りません。古い本ばかりだと図書館に来る気持ちまでもそがれてしまいますね。

 

しかし、国は蔵書数の目安を示し、22年~26年度予算では、総額約8500億円が、学校図書館に充てられるようになりました。本の購入だけでなく、新聞配置や学校司書配置も義務付けられました。

 

コロナ前に、保幼小の会議で、保育園近くの小学校の図書館司書と話をする機会がありました。その学校の図書館は、「どの本を子どもたちに読んでもらいたいか」が一目でわかるような、ディスプレイになっていたのです。私は思わず、司書の方に「どうして、本屋さんのような素敵な陳列なんですか?」と質問攻めです。彼女の本に対する愛情と子どもたちに読ませたい本が伝わってきました。

 

こんな取り組みが、日本の子どもたちの読書量を増やしているのかもしれません。デジタル社会へ進んでいく日本ですが、学校図書館という空間は、子どもたちにとって、本のぬくもりを感じる場所になっているのかもしれませんね。

2023年

6月

05日

猿まわし師の仕事

今日の連絡ノートには、土曜日の親子遠足の感想がびっしりです。初めて北本自然観察公園を経験する保護者は、ガイドの解説が新鮮だったようで、生き物や草花への興味が増したようです。

 

そして、今日は屋上のビワの実の初収穫です。子どもたちは、「甘くておいし~い!」と言いながら、口をモグモグさせていました。今週いっぱいは楽しめそうです。もう一つ、クサガメの産卵がありました。土の中の卵をビデオカメラで撮影できました。感動のシーンです。6月から7月にかけて、今年も産卵ラッシュとなりそうです。

 

さて、「猿まわし」という仕事をご存じですか。日本では、「日光猿軍団」が有名ですね。テレビにも出演しますが、基本は、おさるタウンというテーマパークで活躍しています。

 

ところが、中国では、猿まわしを生業とする人々は、なかり過酷な生活を送っているようです。中国での猿まわし師の大半は、河南省南陽市の人たちです。本職は農業ですが、毎年6月の麦の刈り入れと秋の収穫の時期を覗き、ほとんどの時間を猿を連れて渡り歩くそうです。冬には、温暖な南方へ行き、夏には涼しい北方へ。子の学費や嫁を迎えるお金を稼ぐためだそうです。

 

移動は、すべて列車の不法乗車です。停車中の貨物列車に猿と犬を連れてしのびこみ、積み荷にまぎれて眠る。貨物列車によっては、雨風に直接さらされ、コンテナに閉じ込められて餓死寸前までいったこともあるそうです。駅員に追われて、列車にひかれて命を失った同志もあるとのこと。

 

 

列車から降りても彼らに安住の場はなく、寝起きするのは橋の下や工事現場です。移動し続ける彼らを守ってくれる存在は何もなく、暴力や罵倒にやり返す術はなく、そっと立ち去るだけです。主食は、ゆでた麺。麺がゆだったら、自分たちより先に猿に食べさせます。猿が疲れたら背負ってやり、砂糖をとかした水を飲ませます。猿は、家族同然の存在なのです。

 

どうですか・・・なんだか、涙が出てきます。日本は何て平和な国なんだろうと思いますね。急激な成長を遂げている中国社会ですが、その裏には矛盾や腐敗の実態があるのでしょう。「猿まわし師」という仕事の実態は、私たちの想像を超えたものなのです。

2023年

6月

04日

令和5年度親子遠足 つづき

お弁当は、公園内で食べる予定でしたが、朝まで雨が降っていたので、室内で食べることになりました。それでも、レジャーシートを敷いて、楽しいお弁当タイムです。園長は、ビデオカメラを回しながら、各ファミリーを巡回します。保育園では見られない素敵な家族の光景です。

 

早々に食べ終わった園児は、館内のビデオシアターで生き物クイズにチャレンジしました。「森の中で、生まれたばかりのヒナを見つけました。どうすればいいですか?」に、①エサをあげる②家に連れて帰って飼う③そのままほっとくの3つの選択に、子どもたちは、正解の③を選べません。子どもらしい優しい心ですね。

 

そして、午後の探検が始まりました。まずは、「カエル」探しです。雨上がりのぬかるみに、ぴょんぴょん跳ねる小さなカエルがいました。「ニホンアカガエル」の幼体です。名前の通り、赤茶色をしています。大きくなってもスリムでカッコいいカエルですが、絶滅危惧種に指定されています。

 

ニホンアカガエルで盛り上がっていると、なにやら、ヌルヌルと動く細長い生き物が現れました。そうです「マムシ」の赤ちゃんです。日本で一番有名な毒ヘビです。マムシは、大人だろうが、赤ちゃんだろうが、毒の量は同じだそうです。大人は、すぐにマムシから離れますが、子どもはじっと観察しています。「かわいい!」だそうです。

 

植物の勉強もしっかりやります。桐の木を見つけました。高級たんすとして有名な「桐だんす」の原料です。軽いだけでなく、薄く削って補修をすれば100年持ちます。昔は、女の子が生まれると庭に桐を植えました。そして、お嫁に行くときに、庭の桐で作ったたんすを嫁入り道具としたそうです。はい、昭和の話ですね。

 

朴(ほう)の大木がありました。この大きな葉を使った「朴葉味噌(ほうばみそ)」は、飛騨地方の郷土料理です。自家製の味噌に、薬味やキノコなどを混ぜて、朴葉で巻いて焼きます。それをご飯に乗せて食べるのですが、ごはんが、どんどん進みます。

 

山ウドの葉は、レモンのような柑橘系のいい匂いがします。ウドは、てんぷらや味噌和えで食べるとおいしいですが、葉を見るのは、私は初めてでした。すると、森の中に、野生のキジを発見・・・紫色の羽があったので、オスのキジです。「みんな~キジがあそこにいるよ!」と言ったとたんに、森の中に逃げてしまいました。

 

1つの根から分かれてまとまって群生する「ススキ」と、独立した根で群生する「おぎ」と、水辺に群生する「葦(よし)」の違いを学び、「カノコガ」という美しい蛾を観察しました。観察センターの入口で、絹糸を作る「蚕(かいこ)」を飼っていたのですが、蚕が成虫した白い蛾ををカラフルにした感じです。

 

午後は、お日様も顔を出して、自然の里山探検を満喫することができました。森の中を歩くだけでも森林浴で気持ちがいいものですが、自然学習指導員の皆様の豊富な知識からくる解説を聴きながら散策すると、生き物や植物がとても身近に感じることが出来ました。親子一緒に楽しめた、大満足の遠足になりました。

 

保育園の子どもたちは、この遠足を経験して、屋上の野草や生き物に、これからも深くかかわっていくことでしょう。自然を感じて大きく成長してもらいます。

 

北本自然観察公園のスタッフの皆様、天気を心配しながら参加いただいた保護者の皆様、子どもたちの笑顔がいっぱいの遠足になりました。ありがとうございました。

2023年

6月

03日

令和5年度親子遠足

朝まで続いた強い雨が、子どもたちが探検に出る時間には上がりました。北本自然観察公園に子どもたちが家族と一緒に集合しました。今年度の親子遠足も、生き物や植物など、自然にかかわるたくさんのことを学ぶことが出来ました。雨上がりの自然公園には、様々な生き物が現れたのです。

 

かえる・かめ・へびの3チームに分かれて、それぞれ、自然観察指導員の解説付きの探検がスタートです。では、自然の素晴らしさを感じてください。

 

北本自然観察公園には、約100種類のクモがいます。さっそく「ハエトリグモ」を発見です。名前の通り、ハエなどの昆虫を食べて大きくなります。クモには、クモの巣を作るクモと作らないクモに大きく分かれます、ハエトリグモは、クモの巣は作らないでジャンプしながら移動し、ハエを捕まえます。また、クモの巣を作るクモには、毒グモがいないそうで、さわっても大丈夫です。すると、クモの巣に100匹ぐらいの赤ちゃんクモがいました。指導員が刺激すると、まさに「クモの巣を散らす」状況となり、一斉に赤ちゃんグモが散らばったのです。なかなか見られない光景です。

 

また、公園内には、年間通じて約50種類のトンボが見られます。今日は、シオカラトンボが飛んでいました。そして、今朝羽化したばかりのシオカラトンボを観察します。まだ、体の色が白くて上手に飛べません。子どもたちの目が輝きます。トンボは羽化してからは、数週間で死んでしまうと思っていましたが、誰もが知る「赤とんぼ」は、6月に羽化して、12月くらいまで生きるそうです。半年も空を飛んでいるのです。

 

あちこちに桑の木があり、子どもたちは「マルベリーだ!」と、すぐに桑の実を発見しました。屋上のマルベリーをさんざん食べたのに、今日もしっかり食べました。すると、木の枝に「ゼリーのような透明なかたまり」を発見します。子どもたちが触ると、ぬるぬるしていて気持ち悪いです。これが「キクラゲ」です。クラゲという名前ですが、キノコの仲間です。中華料理に使われますね。

 

エゴノキの実が、あと1か月くらいして、ドングリぐらいの大きさになると、500ミリリットルのペットボトルに水を入れ、エゴの実を3つほど入れてシェイクすると、石鹸水ができるそうです。無臭の自然の石鹸です。

 

クララというかわいい花をつけた1メートルほどの草木は、根や葉に「毒」があって、その毒を食べてしまうと「くらくらする」からクララと名前が付いたそうです。アルプスの少女ハイジとは関係ありません。

 

綺麗な緑色をした「コガネムシ」を、柳の木のあたりで、卒園児の小学生が見つけました。コガネムシとカナブンの違いを指導員が解説してくれます。また、カブトムシやクワガタは、クヌギやコナラよりも「柳の木」で多く見つかるそうです。そして、最近は温暖化の影響もあって、子どもたちが夏休みに入る前の、七夕頃が採集のピークだそうです。大きなオスのカブトムシは、この頃に出てきて、8月はメスが多くなるそうです。指導員は、昆虫博士のように色々なことを知っています。

 

葦(よし)の葉で、草笛を楽しみました。子どもたちが夢中になって、「ピーピー♬」と鳴らしています。また、保育園の屋上でも見られる「ドクダミ」ですが、花のまわりの白い葉が、通常は4枚ですが、アウトドア女子園児が、「幸せの5枚の白い葉のドクダミ」を見つけました。四葉のクローバーを見つけるよりも確率が低いそうです。

 

そして、雨上がりということもあり、あちこちで「カタツムリ」を発見しました。1本の木に5匹のカタツムリを見つけたときは圧巻です。

 

午前中の探検を終えた子どもたちは、生き生きとした顔で、好奇心いっぱいで帰ってきました。いよいよ、お楽しみのお弁当タイムです。

 

つづきは、あした・・・

2023年

6月

02日

目の見えない人は世界をどう見ているのか

今日は、先日屋上で採集した「ドクダミ」の乾燥が終わり、ついに、「ドクダミ茶」を子どもたちと作って、飲みました。乾燥したドクダミは、あの毒々しい匂いはありません。お湯に入れて、お茶にしていくと、ドクダミの香りが漂ってきます。そして、麦茶のように、茶色になっていきます。

 

少し冷まして、「飲みたい園児」ざっと20人と試飲しました。麦茶を飲みようにはいきません。体にいいという先入観があるので、大人は飲めますが、子どもたちは、渋い顔をしています。でも、二人の園児が「もう一杯!」と、お代わりをしました。冷蔵庫で冷やして、また試飲します。

 

さて、「人が得る情報の8割から9割は視覚に由来する」と言われています。なるほど、私たちは視覚情報に依存した生活をしていますので、このデータに異論はありません。そして、目が見えない人は情報量が少なくて不自由だろうと障害をネガティブに捉えがちです。しかし、日曜日のドラマ「ラストマン」で、全盲の捜査官を演じる福山雅治さんの行動を見ると、福祉社会に頼るスタンスではなく、自らの力で、周りを巻き込みながら、事件を解決しています。「ドラマだから・・・」とは、簡単に言えないかもしれませんね。

 

表題の著者である伊藤亜紗さんは、障害者やその関係者に話を聞いて、感じたことを記します。

 

「視覚障碍者と一緒に歩いたとき、見える人では持ちえないような空間が頭に作り出されます。見える人には視点があるので必ず死角が生じるが、見えないと視点を持たないが故に視点に縛られず、むしろ視野が広がるのです。つまり、目が見える人は、視覚に頼っているために、欠落しているものがあるということです」と言います。ドラマの福山さんの行動などは、まさに、これに当てはまりますね。

 

また、目の見えない人は、「足裏の感覚から得る情報量が豊か」であるといいます。足は、歩き走るという運動器官と私たちが考えますが、目の見えない人は、感覚器官でもあるのです。手の触覚は、点字などが街中に広がっていることもあって、さらに研ぎ澄まされています。

 

また、見えないという障害が、その場のコミュニケーションを変えたり、人と人との関係を深めたりすることがあります。ドラマの福山さんは、まさに「人たらし」として描かれていて、彼に巻き込まれた人たちは、どんどん影響を受けて、前向きになっていくのです。

 

今までは、「障害がある人」に対して、どのように情報が伝わるようにするかとか、配慮を考えないとなど、「福祉」の考え方で、私たちは接することが多かったです。しかし、ある生物学者は、「見えないことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」と言います。つまり、障害を持つ人の「能力」をもっと引き出すような考え方が必要なのかもしれません。「共生」という考え方ですね。

2023年

6月

01日

集中力にはエネルギーが必要

保育園の子どもたちが、何かに集中する姿は、毎日の保育の中でよく見られます。今日は、どろんこ広場の前で、3つのフライパンに土と水を入れて混ぜあわせ、チョコレート作りに集中する5歳男の子・・・水の量と中に投入する植物によって、味が違うチョコレートを作っています。もの凄い集中力です。

 

将棋界では、最年少の記録を次々と塗り替えているのが、藤井聡太さんです。テレビで見るのは、ずっと座って集中する姿ですが、ただ座っているように見えます。しかし、藤井さんクラスになると、一局の対戦で体重が2~3キログラムも減るそうです。100手以上先を予測しながら集中すると、エネルギーをたくさん使うからです。

 

集中力は人間が誰でも持っている力です。その集中力を生み出す脳には、最大で千億個の神経細胞があり、その10倍を超える数の細胞が、神経細胞を結び付ける信号を送ります。「シナプス」と呼ばれるものです。ここで、多くのエネルギーが運ばれているのです。そのエネルギー量がすさまじくて、体重60キロの人間で、体全体のエネルギー量の20%が、約1200グラムの脳を維持するのに使われているそうです。

 

皆さんも経験したことがあるように、「明日までにやらなくちゃ!」という仕事や宿題、面白くて夢中になっている時は、凄い集中力を発揮しています。ただし、集中力を維持するために使うエネルギーは、ケタ違いなので、長続きはしないのです。

 

保育園の子どもたちや、この春小学校1年生になったばかりの卒園児は、集中力が長続きしません。大人と違って、子どもなので、なおさらです。これを、「まったく、子どもは困ったものだ」と考えるのは間違いで、エネルギーが足りないことが大きな要因と考えれば、途中で、休憩代わりになるような行動を取り入れるなど、大人の私たちが、子どもの集中力を理解しなければいけませんね。

 

私たち大人だって、同じです。最高の集中力で、最高のパフォーマンスを発揮させるためには、寝ることも、ぼっとする時間も、リラックスする時間も必要であることがわかります。どこで、休憩をとるか・・・集中力が続かない時に、違うことに取り組むなど、自分に合った方法を見つけることが大切ですね。

 

もう一度・・・集中力を維持するには、膨大なエネルギーが必要になるのです。

2023年

5月

30日

「競争」の功罪

屋上のマルベリーも今日で終了としました。高いところに少しだけ残っている実は、鳥たちのご馳走に残しておきます。園児たちの次のターゲットは「ビワの実」です。少しずつ、オレンジ色になってきました。早く食べたくて仕方がない子どもたちです。(笑)

 

さて、今年も全国学力・学習状況調査が行われました。これらのデータは県単位で平均値が公表され、いつの間にか順位付けがなされます。下位県には緊張が走り対策に頭を悩ませます。上位県は胸をなで下ろしますが、順位を維持しなければならないという重荷を背負います。

 

実は、平成19年から始まった全国学力調査の最大の成果は、学力の地域差が解消されたことだそうです。過去では、住宅市街地とへき地との間に大きな学力差がありました。ところが、全国学力調査が始まると、都道府県の平均値が、ほぼプラスマイナス5%の範囲内に収まったそうです。

 

これは、「競争」心理を上手にあおることで、各自治体が「うちの県の学力を上げないと!」と、対策を講じるからです。しかし、これがエスカレートすると、上位の学校名を公表する自治体が現れたり、学力調査直前対策を行う学校が出てきます。各自治体が、予算の枠組みの中で、わずかでも順位を上げようとする心理が働くのです。かくして、予算をかけずに学力を伸ばそうとする「国の術中」にはまることになるのです。

 

保育園の子どもたちにも、この「競争真理」をよく使います。まんまと、園長の術中にはまって、今までできなかったことが出来るようになる子どもは、今まで何人もいました。自転車などは、競争真理が大きく働きます。

 

しかし、全国学力調査の例でも、「競争」が行き過ぎると、「とにかく上位になる」と躍起になって、子どもたちのペースに合った学びが、「点を取る」ことにシフトしかねません。

 

スポーツの世界・・・オリンピック・サッカーワールドカップ・WBCと大きなイベントでは、日本の金メダルを私たち国民は願います。もともと、人間の本質なのかもしれませんね。

 

「競争」の功罪を常に考えながら、上手に活用したいものです。保育園もしかりです。

2023年

5月

30日

ソログルキャン

今日は、青空給食です。なんとか、雨が上がり、薄日もさしてきた屋上で、カレーライスを食べました。寺子屋園児は、ピクニックランチで屋上で食べる機会がありますが、ちびちゃんたちは、屋上での給食が、非日常ということもあって、テンション高めです。ビデオに向かって、「おいしい!」としっかりとコメントができました。

 

さて、保育園では、キャンプをするファミリーが多いですが、ここ数年は、「キャンプブーム」と言われていますね。ヒロシのぼっちキャンプなどのテレビの影響もあって、ファミリーが中心だったキャンプが、ソロキャンプの割合が増えているようです。

 

日本オートキャンプ協会の調査によると、キャンプを始めて1年以内の初心者の割合は、2018年に約17%だったのが、2021年は約24%に増えたそうです。キャンプ人口が増えたことがわかります。その中でも「ソロ」の割合は、この間5%から約13%に増加したそうです。

 

しかし、そんな「ぽっちキャンプ」も、完全に一人っきりだと寂しくなるものです。自分一人で自由な時間を過ごしたいと思ったものの、仙人のように、誰とも交わらないで孤立する状況がいい人は、早々いません。かといって、グループになると、役割分担などが発生して、自分の好きにできないことがありますね。

 

そんな中で、今人気を集めているのが、グループで行うソロキャンプだそうです。「ソログルキャン」と呼ばれています。

 

仲が良くても、同じところで寝るのは気を使う。でも、完全に一人だとあんまり楽しくない。テントの設営や火おこし、食事作りなど一通り1人で挑戦したいものの、分からない時は周りの人に教えてもらえる安心感があるといいます。

 

なんだよ・・・じゃグループでキャンプすればいいじゃないの!と思われたあなた。微妙に違うのが「ソログルキャン」なのです。干渉されたくないけど、寂しいのもいや・・・という、人間らしい感情です。

 

私は、中3の時に初めて東北を一人旅をしてから、社会人となるまで、基本は「一人旅」でした。一人でいる事は苦にはならないですが、孤独はいやでした。一人だと自由ですし、時々気があった人と一緒に話をする時間があれば、それが幸せでした。この微妙な感覚が、一人旅の魅力だったのです。人生の先輩に多くの事を教えていただきました。

 

旅もキャンプも、自分の好みのスタイルで楽しめばいいのです。あなたはどうですか。

2023年

5月

29日

カラスの襲撃対策

昨日は、練馬区にある「牧野記念庭園」を訪れました。朝ドラ「らんまん」のモデル「牧野富三郎」博士が、大正15年から94歳で亡くなるまでの30余年を過ごした住居と庭の跡地です。もともと広がっていた武蔵野の雑木林の中に、採集してきたり、知人から取り寄せたりした植物を植え、庭を「我が植物園」として大切に育んできました。

 

牧野博士が生涯に発見・命名した植物は1500種類以上もあり、日本の植物分類学の基礎を築きました。記念庭園にも、博士にゆかりの深い植物が300種類以上生育しています。注目は、牧野博士が研究に没頭した、離れの「書斎」が、ほぼ当時のままで残されていることです。多くの専門書が、山のように積まれています。

 

今週末、遠足で訪れる「北本自然観察公園」には、何度かお世話になっていますので、植物の知識は、それなりにある園長ですが、牧野記念庭園には、私が知らない植物がたくさんあって、思わず、見とれてしまいます。花は終わっていましたが、富三郎の母ひさ(広末涼子演じる)が一番好きだった「バイカオウレン」も見ることができました。

 

でも、やっぱり一番印象に残るのは「牧野博士の子どものような笑顔」です。好きなことに、とことん取り組んだ人生・・・病弱の少年時代だったのに、94歳まで長生きできたのも、大好きな植物に囲まれた生活だったからですね。季節を変えて、また行きたくなるところです。

 

さて、今日はカラスの話です。保育園の屋上にも、「カーカー」鳴きながら飛んでいるカラスですが、カラスは、3月下旬頃から繁殖期を迎え、5月頃にヒナが生まれます。巣立つまでの約1か月は最も危険な時期と言われています。はい。まさに今です。

 

屋上では、メダカの学校の水槽から、メダカを食べようとするので、発見すると、全力で走り寄り威嚇します。実は、カラスは人をある程度判別できるだけでなく、敵とみなす能力を持っているそうです。石を投げたり、巣に近づいたりする行為をカラスは危険と感じ、それを行った人間を敵として認識します。人間を顔などで判別するので、たとえ服装が変わっても見分けて襲ってくるのです。もっと凄いことに、これらの情報をカラスは仲間と共有するそうです。親カラスから子カラスにも同様に情報が受け継がれます。

 

今のところ、園長も職員も子どもたちも、カラスに襲撃されたことはありませんが、屋上のカラスに、過剰な攻撃を与えることがないように注意が必要です。老人・女性・子どもが狙われる可能性が高いですね。ただし、繁殖期の3月末~7月中旬以外は、攻撃的ではないそうです。

 

カラスの襲撃対策で有効なのは、バンザイポーズで頭を守ることだそうです。カラスは、頭部を蹴りで攻撃するそうですが、伸ばした腕に羽が当たり傷つくことを恐れ、近寄らなくなると言います。

 

保育園の子どもたちに、さっそくレクチャーします。(笑)

2023年

5月

28日

「ごみ屋敷」問題

私が以前勤務していた民間企業のOB会の会長は、現在神戸で「民生委員・児童委員」として、地域貢献を担っています。私の新入社員研修からずっとお世話になってきた大先輩です。この仕事は、無償で行われていて、かつては地元の名士と言われる人たちの「名誉職」的な位置づけでしたが、今は、なかなかやり手が少なくなってきていて、定年退職後のサラリーマンもたくさんいます。大先輩もその一人です。

 

仕事の一つに、一人暮らしのお年寄り民家のパトロールがあります。そこで、目にするのは、「ごみ屋敷」といわれる実態です。どうにもならない状況の時は、撤去作業などの手配などを行っているそうです。

 

最近、テレビのワイドショーや情報番組で取り上げられることが多い「ごみ屋敷」ですが、ごみ屋敷の住民の多くが一人暮らしの高齢者で、近所付き合いもなく、悪臭や害虫発生といった隣人トラブルを抱え、テレビカメラに暴言を吐いて、水をまくといったシーンが映されます。テレビのアングルは「とんでもない住民だ!」で、視聴率を取ろうとする魂胆が見え見えですね。しかし、このごみ屋敷問題は、どうして高齢者が家にごみをためてしまうのかを考えないといけません。

 

私の亡くなった両親は、実家であった埼玉県新座(にいざ)市に住んでいました。しかし、いつしか母は、料理を作ることが出来なくなり、近くの西友でお弁当を買って食べる習慣になっていきます。当然、ごみがたまります。ゴミ出しの曜日などもだんだんわからなくなってきたのです。認知症も少しずつ影響していました。私と妻は、定期的にごみ掃除に行っていたのですが、「このままではあかん!」と思い、今から15年ほど前に、私の家で同居生活が始まりました。

 

ごみ屋敷について、環境庁が発表した数字では、2018年以降の5年間に、ごみ屋敷が5224件も確認されたそうです。しかし、実際にはもっと多いと言われています。2000年代に入って、社会問題として扱われるようになり、26の自治体が罰則規定を設けているそうです。

 

しかし、高齢者の孤立という背景を考えると、「規制」「指導・勧告」を加速させることで問題解決にはつながらないことがわかってきました。

 

高齢化社会が加速する日本では、一人暮らしの高齢者の認知症が進行し、さらに身体能力も衰えてきた時に、周りから片付けやごみ出しの支援が得られなくなることで、ますます「ごみ屋敷」問題は深刻化します。

 

これを読んで、「私には関係ない」と思ったあなた。誰もがなる可能性があるのです。

2023年

5月

27日

入学後に気がつく発達障害

本日登園した小学生二人は、すぐに桑の木に登って、マルベリーをモグモグと休むことなく食べています。「甘くておいしい!」と大満足です。すると、4歳女の子が、「○〇君!あんまり取りすぎると、みんなが食べる分がなくなっちゃうでしょ。もう終わりにして!」と、小学生に説教です。「だって、俺たち、土曜日しか保育園に来ないんだから、たくさん食べたっていいだろ・・・」とたじたじです。(笑)

 

さて、発達障害の支援活動に関わって約20年。淀川キリスト教病院医師の谷均史(ひとし)さんは、2004年から「探偵!ナイトスクープ」というテレビ番組に時々出演して、発達障害などの児童、生徒に関わっています。「あの変なおっちゃんのところなら行ってもいい」と引きこもりの生徒が病院に来てくれるそうです。

 

発達障害については、ここ数年、広く認識が広がってきたように、保育園業界にいる私も思っています。害という字をひらがなにして、「発達障がい」と配慮ある明記をするようにもなってきました。発達障害には、自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習面で困難を抱える学習障害(LD)、知的障害などがあります。

 

人とのかかわりが苦手な自閉症や知的障害は幼児期から診断がつきやすいです。ホワイトきゃんばすでも、保健センターと近くにある「ひまわり学園」という特別支援学校と連携して、過去に何人もの園児の支援体制をとってきました。小学校に入学する前に、普通学級にするか特別支援学級にするかの選択について、学校としっかりと話し合うことが出来ます。

 

ところが、じっとしてることが苦手なADHDや特定の教科で、まったくついていけないLDは、小学校入学後に気づくことが多いのです。ちょうど今です。新学期から1か月半余り。学習が進むにつれ、同級生と比較されるようになり、親が心配するようになります。

 

今の先生たちは、発達障害は、「個性」という認識を持っています。子どものことで、心配になった時には、家族で悩まずに、担任や学校に相談することが大切です。昭和の親は「うちの子に限って、そんなことはない!」「もう少しすれば、落ち着いた子になっていくよ」と、我が子と向き合わないことが多かったですが、子どもの成長を真剣に考えれば、早く学校や医師に相談したいものですね。

 

先日、小学校1年生の授業参観をさせてもらったのですが、卒園児のクラスに、私が教室に入ると、抱きついてきて甘える女の子がいました。行動を見ていると、発達障害の疑いがありました。しかし、担任の先生は、なかなかプリントが進まない彼女に寄り添って、声をかけていました。

 

特別支援学級の養護教員は、いわばプロですので、おだやかに子どもたちと接していますが、普通学級の先生も、最近は様々な工夫で、対応しています。

 

子育ては、親や家族が悩みを抱え込んでも、いい結果にはならないことが多いですね。色々な人たちに頼って、多くの専門家を巻き込んで、オープンにしていくことが大切だと思っています。

2023年

5月

26日

大人も「考え続ける人」に

保育園ホワイトきゃんばすのあるショッピングセンターの園芸コーナーで、食虫植物で一番有名な「ハエトリソウ」を販売しています。それを見つけた5歳女の子が、植物なのに虫を食べて生きていることに、「なぜなんだろう?・・・どうしてなんだろう?」と、興味の輪が広がったようです。子どもたちが興味を持つネタは、ありとあらゆるところにありますね。私たち大人は、その情報を敏感にキャッチして、子どもの成長につなげたいものです。

 

今日は、そんな大人の私たちも「考え続けないと・・・」という話です。

 

今、どの業界でも、「アフターコロナ」をどうやって作り上げていくか?が求められます。ゴールデンウイークが明けて、 コロナの感染症法上の位置付けがかわりました。そうなると、 私もそうですが、「コロナ前の状況に戻していく」を優先させることに注力してしまいます。「この3年間・・・我慢の連続だったから、早く、元通りにしたいね」というマインドになってしまいますね。

 

でも、考えてみれば、コロナがあろうがなかろうが、毎年、自分の仕事は進化させなくてはいけません。コロナ前のやり方に戻すということは、3年間でまったく成長していないことと同じです。

 

ここで、強く断言しないといけませんね。「コロナ禍前と同じように戻してはいけない!」と。

 

フェイスツーフェイスが大事だとは分かったものの、コロナ前と同じ出張や会議の頻度のままでいいの?一部をリモートにして、その予算を〇〇に使った方がいいんじゃないの?

リモートワークで、子どもと過ごす時間が増えたのに、また、同じ頻度で会社に出勤するサラリーマンに戻るのがいいの?ここは、家族や子ども中心の生き方に変えるチャンスじゃないの?

 

人間は、特に変化がない環境では、前年踏襲型になってしまい、新しいことにトライすることが面倒になってしまうやっかいな生き物です。危機が訪れたり、大きな環境の変化が発生することで、考えるきっかけが生まれるものです。

 

今後、私たちが生きていく「アフターコロナ」の時代・・・自分の生活や仕事を大きく見直すチャンスです。考えるチャンスですね。理想は、死ぬまで「考え続ける人」でありたいけど、せめて、今・・・「コロナ禍前とは決して同じに戻らない」と決心してみませんか。

2023年

5月

25日

ドクダミを愛でる

今日は、屋上ファームでキュウリが初収穫です。3本収穫できました。子どもたちは、キュウリが大好きです。今日は、一口ずつカットして、塩を振って食べました。ファームには、16株のキュウリを植えていますので、これから、続々と収穫できます。マルベリーもまだ終わっていないので、屋上の恵みを子どもたちは楽しんでいます。

 

そして、屋上に可愛らしい白い花を咲かせているのが、「ドクダミ」です。イメージとしては、根っこでどんどん増えていく雑草というイメージですが、この「ドクダミ」は、凄いんです。

 

「雑草という草はない」といった、NHK朝ドラ「らんまん」の主人公は、「毒と痛みを消すからドクダミ」と、名前の由来を解説していましたね。ちょうど、これから初夏にかけて、白い花が満開になります。実は、花びらと思われている白い十字は、葉が変形したもので、中心の黄色の部分が花だそうです。

 

先日の寺子屋で、野草の花束を子どもたちが集めたときにも、このドクダミを集める園児が多かったですね。匂いは、「ちょっと臭いなぁ~」「いい匂いがする」に分かれます。

 

この独特の匂いから想像できるように、このドクダミは、昔から民間治療で重宝されていた薬草なのです。この匂いの成分は「デカノイルアセトアルデヒド」と呼ばれていて、殺菌作用があります。このため、昔は生葉をやけどや化膿、傷の治療に用いたそうです。そして、乾燥させたドクダミも利尿や便通など様々な解毒効能があるとされ、生薬として人気だったようです。日本では、あまり聞きませんが、アジアの諸国では、ドクダミの葉をサラダにして食べる地域もあるそうです。ドクダミの葉をてんぷらにして食べる習慣は、日本にもありますね。

 

今日は、キュウリを食べた後は、せっせと、ドクダミを集めました。茎から花まで全部使って、「ドクダミ茶」を作ろうと思っています。子どもたちに、集めたドクダミの匂いを嗅いでもらってから、「このドクダミでお茶を作るよ」と言うと、「飲みた~」と大盛り上がりです。

 

数日乾燥させて、お茶にするのですが、乾燥すると、独特の匂いがなくなり、飲みやすいお茶になるのです。うまくドクダミ茶が完成したら、子どもたちと試飲してみます。楽しみですね。

 

ちなみに、「ドクダミ」の花言葉は、『野生』『白い追憶』『自己犠牲』だそうです。どうぞ、ドクダミについては、酔った時のうんちくに活用ください。(笑)

2023年

5月

24日

ユニバーサルタイム

昨日のお土産に持って帰った「マルベリージャム」は、子どもたちが、自分で作ったということもあり、ヨーグルトに入れた・・・トーストに塗った・・・などと、おいしい報告がいっぱいありました。ジャムにするのに砂糖を入れたのですが、マルベリーは酸味があるので、「あまずっぱ~い」「ほのかな甘さ」というママのコメントです。

 

さて、東京都八王子にある八王子市立上柚木中学校では、昨年度から毎週水曜日に、生徒が好きな教員と相談ができる「ユニバーサルタイム」という時間を設けています。

 

八王子市教育委員会は、週29時間のうち1時間を、いじめ認知や情報共有やその対応の時間に設定するよう通知を出しました。教員1人で抱えることなく、学校全体で対応することを促したのです。これを受けて、上柚木中学校では、水曜日を4時間授業とし、午後に「ユニバーサルタイム」を実施しています。この日は、部活動もすべて休みで、ユニバーサルタイムを活用しない生徒は、帰宅して自分がやりたいことに取り組むことができます。

 

昨年度の相談内容を集計すると、1年生は「友だちのこと」、2年生が「部活動のこと」、3年生は「進路のこと」が一番多く、各学年の特徴が見えたそうです。もちろん、一人が複数のテーマを話したり、悩みでなく、ただ話がしたいというのもありです。

 

「ユニバーサルタイム」は、良い方向に機能しているようです。生徒が、教員に相談しようとすると、周囲の目が気になる子もいますね。ユニバーサルタイムがあれば、心理的負担の軽減にもつながります。また、教員の側も、生徒との距離が縮まったと実感しているようです。

 

子どもたちにとっては、「何か困ったことがあったら、ユニバーサルタイムで相談できる」という環境は安心感につながっているようです。内容によっては教員間で共有することもあり、他の教員もその生徒を気に掛けることができる流れになっています。

 

この中学校では、ユニバーサルタイムでは、否定も指導もしないのが原則です。担任以外の先生と相談するので、気になる内容であれば、生徒に確認を取ってから、担任やスクールカウンセラー、保護者につなぐようです。生徒にしてみれば、好きな先生に相談したものの、その内容が、知らないうちに担任や親にまで伝わるようでは、このシステムは機能しませんね。

 

この取り組みは、自分が困った時には、一人で問題を抱え込むのではなく、信頼できる大人に相談して、解決の方向にもっていくという、社会に出たら当たり前の行動の予行練習にもなります。注目すべき内容ですね。

2023年

5月

23日

憧れの人は「お父さん・お母さん」

今日は一日中雨でした。子どもたちは、アジサイの工作をして、寺子屋園児は、恒例の「階段競争です」寺子屋3番さんは、初めてです。保育園ホワイトきゃんばすは、ショッピングセンターの3階にありますので、もしもの災害で子どもたちが逃げる時には階段を使用しますので、階段の上り下りを習慣化させるのも狙いです。

 

子どもたちは、単純に「競争」を楽しみ、勝った負けたで一喜一憂しますが、階段が苦手な子にはハンデをつけて、モチベーションを維持させます。いつものことですが、大いに盛り上がりました。

 

そして、午後の寺子屋では「マルベリージャム」を作りました。屋上のマルベリーがたくさんとれたので、子どもたちとジャム作りです。これには、ワクワクドキドキ・目はキラキラさせながら、取り組んでいました。カップに入れてお土産にしました。ママも大喜びです。

 

さて、第一生命が昨年12月、小3~高校生の男女3000人に「憧れの人は誰ですか?」と尋ねた調査で、小学生の40%超、中高生の30%~40%が「お父さん・お母さん」と答え、2位以下のスポーツ選手や学校の友人らを圧倒したのです。

 

その理由は、「身近なヒーロー」「たくさんの愛情を注いでくれる存在」とのことです。

 

コロナ禍にあって、在宅ワークで働く姿を目の当たりにし、憧れにつながったのかもしれません。大谷翔平選手のような大リーガーやユーチューバーも格好良く見えますが、なるまでの大変さや、なってからの不安定さもネットですぐにわかるので、仕事も家事も頑張る親の存在に目が向いていると言われます。

 

私が子どもの頃は、まわりの父親は「価値観を押しつける頑固おやじ」が多かったですね。それが当たり前でした。現代では、家族を大切にしたいという若い親が多く、仲良し親子が増えましたね。少し前なら、親と子は友だちじゃないんだから、仲良し親子は、あまりいい例えには使われなかったですが、今の子どもたちは、仲良し親子に憧れるのかもしれませんね。

 

どうですか・・・親のあなた・・・もっと自信を持っていいのかもしれませんね。でも、我が子には、「お父さんは、こんなに凄かったんだぞ!という武勇伝よりも、こんな失敗をやらかしたんだ!」という話の方が、食いつきがいいですよ。(笑)

2023年

5月

22日

ストレスに負けないために

土曜日に私のおやじ旅の仲間から・・・そして、今日は5歳男の子から、使わなくなったおもちゃなどをたくさんいただきました。子どもたちは、不思議なもので、今までなかったおもちゃやぬいぐるみをすぐに気がつきます。そして、朝から争奪戦です。年中・年長くらいになると、順番を待つことが出来ますが、小さい園児は戦いです。この経験から、子どもたちの人間関係力が育っていくので、トラブルがあっても、なるべく見守っています。

 

さて、ゴールデンウイーク明けになると、学校や会社に行きたくなくなる「5月病」にかかる人が多くなるのは、昔からのことですが、最近ではこの不調が長引き、「6月病」へ移行するケースが増えているそうです。6月までその状態を引っ張ってしまうと、「うつ病」の入口までいってしまう危険性もあるといいます。

 

今年の大きな特徴は、『コロナ後ストレス』です。5類移行などに伴う「コロナへの規制緩和という環境変化」もストレスとなるのです。

 

「3年間主流だった『在宅・ゼロコロナ派』が『出社・ウィズコロナ派』にとってかわられたストレスだ」とメンタルクリニックの精神科医が語ります。

 

「この3年間は居場所を外に求め、人との交流をする人が不適応者として扱われ、居場所や人とのつながりをなくした人がストレスを強く受けていました。しかし、5月からは、自宅に居場所を求め、人との交流を避ける人が不適応者とみられ、出社や人との接触を『強要』される人が『コロナ後ストレス』を強く受けているのです」と言われます。

 

会社組織で考えると、出社しろ!と言うのは、昭和世代の管理職で、在宅が慣れた社員は、一般社員が多いという構図です。会社で上司とうまくいかなかった人の中には、コロナ禍が「ありがたかった」人も多いかもしれませんね。また、家庭での介護や子育てなどを仕事とギリギリで両立させる中で、「テレワークだからこそ割けた時間」があったという人も多かったでしょう。問答無用に「会社に出てこい」と言われ、不安を感じて調子を崩す人も多いようです。

 

では、どう乗り切るか・・・

 

屋外ではマスクを外すなどして『徐々に』コロナ禍での行動様式を解除していく。これから暑くなっていくので、やり易いですね。また、身内や親しい人との交流や出勤も『徐々に』増やしていく。そして、周囲に意識を向けて、外で「自然に楽しそうに」過ごしている人たちの様子をよく観察することで、人間関係のポジティブな面を感じる機会になり、考え方が柔軟になって現状に調和しやすくなると言われます。

 

本当に、人間という生き物は「ストレス」のかたまりですね。何事にも『徐々に』慣らしていくことが大事なのです。

2023年

5月

21日

比企の観光

広島で開催中のG7サミットでの議論の内容は、報道にお任せすることにして、私が気になるのは「食のおもてなし」です。今回は、広島県産の食材を使った料理が多く提供されています。広島のお好み焼きも各国の首脳の前で、屋台のように実演で提供されたそうです。

 

世界に誇る「和食」ですが、凄いのは、その地域の食材を当たり前のように取り入れた料理が、当たり前に提供されることです。私たち日本人が旅先などで期待する料理は、「おいしい」のは当たり前で、その土地の食材やその地域に伝わる製法などのこだわりまでも楽しみます。そんな食文化が「和食」の完成度をこれからも高めていくのですね。

 

さて、観光と言えば、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、佐藤次郎さんが演じた「比企能員(ひきよしかず)」の存在感が大きかったですね。最期は、北条の策略にはまってしまいますが、この比企地域は、埼玉県にあります。

 

この比企地域全体を観光地にしようと、東松山市と滑川(なめがわ)・嵐山(らんざん)・小川・ときがわの4町の観光協会が連携し「東松山・比企広域観光推進協議会」を今年4月に設立したそうです。

 

実は、保育園ホワイトきゃんばすのサマーキャンプで訪れる場所が、比企地域です。嵐山渓谷で川遊びを楽しんだ後は、小川元気プラザに宿泊します。もちろん、子どもたちは「鎌倉殿の13人で、比企一族があった場所だよ」と言っても興味を持ちませんが。(笑)

 

協議会となると予算がつきます。3年間で1000万円で、PRするのは、里山での農業体験、比企一族ゆかりの地の観光マップやCMの作成、ツアーやスタンプラリーの実施などですが、一番期待が持てるのが、地域の大学生にSNSで比企の魅力を投稿してもらうことですね。

 

水を差すようですが、「〇〇協議会」とか「〇〇保存会」という形でできた組織は、たいがい失速します。保育園ホワイトきゃんばすに縁がある「比企地域」には、何とか頑張ってほしいですね。地元の名士が顔をそろえる会合ではなく、若者たちや、比企地域に縁がない外部の人間の協力も必要ですね。

 

今年の夏も楽しいサマーキャンプにするべく、東秩父村での体験活動をあらたに行い、園長としては、比企地域を意識してみます。

2023年

5月

20日

濃霧の中の方向感覚

屋上のマルベリー(桑の実)ですが、ピークは終わったものの、まだまだ収穫が続きます。子どもたちのお腹に入る分は、さすがに、毎日続くと飽きてくるので、集まったマルベリーは、冷凍にしています。来週の寺子屋で「マルベリージャム」を作ります。保育園の冷凍庫は、マルベリーでいっぱいになってきました。

 

先日、保幼小連絡協議会で、小学校1年の担任と話をしたこともあって、まじめに「教育」のことを考えてみます。まずは、アクティブラーニングと言われる「対話」型の授業について、ある人がこんなことを言っています。「対話」とは、「語りかけ」があって、それに応える形で始まるのが対話であり、一緒に考えてくれませんかという、相手への敬意がその言葉に含まれていなければならないといいます。

 

よく、対話を演出しながら「教師が考える答え」になるように、子どもたちを誘導する先生がいますが、「対話は、他人と同じ考え、同じ気持ちになるために試みられるものではない。語り合えば語り合うほど他人と自分の違いがより微細に分かるようになること。それが対話だ」とその人は断言します。

 

まさに、多様性を子どもたちが対話の中で理解していくことが、大事なのですね。

 

「こういう生き方もありうる、こんな価値観もあるというふうに、子どもたちの生き方の軸となるものの多様さを教師が自らの背で示す。あるいは過去の人物に託して語る。そうすことで子どもたちの将来の可能性の幅を拡げるところに教育の意味はある」と、その人は言うのです。

 

今の価値観で考えれば、当たり前のことなのかもしれませんが、学校の多くが、子どもたちに「多くを求めながら同時に多くの規制をかけている」状況です。子どもたちは、濃霧の中にいるようで、自分の「方向感覚」が見失われてしまいますね。

 

「教育」の基本は、「教えて育てる」のではなく、子どもたちが「勝手に育つ」ような場を開いておくことが大事なのかもしれません。どんなささやかなものであってもいい、何か一つの芯ができるまで、とことん歩ませ、あとは放っておく、そんな場を用意できることで、子どもたちの「方向感覚」が、きっと研ぎ澄まされるのでしょう。

 

保育園の子どもたちが、自分でやりたいことを集中して遊んでいる姿は、まさに、自分の「方向感覚」を見失ってはいません。そこへ、良かれと思って「あーしろ」「こーしろ」と言われると、子どもは迷ってしまうのです。

 

あらためて、大人の私たちは「見守る」ことが大事になってくるのです。

2023年

5月

19日

高校に「宇宙コース」!?

宇宙が身近になりつつある今、高校に「宇宙コース」を設置する動きが広がっているそうです。

 

大分空港は、人工衛星の打ち上げ拠点「宇宙港」構想があるそうですが、隣接する「大分県立国東(くにさき)高校」は、来年2024年度、普通科に「スペースコース」を開設するそうです。定員などの詳細は検討中とのことですが、カリキュラムについては、すでに今年度から行っている「宇宙STEAM研究」を下敷きに発展させていくそうです。

 

「宇宙をテーマにすれば、最新の技術や国際関係などを学ぶ必要が生じる。生徒たちの視野も広がるだろう」と探究活動を担当する教員は話します。学校のねらいは、「生徒たちが卒業後も地元に残って宇宙にかかわる仕事をしたり、大学で宇宙を研究したりと様々な選択肢が選択できるようになる」と考えているようです。

 

国内初の民間小型ロケット発射場が整備された和歌山県串本町では、県立串本古座高校が24年度、普通科内に「宇宙探求コース」を新設します。宇宙に関する項目を3年間で最大385コマ学ぶ予定です。生徒は小型人工衛星を作ったり、衛星データの利用方法を考えたりするようです。

 

まだまだあります。ロケット開発企業など宇宙関連企業が集まる北海道大樹町でも、道立大樹高校が24年度、普通科に新学科を設置し、航空宇宙産業や街づくりについて学ぶそうです。

 

どうですか・・・来年度は、こうして「宇宙」にかかわる専門的なコースが公立高校で次々と立ち上がるのです。私たち大人もわくわくしますが、学ぶ高校生のビジョンを考えるだけで楽しみですね。

 

私のような、ヨコシマな昭和おやじは、宇宙コースと聞いただけで、UFOや宇宙人といった方向性に傾いてしまいますが、生徒たちは、ちゃんと現実的な学びをしていくのですね。

 

私たちが、現在抱える大きな問題として「地球温暖化」の課題があります。これも、地球の中で考えるには、限界があるのかもしれません。宇宙教育の中では、今までと違う課題解決へのヒントが見えてくるのかもしれませんね。

 

来年度開設される、全国各地の公立高校の「宇宙コース」・・・注目ですね。

2023年

5月

18日

小学生になってからの姿

子どもたちが屋上に行くと、最初に「マルベリー」を食べるのが、ルーティンになっています。今日は、残っていた玉ねぎ全部を収穫して、サツマイモを植えた畑のフェンス沿いに、朝顔の種をまきました。この朝顔は、夏から秋にかけての「色水つくり」で大活躍します。

 

さて、今日はさいたま市立馬宮(まみや)東小学校の保幼小連絡協議会に出席しました。ほとんどの小学校は、2月に、新1年生の情報収集を目的に、この会議を開くのですが、馬宮東小学校は、入学後のこのタイミングで、2回目の協議会を開いてくれました。

 

入学前の情報収集も大事ですが、入学後の成長が大事であることは言うまでもありません。まずは、1学年3クラスの授業参観です。ホワイトきゃんばすの卒園児のクラスは、1年3組です。13時45分の5時間目がスタートしたので、教室に行ってみると、担任不在です。「どこの先生ですか?」とすぐに質問されます。「〇〇君が卒園した保育園の園長先生です」と答えると、〇〇君も「なんで園長先生がいるの?」と驚きます。「担任の先生はいないの?」と聞くと、「それなら説明します」と、いかにもしっかりした女子が教えてく入れました。どうやら、1組と3組の児童同士のトラブルがあり、職員室で事情聴取を2人の担任がしていたそうです。

 

1年生は、5月のGWが終わると、初めて「5時間目」の授業がスタートします。今までは、給食を食べたら学校はおしまいでしたが、教室の掃除をしてから、昼休みです。小1の子どもたちにとっては、集中力がなくなり、眠くなる5時間目となるのです。

 

馬宮東小学校では、毎日、校庭の気温を観測しています。今日は、「校庭の気温が35℃になりました。みなさん、教室に戻って、水分補給をしましょう」という校内放送があったのですが、ほとんど子どもたちは、遊びに夢中です。(笑)

 

5時間目の授業は「国語」です。しかし、子どもたちは、45分間集中して取り組むことは、まだできません。連絡ノートを子どもたちに書いてもらったり、担任の工夫が見られます。途中、姿勢よく座っていられない子どもたちに、担任の先生は「〇〇さん・・・ちゃんと座りなさい!」とは言いません。「〇〇さん姿勢がいいです。〇〇さんもとても姿勢がいいです」と、きちんと座っている子どもの名前を呼びあげます。すると、どうでしょう。まわりも、ちゃんと座れるようになるのです。子どもですから、自分も「いいお手本」で名前を呼ばれたいと思うのでしょう。このやり方は、すばらしかったですね。

 

1年3組の担任は、私がずっと3組に貼りついていたので「緊張しましたよ!」と言っていました。(笑)

 

授業参観が終わって、3人の担任と教頭先生と、参加した保育園・幼稚園の先生たちとの意見交換がとても有意義でした。

 

先生たちは、「学習については、小学校に入ってからするので、特別なことは必要ないです」と言います。むしろ、「お着がえ」「トイレ」といった生活習慣を重点的にトレーニングして欲しいと言います。男子のトイレは、おしり丸出しでおしっこをする「クレヨンしんちゃん」が並ぶそうです。お着がえがうまくできない子は、「先生やって」と言うそうです。保育園ホワイトきゃんばすでは、あり得ないことですが、トイレのクレヨンしんちゃんは、あるあるです。(笑)

 

昼の掃除で「ぞうきんしぼり」を行うので、できるようにしてもらえるとありがたいとの話もありました。これは、寺子屋でやろうと思います。

 

小学生になって、子どもたちが驚くことはたくさんありますが、その一つは、言葉遣いが丁寧になることだそうです。馬宮東小学校の先生たちのルールは、男女問わず「〇〇さん」で子どもの名前を呼びます。友だちに対しては、授業中は呼び捨ては厳禁です。これは、子どもたちにとっては、大きな衝撃だそうです。

 

こうして、現在1年生の担任と、保育園幼稚園の先生たちが意見を交換することは、とても有意義な時間でした。「小1の担任は、1人で30人の子どもたちを見ています。保育園や幼稚園では考えられない数です。できるだけ、子どもに時間を費やして欲しいので、保護者からのクレームや要望については、教頭と校長を上手に頼ってください」と、おやじ園長からは老婆心ながらアドバイスを送りました。(笑)

2023年

5月

17日

マンガ学科がある公立高校

今日は、保育園を早々に抜け出して、私が勤務していた民間企業のOB総会に出席しました。コロナ禍もあって、今日が4年ぶりの会合となりました。会社を定年退職した方や私のように、転職・起業した仲間たちが、「社縁(しゃえん)」という形でつながっています。様々な分野で活躍する面々に大いに刺激を受けた次第です。保育士をしている元部下もいます。(笑)

 

さて、今日は、公立高校で全国初のマンガ学科を設置した、熊本県立高森高校の話です。今年度、漫画制作を中心に、デッサン、絵画、デザインなどの専門的な知識と技術を学ぶことが出来るマンガ学科を新設しました。

 

熊本市の中心から50キロほどの場所に高森高校があります。少子高齢化による生徒数減少を食い止める目的もあって、同校、高森町、県教育委員会、漫画事業を展開する(株)コアミックスが連携し、マンガ学科が開設されました。

 

マンガ学科の生徒は全国から募集し、1期生の定員は40人です。初年度は、県内は29人、県外が11人となりました。学力検査は行わず、鉛筆デッサンと漫画と文章による自己表現などで合否を決めたそうです。入学者の大半が、本気で漫画家を目指しているそうです。

 

「生徒たちが夢を実現できるよう、期待に応えられるような教育課程をつくり上げていきたい」と草原校長は語ります。

 

そして、企業が連携していることで、優秀な人材がいた場合、漫画家デビューのチャンスを設けるとしています。(株)コアミックスの堀江社長は、週刊少年ジャンプで編集長を務めた人物です。編集者として「北斗の拳」や「シティーハンター」などの多くの作品を生み出しました。

 

こうして、「学校」と「社会」が隣り合わせの環境で、子どもたちは、自分の夢に向かっていくのです。

 

しかし、高森高校のマンガ科に進むという明確な目標を持った高校生など、ほんの一握りかもしれません。しかし、こうして専門に特化した学びの環境が全国に増えることで、早いうちに「やりたいこと」を見つける若者が増えていくのかもしれませんね。まだ、できたばかりの高森高校マンガ科ですが、注目です。

2023年

5月

16日

妥協しない缶詰

今日の寺子屋では、屋上の野草を集めた花束を作りました。生ビールサイズのプラカップに、屋上で咲いている花や草などを自分たちのセンスで集めていきます。「シロツメクサ」「黄しょうぶ」「ハルジオン」「チガヤ」「バラ」「カタバミ」に、緑が欲しい園児は、野草を織り交ぜます。マルベリーやアスパラガス、ジャガイモの花やねぎ坊主(子どもたちは、こびとのとうちんと言ってます)も1つのカップに、素敵に盛られました。保育園の玄関に24カップの花束が並ぶと、なかなか美しいものです。朝の連続テレビ小説「らんまん」のモデルになった、牧野富太郎さんが言う「雑草という名の草花はない。みな名前がある」という言葉通りです。

 

さて、「松坂牛の大和煮5,386円」「気仙沼産ふかひれ10,789円」「三重県産あわび15,976円」と聞くと、どんなにすごい料理かと思いますね。実は、これらは缶詰です。国分グループのk&k缶つまシリーズです。

 

ご飯に合う一品ではなく、「お酒に合うおつまみ」という考えで、価格の枠を超えて、ひたすらおいしさを追求したのが商品開発部部長の織田さんです。

 

スーパーでの陳列では、缶詰コーナーではなく、酒類の棚の横にすると、缶詰の前年比が一気に300%にまで成長したそうです。

 

開発では素材を厳選。シャコは小樽産、牡蠣は広島産と、これこそはと思う食材を見つけ、全国津々浦々、漁業者に直接仕入れの交渉をしたそうです。製法にも余念がありません。しかし、どんなに逸品の素材でも、缶詰にできないものがあります。断念する食材もあるそうです。食べた瞬間、「お酒が飲みたくなった」と言われると、織田さんは、成功したと感じるそうです。

 

1本100円の缶コーヒーを値引きして80円で売れば、売上は上がります。でも、1本100円の缶コーヒーに付加価値をつけて200円で売れるようになれば、売上だけでなく利益も上がります。付加価値を認めたお客様も満足する買い物になるのです。

 

やっぱり、商売はこうありたいですね。私もエブリデーロープライスで買いものをするよりも、付加価値を見極めて、納得した買い物の方が、満足度があがります。商品開発だって、「〇〇円に価格を抑えないといけないので、原料をキロ10円で仕入れて・・・」なんていう仕事なんて面白くないですね。付加価値を見つける商品開発が楽しいに決まっています。(そんな理想通りにいかないよ!という声が聞こえてきますが・・・)

2023年

5月

15日

禁断の惑星

今日の連絡ノートには、「保育参観楽しかった!」のコメントがいっぱいです。雨の中でしたが、こびとを見つけよう!ゲームでさらに火が付いた園児は、すぐに、ママにこびとの本をリクエストしていたようです。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、このタイミングでこびとの本を購入した保護者は、賢いお金の使い方をしたようです。子どもが本を読む習慣につながるチャンスですね。

 

さて、教育現場でのChatGPTの使用の是非が議論されています。私のような昭和世代は、ターミネーターのように、機能が高度化することで、人間が制御できない状況が起きるのではないか・・・と、まるでSF映画の世界を想像してしまいます。(笑)

 

今日は、1950年代に制作された、初期SF映画の金字塔といわれ、そのテーマは今でも興味深い「禁断の惑星」について話をします。私が生まれるずっと前の、日本なら、戦後の高度経済成長期の幕開けの時代の作品です。

 

宇宙への移民が一般化した2200年代、過去に行方不明となった移民団を捜索するために、宇宙船を派遣し、ある惑星に着陸します。そこに居たのは、移民の博士とその娘、そして博士が作ったロボットだけでした。

 

事情を聞くと、その惑星には高度な科学文明を築いたクレール人という民族がいましたが、ある日、突然消滅したそうです。さらに他の移住団も、この惑星の正体不明の怪物に襲われて全員が死んだらしいのです。

 

物語の中で、高度な発達を遂げたクレール人は、優れた文明を築き上げた半面、自らの潜在意識を制御することが出来ず、巨大化した『無意識』によって、相互に傷つけ合い死滅したことが分かりました。実は、怪物の正体は、博士の『無意識』(憎しみなどの感情)だったのです。

 

クレール人が作った巨大エネルギーの生成装置を使い、博士自らの能力を飛躍的に高めたことで、心の奥底の闇が怪物となって現れるようになってしまったのです。怪物は、博士をも襲います。そして、瀕死の状態となり、怪物もろとも自爆装置で惑星と共に滅んでいくのです。娘と乗組員は、なんとか宇宙船で脱出し、命を守るのです。

 

この映画の結末のメッセージは、「人は神にはなれない」です。神になろうとする高慢が、いかなる破壊を生むか・・・これは、現代でも独裁者の暴走が引き起こす戦争と似ていますね。

 

ChatGPTが普及すれば、学びの在り方や自分で考える事が欠如する若者が増えてしまうかもしれません。情報通信技術はあくまでも道具であり、それに意味や価値を与えるのが人間であるという、当たり前の考えが、この先も維持できるかどうか・・・

 

ちゃんと考えなくてはいけない時代になってきたようです。

2023年

5月

14日

正解の無いクイズ

昨日の保育参観・・・どうも保育園の行事になると、声が大きくなってしまう園長は、朝起きると、声がガラガラです。(笑)

 

さて、保育園の朝の会のインタビューでは、「好きな食べ物は何ですか?」という問いに、隣の園児と同じ答えを言う子に対して、「マネじゃなくて、自分で考えた答えを言いなさい」と言い。イベントおやつのインタビューで「おいしい!」と答える園児に、「どうんなふうにおいしいのかを言って」と言い続けています。

 

昭和世代のおやじ園長ですら、「人と同じことをするのが大嫌い」ですが、保育園の子どもたちが、これから生きていく「よのなか」では、ますます、みんなと同じではなく、あなたのオリジナルが求められる時代です。

 

そんな中、面白いクイズ番組があります。「正解の無いクイズ」です。クイズ番組には、必ず「正解」があります。しかし、この番組は自分で考えた答えがたくさんあります。5月2日放映の問題を紹介します。

 

「マッチ売りの少女が爆発的にマッチを売るアイデアは?」に、あなたどう答えますか。

 

答え①

『マッチ売りの少女』というアイドルグループを結成。「あなたの応援で私たちに火をつけてください」というコンセプトで、SNSで拡散させるよう実際にマッチを売る。さらに、「人気が出てきたら自分たちの顔写真を貼って1万円で売る」という展開も。7人グループで一人100本売れば、1日で約1000万円の売上も可能。

 

答え②

『マッチ売りの少女・・・マッチの在庫が大爆発』という見出しだったら、Yahoo!ニュースのトップまでいくだろうと考え、「マッチ売りの少女を助けようキャンペーン」で、みんなでマッチを買ってあげる。

 

答え③

マッチ売りの少女にマッチを売らせてはいけない。世界的に児童に労働をさせることは原則として禁止されている。しかも大晦日の深夜まで働かせているため「これはあってはならない」こと。爆発的に売れても、「犯罪による利益」なので、全て没収される。

 

AIの答えはこうです。

「幸運を呼ぶ魔法のマッチとして売る」少女がニコニコしてマッチを売ることが大事なことで、一般的に慈善活動とのコラボにより、売上は20~50%増える。また、ストーリーと掛け合わせたマーケティング手法により、売上は2倍になる。これらを加味すると、AIの判断では、売上は300%増えるとのこと。

 

どうですか・・・AIの回答は、総論では間違いはないですが、具体性に欠けますね。やはり、人間が考えた答えが、面白いし、意外性があります。

 

私たち大人は、子どもがどんな「答え」をだしても、「正解」を教えるのではなくて、「そういう考えもあるね。ママパパには思いつかなかったよ」と返すのがいいですね。

2023年

5月

13日

令和5年度保育参観

雨となったにもかかわらず・・・「楽しかった!」の声が、子どもたちや保護者の方々から何度も言っていただいた保育参観となりました。

 

メインは、屋上でのレクリエーションです。「こびとを見つけよう!ゲーム」は、先生たちが紙粘土で、16人のこびとを作りました。これが、なかなか完成度が高くて、「こびとと話ができる〇〇先生が、今日は16人のこびとを呼んできました。屋上に隠れているので、みんなで見つけよう!」で、ゲームスタートです。子どもたちだけでなく、大人も夢中です。みんなで見つけた『カクレモモジリ』『リトルハナガシラ』『タカラコガネ』『イエミズマワリ』など、16人のこびとが並ぶと、なかなか壮観です。世間一般では、今から15年ほど前のブームですが、保育園ホワイトきゃんばすでは、今が最高のこびとブームになっているのです。「雨でもやりたかった」ゲームでした。

 

こびと探しの余韻が残っている中で、「マルベリーを食べよう!」「玉ねぎの収穫」を行いました。身軽なパパが、脚立に乗って、高い場所の実を取ってくれたり、卒園児の小学生が木登りして、たくさんの「桑の実」をゲットしました。保護者の皆様も初めて食べる味です。子どもと一緒に、手を赤く染めていました。(笑)

 

玉ねぎは、パパママと一緒に引っこ抜きます。自分の顔ぐらいある大きな玉ねぎをゲットした5歳女の子は、どや顔で玉ねぎを顔の横に持っていきました。雨の屋上でしたが、全く雨が気にならないほど、楽しい屋上タイムを過ごしたのです。

 

保育園では、今年度が始まって1か月半です。新人ママにとっては、まだ知らないことも多いので、自己紹介をします。子どもの特徴が一言あって、笑いありの時間となりました。そして、ママへのプレゼントです。色紙の真ん中に、ママとのツーショット写真があって、そのまわりを子どもたちが素敵な装飾をしました。ママと子どもたちの笑顔がいっぱいになりました。

 

今回は、屋上で子どもたちが見ている「野草」や「野菜」の話をしました。「シロツメクサ」「ムスカリ」「カラスノエンドウ」「チガヤ」「黄しょうぶ」「ハハコグサ」「ホトケノザ」などの野草と、現在ファームで育てている野菜の映像を子どもたちと一緒に当てます。そして、ホワイトきゃんばすの大きな特徴である「異年齢保育」で行われている「学び」の姿を『学びのピラミッド』という考えで、園長が解説します。また、「ほったらかしと過保護と見守りの違い」の話をしながら、子育てに奮闘するパパママにエールを送ります。

 

ということで、2時間の保育参観でしたが、充実した保護者の皆様との時間が共有できたと思っています。雨の中、本当にありがとうございました。今夜は、ママパパと子どもたちで、こびとの話で盛り上がることでしょう。(笑)

2023年

5月

12日

ハッピーバースデー 先生!

明日の保育参観で、マルベリー(桑の実)を食べたいという保護者が多いです。残念ながら、雨の予報ですが、屋上での活動を計画しています。もちろん、マルベリーも食べてもらいます。(笑)

 

さて、ある先生が、職員室でそわそわしていました。校長先生が尋ねると、クラスの子どもたちから「しばらく職員室で待っていてほしい」と言われたとのこと・・・どうやら、先生を驚かすイベントを企画しているようでした。

 

案の定、先生の誕生日を祝う会をクラスの子どもたちが自分たちで企画・立案し、会場づくりやプレゼント準備、司会進行などを自主的に活動していたのです。クラスの子どもたちは「担任の先生をぜひとも喜ばせたい!」という素直な気持ちです。

 

これは、子どもたちと担任の望ましい人間関係が構築されていたことと、互いを尊重し、良さを認められる態度がクラスの中に形成されていたのでしょう。もちろん、先生は喜びの涙でいっぱいになったのです。子どもたちが手作りしてくれたプレゼントは、その先生にとって宝物ですね。

 

こんな話を聞くと、思い出すのが、ホワイトきゃんばすの卒園児の女の子のエピソードです。現在中学1年生になりましたが、彼女が小学校3年生の時に、担任の誕生日にサプライズ企画を計画しました。

 

まずは、決して先生にばらさない口が堅い子数人に、この企画を提案します。すると、全員賛成となりました。クラスにピアノコンクールで優勝経験のある男子がいるので、彼がピアノを弾いて、クラス全員で♪ハッピーバースデー♬を歌います。教室の装飾も手分けをして完成させ、クラス全員のメッセージ色紙をプレゼントしたのです。もちろん、先生は号泣です。

 

私は、この話を聞いたときに、小学校3年生でこんなことが出来る卒園児を誇りに思ったものです。小3にして、クラスのメンバーの長所や特技を見抜いて、それを1つにする調整能力には、アッパレでした。

 

コロナも終息してきたので、こうした「子どもたちが自分で考えたサプライズ企画」がどんどん増えていくと嬉しいですね。

2023年

5月

11日

一人で抱え込まない

今日は、埼玉県警の「春の全国交通安全運動出発式」に招待いただきました。年長園児11名を連れて、保育園から歩いて15分ほどの交通機動隊に行ってきました。「白バイ隊のデモンストレーション」は、単純にカッコよかったですね。いきなり、踊る大捜査線のテーマ曲が流れて、全国大会に出場するトップクラスの白バイ隊員4人が技を見せてくれました。子どもたちにとって、憧れの白バイです。白バイに乗ったり、パトカーの運転席にも座りました。大興奮の子どもたちです。 

 

さて、ある公立中学校での話です。A校長は、2週間余り欠勤しているB教諭から退職の相談を受けました。Bは「部活動中に自分のミスで生徒Cにけがをさせてしまい、Cの父親から慰謝料などを含めた50万円を弁償するよう要求されました。学校には報告せず、個人的に解決しようとしましたが、どう対処すればいいか困り、体調を崩してしまいました」と話したのです。

 

さぁ~皆さんはどう思いますか。「なんで学校に報告しないの?社会人として、問題あり」と思いましたか。私も、若き営業マン時代は、得意先とのトラブルを自分一人の力で解決することが美徳と勘違いし、上司に報告せずに、さらに状況を悪化させてしまったことがありました。この時は、自分の仕事は、会社の問題という認識が欠如していたのです。

 

会社も学校も、問題発生に対しては、組織で対応するのが不可欠で重要なことです。この中学校の例では、教諭B個人の賠償責任は成立せず、学校設置者の自治体が賠償責任を負います。Bが責任を感じ、個人的に解決しようとする気持ちは理解できますが、余計にトラブルを深刻化させかねない、不適切な対応なのです。

 

最近では、スクールロイヤーがいる学校もありますが、教育委員会と対応を協議します。この事例では、Cの父親から求められた50万円ですが、法律の専門家が対応すれば、Cの父親が支払った治療費用や、診断書などの資料を見せてもらい賠償金額が正当かどうか判断してもらいます。素人ではわからないですね。

 

もちろん、B教諭が体罰を行ってケガをさせた場合など、状況によっては、個人の責任も追及されますが、今回は、ミスによるケガですので、完全に組織が責任を取る形ですね。

 

昨日のブログでは、教員試験の採用倍率が低下の一途をだどっている話をしましたが、教員は、子どもたちだけにかかわる仕事以外に、保護者や地域住民対応の仕事の比重が高まっていることも、教員不足の理由の一つです。

 

でも、何かあったら、自分一人で抱え込まない。学校・教育委員会という組織力で対応することが、当たり前の認識になっていけば、教員が、一番大切にしたい「子どもたちとの時間」に注力できるのです。

 

保育園の園児の中には、どんな些細なことでも先生に話をする園児(いいつけも含めて)がいる一方で、3歳児以上になっても7割くらいは、内向的な性格で、先生に言えない園児がいます。実は、言えない園児の方が多いのです。この対応に、特効薬はなく、「困ったことがあったら先生に言ってね」を言い続ける事しかありません。

 

大人の組織でも、「マイナスなことを報告できる雰囲気」が大事ですね。人間が『自立』することは、何でも自分一人で解決することではありません。周りの協力をもらって解決できる調整力が問われます。所詮、人間一人にできることなど限られていると考えたほうが、ストレスもなくなりますね。

2023年

5月

10日

増やせ!教員志望者

今日は、3歳女の子が自転車に乗れるようになりました。保育園の先生が、「いけるかも?」と判断し、女の子に促します。そして、思惑通り50メートルクリアです。園長も、現段階で年少園児が自転車の乗れるようになるとは思っていなかったので、ビックリです。年少園児は7名いますので、来年3月までに、残り6名全員が自転車に乗れるように、のんびりと個々のペースやっていきます。

 

さて、今から20年以上前の平成12年度の教員採用倍率は13.3倍でした。とても狭き門だったのですが、令和3年度の倍率は3.7倍まで落ち込み過去最低となっています。小学校では、2倍を切る自治体もあり、秋田県は1.3倍です。

 

埼玉県教育委員会では、本年度の教員採用試験から、民間企業などで5年以上正規勤務経験がある人を対象に、「セカンドキャリア特別選考」を実施します。それを受けて、先日さいたま市内で社会人対象の特別選考の説明会が行われました。200人以上が集まったそうです。

 

説明会では、教育界の動向や教員の福利厚生、採用試験についての説明があり、その後民間企業から教員に転職した2人によるパネルディスカッションで、教員を目指したきっかけや現在の仕事について紹介されました。

 

埼玉県では、社会人への働きかけに力を入れていて、教職員採用の担当者は「教員になりたいという潜在的なニーズが大きいことが分かった。民間で付けた力を学校現場で発揮し、活躍してほしい」と期待します。

 

私がPTAで小学校に関わった15年以上前に、杉並区和田中学校で、公立校で日本で最初の民間企業出身の校長が誕生しました。リクルート出身の校長先生は「よのなか科」を立ち上げて、「マクドナルドを出店するにはどの場所が一番いいか?」という授業を行います。実際に、駅に電話をして乗降客数をその場で聞いたり、マクドナルドの広報も登場する授業です。

 

子どもたちは、学校を卒業してやがて社会に出ます。「よのなか」でたくましく生きていくには、民間企業で働いた経験を持つ先生が必要という考えです。実は、校長・教頭は少ないですが、教員の中には、民間企業出身者が多くいます。私の次女が小学校4年生の時の担任が、保険会社社員→教員という経歴です。母親とは、授業参観などで、よく顔をあわせるので、あえて児童の父親を公民館に集めて、コミュニケーションを父親相手に行いました。この発想が、民間企業出身たるゆえんです。

 

昨年、教員免許更新制度が廃止され、平成21年3月末までに取得した教員免許状が、自動的に復活しました。教員免許を持っているが、企業で勤務するなどして、一度も教壇に立っていない社会人もいます。また、自治体によっては、一般の社会人が、教員免許取得のための学費を補助する採用枠を設けるところもあります。埼玉県なら、合格後、教員免許の取得のために最大2年間採用を猶予してもらえます。この期間で、通信制大学などで教職課程を履修し、免許が所得出来れば、即採用となります。

 

多様性の時代・・・教員も、新卒教員もあれば、民間企業出身もありの様々な経験を持った人が集まった組織がいいですね。

 

はい。保育園ホワイトきゃんばすの園長も、民間企業出身者です。(笑)

2023年

5月

09日

働くデイサービス

今日の寺子屋は、サツマイモの苗を植えました。3月のジャガイモは、そのまんまジャガイモのタネを土に埋めたのですが、同じイモでも、サツマイモは、葉と茎の部分を土の中に挿すように植えます。

 

「サツマイモを大きくするのは、何ですか?」と子どもたちに聞くと、「土」「水」と答える園児。間違いではないですが、「一番大事なものは?」に、5歳女の子が「太陽の光です」と答えました。大正解です。サツマイモは、戦後の食糧難に活躍しました。荒れた土地でもしっかりとイモになるからです。土が痩せていても、太陽さえもらえれば、サツマイモは大きくなります。

 

そんな畑仕事は、子どもたちは大好きですが、介護サービスを利用するお年寄りだって同じです。

 

岡山市のスーパー「コープ西大寺」の駐車場では、近くのデイサービス「どんぐりハウス」に通う80歳の女性が、草むしりをしながら「元気で働けるのは、ありがたいことじゃ」と、30分間かけて丁寧に雑草を抜き終わると、デイサービスのスタッフに「きれいになりましたね。お給料をもらいに行きましょう」と店内へ。女性は、コープの店長から「ありがとうございます」と言葉をかけられ、謝礼金の200円を受け取りました。そのお金で、スイーツを買った女性は、「体を動かすことも、甘いものも大好き。買い物ができて楽しい」と大満足です。

 

こうして、デイサービスなどで、有償のボランティアが広がっているそうです。冒頭の「どんぐりハウス」では、歩くことが好きな人には、地域内を散歩しながらダイレクトメールを投函してもらい、庭仕事が得意な人には草むしりをしてもらうなど、その人の「やりたいこと」や「できること」に合わせて取り入れています。「お年寄りが、『自分にできること、地域で役立てることがある』と感じ、生き生きとしている姿は、見ていてもうれしい。認知症の進行の抑制にもつながっている」といいます。

 

定年退職するまで、会社に貢献し、ばりばり働いた人が、仕事をしなくなると、「自分の存在意義」が見つけられずに、一気に認知症が進むことは、よくあることですね。デイサービスの活動自体が充実している。また、もともとコミュニケーション能力が高く、すぐに仲間を作れる人はいいですが、ただ、時間を過ごすだけの人が多いのも現実ですね。私の父は生前、デイサービスで将棋仲間を作ったりして楽しんでいましたが、母は、新たな人間関係を作るのがおっくうだったようで、よくデイサービスをさぼっていました。

 

働くデイサービスが広がっていけば、「家にこもりがちだった生活が、ここに来るようになって変わった。この冬、謝礼金で妻にマフラーをプレゼントした」「社会とつながり、『自分は一人じゃない』と感じられるようになった」という人が増えていくことでしょう。

 

私の次女が、介護施設で働いています。この4月に「後輩が来た!」と大喜びです。ただし、父親である私が、認知症になったら「迷わず施設に入れる!」と言っています。父としては、認知症になる前に、働くデイサービスのような、「社会参加している」と実感できるような活動をしたいものです。もう、すぐ先の将来です。(笑)

2023年

5月

08日

ムラブリ族

ゴールデンウイーク明けの保育園がスタートしました。朝の会では、寺子屋園児1人ずつ、「ゴールデンウイークはどこに行きましたか?」のインタビューをすると、今年は、故郷への帰省から、キャンプ、旅行に、日帰りでも、色々な場所に子どもたちを連れて行った、ママパパ・・・お疲れさまでした。子どもたちは、ニコニコしながら、話をしてくれました。

 

そして、屋上の桑の木には、マルベリーがどっさりです。甘酸っぱいベリー系の実ですが、5、6人の園児が、延々と食べていました。20個以上は食べています。そんな子どもたちを見ていると、とても現代人とは思えません。木の実をむさぼり食べる子どもたち・・・令和なのに?という感じです。

 

今日は、ラオスの森で、バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森の中を遊動する生活を送る少数民族「ムラブリ族」の話です。保育園の子どもたちがマルベリーを食べるように、彼らもまた、木の実を食べます。

 

ムラブリとは、彼らの言葉ムラブリ語で「森に生きる人」という意味だそうです。木の実だけでなく、イモ、動物、魚などをとって暮らしています。総勢約500人のうち村に定住している人もいれば、森の中をグループで移動しながら生活する人もいます。

 

世界で一人と言われている「ムラブリ語」研究者の伊藤雄馬さんは、現地でムラブリの言葉と文化に迫ります。暦がなくて「明日、調査に行ってもいいか?」とたずねると「明日のことはわからない」と言われてしまうそうです。

 

伊藤さんは、ムラブリについて、「森で暮らす人たちはテレビや携帯電話のある生活を見て知っています。それでも、森に帰っていくのです。楽なんでしょうね。森の中で生きる術を持っていて、竹や木で住むところを作ることもできる。若い頃は、町に出たいと言って、専門学校に行って、泊まり込みで勉強する人もいるんですけど、戻ってくる人がほとんどです」と言います。どうやら、まったく文明社会から縁のない生活を送っているわけでもないようです。

 

ムラブリ族の生活は、日本人の価値観とは、大きく乖離しているのかもしれませんが、「モノを多く持たない」生活は、私たち日本人にも理にかなっているのかもしれません。

 

ムラブリ族・・・覚えておいてください。

2023年

5月

07日

世界の名スピーチ⑤

今日でゴールデンウイークもおしまいです。ニュースでは多くの人出で賑わう観光地などの映像をたくさん見ることが出来ました。沖縄は、コロナ前の2019年対比でも大幅増の観光客が訪れたそうです。人間は我慢をすると、その反動が大きい生き物です。例えが悪いですが、急激なダイエットの後にはリバウンドがやってくるように。(笑)

明日からの日常も、コツコツと学校や仕事に無理なく切り替えていきたいですね。

 

私たちの心をうつ、名スピーチ・名言はたくさんありますが、今日でいったん終了です。3・11東日本大震災から4年後の追悼式のスピーチを行ったのは、震災当日に中学校の卒業式だった「菅原彩加(さやか)」さんです。彼女は、津波で母親を含む家族3人を失います。震災の2か月後には仙台育英高校に入学。日本だけでなく、海外でも被災体験を語り、その数は世界7都市で50回にも及びます。

 

ありがとう、大好きだよ。  菅原彩加

 

私は、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市大川地区で生まれ育ちました。あの日、中学の卒業式が終わり、家に帰ると大きな地震が起きました。逃げようとしたときには、すでに地鳴りのような音と共に津波が一瞬にして私たち家族5人を呑み込みました。しばらく津波に流されたあと、私は運良く瓦礫の山の上に流れ着きました。そのとき、足下から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、かき分けて見てみると、釘や木が刺さり足は折れ、変わり果てた母の姿がありました。右足が挟まって抜けず、瓦礫をよけようと頑張りましたが、私1人にはどうにもならないほどの重さ、大きさでした。母のことを助けたいけど、ここに居たら私も流されて死んでしまう。「行かないで」という母に私は「ありがとう、大好きだよ」と伝え、近くにあった小学校へと泳いで渡り一夜を明かしました。

 

そんな体験から今日で4年。あっという間で、そして、とても長い4年間でした。家族を想って泣いた日は数え切れないほどあったし、15歳だった私には受け入れられないような悲しみがたくさんありました。全てが今もまだ夢のようです。

 

しかし、私は震災後、たくさんのあきらめない人々の姿を見てきました。震災で甚大な被害を受けたのにもかかわらず、東北にはたくさんの人々の笑顔があります。「みんながんばっぺな」と声をかけ合い、復興へむかって頑張る人たちがいます。日本中・世界中から東北復興のために助けの手を差し伸べてくださる人たちがいます。そんなふるさと東北の人々の姿を見ていると「私も震災に負けないで頑張らなきゃ」という気持ちにいつもなることができます。

 

震災で失ったものはもう戻ってくることはありません。被災した方々の心から震災の悲しみが消えることもないと思います。しかしながらこれから得ていくものは、自分の行動や気持ち次第でいくらにでも増やしていけるものだと私は思います。前向きに頑張って生きていくことこそが、亡くなった家族への恩返しだと思い、震災で失ったものと同じくらいのものを私の人生を通して得ていけるように、しっかりと前を向いて生きていきたいと思います。

2023年

5月

06日

世界の名スピーチ④

今日は、ゴールデンウイークの谷間の保育園です。今日も仕事のママがいますので、保育園は平常通りです。小学2年の男の子が、「園長先生!マルベリーが黒くなっているよ!」大騒ぎです。屋上の桑の木に、赤黒くなった「マルベリー(桑の実)」が熟しています。子どもたちは、今シーズン初物のマルベリーを口に運びます。「甘くておいしい!」と、猿のように木に登って、バクバク食べていました。一昨年に剪定し、昨年は実ができずにがっかりでしたが、今年は大豊作です。ざっと、500個以上の実をつけています。しばらく、子どもたちの「マルベリーつまみ食い」が続きそうです。

 

さて、今日は、裁判官「小野裕信(ひろのぶ)」さんの話です。まだ40代の裁判官です。2019年3月、コカイン使用で逮捕された、俳優でもあり、テクノバンド「電機グルーヴ」のメンバーでもある「ピエール瀧」被告の公判が同年6月に行われました。そこで、懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡したあと、こう続けたのです。

 

「人生」と書いた人の気持ちに応えられているか。  小野裕信

有名人だからといって、ことさら刑を重くしたり手心を加えたことはありません。ただ、言っておきたいと思ったことがあります。(証拠の写真を瀧被告に示しながら)漢字2文字が書いてあります。読んでいいですか。(瀧被告「はい」)

 

「人生」と書いてあります。どうして「人生」と貼ってあるのか検討しました。インディーズ時代を含めて、よく出てくる言葉だとわかりました。(「人生」は電気グルーヴ結成前、ピエール瀧が高校の同級生と組んでいたバンド名)

そこで、3つのことを問いたい。人生をどうしたいのか。人生の持つ意味とは何か。「人生」と書いてくれた人の気持ちに応えられているか。

 

あなたが芸能界に復帰できるのか、復帰できても何年先になるのかはわかりません。でもいつか薬物のドーピングがなくても、芝居が良いとか、これまでより活躍していると、社会の人から見てもらえる日が来ることを切に願っています。謝罪やカウンセリングの中で迷ったり悩んだり孤独になることがあるんじゃないかと思います。そのときは「人生」と書いた人の気持ちに応えられているかを、胸に手を当てて考えてほしい。それがあなたがいるべき場所を見失わない上で大切なことじゃないでしょうか。

2023年

5月

05日

世界の名スピーチ③

今日は、こどもの日ですね。私が子どものころに比べると、一般家庭での「こいのぼり」は少なくなってきましたね。保育園の子どもたちは、自分で作ったこいのぼりをおうちに飾っていることでしょう。

 

さて、今日は、ヘレン・ケラーです。彼女は、3回も日本に来ているそうです。1880年生まれのヘレン・ケラーは、熱病のために1歳で聴覚と視覚を失います。言葉も当然不自由になるのですが、7歳から家庭教師「アン・サリバン」によって教育を受け、三重の障害を持ちながら大学教育を修了した世界最初の人となります。

 

まずは、家庭教師アン・サリバンのスピーチを紹介します。

20年以上もの間、ヘレン・ケラーは私の顔に手を当ててきました。私が発する音を認識する為です。そして、彼女は私の口の中、舌に手を触れて言葉を発するときの舌の位置を確認、そして手で触れて感じた舌の動きを自分のものにしようとしてきました。何度も何度も、言葉をきちんと発音できるまで、あきらめずに。彼女が乗り越えてきた障害は、私たちの想像を絶します。やればできる、と人は言い、様々なことにチャレンジしますが、ヘレンよりも壮絶な挑戦をしてきた人はいるでしょうか。今日はヘレンから皆さんにお話ししたいことがあります。彼女が自分で皆さんにそれをお伝えします。

 

私こそが、皆さんの「目に見えるチャンス」です。  ヘレン・ケラー

 

皆さんは、こんな言い回しをどこかで聞いたことがあると思います。「チャンスとは目の前にある全てのドアをノックする移り気な女性のようだ。しかし、もしドアがノックしてからすぐに開かなければ、彼女は次のドアへ移り、二度ともどってくることはない」チャンスとはそういうものなのです。愛くるしく魅力的な女性は、辛坊強く待ってくれやしません。チャンスは自分でつかみにいくしかないのです。私こそが、皆さんの「目に見えるチャンス」です。私は今、皆さんのドアをノックしています。ノックする傍らで、すぐにドアが開くことを願っています。

 

想像できますか?見えることが当たり前だと思っていたあなたが、今日突然、視力を失ったとしたら?一人では何もできなくなります。仕事をするなんてとんでもありません。私がどのように乗り越えてきたかは、皆さんのご存じの通りです。他者の指に触れ言葉を学び、私の深く困惑した心に他者の優しさが染みました。このようにして私は自分を、自分を取り巻く世界を、そして神すらも見つけたのです。全てはサリバン先生のおかげです。彼女がいたからこそ、今、私はみんなと私自身のために闘っています。

 

「視覚障害を持つ小さな子どもに教育機会を平等に与えたい」そして「視覚障害を持つ全ての人がサポートを受けられる社会をつくりたい」という私の願いを一緒に叶えてはもらえないでしょうか。皆さんは目が見える、耳が聞こえる、そして強く優しい心と勇気を持っている。「闇の騎士」となって私と一緒に「闇」と闘ってください。

2023年

5月

04日

世界の名スピーチ②

永谷園の永谷会長が、2代目「ぶらぶら社員」を任命したそうです。ぶらぶら社員って?と思いますよね。使命は、新商品開発に結びつくような情報をどんどん会長に入れることだそうです。そのための交通費・経費は全て会社持ちで特別報告もありません。メール、写真、メモ、サンプルなどどんな形でも情報を持ってくること・・・だそうです。ちなみに、初代ぶらぶら社員は、ロングセラー「麻婆春雨」を生んだそうです。2代目の64歳のおっさん(失礼)が、どんな商品のアイデアをもたらすか・・・注目です。

 

さて、今日は、ロッキー・バルボアです。シルベスター・スタローンが、世界に注目されたシリーズですね。今回は「エイドリアン!」の第一作ではなくて、第6作「ロッキー・ザ・ファイナル」で、老ボクサー、ロッキー・バルボアの復活にあたり、疎遠だった息子ロバートが父のもとを訪れます。「恥さらしはやめてくれ。父さんのせいで、みんなからバカにされるのはゴメンなんだ」と抗議したことに対し、ロッキーが息子を抱きしめて言った言葉です。

 

迷わず前に進め。パンチを恐れるな。 ロッキー・バルボア

 

わかっていると思うが、世間はバラ色じゃない。下劣で浅ましい場所だ。おまえがどれだけタフかは知ったことではない。おまえは現実に打ちのめされ、何もしなければ永遠に打ちのめされたままだ。おまえも俺も、この世の誰も、人生の現実が繰り出すパンチにはかなわない。

 

しかし肝心なのは、おまえがどれだけ強いパンチを打てるかではない。どれだけ強いパンチを食らっても、前進を続けられるかどうかだ。どれだけ我慢して、前進を続けられるかだ。その先に勝利がある。

 

いいか、自分の価値を信じるなら、迷わず前に進め。だが決してパンチを恐れるな。他人を指さし、自分の弱さをそいつらのせいにするな。それは卑怯者のやることだ。おまえは違う。

 

この先、何があろうと、俺はおまえを愛し続ける。おまえは俺の息子だ。俺の血が流れている。人生のかけがいのない宝物だ。だけど、お前は自分自身を信じなければ、人生はつかめない。

2023年

5月

03日

世界の名スピーチ①

今日から、ゴールデンウイーク後半戦ですね。保育園の子どもたちも、山形・新潟・福島などの遠方から近くのおじいちゃんおばあちゃんの所へ帰省したようです。たくさんの思い出を作って、大いに甘えてきなさい!ですね。(笑)

 

今日から、しばらく、世界の名スピーチに付き合ってもらいます。1日目は、2015年4月4日の近畿大学入学式で祝辞をした、つんく♂さんのメッセージです。つんく♂さんは、近畿大学在学中の1988年にロックバンド・シャ乱Qを結成しヒット曲を連発します。1990年代後半以降は、モーニング娘の総合プロデュースを担当します。そして、この祝辞で、自分が初めて生態を摘出したことを明らかにしました。

 

あなたの代わりはいないんだ。   つんく♂

 

正直言いましょう、今日のこの入学式には、近畿大学にひっしのぽっちで入学した人。狙い定めて入った人。結果的に滑り止めで入った人。いろんな人がいるでしょう。でも、あなたにとってどの大学が正解だったんでしょうか・・・それはわかりません。ただ一つ言えるのは、この先の人生で、あなた自身が「ああ、この大学に入ってよかったな。」という道を歩めば良いんだと思います。

 

なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることが出来ないのか・・・それは、私が声帯を摘出したからです。去年から喉の治療をしてきましたが、結果的に癌が治りきらず、摘出するより他なかったから、一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました。

 

ここまでの人生はもしかしたら受け身だった人もいるかもしれません。親が言うから、学校の先生がすすめたから、でも、もうすぐ皆さんは成人します。もう自分の人生を歩んで行くんです。自分で決めて進んでいけば、絶対に何かを得、そしてまた次のチャンスへと繋がっていくんだと思います。私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんなことを考えながら生きていこうと思います。

 

皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います。自分で切り開いていく道を選べば、きっと自分を大きく育てるようなそんな大学生活になるでしょう。仲間や友人をたくさん作り、世界に目をむけた人生を歩んでください。私も皆さんに負けないように、新しい人生を進んでいきます!

 

だから最後にもう一度言わせてください。入学、本当におめでとう!「あぁ、良かった!」と思える大学生活をセルフプロデュースしてください!

2023年

5月

02日

再挑戦の教室

母の日に素敵なプレゼントを計画しています。子どもたちの作品は、今日でほぼ完成です。子どもとママのツーショット写真を使用するのですが、コロナ禍での3年間は、マスクの顔をずっと見ているので、マスクを外したママの顔に「この綺麗なママは誰?」となります。お世辞でなく本当です。(笑)

 

さて、コロナ禍もあって、不登校の児童・生徒が増え続けています。2021年度は小中学校合わせて、約24万5000人になったそうです。

 

そんな子どもたちを受け入れる「チャレンジスクール」として、2022年に開校したのが、都立小台橋(おだいばし)高校です。普通高校と違って、目的は「再挑戦」の教室となることです。

 

2022年の開校に向けて、その2年前に準備が始まりました。杉森校長含む3人が、開校準備室に配属されました。この時は、学び直しを重視するといった基本方針は決まっていたものの、カリキュラムなどの詳細は「白紙」の状態でした。

 

不登校という形で、学校に「NO」を出した生徒たちに、もう一度登校してもらうには、どんな学校がいいのか。興味のあることはとことん取り組むけど、集団行動は苦手。周りの子たちが授業で学び合っているのに、一人、机の中から好きな本を出して読んでいる。

こんな、不登校になる子どもたちの特性を話し合っていると、「普通じゃつまらないよ。いろんな子の特性に合わせることで自信につながっていくような学校にしたいね」と、新しい学校の方向性が見えてきます。

 

遅刻しても、登校しやすいように、ホームルームは2時間目の終わりに置いたり、集中力を持続させるために、通常50分の授業1コマを45分に短縮します。ドローン操縦や動画作成など関心を引く科目も設けました。

 

今年の4月10日・・・2年目を迎える小台橋高校は、2年生と1年生の約400人が顔を合わせました。中には、茶や金、紫、赤といった髪色の子もいます。式の後、1年生のクラスではホームルームが開かれました。「明日はみんなに自己紹介をしてもらいます。と言っても強制ではありません。話せる範囲でお願いします。この学校では、ネックレスもピアスにもルールはありません。でも、身体測定の時は外してくださいね」と担任は穏やかに語りかけます。4月中は、「やってみたいことリスト」を作成するなど、授業は急ぎません。「生徒の不安を少しでも減らして、学校に通える土台をち整えることが今は一番大切」と校長は語ります。

 

東京都教育委員会は、小中学校で不登校だった子や高校中退者ら向けの都立高をチャレンジスクールとして、特別な教育課程を用意しています。2000年度に1校目が開校し、小台橋高校が6校目だそうです。午前、午後、夜間の3部定時制で、原則4年間で卒業するカリキュラムです。入試では、中学校の調査書は不要。学力テストはなく、志願書と面接、作文で合否を判定します。勉強が遅れている子でも、受験しやすくしています。

 

子どもたちにとっては、何かのきっかけで「学びたい」につながることがあります。そんな時に、受け入れる学校があると、子どもたちの「再挑戦」の道が開かれるのです。人は、大人になっても、何度も挑戦を繰り返す生き物です。子どもたちには、もっとたくさんの選択肢があっていいのです。

2023年

5月

01日

「お金を使う」考え方

昨日は、義理の母を連れて、あしかがフラワーパークに行ってきました。「世界で行きたい夢のような場所10選」にも選ばれた、「大藤」は、まさに圧巻です。外国人の姿が多かったですね。藤の花を知っている日本人の私でさえも絶句ですが、外国人には、異次元の景色に映っていたようです。それぞれの言語で、大興奮です。(笑)

 

保育園の屋上にも、様々な花が咲いています。えんどう豆の花は綺麗ですよ。黄色の菖蒲が鮮やかに池のカメに訴えています。ジャガイモの花もトマトの花も咲いてきました。ふだん見逃してしまう野菜の花も、よく見ると美しいですね。

 

さて、今日は、アメリカポートランドでのお金の使い方について話します。まず、日本と比較して物価が高いのです。カフェで普通のラテ(小)が700円もします。日本ならスタバもそんなに高くはありません。ブロッコリーは400円です。日本なら季節によって変動しますが、198円くらいですね。

 

円安の影響もあるのでしょうが、それにしても高いですね。日本人なら、ちょっと、考えてしまいますね。カフェに入るのはやめて、野菜はモヤシにしよう・・・とか。(笑)

 

しかし、ポートランドの人たちは「お金を使う」ことに対する感覚が、日本とは全然違うそうです。この場所は、「ご近所主義」で知られているようで、利益の一部はご近所さんに返すことが当たり前の考えです。スーパーは「地産地消」をモットーに、売上の1割を地元コミュニティに寄付することで、人気を得ているので、住民も高い買い物とは思わないのです。彼らは、「割高」なお金を払うことで、この地域が良くなるように、間接的に寄付をしているのです。

 

セルフサービスのカフェでも、喜んで客はチップをガンガン払っています。それは、「明日も元気に営業してね」というエールです。

 

出したお金が結局は自分に返ってくると信じられれば出し惜しみもしなくて済みますね。この信頼関係で、経済が回っているのです。日本でも、こんなコミュニティがどこかにあるのかもしれませんが、「お金を使う」考え方は、自分がどうしたいか次第というわけですね。

2023年

4月

30日

「おふくろの味」の正体

昨日の長女の結婚式では、フランス料理のフルコースが提供されたので、テーブルの上には、ナイフやフォークがずらりと並びます。義理の母が「どれから使ったらいいの?」と戸惑うほどでした。(笑)

 

そんなフレンチのコースと対極に位置するのが、「おふくろの味」です。しかし、「おふくろの味」の正体は、そう簡単には説明できませんね。

 

まずは、「おふくろの味」と聞いて、どんな料理を思い浮かべますか。肉じゃが・コロッケ・ポテトサラダ・・・が、私の世代では浮かんできます。

 

「おふくろの味」をタイトルに掲げる料理本は1960年に登場し、一昨年まで総数101冊出版されました。70年代と90年代に2回、出版ピークがあったそうです。最初のピークは、1960年代の高度経済成長期に、若者が集団就職で故郷を離れ、望郷の念が募ります。一方、故郷側も第一次産業衰退の穴埋めに「ふるさとの味の商品化」を推進します。そんな時代背景から「おふくろの味」が生まれ、浸透していきました。

高度経済成長期には、専業主婦が定着し、「料理はお母さんが作るもの」という性別役割分業の意識も一体化して、「おふくろの味」という言葉が広がっていったようです。

 

2度目のピークは90年代、メディア主導で「おふくろの味」はモテ料理に位置づけられ、当時比較的新しい料理だった「肉じゃが」が伝統的な「おふくろの味」であるかのようにイメージされたのです。

 

このタイミングで「肉じゃが」が定着したようです。今では、私だって「めんつゆ」を使って、そこそこの味の肉じゃがを作ることができます。(笑)

 

この時代は、日本の家族が大きく変容します。1997年には、共稼ぎ世帯の数が専業主婦世帯を上回ります。しかし、「料理はお母さんが作るもの」という性別役割分担意識は、今まで通りで、実態とのギャップが出始めるのです。彼氏に「おふくろの味」を求められる女性がいら立つのも、こうした社会背景があるからです。

 

そして、2000年代に入ると、「おふくろの味」をタイトルにする料理本はなくなります。「おばあちゃんの味」や「ほっとする味」の言葉に置き換わっていったのです。こうして、時代背景を分析すると、「おふくろの味」は社会や時代がつくり上げた、『たかが40年間の幻想』でしかなかったということです。

 

世の男性諸君は、がっかりしましたか?そして、「おふくろの味」を期待されて、悩んでいた女性は「なぁんだ~そんなことだったのか!」と思ってください。

 

でも、あなたの家に、本物の「おふくろの味」があれば、それは幸せなことですね。私の場合は、「煮物」です。(笑)

2023年

4月

29日

花嫁の父

今日は長女の結婚式でした。1年前に入籍していましたが、コロナが落ち着いて、ようやく今日を迎えたのです。綱町三井倶楽部という素敵な場所で、我が娘は式を挙げました。花嫁の父親は、生まれて初めて、娘とバージンロードを歩いたのです。リハーサルで、歩き方がロボットのようにぎこちなく、本番では、ちゃんと歩かないといけないと思うと、人生で何度も経験できないバージンロードウオークなのに、涙も出ません。(笑)

 

三井倶楽部では、1日1組の挙式なので、時間がゆっくりと進みます。都会の真ん中にやけに広い庭園があり、乾杯は、庭園で行われました。大正時代に建てられた屋敷のような建物です。

 

披露宴が始まって、花嫁の父と母は、ひたすらあいさつ回りに徹しました。長女が披露宴に招待したメンバーで、私が知っているのは、小中学校時代の友だちのテーブルだけです。そのほかのテーブルは、私が知らないところでの仲間やお世話になった人たちです。結婚式では、娘の人間関係をあらためて知る機会でもありました。そして、これからも、長くお世話になる人たちですので、「娘は、ちゃんと仕事をやっていますか?」など、話を聞きながら、親が知らない娘の姿を垣間見るのです。

 

披露宴では、できるだけ新郎新婦で、演出グッズを手作りしていました。座席表も、ネームカードも料理の献立表も、ウエルカムボードも手作りでした。実は、保育園の印刷機も活躍したのです。(笑)

 

父親としては、娘たちのこれからの人生を見守っていくだけですね。自分たちの人生は自分たちで切り開くしかありません。ただし、多くの人たちに助けてもらうことばかりです。そして、自分たちの力だけでは前に進めないことを謙虚に受け止めて、楽しく素敵な家庭を築いてもらいたいですね。

 

結婚式での神父さんが、本当に素敵な方で、二人に語りかける口調が優しくて、私も聞き入ってしまいました。神父さんが「愛」について、新約聖書「コリトン人への手紙」の一節を話してくれました。素直に受け止めてみてください。

 

『愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して耐えることがありません。』

 

長女の結婚式で、いまさら「愛」を考える、花嫁の父でした。そして、長女の成長にかかわっていただいた、本日参列のすべての皆様に感謝します。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。

2023年

4月

28日

フィンランドの教育

本日、見学に来た1歳女の子・・・エキゾチックで堀が深い顔立ちです。ママに聞くと、パパはトルコ人とのこと。トルコは、親日国としても有名ですが、イスラム教徒が多く、食事などの制限が多いのでは?とママに聞いてみると、「バリバリのイスラム教徒なら結婚できませんね。彼は、豚肉は食べませんが、祈りもしませんし、お酒もがぶがぶ飲みます。しゅうまいも豚肉入りと分からずに食べてしまいます」とのことです。日本で生活するうちに、少しずつ緩くなっていくようです。(笑)

 

さて、今日は「世界幸福度ランキング」で6年連続1位を獲得したフィンランドの話です。フィンランドは、男女平等の先進国としても知られ、一人一人の個性が尊重され、人生の選択肢の自由度が高いとされています。そんなフィンランドのすべての基盤は、学校教育にあるそうです。

 

フィンランドの教育は、0歳~6歳児対象の就学前教育に始まり、その後、小中一貫の基礎学校で9年間学びます。次に、大学進学を目的とする普通学校と、職業資格を身に着ける職業学校に分かれ、最終的に大学または専門大学で学びます。普通高校、職業学校までの期間が義務教育となるそうです。

 

仕組み自体は、日本と大きく差がないように思えますが、日本と大きく異なる点は、高校を卒業後、進学・就職を問わず、ほぼ全ての生徒が家を出て自活することです。そして、18歳になったら、学校や銀行からの連絡は全て本人にのみ通知されるなど、この段階までに自立の準備が進むのです。

 

家を出るために、学校では家庭科教育「ホームエコノミクス」で、実践的な生活スキルを身に付けます。①調理、食材の選定、テーブルセッティング②居住環境、掃除用具の手入れ③掃除、洗濯スキル・エコな暮らしや男女協働を学ぶ④家計、ローン、責任ある消費行動・・・などをみっちりと学ぶそうです。これで、「何とか自分で生きていける」という自信を身に付けさせるのです。

 

そして、一番大事にしているのは「生き方」に関するテーマを教科横断で広く深く学ぶのです。授業は、自分の強味を知ることから始まり、自分がどう生きたいか、どのような進路が向いているかを考えさせる内容だそうです。ここら辺は、知識を詰め込む割合が高い日本の教育と違うところですね。

 

そもそもフィンランドの教育は、特定の教科に限らず幼い頃から繰り返し「どう生きることが自分の幸せにつながるか」を問い掛け、考える時間を保障しているそうです。こうした時間の積み重ねが、国民の幸福度に寄与しているのでしょうね。

 

日本では、ようやく「自分で考える」ことが、教育現場に浸透してきましたが、フィンランドでは、ずっと前から「あたりまえ」のことなのです。

 

大丈夫…日本の若者だって、必ず変わっていきます。

2023年

4月

27日

ぼくは勉強ができない

今日は、真冬のような「クッキリ富士山」が見られました。もう5月になろうとしていますが、富士山はまだ雪景色です。子どもたちに「富士山がきれいだよ」と問う園長ですが、反応が薄いのはいつも通りです。富士山の景色よりも、遊びに夢中の子どもたちです。(笑)

 

今日は、山田詠美(えみ)さんの短編小説「ぼくは勉強ができない」をバイブルとして、若手の教員に薦める校長先生の話です。

 

山田詠美さんと言えば、デビュー作「ベッドタイムアイズ」が衝撃的でした。私も20代の時に読みましたが、六本木の外国人と次々と関係を持つ女性を描いた作品です。その後数年して、この「ぼくは勉強ができない」を発表します。

 

主人公は17歳の高校生です。主人公が小学5年生の時の回想シーンがあります。学級委員長の選挙の開票で、勉強ができない女の子の名前が呼びあげられると、担任が激怒したのです。主人公は自分が書いたと担任に明かし「どうして伊藤さんでは駄目なのですか」「勉強ができないからですか?」と問うのですが、担任は無視をします。答えられずに無視する担任に、主人公は「ぼくはこの時、初めて、大人を見くだすことを覚えた」と言うのです。怖いストーリーですね。

 

でも、今から30年以上前の学校です。「ここは学校だから、それは無理だ」という思考停止や「子どもは未熟だから教え込まなくては駄目なんだ」という思い上がり、「世間一般のモデルから外れたら苦労する」という思い込みが、当たり前の時代だっかもしれません。

 

この本は、それらを全部、主人公と、その母親、祖父がひっくり返してくれる内容です。すっきりします。

 

この本をバイブルとしている校長先生は、「お前は大丈夫か?お前の軸はずれていないか?」と、自問自答します。校長先生ですから、何十年もキャリアを重ねているのに、この本のメッセージは古びることなく、真っすぐに刺さってくるのだそうです。

 

教員に限らず、あなたが働く職場には、「なぜ?」と鋭い視線をくれる存在が必要です。「苦手なやつ」と思わずに、ありがたい存在としないといけませんね。

2023年

4月

26日

大きく高い壁

昨日の寺子屋では、30メートル走を行いました。寺子屋3番さんは、初めて30メートルの長い直線を走ります。途中で止まってしまう子がいなかっただけで合格です。寺子屋1・2番園児にとっては、順位が付きました。2着、3着の園児は、「〇〇君を目標にして1番を目指す」という明確な目標ができます。しかし、どんなに頑張っても足が遅い子がいます。「昨日までの自分より速くなるようがんばろう!」と声を掛けますが、運動嫌いにならないように「頑張ったね」の声掛けをしていきます。

 

そして、本日は「ピクニックランチ」を行いました。ママが作ったお弁当を屋上で食べます。あいにくの雨になってしまいましが、雨にあたらない軒下と、外が見えるエレベーターホールで、子どもたちのテンションは上がったままです。寺子屋3番は、初めてのピクニックランチです。しっかりと完食できました。

 

今日は、2004年のアテネオリンピックで団体金メダルを獲得した、男子体操キャプテンの米田選手の言葉を紹介します。アテネオリンピックは、まだ内村航平選手が登場する前の時代です。団体金メダルを決めた富田選手の鉄棒競技での「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」の有名な実況のセリフは、記憶に残るところですね。

 

米田選手は「目標に向かって頑張るために一番大事なことは、その目標への想いを持ち続け、達成のためにやるべきことを毎日続けることです」と言いました。これは、「継続は力なり」を実践することです。

 

そして、米田選手は現役引退後も体操教室、テレビ解説、そしてメンタルトレーナーとして、現在も活躍されています。メンタルトレーナーとしての素敵なメッセージを紹介します。

 

「就活・受験・仕事・・・夢や目標に向けて頑張りたいと思うとき、目の前に大きな壁のようなものが、必ず立ちはだかります。僕もたくさんの大きな壁と戦ってきました。しかし、そのほとんどは、自分自身が勝手につくり上げたもので、理想とのギャップや、他者と比較したりすることで生じる『見えない壁』だった、ということに気がついたのです」

 

どうですか・・・自分に当てはめると、思い当たることがありますね。勝手に、自分で壁を作っていては、なかなか前に進めませんね。冷静に自分ができることを考えて、前に進むことが大切です。

2023年

4月

25日

「フン」ではなく「うんこ」

今日も屋上ファームの土の中から、まん丸に成長した幼虫が出てきました。カブトムシではありません。カナブンだと思われます。そして、おしりに黒い「うんこ」がついています。本来虫ですので「フン」と言うべきでしょうが、子どもたちには「うんこ」が、一番わかりやすいのです。

 

「フン」ではなく「うんこ」とキッパリと言い切るのは、兵庫県にある伊丹市昆虫館で「むしのうんこ展」を企画開催する学芸員の角正(かくまさ)です。

 

なんだか、興味がわいてきましたか。キャッチコピーは「みんな、うんこをして生きている」です。展示ケースだけでなく、TOTOの協力で、陶器製のミニチュア便器を使って、その中にうんこを展示しています。なにしろ、子どもたちにとっては「うんこ」はパワーワードです。数年前に大きな話題となった「うんこドリル」シリーズは、2017年3月の発売以降、累計発行部数1千万部と今でも売れ続けています。

 

虫のうんこは、アジアの国ではお茶や漢方薬に使われます。柑橘系の葉を食べるアゲハチョウの幼虫のうんこは、ほんのりみかんの匂いがするそうです。日本でも、「うんこは、みんな大好きロマンあふれる素材。桜の葉を食べる蛾の幼虫のうんこを煮だした汁でもち米を炊いたら、桜餅ができる。しかもおいしい!」と言われます。

 

「むしのうんこ展」では、むしのうんこ染め体験を行っています。ツダナナフシという15センチほどの虫の乾燥させたうんこ150グラムをずんどう鍋に入れて数回煮だし、

スカーフを染めていくと、金色にも見えるもえぎ色に染まるそうです。

 

どうですか・・・虫のうんこの可能性を感じてもらいましたか。日本は人口減が続きますが、世界の人口はまだまだ、右肩上がりで増え続けます。食糧難を救うのは「昆虫食」と言われていますね。コオロギの粉末を使った食品が、「おいしい!」と認識されています。伊丹市昆虫館での「むしのうんこ展」は、5月8日まで開催されているそうです。覗いてみたいですね。

2023年

4月

24日

「接ぎ木」探求

相変わらず、保育園の「こびとブーム」が続いています。玉ねぎと長ねぎのねぎ坊主をこっそりと切り取って、「みんな・・・大変だ!こびとの『とうちん』があるぞ!」と声をかけると、「とうちんがあるということは、近くにこびとがいるに違いない」と、子どもたちのこびと捜索が始まります。『とうちん』とは、こびとの頭にある触覚みたいなもので、ねぎ坊主が、そっくりの形状をしているのです。

 

そんな屋上ファームでは、トマトやキュウリの苗を先日植えたばかりです。よく、ホームセンターなどで「接ぎ木苗」を売っているのをご存じですが。例えば、根を張ったかんぴょうの茎に、トマトの茎をつなぎ合わせると、つなぎ目がくっついて一つの植物(接ぎ木トマト苗)になります。

 

どうして、こんな面倒なことをするのか知っていますか。畑は、連作障害というのがあって、昨年トマトを植えた場所に、同じトマトを植えると、うまく育たなくなるのです。そこで、トマトとは種類が違う根を持つ茎を接ぎ木することで、連作障害を回避し、収穫量を確保するのです。トマトはジャガイモの仲間ですので、ジャガイモを収穫した畑の後にも通常のトマトの苗を植えると連作障害になります。

 

接ぎ木は、通常の苗よりも値段が少し高くなりますが、小さな土地で家庭菜園をする場合などは、この接ぎ木苗が力を発揮します。

 

接ぎ木のメカニズムは、どの植物も傷が付くと酵素を出して、細胞壁を構成する物質「セルロース」をいったん溶かし、つなぎ直します。この仕組みで、違う植物がつながることができるのです。

 

接ぎ木は、今までは似た種類の植物の組み合わせでないと、うまくいかないと言われていましたが、先日「奇跡の組み合わせ」が発見されたそうです。「タバコ」を接ぎ木に使用すると、たいがい成功するとのことです。

 

世界的な人口増加と異常気象で、食糧危機が深刻になっています。地球温暖化や塩害や乾燥などで土壌の劣化が進んでいます。「世界の農作地の4割は、すでに農業に不向きな土地になっている。未来に向けて、待ったなしの問題です」と専門家は語ります。

 

接ぎ木の技術は、例えば、乾燥地帯など厳しい土壌でも育つ植物に野菜や果物を接ぎ木できれば、砂漠でも収穫できるようになる。また、接ぎ木は、別々の植物が持つ長所を併用できるようになるそうです。組み合わせを工夫すれば、病気を防いだり、生産性を向上させたりすることも可能です。

 

今度、ホームセンターに行ったら、「接ぎ木苗」を確認してください。

2023年

4月

23日

人生は、宝物を探す旅

日差しが心地よい日曜日の朝です。今日は、犬一匹と山小屋生活を始めた小川糸(いと)さんの話です。彼女は、2008年に「食堂かたつむり」で小説家デビューしました。この作品は、英語・フランス語・中国語・韓国語・イタリア語・ベトナム語・スペイン語など多くの言語に翻訳されて世界中の人々に読まれた作品です。1日1客の食堂は、事前にお客様と面談をして、その想いをかなえる料理が提供されるというストーリーです。

 

私が好きな作品は、「ツバキ文具店」です。NHKでドラマ化されたこともあるので、知る人も多いと思いますが、文具店とは名ばかりで、祖母から「ツバキ文具店」を受け継いだ主人公鳩子は、美しい文章をつくりあげる「代書屋」です。どうしても言葉に表せない、心の奥底の思いを、最高の形で手紙にするのが、なんとも言えないのですが、とても心地よいのです。「手紙」というアナログなところもいいですね。

 

そんな小川糸さんは、標高1600メートルの山小屋で暮らしています。彼女の暮らしはこんな感じです。

 

「太陽が東の空から顔を出す少し前に起き出して、鉄瓶でお湯を沸かす。外はまだ薄暗い。急須に茶葉を入れ、熱湯を注いでしばし待つ。そして、朝日がのぼるのを見ながら、お茶を飲む。こんな時、私は自分がものすごく幸せだと感じる。朝焼けの空の色は、毎日決して同じではない。曇りの日には期待したほどの日の出に出会えないし、雨の日なら尚更だ。でも、毎日同じように完璧な美しい茜色の太陽を拝めたら、逆につまらないかもしれない。今日はどんな空の色と巡り合えるのだろうと、ワクワクする時間こそが、人生のご馳走だ。

 

空だけを見ても、たくさんのご褒美がある。夜空を埋め尽くす満天の星もその一つだ。見事なまでの星空と、地面に大の字に寝転がって対面する。なんて幸せなんだろう。空は、万人に与えられたもの。探せば、幸福はいろんなところに隠れている。

 

日々は、淡々と同じように過ぎていくけれど、少しずつ色や形を変えながら、私に宝物を与えてくれる。人生は、宝物を探す旅。これからも、穏やかに続けていく」

 

作家ゆえに、仕事場を選ぶことなく山小屋生活もできるから・・・なんて思わないで、私たちの生活の中でも、十分宝物を探す旅は十分できますね。

2023年

4月

22日

大事なことは変わらない

今日は「西高東低の気圧配置」・・・つまり、冬の天気図です。久々の北風ビュービューとなりましたね。そんな中でも、小学生男子3人が揃ったので、野球とドッジボールで屋上遊びは熱く燃えました。 

 

さて、最近は、民間のロケット打ち上げに関するニュースが続き、宇宙旅行が夢物語ではなくなってきました。人間の活動範囲が宇宙にまで広がりつつありますね。そんな中、20年以上前に描かれた幸村誠さん作の「プラネス」が注目されています。

 

舞台は、人類が日常的に宇宙空間で生活をすることが珍しくなくなった2070年代。主人公・星野八郎太(通称ハチマキ)は、地球の周囲を漂うスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収作業員として働いています。ハチマキの夢は、「自分の宇宙船を持つこと」で、そのために同僚の乗組員たちと共に、日夜危険を冒して作業を続けているのです。

 

ハチマキは、自分の理想を追求し、孤独に耐えるのが当たり前と考えていたのですが、同僚の言動や生死をさまよう事故を通して考え方が変わっていきます。作中でたびたび言及されるのが、限定された活動範囲の中で生きる人たちのものの見方や捉え方です。

 

例えば、ハチマキは「ノノ」という12歳の「月面人(月生まれ月育ちの人間)」と出会います。ノノは、低重力下で育ち地球の重力に耐えられない体であるために地球で暮らすことができません。しかし、ノノは自分の体の成長記録が宇宙で生活する人の病気の研究に役立っていることを誇りに思い、それを悲観的に捉えることはありません。ハチマキは、そんなノノの姿を見て「この誰にでも平等に無慈悲な世界をどう受け入れるか」について考えます。そんな人たちとの出会いの中で、ハチマキは「同じ物事をどのように受け取り、そして生かすかは、自分次第なのだ」と悟るのです。

 

この作品では、宇宙を地球と異なる全く新しい世界として描くのではなく、地球にいる自分自身を含めて全てが宇宙の一部であるという視点を強調しています。

 

今の子どもたちが、おじいちゃんおばあちゃんになる時ぐらいには、ひょっとしたらこんな世界が広がっているのかもしれません。人類の活動が宇宙にまで進出し、限りなくその範囲が広がったとしても、私たち一人一人が宇宙の構成物の一つであるように、大事なことは、今も昔も、そして未来も変わらないということです。

 

私のような昭和世代は、星空を見ては、はるかかなたの空間という認識を持ってしまいますが、あと何年か先には、違う宇宙が広がっているのでしょうね。

2023年

4月

21日

自分の色

屋上ファームで収穫した「新玉ねぎ」が、保護者と子どもたちに大好評です。5歳女の子のママが「お味噌汁と牛丼にしました」と連絡ノートに書いてあるのを読んで、思わず「おいしそうだな~」と思ってしまいました。子どもたちが、そのまま生でバクバク食べるようです。新玉ねぎには、ほのかな甘みがあって、本当に美味しいですね。

 

さて、私たちは、子どもに「自分の色」を持った人になるんだぞ。なんて、よく言いますね。個性を大事にという意味で使います。

 

今日は、「けやき」の木の話をします。この木は20メートルから30メートルの高さに成長します。ビルの6階から10階に相当する高さにまでなるので、古来中国では、「けやき」は、「大成する」や「出世」を象徴する木として扱われていたそうです。

 

「けやき」は、秋になると紅葉しますが、もみじが「赤」、イチョウが「黄色」のように、品種による色は決まっていません。けやきは、葉が赤になったり黄色になったり、その個体で色が違う大変珍しい木なのです。同じ場所にあっても違う色になるなど、それぞれの木が自分の色を持っているのだそうです。

 

奈良にある法隆寺は1400年もの歴史がある古い寺ですが、今日まで建物の修復を繰り返してきました。作業をする職人は、素材となる木を探して選び、適材適所に使うそうです。強い木ばかりではなく、柔らかい木、細い木、色合いなど、さまざまな木を必要な所に組み合わせることで良い修復ができるそうです。

 

どうですか、なんだか、人間と同じですね。一人一人の個性を尊重し、周りの人たちと生活をしていくのです。そのためにも、自分の「得意」や「好き」を見つけて、「自分の色」を持った人になりたいですね。

 

この話を子どもたちに、上手に伝えることが大切ですが、大人の私たちも「自分の良さは何だろう。自分の色は?」の答えをいつも考え続けないといけませんね。

2023年

4月

20日

「おいしい」はデータ管理

本日から、新しい先生の勤務がスタートしました。私と同じ世代ですので、決して若くはありませんが(失礼)、フットワーク軽く、さっそく子どもたちに取り囲まれていました。まずは、子どもたちの顔と名前を覚えるところからスタートです。保護者の皆様も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

さて、昔から伝わる「おふくろの味」は、厳密なレシピに基づいて作られるわけではありません。おふくろの長年のカンと経験で、おいしい味が守られているのでしょう。

 

一方で、「料理は科学」とも言われます。私が好きな濃厚なフランス菓子を提供する、親世田谷区尾山台本店と日本橋髙島屋だけでしか買えない「オーボンヴュータン」というブランドがあります。ここのオーナーパティシエの河田シェフは、「お菓子は科学」と言い切ります。素材の分量を正確に守ることで、「うちの味が守られる」と断言します。

 

この店がどれだけ凄いか。本店が水曜定休日なので、天下の日本橋髙島屋のデパ地下のショップも水曜日には、洋生菓子は並びません。髙島屋から「それでもうちに出店してくれ」とお願いした経緯があるからです。

 

そして、パティシエを目指す若者たちが「河田シェフのもとで修業がしたい。もちろん、給料なんていらない」と言って、昔で言う丁稚奉公のような仕組みがあったのです。今は、さすがに、きちんと給料を払っていると思いますが、夢を持った実力のある未来のパティシエが何人も集まってくるのです。

 

私は、「職人のカン」というのが好きですが、お菓子については、オーボンヴュータンの味を考えると、「科学なのかなぁ~」と思うのです。

 

洋菓子の世界同様に、巷ではおしゃれなカフェや増えていますね。スタバは圧倒的なシェアを築きました。コーヒーについても、職人が「豆の声を聴く」で、おいしいコーヒーを味わいたいものですが、どうやらコーヒーも科学のようです。焙煎の温度から火力から時間からすべてをデータで管理し、ほんの数秒の違いで、味が変わるといいます。

 

こうして考えると、「職人のカン」も、経験というデータから導き出されていると思うと合点がいきますね。

 

商売として、お客様に提供する場合は、データやマニュアル、レシピがしっかりあって、誰でも一定の味が出せる「科学」が必要になるのでしょうが、やっぱり、家庭の味は、科学でなく、おふくろやかみさんのカンがいいですね。その日によって、微妙に味が変わった方が「今日のおかずは、〇〇だなぁ~」と会話が増えるでしょう。

 

みなさんは、どう思いますか。

2023年

4月

19日

東秩父村の未来図(ミラクルズ)

今年度の年長園児のサマーキャンプは、7月29日~30日に行います。埼玉県にある「小川げんきプラザ」に宿泊するのですが、今日は研修会があったので、小川町まで行ってきました。半年間の改装工事を経て、トイレが抜群にきれいになり、全館LED照明になっていました。この場所で、11名の園児が親元を離れて、宿泊体験をします。

 

そして、今回の目玉として考えているのが、2日目の「体験実習」です。舞台は、東秩父村です。埼玉県にあるただ一つの「村」として知られています。かつてのサマーキャンプでは、ユネスコ世界遺産になった和紙作りの体験をしましたが、今回は、さらに楽しい企画を考えています。

 

昨年のクリスマス発表会の晴れ舞台を最後に、東秩父村へと旅立った4人家族が立ち上げたのが、未来図(ミラクルズ)という、築100年以上の古民家をリノベーションしてオープンさせたショップです。

 

主に、着物などの古着を再生して作った、バッグや小物を販売しています。ママがすでにミシンを使って、物作りをしているのですが、パパのネットワークがとても広くて、数名の職人とパイプを持ち、個性豊かな「世界で一つだけ」の商品を多く集めることができています。

 

本日、初めて訪問したのですが、店作りも素敵な和紙で障子替えをしたり、柱も塗りなおして、店主夫妻のこだわりが感じられる素敵なショップでした。おしゃべりが尽きずに、長居してしまいました。(笑)

 

東秩父村のショップに、多くのお客様が来店するのは、現実的に厳しいので、いかに「世界に向けて」個性的な商品をアピールしていくかが、これからの課題だと店主は言います。

 

店での売上は、全体の5%くらいで、残りの95%は、海外を含めたネットでの売上になるような、そんなイメージですね。ショップは、あくまでもショールームです。店主妻は、インスタグラムに凝った動画をアップしているので、じわじわと「着物リメイク」が広がっていけばいいですね。

 

さて、サマーキャンプ2日目の「体験実習」は、この「未来図(ミラクルズ)」にお邪魔して、はぎれなどの布を利用しての作品作りを行います。フォトフレームだってできるんです。店主ファミリーも大喜びで、ホワイトきゃんばすの子どもたちを迎え入れてくれます。

 

また一つ・・・サマーキャンプでの楽しみが増えました。

2023年

4月

18日

「戦争反対」とは言わず想像力で思わせる

屋上ファームが賑やかになってきました。今日は、寺子屋の子どもたちと、「きゅうり」と「ミニトマト」の苗をざっと36本植えました。想像力の高い園児は、夏のプールで、ミニトマトをつまみ食いして、きゅうりに塩を振ってガリガリ食べるシーンを思い浮かべていました。楽しみが広がります。

 

さて、今日の寺子屋では、ユニセフから届いたビデオ教材を子どもたちと一緒に見ました。「地球の子どもたち」では、満足に食事をとることができない子どもたち。学校に行くことができずに、子どもの頃から働く子どもたち。病気になっても病院がないところに住む子どもたち。水を汲むのに毎日何時間も歩き、土の味がする水を飲む子どもたち。毎日爆弾が飛んできて、ゆっくりと寝ることもできない戦場で暮らす子どもたち。など、日本では考えられない環境に暮らす子どもたちの姿を目にします。

 

実際にユニセフが使っている「命のメジャー」で園児の腕の太さを測ってみます。全員栄養満点です。保育園で一番痩せている5歳女の子でさえ、レッドラインの倍の太さです。保育園にある子ども用テントの支柱の太さがレッドラインですが、「こんなに腕が細い子どもがいるんだ!」とざわめく子どもたちです。

 

幼児向けのビデオ編集ではないので、途中で飽きてしまうかなぁ~と思ったのですが、ほとんどの園児が、集中して見入っていました。園長は、地球儀を片手に持ちながら、「世界」を伝えます。終わってからが、凄いことになったのです。4人の年長園児が園長と地球儀を囲んで、「今戦争が起きているところはどこ?」と戦争について食いついてきました。「なんで戦争をやめないの?」とまっとうな質問をしてきます。「世界の多くの人たちは、戦争は絶対にしてはいけないと思っているけど、世界のどこかで、必ず戦争が起きてしまうんだ。それはどうしてだと思う?」と、何だか、アクティブラーニングのような感じになってきました。問題意識の高い子どもたちに、園長は驚くばかりです。

 

戦争の話で思い出したのですが、あの「村上春樹」さんが、ラジオのDJをしているのをご存じですか。TOKYO  FMの「村上RADIO」という番組です。ロシアのウクライナ侵攻が始まって、昨年3月に「戦争をやめさせるための音楽」という特別版が放送されました。番組の中では、ダイレクトな「反戦歌」も流れたそうですが、村上春樹さんは、番組の中で「戦争反対」とは言わなかったそうです。

 

アーティストが戦争にどう向き合ってきたかを語りかけながら、リスナーの想像力のところで「人を殺すのはよくない」と思わせる内容に仕立てたのです。

 

私自身も「戦争を知らない子どもたち」として生まれたのに、保育園の子どもたちに、どのように「戦争をしてはいけない」を伝えるかを考えてきました。しかし、想像力のところで、相手に思わせるというやり方もあることに気がつきました。

 

今日の園児たちとのアクティブラーニングでは、園児一人一人の想像力が、頭の中で大きく膨らみました。あとは、子どもたち自身が考えることが大切なのかもしれません。

 

「想像してごらん」を使ってみませんか。

2023年

4月

17日

思い出の昭和文化

屋上ファームで冬を越して大きくなった「玉ねぎ」を収穫しました。子どもたちが抜くには、少し力が必要ですが、コツをつかんだ園児は、一人で何本も引っこ抜きました。今日の子どもたちのお土産です。新玉ねぎですので、薄くスライスして水にさらして、かつお節をかけて、そのままサラダで食べたいですね。もう一つ、「絹さやえんどう豆」も本日が初収穫です。バケツにいっぱい収穫しました。

 

さて、昭和30年代の「お茶の間」にタイムスリップします。令和の時代は、リビングと言うのでしょうか。「お茶の間」という言葉も死語ですね。

 

昭和30年代は、「家電とインスタント食品の普及期」です。敗戦後の奇跡の復興を経て、生活が近代的になっていく10年です。白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機が「三種の神器」と言われました。食品では、ラーメンやコーヒーなどのインスタント商品が普及します。昭和39年は、「東京オリンピック」と「東海道新幹線」で一気に世界へアピールしました。

 

昭和40年代は、カー、クーラー、カラーテレビの「3C」が普及します。そして、「物に付加価値をつける時代」に突入します。凝ったデザインの商品が登場し、おまけ付き商品などで購買意欲をかきたてます。流行語や広告キャッチコピーが増加したのも特徴的で、「大きいことはいいことだ」「はっぱふみふみ」などが流行します。47年には海外旅行客が100万人を超えました。

 

昭和50年代は「エレクトロニクスの時代」です。電卓、ビデオデッキに、ウオークマンなどの日本の技術が世界を席巻しました。ビデオでテレビを録画することは革命ですね。シャワーの普及で「朝シャン」など、清潔さに対する考えも変わりました。

 

昭和が終わる60年代にはコードレス電話やCDがヒットし、アナログからデジタルへの大転換期を迎えます。

 

どうですか・・・昭和30年代から、ざっくりと昭和文化を振り返ってみました。懐かしい思い出がいっぱいですね。高度成長期は、「みんなと同じもの」を求め、みんなと同じことで心も安心する時代だったのが、昭和の終わりから平成にかけては、「自分らしさを

楽しむ」・・・もっと進んだ人は「もう一人の自分を楽しむ」という考えの人も出てきました。「24時間戦えますか」から「オンとオフを切り替える」時代になりました。

 

令和の今・・・さらに多様性が進んで、個々の生き方が尊重される世の中へと進んでいます。保育園の子どもたちが、大人になるころには、日本の人口がさらに減り、AIの世界がどのように進化しているのか。また、「人間」の役割がより明確な時代になっていることでしょう。すでに、5年後の未来ですら、誰も言い当てることができないですね。

 

子どもたちが、身につけなければならない力は、「変化に対応する力」なのかもしれません。もちろん、私たち大人もですね。

2023年

4月

16日

「みなしごハッチ」の真実

保育園の屋上では、虫アミを持って「クマバチ」を追い求める子どもたち。動きがあまり速くないクマバチは、子どもでも簡単に捕まえられます。屋上に飛んでいるのは、オスですので、刺されることはありません。

 

私が子どもの頃に、「みなしごハッチ」というテレビアニメがありました。私も、その切ないストーリーに感情移入したものです。みつばち王国の王子・ハッチが主人公で、彼がまだ卵の頃、巣がスズメバチに襲われ、母と生き別れになってしまいます。少年のハッチが母を探し、旅をするというメルヘン仕立てのファンタジーです。

 

しかし、この物語は、生物学的なミツバチの生態としては、全くあり得ないことだそうです。

 

巣の中で越冬したミツバチたちは、春になると女王蜂は産卵を再開し、働きバチも活動を開始します。働きバチはすべてメスで、野原へ飛び立ち蜜を集めます。こうして、巣の中でハチの個体数が増えてくると、女王蜂の産んだ卵のうち1つが「王台」と呼ばれる特別な大型の巣穴に運ばれます。この卵から産まれた幼虫には、特別なえさが与えられます。ロイヤルゼリーです。これを食べた幼虫が次の女王蜂になります。働きバチになる卵と女王蜂になる卵は、遺伝子としては全く同一なのに、エサの違いで運命が変わるのです。

 

新しい女王蜂が誕生する前後、前の女王蜂は働きバチのうちの半数を連れて巣をあとにし、新しいすみかへと旅に出ます。これを「分蜂(ぶんぼう)」と言います。古い巣は、スズメバチなどの外敵の襲来にも耐えた安全な住まいなので、新たな女王にこれを譲るのです。

 

いったい、オスはいつ誕生るんだ!?と思いますね。分蜂の少し前、前女王はオスになる卵を少数産みます。そして、時期が来ると、新しい女王蜂はかえったオスと結婚旅行に飛び立ちます。しかし、女王は同じ巣のオスとは交尾しません。オスは、違う巣の女王と交尾するのです。これは、近親婚を避けていると考えてられています。

 

女王蜂は、その後も何度も複数のオスと交尾を繰り返し、体内に精子を溜め込みます。巣に戻った女王蜂はこの精子を小出しに使いながら、以降数年に渡って卵を産み続けるのです。

 

つまり、テレビアニメのように、オスのハチが母(女王)を訪ね歩くなんてことは現実には決して起こらないのです。オスのハッチの役割は、女王蜂の遺伝子をほかの女王蜂に手渡すこと。つまり、「遺伝子の使い走り」というわけです。その役割を終えればすぐに死が待っています。

 

ミツバチのオスの人生を「はかない」と思うか「あっぱれ」と思うか・・・あなたが決めてください。(笑)

2023年

4月

15日

脱!しあわせ迷子

今日は、雨の土曜日となりましたので、久々に「ショッピングセンター探検」を行いました。人気の売場は、おもちゃ売場とお菓子売場です。小学生が、園児たちに「このおもちゃは〇〇」と解説してくれます。ビックリしたのは、ドローンが売っていました。小学生の男の子は、誕生プレゼントにドローンをリクエストするそうです。

 

さて、今日は、「幸せとは何か」を知るために世界中を旅した堂本有美さんの「脱!しあわせ迷子」という本を紹介します。堂本さんは「これは誰を笑顔にするためにやっているのだろう?誰が喜んでいるのだろう?」という疑問でいっぱいになり、「私は、もっと好きなことをしたい。でも、このままでいいのだろうか?」と考えます。そこで、旅に出たのです。

 

〇好きなことを仕事にするのが当たり前のフィンランド

〇幸せは自分次第と気付いたスウェーデン

〇徹底的に個人を尊重するデンマーク

〇自分本位に生きて心に余裕を持つオランダ

〇自然と向き合うドイツ

〇陽気で明るいスペイン

〇隣人と会話するガーナ

〇自分の立ち位置を理解したウガンダ

〇多様で新日の国トルコ

〇歴史の積み上げや教育は人を裏切らないと強く感じたイスラエル

〇車を持たず争わないコスタリカ

〇志高く今を楽しく生きるキューバ

〇家族や人と強くつながるメキシコ

〇オンリーワンを追求するUSA

〇多様性を強みと考えるカナダ

〇無理をせずマイペースに生きるオーストラリア

〇「ありがとう」を送り合うフィジー

〇大自然と共存するニュージーランド

〇変わり続けるシンガポール

〇真面目にまっすぐに生きるベトナム

〇気負わずに生きる台湾

〇国民がお金に困らない国UAE

 

どうですか・・・ちょっぴり世界旅行をした感じになりましたか。価値観や考え方の違いを体感することで、幸せについての考えが広がりますね。どこに幸せを感じ、どう行動するかは本人次第ですが、幸せのヒントは、世界の国々の人たちからもらえるような気がします。

 

しかし、「好きな道に進めばいいと言われるけれど、好きな道をどうやって見つければいいのだろう?」と疑問を持つ若者は多いですね。「自分が幸せかどうか、結局は自分次第だよ」なんてことは、わかっているけど、それが、見つからないのが若者です。そんな、若者への道しるべになるような本です。

2023年

4月

14日

どんな困難も逃げない

体操教室では、年少園児の動きが、ぎこちないのがたまらなく愛らしくなります。「体操すわり」もままならない3歳女の子・・・やる気はあるんですが、全くついていけません。今日は、鉄棒を基本からみっちり指導を受けたのですが、まだまだ伸びしろだらけの子どもたちです。(笑)

 

さて、昨年のサッカーワールドカップから、3月のWBCなど、スポーツの世界では、脚光を浴びるスターたちがメディアを騒がしていますが、プロの選手とはいえ、多くのアスリートが、残念ながら脚光を浴びないまま姿を消しています。

 

プロバスケット選手として8年間の生活を終えたAさん。第2の人生として、企業の面接に臨んだそうです。「今まで一番の成功体験は?」と聞かれ、「インターハイで準優勝し、ベスト5の選手として選ばれたことです」と答えたそうです。

 

しかし、本音は「プロとして過ごした最後の1年」であったそうです。プロ生活に区切りをつけると決めてから、「どんなにつらくても楽しんでプレーしよう」と誓い、練習に励み続けたそうです。自分への誓いがプラスとなり、試合で大活躍となれば美談ですが、プロの世界はそんなに甘くありません。実際は、一度も起用されることなく引退を迎えたのです。

 

Aさんは、「どんな状況に置かれても楽しんでプレーすると決め、それをやり遂げた自分と出会えた。強くなった自分はこれからどんなことでも耐えていける。だから、あの1年が最高の成功体験です」と話してくれました。

 

彼は、民間企業で第2の人生をスタートさせます。世の中には、あまたの職業がありますが、どんな職に就いても、本質はたった一つ、「人を喜ばせること」とよく言われます。医者は病気を治し、ネイリストは爪を綺麗にして人に喜んでいただく。自分自身がスポットライトを浴びるのではなく、相手がスポットライトで輝くように努力する。

 

Aさんのような、強い精神力を持つことは、なかなかできないかもしれませんが、人生の多くは、失敗と挫折の連続です。でも、これを「成功体験」に変えることができるなら、人生も楽しくなりますね。

2023年

4月

13日

野菜をもっと食べる

昨日の菜の花のタネ集めは、子どもたちのワクワクを引き出したようで、今日もタネを黙々と集める子どもたちです。そして、ファームでは、とうもろこしのタネまきをしました。7月のプールの時に、とれたてをゆでて食べる計画です。最高においしい!となるでしょう。

 

そんなことで、屋上ファームは、これから夏野菜の準備に入っていきます。子どもたちが、野菜にかかわる時間が増えていきますが、世の中の子どもたちは、必ずしも、しっかりと野菜を食べているわけではありません。

 

大手食品メーカーのカゴメと東京都町田市の教育委員会がタッグを組んで、小学生の野菜摂取量を増やすための授業をスタートさせたそうです。

 

町田市は、平成30年に厚労省が実施した国民健康・栄養調査で、野菜の摂取量が全国平均を下回る結果となったことがきっかけで、器具を使って、子どもたちの野菜摂取量を確認する活動をスタートさせました。カゴメが提供する器具は、野菜に含まれる色素の「カロテノイド」が皮膚にどの程度備蓄されているかを測定し、おおよその野菜摂取量がわかるという仕組みです。

 

鶴川第三小学校では、1月から3月にかけて、4年生と5年生で実施しました。事前のアンケートでは、約25%の児童が、「野菜は苦手・どちらかといえば苦手」と答えたのですが、野菜の働きを学習するなど、各自で「苦手な野菜に挑戦する」「朝ごはんでも野菜を食べる」などの目標を立てて取り組みました。

 

結果は、全てのクラスで数値が改善されたそうです。数値化されるというのは、子どもたちにとっても「がんばろう!」という気持ちになるようです。

 

この取り組みは、その後子どもたちによって発展しています。4年生は、野菜を食べる大切さを知ってもらうポスターを作りスーパーに掲示します。5年生はタブレットを活用し、動画を作成し、近隣の学校などに配信したそうです。

 

保育園では、同じ野菜でも、「自分たちで収穫した野菜」と「スーパーで買った野菜」では、食欲に大きな差が出ます。町田市の取り組みも、子どもたちのモチベーションを上げる方法に成功しました。

 

「野菜は体にいいんだよ。野菜を食べないと病気になるよ」の言葉だけでは、子どもたちの野菜嫌いは解消しません。大人の知恵が必要ですね。

2023年

4月

12日

チャットGPT

今日は、5歳女の子が登園するなり「園長先生・・・今日は大変なことが起こります。すごい風が吹いて、黄色い砂が飛んできて、目に入ると目がつぶれてしまいます」と、かなり興奮気味です。屋上遊びでは、黄砂は確認できませんでしたが、台風並みの強風です。でも、素敵な観察ができました。菜の花に細長い「さや」があるのを発見しました。「これは何だろう」ということになり、開けてみると、小さな種が詰まっていました。小松菜の種です。「こんなところに種ができるんだ!」と、学んだ子どもたちです。

 

さて、先日のブログで「チャットGPTが凄い」の話をしました。小学生の読書感想文があまりにも完成度が高いので、担任が「これは、おうちの人に手伝ってもらったのかい?」と聞くと、「いいえ、チャットGPTでやりました」という内容です。

 

あれから、日本中が、アメリカの新興企業「オープンAI」が開発した、チャットGPTの活用法の議論で盛り上がっています。

 

京都大学の金丸准教授は「アカデミックな文章としてほぼ直すところがない。大学1・2年生の学習者の能力を上回っている」と、3月末に行われた国立情報学研究所のシンポジウムで発言しました。教授によると「より洗練された学術的文章に書き直してください」と丁寧に指示を出せば、平易な単語だけではなく学術的な語彙も使うようになり、レベルの高い文章が書けることも紹介しています。

 

チャットGPTの凄いところは、指示を入力すると、1つの模範回答だけでなく、様々なパターンの回答を瞬時に示すことです。それをチョイスするのは人間です。今のところ、チャットGPTは、13歳以上18歳未満の利用には、保護者の許可が必要ですが、拘束力はありませんね。

 

チャットGPTの登場で、文章の翻訳や添削にかかわる仕事がなくなるかもしれません。そして、生徒・学生にとっては、身近な学習の伴奏者になりうる一方、その翻訳や文章作成の高い能力は、生徒・学生の学習意欲をくじいてしまう恐れがあります。そもそも、自分で考えなくなりますね。英語教師は「英語学習を楽しみながら積み上げていく生徒と、学習過程をとばして、英語翻訳の成果に直接手を伸ばそうとする生徒に二極化してしまう」と危惧します。

 

なんだか、AIがもたらす成果と弊害ががんじがらめになっているような状況ですね。生徒や学生が、チャットGPTを使うか使わないかで、大きな差が出てしまうことは間違いありません。教員が言語能力の評価をつけることが困難になりますね。

 

便利を追求することで、自分の頭で考えなくなるという展開は、何とか止めないといけませんね。どうするものか!?

2023年

4月

11日

客数から満足度へ

 今日の屋上は、暖かいこともあって、「クマバチ」ブンブンです。年長男子は、「2匹捕まえた!」「俺は3匹だぞ!」と、虫アミでゲットした数を競っています。もちろん、キャッチ&リリースです。そして、インゲン豆の種を蒔きました。初夏には、バケツ一杯の収穫となります。ファームでとったインゲン豆は、野菜嫌いの子どもたちもバクバク食べるのです。

 

さて、先日5歳女の子が、東京ディズニーランドに遊びに行ってきました。おしゃべりではない彼女が、「トゥーンタウンでミニーに会ったんだよ!・・・」とマシンガントークです。ものごころついた年齢では、今回ディズニーデビューだったそうです。

 

保育園の連絡ノートでは、ディズニーランドやシーに行くと、必ず詳細の報告があります。ママも少し興奮気味です。そして、「今日が我が子のディズニーデビュー」というパターンが多いです。

 

そんな、ディズニーランドを運営するオリエンタルいランドは、コロナ禍をきっかけに、入園者数を追う戦略から、満足度を高めて収益を確保する戦略への転換を図っています。

 

私がまだ小さい我が子たちを連れて、ディズニーランドに行っていた時は、まだファストパスの制度もなかった時で、2時間3時間待ちのアトラクションに、「夢の世界だけど、ここだけは行列の店みたいで現実だ!」と嘆いていました。また、クローズ前のショップは、お土産を求めるゲストで、レジは大行列・・・ここも、夢の世界ではなかったですね。

 

オリエンタルランドは、感染者数が落ち着いている現在も、あえて入場者に上限を設けています。来年度の入場者数も2600万人程度と、コロナ前の2018年度の約8割に設定しているそうです。

 

入場者を制限せざるを得なかった2020年~2021年度は、一人当たりの売上高が1万3千~4千円台だったそうで、2019年度までの1万1千円を大きく上回っています。チケット料金の値上げ効果だけでなく、入園者がより多くのお金をグッズ購入や飲食費に充てるようになったことが要因です。ゲストは「以前は混雑でゆっくりとグッズも買えなかった。入園制限でアトラクションもたくさん乗ることができた」と喜びます。

 

オリエンタルランドは、「客数を追い求めるだけではダメだとコロナ禍で気づかされた。混雑を緩和することでゲストの体験価値向上に努めたい」と話します。

 

私が入社間もないころに、電通出身のプランナーの研修に参加させていただいたことがありました。ソニーのウォークマンを企画した一人です。その先生から、「売上=客数×客単価だ。客数を上げる戦略と客単価をあげる戦略の両方考えないといけない」と教えられました。そして、「値引きをして客数を増やすやり方は、誰でも考えつくこと。いかに商品の付加価値を上げることが大事だ。例えば、この1本100円の水をどうやったら200円で売ることができるか。それを考えなさい」と言われた時には、「そうだ」と素直に思ったものです。

 

まずは、ディズニーランドの付加価値として「混雑がなくなって、ゆっくりと夢の国を楽しむことができる」を確立させるのです。新パレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」もスタートしますね。

 

これから少子化、人口減が現実となる日本では、客単価をあげる付加価値を考えることが重要になってきますね。

 

はい。保育園ホワイトきゃんばすでも、常に「付加価値アップ」を考える園長です。(笑)

2023年

4月

10日

おめでとう!「入学式」

今日は、多くの自治体で、小中学校の「入学式」が行われました。さいたま市では、午前が中学校で、午後が小学校です。たまたま、昼に郵便局に行く用事があったのですが、入学式を終えた中学1年生がぞろぞろと歩いていました。制服がピカピカなので、すぐにわかります。

 

そして、午後の小学校の入学式を終えた卒園児6名が、保育園にやってきました。いつの間にか、ホワイトきゃんばすでは、入学式が終わると、「保育園集合!」という習慣になっています。教室内は、先生たちや在園児から「おめでとう!」の声が広がります。

 

色とりどりの真新しいランドセルを見ると、何だか、気持ちも新鮮になります。「1年〇組になったよ。担任の先生は、〇〇先生だよ」と、小学校の話を聞くのは、いいものですね。保護者の皆様も集合していただき、今日は、パパもお休みを取って、我が子の入学式に参加しました。出席する保護者の人数制限がなくなったので、本当によかったです。

 

5歳男の子には、さっそく、通学班で一緒に登校する、小5と小6の女の子が、取り巻きがついていました。イケメン男子を追いかける、年上の女子たちです。新1年生6人は、園児たちと写真を撮ったりしながら、ついこの前まで通っていた保育園で、まだまだ我が家のように過ごしています。

 

これからも、土曜日の学童など、ずっと保育園と縁が続きます。小学校での様々なことをマシンガントークしてくれるのでしょう。(笑)

 

そして、もう一人、この春中学生になった女の子が、入学式を終えて保育園に挨拶に来てくれました。1歳からホワイトきゃんばすで過ごし、小学生になっても、土曜日に登園して、多くの園児たちがお世話になった先輩です。上尾市の中学校に通います。何と、身長は163センチとなり、園長以外の職員は、みな追い抜かれてしまいました。園長が抜かれる日も、もうすぐです。陸上部かバレー部に入部することを決めているようで、保育園の時から、明確な目標をもった女の子でした。

 

保育園ホワイトきゃんばすの第一回卒園児が、この春は中学校3年となりました。園長は、卒園児たちが続々と20歳となって、一緒にお酒を飲みたいと思っています。まだ少し先です。(笑)

2023年

4月

09日

山暮らし30年の「仙人」

名古屋から車で2時間半。三重県の秘境、大杉谷の登山道近くに「大杉谷の仙人」と呼ばれる男が住んでいます。巽(たつみ)さん74歳です。

 

彼は、高校2年の夏休みに初めてこの大杉谷登山道を歩いたそうです。多様な生き物を育む原生林、巨大な岩壁、深い谷を見下ろすつり橋・・・何より天から流れ落ちるような落差135メートルの千尋(せんひろ)滝に目を奪われ、「こんな自然の中で暮らしたい」と感じたそうです。

 

高校卒業後は、名古屋市内の物販会社などで働くモーレツ社員だったようです。私よりもひとまわり以上年上ですので、時代的には、バリバリの昭和モーレツ社員だったのでしょうね。

 

巽さんは、40歳を過ぎたころ、「人生80年。残り半分は自分の好きなことをしよう」と思い立ち、水力発電所の寮だった建物を購入し、1992年、旅人をもてなす大杉谷山荘の経営を始めたそうです。「金の豊かさより、心の豊かさを優先した。山で暮らしたいという気持ちがそれだけ強かったということや」と話します。

 

常連客も多かったそうですが、2004年9月の台風21号で山荘前の道路も土砂で埋まり、経営をあきらめざるを得なくなります。今は、年金が主な収入源で、観光ガイドをしながら暮らしています。

 

もちろん、本物の仙人のように「カスミ」を食べて生きているわけではありません。週に一度は軽トラで片道1時間かけて買い物に出かけます。山荘周辺は、農作物の自給自足は難しいようです。「仕事に追われ、家でもスマホが手放せず、脳が休まる暇もない都会の人たちに、ストレス解消に美しい自然を見ながらボーっとする時間が必要だと伝えたいね」と言います。

 

ちなみに仙人もガイドの仕事があるので、スマホを持っています。しかし、通信圏外で暮らしているので、通じる場所まで買い物に出た際に、まとめてメッセージをチェックしているそうです。

 

「ガイドは100歳まで続ける。俺は好きでここに住んどるんやから、山を下りようと思ったことは一度もないし、生活に不安を感じたこともない。死ぬまで大杉谷で暮らすつもりや」

 

便利な生活を手に入れることも不便な生活を楽しむことも、人それぞれのライフスタイルですね。SNSでは、多くの人が自分のライフスタイルをかなり盛ってアピールしています。それを見て、あせり、「私もこんな生活がしたい」と思ってしまうこともあるかもしれません。

 

でも、「他人にとらわれないで、自分の生き方や幸せを自分で見つけなきゃ!」と思う人が、増えてきたように感じますね。

2023年

4月

08日

カエル研究

今日の園長の課外授業は、「おたまじゃくし採集」です。小学生4人が夢中になって、ざっと100匹ぐらい集まりました。まだ生まれたばかりのおたまじゃくしですが、屋上で、カエルになるまで子どもたちと観察します。楽しみですね。

 

ということで、今日はカエルの話です。東京オリンピックで日本女子ボクシング史上初の金メダルを獲得した入江聖奈さんが、この春、日本体育大学を卒業しました。彼女のカエル好きは有名ですね。入江さんのカエルとの出合いは高校生の時で、自転車の運転を誤ってアジサイの葉にぶつかってしまったそうです。その瞬間、目の前でアオガエルがぴょんとはねたのです。

 

「初めてマジマジとカエルを見て、うおー可愛いってなりました。野生のカエルなので、痩せて骨ばっている感じや、カエル特有の歩き方とか、目がきゅるきゅるしているところも。カエルのすべてに心を奪われたっていう感じです」と入江さんは語ります。

 

そんな彼女は、今春から東京農工大学大学院でカエルの研究に挑みます。本当に、カエル好きが転じて、ボクシング界とサヨナラして、新しい道に進むのです。金メダリストですので、ボクシングの道に残っていれば、将来の安定は保証されていたのに・・・と思う人も多いでしょう。でも、「自分が決めたことなので突き詰めたいと思います。ボクシングを続けていると、金メダリストの称号があるおかげで、そっちに甘えちゃいそうで・・・逃げ道を作らないためにも、ボクシングは区切りをつけようと思いました」と言います。

 

どうですか・・・「もったいない!」なんて言わないでくださいね。

 

「研究者の道は、誰もが目指してなれる職業ではないと思います。それでも、カエルが好きだからこそ守りたい。それに寄与できる研究者になりたいですね」と言う入江さん。今は、ヒキガエルの繁殖期なので、入学前ですが、調査を始めているそうです。

 

入江さんの新しい人生に注目です。カエル研究の第一人者になってほしいですね。

2023年

4月

07日

子ども情報の引き継ぎ

今日は、今年度初めての体操教室です。寺子屋3番の年少園児にとっては、憧れの体操教室初挑戦となりました。真っ白な体操着が、ピカピカに光っています。先生に少しだけ手伝ってもらって、体操着に着がえました。初めてのエアトランポリンに、サーキットトレーニングは、なんとか先輩たちに追いつこうと頑張りました。今日は、おうちに帰って、体操教室の話が止まらないでしょう。(笑)

 

さて、さいたま市の公立小中学校は、4月10日が入学式です。各小中学校の先生たちは、旧担当から引継ぎを受けているかもしれませんね。皆さんもお仕事で、引継ぎをした経験は多いと思いますが、どこまで引き継ぎますか?

 

私の営業マン時代の経験では、若い頃は、「〇〇百貨店の〇〇さんは、□□は得意だけど、△△はまったくできない」などなど、詳細の情報を詰め込むように次の担当に引き継いだ記憶があります。私自身も、多くの情報を得て、先入観を持ったまま、担当店の店長と「はじめまして」の経験をよくしました。

 

しかし、実際に仕事を一緒にしてみると、事前情報と違うことが多かったですね。そんな経験から、私の引継ぎは「色々と私の主観情報を言うと、先入観を持ってしまうので、実際に自分の目で確かめて」と、あっけないものになりました。「家庭の事情」など、知っておかなければならないこと以外は、短い内容でおしまいです。

 

小中学校の担任なら、クラス全員の情報をいち早く知りたいという気持ちもあるでしょうが、「〇〇ができない」「この子は〇〇でない」「〇〇が苦手」という情報を引き継がれることによって、子どもにレッテルを貼ってしまうことにもつながります。

 

「リーダーシップがある」の意味は、先頭に立ってみんなを引っ張るタイプもあれば、全体が見えてみんなを陰で支えるタイプもあります。「リーダー」の定義も先生によっては、微妙に違うのです。

 

私の長いサラリーマン経験から言えることは、「人物についての詳細の引継ぎは不要。自分の目で確かめるべき」ということですね。これは、一般企業だろうが、学校の子どもたちであろうが同じです。

 

保育園ホワイトきゃんばすは、異年齢保育の環境かつ、全ての先生がすべての子どもたちを見守っています。先生たちも人間ですので、微妙に一人一人の子どもへの見方が違ってきます。私が気がつかないことを他の先生が知っていることもあります。子どもたちにとって、多くの先生に見てもらうことは、自分への見方が一つに偏らないことにつながります。子どもを1つの枠にはめない保育ができます。

 

「子どもたち一人一人が違う × 先生たち一人一が違う」の掛け算では、数えきれないくらいのパターンが生まれるのです。

 

ということで・・・今日の結論は「引き継ぎは、ほどほどに・・・」です。

2023年

4月

06日

春が来た!

今日は、教室内に土俵を作って、相撲大会をしました。相撲大好きの男女が集まります。3月まで絶対王者だった男の子が小学生になったので、新たな5歳男の子のチャンピオンが誕生しました。彼を目標に、他の園児も頑張っています。

 

さて、保育園の朝の会では、春の新曲を子どもたちが歌っています。「めだかの学校」「春がきた」が大きな声で響いています。「♬~春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒の じょじょはいて おんもに出たいと待っている~♪」をご存じですか、「春よ来い」の歌詞ですね。これは、豪雪地帯で知られる、新潟県の糸魚川市出身の作者が、娘の様子を見て作詞したそうです。

 

4月に入ると、屋上は、まさに「春満開」です。カメたちが元気にエサを食べ、クマバチがヘリコプターのように飛んでいます。モンシロチョウが舞い、えんどう豆も小さな花を咲かせ、ジャガイモの芽も出てきました。保育園の子どもたちは、「おんも」に出て、五感をフルに働かせて、元気に遊んでいます。

 

「三つ子の魂百まで」という言葉は、3歳ごろまでに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。というような意味で使われます。双子とか三つ子ではありません。これは、乳幼児期に人格形成の基本が出来上がるということで、科学的にも証明されているそうです。子どもの脳は、6歳で大人の90%の大きさになります。体は、小さいですが、「脳」は立派な大人なのです。

 

保育園の屋上には、生き物だけでなく、草花がたくさん咲いています。畑の野菜もグングン育っています。子どもたちの「好奇心」や「探求心」は、刺激を受けてどんどん育っていきます。まさに、子どもたちにとっては、この経験が「三つ子の魂百まで」となって、人格形成に影響するのでしょう。

 

「春」を感じて、夢中で遊ぶ子どもたちを見ているだけで、私たち大人も元気になるのです。(笑)

2023年

4月

05日

日本酒学

4月から、新しく寺子屋さんになった、3歳児の年少園児たち・・・寺子屋になると、自分のことは自分でできるようになってもらいます。お帰りの支度は、今日で3日ですが、まだまだ先生が教えないと、大変なことになってしまいます。個人差があるので、先輩を見て自分でできる園児もあれば、やってもらうのが当たり前の園児もいます。早く慣れて、頑張ってもらうしかありませんね。(笑)

 

さて、今日は日本酒の話です。昨日は、キンメダイが、格安で手に入ったので、上さんに煮つけにしてもらいました。お酒は、もちろん純米酒です。日本酒と言えば新潟県が有名ですね。全国最多の89の酒蔵があります。そんな新潟にある「新潟大学」には「日本酒学センター」があります。

 

「日本酒学」という学問は、私は初めて聞きました。仕掛け人の岸准教授は、新潟県内の酒蔵を巡り、「日本酒を軸にすれば、発酵や醸造、流通はもとより、歴史、健康、マナーなど幅広い分野を総合科学として捉えられるのではないか」と考えました。

 

県と県酒造組合に提案し、新潟大学との3者で連携協定を結び、2018年に「日本酒学センター」が発足したそうです。

 

「製造方法の基礎」「アルコールと脳」「日本酒と税金」「日本酒と料亭・花街の文化」「酒蔵巡り」「利き酒体験」などなど、日本酒から、歴史や文化までも学ぶ内容になっているようです。

 

ワインの世界的研究拠点であるフランスのボルドー大学やアメリカのカリフォルニア大学にはワイン学部があります。これらと、新潟大学は交流協定を結び、国際的なネットワーク作りも進めているようです。岸准教授は「ここを日本酒学の世界的な知の拠点にし、ここで学ぶことが一つのステータスになるようにしたい」と語ります。

 

私は日本酒が大好きですが、世界中の人々が、ビールやワインやウイスキーのように、当たり前に、日本酒を飲む習慣はありません。複雑で特殊な醸造過程から生まれる日本酒の魅力を世界に向けてどんどん発信してもらいたいですね。

 

若者が、日本酒に興味を示し、誇りを持って、うんちくを語りながら飲む姿が見えてきました。

2023年

4月

04日

入社式 正常に近づく

今日は、「ミドリガメのおうち」の掃除をしていると、冬を乗り切って元気に泳ぐ赤ちゃんミドリガメを発見・・・1歳女の子が、勇気を出してカメをつかみました。エサもバクバク食べています。

 

さて、昨日は、多くの企業で入社式が行われました。マスクを着用せずに出席する新入社員が目立つなど、コロナ禍から正常化に向かう姿が見られたようです。ある調査では、入社式を対面で実施すると答えた企業は81.2%で、前年よりも大幅に増えてそうです。

 

入社式でのトップのメッセージは、やはりリモートよりも対面の方が響きますね。今日は、何人かのトップのメッセージを紹介します。

 

「学生から社会人になるのと並行して、社会の大きな変化に直面した世代は多くない。この経験は、皆さんにとって将来の大きな財産になる」

 

「便利になったリモートの活用も重要だが、現場で現物を見て現実を認識したうえで物事に取り組むことが非常に重要だ」

 

「世界的なインフレの加速など深刻で複雑な課題に直面している。新たな取り組みが必要な今こそ、「するべきこと」を考えてもらいたい」

 

「これまでは人間にしかできないと思っていたことをAIが実行するような時代が来た。人間として役立てる人になってほしい」

 

「自動車業界は100年に1度の変革期にあると言われている。既成概念にとらわれない新鮮な発想で社内に新しい風を吹き込んでほしい」

 

トップのメッセージに一貫していることは、「自分で考えて、あたらな発想を活かしてくれ!」といったところでしょうか。「早く仕事を覚えて、みんなと同じように頑張ってくれ!」なんてメッセージは、1つもありませんね。

 

新入社員が、同じ会社でずっと勤務することも、さらに少なくなっていくのでしょう。自分の強味を早く見つける。また、自分にできないことをどのように補填していくかを考えることも大切ですね。そして、私もそうであったように、新入社員の姿に刺激を受けて、初心を取り戻すのです。

2023年

4月

03日

島さん

今日は、世の中の多くが「新年度スタート」となりました。保育園も朝の会で、それぞれ進級した寺子屋園児のインタビューを行いました。みな「やる気満々!」です。(笑)

この1年間で、うれしいことや楽しいことだけでなく、辛いことも多くの失敗も経験して成長するのです。大切なスタートの日ですね。

 

さて、「島さん」というコミックをご存じですか。サザンオールスターズの桑田佳祐さんも愛読しています。舞台は、どこにでもあるようなコンビニ。そこで働く島さんは、訳あって昼の交通整備の仕事とコンビニの夜勤を掛け持ちしています。「夜勤のベテラン」と呼ばれ、他の店にもヘルプで声がかかるのですが、もう、おじいちゃんで、新しいことを覚えるのは苦手だし、作業もトロいし、体もガタがきています。そんな島さんですが、なぜか周囲の人に愛され、頼りにされているのです。

 

島さんは、厄介な客のクレーム対応や、万引、マナー違反などの面倒な出来事も臆することなく対応し、なぜか問題を解決してしまうのです。実は、島さんは元やくざです。

 

島さんの態度として、一貫しているのは、客と店員、あるいは店員同士といった線引きは設けながらも、あくまでも「人間として」お互いの事情を把握し、接しているという点です。お客様に対しても、おかしいと思ったことは毅然と指摘し、同僚のミスはさりげなくカバーします。相手を、人生のどこかでまた別の立場として出会うかもしれない存在として認め合う姿勢がうかがえるのです。

 

作者の「川野ようぶんどう」さんは、本作を生み出すまでに長年コンビニで働き、本作を発表するまでに20年がかかったそうです。自分の経験がこの作品には詰まっているのです。

 

私も、大学時代にコンビニの夜勤でアルバイトをしていました。池袋の繁華街のコンビニでしたので、お客様は、夜のお仕事をされている人が多く、様々な人生物語を抱えていました。私にとっては、かけがいのない「人生の勉強」でした。

 

こんな島さんみたいな店員さんは、実は、あなたのまわりにもいると思います。

2023年

4月

02日

十年 Ten Years Japan

WBCで野球が盛り上がったばかりですが、山梨学院高校の優勝は、まるで昭和の高校野球のような勝ち方で優勝しましたね。エースの林投手が6試合すべて投げ切るスタイルは、現代野球とは全く逆行する形ですね。あの平成の怪物と言われた松坂大輔さんを思い出します。

 

さて、今日の話は、5人の若手監督が日本の10年後の姿を描いたオムニバス映画です。

①75歳以上の高齢者に安楽死を奨励する制度を描いた「PLAN75」

②全児童がICチップを装着するIT特区の小学校を描く「いたずら同盟」

③亡くなった母親の過去が記録されたデジタル遺産を巡る父娘の関係「DATE」

④大気汚染のため地下で生活する少女が地上に憧れる「その空気は見えない」

⑤制度化された徴兵制の告知ポスターを担当する青年の交流を描く「美しい国」

 

どうですか、何だかタイトルを聞いただけで、ゾッとするイメージがありますね。これらは、50年先の日本ではなく、わずか10年先です。2018年に発表された映画ですので、想定は2030年です。もうすぐやってくる未来です。そこで想定されている少子高齢化やAIが飛躍的に進化した時代をこの映画では、やや誇張して描いています。

 

75歳以上の安楽死の推奨なんて、とんでもない!と思うのでしょうが、この作品では、死を苦しまずに迎えられることを歓迎する老人や認知症を患う老母の介護に悩む若い夫婦などが登場します。幸福に対する視点が異なり、多様性がさらに生じているだろう10年後のことを考えると、私たちの近未来に求められる判断や選択を問う作品でもあります。

 

この映画の予告編では、次の言葉で結ばれています。「未来とは、今を生きること」

まさに、その通りですね。

2023年

4月

01日

令和5年度がスタートしました

4月1日・・・令和5年度がスタートしました。今日は、土曜日なので、実質のスタートは月曜日です。今日は、日本サッカーをかつて支えた一人オシム氏の言葉を考えます。

 

『私が感じる限り、日本人には教師や上司の教えを疑うことなく守り、秩序を乱さない者が最も優秀であるという特有の価値観が備わっているようだ。タイムアウトなどを取れないサッカーにおいては「何をどうすればいいか」を、その置かれた局面ごとに自分で考えてプレーする。それは人生に似ている。まずは、自分のやり方でやってみる。こういう自己の意志力が重要なのだ。しかし、日本では子どもの頃から他人に自らの進む道を依存する傾向が見られる。この時点で、すでにクリエイティビティを放棄し、誰かのコントロールに意志を委ねているのだ。日本人は、他人がやることや新しいトレンドに従うことにおいて、とても勤勉で規律正しい。しかし、彼らは、若い人たちをコントロールしすぎる。すべてを支配することはできないのだ。子どもたちが、自分の頭で考えるため、そういう思考を自然に発達させてあげなけれないけない』

 

どうですか・・・オシム氏のサッカーは、「走れ!走れ!」ばかりではなく、「自分で考えなさい」でした。現在、世界で活躍する日本のサッカー選手は、まさに、自分で考えてプレーするのは当たり前で、「言われたことをやるだけです!」なんていう考えは、サラサラありませんね。

 

日本人は、どちらかというと「教えたがりの大人」が多いような気がします。私も、ついつい保育園の子どもたちに、「あーだこーだ」教えてしまっています。今年度のスタートにあたり、もう一度、保育園ホワイトきゃんばすの大切な考えである「自分で考えて自分で答えを出す」子どもたちの育成について、考えることにします。

 

「好きにやったらいい」だけでもいけないし、「〇〇するんだよ」と100%教えることもいいことではありません。このバランスをどこに置くか・・・子ども一人一人で変わってきます。ゆえに、奥が深いし楽しいのです。

 

ということで・・・本年度もよろしくお願いいたします。

2023年

3月

31日

今年度最後の保育園

いよいよ、令和4年度の保育園は、今日が最後です。保育園は春休みはありませんので、明日から新年度になります。

 

今年度を振り返ってみますと、2年間コロナに耐えましたが、ついに4月と7月に園児や職員が感染してしまい休園を余儀なくされました。そんな中でも、母の日保育参観、親子遠足、どろんこ遊びの行事を行い、初めて子どもたちをお菓子の工場見学に連れていくことができました。ロッテとグリコと子どもたちのワクワクが止まりません。

 

屋上プールでは、小さい園児も果敢に大プールで泳ぐ練習に参加しました。そして、クサガメが卵を産んで、30匹もの赤ちゃんが誕生しました。卵の殻を破って、中からカメが出てくるシーンを何度も子どもたちと保護者が目にします。生命誕生の神秘の瞬間です。

 

サマーキャンプでは、年長園児が成長を加速させ、秋まつりではゲーム屋さんを楽しみました。運動会とクリスマス発表会では、毎日の過酷な練習に子どもたちは耐えて、本番では素晴らしい姿を見せてくれました。保護者も職員も大感動です。ハロウィーンパレードでは、ママのアイデアがキラリと光る仮装が目立ちました。「大谷翔平」もやってきました。(笑)

 

屋上ファームで野菜を育てて食べるという素晴らしい環境の中、屋上でのピクニックランチや青空給食、わくわく教室で食育も子どもたちの成長につながっています。同時に、屋上では様々なスポーツが、子どもたちの挑戦意欲をかきたてました。

 

異年齢保育と屋上の環境で、子どもたちは、今年度も遊びを通じて、笑顔をたくさん見せてくれました。もちろん、自分の思い通りにならない経験もいっぱいして、確実に成長をした子どもたちです。

 

「自分で考えて自分で答えを出す」子どもたちになってもらうよう、今年度も取り組みました。まだまだ、子どもたちの笑顔のためにやることは山ほどあります。歩みを止めない「保育園ホワイトきゃんばす」であるよう、前に進んでいきます。

 

保護者の皆様。そして、このブログを毎日のように読んでくださった皆様。今年度も子どもたちは元気に成長することができました。心から感謝申し上げます。

2023年

3月

30日

女子硬式野球に脚光

今日は、年少女の子が、ついに自転車に乗れました。年長から年少までの寺子屋園児25名で、ただ一人自転車に乗れなかった女の子です。「私だけまだ乗れない!」というプレッシャーに負けないで、ここ1か月間練習を続けてきました。自転車に乗ると、恐怖心から体がうまく動きません。そんなことを繰り返しながら、ようやく、勇気の一歩を踏み出したのです。本当によく頑張りました。今年度も、3歳児以上の全員が自転車に乗れるようになりました。凄いことだと、園長は思っています。

 

さて、少子化で多くのスポーツの競技人口が減少する中、女子硬式野球が盛り上がりを見せています。現在開催中の全国高校女子選抜大会には、史上最多の45チームが出場しています。全日本女子野球連盟によると、連盟に加入する中学生以上の競技人口は、2016年は1776人(74チーム)だったのに、2021年には2533人(102チーム)と約4割増となったそうです。顕著なのは、高校で約7割増です。

 

女子は、これまで高校進学を機に野球をやめてしまうケースが多かったそうです。中学までは、学校の軟式野球部や地域の硬式チームで男子と一緒にプレーできますが、日本高校野球連盟の規定で、体格差による安全面への配慮から、男子の高校野球部では公式戦への出場は認められていません。そこで、女子だけの野球部による全国大会が小規模ながら行われるようになり、ようやく、2021年夏、男子の高校野球2回戦の後に、女子の全国選手権決勝が初めて甲子園で開催されたのです。選抜の決勝は東京ドームでした。

 

昨年夏の甲子園で優勝した、横浜隼人高校は、「勝ち進むたびに、夢だった甲子園が目標になった」と選手たちのモチベーションも上がります。

 

現在、女子球界にはプロがないため全員がアマチュアです。まだ、記憶に新しいところですが、2010年から女子のプロリーグがスタートしました。ところが、観客動員数が伸び悩み、コロナもあり、登録選手がゼロとなってしまったことで、今は無期限休止に追い込まれました。戦後間もないころにも、女子プロリーグがあったそうです。

 

全日本女子野球連盟は、この教訓を生かそうと、地域に根ざす方法を模索しています。プロ野球球団でも2020年に西武ライオンズ、2021年に阪神タイガース、読売ジャイアンツは昨年に、女子チームをスタートさせています。もちろん、プロ契約ではないので、仕事や学校の後に練習し、関東の「ヴィーナスリーグ」や関西の「ラッキーリーグ」などの地域リーグで試合をしています。

 

今回のWBC世界一を受けて、女子の硬式野球もますます追い風になっていくことでしょう。サッカー、バスケットボール、バレー、テニス、ゴルフなど多くのスポーツ競技で、男女それぞれで活躍の場があるにもかかわらず、野球はまだまだ男のスポーツという認識が高いですね。ジャンダーフリーの波に乗るとかではなく、普通にやりたい女性が、白球を追いかける時代になりつつあります。

 

保育園では、園長と野球をするのはやはり男子ばかりです。でも、これからは、女子にも声をかけていくことにします。

2023年

3月

29日

6年生、学校で過ごす夜

この4月から、二人の子どもの産休・育休を経て、4年ぶりに教員に復帰するママが、何と、一年の担任の辞令を受けました。私の常識では、「復帰の先生が、一番大変な1年生を持つなんて!」と思ったのですが、さいたま市のすべての学校で人手不足状況で、やむない人事のようです。辞令を受けたからには頑張ると、ママは気持ちを切りかえています。ただし、一人で抱え込まないで、まわりの力を借りるのです。そして、愚痴も文句も保育園の職員に話して、スッキリしてください。(笑)

 

さて、東京都台東区立根岸小学校では、3月10日の午後6時、照明の消えた校舎に懐中電灯を手にした子どもたちが続々と入っていきました。6年生66人が、東日本大震災の起きた3月11日までの1泊2日の「避難所生活訓練」で、学校の夜を過ごします。

 

この計画のミソは、児童が計画して校長に訴えて実現したことです。

 

根岸小学校は、年間を通じて、総合的な学習の時間で防災を学んできました。震災当時、福島県いわき市の中学校で校長をしていた澤井さんを招いて話を聞いたそうです。その中学校では、自主避難してきた300人以上の地元住民のために、校長は74日間学校に寝泊まりし、避難所を運営した体験を語ったのです。

 

そして、根岸小学校の避難所訓練の大事な決め事は一つ。子どもたち自身が考え、行動することです。

 

炊き出しのメニューは備蓄用のまぜご飯と豚汁です。皿は紙とラップで作ります。ごみを減らそうと、おにぎりにしたクラスもあったそうです。

 

この日の訓練には、澤井さんも訪問して、子どもたちを見守ったそうです。「ごみを減らしたり、水を節約したり、改善しなければいけないことはたくさんある。それでも、体験することが最も大事。体験しなければ、失敗することもできない」と言います。

 

避難所体験をした子どもたちは、「何をするにも1つ1つに時間がかかった」「もし、知らない人と一緒だったら、物の貸し借りもしにくくストレスがたまったはず。地域の人たちとの関係を深めておいた方がいい」と振り返ります。

 

PTAの「おやじの会」などが主催して、学校の体育館に宿泊するイベントはよく聞きますが、避難所訓練体験で、小学校の宿泊することは、まずないことです。とても、有意義な活動です。全国に広がってほしい取り組みだと思いますね。

2023年

3月

28日

思い立ったらすぐ行動

今日は、全国的に関東地方だけ雨が降っています。そこで、卒園児保護者からプレゼントされた「とび箱」を使って、サーキットトレーニングを楽しみました。とび箱もコツをつかめば、多くの園児が飛べるようになります。まずは、2段から練習です。

 

さて、私のサラリーマン時代の記憶では、仕事を「まっ、明日やればいいかっ!」と、翌日に繰り越していくと、次の日もまた新しい仕事が入り、雪だるま式に仕事がたまってしまいます。ところが、今発生した仕事は「すぐにやっつける」という習慣をつけると、とても効率よく仕事が片付いていくものです。どうですか・・・経験ありますよね。

 

東京都の小平市で晩年を過ごした、彫刻家の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)は、昭和47年に大往生するまで107歳まで生きました。当時の男性の長寿記録だったそうです。平櫛田中は、木に彫刻刀などを使って掘る、木彫りの彫刻家として有名ですが、彼の言葉に「人は思い立ったらすぐに実行しなければならないのです。思っているだけではいつまでたってもできません。今が大事なのです。そして、私がやらなければ誰がやるのですか」が口癖だったようです。

 

つらい勉強や練習は、後回しにしてしまいがちですが、毎日こつこつ努力すること、良いと思ったことはすぐにやることを心がけていたそうです。

 

平櫛田中の住居に隣接する「平櫛田中彫刻美術館」の玄関には、田中が購入した、彫刻用のクスノキの原木があるそうです。巨木です。昨日のお別れピクニックで、子どもたちに「いいにおい」を残したクスノキですね。これは、田中が100歳を超えたころに、「先生の身体は70歳くらいですね」と医者に言われて、30年分の彫刻に使う材木を買い込んだそうです。

 

平櫛田中は、次の言葉も残しています。「実践実践また実践、挑戦挑戦また挑戦、修練修練また修練」「六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から百から、わしもこれからこれから」と言っています。何と、力強い言葉でしょうか。

 

これを「時代が違うんだよ・・・」なんて、簡単に一蹴しないでくださいね。今の時代も、「思い立ったらすぐ行動」は、全く変わりませんね。ただし、そのアプローチは、自分一人ですべて頑張るのではなく、みんなで力を合わせて、知恵を出し合って、課題を解決していく時代です。まわりを巻き込みながら、後回しにしない・・・なかなか高いスキルが求められるのです。

2023年

3月

27日

お別れピクニック

卒園式が終わってからの「お別れピクニック」は、初めてですが、卒園児6名が最後に楽しみにしていた行事が、本日、無事にできました。

 

保育園から歩いて20分くらいの「三橋総合公園」が、ピクニックの舞台です。公園までの道中も、子どもたちは、「つくし」を発見します。「これ、何だ?」になかなか名前が出てきませんが、男の子が思い出しました。公園に到着すると、まずは、ピンク色の江戸寒桜が、出迎えてくれました。そして、すぐに満開のソメイヨシノを愛でます。

 

花もいいのですが、クスノキの大木が何本かあり、その葉を一枚手でもんでみます。「何か、臭いにおいがする~」と、子どもたち。江戸時代には、このクスノキの葉が、防虫剤として活躍していたのです。

 

公園の端にある「沼」に向かいます。一人1本「魚アミ」を持参したので、子どもたちの採集が始まります。エビ・ザリガニ・ヤゴ・アメンボ・タニシとよくわからない虫が、バケツの中にたまっていきます。子どもたちは、集中して、水辺の生き物と格闘していました。

 

そして、お弁当タイム・・・桜と菜の花を同時に愛でながら、大満足のお弁当です。「少し足りなかったなぁ~」と全員完食です。土手をくるくると転がる遊びに、夢中になってしまった子どもたちです。花見の散歩に来ていた人たちが、「面白そうだね~」と、子どもたちの激しい転がりっぷりに、集まってきました。大人もやってみたくなるような、楽しい遊びです。

 

最後は、アスレチックのある広場で遊びます。春休みに入った小学生の姿もチラホラ見ることができました。ホワイトきゃんばすの園児は、すぐに、小学生だろうと話しかける癖があり、異年齢保育で学んだコミュニケーション能力は抜群なのです。

 

卒園児の、最後の行事は、笑顔いっぱいの楽しい時間となりました。子どもたちの手には、クスノキの臭いが残っていますが・・・(笑)

2023年

3月

26日

WBCの余韻

昨日は、園児たちと保護者の皆様のおかげで、素敵な卒園式となり、その後は、職員一同大宮で打ち上げをしました。お酒も進んで、二日酔いの日曜日の朝です。(笑)

 

テレビを付ければ、水曜日の世界一から数日たっているのに、まだまだWBCの余韻に日本中が浸っていますね。準決勝での村上選手のサヨナラ安打で、大谷選手を追い越しそうな周東選手のホームインの映像と、決勝戦で大谷選手がトラウト選手から三振を奪って、グラブと帽子を投げ、優勝したシーンが数十回も流されていますが、何度見てもいいですね。

 

侍ジャパンのメンバーたちが、すぐにオープン戦で試合に出場したり、大リーグの球場でも、4人の大リーガーの様子をカメラが追いかけます。この1年は、侍のメンバーの活躍が、ずっと話題になることでしょう。大谷選手が目標と言ったように、ワールドシリーズに縁がなかっらエンジェルスが、ワールドチャンピオンになるかもしれないですね。そんな夢をもってしまうほど、大谷選手の言動は、世界中のメディアが追いかけることでしょう。

 

「あの場面ではこうだった」という試合の映像から、今度は、監督や選手たちの「うらばなし」が語られると、栗山監督の「信じる力」や、試合前に、選手が円陣を組んで語る言葉の内容など、世界一につながった「言葉の力」を知ることになります。

 

夜の新橋で、ほろ酔いのサラリーマンが「栗山監督のような上司だったらいいのに~」と語ると、逆に、上司は「大谷翔平が部下だったら最高~」と思ったことでしょう。まぁ、こんな時は「ないものねだり」をしてしまうものです。(笑)

 

WBC第1回、2回の世界一を見ていた、大谷翔平少年が、WBCで世界一になりたいという夢を持ったように、令和の野球小僧たちが、世界にむかって挑戦してもらいたいですね。

 

いよいよ、3月30日にプロ野球が開幕します。侍ジャパンのメンバーの活躍だけでなく、プロ野球界全体の強化につながるような1年になりそうですね。メジャーリーグも今年デビューする吉田選手が注目です。小さな体で、大活躍してほしいですね。ヌートバーのお母さんの出身地「埼玉県東松山市」も、この1年は、様々なアピールができます。

 

野球が、ベースボールが、世界にもっと広まっていけるよう、またオリンピック競技に復活できるよう、長い目で見ていきたいですね。ということで、まだまだWBCの余韻に浸っていたいですね。

2023年

3月

25日

令和4年度卒園式

ついに、卒園式の朝を迎えました。涙雨が降っています。しかし、涙どころか、子どもたちは元気に保育園にやってきました。年少・年中園児も卒園児を送り出すために、しっかりと席に座っていることができました。卒園児は、髪型まで決まって正装で堂々としています。

 

今年度の卒園児6人は、すぐにケンカをするし、じっとしていられない園児たちですが、6人それぞれの個性が大きく光っています。「圧倒的な芸術センス」「ほかの園児の意見を聞くことができるリーダーシップ」「運動能力が飛び抜けて高い」「最後まであきらめない心」「いつもニコニコ笑顔がいっぱい」・・・そんな、すばらしい個性を小学校生活でも活かして欲しいですね。

 

卒園証書授与では、しっかりと園長の目を見て、凛々しい園児たちです。卒園式では大事な儀式ですが、締まりました。園からの記念品は、「国語辞典」です。今回は、もう一つ、給食で使っている「さいたま市西区のコシヒカリ」が、農家さんからプレゼントされました。

 

卒園児最後のピアニカ演奏は、「ドレミの歌」ですが、練習ではなかなかピッタリと決まりません、しかし、本番では、1つにまとまった素敵な演奏を聞かせてくれました。

 

今年度を振り返る「一年間の思い出」では、元気に「楽しかった屋上遊び~1番の思い出です!」と、子どもたちの掛け合いの声が響いていましたが、入園からの写真を紹介する「卒園児スライドショー」が始まると、我が子の成長に感極まった保護者から、シクシクと声が聞こえてきました。

 

「園長からの手紙」は、涙で包まれます。最初の女の子が、私が手紙を読んでいると、横で大粒の涙を流します。まさに、ぼたぼたとしずくが落ちる音がします。女の子の涙で、会場が一気に涙に包まれました。

 

保護者と卒園児の挨拶も、本当にしっかりとしていました。涙でいっぱいのママも、最後まで、しっかりとメッセージを伝えてくれました。原稿なしのママもいました。(凄い)

そして、卒園児の保護者から、「とび箱」がプレゼントされました。体操教室で、とび箱に目覚めた子どもたちは、保育園でも練習に励むことでしょう。

 

「さよならぼくたちのほいくえん」「みんなともだち」を全員で歌って、令和4年度の卒園式は幕を閉じました。今回、入退場と園長の手紙の場面では、卒園児の保護者がピアノを弾いてくれました。4か月のベビーから6年間保育園に通った男の子のママにとっては、我が子の卒園式に、演奏できたことをとても喜んでいただきました。そして、園長の手紙では、6人の園児のイメージに合った曲を考え抜いてセレクトし弾いていただきました。ありがたいですね。

 

今年度の卒園式も、卒園児6名と在園児、保護者の皆様が一堂に集う、素敵な時間に包まれました。そして、4月から小学生になる6人が、楽しい小学生生活だけでなく、自分の思い通りにならない「壁」にぶち当たった時に、保育園で頑張ったことを思い出して、自分で考えて、立ち向かってほしいですね。

 

卒園児6人は、保育園生活はいったん終了しますが、小学生になっても見守っていきます。今日は「卒園おめでとう!」

2023年

3月

24日

お花見をしました

さいたま市も、数日前に桜が満開となりました。毎年お花見をさせてもらっている、保育園近くの「養福寺」の住職と昨日話をすると「もう満開で、散り始めるぞ~」ということですので、卒園式の前にお花見をすることにしました。

 

養福寺の境内に到着すると、子どもたちは、地面に落ちてある桜の花びらを集めて、「桜吹雪」の演出をします。そして、チビちゃんたちは、広い境内をぐるぐると走り回っています。境内には、樹齢100年を超えるソメイヨシノの大木があるのですが、その下にレジャーシートを敷いて、仰向けに寝ると、下から見た桜の姿が、それはそれは、すばらしい景色になるのです。そして、風が吹くと、ひらひらと桜の花びらが、顔にむかって舞うのです。

 

いつの間にか、子どもたちは、花見から「鬼ごっこ」に移行し、汗をかきながら遊んでいます。たくさん体を動かしたので、給食のカレーライスは、おかわり続出です。

 

卒園してしまう年長園児と一緒に、花見が楽しめたので、子どもたちの思い出に残ったようです。

 

さて、いよいよ明日は、「卒園式」です。保育園内の装飾も終わり、明日は、涙と笑いの素敵な一日になるとうれしいですね。卒園児の保護者は、すでに泣く準備ができているようです。(笑)

2023年

3月

23日

新生児の「いのちの格差」

昨日は、さいたま市内の小学校の卒業式でした。しかし、午前中の式の最中でも、お父さんたち中心に、スマホでのWBCチェックが止まらなかったそうです。我が子の卒業式も大事ですが、侍ジャパンも捨てられなかったようですね。(笑)

 

また、上尾市の小学校に通う小6の卒園児は、今日が卒業式で、ホワイトきゃんばすまで、卒業の報告に顔を出してくれました。園長と同じ身長になっていました。ずっと、土曜日は学童で保育園に来ていたので、年長園児も「〇〇ちゃんだ!おめでとう!」と言うものの、あまりにも背が高くなっていたので、見上げていました。中学に入ったら、陸上部で頑張るそうです。うれしいですね。

 

さて、日本は、乳児死亡率が世界でも極端に低いことで知られています。しかし、戦後間もない昭和22年の1歳未満の乳児死亡率は、7.46%もあったそうです。100人に7人が、1歳になる前に死んでいたのです。感染症等で亡くなる子どもが多かったようです。

 

それが、令和3年では、0.17%まで下がっています。昭和22年は、13人に1人が死んでしまったのに対し、令和3年では、588人に1人となったのです。「さすが、日本の医療発展は大したものだ!」と、喜ばしいところですが、令和3年においても、家庭環境による差があるようです。

 

企業や公務員などの勤め人世帯では、0.09%と最も低い数字です。農家・自営業・なども1%には届かない低水準であるにもかかわらず、無職の世帯では、1.82%と飛び抜けて高いのです。

 

今の時代、乳児死亡の原因として多いのは、先天奇形や周産期の呼吸障害等ですが、やはり、生活基盤が不安定な家庭では、虐待死も起きやすいのが現実です。

 

では、どうすればいいのか・・・という有効な対策は、すぐには浮かびませんが、今日は、新生児死亡率が世界トップで低い日本でも、「いのちの格差」があることを知ってください。

2023年

3月

22日

侍強し!

まずは、昨日のWBC準決勝メキシコ戦でのサヨナラ勝ちに、今日の保育園の連絡ノートには、「感動した」「子どもも一緒見ていて、すばらしい時間を過ごした」「途中、子どもは飽きてしまっておままごとをしていたけど・・・」などなど、保育園とは全く関係のないWBCのことを熱く語るママたちです。(笑)

 

そして、ついに、侍が世界一になりました。保育園ですので、ところどころ速報を気にしながら、園長は、個人的に「これが村上のホームランだ!」「岡本やるなぁ~」「8回ダルビッシュで9回が大谷だなんて、・・・栗山監督のシナリオ通りじゃないか!」とか、とにかく、心の中で、ぶつぶつつぶやいていました。

 

ちょうど、給食で「いただきます!」をする前に、日本優勝の速報が入り、子どもたちに「やった!日本が優勝したよ!」と先生たちも大喜びです。まだ、ポカーンとしている子どももいたので、「WBCという野球の大会で、日本が世界一になったんだよ」と説明すると、大きい園児は理解して、「やった!」と大喜びです。5歳男の子が、麦茶が入ったコップを高く掲げて、「大谷に乾杯!」と言っていました。(笑)

 

というわけで、7戦全勝の完全優勝の侍ジャパンに、日本中がポジティブが気持ちになったと思っています。スポーツの力は、やっぱり凄いですね。国際試合は、「日の丸」を背負って戦うというイメージがあります。今の時代に、国がどうのこうのという考えは古いのかもしれませんが、昭和のおやじとしては、叫びたいくらいにうれしいですね。決勝戦の映像をしっかりと見ていないので、今夜は、録画したWBCの決勝戦をじっくりと楽しみたいと思います。結果がわかっていても、たぶん、手に汗握っているのでしょう。(笑)

 

侍ジャパンに選ばれた選手の中には、「この大会に出場したことを一生の誇りとして、これからの野球人生の糧にしたい・・・」というコメントがありました。よく、ビジネスの世界では「成功体験にとらわれるな!常に新しい発想で勝負するんだ!」と言われます。でも、このWBCでの成功体験は、野球人としては、大いに誇りに思って、次のステップにつなげてほしいですね。

 

栗山監督は、選手としては一流プレーヤーではありませんでした。早くに引退し、自分は指導者として、日本の野球界を盛り上げていこうと思ったのです。あの野村監督の「野村ノート」は有名ですが、その前に「三原ノート」というのがあったのを知っていますか。私が生まれる前の話ですが、「神様・仏様・稲尾様」と言われた、日本シリーズ西鉄vs巨人で、3連敗から4連勝して日本一になった、西鉄の三原監督がしたためた、大学ノートに書かれたメモです。数冊にも及び、野球以外の「人として」の行動規範までも記されています。

 

これを手にした栗山監督は、WBCの合宿にもこのノートのコピーを持ち歩き、迷ったときの羅針盤としていたそうです。謙虚な姿勢と相手を信じる気持ち・・・今回の世界一は、とっても泥臭くて、書くのも恥ずかしいですが、「監督、選手、スタッフ、そして野球ファンが一つになって、成し遂げた世界一」だったと思っています。

 

言いたいことは、まだまだ山ほどありますね。しばらく、「侍ジャパン世界一」の余韻に浸ることにしましょう。

2023年

3月

21日

今どきの婚活

日本では、結婚年齢がどんどん上がっているだけでなく、結婚をしないという選択も増えています。20代へのあるインタビューによると、「本当に自分に合う人でなければ無理に恋愛はしなくてもよい」「趣味などで楽しんでいるし、忙しいので恋愛は今はしなくていい」「恋愛関係に発展することで、学校や職場などの人間関係、グループ間の良好な関係を崩したくない」という意見が多いそうです。

 

昭和世代のおやじにとっては、「い車で彼女をデートに誘いたい」「積極的に合コンに顔を出して出会いの機会を逃さない」という考えは、過去の思考となったようです。

 

40代で結婚した、ある女性の話です。「結婚にまったく関心がなかったわけではないけど『仕事が楽しい』と言っているうちに、気がつけば年月が過ぎていました。結婚相談所の人に40歳前後女性の『婚活市場価値』が低いことを知らされてショックを受け、アプリを使い『結婚優先』を決意します。そして、徹底的に自己分析をし、自分が結婚に何を求めているかを絞り込み、プロフィール欄に『私はこんな性格です。遊びのお付き合いは嫌。こういう性格の男はお断り』と明確に書きました。多数から連絡をもらうようになったものの、好みでないの人から連絡がくることもありますし、逆に好みの人とダメになることもあります。でもいちいち凹まない。『ハイ次!』と割り切ることも大切です」

 

こうして、彼女は結婚します。夫になった男性とは「子どもはどうする」「どちらかが病気で働けなくなったらどうする」など、突っ込んだ話を最初に行ったそうです。

 

どうですか・・・昭和世代のあなたは、「おいおい。結婚って、恋愛関係の先にあるもんじゃないの?きちんと、恋愛期間で相手を愛し合うことができて、結婚という結論を出すんじゃないの・・・」と思ったのではないでしょうか。

 

しかし、彼女は「確かに恋愛によくあるドキドキといった気持ちの盛り上がりはなかったです。でも最初から『この人は私の結婚相手だ』と思って接することができたので、互いに遠慮することなく仲良くなっていくのは早かったと思います。結婚を決めたあとにじわじわと愛情が芽生えてくる感覚です」

 

また、こんな厳しいことも言います。「未婚の友人は『ご縁があったら結婚したい』と言うけれど、『ご縁』なんて生ぬるいことを言っていたら結婚できない」と。

 

結婚についての考えも、時代と共に変わっていくのは当然のことですし、様々な考えを尊重したいですね。

2023年

3月

20日

人生の方程式

寺子屋2番(年中女子)の園児は8名いますが、最近のローラースケート(インラインスケート)ブームで、7人が練習に励んでいます。今日は、スポーツで新しいことへのチャレンジには、どうしてもブレーキをかけてしまう4歳女の子が、果敢に挑戦しました。そして、仲間の助けを借りながら、見事に歩けるまでになりました。彼女の頑張りは立派ですが、彼女を支えた4歳女の子の友情が光っていました。転んだら、すぐに手を貸して励ましていたのです。彼女をおもいっきり褒めました。

 

さて、昨年8月に亡くなった「稲盛和夫」さんは、京セラの創始者であり、現在のKDDIをつくり上げ、最近では、一時経営破綻した日本航空の再建を担った実業家です。日本経済に大きく貢献した人物ですが、教育関係者の中でも人気が高いのです。

 

その理由は、著書「生き方」の中で、「人間として一番大切なこと」を伝えているからです。経済学の参考ではなく、人生の参考書を示しているからです。

 

その中で、「人生の方程式」について、こう提唱しています。

 

「人生の方程式」・・・人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 で、最も重要なのは「考え方」である。

 

ここでは「人間として何が正しいのか」についての考え方を示しています。「嘘をつくな」「正直であれ」「欲張るな」「人に迷惑をかけるな」「人には親切にせよ」と、当たり前ですが、シンプルな考え方です。

 

考え方が正しい方向に発揮されず、負の方向であった場合、どんなに優れた能力を持ち、強い意志を抱こうとも、それは社会に害をなすことにもなりかねないと言います。

 

私たちは、自分の人生は、自分で考えて進んでいくのですが、考え方は、シンプルな方がいいですね。稲盛さんは、日本の経済成長を支えた、重要な経営者の一人ですが、実は、とっくに、経済成長至上主義に代わる、新しい国の理念や、個人の生き方の指針を打ち立てる必要があることをわかっていたのでしょう。

 

私たちも、時々、自分の人生の方程式を考えてみるのも大事かもしれません。自分といいながらも、必ず家族にかかわることですから。

2023年

3月

19日

AIをどう活用するか

こんなニュースを耳にしました。小5女子の読書感想文があまりにも上手すぎたので、担任が尋ねます。「これ、お母さんに手伝ってもらった?」すると、女の子は「ううん、違うよ。これChatGPTが書いたの」と答えたそうです。

 

どうですか・・・これからの「読書感想文」や「作文コンクール」は、AIが作った作品だらけになってしまうかもしれませんね。小5女子が使ったChatGPTとは、人工知能による対話型の自動応答ソフトです。専門家の中には、100年に一度の産業革命という人もいます。

 

たとえば、「カレー嫌いの人にカレーの魅力を伝えたい」と入力。すると、わずか十数秒後で、「スパイスとは何かを解説し、カレーに興味を持ってもらう」といったものから「カレーアイスクリームのレシピを紹介する」「インド式カレーヨガを紹介し、カレーと健康の関係をアピール」などマニアックなものまで、5つの切り口が提案されます。

 

昨夜の池上彰さんのテレビ番組で「昭和世代のモノ」を取り上げていました。携帯がないので、家電話で彼女の家に電話をした時に父親が出た場合の対応。テレホンカード、体罰、連帯責任、喫煙習慣などなど、令和の時代では考えられないことが、つい数年前まで行われていました。すべて、昭和おやじの私が経験したことです。

 

そして、米オックスフォード大学の教授らが2013年9月に発表した論文「雇用の未来」では、10年から20年後には47%の仕事がAIに取って代わられるリスクが高いと結論づけました。あれから10年たった今では、実際になくなったという仕事はほとんどありません。ただし、小5少女が使った、ChatGPTを活用すれば、複雑だったり、人の手を必要とする仕事の一部を「なくす」または「減らす」ことはできますね。

 

教育業界では、試験問題を作る際に、教員の「クセ」がなくなり、幅広い傾向の問題がだせるメリットがあるようです。人間である教員には「自分でも気がつかない脳のクセがあった」というわけです。

 

さて、冒頭の小5女子の担任の先生は、その後どう対応したと思いますか。普通なら、「なんで自分でやらなかったのか!」と叱ってしまうところでしょうが、AIより上をいく神対応をしたそうです。

 

あらためてAIをどう活用するかの授業を行ったそうです。①子どもたちに作文を書かせます→②ChatGPTで添削させる→③読み比べる→④変更点の理由をAIに教えてもらう→⑤学んだことを子どもたちと整理する→⑥AIが出せない味を話し合う→⑦最後は、人間の手で修正する

 

この先生は、凄いですね・・・AIを逆手にとって、AIができることと人の手でしかできないことを子どもたちに学ばせたのです。まさに、私たちが、これからの10年・・・AIとどう付き合っていくかを示した事例ですね。

2023年

3月

18日

「死」の疑似体験

今日は、小学生と年長園児を連れて、鉄道博物館に行ってきました。鉄道に興味のない小3男子は、初めての「てっぱく」に大興奮です。展示車両に乗り込んで、はしゃいでいますが、「この特急は・・・」と園長が解説を始めると、「園長先生、オレそうゆうのは興味ないから」と一蹴されてしまいました。(笑)

 

さて、「人生最後の大仕事で、人間ならば、誰もが避けられないこと」って、何だと思いますか。実感を伴わない人も多いでしょうが、それは「死」です。関西学院の藤井美和教授は、そんな「死」の疑似体験を20年以上行っています。死生学講義の一環だそうです。

 

21歳の学生ががんで亡くなるまでの架空の闘病日記を読み上げて、その過程を疑似的に経験します。まず受講生は、「形のある大切なもの」「大切な活動」「大切な人」「形のない大切なもの」を3つずつ、12枚の紙に書き出します。藤井教授が闘病日記を朗読しながら、病状もだんだんと悪化していきます。できなくなったことから、12枚の紙を順に破って、手放さなくてはいけません。「死が迫る究極的な状況で、本当に大切なものに気付き、死を含めた生き方を問い直してもらうのが目的」と教授は語ります。

 

家、お金、愛、母・・・。葛藤し、涙を流す人もいます。最後の1枚は「母」「愛」「感謝」などが多いそうです。藤井教授の「さよなら」の言葉で、最後の1枚を破ります。

 

参加した学生からは、「家族や友人との記憶が最も大切とわかった」「大切だと思っていたものが一番大切ではなかった」「当たり前の生活に感謝しながら生きていこうと思った」などの感想が寄せられています。

 

藤井教授は、28歳の時に難病にかかり死に直面したそうです。その時に、死にゆく人のために何か役に立ちたいと考えたそうです。そして、「私たちは丸裸で生まれて、それだけで喜ばれる存在だった。様々なものを手放し、あるがままの自分に戻っていくとき、信頼や感謝など目に見えないものが自分を支えてくれていることがわかります」と語ります。

 

私も、「おやじ」と言われる年齢になって、「死」を意識することも増えてきましたが、まだまだ具体的に、受け止めることはないです。深い内容ですが、時々考えてみないといけませんね。

2023年

3月

17日

学校で学ぶ意味

今日は、本年度最後の体操教室でした。年長園児にとっては、保育園生活最後となります。3年間の体操教室の経験は、小学生になっても、スポーツを楽しみ、愛することにつながります。3年前は、ぶかぶかの真新しい体操着が、今ではピッタリのサイズになりました。よく頑張った証ですね。

 

さて、そんな小学生1年生になる卒園児たちへ、ある校長先生からのメッセージです。

 

「学校で学ぶ意味は、2つの目的があります。1つは、多くの人間と触れ合えるということです。人間関係を学ぶことが学校の役割でもあります。やがて、皆さんは卒業し、何の配慮もない社会へと投げ込まれます。自分でその環境に適応し、折り合いをつけながら生活していかなくてはなりません。どうしたら、人を傷つけることなく、良好な人間関係を築くことができるか、どうしたら平和で明るく充実した生活を送ることができるのかを常に考えながら生活してください。

 

学校で学ぶもう1つの意味は、学校は強制的に学ぶ環境が用意されているということです。人によって違いがありますが、家ではなかなか集中して学習に取り組めない人もいるかと思います。学校はありがたいことに1日5、6時間、強制的に学習に集中させてくれます。学校にくるだけで勉強できる環境が整っているのです。そして、運動会や修学旅行、合唱コンクールのような学校行事も人間形成には大切な取り組みです。

 

学校は人間関係を学ぶ場所であるとともに自分づくりの場所でもあるのです。最も大切なことは、全ての学びを自らの課題意識を持って取り組むことです。自分ごととして学ぶ気持ちが最も重要です。さぁ、みんなでお互いに高め合っていきましょう」

 

どうですか、気持ちいいくらい正論で、その通りですね。そして、大人になった私たちも、「自分ごととして考える」ことは、大切なことです。自分ごととは、「今起きている、課題や問題点の『どまんなかに自分を置く』ことです」そうすれば、自分にできないことがあっても、他の人と協力しながら解決するスタンスができてくるのです。

 

すべてを自分一人でできなくてもいいのです。

2023年

3月

16日

戦争を知っている大人

今日も屋上は春の陽気です。菜の花のまわりには、モンシロチョウが舞っています。池を覗くと、クサガメとイシガメが4匹、日向ぼっこをしていました。ウシガエルも春を満喫しています。そんな中、ファームでは、ジャガイモの種イモを植えました。今年は、芽が出て、白いかわいらしい花を咲かせるタイミングも、例年よりも早いのでしょう。

 

さて、「戦争を知らない子どもたち」という曲を知っていますか。1970年に杉田ジローさんが発表して、大ヒットした曲です。私が、小学生になるかどうかの頃ですので、オンタイムでは覚えていませんが、良く知っている曲です。

 

私も含めて、この時は、戦争を知らない子どもたちと若者が、日本の人口の半分以上だったようです。でも、まだ半分が戦争を体験し、中には戦場体験をしている人も20%はいました。戦場で、命を失うような体験もしたでしょうし、やむなく、敵国の兵士を殺した経験を持つ人もいたのです。

 

ロシアのウクライナ侵攻が1年以上続いていますが、日本は世界唯一の被爆国ですので「戦争は絶対にいけない」という考えが強いです。世界の考え方の基準も「戦争はしない」が大多数の意見です。しかし、これからの若者が、戦争体験の話を聞くことなく成長すると、ゲーム感覚で、人を殺すことの意味が、正しく理解できないかもしれません。

 

日本では、昭和から平成になるタイミングで、戦争を知っている大人は、全人口3分の1を占めていました。まだまだ、夏休みなど、公民館などに集められて、戦争の生々しい体験話を聞かされた子どもたちも多かったかもしれません。

 

ところが、時代が平成から令和となり、令和3年では、戦争を知っている大人は、全体の8.5%まで減り、戦場で戦った人は0.3%しかいません。1000人にたった3人です。戦場での生々しい話だけでなく、食べるものがなくて、ひもじい思いをしたとか、空襲で家を焼かれたとか、広島長崎では、被爆体験などの話が、身近な人からは、ほとんど聞くことができない時代になってきました。

 

戦争を知らない子どもと若者たちだらけになり、戦争を知っている大人も少なくなった今、戦争や平和に関する内容をどうやっ子どもたちに伝えていくか、大切な課題ですね。

2023年

3月

15日

全国のソメイヨシノはクローン!?

昨日、東京都の靖国神社のソメイヨシノの標準木が開花しました。少し前までは、入学式が桜シーズンだったのに、今は、卒業式になっていますね。さいたま市内の中学校は、今日が卒業式です。中1の時にいきなりコロナ休校からスタートし、リモート授業となり、ずっとマスク生活でしたね。修学旅行に行けなかった生徒もあったでしょう。高校生になったら、できなかったことを満喫する充実した学校生活を送ってほしいですね。

 

さて、花見と言えば、「桜」ですが、今から1200年以上前の「奈良時代」の花見の主流は、「梅」だったそうです。ところが、平安時代の「古今和歌集」になると、桜を詠んだ歌の方が多くなり、花見と言えば、梅ではなく桜を指すことが一般的になったようです。鎌倉、室町時代には、将軍が花見に出かけるようになり、豊臣秀吉は、奈良や吉野、京都、醍醐寺で盛大に花見を行ったことはよく知られていますね。

 

江戸時代になって、花見が大衆化します。8代将軍・徳川吉宗は、飛鳥山・向島・御殿山に桜を植えて、桜の下に多くの人が集まる現在のような形になりました。しかし、この頃人々が見ていたのは「エドヒガンザクラ」や「ヤマザクラ」などで、ソメイヨシノの登場は、幕末から明治の初めだったそうです。

 

ソメイヨシノは、エドヒガンザクラとオオシマザクラを江戸の植木職人が交配したという説と、自然交雑という説があるようですが、その後、接ぎ木や挿し木で全国に増やされていったのです。つまり、全国のソメイヨシノは、遺伝子情報が同じクローンなのです。

 

どうですか・・・ちょっと、ガッカリですか。その証拠に、気候条件が同じであれば、一斉に咲きそろうのです。桜前線という表現は、日本なら、南から北に向かって、気温が上がっていくからです。千葉県のかずさDND研究所では、19都道府県46本のソメイヨシノの全遺伝情報を解析したところ、上野公園の4本が親木となって広まった可能性が高いことが分かったそうです。

 

現在は、「今年の開花はいつだろう?」と待ち望む時間も楽しみたいので、各地のソメイヨシノの標準木の開花をワクワクしながら待っていますが、遺伝子を調べることで、正確な開花情報も科学的に解明できるそうです。

 

昨日のニュース番組では、毎年のことですが、気象庁の職員が、靖国神社の標準木を眺めて、アナログ的に「開花宣言」をしていました。時代が進んでも、同じ光景が続いてもらいたいですね。

2023年

3月

14日

わくわく教室

年長園児が卒園に向けてカウントダウンとなっていますが、今日は「わくわく教室」を行いました。6月に「おにぎり」を作り、2回目の今日は「パン作り」がメインテーマです。名前の通り、「わくわく」する子どもたち・・・朝から興奮気味です。(笑)

 

保育園近くの公民館の調理室を使って、元保護者の管理栄養士の先生から、「パンはどんなものがある?」から、実際に本物の小麦に触れながら、食育を学びます。そして、手を洗って、かっぽう着になって、調理スタートです。

 

ボールに、小麦粉・砂糖・塩・イースト・水を入れて、こねこねと手でかき混ぜます。最初は、手に粘土がつくような感覚になりますが、こねているうちに、水分を含んだ弾力のある生地が出来上がりました。ラップをかけて、40℃でしばらく寝かします。

 

その間に、ピザを作ります。生地を薄く伸ばすのが、なかなか難しいところですが、丸い生地を回転させながら、少しずつ薄くなってきました。ピザソースを薄くのばして、ベーコンをトッピング、そして、チーズをたっぷりのせてオーブンにいれます。子どもたちに、ピザの話を聞くと「ピザーラ・ピザハット・ドミノピザ」と宅配ピザの名前がどんどん挙がってきます。でも、こうしてピザを自分で作るのは、みな初めてです。6歳女の子は、「昨日から妹が、いいなぁ~とうるさくて。だから、今度のお休みに、ママと妹でピザを作るんだ!」と張り切っています。

 

わくわく教室の目的は、子どもたちが、食育につながる経験をするだけでなく、ママやパパに、今回の経験をいっぱい話してもらって、おうちでの食事作りにつなげることです。「作るのが好き・・・もちろん、食べるのも大好き!」となってもらうと、うれしいですね。

 

ピザをオーブンに入れると、寝かしておいたパン生地を取り出します。すると、倍の大きさに膨らんでいました。イーストは生きているので、砂糖をエサにして、生地の中に空気を送り込んで大きくなったのです。「ウォ~!」と叫ぶ子どもたちです。この生地を子どもたちがカットして、オーブンに入れます。いよいよパンの完成です。

 

楽しいランチタイムでは、自分たちで作った、パンとピザが目の前に並びました。子どもたちの「おいしい!」の笑顔がとまりません。パンには何もつけませんが、ほんのり甘くて、焼き立てのパンがこんなにおいしいことを知るのです。

 

きちんと、食器を洗うところまで、子どもたちで行います。最後の感想では、今回、パンを作った原料を全部覚えていた園児が二人・・・やはり、自分で作ると、知識もどんどん頭に入っていくようです。

 

わくわく教室を始めて2年となり、4回の経験を積みました。保育園では、屋上ファームで子どもたちが、野菜を収穫します。お店で買った野菜は食べないのに、保育園の野菜はおいしく食べる子どもたち・・・そして、わくわく教室を通じて、自分で作る楽しみを子どもたちが覚えるのです。

 

こんなホワイトきゃんばすの食育を継続させていきます。もちろん、新しいことも考えますよ。

2023年

3月

13日

職人醤油

今日の寺子屋は、ホワイトきゃんばす名物の「卒園児の等身大ポスター」の制作です。6人の卒園児の絵を年中年少園児も協力して、完成させます。ポーズもそれぞれお気に入りの格好で、素敵な作品が出来上がりました。

 

さて、今日は日本人が愛する調味料「醤油」の話です。群馬県の前橋に「職人醤油」というユニークなこだわり醤油ショップがあります。ずらりと並んだ100ミリリットルサイズの小瓶が100種類以上並びます。

 

店主の高橋さんは、全国各地の蔵元を回り、えりすぐりの醤油だけを集めて販売します。地域に根付いたさまざまな味を多くの人に楽しんでもらい、気に入ったら自分で買いに行ってもらいたい・・・そんな思いから容器をお試しサイズに統一したそうです。

 

かつて、精密機器メーカーの営業マンだった店主は、独立を目指した時に、興味があることを思いつくままリストアップしていった結果、最終的にたどりついたのが、伝統産業の醤油だったそうです。

 

2007年に「醤油職人」を設立してから、これまでに訪れた蔵元は」400件以上。一軒ずつ回って丁寧に会話を重ねるうちに「いいものを作っているのに売れない」という悩みを抱えた造り手が多いことに気がつきます。

 

「地域で愛される醤油には個性がある。その個性は造り手の個性でもある。そんなことを知ってもらえる仕組み作りをするのが自分の立ち位置だと思うようになりました」と言います。全国の造り手をつなぐ橋渡し役も務めます。「面白いもので、色々な種類を並べて売ると、造り手は自分以外の造り手の商品の説明も始めたりします。お互いがお互いの良さを認め、発信することで結局全体の売り上げがよくなるんです」とのことです。

 

高橋さんは、海外への売り込みにも力を入れているそうです。醤油も日本酒も、日本から次々と蔵元の数が減っています。それを海外へ売り込むことで、醤油の世界がどんどん世界へ広がっていくばかりでなく、蔵元の未来も明るくするのです。

 

前橋まで行かなくても、都内では、銀座松屋にショップがあります。

2023年

3月

12日

12年後の景色

昨日のWBCで日本の先発に上がった佐々木投手。3・11のあの日、津波が襲った小学校から必死に高台へ逃げ、命を守りました。佐々木投手は岩手県陸前高田市出身で、東日本大震災で、父と祖父母を亡くしています。彼の口から震災の話は、ほとんど聞いたことがありません。それだけ、少年の心には抱えきれない大きな出来事だったに違いありません。

 

12年後の3月11日。栗山監督は「これから世界の頂点を目指していく投手。そういう日に先発するというのは、野球の神様が朗希に頑張れというメッセージを送っていると僕は思っている」と試合前に語りました。

 

12年という月日は、人によって、長くもあり、短くもあるのでしょうが、佐々木投手のような少年が、心の中に12年前の記憶を残しながら、こうして、世界が注目する場所で輝いているのです。

 

昨日の午後2時46分は、保育園の運動会を行う西文広場のグランドで、小学生と年長園児が、「鬼ごっこ」で走り回っていました。私は、子どもたちを見守りながら、12年前の出来事を自分なりに思い返していました。そして、ここで走っている子どもたちは、全員3・11以降に生まれました。

 

 

子どもたちにとっては、自分が生まれる前の出来事なので、「そうなんだ」で終わってしまいますが、様々な形で語り続けていきたいですね。

 

大宮駅近くにある「さいたま宇宙劇場」では、「震災時 見上げた夜空」というテーマのドキュメンタリー作品「星よりも、遠くへ」が上映されました。11日、震災当日に停電となったために、星が普段よりもくっきりと見えたそうです。

 

仙台市で救助活動に当たった消防士が、星空を見上げて「使命感を新たにした」という当時の思いや、津波で妻を亡くした岩手県陸前高田市の男性が息子に「あの星はママだよ」と語りかけるエピソードなどが、星空の映像と共に紹介されたそうです。これを見た子どもたちの心に、これらのエピソードが刺さりますね。

 

こうして、12年後も、震災を風化させない取り組みが、各地で行われているようです。「あの日の記憶 風化させぬ」という思いは、これからの日本を担う子どもたちのためにもなるのです。

2023年

3月

11日

子どもを人前で叱る時

今日は、小学生が6人も集合しました。うち5人が、ローラースケートを何の迷いもなく手にします。保育園では、年中女子でローラースケートブームが起きていますが、小学生は、すでにスイスイ滑っています。5人が横に一列に並んだ姿はカッコよすぎて、まるで、ドラマ「Gメン75」のエンディングシーンです。(古くてすみません)

 

さて、外出時などで、子どもを人前で叱る時は、あなたならどういう叱り方をしますか。

 

「子どもは人前で叱られたくないと思うので、2人きりの時しか叱らない」

「子どものプライドを尊重して、その場では注意のみで、後でじっくり話し合う」

「たまに他のお母さんが怒っているのをみると、胸が痛くなるので、自分はやらない」

「事情も知らないのに、まわりからは厳しすぎると言われるのがいやなので、叱らない」

「叱りすぎて、子どもが泣くと周りに迷惑になるので、諭すように注意する」

「地声が大きいので、気をつけている」

ここまでは、控えめに叱る派ですね。

 

「家と外で叱り方が違うと子どもも混乱するので、同じように叱る」

「ダメなものはダメとすぐに叱らないとわからない」

「人前だから加減すると、子どもが調子に乗る」

「子どもがすぐにケロッとしてしまう性格なので、その場でなぜ怒られているか伝える」

こちらは、人前だろうが、いつも同じスタンス派です。

 

さて、みなさんは、どうですか。もちろん、どちらかの叱り方がいいという1つの答えはありません。親の考え、子どもの性格、年齢やその状況によって、対応はいろいろですね。ただし、これから社会性を身につけて、子どもたちが成長していくには、いいことと悪いことの分別は、大人が教えないといけません。「怒る」「叱る」という行動なしでは、子育てはできませんね。

 

現在小学4年生になっている、男の子のママは、「子育ては、子どもの数だけあるから、これから、我が家の子育てマニュアルを1つ1つ作り上げていきたいと思っています」と言ったことがありました。まさに、その通りですね。

 

「こんな時は、こうするのがいい」という子育てマニュアルに縛られることなく、親として、信念と柔軟性を持って、子育てを楽しみたいものです。

2023年

3月

10日

子の「困った」に気付く力

WBCが開幕しましたね。昨日は保育園が終わると、すぐに帰宅してテレビ観戦です。午後6時台に家に帰るのは久々です。(笑)

 

それぞれの野球ファンの中で、過去のWBCの名場面はたくさんあると思いますが、私は、第1回の王監督の時に、仕事でエキナカに展開した新たなショップの売上が、右肩下がりになってきて、なんとかしないと!ともがき苦しんでいました。キューバ戦の決勝戦が終わり優勝を果たした時に、スカッと!気持ち的には吹っ切れた思い出があります。第2回のイチロー選手の韓国との決勝戦での「あの名シーン」では、少年のように飛び跳ねていました。

 

昨夜は、中国戦とはいえ、国際試合の緊張感が伝わってきます。「こんなに中国が強くなったのか」と思いながら、今回は20の国と地域のチームが参戦する規模になり、アメリカの代表選手30人は、全員メジャーリーガーです。アメリカでスタートした「ベースボール」が、日本の「野球」に追い抜かれたと思ったら、また取り戻し、今回は、ガチンコメンバーで世界一を目指す戦いに、しばらくは、ワクワクが止まりませんね。

 

さて、保育園の子どもたちが大好きな「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、彼の能力の一つに「妖怪アンテナ」があります。でも、学校などで日々子どもたちと関わっている大人にだって、さまざまなセンサーがありますね。

 

「うつむきがちで元気がない」「いつもの友だちと一緒にいない」「学校に納めるお金が、滞りがち」「家族との電話がつながりにくい」「欠席が多くなってきた」などなど、その違和感ある行動の向こう側に何があるかを想定するセンサーです。

 

宿題を忘れたから、授業中に寝ているから、「ちゃんとやりなさい!」と注意するのは誰でもできますが、「あの子困っているんじゃないの?」と、その先を見る目が必要です。家庭内の人間関係、経済的な問題、家族の健康、学校での人間関係などなど・・・

 

「家庭のことは学校の仕事じゃないですよ」と言うなかれ、子どもの問題に私たち大人のセンサーが必要ですね。

 

でも、センサーが鈍感でも大丈夫です。子どもたちに「自立することは、全部自分で解決することではないよ。適切な人に助けを求め、時には依存し感謝することだよ。だから、困ったことがあれば、大人に話をすることも、自立と言うんだよ」と教えることが大事ですね。

2023年

3月

09日

大学入試も「マッチング」重視

 もうこのまま春本番となっていくのでしょうか。屋上遊びでは、菜の花とホトケノザを両手にいっぱい摘む子どもたちです。池にはクサガメが3匹とウシガエルがひなたぼっこをしています。メダカも元気に泳いでいます。ローラースケートには、年中女子5人が挑戦しました。 

 

さて、今日は、大学入試の選択の話です。私が高校3年の時に担任だった堀内先生には、自分の進路について、「アナウンサーになるか、旅行会社に就職する」の2択で、どの学部に進学すればいいのか、さんざんお世話になりました。某大学の芸術学部放送学科でアナウンサーのスキルを磨きたいと言うと、「アナウンサーになるには、世の中の様々な事を学び興味を持たなければいけない」と諭され、旅行業界では「JTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行・東急観光(当時のビッグ4)に入らないと、将来は不安だ」と、社会人までを見据えた指導をしていただきました。堀内先生は、今はもう90歳を超えていますが、元気に人生を楽しんでいます。

 

私の時代も、3年生の担任は、かなりの時間を進路指導にかかわっていました。それが、今では、ほぼ1年中かかわっているようです。その理由は、総合型選抜や学校推薦選抜を受験する生徒が増えたためです。学科試験だけでなく、面接・小論文・志望動機書の提出などが課されるので、その対応に追われているようです。生徒一人一人への対応が細かいのが大変ですね。

 

少子化に伴い、受験生にとって大学入試は、いまや一部の大学を除き、「選ばれる」ものから「選ぶ」ものへと変わってきました。総合型・学校推薦型選抜の「年内入試」の増加も拍車をかけているようです。

 

そんな多様化する入試の中で、生徒に自ら進路を選択する力をどう育てるか。民間企業の中で、進路指導の新たなサービスが生まれています。いわゆる「マッチングサービス」です。

 

ベネッセが提供しているのが「進路達成プログラム」です。ウエブ上で、希望進路を入力し、適性検査と学力試験を受けると「デジタル活用」や「社会貢献欲」など28の項目について、大学などとの「マッチ度」が提示される仕組みです。生徒の強味や希望進路から新たな出合いが見つかることもあるようです。

 

河合塾は、進路適正と汎用的能力を測る「学びみらいPASS」を提供しています。「問題解決力」「行動特性」を評価するテストと「職業」「学問適性」を調べるテストなどから「見えにくい資質・能力」を可視化し、進路選択の幅を広げることを狙いとしているそうです。

 

現在では、年間10万人以上の高校生が、このような「マッチング」を利用しているとのことです。

 

どうですか。これまで教科学力ばかりで評価されてきた生徒が、最近では、異なる軸で将来を考えなさいと言われても、まだまだ、自分のやりたいことが明確になっていない生徒が多いと思います。そこで、マッチングを利用し、自分自身が何に興味を持っているのかを知り、社会で必要とされる資質や能力に気が付くこともあると思います。

 

これも、時代の流れとして受け止めて、若者の将来に道が開かれることに期待したいですね。

2023年

3月

08日

あしかがフラワーパークの変動入園料

年少園児の自転車フィーバーの影響で、年中女子が「私たちは、もうワンランク上をめざします!」と言わんばかりに、ローラースケートの練習に取り組んでいます。年中でローラースケートを乗りこなすようになると凄いことです。今日は、2人の年中女子が、1人で歩けるようになっています。

 

さて、本日はあしかがフラワーパークの話です。2月に、JR両毛線の「あしかがフラワーパーク駅」を通ったのですが、夜のイルミネーションを見学する多くのお客様で賑わっていました。今は、春を迎えて、チューリップの花が見ごろです。そして、入園料は、400円から2100円の間で、変動制になっているそうです。

 

観光地の宿泊施設が、繁忙期に高い宿泊料を設定することは、よくあることですが、あしかがフラワーパークでは、当日の花の咲き具合で入園料を決めているそうです。季節の花が見ごろの時期は高く設定しますが、咲き始めだったり、ピークが過ぎると安く設定するそうです。1977年に開園してからすぐに、「花がいい時とそうでない時で、何で同じ入園料なの?」というお客様の声があり、変動制に変えたそうです。

 

夏休みなどの行楽シーズンには、できるだけ入園料を高くしたいのが本音ですが、花が痛み始めれば料金を下げるそうです。この「花基準」を徹底する理由は、「一度、『割高だな』と思われたら、もう足を運んでもらえない。目先の利益より、長期の信頼を大事にしたい」という考えだそうです。

 

あしかがフラワーパークの年間入園者数は、コロナ前は160万人だったそうです。地方の観光施設としては上位レベルです。一日4000人も入場する計算です。しかも、来園者の7割はリピーターだそうです。

 

早朝からほぼ毎日、社長と幹部数人で園内を回り、花の様子を確認して、当日券の価格を決定するそうです。ホームページには「本日の入園料は〇〇円です」とあります。こうして、年間を通じて、様々な花を楽しむだけでなく、消費者が納得してもらえる価格を探る努力があるからリピーターが多いのですね。

 

東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンといった、人気のテーマパークと違って、地方のテーマパークにお客様を呼ぶのは大変です。こんな知恵で、集客につなげる「あしかがフラワーパーク」にあっぱれ!です。

2023年

3月

07日

子どもの「歩く力」を育てる

年少園児たちが、次々と自転車に乗れるようになり、その姿を見た年中女子園児。実は、3人が「ペーパードライバー」になっていました。ちょうど1年前に、自転車免許証を交付されたのに、しばらく乗らないうちに、自転車から遠ざかってしまいました。でも、年少園児の姿を見て、「やばい!」と思ったようです。3人の年中女子も練習を始めました。

 

ホワイトきゃんばすの子どもたちは、屋上遊びを中心に、毎日ざっと1万歩は歩いていますが、今日は子どもの「歩く力」についての話です。園長が、普通に子どもたちと過ごすと、だいたい1日8000歩くらいになります。子どもたちは、さらに激しく屋上遊びをしているので、1万歩は楽に歩いているのですが、今から45年前の1978年の5歳児は、1日約1万5000歩も歩いていました。それが、2008年では、約4000歩と、歩行量が1/3に減少したのです。今は、もっと少なくなっています。

 

現代社会は、車に乗ることも多く、エレベーター・エスカレーターを利用するので、歩数が少なるなるのも仕方がありませんね。

 

人間の神経系統は6歳までに大人の90%近くまで発達するので、幼児期にたくさん歩いて体に刺激を与えることが大切です。歩くとふくらはぎがポンプのように動いて血液循環がよくなり、心肺や消火器なども発達して体が丈夫になり、脳も活性化します。骨の健やかな発達には、運動による刺激が不可欠と言われています。

 

そして、もう一つ大切なのは、足に合う靴選びです。乳幼児期は、急速に足が発達すると思い込み、つい大きめの靴を選んでしまいますね。しかし、ブカブカの靴は、大人なら足ひれをつけているようなもので、体全体が動かしにくく、転びやすくなります。一方、小さくなった靴を履き続けると指を痛めることになり、瞬発力が低下します。

 

幼児の足は、半年で5~7ミリほど大きくなるので、少なくとも、半年に一度、足のサイズを測って買い替えることが必要だそうです。我が子の健康のために、半年サイクルの靴の出費は必要なのです。

 

しっかりと歩くことと、サイズの合った靴を履くこと。これが、子どもの「歩く力」を育てることにつながるのです。

 

こう考えたらどうでしょうか?親子で手をつないで歩ける時期は幼児期の短いものです。親子で歩けば歩行力が高まるだけでなく、会話もできる。お腹がすいて食欲も増して、寝付きもよくなり、まさにいいことづくめです。我が子と一緒に歩く時間はお金では買えません。

 

考え方も前向きにして、子どもの歩く力を育てないといけませんね。

2023年

3月

06日

女子大生と中学男子が、ジェンダー平等を考える

今日のお昼の年長勉強タイムは、「ママに手紙を書く」です。私の長女の部屋から、大量のカワイイ系の便箋と封筒が出てきました。中学高校時代に、友だちと手紙のやりとりをしていたようです。保育園女子も手紙にはまる園児が数名います。

 

年長園児が、自分のお気に入りやママの趣味に合わせた便箋をチョイスして、「あいうえお50音表」とにらめっこしながら、格闘していました。文字を覚えるのに、手紙を書くことはとても有効ですね。紅一点の6歳女の子は、ママ・パパ・妹と3通も手紙を書いていました。

 

さて、ジェンダー平等について、多くの学校で取り上げられ、生徒同士で議論するような取り組みが増えていますが、女子大生と男子中学生がジェンダーについて、一緒に考えると聞くと、どんな話し合いになるか、興味をそそりますね。

 

これは、昭和女子大学が駒場東邦中学校の男子生徒と取り組む共同プロジェクトとして、令和3年から行われている取り組みです。1年目は「無意識のバイアス(先入観)」2年目は「多様性」をテーマに取り上げ、今年は「異なる価値観を持つ他者と歩み寄ること」を目標に行われました。

 

はじめに「将来、どんな人と一緒になりたいか」について、女子大生と男子中学生のアンケート結果が報告されます。女子大生の多くが「一緒にいて楽しい」「家事ができる」「子どもが好き」と答えるのに対し、男子中学生だけが「外見が整っている」を重視する意見が出ました。ここで、異性に求めるものの違いなどを話し合います。

 

その後に行われたワークショップでは、グループ別に「男女別学」と「性別と仕事・役職」をテーマに、女子大生が授業をします。

男女別学が生まれた歴史を解説後、男子中学生からは、「異性の目を気にしないで済むので勉強に集中できる」メリットと「社会に出たときに、コミュニケーションに慣れていない」といったデメリットを挙げる意見が出ました。

 

また、性別と仕事・役職についての授業では、男女比に隔たりがあることの問題点を一緒に考え、男子中学生からは「少数派の意見が尊重されにくい」「製品を作る上で一方の性の視点が欠ける」「ロールモデルがないので、その職業に就こうと思わない」などの意見が出ます。

 

女子大生にとっては、ジェンダー問題は、就職活動にもかかわる身近な問題ですが、年下の男子生徒と学ぶことで、さらに理解が進んだことでしょう。男子中学生にとっては、自分と違う立場の人の考え方を知るきっかけになったのではないでしょうか。

 

まずは、自分で考える・・・これが大切なことですね。

2023年

3月

05日

小学校と警察の連携

昨日は保育園が終わった後に、見たいものがあったのでリサイクルショップに寄りました。目的のものがなかったので、CDコーナーを覗いてみると、ニューミュージックと言われるジャンルで歌手がくくられていて、衝動買いをしてしまった次第です。(笑)

中島みゆき・安全地帯・ハウンドドッグ・甲斐バンド・松山千春・河島英五・爆風スランプのCDです。昭和世代ど真中です。でも、令和になっても活躍されているアーティストもこの中にはいますね。

 

そして、今、このブログは、中島みゆきを聴きながら書いています。彼女の魅力は、曲はあたりまえですが、歌手の姿とおしゃべりのギャップが凄いことです。かつてのラジオ番組「オールナイトニッポン」での中島みゆきさんは、「こんなハチャメチャな明るいキャラクターなの?」とびっくりするくらいのギャップです。(笑)

 

さて、保育園のあるショッピングセンターでは、時々巡回も含めて警察官が立ち寄ります。万引きなどの事件があれば、警備室で防犯カメラを怖い目つきでチェックしています。保育園でも、かつて開園当初、屋上の自転車が盗まれる事件が発生し、防犯カメラの映像から、警察の協力で犯人逮捕につながりました。でも、警察官の姿を見ると、「何があったの?」と、少し身構えてしまいますね。

 

それが、学校に警察官が来るとなると、保護者からは「学校は、自分たちで手に負えないから、警察沙汰にして指導を手放した」と言われるし、逆に「警察沙汰にしたくないから

隠ぺいした」とも言われます。

 

4月の「子ども家庭庁」の発足を前に、文科省は、いじめ問題など、学校はさらに警察と連携するように通知を出しました。相談・通報すべき事例として具体的に19場面を例示し、それぞれ刑法などに基づき、どのような罪に当たる可能性があるか示しています。例えば「本人の裸などが写った写真や動画をインターネット上で拡散すると脅す」という具体的な内容になっています。

 

昭和の時代は、中学高校での校内暴力での警察沙汰が多かったですが、時代は変わり、暴力行為の発生率は、小学校が中学高校を上回るようになってきています。今回の文科省の通知は、特に小学校でどのように対応するかが、ポイントのようです。

 

ある自治体の教育委員会は、有効な指導の一つは、警察官による加害者への説諭だそうです。警察官は、私服姿で学校を訪ね、児童・生徒と向き合います。教職員とは違った観点、加害行為について考えさせる指導が期待できる。警察は、後の凶悪犯罪に至る「芽」を摘んでおこうという意識が働くといいます。警察沙汰にするという言い方ではなくて、警察と連携するという感じです。

 

どうですか、学校に警察がかかわっていくことのイメージができましたか。学校や子どもたちにかかわる大人は、多い方がいいに決まっていますが、そこに警察も、警察ができる連携で入ってくる時代になるのです。

2023年

3月

04日

神前結婚式

今日は、小学2年の女の子が、「ローラースケートやりたい!」となり、久しぶりに屋上では、4人の小学生と年長園児が、チャレンジしました。最初はろくに歩くこともできずに、コロコロ転がっていましたが、3輪車の後ろにある手すりにつかまって、歩く練習がスムーズに成功すると、今日1日だけで、ゆっくりと走れるようになりました。自転車以上に、ローラースケート(インラインスケート)は難しいですが、子どもたちの習得能力はにはあっぱれです。  

 

さて、土曜日の園長の課外授業では、氷川神社&大宮公園によく遊びに行きます。先日は、氷川神社で、結婚式が行われていました。参道を新郎新婦と親族が神妙な顔つきで歩きます。神前結婚式です。実は、イエナプランの勉強会で知り合った、塾の先生が、2年前に氷川神社で結婚式をあげました。コロナ禍ですので、写真でその様子を見させてもらったのですが、カッコよかったですね。

 

コロナ前には、多くの結婚式と披露宴に出席させてもらいましたが、教会で式を挙げて、ウエディングドレスからお色直しでドレス姿というパターンがほとんどですね。もちろん、結婚式のスタイルは、新郎新婦の思いが込められているので、どんな形でも感動しますが、氷川神社の神前結婚式は、紋付き袴の新郎と白装束の新婦とその後ろを親族などが歩くスタイルです。新鮮で不思議な空間です。

 

大宮氷川神社は、武蔵一之宮で、由緒正しいお社ですが、初詣で賑わうイメージがありますね。保育園では、子どもたちの七五三は、多くが氷川神社です。最近は、初詣でよく来る氷川神社で結婚式を挙げたいというカップルが増えているそうです。2022年に、ここで式を挙げた新郎新婦は前年の2.5倍に増加したそうです。

 

実は、氷川神社での結婚式は、1960年代がピークで、年間1800件を超えたそうです。1日平均5組も式を挙げていたのです。ところが、教会で式を挙げるのが主流になるにつれて減少していったそうです。

 

そして、令和になって、また脚光を浴びているのです。

 

そうです。1年前入籍した私の長女が、コロナの影響が少なくなったので、来月結婚式を挙げます。神前結婚式ではありませんが、なんだか、こだわりの「〇〇会館」で、おごそかな結婚式を計画しているようです。「おやじ園長・・・娘とバージンロードを歩く」という初めての経験をします。(笑)

2023年

3月

03日

無駄づくり発明家

昨日宮前小学校の1年学年主任の先生が届けてくれた、宮前小学校を紹介する本を、朝の会で、先生が読み聞かせをしました。年長園児6名だけでなく、年中・年少園児も、興味津々の顔つきで、話を聞いていました。最後のページの1年生からのメッセージです。

 

「もうすぐで一年生の子へ、私たちは今一年生だけど、次に一年生になるね。たくさん、お友だちできるから安心して。宮前小は、こわくないから大丈夫だよ。一年生は朝顔を育てるから元気に育ててね。勉強も楽しいし、テストは君なら絶対に100点だよ。だから安心して、ちゃんと先生のお話を聞いて勉強とテストも100点で頭がよくなるようにして、朝顔を元気に育ててあげてね」実際には、すべてひらがなで書かれています。こんなメッセージが1つ上の先輩から届くなんて、素敵な取り組みに、心から感謝です。

 

さて、今日は「無駄」なことに、一生懸命な発明家の話です。

 

「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」を発明したのが、「藤原まりな」さんという29歳の女性です。このネーミングを聞いただけで、なんだかホッコリしますね。コロナ禍が始まったばかりのころに、私の長女が、家で缶ビール片手にオンライン飲み会を会社のメンバーでやっていました。どうも、お付き合いで仕方なく参加した感じです。このマシーンが役に立ったかもしれませんね。

 

「イヤホンを絡ませるマシーン」なんて、どうですか。ストレスが増してイライラしそうですね。でも、何か楽しそうです。

 

「ラーメンの画像をすべてネジにするアプリ」はいりませんか。深夜にラーメンが食べたくなって、ラーメン店を検索しても、みんなネジの画像になっているので、食欲減退ですね。

 

彼女は、こう言います。「わたしは、無駄なものを作るプロです。無駄なものを作ることが仕事の、無駄のプロフェッショナルです。わたしは、無駄を愛しているのですが、世間ではまだまだ「無駄は悪いもの」という考え方の人が多いようです。余計なことをして遊んでいると、「無駄なことをしないで!」と怒られたり、好きなものを買うと「また無駄づかいして!」と言われてしまいます。みなさんはどうでしょうか?無駄って悪いものだと思いますか?」

 

彼女の問いかけに、みなさんはどう答えますか。「無駄」という言葉の意味・・・自分の解釈を付け足したいですね。